(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055366
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/629 20060101AFI20230411BHJP
【FI】
H01R13/629
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164676
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】水谷 亮太
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB09
5E021FC38
5E021FC40
5E021HB02
5E021HB04
5E021HB05
5E021HB07
5E021KA08
(57)【要約】
【課題】HVILを備えるコネクタ装置の嵌合、離脱作業の安全性を高める。
【解決手段】コネクタ100は相手側コネクタ200との主端子の接続、離脱を行うレバー40とは別にインターロック端子60が取り付けられたインターロックハウジング50を備え、レバー40には第1ばね片48が形成されている。HVILの接続はレバー40を第1位置から第2位置に回転して主端子を接続した後、レバー40を第2位置から第3位置にスライドし、さらにインターロックハウジング50を開放位置から閉成位置に押し下げることによって行われる。第1ばね片48はレバー40が第3位置にあり、インターロックハウジング50が開放位置にあるとき、第1弾性復元力を生起し、第1弾性復元力に抗してレバー40を第3位置にスライドさせる外力が加えられない状態ではレバー40は第3位置から離れるため、インターロックハウジング50を押し下げることはできない。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングとレバーと主端子とインターロックハウジングとインターロック端子とを備えるコネクタと、相手側ハウジングと相手側主端子と相手側インターロック端子とを備える相手側コネクタとで構成されるコネクタ装置であって、
前記レバーと前記ハウジングの一方にガイド溝が形成され、他方にガイド軸が形成され、
前記レバーは、前記ガイド軸が前記ガイド溝に位置するように前記ハウジングに取り付けられることにより、前記ハウジングに対し、第1位置と第2位置の間で回転可能とされ、前記第2位置と第3位置の間でスライド可能とされており、
カム機構をなすカム溝と従動ボスの一方が前記レバーに形成され、他方が前記相手側ハウジングに形成され、
前記レバーが前記第1位置にある前記コネクタが前記相手側コネクタに対し嵌合準備位置にあるとき、前記レバーを前記第2位置まで回転させると、前記コネクタは前記カム機構により前記嵌合準備位置よりも前記相手側コネクタに近接した嵌合位置に引き寄せられて前記主端子と前記相手側主端子とが接続し、
前記インターロック端子は前記インターロックハウジングに取り付けられ、
前記インターロックハウジングには外方に突出する突部を先端に備えたばね片と突出片が形成されて、前記突部は押圧されると自然位置から退避位置に変位するものとされ、
前記インターロックハウジングは、開放位置と閉成位置の間でスライド可能に前記ハウジングに取り付けられ、但し、前記開放位置にある前記インターロックハウジングは、前記突部が前記自然位置にあるときは前記突部が前記ハウジングの突き当て面に突き当たることによって前記閉成位置へのスライドが阻止され、前記突部が前記退避位置にあるときは前記閉成位置へのスライドが可能であり、
前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあり、かつ前記インターロックハウジングが前記開放位置にあるとき、前記インターロック端子と前記相手側インターロック端子とは相互に解離し、
前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあり、かつ前記インターロックハウジングが前記閉成位置にあるとき、前記インターロック端子と前記相手側インターロック端子とは相互に接続し、
前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあり、かつ前記レバーが前記第2位置にあるとき、前記突部は前記自然位置にあり、
前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあり、かつ前記レバーが前記第3位置にあるとき、前記突部は前記レバーの押圧部に押圧されて前記退避位置に位置し、
前記レバーには第1ばね片が形成され、
前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあり、かつ前記レバーが前記第3位置にあり、さらに前記インターロックハウジングが前記開放位置にあるとき、前記第1ばね片は前記突出片に突き当たって前記レバーを前記第2位置に向かってスライドさせる第1弾性復元力を生起し、
前記第1弾性復元力に抗して前記レバーを前記第3位置にスライドさせる外力が加えられない状態では、前記レバーは前記第1弾性復元力によって前記第3位置から離れることで、前記突部は前記押圧部に押圧されず前記自然位置に位置することを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ装置において、
前記インターロックハウジングが前記閉成位置にあるとき、前記突出片は前記第1ばね片の突き当てから外れると共に前記レバーに設けられている干渉部に干渉して前記第2位置への前記レバーのスライドが阻止されていることを特徴とするコネクタ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコネクタ装置において、
前記レバーには第2ばね片が形成され、前記相手側ハウジングには突出部が形成され、
前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあり、かつ前記レバーが前記第2位置にあるとき、前記第2ばね片は前記突出部に突き当たって前記レバーを前記第1位置に向かって回転させる第2弾性復元力を生起し、
前記第2弾性復元力に抗して前記レバーを前記第2位置に回転させる外力が加えられない状態では、前記レバーは前記第2弾性復元力によって前記第2位置を離れて前記第1位置に近づく位置に位置することを特徴とするコネクタ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタ装置において、
前記コネクタが前記相手側コネクタに対し前記嵌合位置にあり、かつ前記レバーが前記第3位置にあるとき、前記突出部は前記第2ばね片の突き当てから外れていることを特徴とするコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はHVIL(High-Voltage Inter Lock:高電圧インターロック)を備える高電圧大電流用コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図21はこの種のコネクタ装置の従来例として特許文献1に記載されている構成を示したものであり、一方のコネクタハウジング11に取り付けられたレバー12の操作により一方のコネクタハウジング11は他方のコネクタハウジング21に装着されるものとなっている。
【0003】
コネクタハウジング11の下方には端子フード部11aが設けられ、端子フード部11a内には一対の端子(雄端子)13が設けられている。コネクタハウジング11の外壁には後述するレバー12のガイド溝14にそれぞれ係合する一対のガイドピン11bが突設されている。
【0004】
レバー12は
図22に示すように一対のアームプレート部12a,12bと、一対のアームプレート部12a,12bを連結する操作部12cとを備えている。一対のアームプレート部12a,12bには水平方向に延びるガイド溝14が設けられている。各ガイド溝14にはコネクタハウジング11の一対のガイドピン11bがそれぞれ挿入され、これによりレバー12はコネクタハウジング11に対して回転移動、かつ直線移動可能に設けられている。
【0005】
また、一対のアームプレート部12a,12bにはカム溝15が設けられており、一対のカム溝15には一方のコネクタハウジング11を他方のコネクタハウジング21に装着する際に他方のコネクタハウジング21の後述するカムピン21aが挿入される。
【0006】
さらに、一対のアームプレート部12a,12bの一方は他方に比べて幅広に設けられ、幅広のアームプレート部12bにはコネクタ部12dが設けられ、コネクタ部12dには嵌合検知用雄端子16が設けられている。
【0007】
他方のコネクタハウジング21は上面が解放された略直方体形状を有し、その内部スペースがコネクタハウジング11の装着スペース21bとなっている。装着スペース21bの下面となる底面部には端子フード収容部21cが設けられており、端子フード収容部21c内には一対の端子(雌端子)22が収容されている。
【0008】
コネクタハウジング21の内周壁の対称位置には一対のカムピン21aが突設され、さらに装着スペース21b内にはコネクタ部21dが設けられている。コネクタ部21dには一対の嵌合検知用雌端子23が設けられている(後述する
図24参照)。
【0009】
図23A~Cは
図21に示した一方のコネクタハウジング11が他方のコネクタハウジング21に装着される前の状態から他方のコネクタハウジング21の装着スペース21b内に一方のコネクタハウジング11が挿入され、一方のコネクタハウジング11が他方のコネクタハウジング21に装着される過程におけるレバー12の状態を他方のコネクタハウジング21のカムピン21aと共に示したものであり、
図23Aはレバー12が
図21に示した回転開始位置から矢印a方向に回転され、回転開始位置と回転完了位置との間にある状態を示し、
図23Bはレバー12が回転完了位置にある状態を示す。また、
図23Cはレバー12が矢印b方向にスライドされて嵌合完了位置にある状態を示す。
【0010】
レバー12のカム溝15に入り込んだ他方のコネクタハウジング21のカムピン21aはレバー12の回転に伴い、カム溝15内を移動することによって一方のコネクタハウジング11は他方のコネクタハウジング21内に徐々に近接移動されて入り込み、この近接移動によってレバー12が回転完了位置に位置するまでに双方のコネクタハウジング11,21の端子13,22が接触状態となる。
【0011】
次に、レバー12を矢印b方向にスライドさせ、回転完了位置から嵌合完了位置までスライド移動させると、レバー12が嵌合完了位置に位置するまでにレバー12の嵌合検知用雄端子16が他方のコネクタハウジング21の一対の嵌合検知用雌端子23に接触する。
図24はレバー12が嵌合完了位置に位置し、一方のコネクタハウジング11の、他方のコネクタハウジング21への装着が完了した状態を示す。
【0012】
レバー12の操作はこのように回転操作とスライド操作の2アクションからなり、回転操作後のスライド操作によって嵌合検知用雄端子16が嵌合検知用雌端子23に接触して嵌合検知されることによって電源回路が初めて導通状態となり、端子13,22間に電流が流れるものとなっている。
【0013】
また、電源回路を導通状態から非導通状態とするレバー12の操作はその逆の2アクションからなり、先のスライド操作で電源回路がオフされ、その次の回転操作で端子13と端子22が離間するものとなっている。
【0014】
よって、レバー12の操作が完了する前に電源回路が導通状態となるのを防止することができ、かつアーク放電の発生を防止することができるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、
図21に示した従来のコネクタ装置では、レバーの回転操作により大電流用の端子の接続、解離が行われ、HVILを構成する嵌合検知用の端子の接続、解離はレバーのスライド操作によって行われるものとなっており、これにより大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離に時間差が確保され、コネクタ装置の嵌合及び離脱が安全に行われるものとなっている。
【0017】
しかるに、このように大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離がレバーの回転、スライドといったレバーの一連の操作で行われる方式では一連の操作が素早く行われた場合、安全性を確保するための十分な時間間隔が大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離との間に確保されないといった状況が生じる虞がある。
【0018】
この発明の目的はこのような問題に鑑み、大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離との間に従来よりも十分な時間間隔が空くようにし、さらに操作者の意図しないHVILの接続を防ぐことができるようにして、コネクタ装置の嵌合、離脱作業の安全性を従来よりも高められるようにしたコネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明によれば、ハウジングとレバーと主端子とインターロックハウジングとインターロック端子とを備えるコネクタと、相手側ハウジングと相手側主端子と相手側インターロック端子とを備える相手側コネクタとで構成されるコネクタ装置において、レバーとハウジングの一方にガイド溝が形成され、他方にガイド軸が形成され、レバーはガイド軸がガイド溝に位置するようにハウジングに取り付けられることにより、ハウジングに対し第1位置と第2位置の間で回転可能とされ、第2位置と第3位置の間でスライド可能とされ、カム機構をなすカム溝と従動ボスの一方がレバーに形成され、他方が相手側ハウジングに形成され、レバーが第1位置にあるコネクタが相手側コネクタに対し嵌合準備位置にあるとき、レバーを第2位置まで回転させると、コネクタはカム機構により嵌合準備位置よりも相手側コネクタに近接した嵌合位置に引き寄せられて主端子と相手側主端子とが接続し、インターロック端子はインターロックハウジングに取り付けられ、インターロックハウジングには外方に突出する突部を先端に備えたばね片と突出片が形成されて、突部は押圧されると自然位置から退避位置に変位するものとされ、インターロックハウジングは開放位置と閉成位置の間でスライド可能にハウジングに取り付けられ、但し開放位置にあるインターロックハウジングは突部が自然位置にあるときは突部がハウジングの突き当て面に突き当たることによって閉成位置へのスライドが阻止され、突部が退避位置にあるときは閉成位置へのスライドが可能であり、コネクタが相手側コネクタに対し嵌合位置にあり、かつインターロックハウジングが開放位置にあるとき、インターロック端子と相手側インターロック端子とは相互に解離し、コネクタが相手側コネクタに対し嵌合位置にあり、かつインターロックハウジングが閉成位置にあるとき、インターロック端子と相手側インターロック端子とは相互に接続し、コネクタが相手側コネクタに対し嵌合位置にあり、かつレバーが第2位置にあるとき、突部は自然位置にあり、コネクタが相手側コネクタに対し嵌合位置にあり、かつレバーが第3位置にあるとき、突部はレバーの押圧部に押圧されて退避位置に位置し、レバーには第1ばね片が形成され、コネクタが相手側コネクタに対し嵌合位置にあり、かつレバーが第3位置にあり、さらにインターロックハウジングが開放位置にあるとき、第1ばね片は前記突出片に突き当たってレバーを第2位置に向かってスライドさせる第1弾性復元力を生起し、第1弾性復元力に抗してレバーを第3位置にスライドさせる外力が加えられない状態では、レバーは第1弾性復元力によって第3位置から離れることで、突部は押圧部に押圧されず自然位置に位置するものとされる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によるコネクタ装置によれば、HVILの接続はレバーを回転操作して大電流用の主端子を接続した後、レバーをスライド操作し、さらにインターロックハウジングを押し下げることによって行われ、また主端子の解離はインターロックハウジングを引き上げてHVILを解離した後、レバーをスライド操作し、さらにレバーを回転操作することによって行われるものとなっている。
【0021】
よって、レバーの回転操作とスライド操作によって大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離とが行われる従来例に比し、インターロックハウジングを操作する手間を余分に必要とする分、大電流用の主端子の接続、解離とHVILの接続、解離との間により大きな時間差が生じるため、コネクタ装置の嵌合、離脱作業の安全性を従来よりも高めることができる。
【0022】
加えて、この発明によるコネクタ装置によれば、レバーをスライド操作した状態で操作を中断し、操作者がレバーから手を離した場合、レバーはその位置に位置せず、押し戻されるため、操作者の意図しない外力がインターロックハウジングに加わってもインターロックハウジングが閉成位置にスライドすることはなく、よって操作者の意図に反してHVILが簡単に接続されるといったことを防止できるものとなっており、この点からも安全性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】Aはこの発明によるコネクタ装置の一実施例におけるコネクタの上方から見た斜視図、BはAに示したコネクタの下方から見た斜視図。
【
図2】Aはこの発明によるコネクタ装置の一実施例における相手側コネクタの正面図、BはAに示した相手側コネクタの正面側から見た斜視図、CはAに示した相手側コネクタの背面側から見た斜視図。
【
図3】Aは
図1Aにおけるハウジングの正面図、Bはその右側面図、Cはその上方から見た斜視図、Dはその下方から見た斜視図。
【
図4】Aは
図1Aにおけるレバーの上方から見た斜視図、Bはその下方から見た斜視図。
【
図5】Aは
図4Aに示したレバーの平面図、Bはその正面図、Cはその右側面図、Dはその背面図、EはBのG-G線断面図、FはBのH-H線断面図。
【
図6】Aは
図1Aにおけるインターロック端子が取り付けられたインターロックハウジングの正面図、Bはその右側面図、Cはその正面側上方から見た斜視図、Dはその正面側下方から見た斜視図、Eはその背面側上方から見た斜視図。
【
図7】この発明によるコネクタ装置の一実施例において、コネクタが嵌合準備位置にある状態を示す斜視図。
【
図8】
図7に示した状態からレバーが第2位置まで回転された状態を示す斜視図。
【
図9】
図8に示した状態からレバーが第3位置までスライドされた状態を示す斜視図。
【
図10】
図9に示した状態からインターロックハウジングが閉成位置にスライドされた状態を示す斜視図。
【
図11】Aは
図7に示した状態の右側面図、BはAのC-C線部分拡大断面図。
【
図12】Aは
図8に示した状態の右側面図、BはAのD-D線部分拡大断面図、CはAのE-E線部分拡大断面図。
【
図13】Aは
図9に示した状態の右側面図、BはAのD-D線部分拡大断面図、CはAのE-E線部分拡大断面図。
【
図14】Aは
図10に示した状態の右側面図、BはAのE-E線部分拡大断面図、CはAの部分拡大中央縦断面図、DはAのF-F線部分拡大断面図。
【
図15】Aは
図8に示した状態の平面図、BはAのC-C線断面図。
【
図16】Aは
図9に示した状態の平面図、BはAのC-C線断面図。
【
図17】Aは
図10に示した状態の平面図、BはAのC-C線断面図。
【
図18】Aは
図7に示した状態の平面図、BはAのC-C線断面図。
【
図19】Aはレバーが回転された
図8に示した状態からレバーを回転させる力が取り除かれた時の状態を示す平面図、BはAのC-C線断面図。
【
図20】Aは
図9に示した状態の平面図、BはAのC-C線断面図。
【
図22】Aは
図21におけるレバーの斜視図、Bはその側面図。
【
図23】Aはレバーが回転開始位置と回転完了位置との間にある状態を示す正面図、Bはレバーが回転完了位置にある状態を示す正面図、Cはレバーが嵌合完了位置にある状態を示す正面図。
【
図24】Aは
図21に示したコネクタ装置の装着完了状態を示す部分断面図、BはAの要部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
【0025】
図1及び2はHVILを備えるこの発明による高電圧大電流用のコネクタ装置の一実施例を構成するコネクタ100と相手側コネクタ200をそれぞれ示したものである。
図1中、30はハウジングを示し、40はレバーを示す。また、50はインターロックハウジングを示し、インターロックハウジング50には後述するようにインターロック端子60が取り付けられている。
図1中、300はケーブルを示し、コネクタ100はこの例では2本のケーブル300の端末に取り付けられている。
図1中、70は2本のケーブル300とそれぞれ接続されている主端子を示し、80はハウジング30に取り付けられているケーブルカバーを示す。
【0026】
まず、コネクタ100のハウジング30、レバー40及びインターロックハウジング50の構成について説明する。
【0027】
ハウジング30は
図3に示したように大別して嵌合部31と、嵌合部31の後方に続くケーブル収容部32と、嵌合部31の前面に位置する取付け部33とよりなる。嵌合部31は下面が開放された箱状をなし、この嵌合部31内に主端子70が収容配置される。嵌合部31の両側面には一対のガイド軸34が互いに外向きに突出して形成されている。
【0028】
取付け部33はインターロックハウジング50が取り付けられる部分であり、上下方向に開口した略筒状をなす。取付け部33にはその上下方向の中間に、取付け部33の前端から後方に向かって延びる一対のスリット35が互いに対向する位置に形成されており、さらに取付け部33の上端からそれぞれスリット35に至るように一対のスリット36が互いに対向する位置に形成されている。スリット35の後端側及びスリット36は取付け部33の内外を連通するものとなっている。
【0029】
レバー40は
図4及び5に示したように板状をなす一対のアーム部41と、一対のアーム部41の基端を連結する連結部42と、連結部42を挟んでアーム部41と反対側に位置する操作部43を備えている。操作部43は連結部42の下端側に位置し、上下方向に延びる一対の補強壁44が操作部43の幅方向両端に位置して連結部42と操作部43との間にまたがって設けられている。
【0030】
一対のアーム部41にはアーム部41の伸長方向に延びるガイド溝41aがそれぞれ形成されており、さらにカム溝41bがそれぞれ形成されている。カム溝41bは
図4,5に示したように湾曲形状をなし、その先端はアーム部41の先端に位置している。また、両アーム部41の先端の下端側の外面には被保持部41cが凹部形状をなして形成されている。
【0031】
連結部42には下半部側に開口42aが形成され、この開口42aと連通する開口43aが操作部43にも形成されている。操作部43の開口43aの幅方向両側には上下方向に延びる壁部45がそれぞれ形成され、一対の壁部45の互いの内側には一対の突出部46がそれぞれ壁部45に沿って形成されている。
【0032】
突出部46は断面L字状をなしてアーム部41の伸長方向に延び、壁部45と垂直をなし、互いに内向きに突出する各L字の一半部はそれぞれスライド挿入部46aをなす。スライド挿入部46aのアーム部41側に位置する先端は押圧部46bとして機能し、押圧部46bに隣接して切り欠かれた部分は干渉部46cとして機能する。一対の壁部45の互いの外側面には軸状をなす被保持部47がそれぞれ突出形成されている。
【0033】
さらに、この例では操作部43に各一対の第1ばね片48と第2ばね片49が形成されている。第1ばね片48は一対の壁部45と一対の突出部46との間にそれぞれ設けられており、第2ばね片49は一対の壁部45の外側面にそれぞれ形成されている被保持部47のそれぞれ外側に設けられている。第1ばね片48は
図5Fに示したように基端(固定端)が操作部43の下面側とされてアーム部41が位置する側に向かい、斜め上方に延びた形状とされ、第2ばね片49は
図5Eに示したように基端が操作部43の上面側とされてアーム部41が位置する側に向かい、斜め下方に延びた形状とされている。
【0034】
インターロックハウジング50は
図6に示したように筒状部51と、筒状部51の上端に位置して筒状部51を蓋する形状の操作部52とを備えている。ショート端子をなすインターロック端子60は筒状部51の内部に取り付け固定されている。
【0035】
筒状部51には一対のばね片53と一対の突出片54とロック片55と抜け止め片56が一体形成されている。一対のばね片53は筒状部51の周壁51aに上下方向に切り込みが入れられて周壁51aの互いに対向する位置に形成されている。一対のばね片53は上端が基端とされ、下端(先端)には互いに外向きに突出する突部53aが形成されている。
【0036】
一対のばね片の突部53aの突出方向を左右方向とするとき、ロック片55は周壁51aの前方に、周壁51aの下端から上方に伸長されて形成されている。ロック片55の先端(上端)には操作突部55aが前方に突出して形成され、ロック片55の伸長方向中間には突起55bが前方に突出して形成されている。抜け止め片56はロック片55が位置する周壁51aの位置と反対側の周壁51aの位置に、周壁51aの下端から上方に伸長されて形成されており、抜け止め片56の先端には突起56aが後方に突出して形成されている。
【0037】
一対の突出片54はそれぞればね片53に対し、前方側に、即ちロック片55が位置する側に隣接して形成されており、周壁51aから互いに外向きに突出して形成されて上下方向に延びる板部57からさらに外向きに突出延長されて形成されている。
【0038】
上記のような構成を有し、インターロック端子60を保持したインターロックハウジング50はハウジング30の取付け部33に上方から挿入されて取り付けられ、抜け止め片56の突起56aが引っ掛かることによって抜け止めされる。また、レバー40は一対のアーム部41の各ガイド溝41aに、ハウジング30の一対のガイド軸34がそれぞれ挿入、位置されてハウジング30に取り付けられる。レバー40はハウジング30に対し、後述するようにレバー40が取る第1位置と第2位置の間で回転可能とされ、第2位置と第3位置の間でスライド可能とされている。
図1はレバー40が第1位置にある状態を示す。
【0039】
一方、相手側コネクタ200を示した
図2において、110は相手側ハウジングを示し、120は相手側主端子を示す。また、130は相手側インターロック端子を示す。相手側コネクタ200は基板に実装されるものとなっている。
【0040】
相手側ハウジング110は板部111と、上方に開口する枠状をなして板部111上に突出して位置する被嵌合部112とを備えている。被嵌合部112の枠状をなす周壁112aにおいて、左右に位置する部分の外側面には一対の従動ボス113が互いに外向きに突出して形成されている。また、周壁112aの後方に向く部分は切欠き114によって大きく切り欠かれている。一対の相手側主端子120は被嵌合部112内に収容配置されている。
【0041】
相手側ハウジング110の板部111上にはさらに取付け部115と一対の突出部116と一対の保持部117が形成されている。取付け部115は被嵌合部112の前方に位置して上方に開口する筒状をなし、相手側インターロック端子130はこの取付け部115内に取付け固定されている。
【0042】
一対の突出部116は被嵌合部112の前方において取付け部115の左右に設けられている。突出部116は前方に向くひさし状部116aが板部111から垂直に立ち上がった直立部116bに支持された形状を有する。一対の保持部117は被嵌合部112の後部側において被嵌合部112の左右に設けられている。保持部117は板部111に垂直な板面を有し、一対の保持部117の板面には互いに内向きに突起117aが突出形成されている。
【0043】
次に、上述したコネクタ100と相手側コネクタ200の嵌合動作について説明する。
【0044】
図7~10はコネクタ100と相手側コネクタ200の嵌合過程における各状態1~4を順に示したものであり、
図11~14は状態1~4における要部詳細をそれぞれ示したものである。なお、状態1~4は操作者の意図による一連の嵌合過程における状態を示す。
<状態1:
図7,11>
状態1はレバー40が第1位置にあるコネクタ100のハウジング30の嵌合部31が相手側コネクタ200の相手側ハウジング110の被嵌合部112に嵌合され、コネクタ100が相手側コネクタ200に対し、嵌合準備位置にある状態であり、相手側コネクタ200の一対の従動ボス113はコネクタ100のレバー40のカム溝41bにそれぞれ入り込んだ状態となっている。この状態1では主端子70と相手側主端子120とはまだ接続していない。
【0045】
コネクタ100のハウジング30の取付け部33に取り付けられているインターロックハウジング50はその一対のばね片53の突部53aが自然位置に位置して
図11Bに示したように取付け部33のスリット35に入り込んだ状態となっている。これによりインターロックハウジング50はその操作部52を押しても突部53aがスリット35の下側の内面がなす突き当て面35aに突き当たることにより押し下げることはできず、即ちコネクタ100のインターロック端子60と相手側コネクタ200の相手側インターロック端子130が相互に接続する閉成位置へのスライドが阻止されている。
<状態2:
図8,12>
状態2はレバー40が第1位置から第2位置まで回転された状態であり、レバー40のカム溝41bと、カム溝41bに入り込んだ相手側コネクタ200の従動ボス113とよりなるカム機構により、コネクタ100は状態1の嵌合準備位置よりも相手側コネクタ200に近接した嵌合位置に引き寄せられて状態2となる。この状態2でコネクタ100の主端子70と相手側コネクタ200の相手側主端子120とは
図12Bに示したように接続される。
【0046】
インターロックハウジング50は状態1と同様、状態1の開放位置にあり、かつばね片53の突部53aは自然位置にあって、インターロックハウジング50は閉成位置へのスライドが阻止されており、相手側コネクタ200にコネクタ100が近接するも
図12Cに示したようにインターロック端子60と相手側インターロック端子130はまだ接続されず、相互に解離している。
【0047】
なお、レバー40が第2位置にあるコネクタ100が相手側コネクタ200に対し、この状態2の嵌合位置にあるとき、レバー40を第2位置から第1位置まで回転させると、コネクタ100はカム機構により状態1の嵌合準備位置に押し戻されて主端子70と相手側主端子120との接続は解除される。
<状態3:
図9,13>
状態3はレバー40が第2位置から第3位置にスライドされた状態であり、レバー40の一対の突出部46のスライド挿入部46aはハウジング30のスリット35に入り込む。これにより、インターロックハウジング50の一対のばね片53の突部53aは
図13Bに示したようにスライド挿入部46aの先端の押圧部46bによって押圧され、自然位置から退避位置に変位する。突部53aが退避位置に変位することにより、ハウジング30の取付け部33に、インタークロックハウジング50が取る開放位置と閉成位置の間でスライド可能に取り付けられているインターロックハウジング50は閉成位置へのスライドが可能になる。
【0048】
なお、レバー40はスライド挿入部46aがハウジング30のスリット35に入り込むことによってスライド可能となるため、例えばレバー40が状態2の第2位置になく、回転し切ってない(倒し切ってない)ような場合にはスライド挿入部46aがスリット35に入り込めず、レバー40を第3位置にスライドさせることはできない。
【0049】
また、このようにレバー40のスライド挿入部46aがハウジング30のスリット35に入り込む構造のため、レバー40が第3位置にある状態3ではレバー40は回転できないものとなっている。
【0050】
加えて、レバー40が第3位置にある状態3では、この例では
図13Bに示したように一対のアーム部41に凹部形状をなして設けられている被保持部41cに、相手側コネクタ200に設けられている保持部117の突起117aが入り込み、さらにレバー40の操作部43に設けられている軸状をなす一対の被保持部47が相手側コネクタ200に設けられている突出部116のひさし状部116aの下に入り込むものとなっている。これにより、被保持部41c,47はそれぞれ保持部117及び突出部116に保持されてレバー40は相手側コネクタ200の相手側ハウジング110に堅固に固定されるものとなっている。
<状態4:
図10,14>
状態4は状態3において開放位置に位置しているインターロックハウジング50が、その操作部52が押されて押し込まれ、閉成位置にスライドして位置した状態であり、インターロック端子60と相手側インターロック端子130は
図14Dに示したように相互に接続する。これにより、嵌合が検知される。
【0051】
なお、このようにインターロックハウジング50が押し下げられて閉成位置に位置する状態ではインターロックハウジング50に設けられている一対の突出片54が
図14Bに示したようにレバー40のスライド挿入部46aに切り欠かれて設けられている干渉部46cに入り込む。これにより、レバー40は第3位置に固定されてスライドできないものとなり、つまり第2位置へのスライドが阻止される。
【0052】
閉成位置に位置するインターロックハウジング50はロック片55の突起55bが
図14cに示したようにハウジング30の取付け部33に設けられている係止部37に引っ掛かって係止されて閉成位置にロックされる。ロックの解除はロック片55の操作突部55aを押すことによって行われ、これによりインターロックハウジング50は開放位置へのスライド復帰が可能となり、さらにレバー40の第2位置へのスライド復帰が可能となる。
【0053】
以上、操作者の意図によるコネクタ100と相手側コネクタ200の一連の嵌合過程における状態1~4について説明したが、この例ではコネクタ100のレバー40は各一対の第1ばね片48と第2ばね片49を具備するものとなっており、これら第1ばね片48及び第2ばね片49の各作用により、操作者が例えば状態2で操作を中断した場合には、操作者の意図に反して簡単にレバー40がスライドされることのないようにし、また操作者が状態3で操作を中断した場合には、操作者の意図に反して簡単にHVILが接続されることのないようにしている。以下、この点について説明する。
【0054】
図15~17は状態2~4における第1ばね片48の各状態を示したものであり、
図15に示したレバー40が第2位置に位置する状態2では第1ばね片48は他の部品と接触することなく自然状態(自由状態)となっている。レバー40が第3位置にスライド操作された状態3では第1ばね片48はその先端が
図16Bに示したようにインターロックハウジング50の突出片54に突き当たった状態となる。これにより、第1ばね片48はレバー40を第2位置に向かってスライドさせる(押し戻す)第1弾性復元力を生起するが、操作者がこの第1弾性復元力に抗してレバー40を押圧する力、即ち矢印aで示したレバー40を第3位置にスライドさせる外力を加えることにより状態3は維持される。
【0055】
一方、操作者がこの状態3で操作を中断し、レバー40から手を離すと矢印aで示す外力が加えられない状態となるため、レバー40は第1ばね片48の第1弾性復元力によって押し戻されて第3位置から離れる。これにより、状態3で前述したようにレバー40の押圧部46bによって押圧されて退避位置に変位していたインターロックハウジング50の一対のばね片53の突部53aは押圧部46bによる押圧が解除されるため、自然位置に復帰する。よって、インターロックハウジング50は閉成位置へのスライドが阻止され、即ちHVILを接続する(閉じる)操作はできなくなる。従って、操作者が状態3で操作を中断し、レバー40から手を離した場合、操作者の意図に反してインターロックハウジング50にそれを閉成位置へスライドさせるような外力が加わってもHVILが接続されることはない。
【0056】
インターロックハウジング50が閉成位置にスライド操作された状態4では
図17Bに示したようにインターロックハウジング50の突出片54は下方に変位して第1ばね片48の突き当てから外れる。これにより、第1ばね片48は自然状態に復帰するため、コネクタ装置が長期に渡って嵌合されていても第1ばね片48のへたりを防止することができる。
【0057】
次に、第2ばね片49の状態について
図18~20を参照して説明する。
【0058】
図18に示したレバー40が第1位置に位置する状態1では第2ばね片49は他の部品と接触することなく自然状態となっているが、レバー40が第2位置に回転操作された状態2では第2ばね片49はその先端が相手側コネクタ200に設けられている突出部116の上部のひさし状部116aの上面に突き当たった状態となる。これにより、第2ばね片49はレバー40を第1位置に向かって回転させる(押し戻す)第2弾性復元力を生起するが、操作者がこの第2弾性復元力に抗してレバー40を押圧する力、即ちレバー40を第2位置に回転させる外力を加えることにより状態2は維持される。
【0059】
一方、操作者がこの状態2で操作を中断し、レバー40から手を離すと、レバー40を第2位置に回転させる外力が加えられない状態となるため、レバー40は第2ばね片49の第2弾性復元力によって押し戻されて第2位置から離れ、第1位置に近づく位置に位置する。
図19Bはこの状態を示したものであり、この状態ではレバー40を第3位置へスライドさせることはできない。従って、操作者が状態2で操作を中断し、レバー40から手を離した場合、操作者の意図に反してレバー40にそれを第3位置にスライドさせるような外力が加わってもレバー40が第3位置にスライドすることはない。
【0060】
図20はレバー40が第3位置にスライド操作された状態3を示したものであり、この状態3では突出部116のひさし状部116aは第2ばね片49の突き当てから
図20Bに示したように外れる。これにより、第2ばね片49は自然状態に復帰するため、コネクタ装置が長期に渡って嵌合されていても第2ばね片49のへたりを防止することができる。
【0061】
以上、コネクタ100と相手側コネクタ200とで構成される、この発明によるコネクタ装置の一実施例の構成、嵌合動作について説明したが、大電流用の主端子70と相手側主端子120が接続した上で、HVIL用のインターロック端子60と相手側インターロック端子130が接続し、HVIL回路が閉じることで、主端子70と相手側主端子120間に大電流を流す回路装置がコネクタ装置の外部に備えられる。
【0062】
上述したコネクタ装置によれば、以下の効果を得ることができる。
【0063】
(1)この例ではHVILの接続、解離はレバー40とは別に設けたインターロックハウジング50の押し下げ、引き上げによって行われるものとなっている。即ち、HVILの接続はレバー40を回転操作して主端子70と相手側主端子120を接続した後、レバー40をスライド操作し、さらにインターロックハウジング50を押し下げることによって行われ、また主端子70と相手側主端子120の解離はインターロックハウジング50を引き上げてHVILを解離した後、レバー40をスライド操作し、さらに回転操作することによって行われるものとなっている。
【0064】
従って、大電流用の端子の接続、解離とHVILの接続、解離がレバーの回転、スライドといったレバーの操作だけで行われる従来のコネクタ装置と比べ、この例では大電流用の主端子の接続、解離とHVILの接続、解離との間にインターロックハウジング50を押し下げる又は引き上げるといったステップが余分に必要となっており、その分だけ両者の間により大きな時間間隔が空くものとなっている。
【0065】
これにより、操作者がコネクタ装置の嵌合操作や離脱操作に慣れて操作を素早く行うようになっても、大電流用の主端子の接続、解離とHVILの接続、解離とが十分な時間間隔を空けて行われることになり、よってコネクタ装置の嵌合、離脱作業の安全性を従来よりも高めることができる。
【0066】
(2)レバー40を第2位置に回転操作した状態2で操作を中断し、レバー40から手を離した場合、レバー40は第2ばね片49の作用により第2位置から離れるため、レバー40を第3位置へスライドさせることはできず、よってこの場合、操作者の意図に反してレバー40をスライドさせるような外力が加わってもレバー40が第3位置にスライドすることはなく、従ってHVILが接続されることもない。
【0067】
(3)レバー40を第3位置にスライド操作した状態3で操作を中断し、レバー40から手を離した場合、レバー40は第1ばね片48の作用により第3位置から離れるため、インターロックハウジング50を閉成位置へスライドさせることはできず、よってこの場合、操作者の意図に反してインターロックハウジング50をスライドさせるような外力が加わってもインターロックハウジング50が閉成位置にスライドすることはなく、従ってHVILが接続されることはない。
【0068】
(4)レバー40を回転させる力を加えながら、同時にスライド操作した場合に限り、レバー40をスライドさせることができ、またレバー40をスライドさせる力を加えながら、同時にインターロックハウジング50をスライド操作した場合に限り、HVILを接続することができるものとなっており、つまり確実な操作を行わなければ正規の嵌合を行うことができないものとなっている。
【0069】
(5)レバー40をスライドして第3位置に位置させると、レバー40に設けた被保持部41c,47が相手側コネクタ200の突出部116及び保持部117によって堅固に保持されるため、例えば振動等によってレバー40が外れたり、あるいはこすれて摩耗するといったことを防止することができる。
【0070】
(6)インターロックハウジング50を押し下げて閉成位置に位置させることにより、インターロックハウジング50の突出片54がレバー40の干渉部46cに入り込むことによってレバー40は第2位置へのスライドが阻止されるものとなっており、つまりインターロックハウジング50を押し下げる1アクションでHVILによる嵌合検知とレバー40のロック、即ちCPA(Connector Position Assurance:コネクタ位置保証)を行えるものとなっている。よって、CPAの機能のための部品を別に設ける必要はなく、部品を削減することができる。
【符号の説明】
【0071】
11 コネクタハウジング 11a 端子フード部
11b ガイドピン 12 レバー
12a,12b アームプレート部 12c 操作部
12d コネクタ部 13 端子
14 ガイド溝 15 カム溝
16 嵌合検知用雄端子 21 コネクタハウジング
21a カムピン 21b 装着スペース
21c 端子フード収容部 21d コネクタ部
22 端子 23 嵌合検知用雌端子
30 ハウジング 31 嵌合部
32 ケーブル収容部 33 取付け部
34 ガイド軸 35 スリット
35a 突き当て面 36 スリット
37 係止部 38 凹部
39 枠部 40 レバー
41 アーム部 41a ガイド溝
41b カム溝 41c 被保持部
42 連結部 42a 開口
43 操作部 43a 開口
44 補強壁 45 壁部
46 突出部 46a スライド挿入部
46b 押圧部 46c 干渉部
47 被保持部 48 第1ばね片
49 第2ばね片 50 インターロックハウジング
51 筒状部 51a 周壁
52 操作部 53 ばね片
53a 突部 54 突出片
55 ロック片 55a 操作突部
55b 突起 56 抜け止め片
56a 突起 57 板部
58 段部 60 インターロック端子
70 主端子 80 ケーブルカバー
100 コネクタ 110 相手側ハウジング
111 板部 112 被嵌合部
112a 周壁 113 従動ボス
114 切欠き 115 取付け部
116 突出部 116a ひさし状部
116b 直立部 117 保持部
117a 突起 120 相手側主端子
130 相手側インターロック端子 200 相手側コネクタ
300 ケーブル