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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055341
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】遠心濃縮機
(51)【国際特許分類】
   B04B 1/20 20060101AFI20230411BHJP
   B04B 11/02 20060101ALI20230411BHJP
   B04B 13/00 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
B04B1/20
B04B11/02
B04B13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164632
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000171919
【氏名又は名称】佐竹マルチミクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102749
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 紀一
(74)【代理人】
【識別番号】100081787
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 輝晃
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】院去 貢
【テーマコード(参考)】
4D057
【Fターム(参考)】
4D057AB01
4D057AC01
4D057AC06
4D057AD01
4D057AE03
4D057AF01
4D057BA31
4D057BC06
4D057BC11
4D057CB00
4D057CB01
(57)【要約】
【課題】従来の遠心濃縮機は、分離液に原液が混ざりやすく、分級性能が十分でなかった。
【解決手段】本発明の遠心濃縮機は、円筒状の回転ボウルと、該回転ボウル内に設けられた、該回転ボウルの内周面に沈降した濃縮液を、一方から他方に移動させる、先端部が前記回転ボウルの内周面に近接して設けられたスクリュー羽根を有するスクリューコンベアと、前記回転ボウルと、前記スクリューコンベアをそれぞれ回転させる回転手段と、前記回転ボウルの一方から、前記回転ボウル外から内に、液体中に微粒子が含まれる原液を供給する原液供給部と、前記回転ボウルの回転による遠心力により分離した濃縮液を、前記回転ボウルの他方から排出する濃縮液排出部と、前記回転ボウルの回転による遠心力により分離した清澄された分離液を、前記回転ボウル外に排出する分離液排出部とよりなり、前記原液供給部は、原液を、前記回転ボウル内の内周面に近接した位置に投入する原液投入手段を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在に設けられた円筒状の回転ボウルと、
該回転ボウル内に設けられた、該回転ボウルの内周面に沈降した濃縮液を、軸方向に一方から他方に移動させる、先端部が前記回転ボウルの内周面に近接して設けられたスクリュー羽根を有するスクリューコンベアと、
前記回転ボウルと、前記スクリューコンベアをそれぞれ回転させる回転手段と、
前記回転ボウルの一方に設けられた、前記回転ボウル外から内に、液体中に微粒子が含まれる原液を供給する原液供給部と、
前記回転ボウルの他方に設けられた、前記回転ボウルの回転による遠心力により、前記回転ボウルの内周面に沈降し、前記スクリューコンベアにより移動された濃縮液を、前記回転ボウル内から外に排出する濃縮液排出部と、
前記回転ボウルの回転による遠心力により、清澄された分離液を、前記回転ボウル内から外に排出する分離液排出部とよりなり、
前記原液供給部は、原液を、前記回転ボウル内の内周面に近接した位置に投入する原液投入手段を有することを特徴とする遠心濃縮機。
【請求項2】
前記原液投入手段は、前記スクリューコンベアの胴体部の一端側外周面に設けた、外周面が、前記回転ボウルの内周面に近接した原液拡散円板であり、
該原液拡散円板により、原液が、前記原液拡散円板の外周面と前記回転ボウルの内周面との間を通じて、前記回転ボウル内の内周面に近接した位置に投入されることを特徴とする請求項1に記載の遠心濃縮機。
【請求項3】
前記濃縮液排出部は、前記スクリューコンベアの他端側の回転軸に形成された濃縮液排出孔と、該濃縮液排出孔の一端に連通し、前記回転ボウルの内周面に近接する位置まで延び、該内周面に沈降した濃縮液を、前記濃縮液排出孔に導入するスキミング部とよりなることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心濃縮機。
【請求項4】
回転自在に設けられた円筒状の回転ボウルと、
該回転ボウル内に設けられた、該回転ボウルの内周面に沈降した濃縮液を、軸方向に一方から他方に移動させる、先端部が前記回転ボウルの内周面に近接して設けられたスクリュー羽根を有するスクリューコンベアと、
前記回転ボウルと、前記スクリューコンベアをそれぞれ回転させる回転手段と、
前記回転ボウルの一方に設けられた、前記回転ボウル外から内に、液体中に微粒子が含まれる原液を供給する原液供給部と、
前記回転ボウルの他方に設けられた、前記回転ボウルの回転による遠心力により、前記回転ボウルの内周面に沈降し、前記スクリューコンベアにより移動された濃縮液を、前記回転ボウル内から外に排出する濃縮液排出部と、
前記回転ボウルの回転による遠心力により、清澄された分離液を、前記回転ボウル内から外に排出する分離液排出部とよりなり、
前記スクリューコンベアの回転軸は、該スクリューコンベアの胴体部の他端側にのみ形成され、該回転軸は、前記回転ボウルの他方の開口部を塞ぐ他方の側壁に形成された貫通孔を貫通して、外方に突出して、回転自在に片持ちで支持され、
前記原液供給部は、所望の圧力で原液を供給する原液供給手段に接続されると共に、原液を、前記回転ボウル内の内周面に近接した位置に投入する原液投入手段を有し、
前記濃縮液排出部は、濃縮液の排出量を調整する手段に接続された、前記スクリューコンベアの他端側の回転軸に形成された濃縮液排出孔と、前記回転ボウルの内周面に沈降した濃縮液を、前記濃縮液排出孔に導入するスキミング部とよりなり、
前記分離液排出部は、前記回転ボウルの他方の側壁に形成された貫通孔と前記回転軸との間の開口部と、該開口部に設けられた、該開口部の開口量を調整することにより回転ボウル内の圧力を調整する圧力調整手段とよりなることを特徴とする遠心濃縮機。
【請求項5】
回転自在に設けられた円筒状の回転ボウルと、
該回転ボウル内に設けられた、該回転ボウルの内周面に沈降した濃縮液を、軸方向に一方から他方に移動させる、先端部が前記回転ボウルの内周面に近接して設けられたスクリュー羽根を有するスクリューコンベアと、
前記回転ボウルと、前記スクリューコンベアをそれぞれ回転させる回転手段と、
前記回転ボウルの一方に設けられた、前記回転ボウル外から内に、液体中に微粒子が含まれる原液を供給する原液供給部と、
前記回転ボウルの他方に設けられた、前記回転ボウルの回転による遠心力により、前記回転ボウルの内周面に沈降し、前記スクリューコンベアにより移動された濃縮液を、前記回転ボウル内から外に排出する濃縮液排出部と、
前記回転ボウルの回転による遠心力により、清澄された分離液を、前記回転ボウル内から外に排出する分離液排出部とよりなり、
前記スクリューコンベアの回転軸は、該スクリューコンベアの胴体部の一端側と他端側にそれぞれ形成され、
前記一端側の一方の回転軸は、前記回転ボウルの一方の開口部を塞ぐ一方の側壁に形成された貫通孔を貫通し、外方に突出して、回転自在に支持され、
前記他端側の他方の回転軸は、前記回転ボウルの他方の開口部を塞ぐ他方の側壁に形成された貫通孔を貫通して、外方に突出して、回転自在に支持され、
前記一方の側壁に形成された貫通孔と前記一方の回転軸との間にシール部が設けられ、
前記他方の側壁に形成された貫通孔と前記他方の回転軸との間にシール部が設けられ、
前記原液供給部は、所望の圧力で原液を供給する原液供給手段に接続された、前記一方の回転軸に形成された原液供給孔と、該原液供給孔の他端に連通し、前記回転軸の外周面まで延び、前記回転ボウル内に連通した原液排出孔と、該原液排出孔からの原液を、前記回転ボウル内の内周面に近接した位置に投入する原液投入手段とよりなり、
前記濃縮液排出部は、前記他方の回転軸内に形成された分離液排出孔内に形成され、該分離液排出孔から突出して設けられた濃縮液排出管と、前記回転ボウルの内周面に沈降した濃縮液を、前記濃縮液排出管に導入するスキミング部とよりなり、
前記分離液排出部は、前記他方の回転軸に形成された分離液排出孔と、該分離液排出孔の一端に連通し、前記スクリューコンベアの胴体部の外周面まで延びる分離液導入孔と、前記分離液排出孔と前記濃縮液排出管との間の開口部に設けた、該開口部の開口量を調整することにより回転ボウル内の圧力を調整する圧力調整手段とよりなることを特徴とする遠心濃縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠心濃縮機であり、液体中に微粒子が含まれる原液の固液分離を行う濃縮機(分級機、分離機を含む)として使用できるスクリューデカンタ型の遠心濃縮機に関するものである。
【0002】
また、本発明は、粘度が低い濃縮液を排出するために、機内圧力による押し出し効果を利用するスキミング方式の密閉型であり、連続濃縮(分級、分離を含む)が可能な遠心濃縮機に関するものである。
【背景技術】
【0003】
スキミング方式のスクリューデカンタ型の遠心濃縮機は、軸周りに高速回転する円筒状の回転ボウルと、この回転ボウルの中に組み込まれた、該回転ボウルの内周面(内壁面)に堆積(沈降)した堆積物(濃縮液)を、軸方向に一方から他方に移動させるスクリューコンベアが差速をもって回転するように構成される。
【0004】
そして、原料供給部から前記回転ボウル内に、一方から供給された原液のうち、比重の大きい固形分(微粒子)は、回転ボウル内壁に分離し、沈降し濃縮され、また、液体分は清澄されて分離し、そして、沈降した濃縮液は、前記スクリューコンベアにより、前記回転ボウルの他方に送られて、該他方に形成された濃縮液排出部から排出され、また、清澄された分離液は、分離液排出部から排出されるようになる。
【0005】
(1.1.従来の遠心濃縮機(従来機)の説明)
【0006】
以下、従来の遠心濃縮機の構成の一例を説明する。
【0007】
図17は、従来のスキミング方式のスクリューデカンタ型の遠心濃縮機を示す。
【0008】
1は、円筒状の回転ボウルを示し、該回転ボウル1は、内周断面形状が円形状の円筒状本体1aと、一方及び他方の側壁1b、1cと、該各側壁1b、1cの軸心部に、それぞれ外方に突出して設けられた、回転ボウル1内部に連通した、軸方向に延びる貫通孔2a、3aが形成された支持軸2、3とよりなる。
【0009】
そして、前記支持軸2及び支持軸3は、それぞれ軸受7a、7bにより回転自在に支持して設けられ、例えば、前記支持軸2に固定されたプーリー2b等に連結されたモーター等の回転手段(図示せず)により、高速回転するように形成される。
【0010】
また、4は、前記回転ボウル1内に、同軸状に配設されたスクリューコンベアを示し、該スクリューコンベア4は、前記回転ボウル1内に設けられた円柱状の胴体部4aと、該胴体部4aの外周面に、一端から他端にわたって設けられた螺旋状のスクリュー羽根4bと、前記胴体部4aの一方の側面の軸心部に、外方に突出して設けられた一方の回転軸5と、前記胴体部4aの他方の側面の軸心部に、外方に突出して設けられた他方の回転軸6とよりなり、該スクリュー羽根4bの先端部分は、前記回転ボウル1の内周面に近接するように形成される。
【0011】
また、前記胴体部4aの一方の回転軸5及び他方の回転軸6は、それぞれ前記一方及び他方の支持軸2、3の貫通孔2a、3aを貫通して、外方に延び、軸受7c、7dにより回転自在に支持されて設けられ、例えば、前記回転軸5に固定されたプーリー5a等に連結されたモーター等の回転手段(図示せず)により、回転するように形成され、前記胴体部4aが回転するようになる。
【0012】
また、後述するスキミング管から濃縮液が排出されるために原液供給圧力が利用されており、この圧力を機内(回転ボウル内)で保持するために、前記回転ボウル1と前記スクリューコンベア4との間にはオイルシール15等のシール部が設けられている、
【0013】
また、前記遠心濃縮機には、例えば、一端側に、外部から前記回転ボウル1内に、原液を供給する原液供給部が設けられる。
【0014】
原液供給部は、例えば、前記一方の回転軸5の一端から、前記胴体部4aの一端部まで軸方向に延びる原液供給孔8と、該原液供給孔8の他端に連通し、前記胴体部4aの外周面まで、半径方向に延び前記回転ボウル1内に連通した、一箇所又は複数個所の原液排出孔9とよりなる。
【0015】
そして、前記原液供給孔8の一端は、所望の圧力で原液を供給する原液供給手段、例えば、原液定量供給ポンプ(図示せず)に接続された原液供給管(図示せず)に、回転継手(図示せず)等を介して接続され、前記原液供給管から供給された原液は、原液供給孔8、原液排出孔9を通じて、前記胴体部4aの外周面から前記回転ボウル1内に排出されるようになる。
【0016】
また、遠心濃縮機には、例えば、他端側に、前記回転ボウル1内の清澄された分離液を外部に排出する分離液排出部と、濃縮された濃縮液を外部に排出する濃縮液排出部とが設けられる。
【0017】
また、分離液排出部は、例えば、前記他方の回転軸6の他端から、前記胴体部4aの他端部まで軸方向に延びる分離液排出孔10と、該分離液排出孔10の一端に連通し、前記胴体部4aの外周面まで、半径方向に延びる、一箇所又は複数個所の分離液導入孔11とよりなる。
【0018】
そして、前記回転ボウル1内の分離液が、前記胴体部4aの外周面から、前記分離液導入孔11内に導入され、前記分離液排出孔10を通じて、該孔10の他端開口10aから前記回転ボウル1外に排出されるようになる。
【0019】
また、濃縮液排出部は、例えば、前記分離液排出孔10内に同軸に設けられた濃縮液排出管12と、前記回転ボウル1の内周面に沈降した濃縮液を、前記濃縮液排出管12に導入するスキミング部とよりなり、該スキミング部は、例えば、該濃縮液排出管12の一端に連通されたスキミング管13とよりなり、該スキミング管13は、半径方向に延び、前記回転軸6を貫通して、先端開口が、前記回転ボウル1の内周面に近接するよう形成される。
【0020】
そして、前記回転ボウル1の内周面に沈降した濃縮液が、前記スキミング管13内に導入され、前記濃縮液排出管12を通じて、該管12の他端開口12aから、前記回転ボウル1外に排出されるようになる。
【0021】
なお、前記濃縮液排出管12の他端開口12aには、濃縮液濃度調整装置14が設けられ、該装置14により、例えば、排出された濃縮液の粘度を連続的に測定し、電動でバルブを進退させて、前記他端開口の開口量を変更し、濃縮液の濃度を調整するようにする。
【0022】
なお、前記分離液排出部は、例えば、胴体部4aの他方側に設ける代わりに、一方側に設けるようにしてもよい。
【0023】
(1.2.従来の遠心濃縮機の作用の説明)
【0024】
次に、前記従来の遠心濃縮機の使用方法について説明する。
【0025】
まず、前記回転ボウル1を高速回転させると共に、前記スクリューコンベア4を、前記回転ボウル1に対して所望の速度差で回転させる。
【0026】
そして、前記原液供給手段からの原液が、前記原液供給部を通じて、前記回転ボウル1内に供給されるようになる。即ち、定量ポンプもしくは定量制御により、原液が前記原液供給管から前記原液供給孔8に供給され、前記原液排出孔9を通じて、前記胴体部4aの外周面から、前記回転ボウル1内に供給されるようになる。
【0027】
そして、前記回転ボウル1内に供給された原液は、回転ボウル1の遠心力により、固形分の多い濃縮液と、清澄化した分離液とに分離される。
【0028】
そして、該濃縮液は、前記スクリュー羽根4bにより、前記回転ボウル1の内周面に沿って他方の側にかき寄せられながら移動し、機内圧力を利用して、前記スキミング管13に導入され、濃縮液排出管12を通じて、前記回転ボウル1外に排出されるようになる。
【0029】
なお、前記排出された濃縮液の濃度は、前記濃縮液濃度調整装置14により、調整されるようになる。
【0030】
また、分離液は、前記胴体部4aの外周面から、前記分離液導入孔11、分離液排出孔10を通じて、前記回転ボウル1外部に排出されるようになる。
【0031】
例えば、スキミング方式のスクリューデカンタ型の遠心濃縮機としては、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】実開昭62-79556号公開公報第1図
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
しかしながら、前記従来の遠心濃縮機は、原液供給位置と分離液の排出位置とが同じレベル位置(軸からの等距離の位置)のスクリューコンベア胴体部表面と同じ位置にあり、分離液へ原液の粒子が巻き込まれ易く、また、この位置が遠心効果が一番低く、分離円周面積も小さいところであることから分離性能の低下が起きていた。
【0034】
即ち、沈降域において原液を一番遠心力が低いスクリューコンベア胴体部表面から投入しており、回転ボウル内周面までの沈降距離が大きく、また、分離液排出口も原液投入口と同じスクリューコンベア胴体部表面に位置するために、原液の巻き込みが起こりやすく、固液分離の効率低下に繋がっている。
【0035】
また、機内(回転ボウル内)の圧力を保持するために、前記回転ボウル1と前記スクリューコンベア4との間にはオイルシールなどのシール部が設けられているが、該オイルシールは、定期的に交換する必要があり、また、突発的なトラブルが生ずる場合があった。
【0036】
本発明は、従来と同様のスキミング方式を採用しているが、沈降距離が最小で最大の遠心効果と最大の分離円周面積を持つ、回転ボウルの内周面に近接したスクリュー羽根先端部のレベル位置から原液を供給することとにより分離性能の向上を期待するものである。
【0037】
また、シール部を無くし、トラブルを少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0038】
前記の目的を達成すべく、本発明の遠心濃縮機は、回転自在に設けられた円筒状の回転ボウルと、該回転ボウル内に設けられた、該回転ボウルの内周面に沈降した濃縮液を、軸方向に一方から他方に移動させる、先端部が前記回転ボウルの内周面に近接して設けられたスクリュー羽根を有するスクリューコンベアと、前記回転ボウルと、前記スクリューコンベアをそれぞれ回転させる回転手段と、前記回転ボウルの一方に設けられた、前記回転ボウル外から内に、液体中に微粒子が含まれる原液を供給する原液供給部と、前記回転ボウルの他方に設けられた、前記回転ボウルの回転による遠心力により、前記回転ボウルの内周面に沈降し、前記スクリューコンベアにより移動された濃縮液を、前記回転ボウル内から外に排出する濃縮液排出部と、前記回転ボウルの回転による遠心力により、清澄された分離液を、前記回転ボウル内から外に排出する分離液排出部とよりなり、前記原液供給部は、原液を、前記回転ボウル内の内周面に近接した位置に投入する原液投入手段を有することを特徴とする。
【0039】
また、前記原液投入手段は、前記スクリューコンベアの胴体部の一端側外周面に設けた、外周面が、前記回転ボウルの内周面に近接した原液拡散円板であり、該原液拡散円板により、原液が、前記原液拡散円板の外周面と前記回転ボウルの内周面との間を通じて、前記回転ボウル内の内周面に近接した位置に投入されることを特徴とする。
【0040】
また、前記濃縮液排出部は、前記スクリューコンベアの他端側の回転軸に形成された濃縮液排出孔と、該濃縮液排出孔の一端に連通し、前記回転ボウルの内周面に近接する位置まで延び、該内周面に沈降した濃縮液を、前記濃縮液排出孔に導入するスキミング部とよりなることを特徴とする。
【0041】
また、本発明の片持ち型の遠心濃縮機は、回転自在に設けられた円筒状の回転ボウルと、該回転ボウル内に設けられた、該回転ボウルの内周面に沈降した濃縮液を、軸方向に一方から他方に移動させる、先端部が前記回転ボウルの内周面に近接して設けられたスクリュー羽根を有するスクリューコンベアと、前記回転ボウルと、前記スクリューコンベアをそれぞれ回転させる回転手段と、前記回転ボウルの一方に設けられた、前記回転ボウル外から内に、液体中に微粒子が含まれる原液を供給する原液供給部と、前記回転ボウルの他方に設けられた、前記回転ボウルの回転による遠心力により、前記回転ボウルの内周面に沈降し、前記スクリューコンベアにより移動された濃縮液を、前記回転ボウル内から外に排出する濃縮液排出部と、前記回転ボウルの回転による遠心力により、清澄された分離液を、前記回転ボウル内から外に排出する分離液排出部とよりなり、前記スクリューコンベアの回転軸は、該スクリューコンベアの胴体部の他端側にのみ形成され、該回転軸は、前記回転ボウルの他方の開口部を塞ぐ他方の側壁に形成された貫通孔を貫通して、外方に突出して、回転自在に片持ちで支持され、前記原液供給部は、所望の圧力で原液を供給する原液供給手段に接続されると共に、原液を、前記回転ボウル内の内周面に近接した位置に投入する原液投入手段を有し、前記濃縮液排出部は、濃縮液の排出量を調整する手段に接続された、前記スクリューコンベアの他端側の回転軸に形成された濃縮液排出孔と、前記回転ボウルの内周面に沈降した濃縮液を、前記濃縮液排出孔に導入するスキミング部とよりなり、前記分離液排出部は、前記回転ボウルの他方の側壁に形成された貫通孔と前記回転軸との間の開口部と、該開口部に設けられた、該開口部の開口量を調整することにより回転ボウル内の圧力を調整する圧力調整手段とよりなることを特徴とする。
【0042】
また、本発明の両持ち型の遠心濃縮機は、回転自在に設けられた円筒状の回転ボウルと、該回転ボウル内に設けられた、該回転ボウルの内周面に沈降した濃縮液を、軸方向に一方から他方に移動させる、先端部が前記回転ボウルの内周面に近接して設けられたスクリュー羽根を有するスクリューコンベアと、前記回転ボウルと、前記スクリューコンベアをそれぞれ回転させる回転手段と、前記回転ボウルの一方に設けられた、前記回転ボウル外から内に、液体中に微粒子が含まれる原液を供給する原液供給部と、前記回転ボウルの他方に設けられた、前記回転ボウルの回転による遠心力により、前記回転ボウルの内周面に沈降し、前記スクリューコンベアにより移動された濃縮液を、前記回転ボウル内から外に排出する濃縮液排出部と、前記回転ボウルの回転による遠心力により、清澄された分離液を、前記回転ボウル内から外に排出する分離液排出部とよりなり、前記スクリューコンベアの回転軸は、該スクリューコンベアの胴体部の一端側と他端側にそれぞれ形成され、前記一端側の一方の回転軸は、前記回転ボウルの一方の開口部を塞ぐ一方の側壁に形成された貫通孔を貫通し、外方に突出して、回転自在に支持され、前記他端側の他方の回転軸は、前記回転ボウルの他方の開口部を塞ぐ他方の側壁に形成された貫通孔を貫通して、外方に突出して、回転自在に支持され、前記一方の側壁に形成された貫通孔と前記一方の回転軸との間にシール部が設けられ、前記他方の側壁に形成された貫通孔と前記他方の回転軸との間にシール部が設けられ、前記原液供給部は、所望の圧力で原液を供給する原液供給手段に接続された、前記一方の回転軸に形成された原液供給孔と、該原液供給孔の他端に連通し、前記回転軸の外周面まで延び、前記回転ボウル内に連通した原液排出孔と、該原液排出孔からの原液を、前記回転ボウル内の内周面に近接した位置に投入する原液投入手段とよりなり、前記濃縮液排出部は、前記他方の回転軸内に形成された分離液排出孔内に形成され、該分離液排出孔から突出して設けられた濃縮液排出管と、前記回転ボウルの内周面に沈降した濃縮液を、前記濃縮液排出管に導入するスキミング部とよりなり、前記分離液排出部は、前記他方の回転軸に形成された分離液排出孔と、該分離液排出孔の一端に連通し、前記スクリューコンベアの胴体部の外周面まで延びる分離液導入孔と、前記分離液排出孔と前記濃縮液排出管との間の開口部に設けた、該開口部の開口量を調整することにより回転ボウル内の圧力を調整する圧力調整手段とよりなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、沈降距離が最小で最大の遠心効果と最大の分離円周面積を持つ、回転ボウルの内周面に近接したスクリュー羽根先端部のレベル位置から原液を供給することとにより分離性能の向上が期待することができる。
【0044】
また、シール部を無くし、トラブルを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の遠心濃縮機(片持ち型)の縦断側面図である。
図2図1のA-A線横断面図である。
図3】本発明の遠心濃縮機の濃縮液濃度調整装置の説明図である。
図4】本発明の遠心濃縮機の分離液制御弁の説明図である。
図5】本発明の遠心濃縮機(両持ち型)の縦断側面図である。
図6図5のB-B線横断面図である。
図7】本発明の遠心濃縮機の沈降状態模式図である。
図8】本発明の遠心濃縮機の液の流れを示す図である。
図9】本発明の遠心濃縮機における、遠心力と抗力のバランスから求められる分級粒子径の関係を示す図である。
図10】本発明の遠心濃縮機における、沈降状態を示す図である。
図11】本発明の遠心濃縮機の寸法を示す図である。
図12】本発明及び従来の遠心濃縮機のシミュレーションにおける寸法、記号、単位を示す図である。
図13】従来の遠心濃縮機の沈降状態模式図である。
図14】従来の遠心濃縮機の液の流れを示す図である。
図15】従来の遠心濃縮機における、沈降状態を示す図である。
図16】従来の遠心濃縮機の寸法を示す図である。
図17】従来の遠心濃縮機の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明を実施するための形態の実施例を以下に示す。
【実施例0047】
(2.1.本発明の遠心濃縮機の説明)(片持ち構造型)
【0048】
本発明の実施例1を図1図4によって説明する。
【0049】
なお、本発明の実施例1の遠心濃縮機は、スクリューコンベアが片持ち構造であり、オイルシール等のシール部を用いない実施例であり、構造が簡単であり、小型機への適用が考えられる。
【0050】
本発明のスキミング方式のスクリューデカンタ型の遠心濃縮機は、図1及び図2に示すように、軸周りに高速回転する円筒状の回転ボウル16と、この回転ボウル16内に同軸状に設けられた、該回転ボウル16の内周面(内壁面)に堆積(沈降)した堆積物(濃縮液)を軸方向に一方から他方に移動させるスクリューコンベア17と、原液供給部と、濃縮液排出部と、分離液排出部とよりなり、前記原液供給部により、原液を、前記回転ボウル16の内周面に近接した位置(スクリューコンベアの羽根先端部付近のレベル位置)から供給するようにする。
【0051】
即ち、本発明は、従来の遠心濃縮機と基本的な構造は変わらないが、後述する表1の分級粒子径が前記回転ボウル16の内周面に近づく位置ほど小さくなることから分かるように、前記回転ボウル16の内周面に近づく位置から原液を投入するほど、分級精度が良くなることから、原液投入位置を、前記回転ボウル16の内周面に近接した位置とするようにする。
【0052】
なお、該前記回転ボウル16の内周面に近接した位置から供給とは、例えば、スクリューコンベアの中心からスクリュー羽根先端までの半径を100%として、それに対し、例えば、前記スクリューコンベアの中心から半径80%のレベル位置以上の高い(回転ボウルの内周面側の)位置から供給することを意味するが、前記スクリューコンベアの中心から半径90%のレベル位置以上の高い位置、好ましくは、半径95%のレベル位置以上の高い位置、更に好ましくは、羽根先端(100%)のレベル位置以上の高い位置から供給することにより分級精度が良くなる。
【0053】
例えば、前記スクリューコンベアにおいて、スクリューコンベアの中心からスクリュー羽根先端までの半径が0.17mの場合、スクリューコンベアの中心から半径80%のレベル位置とは、0.136mの位置を示し、また、半径90%のレベル位置とは、0.153mの位置を示し、また、半径95%のレベル位置とは、0.1615mの位置を示し、また、羽根先端のレベル位置とは、0.17mを意味する。
【0054】
なお、前記回転ボウル内周面から原液を供給するようにしてもよい。
【0055】
以下、本発明の構成の一例を具体的に説明する。
【0056】
前記回転ボウル16は、例えば、内周断面形状が円形状の円筒状本体16aと、該円筒状本体16aの一方及び他方の開口部を塞ぐ、一方及び他方の側壁16b、16cと、該一方の側壁16bの軸心部に、外方に突出して設けられた支持軸18と、前記他方の側壁16cの軸心部に形成された貫通孔19とにより形成される。
【0057】
そして、前記支持軸18は、軸受20により回転自在に支持されて設けられ、例えば、前記支持軸18に固定されたプーリー21等に連結されたモーター等の回転手段(図示せず)により、高速回転するように形成される。
【0058】
なお、前記回転ボウル16は、前記支持軸18のみを支持して片持ちで支持する以外に、前記回転ボウル16の他端側も支持して、両持ちで支持するようにしてもよい。
【0059】
また、前記スクリューコンベア17は、前記回転ボウル16内に設けられた円柱状の胴体部17aと、該胴体部17aの外周面に、一端から他端にわたって設けられた、先端部が前記回転ボウル16の内周面に近接した螺旋状のスクリュー羽根17bと、前記胴体部17aの他方の側面の軸心部に、外方に突出して形成された回転軸22とよりなる。
【0060】
そして、前記胴体部17aの回転軸22は、前記回転ボウル16の貫通孔19を貫通して、外方に延び、軸受23により回転自在に支持されて設けられ、例えば、前記回転軸22に固定されたプーリー24等に連結されたモーター等の回転手段(図示せず)により、回転するように形成され、前記胴体部17aが、片持ちで支持されて、前記回転ボウル16に対して所望の速度差をもって回転するようになる。
【0061】
また、前記原液供給部は、例えば、前記支持軸18の一端から、該回転ボウル16の一方の側壁を貫通して軸方向に延び、前記回転ボウル16内に連通した貫通孔18aと、該貫通孔18aからの原液を、該回転ボウル16の内周面に近接する位置(スクリュー羽根17bの先端部分のレベル位置付近)に投入するように形成した原液投入手段とよりなる。
【0062】
そして、該原液投入手段は、例えば、前記スクリューコンベア17の胴体部17aの一端側外周面に同軸に設けた、外周面が、前記回転ボウル16の内周面に近接する円板状の原液拡散円板25とよりなる。
【0063】
そして、前記貫通孔18aの一端は、所望の圧力で原液を供給する原液供給手段、例えば、原液定量供給ポンプ26に接続された原液供給管27に、回転継手(ロータリージョイント)28等の軸封手段を介して接続され、前記原液供給管27から供給された原液は、前記貫通孔18aを通り、そして、前記原液拡散円板25により、該原液が、前記回転ボウル16の側壁と前記原液拡散円板25の側面と間を移動して、前記回転ボウル16の内周面と前記原液拡散円板25との間の投入開口部から、前記スクリュー羽根17b先端部分付近のレベル位置に供給されるようになる。
【0064】
なお、前記原液拡散円板25の外周面には、一箇所、又は、円周方向に所望の距離離間して、複数個所に撹拌羽根29を設け、供給された原液が、前記回転ボウル16の内周面に付着するのを防ぐようにしてもよい。
【0065】
なお、前記原液投入手段として、原液拡散円板を用いる代わりに、前記貫通孔18aからの原液を、パイプ等の手段を用いて、前記回転ボウル16の内周面に近接する位置に投入できるようにし、または、前記貫通孔18aの他端を、前記回転ボウル16の一方の側壁16bを貫通させる代わりに、該一方の側壁16b内を外周方向に延ばし、更に、前記回転ボウル16の筒状本体部16aの一端部まで延ばして、前記筒状ボウル16内に貫通するようにして、該筒状本体部16aの内周面の一端側から、前記回転ボウル16内に原液を投入できるようにしてもよい。
【0066】
また、原液供給部として、例えば、前記回転ボウルの筒状本体部16aの外周壁の一端側に、貫通孔を設け、該貫通孔を通じて、前記回転ボウル16内に原液を投入するようにしてもよい。
【0067】
また、前記濃縮液排出部は、例えば、前記回転軸22の他端から、前記胴体部17aの他端部まで軸方向に延びる濃縮液排出孔30と、前記回転ボウル16の内周面に沈降した濃縮液を、前記濃縮液排出孔30内に導入するスキミング部とよりなり、該スキミング部は、例えば、前記胴体部17aの他端側外周面に、同軸に設けた、外周面が、前記回転ボウル16の内周面に近接するよう形成された円板体31と、該円板体31に設けた、前記濃縮液排出孔30の一端に連通し、外周面まで半径方向に延びて開口する、一箇所又は、複数個所のスキミング孔32とよりなる。
【0068】
そして、前記回転ボウル16の内周面に沈降した濃縮液は、前記円板体31の外周面から、前記スキミング孔32に導入され、そして、前記濃縮液排出孔30を通じて、該濃縮液排出孔30の他端に、回転継手33(ロータリージョイント、メカニカルシール)等を介して、接続された、濃縮液の排出量を調整する濃縮液定量排出ポンプ34により、前記回転ボウル16外に排出されるようになる。
【0069】
なお、前記濃縮液定量排出ポンプ34は、排出される濃縮液の粘度を検知し、ポンプ流量を調整することにより、濃縮液の濃度を制御できるようになる。
【0070】
なお、前記回転継手33及び、ポンプ34を用いる代わりに、図3に示すように、前記濃縮液排出孔30の他端開口に、排出される濃縮液の粘度などを検知し、電動で、該開口の開口量を変更し、濃縮液の濃度を制御できる濃縮液濃度調整装置35を設けてもよい。
【0071】
該濃縮液濃度調整装置35は、例えば、図3に示すように、ステッピングモータ部36と、該ステッピングモータ36の回転軸37に形成されたネジ部38に螺合された、前後方向に移動可能であるが、前記ステッピングモータ部36に対して、軸方向の回転が規制された本体部39と、該本体部39の先端に設けた、円錐形状の弁体40とよりなる。そして、制御部により制御されたステッピングモータ部36の回転軸37が回転することにより、前記本体部39が前後に移動し、前記弁体40の先端が、前記濃縮液排出孔30の他端開口の開口量を変化させ、濃縮液の排出量が変化し、該濃縮液の濃度が変化するようにある。
【0072】
また、前記分離液排出部は、例えば、前記回転ボウル16の他方の側壁16cに形成した貫通孔19と前記回転軸22との間の開口部と、該開口部に設けた、該開口部の開口量を制御し、前記スキミング部から濃縮液の排出を可能とする機内圧力を保持するための分離液制御弁41などの回転ボウル内圧力調整手段とよりなる。
【0073】
該分離液制御弁41は、例えば、図4に示すように、円錐体42と、該円錐体42の軸中心に形成された、前記回転軸22を前後方向に移動自在に貫通する貫通孔43と、該円錐体42の他端面42aと、所望の距離離間して、前記回転軸22の外周面に設けた鍔部44と、前記円錐体42の他端面42aと、前記鍔部44との間において、前記回転軸22に挿入されたコイルバネ45などのバネ手段とよりなる。
【0074】
そして、分離液の排出圧力で、前後方向に変位して、前記開口部19と前記回転軸22との間の開口部の開口量が変化し、分離液の排出量により機内圧力が定まるため、所望の機内圧力となるバネ力を有するバネを設けるようにする。
【0075】
そして、胴体部表面付近の分離液は、前記貫通孔47を通じて、前記貫通孔19と前記回転軸22との間の開口部から排出され、前記分離液制御弁41により、前記スキミング部から濃縮液の排出を可能とする機内圧力が維持されるようになる。
【0076】
なお、前記分離液制御弁41としては、例えば、回転ボウル内圧力を検知し、電動でバルブ開度を調整する装置など、他の方法により、開口部の解放量を調整し、機内圧力を所定値に制御するようにしてもよい。
【0077】
なお、前記回転ボウル16の他方の側壁16cの外面に、前記貫通孔19及び前記分離液制御弁41を覆う分離液排出室46を設け、前記貫通孔19から排出された分離液を貯め、例えば、側分離液排出室46の底部に形成した排出口46aから排出するようにしてもよい。
【0078】
また、前記円板体31には、前記胴体部17aの外周面のレベル位置に、一箇所、又は、複数個所、軸方向に分離液通過用の貫通孔47を設け、前記回転ボウル16内の分離液が、該貫通孔47を通じて、スムーズに、前記貫通孔19から、前記回転ボウル16外に排出されるようにする。なお、該貫通孔47は、前記スキミング孔32に干渉しない位置に設けられる。
【0079】
また、前記円板体31の外周面のスキミング部開口部付近に、一箇所、又は、円周方向に所望の距離離間して、複数個所に撹拌羽根48を設け、濃縮液を流動化し円滑に排出するようにしてもよい。
【0080】
(2.2.本発明の作用の説明)
【0081】
次に、本発明の遠心濃縮機の使用方法について説明する。
【0082】
本発明の遠心濃縮機においては、回転ボウル16を高速回転させると共に、スクリューコンベア17を、前記回転ボウル16に対して所望の速度差で回転させる。
【0083】
そして、原液が、定量供給ポンプ26もしくは定量制御により加圧供給されて、原液供給管27、軸封手段の回転継手(ロータリージョイント、メカニカルシール等)28、前記支持軸18に形成された貫通孔18aを通り、そして、該原液が、前記回転ボウル16の側壁と前記原液拡散円板25の側面と間を移動して、前記原液拡散円板25を超えて、均一な流速で、高遠心場の分離域に投入されるようになる。
【0084】
この際、原液供給位置と濃縮液が沈積する回転ボウル内周面付近までの沈降距離がほぼ無いことから効率的に分離液と濃縮液の分離が行えるようになる。
【0085】
なお、原液拡散円板の外周先端に設けられた撹拌羽根29により、回転ボウル16内周面への固形物の沈積が防止される。
【0086】
そして、分離液は前記スクリューコンベア17の胴体部17aとスクリュー羽根17bの先端部の間を旋回し上昇しながら清澄化し、前記回転ボウル16の他端側に移動し、前記円板体31に形成された貫通孔47、前記回転ボウル16の他方の側壁16cに形成した貫通孔19を経由して、前記分離液制御弁41で機内圧力が調整されて回転ボウル16外の分離液排出室46に排出され、排出口46aから、外部に排出されるようになる。
【0087】
また、濃縮液は、前記回転ボウル16の内周面近傍に到達し、分級粒子径以上の粒子は沈積しケーキ状態となり、前記回転ボウル16に対して所望の回転差を持って回転するスクリューコンベア17のスクリュー羽根17bにより濃縮液排出側に移動しながら濃縮が進み、前記分離液制御弁41の調整で発生する機内圧力により、前記スキミング孔32内に導入され、前記濃縮液排出孔30を経由し、前記濃縮液濃度調整装置35、又は、回転継手(ロータリージョイント、メカニカルシール等)33を介した定量排出ポンプ34により流量調整されて、所定の濃度に制御されながら機外に排出されるようなる。
【0088】
なお、前記円板体31の外周面のスキミング部の開口付近に設けられた撹拌羽根48により、濃縮液が流動化し、排出を円滑化するようになる。
【0089】
本発明によれば、装置は密閉型で、濃縮液の排出量を制御でき、連続運転を可能とし、原液を、遠心効果が最大の位置にある回転ボウル内周面に近接した位置から均一に供給できることで、供給液の乱れが少なく、沈降距離が最小であることから分離性能が非常に良く濃縮と分離が進むようになる。
【0090】
また、本発明によれば、前記回転ボウルと前記スクリューコンベア間にシール部を無くしたため、トラブルのない遠心濃縮機を提供できるようになる。
【0091】
また、湿式で高精密なサブミクロンまでの分級を実現できるようになる。
【実施例0092】
(3.1.本発明の他の遠心濃縮機の説明)(両持ち構造型)
【0093】
本発明の実施例2を図5及び図6によって説明する。
【0094】
なお、本発明の実施例2の遠心濃縮機は、スクリューコンベアが両持ち構造であり、オイルシール等のシール部を用いた実施例である。なお、実施例1と同じ構成の部分には、同じ符号を付け、説明を省略する。
【0095】
本発明の第2の実施例の遠心濃縮機は、図5及び図6に示すように、軸周りに、高速回転する円筒状の回転ボウル49と、この回転ボウル49内に同軸状に設けられた、該回転ボウル49の内周面(内壁面)に堆積(沈降)した堆積物(濃縮液)を軸方向に一方から他方に移動させるスクリューコンベア50と、原液供給部と、濃縮液排出部と、分離液排出部とよりなり、前記原液供給部により、原液を、前記回転ボウル49の内周面に近接した位置(スクリューコンベアの羽根先端部付近のレベル位置)から供給するようにする。
【0096】
なお、前記実施例1が片持ち構造であるのに対し、本発明の実施例2は、両持ち構造であり、基本的な構成は実施例1と同じである。
【0097】
以下、本発明の実施例2の構成を具体的に説明する。
【0098】
回転ボウル49は、例えば、内周断面形状が円形状の円筒状本体49aと、該円筒状本体49aの一方及び他方の開口部を塞ぐ、一方及び他方の側壁49b、49cと、該各側壁の軸心部に、それぞれ外方に突出して設けられた、回転ボウル49内部に連通した、軸方向に延びる貫通孔51a、52aが形成された支持軸51、52とよりなり、該支持軸51及び支持軸52は、軸受53a、53bにより回転自在に支持して設けられ、例えば、前記支持軸51に固定されたプーリー54等に連結されたモーター等の回転手段(図示せず)により、高速回転するように形成される。
【0099】
また、前記スクリューコンベア50は、前記回転ボウル49内に設けられた円柱状の胴体部50aと、該胴体部50aの外周面に、一端から他端にわたって設けられた、先端部が前記回転ボウル49の内周面(内周壁)に近接した螺旋状のスクリュー羽根50bと、前記胴体部50aの一方の側面の軸心部に、外方に突出して設けられた一方の回転軸55と、前記胴体部50aの他方の側面の軸心部に、外方に突出して設けられた他方の回転軸56とよりなり、前記スクリュー羽根50bの先端部分は、前記回転ボウル49の内周面(内周壁)に近接するよう形成される。
【0100】
また、前記胴体部50aの一方の回転軸55及び他方の回転軸56は、それぞれ前記一方及び他方の支持軸51、52の貫通孔51a、52aを貫通して、外方に延び、軸受53c、53dにより回転自在に支持されて設けられ、例えば、前記回転軸55に固定されたプーリー57等に連結されたモーター等の回転手段(図示せず)により、回転するように形成され、前記胴体部50aが回転するようになる。
【0101】
また、前記回転ボウル49と前記スクリューコンベア50との間には円環状のオイルシール58などのシール部が設けられている。
【0102】
また、前記原液供給部は、例えば、前記一方の回転軸55の一端から、該回転軸55の基部まで軸方向に延びる原液供給孔59と、該原液供給孔59の他端に連通し、前記回転軸55の外周面まで、半径方向に延び前記回転ボウル49内に連通した、一箇所、又は、複数個所の原液排出孔60と、該原液排出孔60からの原液を、該回転ボウル49の内周面に近接する位置(スクリュー羽根50bの先端部分の位置)に投入するようにする原液投入手段とよりなり、例えば、前記スクリューコンベア50の胴体部50aの一端側外周面に同軸に設けた、外周面が、前記回転ボウル49の内周面に近接する円板状の原液拡散円板25とよりなる。
【0103】
また、前記原液拡散円板25の外周面には、撹拌羽根29が設けられる。
【0104】
そして、前記原液供給孔59の一端は、原液供給手段、例えば、原液定量供給ポンプ26に接続された原液供給管27に、回転継手(ロータリージョイント、メカニカルシール)28等の軸封手段を介して接続され、前記原液供給管27から供給された原液は、前記原液供給孔59を通り、そして、前記原液拡散円板25により、該原液が、前記回転ボウル49の側壁と前記原液拡散円板25の側面と間を移動して、前記回転ボウル49の内周面と前記原液拡散円板25との間の投入開口部から、前記スクリュー羽根50b先端部分付近のレベル位置に供給されるようになる。
【0105】
また、前記濃縮液排出部は、例えば、前記回転軸56の他端から前記胴体部50aの他端部まで軸方向に延びて形成された分離液排出孔61内に、同軸に形成され、前記分離液排出孔61の他端開口から外方に突出して設けられた濃縮液排出管62と、前記回転ボウル49の内周面付近の濃縮液を、前記濃縮液排出管62に導入するスキミング部とよりなり、該スキミング部は、例えば、前記胴体部50aの他端側外周面に、同軸に設けた、外周面が、前記回転ボウル49の内周面に近接するよう形成された円板体31と、該円板体31に設けた、前記濃縮液排出管62の一端に連通し、外周面まで半径方向に延びて開口する、一箇所、又は、複数個所のスキミング孔32とよりなる。
【0106】
なお、前記円板体31には、分離液排出用の貫通孔47が形成される。
【0107】
また、前記円板体31の外周面のスキミング部開口部付近に、一箇所、又は、円周方向に所望の距離離間して、複数個所に撹拌羽根48が設けられている。
【0108】
そして、前記回転ボウル49の内周面付近の濃縮液は、前記円板体31の外周面から、前記スキミング孔32に導入され、そして、前記濃縮液排出管62を通じて、該濃縮液排出管62の他端に、回転継手33(ロータリージョイント、メカニカルシール)等を介して、接続された濃縮液定量排出ポンプ34により、前記回転ボウル49外に排出されるようになる。
【0109】
なお、前記回転継手33及び、ポンプ34を用いる代わりに、濃縮液濃度調整装置35を設けてもよい。
【0110】
また、前記分離液排出部は、例えば、前記他方の回転軸56に形成された分離液排出孔61と、該分離液排出孔61の一端に連通し、前記胴体部50aの外周面まで、半径方向に延び、そして、前記孔47に連通するよう形成された一箇所、又は、複数個所の分離液導入孔63と、前記分離液排出孔61と前記濃縮液排出管62との間の開口部64に設けた、該開口部の開口量を制御し、前記スキミング部から濃縮液の排出を可能とする機内圧力を保持するための分離液制御弁41などからなる圧力調整手段とよりなる。
【0111】
なお、該圧力調整手段としては、例えば、実施例1と同様、バネや電動で、バルブ開閉を調整し、開口部の開口量を制御する方法がある。
【0112】
なお、前記回転ボウル49の他方の側壁49cの外面に、前記開口部及び前記分離液制御弁41を覆う、排出口46aを有する分離液排出室46を設けてもよい。
【0113】
そして、胴体部表面付近の分離液は、前記貫通孔47を通じて、分離液導入孔63、前記分離液排出孔61と前記濃縮液排出管62との間の開口部64から排出され、前記分離液制御弁41により、前記スキミング部から濃縮液の排出を可能とする機内圧力が維持されるようになる。
【0114】
(3.2.実施例2の作用の説明)
【0115】
実施例2も、実施例1と同様に動作され、原液を、遠心効果が最大の位置にある回転ボウル内周面に近接した位置から均一に供給できることで、供給液の乱れが少なく、沈降距離が最小であることから分離性能が非常に良く濃縮と分離が進むようになる。
【0116】
(4.本発明機と従来機との沈降状態模式図と理論式によるシミュレーション計算比較の説明)
【0117】
原液を、スクリュー羽根先端部分から投入する原液供給方式(本発明機)と、スクリューコンベア胴体部外周面から投入する原液供給方式(従来機)の性能の比較を行う。
【0118】
(4.1.本発明機の説明)
【0119】
(1)本発明機の原理の説明
【0120】
図7図10に示すように、原液投入されるスクリューコンベアの羽根先端部は遠心効果が最大で分離円周面積が最大となり、この位置で最小の分級粒子径が得られる。そして、この位置は沈降距離が最小で、瞬時に最小の分級粒子径以上の粒子は回転ボウル内周面に到達し濃縮液となる。
【0121】
最小の分級粒子径以下の粒子は分離液に伴い上昇(中心側に移動)し、スクリューコンベアの胴体部表面に位置する貫通孔47を経由し分離液排出孔61から機外に排出される。
【0122】
分離液量は原液量から濃縮液量を差し引いた値となり、この量における分離液上昇流線速度から、後述する各レベル位置(中心軸からの距離)における分級粒子径を算出した。
【0123】
外周から内周に向かう程、遠心効果が低下し、分離円周面積が小さくなることから分級粒子径は大きくなっていくが、既に、スクリューコンベア羽根先端部で最小となる分級粒子径以上の粒子は濃縮液側にほぼ捕捉され、分離液側への漏れは少ない。
【0124】
これがスクリュー羽根先端部から原液を投入するメリットである。
【0125】
(2)本発明機のシミュレーションの説明
【0126】
スクリュー羽根先端部 dt (直径)= 0.34mから200L/h で原液が供給され、回転ボウル内周面付近にすぐさま沈積した濃縮液は50L/hで機外に排出され、残りの150L/hの分離液はスクリュー羽根先端部 dt = 0.34mからスクリュー胴体部 dt = 0.17m 間に形成される分離域内を上昇し、分離液排出管から排出される(4倍濃縮)。
【0127】
上昇中の各X位置における分離液の上昇流線速度をストークス式(数1)に代入し、分級粒子径をシミュレーション計算し表1に示した。
【0128】
【数1】
【0129】
【表1】
【0130】
表1から直径d=0.34mにおいて分級粒子径が0.44ミクロンが読み取られる。0.44ミクロン以上の粒子は原液投入直後に濃縮液側に捕捉され、0.44ミクロンより小さい粒子が分離液側から排出される。
【0131】
なお、本発明機のシミュレーションにおける寸法、記号、単位を図11及び図12に示す。
【0132】
(4.2.従来機の説明)
【0133】
(1)従来機の原理の説明
【0134】
なお、原液供給位置以外は本発明機の条件と同じに設定して比較した。
【0135】
図13図15に示すように、原液は遠心効果が最小のスクリューコンベア胴体部から供給される。
【0136】
理論的にはスクリューコンベア胴体部表面における沈降粒子径以下の粒子は分離液として排出されることになるが、実際は原液供給口と分離液の排出口が同じスクリュー胴体部径のレベル位置にあり、原液と分離液が混じりやすく、分離液に沈降粒子径以上の粒子が巻き込まれ易く、回収率が悪くなる。
【0137】
スクリューコンベア胴体部表面における沈降粒子径以上の粒子はスクリュー胴体部外周面からスクリュー先端部までの間の長い沈降距離で沈降分離され、濃縮液として排出される。
【0138】
各沈降粒子径は原液量から分離液量を差し引いた濃縮液量から各レベル位置における下降流線速度を求め、後述するように、この値をストークス式(数2)に代入し求めた。
【0139】
【数2】
【0140】
(2)従来機のシミュレーションの説明
【0141】
濃縮操作において粒子が遠心効果の低いスクリューコンベア胴体部表面からスクリュー羽根先端まで沈降するので沈降距離が大きい。原液200L/h を投入し、分離液はスクリューコンベア胴体部に沿って分離液排出管から150L/hで排出され、濃縮液はスクリュー胴体部外周からボウル外周部内壁に向かって50L/hで沈降していく時の状況をシミュレーション計算し、表2に示した(4倍濃縮)。
【0142】
【表2】
【0143】
スクリューコンベア胴体部の原液投入位置db(直径)=0.17mにおける沈降粒子径は0.51ミクロンであった。スクリュー羽根先端部dt=0.34mに向かうに従い、沈降粒子径は小さくなり、最終的に0.25ミクロンとなった。原液投入位置db =0.17mで理論的には0.51ミクロンより小さい粒子が分離液に含まれるが、分離液排出口が原液供給位置と同一径にあることから、原液の一部が巻き込まれ易く、分離液中に粗粒分が混入し易い。
【0144】
なお、従来機のシミュレーションにおける寸法、記号、単位を図12及び図16に示す。なお、その他の寸法、記号、単位は、本発明機と同じである。
【0145】
(4.3.シミュレーション結果)(まとめ)
【0146】
(1)本発明機
【0147】
原液がスクリュー羽根先端部から供給され、分離液がスクリューコンベア胴体部から排出され、濃縮液は原液供給位置から排出される場合の半径方向の分級粒子径を求めた(表1)。
【0148】
原液供給位置は遠心効果、分離円周面積が最大で沈降距離が最小の場所にあるため、この位置で最小の分級粒子径が求められ、原液供給量に対し、濃縮液量を除く液量の分離液は遠心効果、分離円周面積が減少するスクリューコンベア胴体部方向に向い上昇するに従い、分級粒子径は大きくなっていくが、濃縮液として0.44ミクロン以上の粒子は瞬時にスクリューコンベア羽根先端部位置でほぼ捕捉されることから、分離液に0.44ミクロン以上の粒子の混入はほぼない。
【0149】
(2)従来機
【0150】
原液がスクリューコンベア胴体部から供給され、分離液が同じスクリューコンベア胴体部から排出され、濃縮液はスクリュー羽根先端部から排出される場合の半径方向の沈降粒子径を求めた(表2)。
【0151】
原液をスクリューコンベア胴体部から供給すると低遠心場で分離され、式2から0.51ミクロンが求められ、0.51ミクロン以上の粒子径の粒子は濃縮液になり、0.51ミクロンより小さい粒子は分離液として排出される。
【0152】
濃縮液量が分離液量に比較し少なく、濃縮液が下方に向かうに従い下降流線速度は小さくなり理論上濃縮液の沈降粒子径は小さくなっていくが、原液の投入位置がスクリューコンベア胴体部位置で分離液の排出レベルと同じ位置にあり、この位置は遠心効果が一番低く、分離円周面積が一番小さく、原液の流れの影響を受け易く、沈降粒子径以上の微粒子の沈降も阻害され易く、分離液に前記微粒子が巻込まれ易くなり、沈降距離の大きさも影響し回収率が低下し易い。0.51ミクロンより小さい粒子に加え、巻込みの影響から、それ以上の粒子も分離液側から排出されるようになる。
【符号の説明】
【0153】
1 回転ボウル
1a 円筒状本体
1b 側壁
1c 側壁
2 支持軸
2a 貫通孔
2b プーリー
3 支持軸
3a 貫通孔
4 スクリューコンベア
4a 胴体部
4b スクリュー羽根
5 一方の回転軸
5a プーリー
6 他方の回転軸
7a 軸受
7b 軸受
7c 軸受
7d 軸受
8 原液供給孔
9 原液排出孔
10 分離液排出孔
10a 他端開口
11 分離液導入孔
12 濃縮液排出管
12a 他端開口
13 スキミング管
14 濃縮液濃度調整装置
15 オイルシール
16 回転ボウル
16a 筒状本体部
16b 側壁
16c 側壁
17 スクリューコンベア
17a 胴体部
17b スクリュー羽根
18 支持軸
18a 貫通孔
19 貫通孔
20 軸受
21 プーリー
22 回転軸
23 軸受
24 プーリー
25 原液拡散円板
26 原液定量供給ポンプ
27 原液供給管
28 回転継手
29 撹拌羽根
30 濃縮液排出孔
31 円板体
32 スキミング孔
33 回転継手
34 濃縮液定量排出ポンプ
35 濃縮液濃度調整装置
36 ステッピングモータ部
37 回転軸
38 ネジ部
39 本体部
40 弁体
41 分離液制御弁
42 円錐体
42a 他端面
43 貫通孔
44 鍔部
45 バネ
46 分離液排出室
46a 排出口
47 貫通孔
48 撹拌羽根
49 回転ボウル
49a 筒状本体
49b 一方の側壁
49c 他方の側壁
50 スクリューコンベア
50a 胴体部
50b スクリュー羽根
51 支持軸
51a 貫通孔
52 支持軸
52a 貫通孔
53a 軸受
53b 軸受
53c 軸受
53d 軸受
54 プーリー
55 回転軸
56 回転軸
57 プーリー
58 オイルシール
59 原液供給孔
60 原液排出孔
61 分離液排出孔
62 濃縮液排出管
63 分離液導入孔
64 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17