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特開2023-55411プレス金型用電気集塵機及びそれを用いたプレス金型
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055411
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】プレス金型用電気集塵機及びそれを用いたプレス金型
(51)【国際特許分類】
   B03C 3/45 20060101AFI20230411BHJP
   B03C 3/68 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
B03C3/45 Z
B03C3/68 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164770
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】591012266
【氏名又は名称】株式会社クリエイティブテクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132230
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100088203
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 英一
(74)【代理人】
【識別番号】100100192
【弁理士】
【氏名又は名称】原 克己
(74)【代理人】
【識別番号】100198269
【弁理士】
【氏名又は名称】久本 秀治
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 喬彬
(72)【発明者】
【氏名】森山 紘行
(72)【発明者】
【氏名】堀内 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 柔喜
(72)【発明者】
【氏名】森下 忠幸
(72)【発明者】
【氏名】長野 良広
(72)【発明者】
【氏名】早稲田 富夫
(72)【発明者】
【氏名】富弥 学
【テーマコード(参考)】
4D054
【Fターム(参考)】
4D054AA01
4D054BA01
4D054BC23
4D054CA18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より確実に集塵でき、設置性も良く安全に使用できるプレス金型用の電気集塵機を提供する。
【解決手段】電気集塵機は、塵異物を接触させて保持する集塵層2と、第1の電極層7と、第2の電極層8と、絶縁層3、4、5と、使用される金型に設置及び固定するための密着固定層6とが積層されてなる積層シート1と、前記第1及び第2の電極層間に電圧を印加する電源装置とを備え、絶縁層は、少なくとも、集塵層と第1の電極とを絶縁する第一の絶縁層3と、第1の電極層と第2の電極層とを絶縁する第二の絶縁層4と、第2の電極層と密着固定層とを絶縁する第三の絶縁層5とを有し、前記第1及び第2の電極層は、ポリエチレンテレフタラート基材に導電性ポリマーが塗布されて表面抵抗率が10~10Ωのフィルムであり、前記第二の絶縁層には基材厚さが75μmのポリイミドフィルムを用いる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス金型と共に用いられ、プレス加工の際に発生する塵異物を静電気力で集塵するプレス金型用の電気集塵機であって、
塵異物を接触させて保持する集塵層と、第1の電極層と、第2の電極層と、絶縁層と、使用される金型に設置及び固定するための密着固定層とが積層されてなる積層シートと、
前記第1及び第2の電極層間に電圧を印加する電源装置とを備え、
絶縁層は、少なくとも、集塵層と第1の電極とを絶縁する第一の絶縁層と、第1の電極層と第2の電極層とを絶縁する第二の絶縁層と、第2の電極層と密着固定層とを絶縁する第三の絶縁層とを有し、
前記第1及び第2の電極層は、ポリエチレンテレフタラート(PET)基材に導電性ポリマーが塗布されて表面抵抗率が10~10Ωのフィルムであり、
前記第二の絶縁層には基材厚さが75μmのポリイミドフィルムを用いることを特徴とするプレス金型用電気集塵機。
【請求項2】
第1の電極層は、当該電極層の厚み方向に貫通する複数の欠損部を有し、当該欠損部の面積比率が、第1の電極層全体の面積に対して10%~20%であると共に、上面視において前記欠損部を含めた第1の電極層が第2の電極層よりも端部において4.2~6.2mm大きく、
また、第1及び第2の電極層は、積層シートの厚み方向に対して、第二の絶縁層を介して積層されていることを特徴とする請求項1に記載のプレス金型用電気集塵機。
【請求項3】
使用時には、第1の電極層にはマイナスの電圧が印加されると共に、第2の電極層にはプラス電圧が印加されて用いられ、
第1の電極層に印加する電圧を4~5キロボルト(kV)とし、第2の電極層に印加する電圧を2キロボルト(kV)とすることを特徴とする請求項1又は2の記載のプレス金型用電気集塵機。
【請求項4】
密着固定層が、ネオジムマグネットシートを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のプレス金型用電気集塵機。
【請求項5】
集塵層には、シリコーン樹脂シートが用いられること特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のプレス金型用電気集塵機。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のプレス金型用電気集塵機を用いることを特徴とするプレス金型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プレス金型を使用してプレス加工を行う際に発生する擦り切れ粉や粉塵などの塵を、静電気力を利用して集塵することができる電気集塵機及びそれを用いたプレス金型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プレス加工時に被加工品(ワーク)を金型で打ち抜く際、打ち抜かれたワークと金型の擦れ等により、擦れ切粉や粉塵などの塵異物が発生する。発生した塵異物は、金型開閉時の負圧によりワーク面に流入したり、さらには細かい粉塵は長時間空中を浮遊し、自然落下してワーク上に付着したりすることにより、絞りや曲げ加工の際の打痕や凹み、傷等の製品不良の原因になることが懸念される。
【0003】
そのため、このような塵異物に起因する上記不良の対策には、従来から、例えば、塵異物が磁性金属の場合にはマグネットによる吸着や、或いは、エアー吸引による除去といった方法が採られている。
しかしながら、マグネットの適用効果は対象が磁性体に限られるので、非磁性金属やその他の材質を対象とした塵異物に対しては効果が無い。一方でプレス機の性質上、粉塵が最も発生する打ち抜きの瞬間は金型が密閉状態であり、尚且つ金型解放時は負圧であるため、このような場合エアーによる吸引は期待できず、エアーによる吸引では集塵効果は低い。
【0004】
他方、塵異物に対してエアーを吹き付けてそれによる吹き飛ばし効果で塵異物を除去する方法も従来から用いられており、例えば特許文献1においては、それよりも先行する技術におけるプレス装置において、下金型とノックアウトとの間に溜まる塵異物をより効果的に除去するために、効果的に圧縮ガスを所定の部位に供給するような方法が提案されている。しかしながら、このようなエアーの吹き付けによる方法は、大きな異物をはじき出す効果として比較的有効であるが、粉塵のような細かい塵異物に対しては、逆にエアーによって巻き上げ・飛散をもたらす恐れがあることから、粉塵のような細かい塵異物までを考慮すると、ワークへの付着を防ぐ効果としては限定的である。
【0005】
そのほか、一般的な異物対策として用いられているフィルター式や電気集塵式などの空気清浄機を用いる方法ではその構成上ある程度の大きさの確保が必要となることから、限られたスペースである金型内部やその近傍、とくに塵異物が多く発生する打ち抜き刃近傍への設置は困難であり、金型外に設置した場合は金型内部で発生したパーティクル(塵異物)を集塵する効果は見込めない。また、金型外から金型内部の発塵場所へ空気流路を設け集塵したとしても前述のエアー吸引と同様になり集塵効果が低い。
【0006】
ところで、従来から、半導体や液晶ディスプレイの製造過程で問題となるパーティクル(塵異物)を吸着して集塵する方法としては、例えば特許文献2に記載されるような、クーロン型の静電チャックを用いて集塵する方法が提案されている。このような方法によれば、上記したようなマグネットによる方法やエアーを用いた方法におけるデメリットが無く静電気を利用して異物を集めることはできる。しかしながら、このようなクーロン型の静電チャックでは電極が水平方向に並んでいるため電極の隙間に電界は発生するが、水平方向に電気力線が集中するため、垂直方向に電界はほとんど広がらないことから、接触した異物を吸着させる効果については有利であるものの、浮遊する粉塵などの比較的細かい塵異物を引き付ける効果はほとんど無く、限定的な効果となってしまう。加えて、この特許文献2における実際の方法では電極が表面に露出して設置されているため、このような類の構成を採用する装置・機器を使用する方法において、例えば誘電層が破損した場合には火花放電を引き起こして引火するおそれもあり、安全性に問題があるため、金型装置での使用には適さない。
【0007】
また、静電チャックとしては、対象物の吸着力や保持力をより高めるために、電極間絶縁層を介して複数の電極層をその深さ方向に積層させた構成を採用した所謂グラディエント力発生型の静電チャックも従来から提案されているが(例えば、特許文献3や特許文献4を参照)、このようなグラディエント力発生型の静電チャックを利用しようとする場合であっても、総じて、従来の静電チャックでは、効率的且つ速やかな吸着や、或いはデチャックに応答するために使用される電極は金属などの良導電性物質が用いられるが、このような電極が用いられる従来の静電チャックでは、以下のような問題も懸念されていた。すなわち、電極層間に電圧が印加されると、電極間の絶縁層がコンデンサと同じ役割を有するようになり、蓄電が生じる。そして、蓄電された状態で例えば傷等により電極間の絶縁が損なわれた場合、コンデンサ(絶縁層)に蓄電された電気エネルギーが放電を起こすことによって、とくに使用場所が金型内になるような状況では、使用される加工油や機械油に引火し火災の原因となったり、感電した際には人体に影響を強く与えたりする可能性があった。
それゆえ、従来の静電チャックの構成をそのまま電気集塵機としてプレス金型装置に使用することは考えられていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004-291012号公報
【特許文献2】国際公開WO2015/029698号
【特許文献3】国際公開WO2005/091356号
【特許文献4】国際公開WO2007/066572号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、従来のマグネットやエアーなどを用いた方法のようなデメリットがなく、非磁性金属等の粉塵や細かい粉塵までもより確実に集塵できると共に設置性も良く、しかも、発火・火災などの危険が無いようなプレス金型用の電気集塵機について本願の発明者らが鋭意検討した結果、電極間絶縁層を介して複数の電極層をその深さ方向に積層させた所謂グラディエント力発生型の静電チャック構造を採用しながらも、特に、電極としてPET基材に導電性ポリマーが塗布されて所定の表面抵抗値を有するものを用いることによって達成できることを見出して、本発明を完成させた。
【0010】
従って、本発明の目的は、プレス加工の際に発生する塵異物を、静電気力を利用してより確実に集塵できるとともに、プレス金型装置において安全に使用できるようなプレス金型用の電気集塵機及びそれを用いたプレス金型を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕プレス金型と共に用いられ、プレス加工の際に発生する塵異物を静電気力で集塵するプレス金型用の電気集塵機であって、
塵異物を接触させて保持する集塵層と、第1の電極層と、第2の電極層と、絶縁層と、使用される金型に設置及び固定するための密着固定層とが積層されてなる積層シートと、
前記第1及び第2の電極層間に電圧を印加する電源装置とを備え、
絶縁層は、少なくとも、集塵層と第1の電極とを絶縁する第一の絶縁層と、第1の電極層と第2の電極層とを絶縁する第二の絶縁層と、第2の電極層と密着固定層とを絶縁する第三の絶縁層とを有し、
前記第1及び第2の電極層は、ポリエチレンテレフタラート(PET)基材に導電性ポリマーが塗布されて表面抵抗率が10~10Ωのフィルムであり、
前記第二の絶縁層には基材厚さが75μmのポリイミドフィルムを用いることを特徴とするプレス金型用電気集塵機。
〔2〕第1の電極層は、当該電極層の厚み方向に貫通する複数の欠損部を有し、当該欠損部の面積比率が、第1の電極層全体の面積に対して10%~20%であると共に、上面視において前記欠損部を含めた第1の電極層が第2の電極層よりも端部において4.2~6.2mm大きく、
また、第1及び第2の電極層は、積層シートの厚み方向に対して、第二の絶縁層を介して積層されていることを特徴とする〔1〕に記載のプレス金型用電気集塵機。
〔3〕使用時には、第1の電極層にはマイナスの電圧が印加されると共に、第2の電極層にはプラス電圧が印加されて用いられ、
第1の電極層に印加する電圧を4~5キロボルト(kV)とし、第2の電極層に印加する電圧を2キロボルト(kV)とすることを特徴とする〔1〕又は〔2〕の記載のプレス金型用電気集塵機。
〔4〕密着固定層が、ネオジムマグネットシートを含むことを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のプレス金型用電気集塵機。
〔5〕集塵層には、シリコーン樹脂シートが用いられること特徴とする〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のプレス金型用電気集塵機。
〔6〕〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のプレス金型用電気集塵機を用いることを特徴とするプレス金型。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プレス加工の際に発生する塵異物として非磁性金属等の粉塵や細かい粉塵を、静電気力を利用してより確実に集塵できるとともに、設置性も良く、しかも、プレス金型装置において安全に使用できるようなプレス金型用の電気集塵機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の電気集塵機の一例を示すものであり、(i)は外観斜視図であり、(ii)は断面説明図であり(i)のA-A断面の一部である。
図2図2は、第1の電極層の一例を示す平面図である。
図3図3は、本発明の電気集塵機に生じる電界の様子を示す断面図である。
図4図4は、実施例における電気集塵機の吸着性の評価を説明する写真である。図中の白矢印は、銅線11に吊られたアルミ片12が電気集塵機に引き寄せられる方向を示すものである。
図5図5は、本発明の電気集塵機をプレス金型(下型における材料切断鋼材付近の場所)に設置して評価するようすを説明する模式説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について、必要に応じて図面を参照しながら詳しく説明する。数字は図面における符号を表す場合がある。
本発明のプレス金型用電気集塵機は、図1に示されるように、少なくとも、集塵層2と、第1の電極層7と、第2の電極層8と、絶縁層3~5と、使用される金型に設置及び固定するための密着固定層6とが積層されてなる積層シート1を備える(なお、積層シート1を電気集塵機と区別しないで記載する場合がある)。絶縁層は、同図のとおり、少なくとも、集塵層と第1の電極層とを絶縁する第一の絶縁層3と、第1の電極層と第2の電極層とを絶縁する第二の絶縁層4と、第2の電極層と密着固定層とを絶縁する第三の絶縁層5とを有する。さらには、第1の電極層と第2の電極層との間に電圧を印加する電源装置(図示外)とを備える。
【0015】
<電極層>
本発明において使用される電極層は、前記のとおり、少なくとも、第1の電極層7と、第2の電極層8とを備え、好適にはそれらを、積層シートの厚み方向に対して、絶縁層(第二の絶縁層)を介して積層させた構造を採ることがよい。このような積層構造を採ることにより、従来の電気集塵機とは異なり、集塵構造の集積化ができ、厚みを低減できる点で有利である。そして、本発明の電極層としては、支持基材としてのポリエチレンテレフタラート(PET)基材に導電性ポリマーが塗布されて、表面抵抗率が10~10Ω、好ましくは10Ωであるフィルムを用いる。このような表面抵抗率を有するようにすることで、電流量が抑えられ、絶縁層(コンデンサ)への蓄電が大幅に減少する。また、絶縁層の破損などによって絶縁が損なわれたような場合であっても蓄電されたエネルギーが破損部に流れ込む際に抵抗である電極層表面を通ることになるため大幅に電気エネルギーを低下させることができ、引火のリスクや人体への影響などを抑えることが可能である。
【0016】
ここで、支持基材としてPETを用いることにより、打ち抜きや切り抜き加工時のクラックが発生し辛く加工性の点で好ましい。また、導電性ポリマーとしては、前記のような表面抵抗値を有するようになるものであれば適宜採用可能であるが、好ましくは、ポリピロール系、ポリアセチレン系、ポリチオフェン系、ポリアニリン系などのポリマーを例示することができる。このなかでもより好ましくは、安定性の面から、ポリピロール系、ポリチオフェン系を用いることが良い。さらには、前記のような表面抵抗値を有するようになるものであれば、塗布する対象としては前記導電性ポリマーだけに限定されず、少なくとも前記導電性ポリマーを有すれば、それと共に塗料において通常使用されるような顔料、有機色素などを含んだ塗料組成物の形態であってもよい。なお、塗布する方法については、塗料などの通常の塗布方法を採用することができる。
【0017】
このような、PET基材に導電性ポリマーが塗布された本発明の電極層としては、例えば、長岡産業株式会社製のスタクリア-NAS(商品名)や、大日本パックェージ株式会社のダイクレア(商品名)等を具体的に挙げることができる。また、導電性ポリマーとしては、アキレス株式会社製のSTポリ(商品名)等を用いることができる。
【0018】
このような構成を有する本発明の電極層の各々の厚みについては、電気集塵機の全体の構成や印加電圧、使用環境などを勘案して適宜調整され得るが、積層体の柔軟性維持のために、1~200μmとすることが好ましく、より好ましくは25~100μmとすることが良い。
【0019】
さらに、本発明の電極層の形状については、従来における同等の構造を有する静電チャックの構成を適宜採用することができ、例えば、各々の電極層が平板状、半円状、櫛歯状や、或いは、所定の領域内において電極層の厚み方向に貫通する複数の欠損部(開口部)を複数有したメッシュ状などに形成されたものであってもよい。なお、前記の欠損部は円形や多角形であってよい。
【0020】
そのような電極層の形状の中でも、好ましくは、上部に配置される第1の電極層7の形状を、図2に示したように、前記欠損部(開口部;符号9)を複数有したメッシュ状の電極層とし、一方で、第1の電極層よりも下部に配置される第2の電極層8の形状は平板状に形成することが良い。少なくとも、第1の電極層と第2の電極層との形状をそのように組み合わせることにより、第2の電極層からの電界の漏れを適度に多くすることができるため好ましい。この場合、第1の電極層においては、欠損部の面積比率が当該第1の電極層全体の面積に対して10%~20%となるように形成されることがより好ましい。欠損部をこのような面積比率に調整することにより、集塵した塵異物の把持力が確保され、集塵距離も維持されるため好ましい。なお、各欠損部の大きさは、例えば、φ7とすることが望ましく、また、所定の領域内において均一に配置・形成されるとともに、第1の電極層への通電が妨げられないに形成されることが望ましい。
【0021】
さらには、前記第1の電極層と第2の電極層とについては、上面視において前記欠損部を含めた第1の電極層の全面積が、第2の電極層の面積よりも大きく、すなわち、第1の電極層が第2の電極層を覆うことができるような大きさ(面積)を有するようにすることが好ましい。集塵能力を高めるためには集塵面積を広げることが有効であり、寸法差は最小であることが望ましく当該第1の電極層が第2の電極層に対して、最端部から4.2mm大きくなるように形成されることがより好ましいが組立精度を加味した場合4.2~6.2mmの範囲であればよい。このようにすることにより、狭い金型内で集塵面積を最大限確保しながら第1の電極外周部の周りに在る塵異物が中心部に集塵されると同時に、塵異物は第1の電極内に留まるため好ましい。ここで述べる、「最端部において」については、第1の電極層と第2の電極層との中央部(例えば、中心や重心など)どうしが積ねることを想定した場合に、上面視において、外寸差により生じる片側(任意の端部)の隙間が上記の数値範囲内であることを意味することとする。例えば、長方形や正方形などであれば、中心どうしが重なるように重ねた場合の各辺毎に生じる隙間を指し、円どうしであれば半径差によって生じる端部の隙間を指し、各形状がお互いに異なってもよいが、意味は同様であって、少なくとも端部と端部との差が上記の数値となることが好ましい。
【0022】
本発明における第1の電極層及び第2の電極層については、例えば互いに極性の異なる電圧を印加する、或いは、一方の電極をGround(接地)にして残りの電極にプラス又はマイナス電圧を印可するなどして、互いに電位差を生じさせるようにする。その際、集塵対象物によって適宜調整することが好ましい。
【0023】
<絶縁層>
本発明で使用される絶縁層としては、図1等に示すとおり、少なくとも、所定の第一の絶縁層3と、第二の絶縁層4と、第三の絶縁層5とを有するが、第一の絶縁層3以外の絶縁層の材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラート、エポキシ、及びアクリル樹脂から選ばれた1種又は2種以上の樹脂が用いられる。このうち、絶縁特性や化学的耐性などの観点から、好ましくはポリイミドを用いることがよい。具体的には、樹脂フィルムを用いることがよく、例えば、カプトン(東レ・デュポン社製商品名)、ユーピレックス(宇部興産社製商品名)などを挙げることができ、より好ましくはポリイミドからなるカプトンである。
【0024】
ここで、本発明においては、前記第二の絶縁層4として厚さが75μmの基材を有するポリイミドフィルムを用いることが必要となる。ここでいう「基材」とは、ポリイミドフィルム自体をいい、例えば後述のように複数枚を積層させる場合には、接着させるための層は含めない。
なぜなら、本発明の電気集塵機はプレス金型に取り付けて使用するため、プレス打ち抜きによるパーティクルの発生、開放によるパーティクルの引き込みが繰り返し連続で続くことになり、プレス金型稼働中は常に集塵を続けることで最大の効果を発揮することから、長時間電圧を掛けて使用される設計が必要となり、また製品毎に異なる金型形状に沿った形状に曲げて使用するために外的なストレスが不確定な要素となるために、少なくとも当該第二の絶縁層については安全率を高く設定することが好ましく、耐電圧約30kVで安全率4以上となるように材料や厚みが設計されることがより好ましく、それゆえ上記のとおりの基材厚みを有するポリイミドフィルムを用いることが重要となる。ここで、当該75μmの基材厚みについては、75μmで一枚のフィルムでもよく、好ましくは、柔軟性と耐屈曲性などの観点から、それよりも薄い厚みのフィルムを複数枚、例えば、25μmの基材厚みのポリイミドを3枚用いて合計75μmとすることがよい。
【0025】
また、第三の絶縁層5の構成については、上記第一の絶縁層3と同じとしてもよく、或いは、印加電圧や給電方法や密着固定層6、組立時の接着材料等に応じて適宜設定可能であり、好ましくは、金型への通電対策の観点から、密着固定層6から第三の絶縁層5までを合わせた耐電圧が安全率5となる10KV以上となるように適宜選択等することがよい。
【0026】
<密着固定層>
本発明において、当該密着固定層6は、金型などの設置場所に接する層となるが、とくに金型に直接設置する場合には、金型の素材には磁性金属が使用されることから、この磁性金属への密着性の確保のために密着固定層としてマグネットシートを使用した層とすることが好ましく、本発明における電気集塵機は狭い隙間に取り付ける目的から磁力の強いネオジムマグネットシートがより好ましい。当該密着固定層6は、第2の電極層8と金型との間で電界を繋ぐ役割を担うこととなるため、密着が重要となる。これにより、側面方向への電気力線の発生が増加することや、電気力線が短くなることで電界強度が増加することが期待され、上方に対してより強い電界を発生させることができる(一例として、図3を参照)。仮に密着が不十分である場合、集塵性能が損なわれる場合がある。密着固定層6の厚みは本発明の目的を損なわない範囲で適宜設定可能である。金型が磁性金属ではない場合も金型に密着させることが好ましく、その場合には密着性を確保できるように金型の素材に合わせて密着固定層の材料や構成を適宜変更可能である。
【0027】
<集塵層>
本発明において、当該集塵層2は、集塵対象となる塵異物が直に接する層であって、静電気力によって引き付けた塵異物の保持を補助する役割を担うものである。このような集塵層2としては、好ましくはシリコーン樹脂シートが用いられることがよく、詳細原理は定かではないが、塵異物との間に分子間力の発生を期待できるとともに、メンテナンス性が良いため好ましい。或いは、金型昇降に伴う風圧などによって塵異物が再飛散することなどを防止する観点から、より好ましくは、シリコーン樹脂シートとともに粘着テープなどの粘着手段を別途設けてもよい。さらに、シリコーン樹脂シートや粘着テープなどとともに、PET樹脂などの樹脂製の支持基材を設けてもよい。集塵層2の厚みは0.1~0.2mm程度とすることが好ましい。
【0028】
<積層シート>
そして、これまでのような電極層、絶縁層、密着固定層及び集塵層を少なくとも用いて、これらを積層して、図1のような積層シート1とする。電極層が露出しないように各絶縁層に挟み込む必要があり、具体的な方法としては、絶縁層の間に電極を挟み込んだ後に、熱と圧力を加えて融着させる方法がある。もしくは、必要に応じてボンディングシートや接着剤もしくは粘着剤を用いて接着させてもよい。好ましくは、第1の電極層7と、第2の電極層8に使用するPET等の樹脂材料の耐熱温度が低いことなどの理由から、シリコーン系などの接着剤を用いて積層させることがよい。
【0029】
ここで、当該積層シート1の形状については、前記の材料を積層して、例えば図1のような平板状としたものをそのまま使用するか、或いは、使用状況・設置場所等に応じて一部あるいは全体の形状を目的に応じた形状に適宜変更・加工してもよい。例えば、プレス金型やその装置内の僅かなスペースにも設置が可能なように、全体の厚みを1mm~5mm程度とした平板状や金型形状に合わせた曲面状や立体の形状とすることが好ましい。
【0030】
<電源装置>
前記のように積層シート1を形成した後には、電極層に電圧を印加して静電気力を発生させるための電源装置が必要となる。電源装置は前記積層シートの電極と接続端子およびスイッチ(いずれも図示外)を介して接続させることができて、一般的に使用されるものと同様なものを用いることができ、直流の高電圧を発生できるものであればよい。発生させる電位差は1kV~7kV程度とすることができ、必要に応じて、必要な電圧まで昇圧させることができる昇圧回路(高電圧発生回路)を備えるようにしてもよい。プラス電圧とマイナス電圧を発生させる個別の電源を併用してもよい。
【0031】
前記のような積層シート1及び電源装置を備えるようにして本発明の電気集塵機とする。本発明の電気集塵機は、必要に応じて、センサーや除電回路、クリーニング機構等が別途設けられてもよく、また、例えば、電極層のパターンの変更等、本発明の目的の範囲で適宜構成の変更及び追加などが行われてもよい。
【0032】
<使用形態>
上述のとおり、本発明の電気集塵機はプレス金型の装置と共に用いられ、プレス金型によるプレス加工の際に、例えば打ち抜かれたワークと金型の擦れ等によって発生する粉塵などの塵異物を集塵できるものであるが、前記の集塵層2において塵異物がより確実に吸着・保持されるためには、前記の電極層に印加する電圧(電位差)を適宜調整することが好ましい。なぜなら、後述の実施例のとおり、本発明者らの推測によれば、電極層に印加する電圧(電位差)に応じて塵異物を集塵層(電気集塵機側)まで引き寄せることができる距離(引き寄せ距離)が概ね定まり、また、塵異物が持つ電荷や体積抵抗率によっては、塵異物が一旦は集塵層まで引き寄せられたとしても、集塵層(電気集塵機側)との電荷のやり取りによる帯電の変化や過剰なクーロン力による運動エネルギー等に起因して、集塵層に吸着・保持されずに弾かれてしまう現象が確認された。それに加えて、本発明の電気集塵機においては塵異物の発生場所(発塵部)近傍の隙間に取り付ける使用方法であることから、少なくとも50mmの引き寄せ距離があればよく、前記の第1の電極層の印加電圧は後述の表3からも把握されるとおり-4KV以上になるように調整されることが好ましく、安全性及び耐電圧の関係から前記の第1の電極層と第2の電極層との電位差が低くなるように調整されることが好ましく、前記の塵異物の弾かれ等の問題を考慮すると、第1の電極層においてはマイナスの電圧が印加されると共に、第2の電極層にはプラスの電圧が印加されることが好ましく、より好ましくは第1の電極層には-4kV~-5kVの電圧が印加されると共に、第2の電極層には+2kVの電圧が印加されることが良いことが知見された。
【0033】
そして、本発明の電気集塵機は、使用されるプレス金型に対して、直接又はその近傍に設置されることがよく、好ましくは図5に例示されるように、前記の密着固定層を介して金型に直接設置されることが好ましい。より好ましくは、プレス金型の下型端部から4mm~5mmの位置に凹構造を持ち、電気集塵機は当該凹構造部に設置されることが、飛散する切粉集塵の観点から良いが、設置位置などに関しては本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択及び調整することが可能である。なお、プレス金型については、当業界で使用されるすべてのプレス金型及びそれを用いた装置を対象とすることができる。金型材質についても同様である。
【実施例0034】
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明するが、本発明がこれにより限定されて解釈されるものでもない。
【0035】
<電気集塵機の引寄性の評価>
(1)第1の電極層の欠損率と引寄距離のCAE解析
第1の電極層の形状最適化を行う為、電気集塵機の集塵層から垂線上の電位とその距離をCAE解析ソフト(ムラタソフトウェア社、製品名:FEMTET)を用いて電場解析を行い、挙動時の空間電位を数値化した。
図1に示すような四角板状の積層モデルを図5のようなプレス金型の下型端部から5mmの位置の凹部に設置し、下型と上型間の金型空間内50mmを空気と模した疑似空間をモデルとした。第1の電極層7に電位-6kV、第2の電極層8に電位1kVを入力値とし、図2に示すように第1の電極層モデルの欠損部(開口部;符号9)を欠損率として、実際の引寄距離と近い数値として-2kVの帯電距離を指標として、表1に記載のとおり実施した。
結果は表1に示すように、No.1~No.3は金型空間内を満たす50mmを満足する一方、No.4は未達であった。
【0036】
【表1】
【0037】
(2)第1と第2の電極層の端部の差と引寄距離のCAE解析
第1の電極層の形状最適化を行う為、電気集塵機の集塵層から垂線上の電位とその距離をCAE解析ソフト(ムラタソフトウェア社、製品名:FEMTET)を用いて電場解析を行い、挙動時の空間電位を数値化した。
図1に示すような四角板状の積層モデルを図5のようなプレス金型の下型端部から5mmの位置の凹部に設置し、50mm大気と模した疑似空間をモデルとした。第1の電極層7に電位-6kV、第2の電極層8に電位1kVを入力値とし、図2に示すように第1の電極層モデルから第2の電極層モデルの最端同士の距離を片側端部差として、実際の引寄距離と近い数値として―2kVの帯電距離を指標として、表2に記載のとおり実施した。
結果は表2に示すように、No.1~No.3は金型空間内を満たす50mmを満足する一方、No.4~No.6は未達であった。
【0038】
【表2】
【0039】
<電気集塵機の作製>
先ず、図1に示されるような形状を有する各材料を用いて、上の層から順にラミネーターで積層して作製した。各層の接着は、ポリイミドフィルム粘着テープのシリコーン系粘着剤を用いて接着させた。
集塵層2には、シリコーン樹脂0.1mm厚み(株式会社クリエイティブテクノロジー製、製品名:Ionpad)が塗工されたPETフィルム0.1mm厚み(総厚み0.2mm)を1辺50mmの正方形に切り抜き用いた。
集塵層2と第1の電極層7との絶縁性を確保するため、第一の絶縁層3としては0.025mmの基材厚みのポリイミド粘着テープ(寺岡製作所社、商品名:760H #25)を1辺50mmの正方形に切り抜き積層した。
第1の電極層7の素材には、PET基材に、ポリチオフェン系導電性高分子を用いた導電性塗料が1.6×10Ωにてコーティングされた0.050mm厚みのフィルム(大日本パックェージ社、商品名:ダイクレアDC-AN10)を用いた。このフィルムを1辺40mmの正方形に切り抜きして、直径が7mmの円を複数個均一にくり抜いて欠損部(開口部;符号9)を設け、欠損部の面積割合が当該第1の電極層全体の面積に対して約12%(表1、No. 2)となるように加工し、これを第1の電極層7とし、集塵層各辺から5mm内側に張り付けた。また、角部に銅箔テープ(図示外)を貼り集塵層からはみ出すように張り付けた。
第1の電極層7と第2の電極層8とを絶縁する第二の絶縁層4としては、基材厚み0.025mmのポリイミド粘着テープ(寺岡製作所社、商品名:760H #25)1枚とポリイミド粘着テープ(オカモト社、商品名:1030E)2枚を予め3枚に積層してなる基材合計0.075mm厚みのポリイミドフィルムを用いた。
第2の電極層8には、前記第1の電極層7と同様に、PET基材に、ポリチオフェン系導電性高分子を用いた導電性塗料が10Ωにてコーティングされた0.050mm厚みのフィルム(大日本パックェージ社、商品名:ダイクレア)を30mmの正方形に切り抜き加工し第2の電極層8とした。この第2の電極層8の面積は400mmであり、上記第1の電極層7の欠損部を含めた全面積(900mm)よりも小さく、第1の電極層7の各辺より5mm内側になるよう配置した。また、角部に銅箔テープ(図示外)を貼り集塵層からはみ出すように張り付けた。
第2の電極層8と密着固定層6とを絶縁するための第三の絶縁層5には、基材厚み0.025mmのポリイミド粘着テープ(寺岡製作所社、商品名:760H #25)1枚とポリイミド粘着テープ(オカモト社、商品名:1030E)1枚を重ねて用いた。
密着固定層6にはネオジムマグネットシート0.6mm厚み(二六製作所社製商品名RSN09)を用いた。
これらを積層させて積層シート1とし、1辺50mmの正方形として第1の電極層7の各辺より5mm外側になるよう切り抜いた。
【0040】
この作製した積層シート1に電圧を印加する電源装置については、次のように準備した。先ず、コネクター付き耐電圧ケーブル(日星電気社製,商品名RSU-DC10KV-22)を銅箔テープ(図示外)に半田付けし、該銅箔テープを前記の電極角部に張り付けた銅箔テープ(図示外)に貼り付けて、絶縁テープで絶縁処理した。次に、前記コネクター部を、それぞれ電源装置〔直流高電圧発生装置、給電ケーブル100VAC電源からなる電源装置〕(図示外)の第1の電極層を負極、第2の電極層を正極にそれぞれ接続して、以降の試験で用いる試験用の電気集塵機とした。
【0041】
<電気集塵機の吸着性の評価>
(1)電圧印加と引き寄せ距離の評価
図4に示すように、床面に対して積層シート1部分が垂直になるように立てた電気集塵機の第1の電極層及び第2に電極層とにそれぞれ表3に記載のとおりの電圧を印加した。
次いで、電気集塵機の集塵層2側に間隔(引寄距離)をあけてアルミ片12(10mm×1mm程度)を、極細の銅線11を用いて吊り下げたサンプルを、電気集塵機で集塵されるかどうかを評価した。引き寄せ距離は下部に設置した金属製のスケール13を用いて目視で計測した。
結果は表3に示すように、No.1~No.4の電圧印加(電位差)では、アルミ片が集塵層に引き寄せられるものの弾かれてしまうことが分かった。一方で、No.5~No.6の場合にはアルミ片が積層シート1の集塵層部分に集塵されて吸着されたままであった。
【0042】
【表3】
【0043】
(2)プレス金型における集塵効果の評価
上記の試験用の電気集塵機を、プレス金型(下型における材料切断鋼材付近の場所)に設置して、アルミ材料をワークとして用いて切断加工した際に発生する塵異物であるアルミ片(不定形だが、おおよその直径0.1mm~2.0mm程度)の集塵の効果を評価した。模式図を図5に示す。
【符号の説明】
【0044】
1…積層シート(電気集塵機)、2…集塵層、3…第一の絶縁層、4…第二の絶縁層、5…第三の絶縁層、6…密着固定層、7…第1の電極層、8…第2の電極層、9…欠損部(開口部)、10…金型、11…銅線、12…アルミ片、13…スケール
図1
図2
図3
図4
図5