(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055241
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】光漏れの検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/954 20060101AFI20230411BHJP
【FI】
G01N21/954 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164406
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】吉村 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 収
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA68
2G051AA82
2G051AB04
2G051BA20
2G051CA04
2G051CB02
2G051CC11
(57)【要約】
【課題】透光性基板の穴の内壁に被覆された遮光部材の光漏れを効率よく検査可能な検査方法を提供すること。
【解決手段】ワークWにおいて、透光性基板W0には、内壁W10が遮光部材W2によって被覆された穴W1が設けられている。透光性基板W0の穴W1内での遮光部材W2の光漏れを検査する工程では、穴W1に対向するように検査用の撮像装置2を設け、穴W1と撮像装置2との間には、穴W1の中心軸線Lを中心に湾曲した反射面30を備えたミラー3を配置する。この状態で、透光性基板W0に光を入射させ、撮像装置2によって穴W1の内壁W10をミラー3を介して撮像する。ミラー3は筒状であり、その内周面によって、反射面30が360°の角度範囲に設けられている。また、反射面30は、穴W1の中心軸線Lが延在する方向において、穴W1から離隔する程、中心軸線Lから離隔するように斜めに傾いている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性基板の穴の内壁に被覆された遮光部材の光漏れを検査するにあたって、
前記穴の中心軸線を中心に湾曲した反射面を備えたミラーを撮像装置と前記穴との間に配置し、
前記透光性基板に光を入射させた際の前記穴の内部を前記ミラーを介して前記撮像装置によって撮像し、
前記撮像装置による撮像結果に基づいて前記光漏れを検査することを特徴とする光漏れの検査方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光漏れの検査方法において、
前記ミラーでは、前記反射面が前記中心軸線を中心とする360°の角度範囲に設けられていることを特徴とする光漏れの検査方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光漏れの検査方法において、
前記反射面は、前記穴から前記中心軸線が延在する方向に離隔する程、前記中心軸線から離隔するように斜めに傾いており、
前記反射面において最も前記穴の側に位置する端部の前記中心軸線からの距離が前記穴の半径より大きいことを特徴とする光漏れの検査方法。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の光漏れの検査方法において、
前記ミラーを前記透光性基板に接させた状態で前記撮像装置による撮像を行うことを特徴とする光漏れの検査方法。
【請求項5】
請求項1から3までの何れか一項に記載の光漏れの検査方法において、
前記ミラーを前記透光性基板から離隔させた状態で前記撮像装置による撮像を行うことを特徴とする光漏れの検査方法。
【請求項6】
請求項1から4までの何れか一項に記載の光漏れの検査方法において、
前記透光性基板は、表示パネルを構成していることを特徴とする光漏れの検査方法。
【請求項7】
請求項6に記載の光漏れの検査方法において、
前記表示パネルは、前記透光性基板に平面視で重なる透光性の導光板を備え、
前記光漏れを検査する際、前記導光板の端部から前記導光板に入射させた光を前記透光性基板に入射させることを特徴とする光漏れの検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに設けられた穴の内壁を覆う遮光膜における光漏れの検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品に存在する穴の内周面の形状等を検査するにあたって、リング照明装置から穴の内部に照明光を照射した状態で撮像装置によって穴の内周面を撮像する方法が提案されている(特許文献1、2参照)。特許文献1、2では、穴の内周面を撮像する際、撮像装置と部品との間に、穴の中心軸線を中心に曲がった反射面を備えたミラーを配置し、ミラーを介して穴の内周面を撮像する。一方、表示パネルを備えた電子機器において、表示パネルの透光性基板に形成した穴をカメラの光路として利用する技術が検討されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-337074号公報
【特許文献2】特開2009-150767号公報
【特許文献3】特開2014-103458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献3の技術では、余計な光がカメラに入射しないように穴の内壁を遮光部材で被覆することが好ましい。この場合、遮光部材のピンホール等に起因する穴の内部での光漏れを検査する必要があるが、かかる光漏れは、特許文献1、2に記載の技術では検査することができないという問題点がある。一方、作業者が穴の内部を目視で検査する場合、様々な角度から観察する必要があるため、検査効率が低いという問題点がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、透光性基板の穴の内壁に被覆された遮光部材の光漏れを効率よく検査可能な検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、透光性基板の穴の内壁に被覆された遮光部材の光漏れを検査するにあたって、前記穴の中心軸線を中心に湾曲した反射面を備えたミラーを撮像装置と前記穴との間に配置し、前記透光性基板に光を入射させた際の前記穴の内部を前記ミラーを介して前記撮像装置によって撮像し、前記撮像装置による撮像結果に基づいて前記光漏れを検査することを特徴とする。
【0007】
本発明では、透光性基板に光を入射させ、撮像装置によって、遮光部材が被覆された穴の内壁を、中心軸線を中心に湾曲した反射面を介して撮像する。このため、遮光部材にピンホール等に起因する光漏れが存在する場合、光漏れは周方向に延長された像として撮像される。それ故、作業者が直接、穴の内部を目視で検査する場合と比較して、穴内の光漏れを効率よく確実に検出することができる。
【0008】
本発明において、前記ミラーでは、前記反射面が前記中心軸線を中心とする360°の角度範囲に設けられている態様を採用することができる。
【0009】
本発明において、前記反射面は、前記穴から前記中心軸線が延在する方向に離隔する程
、前記中心軸線から離隔するように斜めに傾いており、前記反射面において最も前記穴の側に位置する端部の前記中心軸線からの距離が前記穴の半径より大きい態様を採用することができる。
【0010】
本発明において、前記ミラーが前記透光性基板に接する状態で前記撮像装置による撮像を行う態様を採用することができる。
【0011】
本発明において、前記ミラーを前記透光性基板から離隔させた状態で前記撮像装置による撮像を行う態様を採用してもよい。
【0012】
本発明において、前記透光性基板は、表示パネルを構成している態様を採用してもよい。
【0013】
本発明において、前記表示パネルは、前記透光性基板に平面視で重なる透光性の導光板を備え、前記光漏れを検査する際、前記導光板の端部から前記導光板に入射させた光を前記透光性基板に入射させる態様を採用することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、透光性基板に光を入射させ、撮像装置によって、遮光部材が被覆された穴の内壁を、中心軸線を中心に湾曲した反射面を介して撮像する。このため、遮光部材にピンホール等に起因する光漏れが存在する場合、光漏れは周方向に延長された像として撮像される。それ故、作業者が直接、穴の内部を目視で検査する場合と比較して、穴内の光漏れを効率よく確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態1に係る検査方法が適用されるワークの一例を示す説明図。
【
図3】本発明の実施形態1に係る光漏れの検査方法を示す説明図。
【
図4】
図3に示す検査工程において、ミラーと透光性基板との距離を0mmに設定した際の撮像結果を示す説明図。
【
図5】
図3に示す検査工程において、ミラーと透光性基板との距離を2.5mmに設定した際の撮像結果を示す説明図。
【
図6】
図4に示す画像を得た際、遮光部材に光漏れがあった場合の説明図。
【
図7】
図5に示す画像を得た際、遮光部材に光漏れがあった場合の説明図。
【
図8】本発明の実施形態2に係る検査方法が適用されるワークの説明図。
【
図9】本発明の実施形態2に係る光漏れの検査方法を示す説明図。
【
図10】本発明の実施形態3に係る光漏れの検査方法を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る光漏れの検査方法を説明する。
【0017】
[実施形態1]
(ワークWの一例)
図1は、本発明の実施形態1に係る検査方法が適用されるワークWの一例を示す説明図である。
図2は、
図1に示すワークWの断面図である。
【0018】
図1および
図2に示すワークWは、液晶表示パネル、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル等の表示パネル1である。本形態において、表示パネル1は液晶表示パネル10であり、液晶表示パネル10は、液晶層13を介して貼り合わされた一対の基板11、12と、一対の基板11、12に重なる透光性の導光板14とを備えている。基板11、1
2は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板からなる。液晶表示パネル10では、基板11と基板12との間にシール材16が枠状に設けられ、シール材16によって囲まれた領域に液晶層13が設けられる。
【0019】
表示パネル1をスマートフォン等の電子機器に搭載する際、導光板14の端部には、LED等の発光素子15が光源として配置される。また、基板11と導光板14との間や、基板12に対して基板11とは反対側には偏光板等の光学素子(図示せず)が配置される。
【0020】
かかる構成によれば、発光素子15から出射された光源光は、導光板14の内部で反射を繰り返しながら伝搬し、基板11、12の側に出射される。従って、表示パネル1では、導光板14から入射した光が基板11および液晶層13を経由して基板12から出射される間に、基板11に形成された画素電極と基板12に形成された共通電極との間で光変調される結果、画像が表示される。
【0021】
図示を省略するが、表示パネル1は、有機エレクトロルミネッセンス表示パネルであってもよく、有機エレクトロルミネッセンス表示パネルでは、透光性基板に自発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子が設けられている。従って、表示パネル1は、液晶表示パネル10、および有機エレクトロルミネッセンス表示パネルのいずれであっても、透光性基板を有する。
【0022】
本形態において、表示パネル1は、穴W1が形成された透光性基板W0を有する。本形態では、
図2に示すように、互いに平面視で重なる基板12、基板11、および導光板14がいずれも透光性を有するとともに、穴W1は、基板12、基板11、および導光板14を貫通している。従って、形態では、基板12、基板11、および導光板14を纏めて、穴W1が設けられた透光性基板W0とする。
【0023】
穴W1は、シール材16の外側の外周領域17に設けられる。このため、穴W1を設けても、液晶表示パネル10での表示動作に支障がない。
【0024】
透光性基板W0をスマートフォン等の電子機器に搭載する際、穴W1と重なる位置にカメラCの撮像素子C1が配置される。また、穴W1の内部には、レンズ等の光学素子が配置されることがある。
【0025】
ここで、穴W1の内壁W10は、撮像素子C1に余計な光が入射しないように、遮光部材W2によって被覆されている。遮光部材W2は、アルミニウム等の反射性金属等のシートからなる。本形態において、遮光部材W2は、導光板14の基板11、12とは反対側の面に重なるように配置されており、遮光部材W2の筒状部W21が穴W1の内壁W10に重なっている。従って、遮光部材W2は、導光板14から基板11とは反対側に漏れようとした光を導光板14に向けて反射させる反射層としても機能する。
【0026】
かかる表示パネル1を製造する際、
図3を参照して以下に説明する検査工程において、透光性基板W0の穴W1内での遮光部材W2の光漏れが検査される。
【0027】
(検査方法)
図3は、本発明の実施形態1に係る光漏れの検査方法を示す説明図である。
図4は、
図3に示す検査工程において、ミラー3と透光性基板W0との距離eを0mmに設定した際の撮像結果を示す説明図である。
図5は、
図3に示す検査工程において、ミラー3と透光性基板W0との距離eを2.5mmに設定した際の撮像結果を示す説明図である。
図6は、
図4に示す画像を得た際、遮光部材W2に光漏れがあった場合の説明図である。
図7は
、
図5に示す画像を得た際、遮光部材W2に光漏れがあった場合の説明図である。
【0028】
図3に示すように、透光性基板W0の穴W1内での遮光部材W2の光漏れを検査する工程では、透光性基板W0を備えたワークWをステージSに載置した状態で、穴W1に対向するように検査用の撮像装置2を設ける。撮像装置2は、図示を省略するが、撮像素子および合焦光学系等を備える。また、撮像装置2と穴W1との間には、穴W1の中心軸線Lを中心に湾曲した反射面30を備えたミラー3が配置される。
【0029】
この状態で、透光性基板W0に光を入射させ、撮像装置2によって穴W1の内壁W10をミラー3の反射面30を介して撮像する。ミラー3において、反射面30は、穴W1の中心軸線Lが延在する方向において、穴W1から離隔する程、中心軸線Lから離隔するように斜めに傾いており、反射面30において最も穴W1の側に位置する端部30aの中心軸線Lからの距離d1は、穴W1の半径d2より大きい。本形態において、反射面30は、穴W1の側に位置する端部30aから穴W1とは反対側の端部30bまで直線的に延在する円錐面になっている。
【0030】
本形態において、ミラー3は円筒状の部材であり、反射面30が中心軸線Lを中心とする360°の角度範囲に設けられている。より具体的には、ミラー3は、中心軸線Lの延在方向の両側の端面32、33で穴が開口する円筒状の部材であって、ミラー3は、アルミニウム等の反射性金属からなる。従って、ミラー3の内周面は研磨によって反射面30として構成されている。また、反射面30において最も穴W1の側に位置する端部30aの半径は、端部30aの中心軸線Lからの距離d1に相当し、端部30aの半径(距離d1)は、穴W1の半径d2より大きい。本形態において、反射面30において最も穴W1の側に位置する端部30aの半径は5mmであり、反射面30によって規定される二等辺三角形において等しい辺に挟まれた角の角度は、例えば45°である。
【0031】
また、透光性基板W0に光を入射させるにあたっては、外光を透光性基板W0に入射させる方法、あるいは照明装置から出射された光を透光性基板W0に入射させる方法が採用可能である。本形態では、透光性基板W0が導光板14を含んでいることから、発光素子15を照明装置4の光源として利用する。また、液晶表示パネル10では、全ての画素を暗表示とする。
【0032】
かかる検査方法によれば、撮像装置2によって、
図4および
図5に示す同心円状の画像が得られる。
図4に示す画像は、
図3において、ミラー3と透光性基板W0との距離eが0mmの場合の画像である。すなわち、
図4に示す画像は、
図3において、ミラー3と透光性基板W0とが接している場合の画像である。
図5に示す画像は、
図3において、ミラー3と透光性基板W0とが2.5mmの距離eだけ離隔している場合の画像である。
図4および
図5に示す画像Pのいずれにおいても、円P0の内側が穴W1の内側の画像である。
【0033】
図4および
図5に示す円形の画像Pでは、中央の円形の黒色部分P1と、黒色部分P1を囲む円環状の黒色部分P2とを確認できる。円形の黒色部分P1は、穴W1の底部の画像であり、円環状の黒色部分P2は、穴W1の内壁W10を覆う遮光部材W2の筒状部W21の画像である。
図4および
図5に示す画像Pは、透光性基板W0の穴W1内での遮光部材W2の光漏れが存在しない場合の検査結果を示しており、円環状の黒色部分P2には光漏れを原因とする白色部分が存在しない。
【0034】
これに対して、透光性基板W0の穴W1内での遮光部材W2にピンホール等が存在し、遮光部材W2で光漏れが発生している場合、
図6および
図7に示すように、画像Pでは、円環状の黒色部分P2に光漏れを原因とする白色部分P5が円弧状に延在している像が観
察される。
【0035】
なお、ミラー3と透光性基板W0との距離eが0mmである場合、
図4および
図6に示すように、円環状の黒色部分P2の外周側には、反射面30での外光の繰り返し反射等に起因する円環部P20が観察され、黒色部分P1と黒色部分P2との間には、穴W1と反射面30の端部30aとの間の像が2重の白色領域P21、P22として観察される。また、ミラー3と透光性基板W0との距離eが2.5mmである場合、
図5および
図7に示すように、円環状の黒色部分P2の外周側には、反射面30での外光の繰り返し反射等に起因する円環部P20が観察され、黒色部分P1と黒色部分P2との間には、穴W1と反射面30の端部30aとの間の像が白色領域P23として観察される。
【0036】
(実施形態1の主な効果)
以上説明したように、本形態では、透光性基板W0に光を入射させ、撮像装置2によって、遮光部材W2が被覆された穴W1の内壁W10をミラー3の円錐状の反射面30を介して撮像する。このため、遮光部材W2にピンホール等に起因する光漏れが存在する場合、光漏れは周方向に拡大された像として撮像される。また、ミラー3において、反射面30が中心軸線Lを中心とする360°の角度範囲に設けられているため、穴W1の内壁W10のいずれの角度位置にピンホール等が存在する場合でも、光漏れを検出することができる。それ故、本形態によれば、作業者が直接、穴W1の内部を目視で検査する場合と比較して、穴W1内の光漏れを効率よく確実に検出することができる。また、ミラー3と透光性基板W0とが接している状態で光漏れを検査する場合には、ミラー3と透光性基板W0との相対位置を適正に維持することができるので、多数の透光性基板W0を順次検査するのに適している。
【0037】
[実施形態2]
図8は、本発明の実施形態2に係る検査方法が適用されるワークWの説明図である。
図9は、本発明の実施形態2に係る光漏れの検査方法を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0038】
実施形態1では、穴W1が基板12、基板11、および導光板14を貫通していたため、穴W1が設けられた透光性基板W0は、基板12、基板11、および導光板14を含んでいたが、
図8に示すように、本形態において、穴W1は、基板11および導光板14に設けられており、基板12には穴W1が形成されていない。このため、本形態において、穴W1が設けられた透光性基板W0は、基板11および導光板14からなる。
【0039】
従って、
図9に示すように、透光性基板W0の穴W1内での遮光部材W2の光漏れを検査する工程では、導光板14が撮像装置2の側に位置するように、透光性基板W0をステージSに載置した状態で、穴W1に対向するように検査用の撮像装置2を設ける。また、撮像装置2と穴W1との間には、穴W1の中心軸線Lを中心に湾曲した反射面30を備えたミラー3が配置される。
【0040】
この状態で、透光性基板W0に光を入射させ、撮像装置2によって穴W1の内壁W10をミラー3を介して撮像する。透光性基板W0に光を入射させるにあたっては、外光を透光性基板W0に入射させてもよいが、本形態では、発光素子15を照明装置4の光源として利用する。また、液晶表示パネル10では、全ての画素を暗表示とする。
【0041】
かかる検査方法でも、
図4、
図5、
図6、および
図7を参照して説明した画像Pと略同一の画像を得ることができる。
【0042】
[実施形態3]
図10は、本発明の実施形態3に係る光漏れの検査方法を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施形態1、2と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0043】
実施形態1、2において、透光性基板W0は導光板14を含んでいたが、
図10に示すように、本形態において、透光性基板W0は導光板14を含んでいない。より具体的には、透光性基板W0は基板11、12からなり、穴W1は基板11、12を貫通している。
【0044】
本形態においても、実施形態1、2と同様、透光性基板W0の穴W1内での遮光部材W2の光漏れを検査する工程では、透光性基板W0をステージSに載置した状態で、穴W1に対向するように検査用の撮像装置2が設ける。また、撮像装置2と穴W1との間には、穴W1の中心軸線Lを中心に湾曲した反射面30を備えたミラー3が配置される。この状態で、透光性基板W0に光を入射させ、撮像装置2によって穴W1の内壁W10をミラー3を介して撮像する。透光性基板W0に光を入射させるにあたっては、外光を透光性基板W0に入射させてもよいが、本形態では、ワークWとステージSとの間にバックライト型の照明装置4を配置し、照明装置4から出射された光を透光性基板W0に入射させる。その際、照明装置4に遮光部40を設け、穴W1への光の入射を回避することが好ましい。
【0045】
かかる検査方法でも、
図4、
図5、
図6、および
図7を参照して説明した画像Pと略同一の画像を得ることができる。
【0046】
[他の実施形態]
上記実施形態1、2、3において、ミラー3では、反射面30が中心軸線Lを中心とする360°の角度範囲に設けられていたため、ミラー3やワークWを回転させなくても、穴W1の内壁W10の全ての角度位置を検査できたが、ミラー3では、中心軸線Lを中心とする360°未満の角度範囲に反射面30が設けられている態様であってもよい。例えば、中心軸線Lを中心とする60°の角度範囲に反射面30が設けられている態様であっても、ミラー3とワークWとを中心軸線Lを中心に相対回転させれば、穴W1の内壁W10の全ての角度位置を検査することができる。
【0047】
上記実施実施形態において、遮光部材W2は、アルミニウム等の反射性金属等のシートであったが、遮光性を有していれば、反射性金属以外の材料からなる場合に本発明を適用してもよい。また、遮光部材W2は、シートに限らず、半導体プロセス等を利用して成膜された遮光膜であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…表示パネル、2…撮像装置、3…ミラー、4…照明装置、10…液晶表示パネル、11、12…基板、13…液晶層、14…導光板、15…発光素子、16…シール材、17…外周領域、30…反射面、30a、30b…端部、32、33…端面、40…遮光部、C…カメラ、C1…撮像素子、L…中心軸線、P…画像、P1、P2…黒色部分、P5…白色部分、W…ワーク、W0…透光性基板、W1…穴、W10…内壁、W2…遮光部材、W21…筒状部