IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニコム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-高粘度対応の油水分離機 図1
  • 特開-高粘度対応の油水分離機 図2
  • 特開-高粘度対応の油水分離機 図3
  • 特開-高粘度対応の油水分離機 図4
  • 特開-高粘度対応の油水分離機 図5
  • 特開-高粘度対応の油水分離機 図6
  • 特開-高粘度対応の油水分離機 図7
  • 特開-高粘度対応の油水分離機 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055524
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】高粘度対応の油水分離機
(51)【国際特許分類】
   B01D 17/02 20060101AFI20230411BHJP
   B01D 19/00 20060101ALI20230411BHJP
   B01D 17/12 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
B01D17/02 501B
B01D17/02 501D
B01D19/00 E
B01D17/12 Z
B01D17/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021164971
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】517114001
【氏名又は名称】ユニコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150153
【弁理士】
【氏名又は名称】堀家 和博
(72)【発明者】
【氏名】藤原 康雄
(72)【発明者】
【氏名】和木本 尊久
(72)【発明者】
【氏名】藤原 了
【テーマコード(参考)】
4D011
【Fターム(参考)】
4D011AA11
4D011AA16
4D011AB02
4D011AC04
4D011AC06
4D011AD06
(57)【要約】
【課題】チャンバ内で下延部材の表面に略沿って水混入油を流して水混入油から水を分離して、「構造の簡素化」や「コスト減」等を実現する。
【解決手段】水が混入した水混入油Mから水Wを分離する油水分離機1である。水混入油Mから水Wを分離する分離部2は、チャンバ3内側の上面から略下方に延びる下延部材4を備え、下延部材4の表面に略沿って水混入油Mを流して、水混入油Mから水Wを分離する。又、下延部材4は、長手方向が鉛直方向に略沿った形状のチャンバ3の内側の上面から吊り下げられたチェーン状物等であったり、ヒータ、サーモスタット及び温度計を有していなかったり、油圧機器Yに対して着脱自在な流入ホース5や、油圧機器Yから水混入油Mを吸入するポンプ6、油圧機器Yに対して着脱自在流出ホース7を有したり、分離部2を支持するベース部8には車輪9が設けられていても良い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が混入した水混入油(M)から、少なくとも水(W)を分離する油水分離機であって、
前記水混入油(M)から水(W)を分離する分離部(2)を有し、
前記分離部(2)は、チャンバ(3)と、前記チャンバ(3)内側の上面から略下方に延びる下延部材(4)とを備え、
前記分離部(2)は、前記チャンバ(3)内で、前記下延部材(4)の表面に略沿って前記水混入油(M)が流れることで、前記水混入油(M)から水(W)を分離することを特徴とする油水分離機。
【請求項2】
前記チャンバ(3)は、長手方向を有した形状であり、且つ、前記長手方向が鉛直方向に略沿うように配設され、
前記下延部材(4)は、前記チャンバ(3)内側の上面から吊り下げられ、且つ、チェーン状物、棒状物、紐状物、テープ状物及びバネ状物のうちの何れか1つであることを特徴とする請求項1に記載の油水分離機。
【請求項3】
当該油水分離機は、ヒータ、サーモスタット及び温度計を有していないことを特徴とする請求項1又は2に記載の油水分離機。
【請求項4】
油圧機器(Y)に対して着脱自在で、且つ、前記油圧機器(Y)から水混入油(M)を流入させる流入ホース(5)と、
前記流入ホース(5)を介して油圧機器(Y)から前記水混入油(M)を吸入するポンプ(6)と、
前記油圧機器(Y)に対して着脱自在で、且つ、前記水混入油(M)から分離部(2)で水(W)が分離された後の分離油(M’)を前記油圧機器(Y)へ流出させる流出ホース(7)とを有していることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の油水分離機。
【請求項5】
前記分離部(2)を支持するベース部(8)を有し、
前記ベース部(8)には、当該油水分離機を移動させる車輪(9)が設けられていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の油水分離機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水が混入した水混入油から、少なくとも水を分離する油水分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水や不純物等を油中から除去する浄油機が知られている(特許文献1参照)。
この浄油機は、切換開閉器を収容する切換開閉器室内の絶縁油を油ポンプ、シーズヒータを経て吸着濾過槽に送り、吸着剤、フィルタにより浄化した後、切換開閉器室内に戻す活線浄油機において、2接点式の接点付き圧力計を吸着濾過槽に取り付け、許容圧力より低い設定圧力でオンする第一段の接点をモータ用電磁接触器のa接点と共にヒータ用電磁接触器の励磁回路に、許容圧力でオンする第二段の接点を保護警報回路にそれぞれ組み入れ、第一段の接点でヒータ通電の要否判別を、第二段の接点で保護動作を行うようにした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-236368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された浄油機は、油を加熱するヒータや、油温を検出する温度計、サーモスタットなどの機器を有していたり、パソコン等で演算処理をして、切換開閉器の切換回数と圧力上昇の関係から切換開閉器異常状態を検出する機能なども有しているため、構造の複雑化やコスト高を招く。
【0005】
本発明は、このような点に鑑み、チャンバ内で下延部材の表面に略沿って水混入油を流して水混入油から水を分離することによって、「構造の簡素化」や「コスト減」等を実現する油水分離機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る油水分離機1は、水が混入した水混入油Mから、少なくとも水Wを分離する油水分離機であって、前記水混入油Mから水Wを分離する分離部2を有し、前記分離部2は、チャンバ3と、前記チャンバ3内側の上面から略下方に延びる下延部材4とを備え、 前記分離部2は、前記チャンバ3内で、前記下延部材4の表面に略沿って前記水混入油Mが流れることで、前記水混入油Mから水Wを分離することを第1の特徴とする。
【0007】
本発明に係る油水分離機1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記チャンバ3は、長手方向を有した形状であり、且つ、前記長手方向が鉛直方向に略沿うように配設され、前記下延部材4は、前記チャンバ3内側の上面から吊り下げられ、且つ、チェーン状物、棒状物、紐状物、テープ状物及びバネ状物のうちの何れか1つである点にある。
【0008】
本発明に係る油水分離機1の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、当該油水分離機は、ヒータ、サーモスタット及び温度計を有していない点にある。
【0009】
本発明に係る油水分離機1の第4の特徴は、上記第1~3の特徴に加えて、油圧機器Yに対して着脱自在で、且つ、前記油圧機器Yから水混入油Mを流入させる流入ホース5と、前記流入ホース5を介して油圧機器Yから前記水混入油Mを吸入するポンプ6と、前記油圧機器Yに対して着脱自在で、且つ、前記水混入油Mから分離部2で水Wが分離された後の分離油M’を前記油圧機器Yへ流出させる流出ホース7とを有している点にある。
【0010】
本発明に係る油水分離機1の第5の特徴は、上記第1~4の特徴に加えて、前記分離部2を支持するベース部8を有し、前記ベース部8には、当該油水分離機を移動させる車輪9が設けられている点にある。
【0011】
これらの特徴により、チャンバ3内で下延部材4の表面に略沿って水混入油Mを流して水混入油Mから水Wを分離することによって、流れる水混入油Mの表面積が増加し、水混入油M中の水Wが気泡として露出し易くなり、水Wが水混入油Mからチャンバ3内へ分離されるため、特許文献1とは異なり、ヒータやサーモスタット、温度計、そして、パソコン等で演算処理をして切換開閉器異常状態を検出する機能などが不要となって、当該油水分離機1の構造が簡単となり(「構造の簡素化」)、コストを低減できる(「コスト減」)。
尚、油水分離機1において、流れる水混入油Mの表面積の増加等は、高粘度の水混入油Mに対しても同様であることから、当該油水分離機1は、「高粘度対応の油水分離機」であるとも言える。
【0012】
又、下延部材4を、長手方向が鉛直方向に略沿った形状のチャンバ3の内側の上面から吊り下げられたチェーン状物等とすることによって、当該チェーン状物等の吊り下がる方向と、チャンバ3の長手方向が略平行となり、当該チェーン状物等の表面に略沿って水混入油Mが流れる時間が極力長くなるため、流れる水混入油Mの表面積の更なる増加等が可能となり、当該油水分離機1における油水分離機能が更に向上すると共に、「構造の簡素化」や「コスト減」もより図れる。
【0013】
更に、ヒータやサーモスタット、温度計を有していないことによって、特許文献1では、例えば、夜のうちに浄油させようとタイムスイッチを設定しても、ヒータ等の機器や、これらの機器に基づいてパソコン等で演算処理をして切換開閉器異常状態を検出する機能によって、勝手に浄油が停止する等の問題があったが、当該油水分離機1では、上述した余計な機器・機能を有さないため、勝手に油水分離が停止する等の問題はなく、「構造の簡素化」や「コスト減」も図れる。
【0014】
そして、油圧機器Yに対して着脱自在な流入ホース5や、油圧機器Yから水混入油Mを吸入するポンプ6、油圧機器Yに対して着脱自在流出ホース7を有することによって、特許文献1の浄油機が、切換開閉器を必須にしているため、切換開閉器を有した変圧器専用であることに対して、当該油水分離機1は、特許文献1とは異なり、変圧器か否かを問わず、何れの油圧機器Yに対しても使用可能であると言える。
尚、分離部2を支持するベース部8には車輪9が設けられていても良く、特許文献1とは異なり、何れの油圧機器Yに対しても、当該油圧機器Yのそばに油水分離機1を移動させて使用可能であると言える。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る油水分離機によると、チャンバ内で下延部材の表面に略沿って水混入油を流して水混入油から水を分離することによって、「構造の簡素化」や「コスト減」等を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る油水分離機の分離部を示す概要図である。
図2】油水分離機を示す正面図である。
図3】油水分離機を示す左側面図である。
図4】油水分離機を示す平面図である。
図5】油水分離機における油圧回路図である。
図6】油水分離機の変形例における正面視を示す図面代用写真である。
図7】油水分離機の変形例における分離部の斜視を示す図面代用写真である。
図8】油水分離機における流入ホース、流出ホースを示す図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<油水分離機1の全体構成>
図1~8には、本発明に係る油水分離機1が示されている。
この油水分離機1は、後述する水混入油Mから、少なくとも水Wを分離する機器である。
油水分離機1は、後述する分離部2を有している。
【0018】
油水分離機1は、ヒータ、サーモスタット及び温度計を有していなくとも良く、その分、軽量化が図られているとも言え、当該油水分離機1全体を吊り上げる等するため、リング状やフック状などの吊上部材1aが設けられていても構わない(図3、7参照)。
油水分離機1は、後述する流入ホース5や、ポンプ6、流出ホース7を有していたり、後述するベース部8を有していても良い。
その他、油水分離機1は、筐体(ケーシング、外装体とも言える)11や、制御盤12等を有していても良い。
【0019】
油水分離機1の大きさは、特に限定はないが、例えば、全体の高さ(後述するチャンバ3の突出長さも含む全体の上下長さ)が、900mm以上2100mm以下、好ましくは1100mm以上1900mm以下、更に好ましくは1300mm以上1700mm以下(1515mmなど)であっても良く、全体の幅(全体の左右長さ)が、450mm以上1350mm以下、好ましくは600mm以上1200mm以下、更に好ましくは750mm以上1050mm以下(900mmなど)であったり、全体の奥行(全体の前後長さ)が、350mm以上950mm以下、好ましくは450mm以上850mm以下、更に好ましくは550mm以上750mm以下(650mmなど)であっても構わない。
尚、油水分離機1が筐体11を有し、その筐体11が略直方体である場合、当該筐体11の大きさも、特に限定はないが、例えば、高さ(上下長さ)が、700mm以上1450mm以下、好ましくは800mm以上1300mm以下、更に好ましくは900mm以上1150mm以下(1007mmなど)であっても良く、幅(左右長さ)が、450mm以上1350mm以下、好ましくは600mm以上1200mm以下、更に好ましくは750mm以上1050mm以下(900mmなど)であったり、奥行(前後長さ)が、350mm以上950mm以下、好ましくは450mm以上850mm以下、更に好ましくは550mm以上750mm以下(650mmなど)であっても構わない。
【0020】
このような筐体11に取り付けられた制御盤12は、当該油水分離機1を制御する盤であり、後述する油圧回路40における各電磁弁43~45を操作したり、後述する分離部2におけるレベルスイッチ33や、チャンバ3の圧力を制御しても良い。
この制御盤12の大きさも、特に限定はないが、例えば、高さ(上下長さ)が、250mm以上700mm以下、好ましくは300mm以上600mm以下、更に好ましくは350mm以上500mm以下(411mmなど)であっても良く、幅(左右長さ)が、250mm以上700mm以下、好ましくは300mm以上600mm以下、更に好ましくは350mm以上500mm以下(389mmなど)であったり、奥行(前後長さ)が、110mm以上300mm以下、好ましくは140mm以上270mm以下、更に好ましくは170mm以上240mm以下(203mmなど)であっても構わない。
ここまで述べた油水分離機1による油水分離の対象である水混入油M等について、次に述べる。
【0021】
<水混入油M、水W、分離油M’>
水混入油Mは、少なくとも水(後述する水W)を混入した(水が含まれた)油であり、水以外に、異物が混入していても良いし、水以外の異物が混入していなくとも構わない。
水混入油Mは、当然、油を含む(謂わば、油が大部分であるとも言える)が、その油の種類は、特に限定はないが、例えば、後述する油圧機器Yの作動油(油圧作動油)であったり、その他、潤滑油や、シリンダ油、熱処理油などの機械油であっても良い。
【0022】
水混入油Mに混入した異物も、特に制限はないが、例えば、水以外に、空気や、摩耗性微粒子、スラッジ、酸化生成物、異種油、スケール(塵埃)、塗料片、ゴム状微粒子、繊維屑などであっても良い。
水Wは、上述した水混入油Mに混入していた水であり、後述する分離部2よって、水混入油Mから分離される。
【0023】
分離油M’は、上述した水混入油Mから、後述する分離部2で、水Wが分離された後の油であり、分離油M’は、水が一切混入していなくとも良いが、若干の水が混入していても構わない。
その他、分離油M’も、水以外の異物が混入していても良いし、水以外の異物が混入していなくとも構わない。
次に、分離部2について以下に述べる。
【0024】
<分離部2>
図1~7に示されたように、分離部2は、上述した水混入油Mから水Wを分離する部分である。
分離部2は、後述するチャンバ3と、後述する下延(「したのび、かえん」とも読む)部材4を備えている。
【0025】
分離部2は、チャンバ3内で、下延部材4の表面に略沿って、上述した水混入油Mが流れることで、水混入油Mから水Wを分離する。
又、分離部2は、少なくとも一度は、下延部材4の表面に略沿って流れた水混入油Mを、再度、下延部材4の表面に略沿って流す構成であっても良い。
以下、チャンバ3と下延部材4について述べる。
【0026】
<チャンバ3>
図1~7に示されたように、チャンバ3は、内部に空間(空洞)を有するタンク(容器、室)であり、この内部で、水混入油Mから水Wを分離する。
チャンバ3の内側の上面(内上面)には、後述する下延部材4が設けられている。
【0027】
チャンバ3は、その構成に特に限定はないが、例えば、チャンバ3内の下延部材4の表面に略沿って水混入油Mが流れるように、当該水混入油Mは、チャンバ3の上面側から、その内部に流入される構成であっても良く、この場合、チャンバ3の上面側に流入口3aが設けられているとも言える。
チャンバ3は、エアブリーザ31、チャンバストップ弁32を備えていても良い。
【0028】
エアブリーザ31は、チャンバ3内で水混入油Mから分離した水(分離して気化した水蒸気)Wや、その他、チャンバ3の内部における空気などの気体を、チャンバ3の外部へ放出したり、チャンバ3の外部から内部へ、塵埃などの異物が入るのを防ぐ機器である。
チャンバストップ弁32は、上述したエアブリーザ31とチャンバ3の間の配管に設けられて、当該配管を開閉する(謂わば「開」と「閉」する)弁であり、後述するストップ弁47とブロックが一体となっていても良いし、一体でなくとも構わない。
【0029】
一方、チャンバ3内の下部には、下延部材4の表面に略沿って流れた(水混入油Mから水Wが分離された)後の分離油M’が溜まる構成であっても良く、この場合、溜まった分離油M’の量を検知するレベルスイッチ(油面(液面)センサ)33が設けられていても構わない。
レベルスイッチ33は、チャンバ3内の分離油M’の油面のレベル(高さ)を検出するセンサであり、特に、チャンバ3内で分離油M’の油面が所定の上限(や所定の下限)に達したかの検出を行うものであるとも言え、フロート式や、音叉式、静電容量式など、何れの方式であっても構わない。
【0030】
又、溜まった分離油M’は、チャンバ3の下部側から抜いても(当該チャンバ3の外へ流出させても)良く、この場合、チャンバ3の下部側に流出口3bが設けられているとも言える。
このようなチャンバ3の形状も、特に限定はないが、長手方向を有した形状であっても良く、例えば、長手方向(軸心方向)が直径より長く且つ有底(上底と下底を有した)の略円柱状(略円筒状とも言う)であったり、長手方向が断面形状の各辺より長く且つ有底の略角柱状(略角筒状とも言い、断面形状は、略正方形や略矩形、略三角形等)であったり、長手方向を有した略直方体状や、略楕円体状であっても構わない。
【0031】
チャンバ3が長手方向を有した形状である場合には、その長手方向が鉛直方向に略沿うように配設されていても良く、例えば、長手方向が鉛直方向に略沿った上述の有底の略円柱状や、略角柱状などであっても構わない。
その他、チャンバ3の形状は、逆に、長手方向を有していない略立方体状や、略球状であったり、長手方向を有した有底の略円柱状や略角柱状、略直方体状、略楕円体状であっても、その長手方向が鉛直方向に略沿っていなくとも良い。
【0032】
以下、チャンバ3の形状は、長手方向が鉛直方向に略沿った形状(特に、有底の略円柱状)であるとして述べる。
長手方向が鉛直方向に略沿った形状であるチャンバ3は、その上部側が、上述した筐体11の上面から、上方へ突出状に配置されていても良い。
【0033】
チャンバ3の上部側が筐体11から上方へ突出状に配置されている場合、チャンバ3の突出した部分の長さ(突出長さ)も、特に限定はないが、例えば、50mm以上650mm以下、好ましくは150mm以上550mm以下、更に好ましくは250mm以上450mm以下(350mmなど)であっても良い。
又、有底の略円柱状であるチャンバ3は、その直径も、特に限定はないが、例えば、50mm以上350mm以下、好ましくは100mm以上300mm以下、更に好ましくは150mm以上250mm以下(205mmなど)であっても良い。
【0034】
チャンバ3は、形状等を問わず、構成として、真空チャンバであっても良い。
以下、チャンバ3は、真空チャンバであるとして、主に述べる。
真空チャンバであるチャンバ3は、後述する真空ポンプ34と、圧力計(謂わば、バキュームゲージ)35等も備えていても良い。
【0035】
真空ポンプ34は、真空チャンバであるチャンバ3の内部から、空気であったり、当該チャンバ3内で水混入油Mから分離した水(分離して気化した水蒸気)Wなどの気体を排出して、当該チャンバ3の内部を、真空(JIS-Z-8126-1:1999に示されたように、「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態」であるとも言う)にするポンプである。
真空ポンプ34は、その構成に特に限定はないが、例えば、回転翼型真空ポンプなどのドライポンプや、油回転真空ポンプなどの気体輸送式や、その他、気体溜込式であっても良い。
【0036】
又、真空ポンプ34は、出力や真空度(圧力)も、特に限定はないが、出力は、例えば、0.5KW以上1.5KW以下、好ましくは0.6KW以上1.2KW以下、更に好ましくは0.7KW以上0.9KW以下(0.8KWや0.75KWなど)であっても良く、真空度は、例えば、0.1mbar(ミリバール、hPa(ヘクトパスカル))以上5.0mbar以下、好ましくは0.5mbar以上4.0mbar以下、更に好ましくは1.0mbar以上3.0mbar以下(2.0mbarなど)であったり、JIS-Z-8126-1:1999に示された低真空、中真空、高真空、超高真空などであっても構わない。
圧力計35は、真空チャンバであるチャンバ3内の圧力を測定する計器である。
【0037】
<下延部材4>
図1~7に示されたように、下延部材4は、上述したチャンバ3内側の上面から略下方に延びる部材である。
この下延部材4の表面に略沿って、上述した水混入油Mが流れることで、上述したチャンバ3内で、水混入油Mから水Wが分離される。
【0038】
下延部材4の構成は、特に限定はないが、例えば、上述したチャンバ3内側の上面から吊り下げられていても良く、下延部材4の上端は、チャンバ3の流入口3aの近傍に取り付けられていても構わない。
下延部材4がチャンバ3内側の上面から吊り下げられている場合、当該下延部材4は、チェーン状物であっても良く、このチェーン状物は、鎖または、鎖状の物であり、略楕円形状などの環状体が連なっている。
【0039】
下延部材4は、上述したチャンバ3内側の上面から略下方に延びる棒状物であっても良く、下延部材4が棒状物である場合には、当該棒状物の上端は、チャンバ3内側の上面に対して揺動(又は、回動)自在に吊り下げられていても構わない。
その他、下延部材4は、紐状物やテープ状物、バネ状物などであっても良く、下延部材4が紐状物やテープ状物、バネ状物などである場合には、当該紐状物やテープ状物、バネ状物などの下端に、錘などが取り付けられていても構わない。
【0040】
下延部材4は、その表面に凹凸が形成されていても良く、又、下延部材4の下延方向(吊下方向)に対して所定の角度を有した(例えば、水平方向より下向きに延びる)枝部材などが設けられていても構わない。
下延部材4は、その長さも特に限定はないが、例えば、チャンバ3の長手方向の長さ(又は、上下長さ)より短かったり、略同じであったり、長くとも良い。
【0041】
このような下延部材4の表面に略沿って流れてきた(謂わば、下延部材4に伝って垂れ落ちてきた)水混入油Mは、分離油M’として、チャンバ3内の下部に溜まることとなるところ、溜まり始めの分離油M’の油面(液面)高さは、まだ下延部材4の下端に届かず(図1中、実線の油面)、下延部材4の長さ全体(下延部材4の長さがチャンバ3の長手方向の長さより短い(又は略同じ)の場合は当該下延部材4の上端から下端までであり、下延部材4の長さがチャンバ3の長手方向の長さより長い(又は略同じ)の場合は当該下延部材4の上端からチャンバ3内の下面に接触している箇所まで)で油水分離が行われる(表面に略沿って水混入油Mが流れて、水混入油Mから水Wが分離される)と言える。
【0042】
更に油水分離が進み、溜まった分離油M’の量が多くなると、下延部材4の下部が分離油M’内に浸ることとなる(図1中、点線の油面)ものの、下延部材4の長さ全体で油水分離される前に、チャンバ3内の下部で分離油M’が溜まることとなるとも言え、この場合は、上述したレベルスイッチ33にて、適宜、油面のレベルを検知し、分離油M’の油面が所定の上限を越えた(つまり、溜まった分離油M’が所定の量以上となった)際には、後述する第3電磁弁45等にて、チャンバ3下部の流出口3bから分離油M’をチャンバ3の外部へ流出させることで、改めて、下延部材4の長さ全体で油水分離が行われるとも言える。
次に、流入ホース5や流出ホース7等について述べるが、その前に、これらのホース5、7が取付けされる油圧機器Yについて、以下に述べる。
【0043】
<油圧機器Y>
図1~8に示されたように、油圧機器Yは、油圧によって駆動される機器であり、作動油や潤滑油などの油が用いられている。
油圧機器Yは、特に限定はないが、油圧ポンプや、油圧モータ、油圧シリンダを有していたり、各種制御弁や、アキュムレータ、フィルタ、油タンクなどを有していても良い。
【0044】
油圧機器Yは、例えば、ジャッキ装置における油圧機器であったり、リフタ装置や、プレス装置、粉砕装置、裁断装置における油圧機器であっても良い。
このような油圧機器Yにて使用される油は、当該油圧機器Yの温度環境(温度範囲が広い等)によって、高粘度の油であっても良い。
【0045】
<流入ホース5>
図1~8に示されたように、流入ホース5は、上述した油圧機器Yに対して着脱自在(謂わば、後付可能)で、且つ、油圧機器Yにおける油(つまり、水混入油M)を、当該油圧機器Yから流入させるホースである。
流入ホース5は、上述した油圧機器Yにおける何れの箇所に着脱自在であっても良いが、例えば、油圧機器Yにおける油タンク内の油(これが油水分離の対象の水混入油Mとなる)などを流入できるように、流入ホース5は、当該油タンクに取り付けられた弁に、着脱自在であっても構わない。
【0046】
流入ホース5は、油水分離機1に常に取り付けられていなくとも(油水分離機1から分離可能であっても)良く、油圧機器Yからの油(水混入油M)を流入させる時のみに、油水分離機1に取り付けられたり、油水分離機1内にて、水混入油Mを油水分離している間は、油水分離機1や油圧機器Yから取り外されていても構わない。
流入ホース5の太さや接続口は、特に限定はないが、例えば、後述する流出ホース7より太くても良く(図7参照)、又、その接続口は、例えば、テーパ雄ネジのR1等であっても構わない。
【0047】
<ポンプ6>
図1~7に示されたように、ポンプ6は、上述した流入ホース5を介して、油圧機器Yから水混入油Mを、少なくとも吸入する。このため、当該ポンプ6は、吸入ポンプであるとも言える。
又、ポンプ6は、後述の油圧回路40にて言及するように、油圧機器Yから水混入油M以外に、分離部2にて油水分離された分離油M’を、後述する流出ホース7を介して、水混入油Mを吸入した同じ油圧機器Yに排出しても良い。この場合、当該ポンプ6は、排出ポンプであるとも言える。
同じポンプ6が、上述した油圧機器Yからの水混入油Mの吸入と、上述した分離油M’の油圧機器Yへの排出の両方を行う場合、当該ポンプ6は、吸入・排出ポンプであるとも言える。
【0048】
ポンプ6は、その構成に特に限定はないが、例えば、回転翼型真空ポンプなどのドライポンプや、油回転真空ポンプなどの気体輸送式や、その他、気体溜込式であっても良い。
又、ポンプ6は、出力や吐出量も、特に限定はないが、出力は、例えば、0.5KW以上1.5KW以下、好ましくは0.6KW以上1.2KW以下、更に好ましくは0.7KW以上0.9KW以下(0.75KWなど)であっても良く、吐出量は、例えば、6L(リットル)/min(分)以上20L/min以下、好ましくは8L/min以上18L/min以下、更に好ましくは10L/min以上15L/min以下(12L/minなど)であっても良い。
【0049】
尚、ポンプ6は、リリーフ弁6aと逆止弁6bを備えていても良く(図5参照)、このうち、リリーフ弁6aは、ポンプ6の吐出口側の油圧が所定の値以上の圧力に上昇するのを防止する弁であり、逆止弁6bは、ポンプ6の吐出口側へ水混入油M等が逆流するのを防止する弁である。
又、ポンプ6は、60Hz用であっても、50Hz用であっても良い。
【0050】
<流出ホース7>
図1~8に示されたように、流出ホース7は、上述した油圧機器Yに対して着脱自在(謂わば、後付可能)で、且つ、水混入油Mから分離部2で水Wが分離された後の分離油M’を、油圧機器Yへ流出させるホースである。流出された分離油M’は、当該油圧機器Yにおいて使用される油となる。
流出ホース7も、上述した油圧機器Yにおける何れの箇所に着脱自在であっても良いが、例えば、油圧機器Yにおける油タンクへ分離油M’が流入するように、着脱自在であっても構わない。
【0051】
流出ホース7も、油水分離機1に常に取り付けられていなくとも(油水分離機1から分離可能であっても)良く、油圧機器Yへの油(分離油M’)を流出させる時のみに、油水分離機1に取り付けられたり、油水分離機1内にて、水混入油Mを油水分離している間は、油水分離機1や油圧機器Yから取り外されていても構わない。
流出ホース7の太さや接続口は、特に限定はないが、例えば、上述した流入ホース5より細くても良く(図7参照)、又、その接続口は、例えば、テーパ雄ネジのR3/8等であっても構わない。
【0052】
<ベース部8>
図1~7に示されたように、ベース部8は、分離部2を支持する部分である。
ベース部8は、その構成に特に限定はないが、例えば、板状体であっても良く、この場合、ベース部8は、ベースプレートであるとも言える。
ベース部8の形状も、特に限定はないが、例えば、平面視で略矩形状や、略正方形状などであっても良い。
【0053】
ベース部8は、分離部2を支持する以外に、その他の機器を支持しても良く、上述したポンプ6や、真空ポンプ34、筐体11を支持していたり、後述する油圧回路40全体を支持していても良い。
ベース部8は、後述する車輪9を有していても良く、次に、この車輪9について述べる。
【0054】
<車輪9>
図1~7に示されたように、車輪9は、上述したベース部8に設けられ、且つ、当該油水分離機1を移動させるものである。
車輪9の個数も、特に限定はないが、例えば、1つのベース部8に対して、1個であったり、複数個であっても良く、特に、ベース部8が平面視で略矩形状である場合には、各角部の下面側に1個ずつ(合計4個)取り付けられていても構わない。
【0055】
車輪9は、その構成に特に限定はないが、例えば、ベース部8の下面側に回動可能に取り付けられたキャスタであっても良く、又、車輪9は、当該車輪9の回転を規制したり、許容するストッパを備えていても構わない。
車輪9がキャスタである場合、その上下方向長さも、特に限定はないが、例えば、100mm以上220mm以下、好ましくは120mm以上200mm以下、更に好ましくは140mm以上180mm以下(159mmなど)であっても良い。
【0056】
<油水分離機1における油圧回路40>
図5に示したように、ここまで述べた油水分離機1は、水混入油Mから水Wを分離するため、油圧回路40を有している。
油圧回路40は、上述した機器の他、油流入口41や、フィルタ42、第1電磁弁43、上述したポンプ6、第2電磁弁44、上述した分離部2、第3電磁弁45、中継ブロック46、ストップ弁47、油流出口48等を有している。
【0057】
ここで、油流入口41は、上述した流入ホース5が着脱自在であり、その接続口は、例えば、テーパ雌ネジのRc1等であっても構わない。
フィルタ42は、上述したポンプ6の吸入口側に取り付ける濾過器(サクションフィルタ)であり、水混入油Mに混入した異物等が、ポンプ6内に入ることを抑制する。
第1電磁弁43は、上述したフィルタ42からの水混入油Mを、上述したポンプ6の吸入口側へ流したり(謂わば、「開」)、止めたり(謂わば、「閉」)する弁であり、上述した制御盤12にて制御されるとも言える。尚、第1電磁弁43は、後述する第3電磁弁45とブロックが一体となっていても良いし、一体でなくとも構わない。
第2電磁弁44は、上述したポンプ6の吐出口側からの水混入油Mや分離油M’を、上述したチャンバ3の流入口3aへ流したり(謂わば、「チャンバ3側」)、後述する中継ブロック46へ流したり(謂わば、「流出側」)する弁(謂わば、水混入油Mを油水分離させるか、分離油M’を流出させるかを切り替える弁)であり、上述した制御盤12にて制御されるとも言える。
第3電磁弁45は、上述したチャンバ3の流出口3bからの分離油M’や水混入油Mを、上述したポンプ6の吸入口側へ流したり(謂わば、「開」)、止めたり(謂わば、「閉」)する弁であり、上述した制御盤12にて制御されるとも言える。尚、第3電磁弁45は、上述した第1電磁弁43とブロックが一体となっていても良いし、一体でなくとも構わない。
中継ブロック46は、略直方体の金属等の内部に油路が形成されたマニホールドブロックであり、上述した第2電磁弁44からの分離油M’を、後述する油流出口48へ流したり(中継したり)、第2電磁弁44からの分離油M’の一部を、後述するストップ弁47が開いた際には、チャンバ3の流入口3aへ流したりするブロックである。
ストップ弁47は、上述した中継ブロック46と、第2電磁弁44からチャンバ3への油路との間の配管に設けられて、当該配管を開閉する(謂わば「開」と「閉」する)弁であり、上述したチャンバストップ弁32とブロックが一体となっていても良いし、一体でなくとも構わない。尚、このストップ弁47を開くのは、同じポンプ6を使用するにも拘わらず、流出ホース7が流入ホース5より細い(流出できる油の量が少ない)ため、ポンプ6の吐出口側からの分離油M’が多すぎる場合に、当該分離油M’の一部を、チャンバ3の流入口3aへ逃がすためであるとも言える。
油流出口48は、上述した流出ホース7が着脱自在であり、その接続口は、例えば、テーパ雌ネジのRc3/8等であっても構わない。
【0058】
次に、油圧回路40における水混入油Mや水W、分離油M’の動きについて、以下に述べる。
<1>水混入油Mの動き
水混入油Mは、油圧機器Hから、流入ホース5及び油流入口41を介して油水分離機1内に入ると、まずフィルタ42にて異物等を除去された後に、第1電磁弁43を「開」とし、第3電磁弁45を「閉」としていれば、水混入油Mは、ポンプ6に吸入されて、当該ポンプ6内へ吸入口側から入り、吐出口から第2電磁弁44へ吐き出される。
この時、第2電磁弁44を「チャンバ3」側とし、ストップ弁47を「閉」としていれば、水混入油Mは、分離部2におけるチャンバ3の流入口3aから、当該チャンバ3の内部に入り、水混入油Mが、下延部材4の表面に略沿って流れることで、水混入油Mから水Wが分離される。
【0059】
<2>水Wの動き
水Wは、上述したように、チャンバ3内で、水混入油Mから分離された際には、水蒸気となっているとも言え、分離部2がエアブリーザ31を備えている場合には、上述したチャンバストップ弁32が「開」であれば、当該チャンバストップ弁32を経て、エアブリーザ31からチャンバ3の外部へ放出される。
又、水Wは、チャンバ3が真空チャンバであり、真空ポンプ34や圧力計35を備えている場合、当該真空ポンプ34がチャンバ3内の空気などをチャンバ3の外部へ排出する際に、空気などと一緒に、当該真空ポンプ34からチャンバ3の外部へ排出される。
【0060】
<3>分離油M’の動き
分離油M’は、分離部2におけるチャンバ3内で、水混入油Mから水Wが分離された後、当該チャンバ3内の下部に溜まる。この溜まった分離油M’は、その量が所定の値を超えた(分離油M’の油面が所定の高さを越えた)とレベルスイッチ33により検知されると、第3電磁弁45を「開」とし、第1電磁弁43を「閉」とすることで、今度は、分離油M’が、ポンプ6に吸入されて、当該ポンプ6内へ吸入口側から入り、吐出口から第2電磁弁44へ吐き出される。
この時、第2電磁弁44を「流出側」とし、ストップ弁47を「閉」としていれば、分離油M’は、ポンプ6が吐き出した全量が、中継ブロック46、油流出口48及び流出ホース7を介して、油圧機器Yへ流出される。
尚、第2電磁弁44を「流出側」とするものの、ストップ弁47を「開」としていれば、分離油M’は、ポンプ6が吐き出した全量のうち、一部はチャンバ3へ流入することとなるとも言える。
一方、第2電磁弁44を「チャンバ3」側とし、ストップ弁47を「閉」としていれば、分離油M’は、再び、分離部2におけるチャンバ3の流入口3aから、当該チャンバ3の内部に入り、分離油M’が、下延部材4の表面に略沿って流れることで、分離油M’から、更に水Wが分離(謂わば、再分離)され、分離油M’中の水Wの量が更に減ることとなる。
【0061】
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。油水分離機1等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
油水分離機1は、油圧機器Yに当初から取り付けられていても良く、この場合、流入ホース5や流出ホース7は、油圧機器Yや油水分離機1に対して着脱自在でなく、固定されていても構わない。
油水分離機1の電源電圧は、特に限定はないが、例えば、200Vや100Vなどであっても良い。
油水分離機1(油圧回路40)は、フィルタ42を有していなくとも良い。
油水分離機1は、筐体11を有していなくとも良い(図6~8参照)。
【0062】
分離部2のチャンバ3内における分離油M’の再分離は、1回だけ行われても良いが、複数回行われても構わない。この場合、チャンバ3内で下延部材4の表面に略沿って流れるのは、分離油M’であるとも言える(つまり、チャンバ3内で下延部材4の表面に略沿って流れるのは、水混入油M又は分離油M’であり、又、再分離される分離油M’の中には水が混入しているとも言えることから、分離油M’も、水混入油Mであるとも言える)。
分離部2は、チャンバ3が真空チャンバであれば、エアブリーザ31を備えていなくとも良い。
チャンバ3は、その上部側が、筐体11の上面から、上方へ突出状に配置されていなくとも良い。
チャンバ3は、真空チャンバでなくとも良く、真空ポンプ34や圧力計35を備えていなくとも良い。
下延部材4が棒状物である場合、当該棒状物の上端は、チャンバ3内側の上面に固定されていても良く、その固定角度は、チャンバ3内側の上面に対して略90°であったり、略90°より小さくとも構わない。この場合、チャンバ3が長手方向を有する形状であれば、当該棒状物の長手方向は、チャンバ3の長手方向と略平行とならないとも言える。
第1~3電磁弁43~45は、それぞれの「開」や「閉」、「チャンバ3側」や「流出側」に切替可能であれば、電磁的に切替を行わず、手動等で切替を行う切替弁に置き換えられても良い。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の油水分離機は、油圧機器の作動油や、潤滑油、シリンダ油、熱処理油などの機械油など、水や異物等が混入した何れの油に対しても利用でき、当該油を使用する油圧機器も、ジャッキ装置や、リフタ装置、プレス装置、粉砕装置、裁断装置における油圧機器など、何れの油圧機器に対しても利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 油水分離機
2 分離部
3 チャンバ
4 下延部材
5 流入ホース
6 ポンプ
7 流出ホース
8 ベース部
9 車輪
M 水混入油
W 水
H 油圧機器
M’ 分離油
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8