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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055251
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】切断装置および鋼管切断方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 9/04 20060101AFI20230411BHJP
【FI】
E02D9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164441
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510181909
【氏名又は名称】株式会社久野製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 泰司
(72)【発明者】
【氏名】佐野 賢治
(72)【発明者】
【氏名】高草木 崇史
(72)【発明者】
【氏名】生野 剛史
(72)【発明者】
【氏名】尾野 祐規
(72)【発明者】
【氏名】雨倉 みどり
(72)【発明者】
【氏名】久野 浩二
【テーマコード(参考)】
2D050
【Fターム(参考)】
2D050AA06
2D050DA09
2D050DB08
(57)【要約】
【課題】鋼管杭や鋼管矢板を細分化して撤去するための切断装置および鋼管切断方法を提案する。
【解決手段】地中または水中に設けられた鋼管11を、鋼管11の軸方向に沿って切断する切断装置2である。切断装置2は、鋼管11を切断するための高圧水を噴射可能なノズル41を備える切断機本体4と、鋼管11内に設置されたフレーム3とを備えている。フレーム3は、鋼管11の軸方向に沿って設けられた一対のレール32,32を有し、切断機本体4は、レール32に沿って上下に移動可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中または水中に設けられた鋼管を、当該鋼管の軸方向に沿って切断する切断装置であって、
前記鋼管を切断するための高圧水を噴射可能なノズルを備える切断機本体と、
前記鋼管内に設置されたフレームと、を備え、
前記フレームは、前記鋼管の軸方向に沿って設けられた一対のレールを有し、
前記切断機本体は、前記レールに沿って上下に移動可能であることを特徴とする、切断装置。
【請求項2】
前記ノズルは、前記レール同士の間において高圧水を噴射可能であることを特徴とする、請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記フレームは、複数の分割フレーム部材を上下に連結することにより形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の切断装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の切断装置を利用して、鋼管を軸方向に切断する鋼管切断方法であって、
前記鋼管内に前記フレームを吊り下げた状態で、当該フレームを前記鋼管内に設置する装置設置工程と、
前記フレームの前記レールに沿って前記切断機本体を移動させつつ、前記ノズルから高圧水を噴射して前記鋼管を切断する切断工程と、を備えることを特徴とする、鋼管切断方法。
【請求項5】
前記装置設置工程では、前記鋼管の上端部に係止部材を配置し、当該係止部材で前記フレームを支持することを特徴とする、請求項4に記載の鋼管切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設の鋼管杭や鋼管矢板を切断する切断装置および鋼管切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既設の杭や鋼矢板等を撤去する方法としては、そのまま引き抜く方法や、杭や鋼矢板等を現地で切断して複数回に分けて切断片を撤去する方法などがある。
例えば、特許文献1には、杭の外径よりも大きな内径を有したケーシングを杭の外周面を囲うようにセットし、当該ケーシングに設けられたノズルから高圧水を噴射しつつ杭の軸方向に沿ってケーシングを圧入することで、杭と地山との縁切りを行ってから杭を引き抜く杭引き抜き方法が開示されている。
ところが、土圧や水圧等により杭等に変形が生じている場合には、ケーシングと杭とが接触してしまい、ケーシングを杭に沿って圧入できなくなる(すなわち、杭と地山との縁切りができなくなる)虞がある。また、大口径で長尺な杭を撤去する場合には、杭の形状に応じた大掛かりな装置が必要になる。
また、特許文献2には、鋼管矢板の本管内に挿入したフレームに水平方向に旋回するノズルを設けておき、ノズルから噴射された高圧水により鋼管矢板の継手管を水平方向に切断する切断方法が開示されている。
地中または水中で水平方向に切断した切断片を撤去するためには、切断片を引き上げるためのワイヤーなどを地中または水中において切断片に取り付ける必要があり、作業に手間がかかる。また、水平方向に切断した切断片には、全周囲から土圧や水圧が作用しているため、大きな引抜力が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-268555号公報
【特許文献2】特開昭62-112819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような観点から、本発明は、鋼管杭や鋼管矢板を細分化して撤去するための切断装置および鋼管切断方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の切断装置は、地中または水中に設けられた鋼管を軸方向に沿って切断する切断装置であって、前記鋼管を切断するための高圧水を噴射可能なノズルを備える切断機本体と、前記鋼管内に設置されたフレームとを有している。前記フレームは前記鋼管の軸方向に沿って設けられた一対のレールを有していて、前記切断機本体は前記レールに沿って上下に移動可能である。前記ノズルは、前記レール同士の間において高圧水を噴射可能であるのが望ましい。
また、前記切断装置を利用して鋼管を軸方向に切断する鋼管切断方法は、前記鋼管内に前記フレームを吊り下げた状態で、当該フレームを前記鋼管内に設置する装置設置工程と、前記フレームの前記レールに沿って前記切断機本体を移動させつつ、前記ノズルから高圧水を噴射して前記鋼管を切断する切断工程とを備えている。
かかる切断装置および鋼管切断方法によれば、鋼管を軸方向に沿って切断することができる。鋼管を縦方向に切断すると、切断片に一方向から土圧や水圧が作用する状態となるので、切断片を撤去しやすくなる。また、鋼管を縦方向に切断すれば、切断片の軸方向の連続性が維持されるため、切断片を引き抜きやすい。
【0006】
前記装置設置工程では、前記鋼管の上端部に係止部材を配置し、この係止部材で前記フレームを支持することが望ましい。このようにすれば、大掛かりな装置や、鋼管への加工などを要することなく、フレームを簡易に鋼管に取り付けることができる。
なお、前記フレームが、複数の分割フレーム部材を上下に連結することにより形成してなるものであれば、フレームの搬入や現場での組立作業に要する手間を低減でき、効率的である。この場合における前記装置設置工程では、前記鋼管に挿入された分割フレーム部材の上端に他の分割フレーム部材を固定することにより前記フレームを形成すればよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の切断装置および鋼管切断方法によれば、軸方向に細分化することで、既設の鋼管杭や鋼管矢板を簡易に撤去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る鋼管矢板の切断状況を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る鋼管と切断装置を示す斜視図である。
図3】(a)はフレームを示す斜視図、(b)は分割フレーム部材を示す斜視図である。
図4】フレームと鋼管の関係を示す平面図である。
図5】切断装置による鋼管の切断状況を示す平断面図である。
図6】鋼管内の掘削状況を示す断面図である。
図7】フレームの組立状況を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態では、構造物を新設する位置に残存する地中壁を撤去する場合において、地中壁を構成する鋼管矢板1を地中で切断して細分化した状態で、切断片を地中から抜き出す場合について説明する。図1は、鋼管矢板1の切断状況を示す断面図である。図1に示すように、鋼管矢板1は、切断装置2を利用して、鋼管11の内側から軸方向(上下方向)に切断する。図2に鋼管矢板1と切断装置2を示す。
鋼管矢板1は、鋼管11と、鋼管11の側面に固定された継手12とからなり、隣接する他の鋼管矢板1の継手12に継手12を係合させた状態で地中に設置することで、連続した地中壁を構成している。
鋼管矢板1(鋼管11)には、周囲(全方向)から土圧および地下水圧が作用している。鋼管11を縦方向に切断することで、切断片に一方向から土圧や水圧が作用する状態として、切断片を撤去しやすく(引き抜きやすく)する。
【0010】
切断装置2は、図2に示すように、フレーム3と、切断機本体4とを備えている。
フレーム3は、鋼管11内に設置されて、切断機本体4の移動を誘導する。図3にフレーム3を示す。
フレーム3は、図3(a)に示すように、複数の分割フレーム部材31,31,…を上下に連結することにより形成されている。
分割フレーム部材31は、図3(b)に示すように、レール32と、継手板33と、水平材34と、斜材35とにより構成されている。
継手板33は、分割フレーム部材31の上下端にそれぞれ設けられている。継手板33は、鋼管11の内径よりも小さい外径を有した環状部材である(図4参照)。継手板33には、複数の貫通孔(図示せず)が形成されていて、隣接する他の分割フレーム部材31の継手板33とボルトを介して接合可能である。
レール32は、上下の継手板33の間に配設されている。レール32は、フレーム3を鋼管11内に配設した際に、鋼管11の軸方向に沿うように、継手板33に対して垂直に設けられている。図4にフレーム3の平面図を示す。図4に示すように、レール32は、二本一組で配設されており、本実施形態では、4組のレール32が、継手板33の周方向に等間隔に配設されている。すなわち、平面視で正多角形(本実施形態では正方形)の角部となる位置にそれぞれ一対のレール32,32が配置されている。
図3(b)に示すように、一組のレール32,32のうちの一方のレール32は、他方のレール32の反対側に隣接する他の組のレール32と、水平材34および斜材35により連結されている。
【0011】
水平材34は、図3(a)および(b)に示すように、等間隔で上下に複数本(本実施形態では、分割フレーム部材31毎に4本)並設されている。すなわち、水平材34は、図4に示すように、平面視で正方形の一辺となる位置に配置され、一の角部に配置された一対のレール32,32の一方と、当該角部に隣接する他の角部に配置された一対のレール32,32の一方との間に横架されている。水平材34は、アングル材等の鋼材からなり、先端部がレール32に溶接されている。
斜材35は、平面視で正方形の角部となる位置に配置された一対のレール32,32のうちの一方の上端部と、当該角部に隣接する他の角部に配置された一対のレール32,32の下端部とを連結するように斜めに設けられている。本実施形態では、2本の斜材35,35が、X字状に設けられている。斜材35は、アングル材等の鋼材からなり、先端部がレール32に溶接されている。
また、平面視で正方形の角部となる位置に配置された一対のレール32,32は繋ぎ材36により連結されている。繋ぎ材36は、鋼材からなり、レール32に対して直交している。複数の繋ぎ材36が所定の間隔をあけて、上下に並設されている。繋ぎ材36には、切断不良や切断位置を検知するためのセンサ(油圧式や電気式等)37が設けられている(図5参照)。なお、図5には、レール32と切断機本体4との位置関係が示されている。
【0012】
切断機本体4は、図5に示すように、鋼管11を切断するための高圧水Wを噴射可能なノズル41と、レール32を走行する車輪42と、ノズル41を支持する支持部材43とを備えている。
切断機本体4は、車輪42がレール32を走行することで、レール32に沿って上下動する。車輪42は、支持部材43に対して回転可能に支持されている。図2に示すように、本実施形態では、フレーム3のレール32の位置に対応して、四方に向けて車輪42が設けられている。すなわち、支持部材43には、フレーム3に設けられた4組のレール32,32に対応して、4組の車輪42,42が上下2段設けられている。
【0013】
図5に示すように、ノズル41は、支持部材43により支持されていて、一対のレール32,32同士の間に高圧水を噴射可能である。鋼管11は、ノズル41から噴射された高圧水により切断される。ノズル41は、一対のレール32,32を走行する左右の車輪42,42の間に向けて高圧水Wを噴射できるように配設されている。支持部材43には、四つのノズル41が周方向に対して等間隔に配設されていて、フレーム3に設けられた2本1組のレール32,32の間に高圧水Wを噴射する。すなわち、切断機本体4は、四方に向けて高圧水Wを噴射可能である。
本実施形態の支持部材43は、図2に示すように、柱状部材からなる。本実施形態の切断機本体4は、レール32の配置に対応して、四つの支持部材43,43,…を有している。すなわち、切断機本体4は、各レール32に対応して車輪42が設けられており、当該車輪42がレール32に当接していて、高圧水Wを噴射する際の反力は、フレーム3で支持される。すなわち、切断機本体4は、ノズル41から高圧水Wを噴射した際の反力を、車輪42を介してフレーム3から確保することで、高圧水Wの噴射方向がぶれることを防止する。
【0014】
以下、本実施形態の切断装置2を利用した鋼管切断方法について説明する。
鋼管切断方法は、中掘工程と、装置設置工程と、切断工程とを備えている。
中堀工程では、図6に示すように、ハンマーグラブ等の掘削機Mを利用して、鋼管11内の掘削を行う。
装置設置工程は、土砂が除去された鋼管11内にフレーム3を設置する工程である。図7に、フレーム3の組立状況を示す。鋼管11内へのフレーム3の設置は、鋼管11内に挿入した分割フレーム部材31の上面に、他の分割フレーム部材31を連結することにより行う。分割フレーム部材31は、クレーンなどの揚重機Cにより吊り下げた状態で、鋼管11内に挿入する。分割フレーム部材31は、上端部を鋼管11の上端よりも上方に突出させた状態で、鋼管11の上端部に配置した係止部材5により支持する。本実施形態では、係止部材5として、鋼材を使用する。分割フレーム部材31は、係止部材5に水平材34を載置することにより、鋼管11の上端部に係止する。
【0015】
次に、鋼管11の上端部に係止させた分割フレーム部材31の上端に、揚重機Cにより吊り下げた他の分割フレーム部材31を載置して、両分割フレーム部材31,31の継手板33同士をボルト接合する。分割フレーム部材31同士の接合が完了したら、係止部材5を取り外して、フレーム3を下降させる。
複数の分割フレーム部材31を連結して所定の長さのフレーム3を形成したら、鋼管11の上端部に配置した係止部材5によりフレーム3を支持する。なお、フレーム3には、図4に示すように、位置決め材38が固定されている。位置決め材38を係止部材5に当接させることで、所定の位置にレール32が配設されるように、鋼管11内での位置決めを行う。
【0016】
切断工程では、鋼管11を軸方向に沿って切断(四分割)する。フレーム3のレール32に沿って切断機本体4を移動させつつ、ノズル41から高圧水Wを噴射することで鋼管を切断する(図5参照)。このとき、レール32同士を連結する繋ぎ材36も切断する。本実施形態では、鋼管11の下端側から鋼管11の切断を行う。
図1に示すように、揚重機Cにより吊持した切断機本体4を、鋼管11内の所定の深さに挿入する。このとき、切断機本体4の車輪42をレール32に合わせて下降させる。次に、図5に示すように、ノズル41から高圧水を噴射して、鋼管矢板1(鋼管11)の縦切りを開始する。切断機本体4は、ノズル41から高圧水を噴射しながら、所定の速度でレール32に沿って上昇させる。切断機本体4の移動速度は、切断能力と鋼管11の肉厚によって決定する。レール32同士を連結する繋ぎ材36には切断位置を検知するセンサ37が取り付けられている。
【0017】
鋼管11の切断は、ノズル41を適宜交換しながら行う。ノズル41の交換のタイミングは、当該ノズル41による切断長、高圧水噴射時間、または、センサ37の計測結果に基づいて決定する。例えば、センサ37が油圧センサの場合には、繋ぎ材36とともに油圧パイプが切断されて油圧が低下することで切断状況を確認する。また、センサ37が通電センサ(電極センサ)の場合には、繋ぎ材36が切断されることで、通電が遮断させることで切断状況を確認する。
ノズル41を交換する際には、切断を一時中断し、切断機本体4を引き上げて、交換作業を行う。
【0018】
ノズル41の交換後、鋼管11の切断を再開する際には、レール32に車輪42を合わせた状態で、切断機本体4を下降させ、切断を中断した位置から切断作業を再開する。
鋼管11の切断が鋼管11の頂部に達したら、ノズル41からの高圧水の噴射を停止し、切断機本体4を引き上げる。一組のレール32,32において鋼管11を軸方向に沿って切断する作業を、四組のレール32,32の位置において実施したら、上段の分割フレーム部材31を撤去しつつ、フレーム3を鋼管11から引き出す。
引き出した分割フレーム部材31は、レール32同士を新たな繋ぎ材36により連結し、再び、他の鋼管11の切断に使用する。
【0019】
以上、本実施形態の切断装置2によれば、鋼管11を軸方向に沿って切断することができる。鋼管11を縦方向に切断すると、切断片に一方向から土圧や水圧が作用する状態となるので、切断片を撤去しやすくなる。また、鋼管11を縦方向に切断すれば、切断片の軸方向の連続性が維持されるため、切断片を引き抜きやすい。
なお、鋼管11を切断する際の分割数は4つに限定されるものではない。
また、フレーム3は、鋼管11の上端部に設けた係止部材5により支持するため、大掛かりな保持装置や、鋼管11への加工などを要することなく、フレーム3を簡易に鋼管11に取り付けることができる。
また、フレーム3は、複数の分割フレーム部材31で構成されているので、フレーム3の搬入や現場での組立作業に要する手間を低減でき、効率的である。
ノズル41を交換する際には、地上に引き上げた状態で行うため、作業員やダイバー等が鋼管11内に降りる必要がなく、施工性に優れている。また、ノズル41は、レール32に沿って移動させるため、ノズル41を交換して鋼管11の切断を再開する際に、ノズル41の作業を中断した位置に誘導することができる。したがって、切断線の連続性を確保でき、ひいては、切断片の引き抜きがスムーズになる。
さらに、鋼管11同士の継手部が競っている場合であっても、隣り合う鋼管の切断片同士を一体に搬出することができる。
【0020】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
前記実施形態では、鋼管矢板1を切断する場合について説明したが、本発明の切断装置2は、例えば鋼管杭の切断に使用してもよい、鋼管11を有する部材であれば、切断対象物は限定されるものではない。
また、フレーム3が備えるレール32の数や配置は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。
同様に、切断機本体4が備えるノズル41および車輪42の数および配置も適宜決定すればよい。
係止部材5の構成は限定されるものではなく適宜決定すればよい。
センサ37は必要に応じて設ければよい。
【符号の説明】
【0021】
1 鋼管矢板
11 鋼管
12 継手
2 切断装置
3 フレーム
31 分割フレーム部材
32 レール
4 切断機本体
41 ノズル
42 車輪
43 支持部材
5 係止部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7