(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055256
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 1/34 20060101AFI20230411BHJP
【FI】
E06B1/34 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164446
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】石井 大佳之
(72)【発明者】
【氏名】平川 真也
(72)【発明者】
【氏名】水本 義則
(72)【発明者】
【氏名】▲節▼ 世名
(57)【要約】
【課題】意匠性を向上できるカバー材を備える建具を提供すること。
【解決手段】建具1は、室内側に配置される樹脂部212,218,213,222,223,228,232,242,248を有する枠21,22,23,24と、枠21,22,23,24に取り付けられ、樹脂部を覆う金属製カバー材214,215,224,225,233,243と、を備え、金属製カバー材は、樹脂部における金属製カバー材が枠から取り外された場合に室内側に露出した部分を覆う。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内側に配置される樹脂部を有する枠と、
前記枠に取り付けられ、前記樹脂部を覆う金属製カバー材と、を備え、
前記金属製カバー材は、前記樹脂部における前記金属製カバー材が前記枠から取り外された場合に室内側に露出した部分を覆う建具。
【請求項2】
前記金属製カバー材は、前記枠の室内側の見込面を構成する、請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記枠は、枠体の下枠であり、
前記下枠は、結露水を受ける結露受け部を有し、
前記金属製カバー材は、前記結露受け部を覆うように配置される、請求項1又は2に記載の建具。
【請求項4】
前記金属製カバー材は、前記枠に嵌合により取り付けられる、請求項1~3のいずれかに記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属枠と樹脂枠とを有する枠体を備えた複合建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような建具は、樹脂枠の室内側にアングル部が設けられ、アングル部は、躯体開口部の額縁に対して、ネジで固定されている。この場合、アングル部の表面にネジの頭部が露出されるため、樹脂製のカバーで覆うように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂製のカバー材は、温度変化によって膨張したり収縮したりする。そのため、樹脂製のカバー材が収縮した場合には、長手方向の端部に隙間が生じてしまい、意匠性を損なうおそれがある。また、カバー材の長手方向の両端部には、枠体との間に隙間が生じても内部が露出しないように、端部ピースが設けられていることがある。この場合には、端部ピースが露出することにより、意匠性が損なわれる。よって、意匠性を向上できるカバー材を備える建具が求められている。
【0005】
本開示は、意匠性を向上できるカバー材を備える建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、室内側に配置される樹脂部を有する枠と、前記枠に取り付けられ、前記樹脂部を覆う金属製カバー材と、を備え、前記金属製カバー材は、前記樹脂部における前記金属製カバー材が前記枠から取り外された場合に室内側に露出した部分を覆う建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態の建具を室内側から見た斜視図である。
【
図5】障子側上枠下端部カバー及びFIX側上枠下端部カバーにより上枠の内周部が覆われており、縦枠室内側端部カバーにより縦枠の内周部が覆われている状態を示す斜視図である。
【
図6】FIX側上枠下端部カバーにより上枠の内周部が覆われており、縦枠室内側端部カバーにより縦枠の内周部が覆われている状態を示す斜視図である。
【
図7】障子側下枠上端部カバー及びFIX側下枠上端部カバーにより下枠の内部が覆われており、縦枠室内側端部カバーにより縦枠の内周部が覆われている状態を示す斜視図である。
【
図8】FIX側下枠上端部カバーにより下枠の内周部が覆われており、縦枠室内側端部カバーにより縦枠の内周部が覆われている状態を示す斜視図である。
【
図9】障子側上枠下端部カバー及びFIX側上枠下端部カバーを上枠から取り外すと共に、縦枠室内側端部カバーを縦枠から取り外した状態を示す斜視図である。
【
図10】FIX側上枠下端部カバーを上枠から取り外すと共に、縦枠室内側端部カバーを縦枠から取り外した状態を示す斜視図である。
【
図11】障子側下枠上端部カバー及びFIX側下枠上端部カバーを下枠から取り外すと共に、縦枠室内側端部カバーを縦枠から取り外した状態を示す斜視図である。
【
図12】FIX側下枠上端部カバーを下枠から取り外すと共に、縦枠室内側端部カバーを縦枠から取り外した状態を示す斜視図である。
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。一実施形態の建具1について説明する。本明細書において、「見付方向」とは、建物の壁に形成された開口部に納められた建具1における面材の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、建具1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、建具1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、建具1の室外側を室外側X1とし、建具1の室内側を室内側X2とする。また、外障子5の「横方向」を左右方向ともいう。
【0009】
建具1は、
図1に示すように、建物躯体10の開口部10aに取り付けられる枠体2と、枠体2内に配置される方立3と、方立3の左右方向の一方側において枠体2内の室内側X2に配置されるFIX部4と、枠体2内の室外側X1において左右方向に移動可能に配置される外障子5と、枠体2内における方立3の左右方向の他方側において引き出し可能に室内側X2に配置されるプリーツ式網戸6(収納式網戸)と、を備える。
【0010】
枠体2は、
図2~
図4に示すように、上枠21、下枠22及び左右一対の縦枠23,24を矩形に枠組みすることによって構成される。
【0011】
上枠21は、
図2及び
図3に示すように、上枠本体211と、室内側X2の表面に配置される上枠室内側表面カバー212,213と、上枠室内側表面カバー212,213の下端部に取り付けられる上枠室内側下端部カバー214,215と、を有する。上枠室内側下端部カバー214,215の詳細については後述する。
【0012】
上枠本体211は、室外側X1に形成され下方に向けて開放される上枠室外側溝211aと、室内側X2に形成され下方に向けて開放される上枠室内側溝211bと、を有する。
【0013】
上枠室外側溝211aには、上枠21の室外側X1において、外障子5の上端部が配置される。上枠室外側溝211aは、外障子5の上端部の左右方向の移動をガイドする。
【0014】
上枠室内側溝211bは、左右方向の一方側(
図1における右側)に形成されるFIXガラス配置溝211d(
図3参照)と、左右方向の他方側(
図1における左側)に形成される網戸配置溝211c(
図2参照)と、を有する。網戸配置溝211cには、
図2に示すように、網戸用アタッチメント211eが配置される。網戸配置溝211cは、網戸用アタッチメント211eを介して、プリーツ式網戸6の上端部の左右方向の移動をガイドする。FIXガラス配置溝211dには、
図3に示すように、FIX部4のガラスパネル41の上端が配置される。
【0015】
下枠22は、
図2及び
図3に示すように、下枠本体221と、室内側X2の表面に配置される下枠室内側表面カバー222,223と、下枠室内側表面カバー222,223の上端部に取り付けられる下枠室内側上端部カバー224,225と、を有する。下枠室内側上端部カバー224,225の詳細については後述する。
【0016】
下枠本体221は、室外側X1に形成され上方に向けて突出する下枠レール221aと、室内側X2に形成され上方に向けて開放される下枠室内側溝221bと、を有する。
【0017】
下枠レール221aには、下枠22の室外側X1において、外障子5の下端部が配置される。下枠レール221aは、外障子5の下端部の左右方向の移動をガイドする。
【0018】
下枠室内側溝221bは、左右方向の一方側(
図1における右側)に形成されるFIXガラス配置溝221d(
図4参照)と、左右方向の他方側(
図1における左側)に形成される網戸配置溝221c(
図2参照)と、を有する。網戸配置溝221cには、
図2に示すように、網戸用アタッチメント221eが配置される。網戸配置溝221cは、網戸用アタッチメント221eを介して、プリーツ式網戸6の下端部の左右方向の移動をガイドする。FIXガラス配置溝221dには、
図3に示すように、FIX部4のガラスパネル41の下端が配置される。
【0019】
縦枠23,24は、
図4に示すように、縦枠本体231,241と、室内側X2の表面に配置される縦枠室内側表面カバー232,242と、縦枠室内側表面カバー232,242の左右方向の内周側の端部に取り付けられる縦枠室内側端部カバー233,243と、を有する。縦枠室内側端部カバー233,243の詳細については後述する。
【0020】
方立3は、
図1に示すように、枠体2の室内側X2における左右方向の途中の中間部において、上下方向に延びて配置される。枠体2の開口は、方立3により、左右方向の途中で左右に区切られる。これにより、枠体2の室内側X2において、枠体2の左右方向の一方側には、FIX部4が形成され、枠体2の左右方向の他方側には、外障子5により開閉される開口部25が形成される。
【0021】
FIX部4は、
図1に示すように、枠体2内の方立3の左右方向の一方側(
図1における右側)において、面材としてのガラスパネル41が、方立3及び枠体2に固定されて構成される。FIX部4は、開閉不能な固定窓である。FIX部4は、枠体2の左右方向の中間に設けられる方立3に対して左右方向の一方側の室内側X2において、枠体2の方立3、上枠21、下枠22及び縦枠24により囲まれた部分の内周側に、面材としてのガラスパネル41が嵌め込まれて構成される。
【0022】
ガラスパネル41の外縁は、
図3及び
図4に示すように、方立3、上枠21、下枠22及び縦枠23それぞれのFIXガラス配置溝31,211d,221d,241dに配置される。ガラスパネル41は、左右方向の方立3側の外縁が、方立3に押縁35により押し付けられると共に、上側、下側及び左右方向の方立3と反対側の外縁それぞれが、上枠21、下枠22及び縦枠23それぞれの室内側X2に固定されたFIX側アタッチメント218,228,248に、押縁219,229,249により押し付けられて取り付けられている。
【0023】
外障子5は、
図4に示すように、枠体2内の室外側X1において、枠体2内を左右方向(横方向)にスライド移動して開閉可能な障子である。外障子5は、FIX部4の他方側(
図1における左側)に形成される開口部25を開閉可能に構成される。外障子5は、室内外方向に見た場合に、開口部25に重なる場合に閉位置に位置し、左右方向に移動することで、FIX部4の室外側X1に移動された場合に開位置に位置する。
【0024】
外障子5は、
図2及び
図4に示すように、上框51、下框52、戸先側に配置される縦框53及び戸尻側に配置される縦框54を矩形に框組した框体50の内周側に、2枚のガラスからなる面材55が納められることによって構成される。外障子5は、上端部が上枠21の上枠室外側溝211aに左右方向に移動可能に配置され、下端部が下枠22の下枠レール221aに左右方向に移動可能に係合する。
【0025】
戸先側に配置される縦框53には、
図1に示すように、ハンドル531が取り付けられている。ハンドル531は、外障子5の面材55よりも室内側X2において、縦框53の左右方向の内周側の見込面に取り付けられる。
【0026】
上枠21に取り付けられる上枠室内側下端部カバー214,215(金属製カバー材)、下枠22に取り付けられる下枠室内側上端部カバー224,225(金属製カバー材)、及び、縦枠23,24に取り付けられる縦枠室内側端部カバー233,243(金属製カバー材)について詳細に説明する。
【0027】
図2~
図12に示すように、上枠室内側下端部カバー214,215、下枠室内側上端部カバー224,225及び縦枠室内側端部カバー233,243は、それぞれ、上枠21、下枠22及び縦枠23,24の室内側X2の端部に配置される樹脂材料で形成される樹脂部(上枠室内側表面カバー212,213、下枠室内側表面カバー222,223、縦枠室内側表面カバー232,242)を覆うように取り付けられる。
【0028】
上枠室内側表面カバー212,213、下枠室内側表面カバー222,223及び縦枠室内側表面カバー232,242は、それぞれ、樹脂材料により形成される樹脂部を構成する。上枠室内側下端部カバー214,215(金属製カバー材)、下枠室内側上端部カバー224,225(金属製カバー材)及び縦枠室内側端部カバー233,243(金属製カバー材)は、それぞれ、例えばアルミニウム材料などの金属材料により形成される金属製カバー材を構成する。
【0029】
上枠室内側下端部カバー214,215は、
図2、
図3、
図5、
図6、
図9及び
図10に示すように、それぞれ、上枠室内側表面カバー212,213それぞれの下端部に取り付けられる。
【0030】
上枠室内側表面カバー212,213は、障子側上枠室内側表面カバー212(金属製カバー材)と、FIX側上枠室内側表面カバー213(金属製カバー材)と、から構成される。上枠室内側下端部カバー214,215は、障子側上枠下端部カバー214と、FIX側上枠下端部カバー215と、から構成される。障子側上枠下端部カバー214及びFIX側上枠下端部カバー215の下面は、上枠21の室内側X2の端部において下方を向く水平面を有して構成され、上枠21の室内側X2の端部の下面に形成される見込面(室内外方向に延びる面)を構成する。
【0031】
障子側上枠室内側表面カバー212は、
図2に示すように、方立3に対して外障子5側において上枠21の室内側X2の表面に配置される。障子側上枠室内側表面カバー212の下端には、障子側上枠下端部カバー214が取り付けられる。
【0032】
障子側上枠下端部カバー214は、
図2に示すように、上側が開放するC字状に形成され下面が平面状に形成される下端部カバー本体214aと、下端部カバー本体214aの室内側X2の上端から上方に突出する係合片214bと、を有する。障子側上枠下端部カバー214は、係合片214bが、障子側上枠室内側表面カバー212の下端に形成され下方に向けて開放する係合溝212aに係合されることで、障子側上枠室内側表面カバー212に嵌合により取り付けられる。よって、障子側上枠下端部カバー214を、上枠21に取り付けられた障子側上枠室内側表面カバー212に、嵌合により容易に取り付けることができる。
【0033】
このようにして、障子側上枠下端部カバー214は、方立3に対して外障子5側において、
図9に示すように、上枠21の室内側X2の端部における躯体開口部の上側の額縁11により覆われていない部分であって障子側上枠下端部カバー214が取り外された場合に室内側X2に露出する樹脂部(障子側上枠室内側表面カバー212)を、
図5に示すように、覆うことができる。
【0034】
FIX側上枠室内側表面カバー213は、
図3に示すように、方立3に対してFIX部4側において上枠21の室内側X2の表面に配置される。FIX側上枠室内側表面カバー213の下端には、FIX側上枠下端部カバー215が取り付けられる。
【0035】
FIX側上枠下端部カバー215は、
図3に示すように、上側が開放するC字状に形成され下面が平面状に形成される下端部カバー本体215aと、下端部カバー本体215aの室内側X2の上端から上方に突出する係合片215bと、下端部カバー本体215aの下端部の室外側X1の端部から室外側X1に延びる延出板215cと、を有する。FIX側上枠下端部カバー215は、係合片215bが、FIX側上枠室内側表面カバー213の下端に形成され下方に向けて開放する係合溝213aに係合されることで、FIX側上枠室内側表面カバー213に嵌合により取り付けられる。よって、FIX側上枠下端部カバー215を、上枠21に取り付けられたFIX側上枠室内側表面カバー213に、嵌合により容易に取り付けることができる。
【0036】
このようにして、FIX側上枠下端部カバー215は、方立3に対してFIX部4側において、
図10に示すように、上枠21の室内側X2の端部における躯体開口部の上側の額縁11により覆われていない部分であってFIX側上枠下端部カバー215が取り外された場合に室内側X2に露出する樹脂部(FIX側上枠室内側表面カバー213)を、
図6に示すように、覆うことができる。
【0037】
また、上枠21においては、方立3に対してFIX部4側において、
図3及び
図10に示すように、室内側X2において、FIX側上枠室内側表面カバー213の室外側X1の隣りには、樹脂製のFIX側アタッチメント218が配置されている。FIX側アタッチメント218は、上枠21の室内側X2の端部における躯体開口部の上側の額縁11により覆われていない部分であってFIX側上枠下端部カバー215が取り外された場合に室内側X2の下方に向けて露出する。
【0038】
ここで、FIX側上枠下端部カバー215は、
図3に示すように、延出板215cを有する。延出板215cは、FIX側アタッチメント218(樹脂部)を覆うように、下端部カバー本体215aの下端部の室外側X1の端部から室外側X1に延びる。これにより、延出板215cは、上枠21の室内側X2の端部における躯体開口部の上側の額縁11により覆われていない部分であってFIX側上枠下端部カバー215が取り外された場合に室内側X2に露出する樹脂部(FIX側アタッチメント218)を覆うことができる。
【0039】
以上のFIX側上枠下端部カバー215は、FIX側上枠室内側表面カバー213及びFIX側アタッチメント218の2つの樹脂部の両方を覆うことができる。FIX側上枠室内側表面カバー213及びFIX側アタッチメント218は互いの色が異なる場合があり、このままの状態で露出された場合には、異なる色が外部に露出されてしまい、意匠性が損なわれる可能性がある。これに対して、本開示においては、FIX側上枠下端部カバー215が、隣り合う2つの樹脂部(FIX側上枠室内側表面カバー213及びFIX側アタッチメント218)を覆うことができるため、意匠性を向上できる。
【0040】
下枠室内側上端部カバー224,225は、
図2、
図3、
図7、
図8、
図11及び
図12に示すように、それぞれ、下枠室内側表面カバー222,223それぞれの上端部に取り付けられる。
【0041】
下枠室内側表面カバー222,223は、障子側下枠室内側表面カバー222(金属製カバー材)と、FIX側下枠室内側表面カバー223(金属製カバー材)と、から構成される。下枠室内側上端部カバー224,225は、障子側下枠上端部カバー224と、FIX側下枠上端部カバー225と、から構成される。障子側下枠上端部カバー224及びFIX側下枠上端部カバー225の上面は、下枠22の室内側X2の端部において上方を向く水平面を有して構成され、下枠22の室内側X2の端部の上面に形成される見込面(室内外方向に延びる面)を構成する。
【0042】
障子側下枠室内側表面カバー222は、
図2に示すように、方立3に対して外障子5側において下枠22の室内側X2の表面に配置される。障子側下枠室内側表面カバー222の上端には、障子側下枠上端部カバー224が取り付けられる。
【0043】
障子側下枠上端部カバー224は、
図2に示すように、下側が開放するC字状に形成され上面が平面状に形成される上端部カバー本体224aと、上端部カバー本体224aの室内側X2の下端から下方に突出する係合片224bと、を有する。障子側下枠上端部カバー224は、係合片224bが、障子側下枠室内側表面カバー222の上端に形成され上方に向けて開放する係合溝222aに係合されることで、障子側下枠室内側表面カバー222に嵌合により取り付けられる。よって、障子側下枠上端部カバー224を、下枠22に取り付けられた障子側下枠室内側表面カバー222に、嵌合により容易に取り付けることができる。
【0044】
このようにして、障子側下枠上端部カバー224は、方立3に対して外障子5側において、
図11に示すように、下枠22の室内側X2の端部における躯体開口部の下側の額縁12により覆われていない部分であって障子側下枠上端部カバー224が取り外された場合に室内側X2に露出する樹脂部(障子側下枠室内側表面カバー222)を、
図7に示すように、覆うことができる。
【0045】
FIX側下枠室内側表面カバー223は、
図3に示すように、方立3に対してFIX部4側において下枠22の室内側X2の表面に配置される。FIX側下枠室内側表面カバー223の上端には、FIX側下枠上端部カバー225が取り付けられる。
【0046】
FIX側下枠上端部カバー225は、
図3に示すように、下側が開放するC字状に形成され上面が平面状に形成される上端部カバー本体225aと、上端部カバー本体225aの室内側X2の下端から下方に突出する係合片225bと、上端部カバー本体225aの上端部の室外側X1の端部から室外側X1に延びる延出板225cと、を有する。FIX側下枠上端部カバー225は、係合片225bが、FIX側下枠室内側表面カバー223の上端に形成され上方に向けて開放する係合溝223aに係合されることで、FIX側下枠室内側表面カバー223に嵌合により取り付けられる。よって、FIX側下枠上端部カバー225を、下枠22に取り付けられたFIX側下枠室内側表面カバー223に、嵌合により容易に取り付けることができる。
【0047】
このようにして、FIX側下枠上端部カバー225は、方立3に対してFIX部4側において、
図12に示すように、下枠22の室内側X2の端部における躯体開口部の下側の額縁12により覆われていない部分であってFIX側下枠上端部カバー225が取り外された場合に室内側X2に露出する樹脂部(FIX側下枠室内側表面カバー223)を、
図8に示すように、覆うことができる。
【0048】
また、下枠22においては、方立3に対してFIX部4側において、
図3、
図11及び
図12に示すように、室内側X2において、FIX側下枠室内側表面カバー223の室外側X1の隣りには、樹脂製のFIX側アタッチメント228が配置されている。FIX側アタッチメント228は、下枠22の室内側X2の端部における躯体開口部の下側の額縁12により覆われていない部分であってFIX側下枠上端部カバー225が取り外された場合に室内側X2の上方に向けて露出する。
【0049】
ここで、FIX側下枠上端部カバー225は、
図3に示すように、延出板225cを有する。延出板225cは、FIX側アタッチメント228(樹脂部)を覆うように、上端部カバー本体225aの上端部の室外側X1の端部から室外側X1に延びる。これにより、延出板225cは、下枠22の室内側X2の端部における躯体開口部の下側の額縁12により覆われていない部分であってFIX側下枠上端部カバー225が取り外された場合に室内側X2に露出する樹脂部(FIX側アタッチメント228)を覆うことができる。
【0050】
以上のFIX側下枠上端部カバー225は、FIX側下枠室内側表面カバー223及びFIX側アタッチメント228の2つの樹脂部の両方を覆うことができる。FIX側下枠室内側表面カバー223及びFIX側アタッチメント228は互いの色が異なる場合があり、このままの状態で露出された場合には、異なる色が外部に露出されてしまい、意匠性が損なわれる可能性がある。これに対して、本開示においては、FIX側下枠上端部カバー225が、隣り合う2つの樹脂部(FIX側下枠室内側表面カバー223及びFIX側アタッチメント228)を覆うことができるため、意匠性を向上できる。
【0051】
更に、下枠22においては、室内側X2において、
図3、
図11及び
図12に示すように、FIX側下枠上端部カバー225の下方には、下枠22に流入した結露水を受ける結露受け溝226(結露受け部)が形成される。結露受け溝226は、FIX側アタッチメント228の上部側に形成され、左右方向に延びる溝状に形成される。結露受け溝226には、排水部品227が配置されている。
【0052】
排水部品227は、
図11及び
図12に示すように、方立3に対してFIX部4側において、下枠22のFIX側アタッチメント228の結露受け溝226の長手方向の両端部側に配置される。排水部品227は、FIX側アタッチメント228の結露受け溝226を上下方向に貫通して配置され、排水弁構造を有する。これにより、排水部品227は、結露受け溝226に受け止められた水を、下枠22の下方に導き、下枠22の外部に排出する。
【0053】
ここで、本開示においては、FIX側下枠上端部カバー225は、下枠22の内部に配置される結露受け溝226及び排水部品227を覆うように配置される。これにより、意匠性を向上できる。
【0054】
縦枠室内側端部カバー233,243は、
図4、
図5~
図12に示すように、それぞれ、縦枠室内側表面カバー232,242それぞれの左右方向の内周側の端部に取り付けられる。縦枠室内側端部カバー233,243の左右方向の内周側の面は、縦枠23,24の室内側X2の端部において左右方向の内周側を向いて上下方向及び室内外方向に延びる平面を有して構成され、縦枠23,24の室内側X2の端部の左右方向の内周側の面に形成される見込面(室内外方向に延びる面)を構成する。
【0055】
縦枠室内側表面カバー232は、
図4に示すように、外障子5側の縦枠23の室内側X2の表面に配置される。縦枠室内側表面カバー232の左右方向の内周側の端部には、縦枠室内側端部カバー233が取り付けられる。
【0056】
縦枠室内側端部カバー233は、
図4に示すように、左右方向の外周側が開放するC字状に形成され左右方向の内周側の面が平面状に形成される端部カバー本体233aと、端部カバー本体233aの室内側X2から左右方向の外周側に突出する係合片233bと、を有する。縦枠室内側端部カバー233は、係合片233bが、縦枠室内側表面カバー232の左右方向の内周側の端部に形成され左右方向の内周側に向けて開放する係合溝232aに係合されることで、縦枠室内側端部カバー233に嵌合により取り付けられる。よって、縦枠室内側端部カバー233を、縦枠23に取り付けられた縦枠室内側表面カバー232に、嵌合により容易に取り付けることができる。
【0057】
これにより、縦枠室内側端部カバー233は、外障子5側の縦枠23の室内側X2の端部において、
図9に示すように、縦枠23の室内側X2の端部における躯体開口部の外障子5側の縦方向に延びる額縁13により覆われていない部分であって縦枠室内側端部カバー233が取り外された場合に室内側X2に露出する樹脂部(縦枠室内側表面カバー232)を、
図5に示すように、覆うことができる。
【0058】
縦枠室内側表面カバー242は、方立3に対してFIX部4側において縦枠24の室内側X2の表面に配置される。縦枠室内側表面カバー242の左右方向の内周側の端部には、縦枠室内側端部カバー243が取り付けられる。
【0059】
縦枠室内側端部カバー243は、
図4に示すように、左右方向の外周側が開放するC字状に形成され左右方向の内周側の面が平面状に形成される端部カバー本体243aと、端部カバー本体243aの室内側X2から左右方向の外周側に突出する係合片243bと、端部カバー本体243aの室外側X1の端部から室外側X1に延びる延出板243cと、を有する。縦枠室内側端部カバー243は、係合片243bが、縦枠室内側表面カバー242の左右方向の内周側の端部に形成され左右方向の内周側に向けて開放する係合溝242aに係合されることで、縦枠室内側端部カバー243に嵌合により取り付けられる。よって、縦枠室内側端部カバー243を、縦枠24に取り付けられた縦枠室内側表面カバー242に、嵌合により容易に取り付けることができる。
【0060】
これにより、縦枠室内側端部カバー243は、FIX部4側の縦枠24の室内側X2の端部において、
図10に示すように、縦枠24の室内側X2の端部における躯体開口部の外障子5側の縦方向に延びる額縁14により覆われていない部分であって縦枠室内側端部カバー243が取り外された場合に室内側X2に露出する樹脂部(縦枠室内側表面カバー242)を、
図6に示すように、覆うことができる。
【0061】
また、FIX部4側の縦枠24においては、
図4、
図10及び
図12に示すように、室内側X2において、縦枠室内側端部カバー243の室外側X1の隣りには、樹脂製のFIX側アタッチメント248が配置されている。FIX側アタッチメント248は、縦枠24の室内側X2の端部における躯体開口部の外障子5側の縦方向に延びる額縁14より覆われていない部分であって縦枠室内側端部カバー243が取り外された場合に室内側X2の内周側に向けて露出する。
【0062】
ここで、縦枠室内側端部カバー243は、
図4に示すように、延出板243cを有する。延出板243cは、FIX側アタッチメント248(樹脂部)を覆うように、端部カバー本体243aの室外側X1の端部から室外側X1に延びる。これにより、延出板243cは、縦枠24の室内側X2の端部における躯体開口部の外障子5側の縦方向に延びる額縁14により覆われていない部分であって縦枠室内側端部カバー243が取り外された場合に室内側X2に露出する樹脂部(FIX側アタッチメント248)を覆うことができる。
【0063】
以上の縦枠室内側端部カバー243は、縦枠室内側表面カバー242及びFIX側アタッチメント248の2つの樹脂部の両方を覆うことができる。縦枠室内側表面カバー242及びFIX側アタッチメント248は互いの色が異なる場合があり、このままの状態で露出された場合には、異なる色が外部に露出されてしまい、意匠性が損なわれる可能性がある。これに対して、本開示においては、縦枠室内側端部カバー243が、隣り合う2つの樹脂部(縦枠室内側表面カバー242及びFIX側アタッチメント248)を覆うことができるため、意匠性を向上できる。
【0064】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の建具1は、室内側X2に配置される樹脂部(障子側上枠室内側表面カバー212,FIX側上枠室内側表面カバー213,障子側下枠室内側表面カバー222,下枠室内側表面カバー223,縦枠室内側表面カバー232,縦枠室内側表面カバー242,FIX側アタッチメント218,228,248)を有する枠(上枠21,下枠22,縦枠23,24)と、枠に取り付けられ、樹脂部を覆う金属製カバー材(障子側上枠下端部カバー214,FIX側上枠下端部カバー215,障子側下枠上端部カバー224,FIX側下枠上端部カバー225,縦枠室内側端部カバー233,243)と、を備え、金属製カバー材は、樹脂部における金属製カバー材が枠から取り外された場合に室内側X2に露出した部分を覆う。
【0065】
これにより、樹脂部(障子側上枠室内側表面カバー212,FIX側上枠室内側表面カバー213,障子側下枠室内側表面カバー222,下枠室内側表面カバー223,縦枠室内側表面カバー232,縦枠室内側表面カバー242,FIX側アタッチメント218,228,248)を金属製カバー材(障子側上枠下端部カバー214,FIX側上枠下端部カバー215,障子側下枠上端部カバー224,FIX側下枠上端部カバー225,縦枠室内側端部カバー233,243)により覆うことができるため、意匠性を向上できる。
【0066】
また、金属製カバー材(障子側上枠下端部カバー214,FIX側上枠下端部カバー215,障子側下枠上端部カバー224,FIX側下枠上端部カバー225,縦枠室内側端部カバー233,243)は、金属材料により形成されるため、樹脂材料で形成される場合と比べて、表面に傷が付きにくい。これにより、金属製カバー材を交換する頻度を低減できると共に、施工時において傷が付くことを低減した状態で金属製カバー材を取り付けることができる。
【0067】
また、従来、カバーが樹脂材料で形成される場合には、温度変化により伸縮しやすいため、カバー材が長手方向に縮む場合に長手方向の端部側に隙間が形成されて内部が視認されるという観点から、カバー材の長手方向の端部に、カバー材の長手方向の端部と枠との間を埋める端部ピースが設けられることがあった。これに対して、本開示においては、金属製カバー材(障子側上枠下端部カバー214、FIX側上枠下端部カバー215、障子側下枠上端部カバー224、FIX側下枠上端部カバー225及び縦枠室内側端部カバー233,243)それぞれが金属材料により形成されるため、温度変化による長手方向の伸縮が少なく、樹脂材料で形成されるよりも縮みにくく、端部ピースを必要としない。よって、意匠性を維持した状態で、端部ピースに要するコストを低減できる。
【0068】
また、本実施形態においては、金属製カバー材(障子側上枠下端部カバー214,FIX側上枠下端部カバー215,障子側下枠上端部カバー224,FIX側下枠上端部カバー225,縦枠室内側端部カバー233,243)は、枠(上枠21、下枠22、縦枠23,24)の室内側X2の見込面を構成する。これにより、枠に傷が付く可能性がある見込面において、傷が付きにくい金属製カバー材(障子側上枠下端部カバー214,FIX側上枠下端部カバー215,障子側下枠上端部カバー224,FIX側下枠上端部カバー225,縦枠室内側端部カバー233,243)により覆うことができる。これにより、外観視において、傷が視認されることを低減できる。
【0069】
また、本実施形態においては、金属製カバー材(障子側上枠下端部カバー214,FIX側上枠下端部カバー215,障子側下枠上端部カバー224,FIX側下枠上端部カバー225,縦枠室内側端部カバー233,243)は、下枠22に設けられる結露受け溝226を覆うように配置される。これにより、意匠性を向上できる。
【0070】
また、本実施形態においては、金属製カバー材(障子側上枠下端部カバー214,FIX側上枠下端部カバー215,障子側下枠上端部カバー224,FIX側下枠上端部カバー225,縦枠室内側端部カバー233,243)は、上枠21,下枠22,縦枠23,24に嵌合により取り付けられる。これにより、金属製カバー材を上枠21,下枠22,縦枠23,24に容易に取り付けたり取り外すことができる。よって、金属製カバー材を交換する作業が容易である。
【0071】
以上、本開示の好ましい一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 建具、21 上枠(枠)、22 下枠(枠)、23 縦枠(枠)、24 縦枠(枠)、212 上枠室内側表面カバー,障子側上枠室内側表面カバー(樹脂部)、213 上枠室内側表面カバー,FIX側上枠室内側表面カバー(樹脂部)、214 上枠室内側下端部カバー,障子側上枠下端部カバー(金属製カバー材)、215 上枠室内側下端部カバー,FIX側上枠下端部カバー(金属製カバー材)、222 下枠室内側表面カバー,障子側下枠室内側表面カバー(樹脂部)、223 下枠室内側表面カバー,FIX側下枠室内側表面カバー(樹脂部)、224 下枠室内側上端部カバー,障子側下枠上端部カバー(金属製カバー材)、225 下枠室内側上端部カバー,FIX側下枠上端部カバー(金属製カバー材)、226 結露受け溝(結露受け部)、233,243 縦枠室内側端部カバー(金属製カバー材)、232,242 縦枠室内側表面カバー(樹脂部)、218,228,248 FIX側アタッチメント(樹脂部)