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特開2023-55205半導体デバイス及び半導体デバイスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055205
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】半導体デバイス及び半導体デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/29 20060101AFI20230410BHJP
   H01L 25/04 20230101ALI20230410BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20230410BHJP
   H01L 23/50 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
H01L23/36 A
H01L25/04 Z
H01L21/56 T
H01L23/50 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022155213
(22)【出願日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2021163985
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000154325
【氏名又は名称】住友電工デバイス・イノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【弁理士】
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】佐橋 明
【テーマコード(参考)】
5F061
5F067
5F136
【Fターム(参考)】
5F061AA01
5F061BA02
5F061CA21
5F067AA03
5F067AB10
5F067BE04
5F067BE07
5F067CA04
5F067DA11
5F136BA30
5F136BB11
5F136DA04
5F136DA31
5F136FA03
5F136FA04
5F136FA05
5F136GA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】半導体素子による発熱を効率よく放熱できる半導体デバイスを提供する。
【解決手段】半導体デバイス1は、上面1Paおよび下面1Pbを有するパッケージ1Pと、パッケージ1P内に配置される半導体素子と、パッケージ1P内に配置され、半導体素子が搭載されるリードフレームと、を備える。リードフレームの上面は、パッケージの上面1Paに露出し、リードフレームの下面は、パッケージの下面1Pbに露出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および下面を有するパッケージと、
前記パッケージ内に配置される半導体素子と、
前記パッケージ内に配置され、前記半導体素子が搭載されるベースと、を備え、
前記ベースの上面は、前記パッケージの前記上面に露出し、
前記ベースの下面は、前記パッケージの前記下面に露出する、半導体デバイス。
【請求項2】
露出している前記ベースの前記上面及び前記下面は、外部のヒートシンクと熱的に接続される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記半導体素子と電気的に接続され、前記パッケージの前記上面または前記下面から露出している面を有する外部端子をさらに備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記ベースには複数の前記半導体素子が搭載される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記ベースの露出した前記上面は、前記複数の前記半導体素子の間に設けられる、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記ベースには、回路基板が搭載されており、
前記ベースは、前記ベースの露出した前記上面と前記回路基板が搭載された位置との間にスリットを有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記ベースの露出した前記上面と前記半導体素子が搭載された位置との間は連続して設けられている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記パッケージの前記上面に露出している面を有し、前記ベースと電気的に接続するグランド端子をさらに備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記グランド端子の厚さは、前記ベースの厚さよりも薄い、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
上面および下面を有するパッケージと、
前記パッケージ内に配置される半導体素子と、
前記パッケージ内に配置され、前記半導体素子が搭載されるベースと、を備え、
前記ベースの上面が前記パッケージの前記上面に露出し、前記ベースの下面が前記パッケージの前記下面に露出する、半導体デバイスの製造方法であって、
前記ベースに前記半導体素子を搭載する工程と、
前記半導体素子と外部端子とを導通部材によって導通させる工程と、
前記ベースと、前記外部端子と、前記半導体素子とを樹脂材料で封止する工程と、を含む、半導体デバイスの製造方法。
【請求項11】
前記ベースは、前記露出した前記上面と前記半導体素子との間にスリットを有し、
前記樹脂材料で封止する工程は、前記ベースの前記スリットに向かって樹脂を注入する工程を含む、請求項10に記載の半導体デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイス及び半導体デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体デバイスが記載されている。この半導体デバイスは、リードフレームと、半導体素子とを備える。半導体素子は、リードフレームの表面に搭載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-50891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リードフレームに半導体素子が搭載された半導体デバイスでは、半導体素子による発熱がリードフレームを介して放熱され得る。例えば、半導体デバイスがリードフレームとリードフレームの表面に搭載された半導体素子とを備える場合、リードフレームにおける表面と対向する裏面をヒートシンクに当接させ、半導体素子の発熱をヒートシンクに放熱することができる。しかしながら、例えば、リードフレーム上に搭載された複数の半導体素子同士の間の領域で放熱が集中した場合、当該領域に対応するヒートシンクの温度が上昇しやすく、放熱性能が低下することが考えられる。
【0005】
本開示は、半導体素子による発熱を効率よく放熱できる半導体デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、半導体デバイスを提供する。半導体デバイスは、上面および下面を有するパッケージと、パッケージ内に配置される半導体素子と、パッケージ内に配置され、半導体素子が搭載されるベースと、を備え、ベースの上面は、パッケージの上面に露出し、ベースの下面は、パッケージの下面に露出する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、高周波特性の低下が抑制された半導体デバイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一例の半導体デバイスの構成を模式的に示す平面図である。
図2図2は、図1におけるII-II線に沿った断面図である。
図3図3は、一例の半導体デバイスを基板上に実装した半導体装置を示す断面図である。
図4図4は、他の例の半導体デバイスの構成を模式的に示す平面図である。
図5図5は、図4におけるV-V線に沿った断面図である。
図6図6は、図4のVI-VI線に沿った断面図である。
図7図7は、一例の半導体デバイスの製造方法の工程を示す模式図である。
図8図8は、一例の半導体デバイスの製造方法の工程を示す模式図である。
図9図9は、一例の半導体デバイスの製造方法の工程を示す模式図である。
図10図10は、一例の半導体デバイスの製造方法の工程を示す模式図である。
図11図11は、図5の半導体デバイスを基板上に実装した半導体装置の一例を示す断面図である。
図12図12は、図5の半導体デバイスを基板上に実装した半導体装置の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
一実施形態に係る半導体デバイスは、上面および下面を有するパッケージと、パッケージ内に配置される半導体素子と、パッケージ内に配置され、半導体素子が搭載されるベースと、を備え、ベースの上面は、パッケージの上面に露出し、ベースの下面は、パッケージの下面に露出する。
【0010】
一実施形態に係る半導体デバイスの製造方法において、半導体デバイスは、上面および下面を有するパッケージと、パッケージ内に配置される半導体素子と、パッケージ内に配置され、半導体素子が搭載されるベースと、を備える。ベースの上面は、パッケージの上面に露出している。ベースの下面はパッケージの下面に露出している。該方法は、ベースに半導体素子を搭載する工程と、半導体素子と外部端子とを導通部材によって導通させる工程と、ベースと、外部端子と、半導体素子とを樹脂材料で封止する工程と、を含む。
【0011】
上記の半導体デバイスにおいて、半導体が搭載されたベースは、パッケージから露出した上面及び下面を有している。そのため、半導体素子の発熱をベースの上面及びベースの下面から放出することができる。したがって、半導体素子の発熱を効率よく放出できる。
【0012】
一例において、露出しているベースの上面及び下面は、外部のヒートシンクと熱的に接続されてもよい。この構成では、ヒートシンクを介して効率的に放熱できる。
【0013】
一例の半導体デバイスは、半導体素子と電気的に接続され、パッケージの上面または下面から露出している面を有する外部端子、をさらに備えてもよい。一例のベースには複数の半導体素子が搭載されてもよい。ベースの露出した上面は、複数の半導体素子の間に設けられてもよい。ベースには、回路基板が搭載されており、ベースは、ベースの露出した上面と回路基板が搭載された位置との間にスリットを有してもよい。この構成では、スリットによってベースの上面側と下面側とが連通するため、例えば上面側から注入した樹脂材料を容易に下面側に流入させることができる。
【0014】
ベースの露出した上面と半導体素子が搭載された位置との間は連続していてよい。この構成では、半導体素子の発熱がベースの露出した上面に伝導され得る。
【0015】
一例の半導体デバイスは、パッケージの上面に露出している面を有し、ベースと電気的に接続するグランド端子を備えてもよい。この構成では、パッケージから露出するベースの上面をグランド端子として利用できる。
【0016】
一例のグランド端子の厚さは、ベースの厚さよりも薄くてよい。この構成では、半導体素子の発熱がグランド端子に伝導されることが抑制される。
【0017】
一例の製造方法において、ベースは、露出した上面と半導体素子との間にスリットを有し、樹脂材料で封止する工程は、ベースのスリットに向かって樹脂を注入する工程を含んでもよい。
[本発明の実施形態の詳細]
【0018】
本開示の半導体デバイスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1は、一例の半導体デバイスの構成を模式的に示す平面図である。図2は、図1におけるII-II線に沿った断面図である。以下の説明では、図面に示したXYZ直交座標系を参照する場合がある。図1及び図2に示すように、一例の半導体デバイス1を構成するパッケージ1Pは、リードフレーム10(ベース)と、外部端子20と、半導体素子30と、整合回路基板40と、ボンディングワイヤ50と、樹脂材料60とを備える。なお、図1では、樹脂材料60によって被覆された部分についても実線で描画している。
【0020】
一例のリードフレーム10は、導電性を有する板状の部材である。リードフレーム10は、例えば銅、銅とモリブデンの合金、銅とタングステンの合金、あるいは、銅板、モリブデン板、タングステン板、銅とモリブデンの合金板、銅とタングステンの合金板による積層材によって形成され得る。図示例のリードフレーム10は銅によって形成されていてよい。なお、リードフレーム10の材料は上記に限定されない。
【0021】
リードフレーム10は、略矩形板状をなすリードフレーム本体11を含む。リードフレーム本体11は、半導体素子30及び整合回路基板40を搭載するための表面11a(第1面)と、表面11aと対向する面である裏面11b(第2面)とを有する。図1及び図2において、表面11a及び裏面11bはXY平面に沿って延在している。そのため、リードフレーム10の厚さ方向は、Z方向に沿っている。
【0022】
図1に示すように、リードフレーム本体11の周縁11cの外形は、略矩形状を呈している。すなわち、リードフレーム本体11は、Y方向に沿って延在する第1の辺12及び第2の辺13と、X方向に沿って延在する第3の辺14及び第4の辺15を含む。第1の辺12と第2の辺13とは、X方向に互いに対向している。第3の辺14と第4の辺15とは、Y方向に互いに対向している。第1の辺12と第2の辺13とは、第3の辺14及び第4の辺15によって接続されている。
【0023】
リードフレーム10は、グランド端子16を含んでいる。グランド端子16は、リードフレーム本体11の周縁11cに設けられている。また、Z方向から見たときに、グランド端子16は、リードフレーム10の周縁11cから外側に向かって延在している。図示例のグランド端子16は、第1の辺12及び第2の辺13に設けられている。図示例では、第1の辺12及び第2の辺13のそれぞれに計8つのグランド端子16が設けられている。図2に示すように、グランド端子16は、Z方向においてリードフレーム本体11から離れた位置においてXY平面に沿って延在する第1部分16aと、第1部分16aとリードフレーム本体11とを接続する第2部分16bとを含む。なお、一例において、グランド端子16は、リードフレーム10を構成する所定形状の金属板を曲げ加工(プレス加工)することによって製造されてもよい。この場合、曲げ加工における曲げ線は、Y方向に沿っている。
【0024】
外部端子20は、入力信号端子21と出力信号端子23とを含む。入力信号端子21はリードフレーム10の第1の辺12に設けられ、出力信号端子23はリードフレーム10の第2の辺13に設けられている。すなわち、図2に示すように、入力信号端子21は、リードフレーム10の表面11aの周縁11cのうち第1の辺12に近接して配置されている。入力信号端子21は、Z方向においてリードフレーム本体11に近い位置でXY平面に沿って延在する第1部分21aと、第1部分21aよりもリードフレーム本体11から離れた位置においてXY平面に沿って延在する第2部分21bと、第1部分21aと第2部分21bとを接続する第3部分21cとを含む。例えば、入力信号端子21は、第1の辺12に対面して、Y方向に互いに離間して複数配置されてもよい。図示例では、Y方向の中央に入力信号端子21が配置されている。
【0025】
同様に出力信号端子23は、リードフレーム10の表面11aの周縁11cのうち第2の辺13に近接して配置されている。出力信号端子23は、Z方向においてリードフレーム本体11に近い位置でXY平面に沿って延在する第1部分23aと、第1部分23aよりもリードフレーム本体11から離れた位置においてXY平面に沿って延在する第2部分23bと、第1部分23aと第2部分23bとを接続する第3部分23cとを含む。例えば、出力信号端子23は、第2の辺13に対面して、Y方向に互いに離間して複数配置されてもよい。図示例では、Y方向の中央に出力信号端子23が配置されている。
【0026】
また、外部端子20は電源端子25を含む。図示例では、4つの電源端子25が示されている。2つの電源端子25は、第3の辺14に近接して配置されており、残りの2つの電源端子25は第4の辺15に近接して配置されている。一例の電源端子25は、Z方向から見たときに、リードフレーム本体11から離間している。図示例では、リードフレーム本体11の第3の辺14及び第4の辺15に矩形の切欠き状の括れ部分14a,15aが設けられており、電源端子25は、この括れ部分14a,15aに配置されている。例えば、電源端子25は、Z方向においてリードフレーム本体11に近い位置でXY平面に沿って延在する第1部分25aと、第1部分25aよりもリードフレーム本体11から離れた位置においてXY平面に沿って延在する第2部分25bと、第1部分25aと第2部分25bとを接続する第3部分25cとを含んでよい。Z方向における電源端子25の第2部分25bの位置は、入力信号端子21の第2部分21b、出力信号端子23の第2部分23b及びグランド端子16の第1部分16aと互いに同じであってよい。
【0027】
半導体素子30は、リードフレーム10の表面11aに搭載されている。リードフレーム10の表面11a上に半導体素子30を接着するための接着剤は、例えば銀ペーストといった導電性接着剤であってよい。半導体素子30は、例えば窒化ガリウム(GaN)系のトランジスタであってよいが、これに限定されない。例えば、半導体素子30は、Si、SiC、GaN、GaAs又はダイヤモンド等の基板を備えるトランジスタであってもよい。半導体素子30は、ドレイン電極、ソース電極及びゲート電極からなる電極を含んでおり、この電極を介して他の素子又は端子と電気的に接続される。図示例では、リードフレーム本体11の表面11aに2つの半導体素子30が搭載されている。
【0028】
整合回路基板40は、リードフレーム10の表面11aに搭載されている。リードフレーム10の表面11a上に整合回路基板40を接着するための接着剤は、例えば銀ペーストといった導電性接着剤であってよい。整合回路基板40は、入力回路基板41又は出力回路基板43であってよい。入力回路基板41は、入力信号端子21と半導体素子30との間のインピーダンスのマッチングを行う。出力回路基板43は、出力信号端子23と半導体素子30との間のインピーダンスのマッチングを行う。入力回路基板41及び出力回路基板43は、例えば、セラミック基板の上面及び下面のそれぞれに電極を設けた平行平板型キャパシタである。また、整合回路基板40は、Si-MOS構造により形成されたキャパシタであってもよい。整合回路基板40は、半導体素子30と外部端子20と電源端子25とに電気的に接続されている。
【0029】
ボンディングワイヤ50(導通部材)は、半導体デバイス1の構成要素同士を導通させる部材である。一例の半導体デバイス1は、複数のボンディングワイヤ50を含む。ボンディングワイヤ50は、例えば、金(Au)といった金属によって形成されている。ボンディングワイヤ50は、入力信号端子21と入力回路基板41との間、入力回路基板41と半導体素子30との間、入力回路基板41と電源端子25との間、半導体素子30と出力回路基板43との間、出力回路基板43と電源端子25との間、及び、出力回路基板43と出力信号端子23との間、を導通させる。これにより、半導体素子30と入力信号端子21及び出力信号端子23とが導通される。
【0030】
一例の半導体デバイス1のリードフレーム10上には、図1に示すように、入力信号端子21に近接する第1の辺12から出力信号端子23に近接する第2の辺13にかけて、3つの入力回路基板41、2つの半導体素子30、及び3つの出力回路基板43が搭載されている。
【0031】
樹脂材料60は、リードフレーム10、半導体素子30、整合回路基板40、及び外部端子20を封止している。一例の半導体デバイス1では、リードフレーム10の一部、半導体素子30、外部端子20の一部、及びボンディングワイヤ50が樹脂材料60によって封止されている。一例の半導体デバイス1では、入力信号端子21の第2部分21b、出力信号端子23の第2部分23b、グランド端子16の第1部分16a、及び、電源端子25の第2部分25bが樹脂材料60から露出している。また、リードフレーム10の裏面11bと表面11aの一部も樹脂材料60から露出している。樹脂材料60は、例えば熱硬化性エポキシ樹脂等の樹脂であってよい。
【0032】
以下、一例の半導体デバイス1について、さらに詳細に説明する。
【0033】
リードフレーム10は、第1放熱領域17と第2放熱領域18とを含む。第1放熱領域17は、表面11aから放熱する第1放熱面17a(上面)を有する。図1に示すように、一例の第1放熱領域17は、平面視においてリードフレーム10の中央に位置している。図示例では、第1放熱領域17は、X方向及びY方向に沿った周縁を有する矩形状を呈している。第1放熱領域17は、リードフレーム10において裏面11bから表面11aに向かう方向に突出した柱状の領域として形成されている。第1放熱面17aは、第1放熱領域17の突出方向の端面である。Z方向における第1放熱面17aの位置は、半導体素子30及び整合回路基板40の上端面よりも第2放熱領域18の表面11aから離れている。Z方向における第1放熱面17aの位置は、電源端子25の第2部分25b、入力信号端子21の第2部分21b、出力信号端子23の第2部分23b及びグランド端子16の第1部分16aの位置と同じであってよい。半導体デバイス1において、第1放熱面17aは、樹脂材料60から露出している。なお、第1放熱面17aは、樹脂材料60によって部分的に被覆されていてもよい。
【0034】
第2放熱領域18は、裏面11bから放熱する第2放熱面18a(下面)を有する。図1に示すように、一例の第2放熱領域18は、平面視において、第1放熱領域17の四方を囲んでいる。図示例の第2放熱領域18は、リードフレーム本体11のうちの第1放熱領域17ではない領域である。そのため、第2放熱領域18の外形は、リードフレーム本体11の外形に一致しており、矩形状を呈している。
【0035】
第2放熱領域18の外形を画成する第1の辺12と第2の辺13とを結ぶ方向を第1方向とした場合、すなわち、図面におけるX方向を第1方向とした場合、第1放熱領域17と第2放熱領域18とは第1方向に互いに隣り合った部分を含む。より具体的には、第1方向において、第1放熱領域17は第2放熱領域18に挟まれている。同様に、第2放熱領域18の外形を画成する第3の辺14と第4の辺15とを結ぶ方向を第2方向とした場合、すなわち、図面におけるY方向を第2方向とした場合、第1放熱領域17と第2放熱領域18とは第2方向に互いに隣り合った部分を含む。より具体的には、第2方向において、第1放熱領域17は第2放熱領域18に挟まれている。
【0036】
なお、図1及び図2に示す半導体デバイス1において、リードフレーム本体11の裏面11bは、樹脂材料60から露出しており、全域にわたって放熱面として機能し得る。このように第1放熱領域17の裏面も放熱面として機能し得るが、本明細書においては、裏面から放熱可能な領域であっても、表面が放熱面として機能する場合には、当該領域を第1放熱領域17としている。
【0037】
半導体素子30及び整合回路基板40は、第2放熱領域18の表面11aに搭載されている。一例の半導体素子30は、第2放熱領域18のうちの、第2方向(Y方向)において第1放熱領域17を挟む位置に設けられている。また、3つの入力回路基板41は、X方向において第1放熱領域17と第1の辺12との間に位置する第2放熱領域18の表面11aにY方向に沿って離間して配置されている。3つの出力回路基板43は、X方向において第1放熱領域17と第2の辺13との間に位置する第2放熱領域18の表面11aにY方向に沿って離間して配置されている。Y方向の中央の入力回路基板41とY方向の中央の出力回路基板43とは、X方向において第1放熱領域17を挟む位置に設けられている。
【0038】
3つの入力信号端子21は、第1の辺12、第2の辺13、第3の辺14及び第4の辺15のうちで第1の辺12からの距離が最短となるように、第1の辺12の近傍に配置されている。Y方向における入力信号端子21の位置は、Y方向における中央の入力回路基板41の位置に対応している。すなわち、入力信号端子21は、中央の入力回路基板41とX方向において対向している。
【0039】
同様に、3つの出力信号端子23は、第1の辺12、第2の辺13、第3の辺14及び第4の辺15のうちで第2の辺13からの距離が最短となるように、第2の辺13の近傍に配置されている。Y方向における出力信号端子23の位置は、Y方向における中央の出力回路基板43の位置に対応している。すなわち、出力信号端子23は、中央の出力回路基板43とX方向において対向している。
【0040】
図3は、一例の半導体デバイス1を基板90上に実装した半導体装置1Aを模式的に示す断面図である。図3に示すように、半導体装置1Aにおいて、半導体デバイス1の外部端子20及びグランド端子16は、基板90上に形成された回路パターン91に対して半田ペースト92を介して接続されている。一例において、基板90は、第1放熱領域17に対応する位置にヒートシンク95(第1のヒートシンク)を有している。半導体デバイス1が基板90に実装された状態では、ヒートシンク95は、第1放熱領域17の第1放熱面17aに接触している。すなわち、第1放熱面17aは、ヒートシンク95に対して熱的に接続している。また、図3の例では、第2放熱領域18の第2放熱面18a側に他のヒートシンク97(第2のヒートシンク)が設けられている。このヒートシンク97は、第2放熱面18aに接触した状態で基板90又は半導体デバイス1に固定されている。すなわち、第2放熱面18aは、ヒートシンク97に対して熱的に接続している。なお、ヒートシンク97は、リードフレーム10の裏面11bに接触しているため、第1放熱領域17の裏面にも接触している。
【0041】
以上説明したように、一例の半導体デバイス1は、表面11a及び表面11aと対向する裏面11bを有し、表面11aから放熱する第1放熱面17aを有する第1放熱領域17と裏面11bから放熱する第2放熱面18aを有する第2放熱領域18とを含むリードフレーム10と、リードフレーム10の第2放熱領域18の表面11aに搭載される半導体素子30と、リードフレーム10及び半導体素子30を封止する樹脂材料60と、半導体素子30と電気的に接続され、一部が樹脂材料60から露出している外部端子20と、を備える。換言すると、一例の半導体デバイス1は、上面1Paおよび下面1Pbを有するパッケージ1Pと、パッケージ1P内に配置される半導体素子30と、パッケージ1P内に配置され、半導体素子30が搭載されるリードフレーム10と、を備えており、リードフレーム10の上面を構成する第1放熱面17aは、パッケージ1Pの上面1Paに露出し、リードフレーム10の下面を構成する第2放熱面18aは、パッケージ1Pの下面1Pbに露出する。
【0042】
上記の半導体デバイス1では、第2放熱領域18の表面11aに搭載された半導体素子30の発熱がリードフレーム10を介して放熱される。第2放熱領域18において、半導体素子30が搭載されている位置に対応する裏面11bを第2放熱面18aとすることにより、当該第2放熱面18aから半導体素子30の発熱を放熱することができる。さらに、半導体デバイス1は、表面11aから放熱する第1放熱面17aを有する第1放熱領域17を含む。この場合、第1放熱面17aによって放熱される熱量の分だけ、第2放熱面18aで放熱される熱量を低減することができる。図示例のように、第1放熱面17a及び第2放熱面18aにそれぞれ当接するヒートシンク95及びヒートシンク97を有する場合、半導体素子30の発熱は、ヒートシンク95とヒートシンク97とに分散されて放熱される。したがって、半導体素子30による発熱を効率よく放熱できる。
【0043】
一例の第1放熱面17a及び第2放熱面18aの少なくとも一部は、樹脂材料60から露出していてもよい。この構成では、例えば第1放熱面17a及び第2放熱面18aをヒートシンク等に容易に接触させることができる。
【0044】
半導体デバイス1は、半導体素子30と接続し、第1方向において第1放熱領域17を挟む位置のそれぞれの第2放熱領域18の表面11aに搭載される整合回路基板40を有していてよい。この構成では、表面11a側に突出した第1放熱領域17が空間の電磁波の伝搬を抑制することによって、第1放熱領域17を挟む位置に配置された整合回路基板40同士のアイソレーションが向上する。図示例では、Y方向の中央に配置された入力回路基板41と出力回路基板43とのアイソレーションが向上する。
【0045】
一例のリードフレーム10の第1の辺12及び第2の辺13には、第2放熱領域18と接続され、表面11a側に接続面を有するグランド端子16が設けられていてよい。この構成では、表面11a側を放熱面とする第1放熱領域117もグランド端子として利用され得る。
【0046】
以上、本開示の一例の形態について詳細に説明されたが、本開示は上記形態に限定されない。
【0047】
図4は、他の例の半導体デバイスの構成を模式的に示す平面図である。図5は、図4におけるV-V線に沿った断面図である。図6は、図4のVI-VI線に沿った断面図である。図4から図6に示す半導体デバイス100は、主として、第1放熱領域17に代えて第1放熱領域117を有する点において、図1から図3に示す半導体デバイス1と相違する。半導体デバイス100を構成するパッケージ100Pは、図3における半導体デバイス1と同様に基板90上に実装され得る。以下の半導体デバイス100の説明において、半導体デバイス1と重複する構成の説明は省略する。
【0048】
図4から図6に示すように、半導体デバイス100のリードフレーム110(ベース)は、第1放熱領域117(上面)と第2放熱領域118(下面)とを含む。第1放熱領域117は、表面11aから放熱する第1放熱面117aを有する。一例の第1放熱領域117は、平面視においてリードフレーム110の中央に位置している。第2放熱領域118は、半導体デバイス1の第2放熱領域18と同様に、リードフレーム110のうちの第1放熱領域117ではない領域である。
【0049】
図示例において、第1放熱領域117は、X方向及びY方向に沿った周縁を有する矩形板状を呈している。第1放熱領域117は、リードフレーム110が裏面11bから表面11aに向かう方向に部分的に立ち上がることによって形成されている。このような形状は、例えば曲げ加工によって形成され得る。図示例の第1放熱領域117は、第2放熱領域118に対してZ方向にずれた位置でX方向及びY方向に延在する第1放熱面117aを含む。第1放熱領域117は、XZ平面に沿って延在する壁部119aを介して第2放熱領域118に接続されている。壁部119aはリードフレーム110の一部によって構成されており、第1放熱領域117のY方向の両端縁と第2放熱領域118とを接続する。
【0050】
Z方向における第1放熱面117aの位置は、半導体素子30及び整合回路基板40の上端面よりも第2放熱領域118の表面11aから離れている。Z方向における第1放熱領域117の第1放熱面117aの位置は、電源端子25の第2部分25b、入力信号端子21の第2部分21b、出力信号端子23の第2部分23b及びグランド端子16の第1部分16aと同じであってよい。半導体デバイス100において、第1放熱面117aは、樹脂材料60から露出している。なお、第1放熱面117aは、樹脂材料60によって部分的に被覆されていてもよい。
【0051】
図5に示すように、第1放熱領域117と第2放熱領域118との間の少なくとも一部には、X方向において第1放熱領域117と第2放熱領域118とを互いに離間するスリット119b(間隙)が形成されている。一例において、スリット119bは、第1放熱領域117のX方向の両端縁においてY方向に延在している。図示例では、第1放熱領域117のY方向の全域にわたってスリット119bが形成されている。例えば、スリット119bは、パッケージ100Pの上面100Paから露出したリードフレーム110の第1放熱領域117と入力回路基板41及び出力回路基板43が搭載された位置との間に形成されている。
【0052】
また、半導体デバイス100において、グランド端子16の厚さは、第1放熱領域117及び第2放熱領域118の厚さよりも薄い。なお、第1部分16aにおけるグランド端子16の厚さT1は、Z方向の大きさであってよい。また、第2部分16bにおけるグランド端子16の厚さT2は、図5に示すように、第2部分16bの延在方向に直交する方向に沿った大きさであってよい。一例において厚さT1とT2とは同じ大きさであってよい。なお、第1放熱領域117及び第2放熱領域118の厚さは、リードフレーム110のZ方向の大きさであってよい。図示例では、第1放熱領域117の厚さと第2放熱領域118の厚さとが同じである例を示しているが、第1放熱領域117の厚さと第2放熱領域118の厚さとは互いに異なっていてもよい。
【0053】
図6に示すように、第1放熱領域117と第2放熱領域118とを構成するリードフレーム110の領域はY方向において壁部119aを介して連続している。すなわち、Y方向における断面視では、第1放熱領域117と第2放熱領域118とが一体的に形成されている。このように、リードフレーム110の第1放熱領域117と半導体素子30が搭載された位置との間は連続して設けられている。
【0054】
図6では、半導体素子30で発生した熱が45°の角度の広がりをもって第2放熱領域118の表面11aから第2放熱面118a(裏面11b)に伝導すると仮定し、熱の広がりを一点鎖線L1で示している。このような仮定の下で半導体素子30の発熱を効率的に放熱するために、一例の半導体デバイス100では、第2放熱領域118の第2放熱面118aのうち半導体素子30に対向する領域のY方向における大きさが、半導体素子30のY方向の幅よりも大きくなっている。
【0055】
例えば、図6に示すように、第2放熱領域118のうち第1放熱領域117を挟む部分において、第2放熱面118aの端縁118cのY方向の位置は、半導体素子30の端縁30aの位置からリードフレーム110の厚さ分以上の距離だけ外側にオフセットしている。なお、第2放熱面118aの端縁118c及び半導体素子30の端縁30aは、Y方向において第1放熱領域117から遠い方の端縁である。すなわち、第2放熱面118aの端縁118cの位置は、第3の辺14の位置及び第4の辺15の位置と同じである。
【0056】
また、第2放熱面118aにおける第1放熱領域117に近い端縁118dのY方向の位置は、半導体素子30における第1放熱領域117に近い端縁30bの位置からリードフレーム110の厚さ分以上の距離だけ内側にオフセットしている。このように、第2放熱領域118のうち第1放熱領域117を挟む部分のY方向の幅は、半導体素子30のY方向の幅よりも第2放熱領域118の厚さの2倍の長さ以上大きくなっている。
【0057】
図7から図10は、半導体デバイス100の一例の製造方法の各工程を示す模式図である。一例の製造方法では、まず、半導体デバイス100を構成する各部材、すなわち、リードフレーム110、外部端子20、半導体素子30及び整合回路基板40が用意される。図7に示すように、リードフレーム110及び外部端子20は、完成された状態の半導体デバイス100における位置関係となるように、所定の位置に配置される。
【0058】
続いて、図8に示すように、リードフレーム110における第2放熱領域118の表面11aの所定位置に半導体素子30及び整合回路基板40が搭載される。例えば、半導体素子30及び整合回路基板40は、導電性接着剤によってリードフレーム110上に接着される。
【0059】
続いて、図9に示すように、外部端子20、半導体素子30及び整合回路基板40のそれぞれがボンディングワイヤ50によって互いに接続される。これにより、半導体素子30及び整合回路基板40と外部端子20とが導通する。図示例では、入力信号端子21と入力回路基板41との間、入力回路基板41と半導体素子30との間、入力回路基板41と電源端子25との間、半導体素子30と出力回路基板43との間、出力回路基板43と電源端子25との間、及び、出力回路基板43と出力信号端子23との間がそれぞれボンディングワイヤ50によって接続される。
【0060】
続いて、図10に示すように、リードフレーム110、外部端子20、半導体素子30、整合回路基板40及びボンディングワイヤ50が樹脂材料60で封止される。樹脂材料60で封止された状態において、リードフレーム110のうち、第1放熱面117a及び第2放熱面118aは樹脂材料60から露出している。同様に、電源端子25の第2部分25b、入力信号端子21の第2部分21b、出力信号端子23の第2部分23b及びグランド端子16の第1部分16aも樹脂材料60から露出している。
【0061】
一例において、樹脂材料60で封止する工程では、X方向に沿って、リードフレーム110、外部端子20、半導体素子30、整合回路基板40及びボンディングワイヤ50の周囲に樹脂材料60が注入される。例えば、当該工程では、半導体デバイス100の外形に対応する空間を画成する金型が用いられてもよい。すなわち、互いに接続されたリードフレーム110、外部端子20、半導体素子30、整合回路基板40及びボンディングワイヤ50が金型内に配置された状態で、金型内に樹脂材料60が注入されてもよい。この場合、樹脂材料60は、X方向に沿って金型内に注入される。例えば、樹脂材料60は、第1の辺12に臨む位置の表面11a側から第2の辺13に向かう方向に向けて、又は、第2の辺13に臨む位置の表面11a側から第1の辺12に向かう方向に向けて金型内に注入されてもよい。
【0062】
以上説明したように、一例の半導体デバイス100は、上面100Paおよび下面100Pbを有するパッケージ100Pと、パッケージ100P内に配置される半導体素子30と、パッケージ100P内に配置され、半導体素子30が搭載されるリードフレーム110と、を備えており、リードフレーム110の上面を構成する第1放熱面117aは、パッケージ100Pの上面100Paに露出し、リードフレーム110の下面を構成する第2放熱面118aは、パッケージ100Pの下面100Pbに露出する。
【0063】
また、一例の半導体デバイス100は、外部端子20に電気的に接続される半導体素子30を搭載するための表面11aと、表面11aと対向する裏面11bとを有するリードフレーム110を備える。このリードフレーム110は、表面11aから放熱する第1放熱面117aを有する矩形板状の第1放熱領域117と、裏面11bから放熱する第2放熱面118aを有し、第1放熱領域117の四方を囲み、矩形状の外形を有する第2放熱領域118と、を備える。外部端子20は、第2放熱領域118の外形を画成する4辺のうちの一つである第1の辺12に沿って配置され、第1の辺12と第1の辺12に対向する4辺のうちの一つである第2の辺13とを結ぶX方向において、第1放熱領域117と第2放熱領域118とは互いに離間しており、X方向に交差するY方向において、第1放熱領域117と第2放熱領域118とは互いに連続している。
【0064】
また、一例の半導体デバイスの製造方法は、第2放熱領域118の表面11aに半導体素子30を搭載する工程と、半導体素子30とボンディングワイヤ50によって導通される外部端子20を配置する工程と、リードフレーム110、外部端子20、半導体素子30等を樹脂材料60で封止する工程と、を含む。樹脂材料60で封止する工程は、X方向に沿って、リードフレーム110と、外部端子20と、半導体素子30との周囲に樹脂材料60を注入する。
【0065】
上記の半導体デバイス100では、半導体素子30の発熱が第2放熱領域118の第2放熱面118aに伝導されるとともに、壁部119aを介して第1放熱面117aに伝導されるので、半導体デバイス1と同様に、半導体素子30による発熱を効率よく放熱できる。また、第1放熱領域117と第2放熱領域118との間の離間した領域(スリット119b)によってリードフレーム110の表面11a側と裏面11b側とが連通する。そのため、上記の製造方法では、例えば表面11a側から注入した樹脂材料60を容易に裏面11b側に流入させることができ、ボイド等の発生が抑制される。また、外部端子20は第1の辺12及び第2の辺13に面しているため、ボンディングワイヤ50はX方向に沿って延在しやすくなる。樹脂材料60が注入される工程では、樹脂材料60がX方向に沿って流動するため、樹脂材料60の流動方向とボンディングワイヤ50の延在方向とが一致しやすい。そのため、流動する樹脂材料60によってボンディングワイヤ50が損傷することが抑制される。
【0066】
一例のグランド端子16の厚さは、第1放熱領域117と第2放熱領域118との厚さよりも薄くなっている。この構成では、グランド端子16の熱抵抗が大きくなるため、半導体素子30の発熱がグランド端子16に伝導することが抑制される。したがって、グランド端子16における半田の温度上昇が抑制される。
【0067】
また、図4の例では、グランド端子16がY方向に延在する第1の辺12及び第2の辺13に沿って配置され、壁部119aがX方向に沿って形成された例を示している。この例では、半導体素子30を壁部119aに近接させることができるので、半導体素子30の発熱を第1放熱面117aに伝導しやすい。
【0068】
図11は、図5に示す半導体デバイス100を基板上に実装した半導体装置の一例を示す断面図である。図11に示すように、半導体装置100Aにおいて、半導体デバイス100の入力信号端子21は、基板190上に形成された信号ライン191(回路パターン)に接続されている。また、グランド端子16は、基板190上に形成されたグランド配線192(回路パターン)に接続されている。一例において、基板190は、第1放熱領域117に対応する位置にビアホール193aと配線193bとによって構成された熱伝導領域193を有している。熱伝導領域193は、例えば、複数のビアホール193aと、ビアホール193a同士を基板190の外層及び内層で接続する配線193bとを有し得る。また、基板190における半導体デバイス100が実装される面とは逆側の面には、ヒートシンク195が設けられている。半導体デバイス100が基板190に実装された状態では、第1放熱領域117の第1放熱面117aの全面が熱伝導領域193に接触している。すなわち、Z方向から見て、熱伝導領域193は第1放熱面117aより大きな面積を有しており、第1放熱面117aと重複している。ヒートシンク195は、熱伝導領域193を介して第1放熱面117aに熱的に接続している。熱伝導領域193は、高熱伝導性接着剤199を介して熱的に接続した状態で第1放熱面117aに固定されている。また、図11の例では、第2放熱領域118の第2放熱面118a側に他のヒートシンク197が設けられている。このヒートシンク197は、第2放熱面118aに対して高熱伝導性接着剤198を介して熱的に接触した状態で半導体デバイス100に固定されている。
【0069】
図12は、図5に示す半導体デバイス100を基板上に実装した半導体装置の他の例を示す断面図である。図12に示すように、半導体装置100Bにおいて、半導体デバイス100の入力信号端子21は、基板290上に形成された信号ライン291(回路パターン)に接続されている。また、グランド端子16は、基板290上に形成されたグランド配線292(回路パターン)に接続されている。一例において、基板290は、第1放熱領域117に対応する位置に基板290をZ方向に貫通する銅コイン293を有する、いわゆる銅インレイ基板である。基板290における半導体デバイス100が実装される面とは逆側の面には、ヒートシンク295が設けられている。ヒートシンク295と銅コイン293とは接触している。半導体デバイス100が基板290に実装された状態では、第1放熱領域117の第1放熱面117aの全面が銅コイン293に接触している。すなわち、Z方向から見て、銅コイン293は第1放熱面117aより大きな面積を有しており、第1放熱面117aと重複している。ヒートシンク295は、銅コイン293を介して第1放熱面117aに熱的に接続している。銅コイン293は、高熱伝導性接着剤299を介して熱的に接続した状態で第1放熱面117aに固定されている。また、図12の例では、第2放熱領域118の第2放熱面118a側に他のヒートシンク297が設けられている。このヒートシンク297は、第2放熱面118aに対して高熱伝導性接着剤298を介して熱的に接触した状態で半導体デバイス100に固定されている。
【符号の説明】
【0070】
1…半導体デバイス
1A…半導体装置
1P…パッケージ
1Pa…上面
1Pb…下面
10…リードフレーム
11a…表面(第1面)
11b…裏面(第2面)
11c…周縁
12…第1の辺
13…第2の辺
14…第3の辺
14a…括れ部分
15…第4の辺
15a…括れ部分
16…グランド端子
16a…第1部分
16b…第2部分
17…第1放熱領域
17a…第1放熱面
18…第2放熱領域
18a…第2放熱面
20…外部端子
21…入力信号端子
21a…第1部分
21b…第2部分
21c…第3部分
23…出力信号端子
23a…第1部分
23b…第2部分
23c…第3部分
25…電源端子
25a…第1部分
25b…第2部分
25c…第3部分
30…半導体素子
30a…端縁
30b…端縁
40…整合回路基板
41…入力回路基板
43…出力回路基板
50…ボンディングワイヤ(導通部材)
60…樹脂材料
90…基板
91…回路パターン
92…半田ペースト
95…ヒートシンク
97…ヒートシンク
100…半導体デバイス
100A…半導体装置
100B…半導体装置
100P…パッケージ
100Pa…上面
100Pb…下面
110…リードフレーム
117…第1放熱領域
117a…第1放熱面
118…第2放熱領域
118a…第2放熱面
118c…端縁
118d…端縁
119a…壁部
119b…スリット
190…基板
191…信号ライン(回路パターン)
192…グランド配線(回路パターン)
193…熱伝導領域
193a…ビアホール
193b…配線
195…ヒートシンク
197…ヒートシンク
198…高熱伝導性接着剤
199…高熱伝導性接着剤
290…基板
291…信号ライン(回路パターン)
292…グランド配線(回路パターン)
293…銅コイン
295…ヒートシンク
297…ヒートシンク
298…高熱伝導性接着剤
299…高熱伝導性接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12