(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055567
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】車両の排気管構造
(51)【国際特許分類】
F01N 1/08 20060101AFI20230411BHJP
F01N 1/02 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
F01N1/08 F
F01N1/08 K
F01N1/02 E
F01N1/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021165061
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(71)【出願人】
【識別番号】515239722
【氏名又は名称】SRDホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 裕希
(72)【発明者】
【氏名】関 崇史
(72)【発明者】
【氏名】栗林 雅人
(72)【発明者】
【氏名】松田 琢馬
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康宏
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 貴裕
【テーマコード(参考)】
3G004
【Fターム(参考)】
3G004AA01
3G004BA01
3G004CA01
3G004CA06
3G004DA05
3G004DA07
(57)【要約】
【課題】 二股以上に分岐する排気管の気柱共鳴の増幅を低減させ、消音性能を向上させた車両の排気管構造の提供。
【解決手段】 車両の排気管構造10,20は、1本の排気パイプ11から分岐する分岐パイプ12,13に設けられた容積が異なるマフラ14,15と、第1の上流パイプ12aおよび第1の下流パイプ12bを有する第1の分岐パイプ12と、第2の上流パイプ13aおよび第2の下流パイプ13bを有する第2の分岐パイプ13と、を具備し、第1の上流パイプと第1の下流パイプとの第1のなす角度θ1に対して、第2の上流パイプと第2の下流パイプとの第2のなす角度θ2が小さく設定されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本の排気パイプから分岐する少なくとも二股以上に分岐する分岐パイプを備えた車両の排気管構造において、
前記分岐パイプに設けられた容積が異なるマフラと、
第1の上流パイプおよび第1の下流パイプを有する第1の分岐パイプと、
第2の上流パイプおよび第2の下流パイプを有する第2の分岐パイプと、
を具備し、
前記第1の上流パイプと前記第1の下流パイプとの第1のなす角度に対して、前記第2の上流パイプと前記第2の下流パイプとの第2のなす角度が小さく設定されていることを特徴とする車両の排気管構造。
【請求項2】
前記第1の分岐パイプよりも前記第2の分岐パイプへの排気ガスの流量が少なくなるように前記排気パイプの近傍の前記第1の上流パイプに前記第2の上流パイプが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の排気管構造。
【請求項3】
前記第1の分岐パイプに設けられる第1のマフラの第1の容積よりも前記第2の分岐パイプに設けられる第2のマフラの第2の容積が大きく設定されていることを特徴とする請求項2に記載の車両の排気管構造。
【請求項4】
前記第1のマフラ内の前記第1の分岐パイプに穿孔された第1のパンチ孔の数が前記第2のマフラ内の前記第2の分岐パイプに穿孔された第2のパンチ孔の数より多いことを特徴とする請求項3に記載の車両の排気管構造。
【請求項5】
前記第1のマフラと前記第2のマフラとが一体の1つの前記マフラを有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の車両の排気管構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消音性能を向上させた車両の排気管構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の騒音規制により法規上の車外音として、排気管から出る音は小さいことが望ましい。例えば、テールパイプを片側2本以上出す排気管構造では、より高い消音効果を得るために、各パイプの排気流量は均等になることが望ましい。
【0003】
例えば、特許文献1には、二股に分けた排気管を外筒で繋いだ内燃機関のサブマフラ構造が開示されている。従来のサブマフラ構造は、サブマフラの外筒の軸線方向央部に導入した排気管の下流端を外筒内の導管により車体左右方向外方向きに二分岐させ、導管の周壁の多数の小孔により導管の内部を外筒と導管との間の空間に連通させ、この空間を利用して排気管の共鳴や高周波成分の排気騒音を消音させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、二股に分けた2つの排気管に排気が均等に流れると、所定の周波数領域において、2つの排気管の気柱共鳴が増幅し、排気音圧が大きくなるという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、二股以上に分岐する排気管の気柱共鳴の増幅を低減させ、消音性能を向上させた車両の排気管構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の車両の排気管構造は、1本の排気パイプから分岐する少なくとも二股以上に分岐する分岐パイプを備え、前記分岐パイプに設けられた容積が異なるマフラと、第1の上流パイプおよび第1の下流パイプを有する第1の分岐パイプと、第2の上流パイプおよび第2の下流パイプを有する第2の分岐パイプと、を具備し、前記第1の上流パイプと前記第1の下流パイプとの第1のなす角度に対して、前記第2の上流パイプと前記第2の下流パイプとの第2のなす角度が小さく設定されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、二股以上に分岐する排気管の気柱共鳴の増幅を低減させ、消音性能を向上させた車両の排気管構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両の排気管を示す斜視図
【
図2】同、車両の排気管構造であるテール排気ユニットを示す斜視図
【
図3】同、テール排気ユニットの構成を示す部分断面図
【
図4】第1の変形例のテール排気ユニットの構成を示す部分断面図
【
図5】第2の変形例のテール排気ユニットを示す斜視図
【
図6】第2の変形例のテール排気ユニットの構成を示す部分断面図
【
図7】従来構造と本発明の構造の気柱共鳴の周波数と減衰音圧の変化の一例を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照しながら、本発明の一態様の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
【0012】
図1に示す、車両の排気管1は、パワーユニットである内燃機関に接続されるエキゾーストマニホールド2と、触媒を用いて有害排気成分を浄化する触媒コンバータ3と、2つのテール排気ユニット10,20と、を有し、複数、ここでは4つの排気管4,5,6,7がボールジョイントなどの排気管接続部材8によって接続されている。
【0013】
なお、触媒コンバータ3は、排気管5の中途に設けられている。また、2つのテール排気ユニット10,20に接続される後方の排気管7は、崩れY字状排気管となっている。
【0014】
車両の排気管1は、内燃機関が搭載される車体の下面に設けられ、エキゾーストマニホールド2からの排ガスが車体前方から車体後方に向って、4つの排気管4,5,6,7を通過して、2つのテール排気ユニット10,20から外部に排出される。
【0015】
なお、排ガスは、排気管5を通過する過程で、触媒コンバータ3によって、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などといった大気汚染物質が除去される。
【0016】
ここで、本実施の形態の車両の排気管構造である2つのテール排気ユニット10,20について、以下に詳しく説明する。なお、2つのテール排気ユニット10,20は、左右対称の同一構成であるため、ここでは車両前方から見た右側に配置されるテール排気ユニット10のみを例示して説明する。
【0017】
テール排気ユニット10(20)は、ステンレスなどの金属から形成され、
図2に示すように、排気管7に接続される排気パイプのメインテールパイプ11から二股に分岐された車幅方向の外側となる一方の分岐パイプのアウトサイドテールパイプ12および車幅方向の内側となる他方の分岐パイプのインサイドテールパイプ13を有している。アウトサイドテールパイプ12およびインサイドテールパイプ13は、それぞれが同じパイプ径であり、パイプ長も等長となるように設定されている。
【0018】
アウトサイドテールパイプ12の中途には、アウトサイド側のチャンバ(サイレンサ、消音器ともいう)であるアウトサイドマフラ14が設けられ、インサイドテールパイプ13の中途には、インサイド側のチャンバ(サイレンサー、消音器ともいう)であるインサイドマフラ15が設けられている。なお、アウトサイドテールパイプ12およびインサイドテールパイプ13のパイプエンドには、マフラーカッター16,17がそれぞれ設けられている。
【0019】
アウトサイドテールパイプ12は、メインテールパイプ11から分岐するアウトサイドテール上流パイプ12aおよびアウトサイドテール下流パイプ12bを有している。
【0020】
インサイドテールパイプ13は、メインテールパイプ11から分岐するインサイドテール上流パイプ13aおよびインサイドテール下流パイプ13bを有している。なお、インサイドテール上流パイプ13aは、メインテールパイプ11側のアウトサイドテール上流パイプ12aに接続されている。
【0021】
アウトサイドテール上流パイプ12aは、メインテールパイプ11の長手軸である孔軸Oに対する長手軸の孔軸P1が所定の角度を有して車幅外側方向に延在している。アウトサイドテール下流パイプ12bは、その孔軸X1がアウトサイドテール上流パイプ12aの孔軸P1に対する第1のなす角度θ1を有して延在している。なお、メインテールパイプ11の孔軸Oと、アウトサイドテール下流パイプ12bの長手軸の孔軸X1とが略平行となっている。
【0022】
一方、インサイドテール上流パイプ13aは、メインテールパイプ11の孔軸Oに対する長手軸の孔軸P2が所定の角度を有し、アウトサイドテール上流パイプ12aとは反対方向の車幅内側方向に延在している。なお、インサイドテール上流パイプ13aは、アウトサイドテール上流パイプ12aのメインテールパイプ11の近傍に接続されている。
【0023】
そのため、メインテールパイプ11からの排ガスは、アウトサイドテール上流パイプ12a側に多く流れ、インサイドテール上流パイプ13a側の流量が少なく排気される。
【0024】
また、インサイドテール下流パイプ13bは、その孔軸X2がインサイドテール上流パイプ13aの孔軸P2に対して、第1のなす角度θ1よりも小さい角度となる第2のなす角度θ2(θ2<θ1)を有して延在している。即ち、第1のなす角度θ1は、第2のなす角度θ2よりも大きい角度(θ1>θ2)となっている。
【0025】
なお、メインテールパイプ11の孔軸Oと、インサイドテール下流パイプ13bの孔軸X2も略平行となっている。即ち、アウトサイドテール下流パイプ12bとインサイドテール下流パイプ13bは、それぞれの孔軸X1,X2が略平行に延在する。
【0026】
アウトサイドテール下流パイプ12bは、中途部分に複数の孔部23が形成されたパンチングパイプであり、これら複数の孔部23を覆うようにアウトサイドマフラ14のハウジング21が接続されている。また、インサイドテール下流パイプ13bも、中途部分に複数の孔部33が形成されたパンチングパイプであり、これら複数の孔部33を覆うようにインサイドマフラ15のハウジング31が接続されている。
【0027】
アウトサイドマフラ14およびインサイドマフラ15は、所謂、共鳴式の排気音を減少させる構造となっている。なお、アウトサイドマフラ14およびインサイドマフラ15は、各ハウジング21,31内にグラスウール、スチールウールなどの消音材を充填させた、所謂、吸収式の構造、ハウジング21,31の両端にパイプが接続された、所謂、膨張式の構造、ハウジング21,31内に複数の隔壁を設けた、所謂、隔壁式の構造など、種々のマフラ構造にも適用可能である。
【0028】
本実施の形態のアウトサイドマフラ14のハウジング21は、アウトサイドテール下流パイプ12bの前後周囲を閉塞する両端面を有した内径D1を有する略筒状体である。また、インサイドマフラ15のハウジング31も、インサイドテール下流パイプ13bの前後周囲を閉塞する両端面を有した内径D1よりも大きな内径D2を有する略筒状体である。また、各ハウジング21,31は、前後方向の長さが同一となるように設定されている。
【0029】
本実施の形態のテール排気ユニット10(20)は、アウトサイドマフラ14のハウジング21によって形成される内部空間の容量(容積)A1がインサイドマフラ15のハウジング31によって形成される内部空間の容量(容積)A2よりも小さく(A1<A2)設定されている。即ち、アウトサイドマフラ14は、インサイドマフラ15よりも小さい容量が設定されており、内部が異なる容積となっている。換言すると、インサイドマフラ15は、アウトサイドマフラ14よりも、内部空間が大きく容量が大きく設定されている。
【0030】
なお、アウトサイドマフラ14とインサイドマフラ15は、互いの容量が異なればよく、各ハウジング21,31の前後方向の長さが非同一であってもよい。
【0031】
以上のように構成されたテール排気ユニット10(20)は、2本のアウトサイドテールパイプ12およびインサイドテールパイプ13を有して、それぞれに設けられ、容量(容積)A1,A2が異なる2つのアウトサイドマフラ14およびインサイドマフラ15により、各パイプの共鳴で発生する特定の周波数の音を消音する構造となっている。
【0032】
即ち、テール排気ユニット10(20)は、アウトサイドマフラ14およびインサイドマフラ15の容量(容積)A1,A2を不均一にして、流量の少ないインサイドテールパイプ13側に設けられるインサイドマフラ15の容量(容積)A2がアウトサイドテールパイプ12側に設けられるアウトサイドマフラ14の容量(容積)A1よりも大きく構成されている。これによりメインテールパイプ11から二股に分岐するアウトサイドテールパイプ12およびインサイドテールパイプ13による共鳴の位相ずれを起こさせて、気柱共鳴の増幅を低減させている。
【0033】
即ち、従来構成のテール排気ユニットは、二股に分岐するアウトサイドテールパイプおよびインサイドテールパイプが略等長であり、アウトサイドマフラの容量(容積)とインサイドマフラの容量(容積)が同一容量であると、特定の周波数帯における気柱共鳴の波長の腹と節が一致して音圧が増幅してしまう。
【0034】
そのため、本実施の形態のテール排気ユニット10(20)は、アウトサイドマフラ14の容量(容積)A1とインサイドマフラ15の容量(容積)A2を異ならせて、特定の周波数帯の気柱共鳴の波長の腹と節が一致しないようにすることで、音圧の増幅を防止する構造となっている。
【0035】
従って、テール排気ユニット10(20)は、アウトサイドテールパイプ12およびインサイドテールパイプ13による共鳴で発生する特定の周波数帯の音圧を低減可能となり、車外音を低減させることができる。以上の説明から、テール排気ユニット10(20)は、二股に分けられた2つの排気管の気柱共鳴の増幅を低減させ、消音性能を向上させた車両の排気管構造となる。
(第1の変形例)
【0036】
図4に示すように、本変形例のテール排気ユニット10(20)は、アウトサイドマフラ14におけるパンチングパイプのアウトサイドテール下流パイプ12bに形成する複数の孔部23の数をインサイドマフラ15におけるパンチングパイプのインサイドテール下流パイプ13bに形成する複数の孔部33の数よりも多くしてもよい。
【0037】
このような構成としても、テール排気ユニット10(20)は、上述と同様に特定の周波数の音圧を低減可能となり、車外音を低減させることができる。
(第2の変形例)
【0038】
図5に示すように、アウトサイドマフラおよびインサイドマフラが一体となった1つのマフラ18としてもよい。このマフラ18は、
図6に示すように、マフラハウジング19の内部に隔壁25,35が設けられており、アウトサイドテールパイプ12側とインサイドテールパイプ13側との内部空間が離隔されている。即ち、マフラ18は、アウトサイドマフラおよびインサイドマフラを備えた構造となっている。
【0039】
このようなマフラ18の構成においても、アウトサイドテールパイプ12側の内部空間の容量(容積)A1がインサイドテールパイプ13側の内部空間の容量(容積)A2よりも小さく(A1<A2)なるように設定されている。
【0040】
このような構成としても、テール排気ユニット10(20)は、上述と同様に特定の周波数の音圧を低減可能となり、車外音を低減させることができる。
【0041】
なお、本変形例の構成に加え、第1の変形例のアウトサイドテール下流パイプ12bに形成する複数の孔部23の数をインサイドマフラ15におけるパンチングパイプのインサイドテール下流パイプ13bに形成する複数の孔部33の数よりも多くする構成を組み合わせてもよい。
【0042】
ここで、従来構造に対して、上述の実施の形態および第1、第2の変形例のテール排気ユニット10(20)の構造による各周波数の減衰音圧を
図7に示す。
【0043】
図7に示すように、破線F0で示す、従来構造は、常用領域の周波数、例えば450Hz~550Hzにおいて、気柱共鳴の波長の節と腹が一致して増幅して、アウトサイドマフラ14およびインサイドマフラ15による減衰量(dB)が低下する。
【0044】
これに対して、一点鎖線F1で示す、上述の実施の形態の構造、2点鎖線F2で示す、第1の変形例の構造および、3点鎖線F3で示す、第2の変形例の構造のテール排気ユニット10(20)は、常用領域の周波数、例えば450Hz~550Hzにおいても、気柱共鳴の波長の節と腹が不一致となり増幅せず、アウトサイドマフラ14およびインサイドマフラ15による減衰量(dB)の低下を防止することができる。
即ち、減衰音圧(dB)は、音を減衰させる量(消音量)である為、数値が大きくなると消音効果が上がる。したがって、減衰音圧(dB)が上がると消音量が上がるため、音が小さくなる。これにより、音圧を低減可能となり、車外音を低減させることができる。以上の説明から、テール排気ユニット10(20)は、二股に分けられた2つのテール排気ユニット10(20)の気柱共鳴の増幅を低減させ、消音性能を向上させた車両の排気管構造となる。
【0045】
なお、アウトサイドテールパイプ12およびインサイドテールパイプ13の気柱共鳴の増幅を低減させるには、アウトサイドマフラ14の容量(容積)A1とインサイドマフラ15の容量(容積)A2が略同一でなければよいため、アウトサイドマフラ14の容量(容積)A1をインサイドマフラ15の容量(容積)A2よりも大きくした構成でもよい。
【0046】
また、車両の排気管1は、2つのテール排気ユニット10,20を有する構成を例示しているが、これに限定されることなく、左右いずれか片側のみに1つのテール排気ユニット10(20)を有する構成としてもよい。
【0047】
さらに、テール排気ユニット10,20は、テールパイプが二股に分岐する構成に限らず、複数に分岐した構成において、各マフラの容量(容積)が異なるように設定されていればよい。なお、テール排気ユニット10,20に限定されることなく、排気管の中途が分岐してマフラが設けられる構成にも適用可能な技術である。
【0048】
以上の実施の形態に記載した発明は、それらの形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
【0049】
例えば、各形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0050】
1…車両の排気管
2…エキゾーストマニホールド
3…触媒コンバータ
4,5,6,7…排気管
8…排気管接続部材
10,20…テール排気ユニット
11…メインテールパイプ
12…アウトサイドテールパイプ
12a…アウトサイドテール上流パイプ
12b…アウトサイドテール下流パイプ
13…インサイドテールパイプ
13a…インサイドテール上流パイプ
13b…インサイドテール下流パイプ
14…アウトサイドマフラ
15…インサイドマフラ
16,17…マフラーカッター
18…マフラ
19…マフラハウジング
21,31…ハウジング
23,33…孔部
25,35…隔壁
A1,A2…容量(容積)
D1,D2…内径
O,P1,P2,X1,X2…孔軸