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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055208
(43)【公開日】2023-04-17
(54)【発明の名称】排気後処理システム
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/34 20060101AFI20230410BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20230410BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20230410BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
F01N3/34 301C
F01N3/08 B ZAB
F01N3/24 N
F01N3/34 301A
B01D53/94 222
B01D53/94 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022157909
(22)【出願日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】21200836.1
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】512272672
【氏名又は名称】ボルボトラックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】イルマン・スヴラカ
【テーマコード(参考)】
3G091
4D148
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AB02
3G091AB05
3G091AB13
3G091BA01
3G091CA17
3G091CA23
3G091CA24
3G091EA17
3G091EA21
3G091EA22
3G091HA15
3G091HB07
4D148AA06
4D148AB01
4D148AB02
4D148AC03
4D148CC32
4D148CC47
4D148CC61
4D148CD05
4D148DA01
4D148DA02
4D148DA05
4D148DA06
4D148DA10
4D148DA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アンモニアスリップのリスクを減少させた上で比較的多量のアンモニアをSCRに貯蔵する。
【解決手段】内燃機関110からの排気ガスのための排気流路104を画定する外側ケーシング101と、前記排気流路104に設けられ、窒素酸化物を還元する選択触媒還元ユニット105と、該選択触媒還元ユニット105の上流で排気流に尿素を添加するための尿素注入装置108と、前記選択触媒還元ユニットの上流で前記尿素を排気ガスと混合するための回転式混合装置109と、を有する内燃機関110用の排気後処理システム100を備える。この排気後処理システム100は、前記混合装置109の上流に設けられ、前記排気流路104に空気を導入する吸気弁111と、前記混合装置109を回転させて前記吸気弁111を介して前記排気流路104に空気の吸引を生じさせるために配置された電動モータ112とをさらに備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガス入口(102)および排気ガス出口(103)を有し、それらの間に内燃機関(110)からの排気ガスのための排気流路(104)を設けた外側ケーシング(101)と、
前記排気流路(104)に設けられ、窒素酸化物を還元する選択触媒還元ユニット(105)と、
該選択触媒還元ユニット(105)の上流で排気流に尿素を添加するための尿素注入装置(108)と、
前記選択触媒還元ユニット(105)の上流で前記尿素を排気ガスと混合するための回転式混合装置(109)と
を備える内燃機関(110)用の排気後処理システム(100)であって、
前記混合装置(109)の上流に設けられ、前記排気流路(104)に空気を導入する吸気弁(111)と、前記混合装置(109)を回転させて前記吸気弁(111)を介して前記排気流路に空気の吸引を生じさせるために配置された電動モータ(112)とをさらに備えることを特徴とする排気後処理システム(100)。
【請求項2】
前記吸気弁(111)および前記電動モータ(112)を制御するように構成された電子制御ユニット(120)をさらに備える請求項1に記載の排気後処理システム。
【請求項3】
前記電子制御ユニット(120)は、前記排気後処理システム(100)内の温度センサ(107)によって測定された温度、前記内燃機関(110)からの決定された排気ガス質量流量、および尿素注入装置(108)によって添加された尿素量のうちの少なくとも1つに基づいて、前記吸気弁(111)の位置および前記電動モータ(112)の回転速度を制御するように構成されている、請求項2に記載の排気後処理システム。
【請求項4】
前記電子制御ユニット(120)は、前記排気後処理システム(100)内の温度センサ(107)によって測定された温度の検出された上昇、前記尿素注入装置(108)によって添加された尿素量の検出された減少、および前記内燃機関(110)からの決定された排気ガス質量流量の検出された減少の少なくとも1つに応答して、前記吸気弁(111)の開度または前記電動モータ(112)の回転速度あるいはそれらの両方を増加するように構成されている、請求項2または3に記載の排気後処理システム。
【請求項5】
前記電子制御ユニット(120)は、前記電気モータ(112)の作動時にのみ前記吸気弁(111)を開位置に制御するように構成されている、請求項2~4のいずれか一項に記載の排気後処理システム。
【請求項6】
前記吸気弁(111)は、閉位置と全開位置との間で徐々に制御可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の排気後処理システム。
【請求項7】
前記吸気弁(111)は、一方向弁として構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の排気後処理システム。
【請求項8】
前記尿素注入装置(108)の上流に設けられたパティキュレートフィルタ(106)をさらに備え、前記吸気弁(111)は前記パティキュレートフィルタ(106)の上流に位置づけられている、請求項1~7のいずれか一項に記載の排気後処理システム。
【請求項9】
前記パティキュレートフィルタ(106)の上流に設けられた酸化触媒ユニット(113)をさらに備え、前記吸気弁(111)は前記酸化触媒ユニット(113)の上流に位置づけられている、請求項8に記載の排気後処理システム。
【請求項10】
前記尿素注入装置の上流に設けられたパティキュレートフィルタ(106)または酸化触媒ユニット(113)あるいはそれらの両方をさらに備え、前記吸気弁(111)は前記パティキュレートフィルタ(106)または前記酸化触媒ユニット(113)あるいはそれらの両方の下流に位置づけられている、請求項1~7のいずれか一項に記載の排気後処理システム。
【請求項11】
前記吸気弁(111)は前記外側ケーシング(101)に設けられている、請求項1~10のいずれか一項に記載の排気後処理システム。
【請求項12】
内燃機関(110)と、請求項1~11のいずれか一項に記載の排気後処理システム(100)とを備える車両(1)。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載の排気後処理システム(100)を制御する方法であって、
前記排気後処理システム(100)内の温度、および/または尿素注入装置(108)によって添加された尿素量、および/または内燃機関(110)からの排気ガス質量流量を決定する(S1)ステップと、
前記の決定された温度および/または前記の決定された尿素量および/または前記の決定された排気ガス質量流量に基づいて、電動モータ(112)の回転速度および吸気弁(111)の位置を制御する(S2)ステップと、を有する方法。
【請求項14】
前記電動モータ(112)の回転速度および前記吸気弁(111)の位置を制御するステップは、
前記決定された尿素量が、所定の第1の条件を満たす場合、および/または
前記決定された排気ガス質量流量が、所定の第2の条件を満たす場合、および/または
前記決定された温度が所定の第3の条件を満たす場合、
前記電動モータ(112)の回転速度が増加し、および/または前記吸気弁(111)の開度が増加するよう実行される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
排気後処理システム(100)を制御するための電子制御ユニット(120)であって、請求項13または14に記載の方法のステップを実行するように構成されている、電子制御ユニット(120)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用の排気後処理システムに関する。本発明はさらに、排気後処理システムを制御する方法、排気後処理システムの電子制御ユニット、および車両に関する。
【0002】
本発明は、トラックやバスや建設機械などの大型車両に適用することができる。本発明はトラックに関連して説明するが、本発明はこの特定の車両に限定されるものではなく、作業機や乗用車など他の車両に適用することもできる。また、燃焼機関や排気後処理システムが使用される船舶や定置型建設機械に適用することもできる。
【背景技術】
【0003】
排気後処理システム(EATS、exhaust after-treatment system)は、粒子状物質の排出や窒素酸化物(NOx)の排出など、燃焼機関からの排出を削減するよう自動車分野において一般的に使用されている。既存および今後の排出規制に適合するために、コールドスタート排出を最小限に抑えることが特に望ましい。さらに、このような排出規制への適合性を確保するために、EATSの堅牢性や耐久性がますます重要となってきている。
【0004】
EATSにおけるNOx浄化性能の主な制限要因は、EATSの選択触媒還元(SCR)ユニットにおける尿素注入およびアンモニア緩衝液の利用可能性である。典型的には、尿素注入システムのハードウェアは最大注入能力を有し、最大注入能力は、一般的に排気温度および質量流量によって制限される。例えば尿素注入を可能にするためには、典型的には特定の最低温度および排気質量流量が必要であるが、温度をより高め、排気質量流量を増やすことにより、温度が過度に高くない限り、尿素注入システムからの尿素流量を増やすことができる。
【0005】
混合器は、尿素と排気ガスを効率的に混合するよう、また尿素注入システムからの尿素をアンモニアへと分解できるよう使用されてもよく、アンモニアは、NOxを窒素ガスおよび水に変換する還元剤として作用する。アンモニアはSCRユニットに貯蔵され、NOx還元に利用される。混合器は、例えばスワールを作り出すよう設計されてもよい。混合器はまた、エンジンからの排気質量流量によって回転するタービンを備え、タービン上またはタービン周りに辿り着いた、噴射された尿素を混合させる。この混合処理により、尿素をアンモニアに分解することができる。
【0006】
EATSのNOx浄化性能を高め、内燃機関からの排出を減らすには、温度が過度に高くない限り、SCRにできるだけ多くのアンモニアを貯蔵することが一般的に望ましい。しかしながら、運転温度が高いとSCRユニットからのアンモニアスリップのリスクが高くなってしまう。このようなアンモニアスリップを回避するためには、一般的には尿素注入システムによって添加される尿素量を減らす必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、既知のEATSおよび方法に対して少なくともいくつかの点で改良されたEATSおよびEATSを制御するための方法を提供することである。特に、アンモニアスリップのリスクを減少させた上で比較的多量のアンモニアをSCRに貯蔵することができるEATSを提供することを目的とする。別の目的は、排出制御を改良したEATSを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、少なくとも主な目的は、請求項1に記載の内燃機関用の排気後処理システム(EATS)によって達成される。排気後処理システムは、
排気ガス入口および排気ガス出口を有し、それらの間に内燃機関からの排気ガスのための排気流路を設けた外側ケーシングと、
前記排気流路に設けられ、窒素酸化物を還元する選択触媒還元(SCR)ユニットと、
該選択触媒還元ユニットの上流で排気流に尿素を添加するための尿素注入装置と、
前記選択触媒還元ユニットの上流で前記尿素を排気ガスと混合するための回転式混合装置と
を備える。
【0009】
この排気後処理システムは、前記混合装置の上流に設けられ、前記排気流路に空気を導入する吸気弁と、前記混合装置を回転させて前記吸気弁を介して前記排気流路に空気の吸引を生じさせるために配置された電動モータとをさらに備える。
【0010】
排気流路内の吸気弁と、混合装置を回転させるために配置された電動モータとを備えるEATSを提供することによって、空気の吸引が生じるおかげで、EATS内の尿素が分解される部分の質量流量を大幅に増加させることができる。これにより、尿素のアンモニアおよび二酸化炭素への分解が促進される。したがって、尿素注入量を増加させることができ、結果としてSCRユニットに貯蔵できるアンモニア、すなわち還元剤の量を増加させることができる。これにより、EATSのNOx浄化性能を向上させることができる。
【0011】
吸気弁と電動モータを設けることで、SCRユニットのより多様な温度制御が可能になるというさらなる利点がある。たとえば、吸気弁を開き電動モータを作動させることにより、エンジン温度とは無関係に、SCRユニットを冷却してアンモニアスリップのリスクを減少させることができる。SCRユニットのアンモニア緩衝能力は、典型的には、温度が特定の温度閾値を超えて上昇すると低下する。したがって、SCRユニットを例えば300℃未満の温度にまで冷却することによって、アンモニアスリップの危険を冒すことなく、より多量のアンモニアをSCRユニットに保存できる。したがって、より多量の尿素が、尿素注入装置によって添加され得る。
【0012】
本明細書において用いられる「上流」および「下流」という用語は、EATSを通る排気流路に関するものである。
【0013】
混合装置は、電動モータによって駆動される回転式ハブに固定された1枚以上のブレード、好ましくは少なくとも2枚のブレードを備えたファンとして設計されてもよい。混合装置は、EATSの混合チャンバまたは混合パイプ内に設けてもよい。
【0014】
吸気弁を介して導入される空気は、好ましくは周囲空気である。換言すれば、吸気弁は、開弁時に、排気後処理システムの外からの周囲空気を排気流路内へ流すことができるように配置されている。
【0015】
SCRユニットと呼ばれるものは、EATSの単一のSCRユニットなど、EATSのメインSCRユニットであってもよい。SCRユニットは、メインSCRユニットよりも通常小型である、いわゆるプレSCRユニット、すなわち追加のSCRユニットであることも可能である。したがって、本発明は、EATS内の1つまたは複数のSCRユニットに適用可能である。SCRユニットに関連して、アンモニアスリップ触媒(ASC)ユニットを設けてもよい。EATSの一般的な構成では、混合装置の下流に2つの並列アセンブリが設けられ、各アセンブリはSCRユニット、その次にASCユニットを備えている。
【0016】
排気後処理システムは、前記吸気弁および前記電動モータを制御するように構成された電子制御ユニットをさらに備えることができる。電子制御ユニットは、混合装置を通る質量流量が増加するよう、吸気弁および電動モータを制御するように構成することができる。これにより、尿素注入装置により添加される尿素量を増加させることができ、SCRユニットにおけるNOx還元効率が向上する。電子制御ユニットにより、EATS内の空気量や温度の制御を改善することができる。吸気弁は、吸気弁の開度など、状態とも呼ばれる吸気弁の位置を制御することによって制御される。
【0017】
電子制御ユニットは、吸気弁の位置を変えることなく電動モータの回転速度を制御するように構成することができる。例えば、空気流を追加することなく混合性を改善したい場合は、吸気弁を開かずに電動モータの回転速度を上げてもよい。
【0018】
任意選択的に、前記電子制御ユニットは、前記排気後処理システム内の温度センサによって測定された温度、前記内燃機関からの決定された排気ガス質量流量、および尿素注入装置によって添加された尿素量のうちの少なくとも1つに基づいて、前記吸気弁の位置および前記電動モータの回転速度を制御するように構成されている。規定された変数に基づいて吸気弁の位置および回転速度を制御することで、SCRユニット内の触媒NOx還元条件を改善することができる。
【0019】
温度センサは、例えばEATS内のある位置に既に設けられている温度センサであって、排気ガスまたはEATSの構成要素の1つの温度を測定するものであってもよい。内燃機関からの排気ガス質量流量は、典型的には、例えばエンジン制御ユニットにおいてエンジン運転条件に基づいて決定されてもよいが、質量流量センサを用いて質量流量を決定することも可能である。
【0020】
本明細書において、電子制御ユニットは、EATSの1つまたは複数の温度センサ、エンジン制御ユニット、EATSの質量流量センサ、および/または尿素注入装置からデータを受信するように構成されてもよい。
【0021】
典型的には、前記電子制御ユニットは、前記排気後処理システム内の温度センサによって測定された温度、および前記内燃機関からの排気ガス質量流量に少なくとも基づいて前記吸気弁の位置および前記電動モータの回転速度を制御するように構成されてもよく、尿素注入装置によって添加された尿素量は追加の制御パラメータとして任意に使用されてもよい。
【0022】
任意選択的に、前記電子制御ユニットは、前記排気後処理システム内の温度センサによって測定された温度の検出された上昇、前記尿素注入装置によって添加された尿素量の検出された減少、および前記内燃機関からの決定された排気ガス質量流量の検出された減少の少なくとも1つに応答して、前記吸気弁の開度および/または前記電動モータの回転速度を増加するように構成されている。これらすべての場合において総質量流量を増加させることが可能であり、尿素注入装置によって添加される尿素量を増やすため、および/またはSCRユニットを冷却してアンモニアスリップのリスクを減少させるために使用される。
【0023】
任意選択的に、前記電子制御ユニットは、前記電気モータの作動時にのみ前記吸気弁を開位置に制御するように構成することができる。これにより、モータ駆動の混合装置によって圧力差が生じたおかげで、排気ガスが吸気弁を介してEATSの外側ケーシングから逃げられないことが確実になる。
【0024】
任意選択的に、前記吸気弁は、閉位置と全開位置との間で徐々に制御可能である。これにより、正確な質量流量制御が可能になる。他の構成では、吸気弁は、1つの開位置と1つの閉位置とに設定可能な2位置弁として構成されてもよい。
【0025】
任意選択的に、前記吸気弁は、一方向弁として構成されている。したがって、吸気弁は、空気をEATSへと流入させることができる一方、吸気弁を介してEATSからガスが流出できないように構成されてもよい。
【0026】
任意選択的に、排気後処理システムは、前記尿素注入装置の上流に設けられたパティキュレートフィルタをさらに備え、前記吸気弁は前記パティキュレートフィルタの上流に位置づけられている。パティキュレートフィルタは、エンジンで使用される燃焼燃料から粒子状物質および/またはスートを除去するように適合されたパティキュレートフィルタであってもよい。ディーゼルの燃焼機関については、パティキュレートフィルタはディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)である。吸気弁をパティキュレートフィルタの上流に位置づけることにより、パティキュレートフィルタに入る酸素量を増やすことが可能である。これにより、温度環境が適切であることを考慮すると、パティキュレートフィルタのパッシブスート再生(passive soot regeneration)が向上する。
【0027】
任意選択的に、排気後処理システムは、尿素注入装置の上流に設けられた酸化触媒ユニットをさらに備え、前記吸気弁は前記酸化触媒ユニットの上流に位置づけられている。酸化触媒ユニットは、ディーゼル燃料の場合、ディーゼル酸化触媒(DOC)ユニットであってもよい。酸化触媒ユニットの上流に位置づけられた吸気弁を用いて、酸化触媒ユニットの温度をより良好に制御することができる。酸化触媒ユニットの温度が、酸化触媒ユニットから排出されるNO/NOの比率をほぼ決定するが、この比率は、酸化触媒ユニットの下流に設けられたSCRユニットにおいて効率的なNOx還元を達成するために重要である。高温になるとNOが過剰になり(>50%)、SCRでのNOx浄化率が低下することがある。このような高温は、追加された周囲空気流を用いて温度を下げることで回避できる。したがって、酸化触媒ユニットの上流に吸気弁を位置づけることにより、エンジン機能の変更や燃料消費への影響なくNO/NO比を制御することができる。
【0028】
任意選択的に、酸化触媒ユニットは前記パティキュレートフィルタの上流に設けられ、前記吸気弁は前記酸化触媒ユニットの上流に位置づけられている。この場合、アクティブパティキュレートフィルタ再生処理中に追加の空気を酸化触媒ユニットに供給することができ、それによって炭化水素(HC)の注入量の増加およびより効果的な再生が可能になる。
【0029】
任意選択的に、EATSは、酸化触媒ユニットの上流に位置づけられた追加のSCRユニット、いわゆるプレSCRユニットを備えてもよい。本明細書において、吸気弁は、プレSCRユニットの上流に設けられてもよい。
【0030】
任意選択的に、排気後処理システムは、前記尿素注入装置の上流に設けられたパティキュレートフィルタまたは酸化触媒ユニットあるいはそれらの両方をさらに備え、前記吸気弁は前記パティキュレートフィルタまたは前記酸化触媒ユニットあるいはそれらの両方の下流に位置づけられている。これにより、吸気弁の下流の構成要素を選択的に温度制御することが可能になる。
【0031】
吸気弁は外側ケーシングに設けられてもよい。すなわち、吸気弁は、EATSの外側ケーシングにおいて選択的に開放可能な開口部を画定している。外側ケーシングは、本明細書では、周囲空気から排気流路の境界を定めているケーシング、または互いに密閉固定されたケーシングユニットのアセンブリである。EATSの基板、すなわちSCRユニットの基板、およびパティキュレートフィルタおよび/または酸化触媒ユニットなどの任意の他の構成要素の基板は、一体型として形成された外側ケーシング内に封入されてもよいし、各自が別個のケーシングを有し、それらの別個のケーシングを合わせて密封固定して外側ケーシングを形成してもよい。
【0032】
本発明の第2の態様によれば、内燃機関と、第1の態様による排気後処理システムとを備える車両が提供される。燃焼機関は、ディーゼル、ガソリン、水素、ガス燃料などの燃料の燃焼に適合している。
【0033】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様による排気後処理システムを制御する方法が提供される。本方法は、
排気後処理システム内の温度、および/または尿素注入装置によって添加された尿素量、および/または内燃機関からの排気ガス質量流量を決定するステップと、
前記の決定された温度および/または前記の決定された尿素量および/または前記の決定された排気ガス質量流量に基づいて、電動モータの回転速度および吸気弁の位置を制御するステップと、を含む。
【0034】
第3の態様による方法は、EATSを通る質量流量およびEATS内の温度の制御を改善する。電動モータの回転速度および吸気弁の位置を制御することにより、エンジン運転条件に影響を与えることなく、質量流量および温度を制御することができる。
【0035】
任意選択的に、前記電動モータの回転速度および前記吸気弁の位置を制御するステップは、
前記決定された尿素量が、所定の第1の条件を満たす場合、および/または
前記決定された排気ガス質量流量が、所定の第2の条件を満たす場合、および/または
前記決定された温度が所定の第3の条件を満たす場合、
前記電動モータの回転速度が増加し、および/または前記吸気弁の開度が増加するよう、実行される。
【0036】
これにより、所定の条件のうちいずれか1つが満たされたときに、混合装置を通るガスの総質量流量を増加させることができる。その結果、EATS内の温度も低下する。第1の条件は、決定された尿素量が閾値レベル未満であるときに満たされるように設定されてもよく、その場合は規定された最低温度を超えていることを考慮すると、質量流量が増加することによって、添加できる尿素量を増加させることが可能になる。第2の条件は、注入され得る尿素量を制限することから、内燃機関からの排気ガス質量流量が閾値レベルよりも低いときに満たされるように設定されてもよい。第3の条件は、例えば温度が過度に高いとアンモニアスリップのリスクが高まる可能性があるため、閾値温度を超えたときに満たされるように設定されてもよい。第1、第2、および第3の条件を組み合わせてもよく、さらにいくつかの異なる所定の第1、第2、および第3の条件を規定することも可能である。
【0037】
好ましくは、電動モータの回転速度の増加と吸気弁の開度とは協調しており、例えば回転速度の増加時にのみ吸気弁の開度が大きくなる。
【0038】
本発明の第4の態様によれば、排気後処理システムを制御するための電子制御ユニットが設けられ、該電子制御ユニットは、第3の態様による方法のステップを実行するように構成されている。
【0039】
電子制御ユニットは、コンピュータ制御システムなど、EATSの制御システムの一部を形成してもよい。このような制御システムは、1つまたは複数の電子制御ユニットなどの1つまたは複数の制御ユニットを含んでもよい。制御システムは、各種センサ、システムおよび制御ユニットなど車両内の他のユニット、特にEATS内のエンジン制御ユニットおよび1つまたは複数のセンサから通信されるデータを受信するための少なくとも1つの通信インタフェースを備えることができる。制御システムは、無線または有線システムを介して通信するように構成することができる。電子制御ユニットは、別の制御システム内に設けたり、または車両の別の電子制御ユニットの一部を形成するなど、EATSとは別体に設けることができる。この場合の電子制御ユニットは、尿素注入装置、1つまたは複数の温度センサ、吸気弁、電動モータなどEATSの各種センサおよび装置と直接またはEATS制御ユニットを介して通信するように構成されている。
【0040】
第4の態様による制御ユニットの計算ユニット上でプログラムを実行するとき、第1の態様による方法ステップを実行するためのプログラムコード手段を備えたコンピュータプログラムを設けてもよい。さらに、前記プログラムが前記制御ユニットの計算ユニット上で実行されるとき、第1の態様による方法のステップを実行するためのプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムを搭載したコンピュータ可読媒体を設けてもよい。
【0041】
本発明のさらなる利点および有利な特徴は、以下の説明および従属請求項に開示されている。
【0042】
添付図面を参照して、以下に実施例として挙げられる、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】車両の概略側面図である。
図2】本開示の第1実施形態による排気後処理システムの概略図である。
図3】第2実施形態による代替の排気後処理システムの概略図である。
図4】本開示による方法を示すフローチャートである。
【0044】
図面は、本発明の例示的な実施形態を示すものであり、したがって、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。ここで示し、説明する実施形態は例示的なものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。また、本発明をよりよく説明するために、図面の一部の詳細が誇張されている場合があることに留意されたい。同一の参照符号は、他に表現されていない限り、説明全体を通して同一の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1に、トラックの形態としての車両1を概略的に示す。車両1は、車両1の推進のための内燃機関(図示せず)と、内燃機関によって生成された排気ガスを案内し取り扱うための排気後処理システム(EATS)100を含む排気システムとを含む。
【0046】
図2は、車両1に適用することができる第1実施形態による排気後処理システム100を概略的に示し、車両1の運転時のEATS100を示している。外側ケーシング101が、EATS100の排気流路104の境界を定めており、排気流路104は、内燃機関110から排気ガス入口102を介してEATS100内へと延び、排気ガス出口103を介してEATS100外に延びている。図示の実施形態におけるEATS100は、排気流路104に沿って排気ガスを処理するための3つの構成要素105、106、113を備えている。図示の実施形態では、構成要素105、106、113は、それぞれ選択触媒還元(SCR)ユニット105、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)ユニット106などのパティキュレートフィルタ106、およびディーゼル酸化触媒(DOC)ユニット113などの酸化触媒ユニット113である。SCRユニット105は最下流に位置し、パティキュレートフィルタ106はSCRユニット105の上流に位置し、酸化触媒ユニット113はパティキュレートフィルタ106の上流に位置している。
【0047】
EATS100は、SCRユニット105の上流で排気流に尿素を添加するための尿素注入装置108と、尿素注入装置108によって添加された尿素をSCRユニット105の上流で排気ガスと混合するための回転式混合装置109とをさらに備えている。SCRユニット105のすぐ上流で尿素が添加されて排気ガスと混合するよう、尿素注入装置108および回転式混合装置109は、共にパティキュレートフィルタ106とSCRユニット105との間に位置している。
【0048】
尿素注入装置108によって添加される尿素量は、典型的には、SCRユニット105における所望のアンモニア(NH)緩衝を達成するよう調節される。NHの緩衝目標レベルを設定し、その緩衝目標レベルを達成するよう添加される尿素量を、エンジン110からの排気質量流量およびSCRユニットの温度に応じて設定し、次にエンジン動作温度に応じて設定する。SCRユニットの温度と排気質量流量に関して現在の運転条件について緩衝目標レベルを達成するよう、注入する尿素量をモデルを用いて決定してもよい。
【0049】
図2に矢印で示すように、混合装置109の上流には、排気流路104に空気を導入するための開閉可能な吸気弁111がさらに設けられている。また、電動モータ112が設けられており、該電動モータ112は、混合装置109を回転させて吸気弁111を介して排気流路104内に空気の吸引を生じさせるために配置されている。回転式混合装置109は、ファンとして設計されてもよく、電動モータ112は、混合装置109の回転式ハブを回転させて吸引力を生じさせるよう配置されている。
【0050】
EATS100は、吸気弁111および電動モータ112を制御するよう構成された電子制御ユニット120をさらに備える。
【0051】
さらに、ここでは単一の温度センサ107として例示されている1つまたは複数の温度センサが設けられている。温度センサ107は、図示の実施形態ではパティキュレートフィルタ106の温度を測定するように配置されているが、代替的に、排気ガスの温度、またはSCRユニット105などのEATS100の別の構成要素の温度を測定するように配置されてもよい。
【0052】
電子制御ユニット120は、吸気弁111の位置、すなわちその開度、および電動モータ112の回転速度を制御するように構成することができる。この目的のために、入力として、温度センサ107(または別の温度センサ)によって測定された温度や、内燃機関110からの排気ガス質量流量であって、例えば質量流量センサ(図示せず)によって測定されたか、またはエンジン運転条件を入力として用いて決定されエンジン制御ユニットから受け取った排気ガス質量流量や、尿素注入装置108によって添加された尿素量を用いることができる。このように、尿素注入装置108は、電子制御ユニット120と通信するように構成され、電子制御ユニット120は、例えばエンジン制御ユニット(図示せず)と通信できるようにさらに構成されている。また、温度センサ107は電子制御ユニット120と通信し、電子制御ユニット120に温度測定データを提供するように配置されている。
【0053】
エンジン運転条件とは、本明細書では、例えば、排気ガス温度、排気ガス流、および排気ガス組成といったエンジン110からの排気に影響を及ぼすエンジン110の運転条件として理解されるべきである。エンジン運転条件は、例えば、エンジン速度、エンジン負荷、1つまたは複数の燃料噴射パラメータ、燃料の種類、燃料混合物、燃料空気混合気、周囲条件などのうちの1つまたは複数によって規定することができる。
【0054】
エンジン110の運転中、吸気弁111および電動モータ112を、混合装置109を通る質量流量を増加させ、および/またはSCRユニット105内の温度を低下させるよう、電子制御ユニット120によって制御することができる。電子制御ユニット120は、電動モータ112が始動されたときにのみ吸気弁111を開位置に制御することで、吸気弁111を通って排気ガスが逃げることを防止するように構成されてもよい。
【0055】
一例では、エンジン110は、燃料消費を低減するために比較的低温で運転されて、低温の排気ガスを付与する。低温によりSCRユニット105内に尿素堆積物が形成される可能性があるため、尿素注入装置108によって添加される尿素量は通常制限される。電動モータ112を始動し、吸気弁111を開くことによって、混合装置109が回転を開始して空気の質量流量を生成し、空気の質量流量は排気質量流量に添加され、混合装置109およびSCRユニット105を通過する全質量流量を増加させる。規定された最低温度閾値よりも温度が低くないことを考慮すると、質量流量が増加することにより、尿素注入量を増加することができる。最低温度しきい値を超えると、質量流量が増加した際にSCRユニット105内の尿素堆積物形成の条件が悪化する。
【0056】
別の例では、エンジンは高温で運転され、EATS100内の温度は300℃を超えるが、生成される排気の質量流量は比較的少ない。電動モータ112を始動し、吸気弁111を開くことによって質量流量を増加させ、同時に温度を低下させてもよい。これにより、一方では質量流量を増加させ、他方では温度を300°C未満に低下させることができるため、尿素注入量をより多くすることが可能になり、それによってSCRユニット105からのアンモニアスリップのリスクが減少する。
【0057】
図3に、第2実施形態による排気後処理システム100を概略的に示す。本実施形態によるEATS100は、吸気弁111が酸化触媒ユニット113の上流に設けられている点で第1実施形態と異なる。したがって、電動モータ112を始動し、吸気弁111を開くことによって生じた空気の質量流量は、混合装置109およびSCRユニット105だけではなく、酸化触媒ユニット113およびパティキュレートフィルタ106をも通過する。このことは、SCRユニット105だけでなく、酸化触媒ユニット113およびパティキュレートフィルタ106の温度も、エンジン運転条件とは無関係に低下させることができることを意味する。
【0058】
生じた空気の質量流量は、第2実施形態では、パティキュレートフィルタ106のパッシブスート再生を改善するために利用されてもよい。また、酸化触媒ユニット113から出るNO/NO比を改善するために、酸化触媒ユニット113の温度を低下させてもよい。加えて、増加した空気の質量流量をアクティブパティキュレートフィルタ再生処理中に酸化触媒ユニット113に供給してもよく、結果として酸化触媒ユニット113への炭化水素(HC)注入量を増加させることができ、それによってパティキュレートフィルタ106をより効果的に再生できる。
【0059】
図示しない代替の実施形態では、吸気弁111を、排気流路104内の酸化触媒ユニット113とパティキュレートフィルタ106との間に配置してもよい。
【0060】
図4に、本開示の一実施形態によるEATS100を制御するための方法を示す。本方法は、以下に説明するステップS1およびS2を含み、制御ユニット120によって実行することができる。
【0061】
S1:EATS100内の温度、および/または尿素注入装置108によって添加された尿素量、および/または内燃機関110からの排気ガス質量流量を決定するステップ。このステップは、温度センサ107などのセンサと、エンジン制御ユニットおよび尿素注入装置108から提供される情報とを使用して実行することができる。
【0062】
S2:決定された温度および/または決定された尿素量および/または決定された排気ガス質量流量に基づいて、電動モータ112の回転速度および吸気弁111の位置、すなわち開度を制御するステップ。このステップは、
決定された尿素量が、所定の尿素注入量閾値レベル未満であるなどの所定の第1の条件を満たす場合、および/または
決定された排気ガス質量流量が、排気ガス質量流量が所定の質量流量閾値レベル未満であるなどの所定の第2の条件を満たす場合、および/または
決定された温度が、所定の温度閾値を超えるなどの所定の第3の条件を満たす場合、
電動モータ112の回転速度が増加するよう、および/または吸気弁111の開度が増加するよう実行することができる。
【0063】
第1、第2、および第3の条件は、EATS100および/またはエンジン110の運転モードに応じて、ならびに温度および/または質量流量制御の目的に応じて規定してもよい。例えば、アクティブパティキュレートフィルタ再生処理について、EATS100の通常運転中の尿素注入量制御とは異なる所定の条件を規定することもできる。NO/NO比制御について、さらに他の所定の条件を規定することもできる。
【0064】
EATS100は、EATS100内の異なった位置で温度を測定するために温度センサをいくつか備えることもできる。どの温度センサを用いて温度を測定するかに応じて、異なった温度閾値を規定することもできる。
【0065】
電動モータ112は、充電式バッテリなどのバッテリによって動作させることもできる。
【0066】
吸気弁111は、好ましくは徐々に制御可能な弁、すなわち調整可能な可変オリフィスを有する弁であってもよい。一例にすぎないが、徐々に制御可能な弁とは、フラップ弁、逆止弁、またはプラグ弁であってもよいが、任意の適切な弁を使用することもできる。
【0067】
EATSには2つ以上のSCRユニットを備えてもよく、尿素注入装置を各SCRユニットに設けてもよい。任意選択的に、電動モータによって駆動される回転式混合装置を、各SCRユニットの上流にそれぞれ設けてもよい。例えば、上述のメインSCRユニットと、酸化触媒ユニットの上流に位置づけられたプレSCRユニットとのような2つのSCRユニットを備えるEATSでは、2つの回転式混合装置および2つの別個の電動モータを設けてもよく、また任意選択的に、2つの吸気弁をプレSCRユニットの上流および下流にそれぞれ位置づけてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、吸気弁、回転式混合装置、および電動モータをプレSCRユニットにのみ設けることもできる。
【0068】
電子制御ユニット120は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラム可能なデジタル信号プロセッサ、または別のプログラム可能なデバイスを含んでもよい。したがって、電子制御ユニット120が各種センサ、システム、および制御ユニットなどの車両1の異なるパーツまたは車両1の異なる制御ユニットと通信できるよう、特に車両1の1つまたは複数のエンジン制御ユニット(図示せず)と通信できるよう、電子制御ユニット120は、電子回路および電子接続(図示せず)ならびに処理回路(図示せず)を備えている。電子制御ユニット120は、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれか、または部分的にハードウェアまたはソフトウェアのモジュールを備え、CANバスおよび/または無線通信機能などの既知の伝送バスを使用して通信してもよい。処理回路は、汎用プロセッサまたは専用プロセッサであってもよい。電子制御ユニット120は、コンピュータプログラムコードおよびデータを格納するための非一時的メモリを備えることができる。したがって、電子制御ユニット120が多くの異なる構造によって具現化され得ることは、当業者に理解されよう。本明細書では単一のユニットとして例示されているが、電子制御ユニット120は、尿素注入装置108を制御するための別個の制御ユニットや、電動モータ112および吸気弁111を制御するための別個の制御ユニットなど、互いに通信するように構成された、いくつかの異なる制御ユニットから形成することもできる。
【0069】
本発明は、上述し図示した実施形態に限定されないことを理解されたい。むしろ、当業者であれば、添付の請求項の範囲内で多くの変更および修正が行われ得ることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】