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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055436
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230411BHJP
   B05B 17/06 20060101ALI20230411BHJP
   F21S 10/00 20060101ALI20230411BHJP
   F21V 9/12 20060101ALI20230411BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20230411BHJP
   F21V 9/45 20180101ALI20230411BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
F21S2/00 670
B05B17/06
F21S10/00 200
F21V9/12
F21V9/38
F21V9/45
F21V15/01 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164821
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】平松 孝浩
【テーマコード(参考)】
4D074
【Fターム(参考)】
4D074AA10
4D074BB02
4D074DD02
4D074DD12
4D074DD14
4D074DD18
4D074DD32
(57)【要約】
【課題】自由度が高い3次元の発光用空間にて発光する発光装置を得る。
【解決手段】霧化用容器1は、上方に発光用空間1sを確保した状態で、原料溶液15を収容している。超音波霧化装置101において、超音波振動子2による超音波振動処理の実行によって霧化用容器1内で蛍光体ミスト3が生成され、生成された蛍光体ミスト3は発光用空間1s内に留まる。この状態で、電磁波照射装置5から霧化用容器1の発光用空間1s内に向けて電磁波6が照射されると、発光用空間1s内の蛍光体ミスト3自体が発光する。蛍光体ミスト3の発光色は、原料溶液15に分散された蛍光体に固有の発光色により決定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光体が分散された原料溶液に対し超音波振動処理を行い蛍光体ミストを得る超音波霧化装置と、
前記蛍光体ミストを含む発光用空間に向けて電磁波を照射する電磁波照射装置とを備える、
発光装置。
【請求項2】
請求項1記載の発光装置であって、
前記超音波霧化装置は、
上方に前記発光用空間を確保した状態で、前記原料溶液を収容する霧化用容器と、
前記霧化用容器の外部に設けられ、前記霧化用容器内の前記原料溶液に対し前記超音波振動処理を実行する超音波振動子とを含み、
前記超音波振動子による前記超音波振動処理の実行によって前記霧化用容器内で前記蛍光体ミストが生成され、生成された前記蛍光体ミストは前記発光用空間内に留まる、
発光装置。
【請求項3】
請求項1記載の発光装置であって、
前記超音波霧化装置は、
前記原料溶液を収容する霧化用容器と、
前記霧化用容器の外部に設けられ、前記霧化用容器内の前記原料溶液に対し前記超音波振動処理を実行する超音波振動子とを含み、
前記発光装置は、
内部に前記発光用空間を有する発光用容器と、
前記霧化用容器と前記発光用容器との間に設けられるミスト供給配管とをさらに備え、
前記超音波振動子による前記超音波振動処理の実行によって、前記霧化用容器内で前記蛍光体ミストが生成され、生成された前記蛍光体ミストは前記ミスト供給配管を介して前記発光用容器内の前記発光用空間に供給される、
発光装置。
【請求項4】
請求項3記載の発光装置であって、
前記霧化用容器に前記原料溶液を供給する原料溶液供給部と、
前記原料溶液の液面高さ及び前記蛍光体ミストの発光状態のうち、少なくとも一つを発光関連情報として検知する発光関連検知器と、
前記原料溶液供給部から前記霧化用容器に供給される前記原料溶液の供給状態を制御する原料供給制御処理を実行する原料供給制御部とをさらに備え、
前記原料供給制御部は、前記発光関連情報に基づき、前記蛍光体ミストの発光状態が所定の発光状態となるように、前記原料供給制御処理を実行する、
発光装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4のうち、いずれか1項に記載の発光装置であって、
前記霧化用容器は入れ替え可能に前記原料溶液を収容する、
発光装置。
【請求項6】
請求項1記載の発光装置であって、
前記超音波霧化装置は第1~第N(N≧2)の超音波霧化装置を含み、前記蛍光体は第1~第Nの蛍光体を含み、前記原料溶液は第1~第Nの原料溶液を含み、前記蛍光体ミストは第1~第Nの蛍光体ミストを含み、
第i(i=1~Nのうちのいずれか)の超音波霧化装置は、第iの蛍光体が分散された第iの原料溶液に対し超音波振動処理を行い第iの蛍光体ミストを得ており、
前記第1~第Nの蛍光体は互い異なる第1~第Nの色成分を有し、
前記発光用空間は、前記第1~第Nの蛍光体ミストが混合した混合蛍光体ミストを含む、
発光装置。
【請求項7】
請求項6記載の発光装置であって、
前記第1~第Nの超音波霧化装置は第1~第Nの霧化用容器を含み、
前記第iの超音波霧化装置は、
前記第iの原料溶液を収容する第iの霧化用容器と、
前記第iの霧化用容器の外部に設けられ、前記第iの霧化用容器内の前記第iの原料溶液に対し前記超音波振動処理を実行する超音波振動子とを含み、
前記発光装置は、
内部に前記発光用空間を有する発光用容器と、
内部に混合用空間を有する混合用容器と、
前記第1~第Nの霧化用容器と前記混合用容器との間に設けられる第1~第Nの単独ミスト供給配管と、
前記混合用容器と前記発光用容器との間に設けられる混合ミスト供給配管とをさらに備え、
前記第iの超音波霧化装置における前記超音波振動子による前記超音波振動処理の実行によって、前記第iの霧化用容器内で第iの蛍光体ミストが生成され、生成された前記第iの蛍光体ミストは、第iの単独ミスト供給配管を介して前記混合用容器内の前記混合用空間に供給され、
前記混合用空間内で前記第1~第Nの蛍光体ミストが混合することにより前記混合蛍光体ミストが得られ、前記混合用空間内の前記混合蛍光体ミストは前記混合ミスト供給配管を介して前記発光用容器内の前記発光用空間に供給される、
発光装置。
【請求項8】
請求項7記載の発光装置であって、
前記発光用空間における前記混合蛍光体ミストの発光色を検出して発光色情報を得る発光色検出器と、
前記第1~第Nの霧化用容器から前記混合用容器への前記第1~第Nの蛍光体ミストそれぞれのミスト供給状態を制御するミスト供給制御処理を実行するミスト供給制御部とをさらに備え、
前記ミスト供給制御部は、前記発光色情報に基づき、前記発光用空間における前記混合蛍光体ミストの発光色が所定の発光色で発光するように前記ミスト供給制御処理を実行する、
発光装置。
【請求項9】
請求項6から請求項8のうち、いずれか1項に記載の発光装置であって、
N=3であり、
前記第1~第Nの蛍光体は第1~第3の蛍光体を含み、
前記第1の蛍光体の色成分は赤色であり、
前記第2の蛍光体の色成分は緑色であり、
前記第3の蛍光体の色成分は青色である、
発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3次元空間で発光する発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光装置に含まれる従来の照明装置は、点または面で構成される光源部を発光させて空間を照らす照明方式が主流であった。
【0003】
一方、3次元的に自在に配光制御可能な照明方式を採用した照明器具として、例えば、特許文献1で開示された照明器具がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-204803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示された照明器具は、3次元形状に配列された複数の発光素子の組合せ構造を光源部として用いている。複数の発光素子の組合せ構造を光源部として機能させるためには、複数の発光素子を設けるための実装基板や複数の発光素子に発光動作させるための配線パターン等の補助部材が必要となる。
【0006】
このため、従来の照明器具は、発光用空間を規定する光源部の構造は制限されてしまい、自由度の高い3次元の発光用空間を実現できないという問題点もあった。
【0007】
本開示は上記問題点を解決するためになされたもので、自由度が比較的高い3次元の発光用空間にて発光する照明機能を有する発光装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の発光装置は、蛍光体が分散された原料溶液に対し超音波振動処理を行い蛍光体ミストを得る超音波霧化装置と、前記蛍光体ミストを含む発光用空間に向けて電磁波を照射する電磁波照射装置とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の発光装置は、電磁波照射装置からの電磁波の照射によって、発光用空間内の蛍光体ミストを発光状態にすることにより、3次元の発光用空間を発光源とした照明機能を実現することができる。
【0010】
発光用空間には蛍光体ミスト以外は存在しないため、本開示の発光装置は、構成要素による制限を受けることなく、自由度の高い3次元の発光用空間を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1である発光装置の構成を模式的に示す説明図である。
図2】実施の形態1の変形例を模式的に示す説明図である。
図3】実施の形態2である発光装置の構成を模式的に示す説明図である。
図4】実施の形態2の発光装置における原料流量制御部及びその周辺の制御系を模式的に示す説明図である。
図5】実施の形態3である発光装置の構成を模式的に示す説明図である。
図6】実施の形態3の原料溶液供給部の構成を模式的に説明図である。
図7】実施の形態3の発光装置における原料流量制御部及びその周辺の制御系を模式的に示す説明図である。
図8】実施の形態3の変形例である発光装置の構成を模式的に示す説明図である。
図9】実施の形態3の変形例の発光装置におけるガス流量制御部及びその周辺の制御系を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<本開示の基礎技術>
蛍光体が分散された液体状の原料溶液に、周波数帯が100kHz~5kMHzの超音波振動を与えることにより、原料溶液の組成を反映した10μm以下の粒径の液滴により構成された、霧状の蛍光ミストを得ることができる。
【0013】
ここで、原料溶液は、遷移金属や希土類のイオンを発光イオンとして含む蛍光体が水などの液体に溶けることなく均一に分散された溶液となる。前述したように、原料溶液に対して超音波振動を与えることにより、分散された蛍光体を含む液滴にて構成される霧状の蛍光ミストが得られる。蛍光体は、紫外線などの電磁波が照射されることで様々な色に発光する物性を有する化合物である。このため、蛍光体と同様に蛍光体ミストに対して電磁波を照射すると、霧状の蛍光ミストそのものを発光させることができる。この原理を利用することにより、発生した霧状の蛍光ミストが存在する3次元空間そのものが発光する照明機能が実現できる。
【0014】
上述した基礎技術を利用することにより、3次元空間で発光する照明機能を有する、以下の実施の形態1~実施の形態3の発光装置を実現することができる。
【0015】
<実施の形態1>
図1は本開示の実施の形態1である発光装置81の構成を模式的に示す説明図である。同図に示すように、発光装置81は超音波霧化装置101、原料溶液供給部20及び電磁波照射装置5を主要構成要素として含んでいる。
【0016】
図1に示すように、超音波霧化装置101は、霧化用容器1、水槽10、及び超音波振動子2を主要構成要素として含んでいる。
【0017】
霧化用容器1内には、原料溶液15が収容される。霧化用容器1は、上方に発光用空間1sを確保した状態で、原料溶液15を収容している。原料溶液15は、前述したように、遷移金属や希土類のイオンを発光イオンとして含む蛍光体が分散された溶液である。
【0018】
水槽10の底面に4つの超音波振動子2(図1は2個のみ示す)が配設されている。なお、ミスト化器である超音波振動子2の数は、4つに限定されず、1つでも2つ以上であってもよい。以下、個数を限定しない場合、単に「超音波振動子2」として説明する。
【0019】
水槽10は超音波伝達媒体である超音波伝達水9で充填されている。超音波伝達水9は、水槽10の底面に配設された超音波振動子2から発生した超音波振動を、霧化用容器1内の原料溶液15へと伝達する機能を有している。
【0020】
つまり、超音波伝達水9は、超音波振動子2から印加された超音波の振動エネルギーを霧化用容器1内に伝達できるように、水槽10内に収容されている。
【0021】
霧化用容器1の底面全体が超音波伝達水9に浸るように、霧化用容器1及び水槽10は位置決め設定されている。すなわち、霧化用容器1の底面は、水槽10の底面に接することなく、水槽10の底面の上方に配置されて、霧化用容器1の底面と水槽10の底面との間に超音波伝達水9が存在する。
【0022】
このような構成の超音波霧化装置101において、超音波振動子2が超音波振動を印加する超音波振動処理を実行すると、超音波の振動エネルギーが超音波伝達水9及び霧化用容器1の底面を介して、霧化用容器1内の原料溶液15に伝達される。
【0023】
すると、原料溶液15は粒径が10μm以下のミストへと移行することにより、霧化用容器1内で蛍光体ミスト3が得られる。霧化用容器1内の発光用空間1sは閉じた空間であるため、霧化用容器1内で生成された蛍光体ミスト3は発光用空間1s内に留まり発光対象となる。
【0024】
原料溶液供給部20は、容器21、ポンプ22、流量計23及び原料溶液供給側配管24を主要構成要素として含んでいる。容器21は原料溶液15を収容している。
【0025】
このような構成の原料溶液供給部20において、ポンプ22がオン状態の時は原料溶液供給側配管24を介して、容器21から霧化用容器1に原料溶液15が供給される。原料溶液供給側配管24を流れる原料溶液15の流量は流量計23にて測定される。
【0026】
一方、原料溶液供給部20において、ポンプ22がオフ状態の時は、容器21から霧化用容器1に原料溶液15が供給されることはない。
【0027】
電磁波照射装置5は例えばUV(Ultra Violet)ランプ等で構成され、霧化用容器1の発光用空間1sに向けて、紫外線等の電磁波6を照射している。
【0028】
霧化用容器1は電磁波を透過する材質で構成している。例えば、電磁波照射装置5がUVランプである場合、霧化用容器1は紫外線を透過する石英ガラス等を構成材料とすることが考えられる。
【0029】
このような構成の実施の形態1の発光装置81において、超音波振動子2による超音波振動処理の実行によって霧化用容器1内で蛍光体ミスト3が生成される。霧化用容器1内の発光用空間1sは閉じた空間であるため、生成された蛍光体ミスト3は発光用空間1s内に留まる。
【0030】
そして、電磁波照射装置5から発光用空間1s内に向けて電磁波6が照射されると、発光用空間1s内の蛍光体ミスト3自体が発光する。この際、蛍光体ミスト3の発光色は、原料溶液15に分散された蛍光体に固有の発光色により決定される。また、電磁波6の種類が蛍光体ミスト3の発光色に影響を与えることはない。
【0031】
実施の形態1の発光装置81は、霧化用容器1内の発光用空間1sに蛍光体ミスト3が留まった態で、電磁波照射装置5から発光用空間1sに向けて電磁波6を照射することにより、発光用空間1s内の蛍光体ミスト3を発光状態にすることができる。
【0032】
発光用空間1sには蛍光体ミスト3以外は存在しないため、実施の形態1の発光装置81は、構成要素による制限を受けることなく、自由度の高い3次元の発光用空間1sを実現することができる。
【0033】
加えて、実施の形態1の発光装置81は、必須となる構成要素を超音波霧化装置101と電磁波照射装置5との組合せとすることにより、装置構成の簡略化を図ることがきる。なお、後述するように、実施の形態1の発光装置81において、原料溶液供給部20は必須の構成要素ではない。
【0034】
前述したように、霧化用容器1内の発光用空間1sは閉じた空間である。したがって、発光用空間1s内の蛍光体ミスト3が沈降して霧化用容器1に収容されている原料溶液15に戻る。原料溶液15は超音波振動子2の超音波振動処理の実行によって常にミスト化されているため、沈降した蛍光体ミスト3を原料溶液15として再利用することができる。したがって、超音波霧化装置101は、原料溶液15の高い利用効率を図ることができる。
【0035】
このため、原料溶液供給部20は、霧化用容器1内の原料溶液15が不足した際の補充用に予備的に用いれば良いため、発光装置81の必須構成要素ではない。
【0036】
さらに、実施の形態1の発光装置81は、超音波霧化装置101内に発光用空間1sを確保することにより、余分に発光用空間1sを設ける必要がない分、簡単な構成で照明機能を実現することができる。
【0037】
(変形例)
実施の形態1の変形例として、原料溶液15が霧化用容器1内で入れ替え可能に収容される原料溶液可変構成を採用することが考えられる。
【0038】
図2は実施の形態1の変形例を模式的に示す説明図である。同図に示すように、超音波霧化装置101の霧化用容器1(1X,1Y)及び原料溶液供給部20の容器21(21X,21Y)をそれぞれ取り換え可能にすることにより、原料溶液可変構成を実現している。
【0039】
例えば、図2に示すように、各々が原料溶液15Xを収容していた霧化用容器1X及び容器21Xの組合せからなる第1の構成を、各々が原料溶液15Yを収容する霧化用容器1Y及び容器21Yの組合せからなる第2の構成に置き換えることができる。
【0040】
すなわち、実施の形態1における変形例の霧化用容器は霧化用容器1X及び1Yを含み、原料溶液供給部20で用いる容器は容器21X及び21Yを含むことにより、変形例の霧化用容器及び容器はそれぞれ入れ替え可能に原料溶液15を収容することができる。
【0041】
その結果、原料溶液15Xで使用していた蛍光体と異なる蛍光体を分散させた原料溶液15Yを新たな原料溶液15とすることができる。
【0042】
実施の形態1の変形例では、原料溶液15は霧化用容器1内に入れ替え可能に収容されるため、所望の蛍光体が分散された原料溶液15を霧化用容器1に収容して、蛍光体ミスト3の発光色を適時変更することができる。
【0043】
なお、原料溶液可変構成は、図2で示した変形例の構成に限定されない。例えば、霧化用容器1及び容器21を交換することなく、霧化用容器1及び容器21それぞれで入れ替え可能に原料溶液15を収容する構成を採用しても良い。
【0044】
<実施の形態2>
図3は本開示の実施の形態2である発光装置82の構成を模式的に示す説明図である。同図に示すように、発光装置82は超音波霧化装置102、原料溶液供給部20、電磁波照射装置5、ミスト供給配管7、発光用容器40及びセンサー31を主要構成要素として含んでいる。
【0045】
以下、実施の形態1と同一の構成要素は同一符号を付すことにより説明を適宜省略し、実施の形態2の特徴部分を中心に説明する。
【0046】
図3に示すように、超音波霧化装置102は、霧化用容器11、水槽10、ガス供給配管4、超音波振動子2及び液面位置検知センサー35を主要構成要素として含んでいる。
【0047】
実施の形態1の霧化用容器1と同様、霧化用容器11内には、原料溶液15が収容される。
【0048】
実施の形態1と同様、水槽10の底面に4つの超音波振動子2(図3は2個のみ示す)が配設されている。
【0049】
霧化用容器11は内部に液面位置検知センサー35を有している。液面位置検知センサー35は、原料溶液15の液面高さ位置を検知することができるセンサーである。液面位置検知センサー35の一部は、原料溶液15に浸っている。液面位置検知センサー35は、原料溶液15の液面15aの位置を検出し、検出した液面15aの位置を示すセンサー情報S35を得る。
【0050】
超音波霧化装置102における蛍光体ミスト13のミスト化効率は、原料溶液15の液面15aの位置に依存する。通常、ミスト化効率が最も良い高さ位置となるように原料溶液15の液面15aは保持される。ここで、ミスト化効率が最も良い液面15aの位置は、実験等により予め既知であり、超音波霧化装置102において、基準液面高さとして予めに設定されている。
【0051】
蛍光体ミスト13のミスト化効率によって、発光用空間30s内の蛍光体ミスト3の濃度も変化するため、液面15aの高さの変化に伴い、蛍光体ミスト3の発光強度も変化することになる。
【0052】
したがって、超音波振動子2に印加する電圧を一定に保った状態で、原料溶液15の液面15aの高さを一定にすることにより、超音波霧化装置102から発生する単位時間当たりの蛍光体ミスト13の発生量を一定に保つことができる。その結果、電磁波6の照射によって発光する蛍光体ミスト3の発光強度も一定に保つことができる。
【0053】
このような構成の超音波霧化装置102において、超音波振動子2が超音波振動を印加する超音波振動処理を実行すると、超音波の振動エネルギーが超音波伝達水9及び霧化用容器11の底面を介して、霧化用容器11内の原料溶液15に伝達される。
【0054】
すると、原料溶液15は粒径が10μm以下のミストへと移行することにより、霧化用容器11内で蛍光体ミスト13が得られる。
【0055】
この際、原料溶液15の液面15aの高さと、超音波振動子2に印加する電圧を一定に保つことにより、超音波霧化装置102から発生する蛍光体ミスト13の単位時間当たりのミスト発生量が一定となる。
【0056】
一方、霧化用容器11の上面にガス供給配管4及びミスト供給配管7が互いに独立して配設されている。ミスト供給配管7は、霧化用容器11の上面のミスト通過口(図示せず)を介して霧化用容器11内と接続される。
【0057】
ガス供給配管4からはキャリアガスG4が霧化用容器11内に供給される。キャリアガスG4は、超音波振動子2によりミスト化された蛍光体ミスト13(図3参照)を、ミスト供給配管7を介して発光用容器30へと搬送するために所定の流量で霧化用容器11内に供給される。キャリアガスG4として、たとえば高濃度の不活性ガスを採用することができる。
【0058】
発光用容器30は内部に発光用空間30sを有しており、発光用容器30と霧化用容器11との間にミスト供給配管7が設けられている。ミスト供給配管7は霧化用容器11と発光用容器30との間でミスト含有ガスG3が伝搬可能に設けられる。ミスト含有ガスG3は蛍光体ミスト13がキャリアガスG4によって搬送された状態のガスを意味する。
【0059】
電磁波照射装置5は例えばUVランプ等で構成され、発光用容器30の発光用空間30sに向けて、紫外線等の電磁波6を照射している。
【0060】
発光用容器30は電磁波を透過する材質で構成している。例えば、電磁波照射装置5がUVランプである場合、発光用容器30は紫外線を透過すする石英ガラス等を構成材料とすることが考えられる。
【0061】
原料溶液供給部20は、実施の形態1と同様、容器21、ポンプ22、流量計23及び原料溶液供給側配管24を主要構成要素として含んでいる。容器21は原料溶液15を収容している。流量計23は原料溶液供給側配管24を流れる流量を測定して、測定した流量を示す測定流量情報S23を得る。
【0062】
実施の形態2では、超音波霧化装置102外に蛍光体ミスト13を含むミスト含有ガスG3を出力しているため、実施の形態1の超音波霧化装置101のように蛍光体ミスト13を再利用することはできない。このため、常時、原料溶液供給部20より原料溶液15を霧化用容器11に供給する必要がある。すなわち、実施の形態2において、原料溶液供給部20は必須の構成要素となる。
【0063】
このような構成の実施の形態2の発光装置82において、超音波振動子2による超音波振動処理の実行によって霧化用容器11内で蛍光体ミスト13が生成される。生成された蛍光体ミスト13は、ガス供給配管4から供給されるキャリアガスG4によって、ミスト供給配管7を伝搬するミスト含有ガスG3となる。ミスト含有ガスG3は、ミスト供給配管7を介して最終的に発光用容器30の発光用空間30s内に搬送される。
【0064】
発光用容器30内の発光用空間30sは閉じた空間であるため、発光用容器30に搬送されたミスト含有ガスG3は、発光対象の蛍光体ミスト3として発光用空間30s内に留まる。
【0065】
この状態で、電磁波照射装置5から発光用空間30s内に向けて電磁波6が照射されると、発光用空間30s内の発光対象の蛍光体ミスト3自体が発光する。この際、蛍光体ミスト3の発光色は、原料溶液15に分散された蛍光体に固有の発光色により決定される。
【0066】
なお、キャリアガスG4が蛍光体ミスト3の発光色に影響を与えることはない。なぜなら、窒素ガス等のキャリアガスG4は電磁波6をほとんど吸収しないため、キャリアガスG4の存在が蛍光体ミスト3への電磁波6の照射に対する阻害要因とならないからである。
【0067】
センサー31は発光用空間30s内の蛍光体ミスト3による発光状態を検知し、検知した発光状態を指示するセンサー情報S32を得ている。発光状態として、例えば、発光強度や発光色が考えられる。
【0068】
図4は実施の形態2の発光装置82における原料流量制御部17及びその周辺の制御系を模式的に示す説明図である。
【0069】
原料流量制御部17は、流量計23より測定流量情報S23を受け、センサー31よりセンサー情報S31を受け、液面位置検知センサー35よりセンサー情報S35を受ける。
【0070】
原料流量制御部17は、測定流量情報S23が示す測定流量によって、原料溶液供給側配管24を流れる流量を常に認識している。
【0071】
原料流量制御部17は、測定流量情報S23、センサー情報S32及びセンサー情報S35に基づき、後述する流量制御条件を満足するように、ポンプ22の駆動量を指示するポンプ駆動信号S17を出力する原料供給制御処理を実行する。すなわち、原料流量制御部17は、原料溶液供給部20から霧化用容器11に供給される原料溶液15の供給状態を制御する原料供給制御処理を実行する。
【0072】
上述した流量制御条件として例えば以下の条件(1)及び条件(2)のうち少なくとも1つの条件が該当する。
条件(1)…センサー情報S31が示す発光状態が所定の発光状態から許容範囲内にある。
条件(2)…センサー情報S35が示す原料溶液15の液面15aの位置が所定の液面高さから許容範囲内にある。
【0073】
条件(1)の場合の流量制御内容を具体的に説明する。例えば、発光状態となる発光強度が所定の強度から許容範囲を超えて下回る場合、原料流量制御部17は、ポンプ22の駆動能力を上げるポンプ駆動信号S17をポンプ22に付与し、原料溶液供給側配管24を流れる流量を増加させる。逆に、発光強度が所定の強度から許容範囲を超えて上回る場合、ポンプ22の駆動能力を下げ、原料溶液供給側配管24を流れる流量を減少させる。
【0074】
このように、条件(1)を流量制限条件とした場合、蛍光体ミスト3の発光状態を示すセンサー情報S31が発光関連情報となり、センサー31が発光関連検知器として機能する。
【0075】
条件(2)の場合の流量制御内容を具体的に説明する。例えば、液面15aの位置が所定の液面高さから許容範囲を超えて下回る場合、原料流量制御部17は、ポンプ22の駆動能力を上げるポンプ駆動信号S17をポンプ22に付与し、原料溶液供給側配管24を流れる流量を増加させて原料溶液15の液面15aを上昇させる。逆に、液面15aの位置が所定の液面高さから許容範囲を超えて上回る場合、ポンプ22の駆動能力を下げ、原料溶液供給側配管24を流れる流量を減少させて原料溶液15の液面15aを下降させる。
【0076】
このように、条件(2)を流量制限条件とする場合、原料溶液15の液面15aの高さを示すセンサー情報S35が発光関連情報となり、液面位置検知センサー35が発光関連検知器として機能する。
【0077】
上述した条件(2)は、原料溶液15の液面15aが所定の液面高さになるようにして、蛍光体ミスト3の発光強度が所定の強度になるようにする条件となる。
【0078】
したがって、条件(1)及び条件(2)を含む流量制御条件は、蛍光体ミスト3の発光状態が所定の状態を満足する条件となる。すなわち、上記発光関連情報が流量制御条件(条件(1)または条件(2))を満足する場合、蛍光体ミスト3の発光状態が所定の発光状態となる。
【0079】
このように、原料供給制御部となる原料流量制御部17は、センサー情報S31またはセンサー情報S35である発光関連情報に基づき、蛍光体ミスト3の発光状態が所定の発光状態となるように、ポンプ駆動信号S17をポンプ22に付与する原料供給制御処理を実行する。
【0080】
なお、条件(1)を流量制御条件とする場合は、液面位置検知センサー35は不要となり、条件(2)を流量制御条件とする場合は、センサー31が不要となる。
【0081】
実施の形態2の発光装置82は、発光用空間30sに蛍光体ミスト3が留まった状態で、電磁波照射装置5から発光用空間30sに向けて電磁波6を照射することにより、発光用空間30s内の蛍光体ミスト3を発光状態にすることができる。
【0082】
その結果、実施の形態2の発光装置82は、実施の形態1と同様、自由度の高い3次元の発光用空間30sを実現することができる。
【0083】
実施の形態2の発光装置82は、専用の発光用容器30内に発光用空間30sを確保することにより、超音波霧化装置102とは異なる発光用容器30内の発光用空間30sを発光源とすることができる。
【0084】
その結果、実施の形態2の発光装置82は、超音波霧化装置102外に発光用空間30sを設けることができる分、発光源となる発光用空間30sの設置自由度を高めることができる。
【0085】
すなわち、実施の形態2の発光装置82は、任意の位置に設けた3次元空間において蛍光体ミスト3を発光させることができる。
【0086】
原料供給制御部である原料流量制御部17は、発光関連情報(センサー情報S31またはセンサー情報S35)に基づき、蛍光体ミスト3が所定の発光状態で発光するように原料供給制御処理を実行している。
【0087】
このため、実施の形態2の発光装置82は、長期間に亘って、発光用空間30sにおける蛍光体ミスト3の発光状態を安定させることができるため、安定性の高い照明機能を発揮することができる。
【0088】
(変形例)
実施の形態2の変形例として、実施の形態1の変形例と同様、原料溶液15が霧化用容器11内で入れ替え可能に収容されるように構成することが考えられる。
【0089】
例えば、図2に示すように、各々が原料溶液15Xを収容していた霧化用容器11X及び容器21Xの組合せからなる第1の構成を、各々が原料溶液15Yを収容する霧化用容器11Y及び容器21Yの組合せからなる第2の構成に置き換えることができる。
【0090】
すなわち、実施の形態2において、変形例の霧化用容器は霧化用容器1X及び1Yを含み、原料溶液供給部20用の容器は容器21X及び21Yを含むことにより、変形例の霧化用容器及び容器はそれぞれ入れ替え可能に原料溶液15を収容することができる。
【0091】
その結果、原料溶液15Xで使用していた蛍光体と異なる蛍光体を分散させた原料溶液15Yを新たな原料溶液15とすることができる。
【0092】
実施の形態2の変形例では、原料溶液15は霧化用容器11内に入れ替え可能に収容されるため、所望の蛍光体が分散された原料溶液15を霧化用容器11に収容して、蛍光体ミスト3の発光色を適時変更することができる。
【0093】
なお、原料溶液可変構成は、図2で示した変形例の構成に限定されない。例えば、霧化用容器11及び容器21を交換することなく、霧化用容器11及び容器21それぞれで入れ替え可能に原料溶液15を収容する構成を採用しても良い。
【0094】
<実施の形態3>
図5は本開示の実施の形態3である発光装置83の構成を模式的に示す説明図である。図6は原料溶液供給部20R,20G及び20Bの構成を模式的に説明図である。
【0095】
これらの図に示すように、発光装置83は超音波霧化装置102R、102G及び102B、原料溶液供給部20R,20G及び20B、電磁波照射装置5、発光用容器40、混合用容器50、ミスト供給配管7R、7G及び7B、並びに混合ミスト供給配管8を主要構成要素として含んでいる。
【0096】
以下、実施の形態1や実施の形態2と同一の構成要素は同一符号を付すことにより説明を適宜省略し、実施の形態3の特徴部分を中心に説明する。
【0097】
図5に示すように、第1の超音波霧化装置である超音波霧化装置102Rは、霧化用容器11R、水槽10、ガス供給配管4、超音波振動子2及び液面位置検知センサー35Rを主要構成要素として含んでいる。第2の超音波霧化装置である超音波霧化装置102Gは、霧化用容器11G、水槽10、ガス供給配管4、超音波振動子2及び液面位置検知センサー35Gを主要構成要素として含んでいる。第3の超音波霧化装置である超音波霧化装置102Bは、霧化用容器11B、水槽10、ガス供給配管4、超音波振動子2及び液面位置検知センサー35Bを主要構成要素として含んでいる。
【0098】
第1の霧化用容器である霧化用容器11R内には第1の原料溶液である原料溶液15Rが収容され、第2の霧化用容器である霧化用容器11G内に第2の原料溶液である原料溶液15Gが収容され、第3の霧化用容器である霧化用容器11B内には第3の原料溶液である原料溶液15Bが収容される。原料溶液15R、15G及び15Bはそれぞれ遷移金属や希土類のイオンを発光イオンとして含む蛍光体が分散された溶液である。
【0099】
原料溶液15Rは第1の蛍光体が分散された溶液であり、原料溶液15Gは第2の蛍光体が分散された溶液であり、原料溶液15Bは第3の蛍光体が分散された溶液である。第1の蛍光体の色成分は赤色であり、第2の蛍光体の色成分は緑色であり、第3の蛍光体の色成分は青色である。
【0100】
色成分が赤色の第1の蛍光体の具体例として、組成式が{Y:Eu}、{YVO:Eu}、{YS:Eu}等の蛍光体が考えられる。
【0101】
色成分が緑色の第2の蛍光体の具体例として、組成式が{ZnS:Cu,Al}、{LaPO:Ce,Tb}等の蛍光体が考えられる。
【0102】
色成分が青色の第3の蛍光体の具体例として、組成式が{ZnS:Ag}、{BaMgAl1017:Eu}等の蛍光体が考えられる。
【0103】
実施の形態1と同様、超音波霧化装置102R、102G及び102Bそれぞれの水槽10の底面に4つの超音波振動子2(図5は2個のみ示す)が配設されている。
【0104】
霧化用容器11Rは内部に液面位置検知センサー35Rを有している。液面位置検知センサー35Rは、実施の形態2の原料溶液15と同様、原料溶液15Rの液面高さ位置を検知することができるセンサーである。液面位置検知センサー35Rは、原料溶液15Rの液面15aの位置を検出し、検出した液面15aの位置を示すセンサー情報S35Rを得る。
【0105】
同様に、霧化用容器11Gは液面位置検知センサー35Gを有しており、液面位置検知センサー35Gから原料溶液15Gの液面15aの位置を示すセンサー情報S35Gが得られる。
【0106】
同様に、霧化用容器11Bは液面位置検知センサー35Bを有しており、液面位置検知センサー35Bから原料溶液15Bの液面15aの位置を示すセンサー情報S35Bが得られる。
【0107】
超音波霧化装置102R、102G及び102Bにおける蛍光体ミスト13R、13G及び13Bそれぞれのミスト化効率は、原料溶液15R、15G及び15Bそれぞれの液面15aの位置に依存する。通常、ミスト化効率が最も良い高さ位置となるように原料溶液15R、15G及び15Bそれぞれの液面15aは保持される。ここで、ミスト化効率が最も良い原料溶液15R、15G及び15Bそれぞれ液面15aの位置は、実験等により予め既知であり、超音波霧化装置102R、102G及び102Bそれぞれにおいて、基準液面高さとして予めに設定されている。
【0108】
このような構成の超音波霧化装置102Rにおいて、超音波振動子2が超音波振動を印加する超音波振動処理を実行すると、超音波の振動エネルギーが超音波伝達水及び霧化用容器11Rの底面を介して、霧化用容器11R内の原料溶液15Rに伝達される。同様に、超音波霧化装置102Gにおいて超音波の振動エネルギーが霧化用容器11G内の原料溶液15Gに伝達され、超音波霧化装置102Bにおいて超音波の振動エネルギーが霧化用容器11B内の原料溶液15Bに伝達される。
【0109】
すると、原料溶液15Rは粒径が10μm以下のミストへと移行することにより、霧化用容器11R内で蛍光体ミスト13Rが得られる。同様に、霧化用容器11G内で蛍光体ミスト13Gが得られ、霧化用容器11B内で蛍光体ミスト13Bが得られる。
【0110】
霧化用容器11Rの上面にガス供給配管4及びミスト供給配管7Rが互いに独立して配設されている。単独ミスト供給配管であるミスト供給配管7Rは、霧化用容器11Rの上面のミスト通過口(図示せず)を介して霧化用容器11R内と接続される。
【0111】
同様に、霧化用容器11Gの上面にガス供給配管4及びミスト供給配管7Gが互いに独立して配設されている。単独ミスト供給配管であるミスト供給配管7Gは、霧化用容器11Gの上面のミスト通過口(図示せず)を介して霧化用容器11G内と接続される。
【0112】
同様に、霧化用容器11Bの上面にガス供給配管4及びミスト供給配管7Bが互いに独立して配設されている。単独ミスト供給配管であるミスト供給配管7Bは、霧化用容器11Bの上面のミスト通過口(図示せず)を介して霧化用容器11B内と接続される。
【0113】
そして、実施の形態2と同様、超音波霧化装置102R、102G及び102Bそれぞれのガス供給配管4からはキャリアガスG4が霧化用容器11R、11G及び11B内に供給される。
【0114】
混合用容器50は内部に混合用空間50sを有しており、混合用容器50と霧化用容器11R、11G及び11Bとの間に各々が単独ミスト供給配管となるミスト供給配管7R、7G及び7Bが設けられている。
【0115】
ミスト供給配管7Rは霧化用容器11Rと混合用容器50との間でミスト含有ガスG3Rが伝搬可能に設けられる。同様に、ミスト供給配管7Gは霧化用容器11Gと混合用容器50との間でミスト含有ガスG3Gが伝搬可能に設けられ、ミスト供給配管7Bは霧化用容器11Bと混合用容器50との間でミスト含有ガスG3Bが伝搬可能に設けられる。
【0116】
ミスト含有ガスG3Rは蛍光体ミスト13RがキャリアガスG4によって搬送された状態のガスを意味し、ミスト含有ガスG3Gは蛍光体ミスト13GがキャリアガスG4によって搬送された状態のガスを意味し、ミスト含有ガスG3Bは蛍光体ミスト13BがキャリアガスG4によって搬送された状態のガスを意味する。
【0117】
発光用容器40は内部に発光用空間40sを有しており、発光用容器40と混合用容器50との間に混合ミスト供給配管8が設けられている。混合ミスト供給配管8は混合用容器50と発光用容器40との間で混合ミスト含有ガスG33が伝搬可能に設けられる。混合ミスト含有ガスG33は、蛍光体ミスト13R、13G及び13BそれぞれのキャリアガスG4の組合せによって、混合蛍光体ミスト33が搬送された状態を意味する。
【0118】
電磁波照射装置5は例えばUVランプ等で構成され、発光用容器40の発光用空間40sに向けて、紫外線等の電磁波6を照射している。
【0119】
発光用容器40は電磁波を透過する材質で構成している。例えば、電磁波照射装置5がUVランプである場合、発光用容器40は紫外線を透過すする石英ガラス等を構成材料とすることが考えられる。
【0120】
図6に示すように、原料溶液供給部20Rは、実施の形態1の原料溶液供給部20と同様、容器21R、ポンプ22R、流量計23R及び原料溶液供給側配管24Rを主要構成要素として含んでいる。容器21Rは原料溶液15Rを収容している。流量計23Rは原料溶液供給側配管24Rを流れる流量を測定して、測定した流量を示す測定流量情報S23Rを得る。原料溶液供給側配管24Rは霧化用容器11Rに接続される。
【0121】
同様に、原料溶液供給部20Gは、容器21G、ポンプ22G、流量計23G及び原料溶液供給側配管24Gを主要構成要素として含んでいる。容器21Gは原料溶液15Gを収容している。流量計23Gは原料溶液供給側配管24Gを流れる流量を測定して、測定した流量を示す測定流量情報S23Gを得る。原料溶液供給側配管24Gは霧化用容器11Gに接続される。
【0122】
同様に、原料溶液供給部20Bは、容器21B、ポンプ22B、流量計23B及び原料溶液供給側配管24Bを主要構成要素として含んでいる。容器21Bは原料溶液15Bを収容している。流量計23Bは原料溶液供給側配管24Bを流れる流量を測定して、測定した流量を示す測定流量情報S23Bを得る。原料溶液供給側配管24Bは霧化用容器11Bに接続される。
【0123】
このような構成の実施の形態3の発光装置83において、超音波霧化装置102Rの超音波振動子2による超音波振動処理の実行によって霧化用容器11R内で蛍光体ミスト13Rが生成される。生成された蛍光体ミスト13Rは、ガス供給配管4から供給されるキャリアガスG4によって、ミスト供給配管7Rを伝搬するミスト含有ガスG3Rとなる。ミスト含有ガスG3Rは、ミスト供給配管7Rを介して混合用容器50の混合用容器50内に搬送される。
【0124】
同様に、霧化用容器11G内で生成された蛍光体ミスト13Gは、ミスト含有ガスG3Gとしてミスト供給配管7Gを介して混合用容器50の混合用空間50s内に搬送される。同様に、霧化用容器11B内で生成された蛍光体ミスト13Bは、ミスト含有ガスG3Bとしてミスト供給配管7Bを介して混合用容器50の混合用空間50s内に搬送される。
【0125】
混合用容器50に搬送されたミスト含有ガスG3R、G3G及びG3Bは、混合用空間50s内で混合して混合蛍光体ミスト33となる。その後、混合蛍光体ミスト33を含む混合ミスト含有ガスG33は混合ミスト供給配管8を伝搬し、混合ミスト供給配管8を介して発光用容器40の発光用空間40s内に供給される。
【0126】
発光用容器40内の発光用空間40sは閉じた空間であるため、混合ミスト含有ガスG33は発光用空間40s内において発光対象の混合蛍光体ミスト3Mとして留まる。
【0127】
そして、電磁波照射装置5から発光用空間40s内に向けて電磁波6が照射されると、発光用空間40s内の発光対象の混合蛍光体ミスト3M自体が発光する。この際、混合蛍光体ミスト3Mの発光色は、第1~第3の蛍光体の組合せによる固有の発光色で決定される。
【0128】
図7は実施の形態3の発光装置83における原料流量制御部17R及びその周辺の制御系を模式的に示す説明図である。
【0129】
原料流量制御部17Rは、流量計23Rより測定流量情報S23Rを受け、液面位置検知センサー35Rよりセンサー情報S35Rを受ける。
【0130】
原料流量制御部17Rは、測定流量情報S23R及びセンサー情報S35Rに基づき、個別流量制御条件を満足するように、ポンプ22Rの駆動量を指示するポンプ駆動信号S17Rを出力する原料供給制御処理を実行する。
【0131】
原料流量制御部17Rにおける個別流量制御条件は、「センサー情報S35Rが示す原料溶液15Rの液面15aの位置が所定の液面高さから許容範囲内にある。」である。
【0132】
また、原料流量制御部17Gにおける個別流量制御条件は、「センサー情報S35Gが示す原料溶液15Gの液面15aの位置が所定の液面高さから許容範囲内にある。」であり、原料流量制御部17Bにおける個別流量制御条件は、「センサー情報S35Gが示す原料溶液15Gの液面15aの位置が所定の液面高さから許容範囲内にある。」である。
【0133】
以下、原料流量制御部17Rを例にして、上記した個別流量制御条件における流量制御内容を具体的に説明する。原料溶液15Rの液面15aの位置が所定の液面高さから許容範囲を超えて下回る場合、原料流量制御部17Rは、ポンプ22Rの駆動能力を上げるポンプ駆動信号S17Rをポンプ22Rに付与し、原料溶液供給側配管24Rを流れる流量を増加させて原料溶液15Rの液面15aを上昇させる。
【0134】
逆に、原料溶液15Rの液面15aの位置から所定の液面高さから許容範囲を超えて上回る場合、ポンプ22Rの駆動能力を下げ、原料溶液供給側配管24を流れる流量を減少させて原料溶液15Rの液面15aを下降させる。
【0135】
したがって、第1の原料供給制御部となる原料流量制御部17Rは、センサー情報S35Rに基づき、センサー情報S35Rが示す原料溶液15Rの液面15aの位置が原料流量制御部17Rの個別流量制御条件を満足するように、ポンプ駆動信号S17Rをポンプ22Rに付与する第1の原料供給制御処理を実行する。
【0136】
同様に、第2の原料供給制御部となる原料流量制御部17Gは、センサー情報S35Gに基づき、センサー情報S35Gが示す原料溶液15Gの液面15aの位置が原料流量制御部17Gの個別流量制御条件を満足するように、ポンプ駆動信号S17Gをポンプ22Gに付与する第2の原料供給制御処理を実行する。
【0137】
同様に、第3の原料供給制御部となる原料流量制御部17Bは、センサー情報S35Bに基づき、センサー情報S35Bが示す原料溶液15Bの液面15aの位置が原料流量制御部17Bの流量制御条件を満足するように、ポンプ駆動信号S17Bをポンプ22Bに付与する第3の原料供給制御処理を実行する。
【0138】
このような構成の超音波霧化装置102R、102G及び102Bそれぞれにおいて、超音波振動子2が超音波振動を印加する超音波振動処理を実行すると、超音波の振動エネルギーが超音波伝達水9及び霧化用容器11の底面を介して、霧化用容器11R、11G及び11B内の原料溶液15R、15G及び15Bに伝達される。
【0139】
すると、原料溶液15R、15G及び15Bはそれぞれ粒径が10μm以下のミストへと移行することにより、霧化用容器11R、11G及び11B内で蛍光体ミスト13R、13G及び13Bが得られる。
【0140】
この際、原料溶液15R、15G及び15Bそれぞれ液面15aの高さと、超音波霧化装置102R、102G及び102Bそれぞれの超音波振動子2に印加する電圧を一定に保つことにより、超音波霧化装置102R、102G及び102Bから発生する蛍光体ミスト13R、13G及び13Bそれぞれの単位時間当たりのミスト発生量が一定となる。
【0141】
超音波霧化装置102Rのガス供給配管4からはキャリアガスG4が霧化用容器11Rに供給される。キャリアガスG4は、蛍光体ミスト13Rを含むミスト含有ガスG3Rがミスト供給配管7Rを介して混合用容器50に搬送されるように第1の流量で霧化用容器11R内に供給される。
【0142】
同様に、超音波霧化装置102Gのガス供給配管4からはキャリアガスG4が霧化用容器11Gに供給される。キャリアガスG4は、蛍光体ミスト13Gを含むミスト含有ガスG3Gがミスト供給配管7Gを介して混合用容器50に搬送するために第2の流量で霧化用容器11G内に供給される。
【0143】
同様に、超音波霧化装置102Bのガス供給配管4からはキャリアガスG4が霧化用容器11Bに供給される。キャリアガスG4は、蛍光体ミスト13Bを含むミスト含有ガスG3Bがミスト供給配管7Bを介して混合用容器50に搬送されるように第3の流量で霧化用容器11B内に供給される。
【0144】
混合用容器50に搬送されたミスト含有ガスG3R、G3G及びG3Bは、混合用空間50s内で混合されることにより、混合蛍光体ミスト33が得られる。
【0145】
その後、ミスト含有ガスG3R、G3G及びG3Bの組合せによる搬送能力によって、混合蛍光体ミスト33を含む混合ミスト含有ガスG33が混合ミスト供給配管8を搬送する。
【0146】
最終的に、混合ミスト含有ガスG33は混合ミスト供給配管8を介して発光用容器40の発光用空間40s内に搬送される。
【0147】
発光用容器40内の発光用空間40sは閉じた空間であるため、発光用容器40に搬送された混合ミスト含有ガスG33は、発光対象の混合蛍光体ミスト3Mとして発光用空間40s内に留まる。
【0148】
この状態で、電磁波照射装置5から発光用空間40s内に向けて電磁波6が照射されると、発光用空間40s内の発光対象の混合蛍光体ミスト3M自体が発光する。この際、混合蛍光体ミスト3Mの発光色は、第1~第3の蛍光体に固有の色成分の組合せより決定される。
【0149】
実施の形態3の発光装置83は、発光用空間40s内に混合蛍光体ミスト3Mが留まった状態で、電磁波照射装置5から発光用空間40sに向けて電磁波6を照射することにより、発光用空間40s内の混合蛍光体ミスト3Mを発光状態にすることができる。
【0150】
その結果、実施の形態3の発光装置83は、実施の形態1及び実施の形態2と同様、自由度の高い3次元の発光用空間40sを実現することができる。
【0151】
実施の形態3の発光装置83は、電磁波照射装置5からの電磁波6の照射によって、発光用空間40sで第1~第N(N=3)の蛍光体ミストが混合した混合蛍光体ミスト3Mを発光状態にすることにより、第1~第Nの色成分の組合せからなる発光色の照明機能を実現することができる。
【0152】
ここで、第1の蛍光体ミストは蛍光体ミスト13Rであり、第2の蛍光体ミストが蛍光体ミスト13Gであり、第3の蛍光体ミストが蛍光体ミスト13Gとなる。
【0153】
実施の形態3の発光装置83は、専用の混合用容器50を有しており、この混合用容器50の混合用空間50s内で第1~第N(N=3)の蛍光体ミストを混合させることにより、第1~第Nの蛍光体ミストの混合度合が高い混合蛍光体ミスト33を得ることができる。
【0154】
その結果、実施の形態3の発光装置83は、発光用容器40内の発光用空間40sにて所望の発光色(所定の発光色)で精度良く混合蛍光体ミスト3Mを発光させることができる。
【0155】
なお、混合用容器50を設けることなく、蛍光体ミスト13R、13G及び13Bを直接、発光用容器40に供給する構成では、発光用空間40s内で蛍光体ミスト13R、13G及び13Bが適度に混ざり合わない可能性高いため、所望の発光色を得ることは困難となる。
【0156】
さらに、実施の形態3の発光装置83は、専用の発光用容器40内に発光用空間40sを確保することにより、超音波霧化装置102R、102G及び102Bとは異なる発光用容器40内の発光用空間40sを発光源とすることができる。
【0157】
その結果、実施の形態3の発光装置83は、超音波霧化装置102R、102G及び102B外に発光用空間40sを設けることができる分、発光源となる発光用空間40sの設置自由度を高めることができる。
【0158】
実施の形態3では、原料溶液15R用の第1の蛍光体の色成分は赤色であり、原料溶液15G用の第2の蛍光体の色成分は緑色であり、原料溶液15B用の第3の蛍光体の色成分は青色である。
【0159】
実施の形態3の発光装置83は、電磁波照射装置5からの電磁波6の照射によって、発光用空間40sで蛍光体ミスト13R、13G及び13Bが混合した混合蛍光体ミスト3Mを発光状態にすることにより、色の3原色となる赤色、緑色及び青色による色成分の組合せによって、所望の発光色の照明機能を実現することができる。
【0160】
すなわち、発光装置83は、N=3とした必要最小限の原料溶液15R、15G及び15Bを用いた構成で、蛍光体ミスト13R、13G及び13B間の混合比率を所望の混合比率に設定し、任意の発光色で混合蛍光体ミスト3Mを発光させることができる。
【0161】
なお、蛍光体ミスト13R、13G及び13B間の混合比率は、主として超音波霧化装置102R、102G及び102Bに供給されるキャリアガスG4の第1~第3の供給流量の流量比で設定することができる。この場合、蛍光体ミスト13R、13G及び13Bそれぞれのミスト化効率等を同一に設定した環境を想定している。
【0162】
(混合蛍光体ミスト3Mの発光色)
蛍光体の種類により発光量が変わるため、以下の準備処理を行う。まず、超音波霧化装置102R、102G及び102Bそれぞれのミスト化効率を所定の効率に設定した後、ミスト含有ガスG3R、G3G及びG3Bの混合用容器50への第1~第3の供給量と混合蛍光体ミスト3Mの発光色との関係を事前に測定して事前ミスト情報を得る。
【0163】
そして、事前ミスト情報を参考にして、所望の発光色(所定の発光色)を得るための蛍光体ミスト13R、13G及び13Bの混合比率を理想混合比として決定する。その後、超音波霧化装置102R、102G及び102BのキャリアガスG4による第1~第3の流量間の流量比が上記理想混合比を満足するように決定される。
【0164】
上述した準備処理を行った後、キャリアガスG4による第1~第3の流量が上記理想混合比を満足するように設定して、超音波霧化装置102R、102G及び102Bを動作させる。
【0165】
一方、第1~第3の原料供給制御部である原料流量制御部17R、17G及び17Bは、液面位置検知センサー35R、35G及び35Bのセンサー情報S35R、S35G及びS35Bに基づき、上述した個別流量制御条件を満足するように第1~第3の原料供給制御処理の実行内容を決定する。
【0166】
したがって、超音波霧化装置102R、102G及び102Bそれぞれにおいて、予め設定したミスト化効率を一定に保つことができる。この際、超音波霧化装置102R、102G及び102Bそれぞれの超音波振動子2に印加する電圧も一定に保っている。
【0167】
このように、準備処理を行った後、超音波霧化装置102R、102G及び102Bを含む発光装置83を動作させることにより、実施の形態3の発光装置83は、混合蛍光体ミスト3Mの発光色を所望の発光色(所定の発光色)で安定させることができる。
【0168】
(変形例)
図8は本開示の実施の形態3の変形例である発光装置83Cの構成を模式的に示す説明図である。図9は変形例の発光装置83Cにおけるガス流量制御部18及びその周辺の制御系を模式的に示す説明図である。
【0169】
図8及び図9に示すように、発光装置83Cは超音波霧化装置102R、102G及び102B、原料溶液供給部20R,20G及び20B、電磁波照射装置5、発光用容器40、混合用容器50、ミスト供給配管7、混合ミスト供給配管8、カラーセンサー32、ガス流量制御部18並びに流量調整部44R,44G及び44Bを主要構成要素として含んでいる。
【0170】
図9に示すように、発光装置83Cは、カラーセンサー32、ガス流量制御部18並びにガス流量調整部44R,44G及び44Bを含む制御系を有することを特徴としている。カラーセンサー32は混合蛍光体ミスト3Mに対する発光色検出器となり、ガス流量制御部18が蛍光体ミスト13R、13G及び13Bに対するミスト供給制御部となる。
【0171】
以下、図5図7で示した実施の形態3の基本構成である発光装置83と同一の構成要素は同一符号を付すことにより説明を適宜省略し、実施の形態3の変形例である発光装置83Cの特徴部分を中心に説明する。
【0172】
基本構成である発光装置83において、ガス流量制御部18は予め設定した理想混合比を満足する第1~第3の流量となるように、バルブ駆動信号S18R、S18G及びS18Bを出力している。したがって、バルブ駆動信号S18R、S18G及びS18Bそれぞれの指示内容は一定であり、キャリアガスG4における第1~第3の流量も一定となる。
【0173】
変形例である発光装置83Cは、実行中に混合蛍光体ミスト3Mの発光色が所望の発光色(所定の発光色)から変化した場合でも、発光色を所望の発光色に補正する発光色補正機能を備えている。
【0174】
カラーセンサー32は、発光用空間40s内の混合蛍光体ミスト3Mによる発光色を検知し、検知した発光色を指示するセンサー情報S32を得ている。このように、発光色検出器であるカラーセンサー32は発光色情報となるセンサー情報S32を得ている。
【0175】
ミスト供給制御部であるガス流量制御部18は発光色情報であるセンサー情報S32を受け、センサー情報S32の指示する発光色と予め設定した所望の発光色とを比較し、比較結果に基づく指示内容でバルブ駆動信号S18R、S18G及びS18Bを出力する。
【0176】
ガス流量調整部44Rは、バルブ等で構成され、超音波霧化装置102RのキャリアガスG4の第1の流量の設定用に設けられる。ガス流量調整部44Rはバルブ駆動信号S18Rを受け、バルブ駆動信号S18Rの指示内容に基づき、超音波霧化装置102R用のキャリアガスG4の第1の流量を調整する。
【0177】
同様に、ガス流量調整部44Gはバルブ駆動信号S18Gを受け、バルブ駆動信号S18Gの指示内容に基づき、超音波霧化装置102G用のキャリアガスG4の第2の流量を調整する。
【0178】
同様に、ガス流量調整部44Bはバルブ駆動信号S18Bを受け、バルブ駆動信号S18Bの指示内容に基づき、超音波霧化装置102B用のキャリアガスB4の第3の流量を調整する。
【0179】
このように、ガス流量制御部18は、センサー情報S32に基づき、混合蛍光体ミスト3Mの発光色が所望の発光色で発光するように、バルブ駆動信号S18R、S18G及びS18Bの指示内容を変化させ、キャリアガスG4の第1~第3の流量を制御するガス流量制御処理を実行する。
【0180】
すなわち、ミスト供給制御部であるガス流量制御部18は、霧化用容器11R、11G及び11Bから混合用容器50への蛍光体ミスト13R、13G及び13Bそれぞれのミスト供給状態を制御するミスト供給制御処理を実行している。
【0181】
例えば、混合蛍光体ミスト3Mの発光色において赤色の混合比率が低いと判断した場合を想定する。この場合、ガス流量制御部18は、超音波霧化装置102R用のキャリアガスG4の第1の流量を大きくする指示内容のバルブ駆動信号S18Rをガス流量調整部44Bに出力する。また、ガス流量制御部18は、超音波霧化装置102G及び102Bそれぞれ用のキャリアガスG4の第2及び第3の流量を小さくする指示内容のバルブ駆動信号S18G及びS19Bをガス流量調整部44G及び44Bに出力しても良い。
【0182】
このように、変形例の発光装置83Cにおけるミスト供給制御部であるガス流量制御部18は、発光色情報であるセンサー情報S32に基づき発光用空間40sにおける混合蛍光体ミスト3Mの発光色が所望の発光色(所定の発光色)となるようにミスト供給制御処理を実行している。
【0183】
このため、変形例の発光装置83Cは、動作開始時に混合蛍光体ミスト3Mの発光色が所望の発光色と異なっていても、混合蛍光体ミスト3Mの発光色を所望の発光色に自動的に補正することができるため、所望の発光色で安定性の高い照明機能を発揮することができる。
【0184】
すなわち、変形例3の発光装置83Cでは、基本構成の発光装置83で行った準備処理を省略しても、動作中に混合蛍光体ミスト3Mの発光色を所望の発光色で発光させることができる。
【0185】
<その他>
実施の形態3では、第1~第Nの蛍光体ミストとして、N=3とした第1~第3の蛍光ミストを示した。以下、実施の形態3における第1~第3の蛍光ミスト等の対応関係を以下に示す。
【0186】
第1、第2及び第3の超音波霧化装置…超音波霧化装置102R、超音波霧化装置102G及び超音波霧化装置102B
第1、第2及び第3の蛍光体…色成分は赤色の蛍光体、色成分は緑色の蛍光体、及び色成分は青色の蛍光体
第1、第2及び第3の色成分…赤色、緑色、及び青色
第1、第2及び第3の原料溶液…原料溶液15R、原料溶液15G及び原料溶液15B
第1、第2及び第3の蛍光体ミスト…蛍光体ミスト13R、蛍光体ミスト13G及び蛍光体ミスト13B
第1、第2及び第3の霧化用容器…霧化用容器11R、霧化用容器11G及び霧化用容器11B
第1、第2及び第3の単独ミスト供給配管…ミスト供給配管7R、ミスト供給配管7G及びミスト供給配管7B
【0187】
実施の形態3(変形例)では、N=3の場合を示したが、実施の形態3を変形または拡張して、Nは2以上の任意の数に設定することができる。この場合、第1~第Nの蛍光体は互い異なる第1~第Nの色成分を有する必要がある。
【0188】
また、上述した実施の形態1~実施の形態3における超音波霧化装置101(102,102R,102G,102B)では、超音波伝達水9を介して超音波振動子2の振動エネルギーを霧化用容器1(11,11R、11G,11B)内の原料溶液15(15R,15G,15B)に伝達する間接伝達方式を採用している。
【0189】
この間接伝達方式に代えて、超音波振動子2の振動エネルギーを霧化用容器1内の原料溶液15に直接伝達する直接伝達方式を採用しても良い。
【0190】
なお、本開示は、その開示の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0191】
1,1X,1Y,11,11R,11G,11B,11X,11Y 霧化用容器
2 超音波振動子
3,13,13R,13G,13B 蛍光体ミスト
3M,33 混合蛍光体ミスト
5 電磁波照射装置
7,7R,7G,7B ミスト供給配管
8 混合ミスト供給配管
15,15R,15B,15G,15X,15Y 原料溶液
17,17R,17B,17G 原料流量制御部
18 ガス流量制御部
20,20R,20B,20G 原料溶液供給部
21,21R,21B,21G,21X,21Y 容器
22,22R,22B,22G ポンプ
23,23R,23B,23G 流量計
30,40 発光用容器
30s,40s 発光用空間
31 センサー
32 カラーセンサー
35,35R,35B,35G 液面位置検知センサー
44R,44G,44B ガス流量調整部
50 混合用容器
81,82,83,83C 発光装置
101,102,102R,102G,102B 超音波霧化装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9