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  • 特開-支持体および建具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055569
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】支持体および建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/54 20060101AFI20230411BHJP
   E06B 3/64 20060101ALN20230411BHJP
【FI】
E06B3/54 B
E06B3/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021165066
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】西塔 都志雄
【テーマコード(参考)】
2E016
【Fターム(参考)】
2E016AA01
2E016BA03
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC02
2E016DA07
2E016DB02
2E016DB03
2E016DC01
(57)【要約】
【課題】簡単に複数並べて設置可能な支持体および建具を提供すること。
【解決手段】支持体7は、下枠30およびパネルを備える固定窓において下枠30およびパネルの間で当該パネルを支持するものである。支持体7は、下枠30に配置される本体部70と、下枠30の長手方向に沿った左右方向における一方側に隣り合う他の支持体に係合する凸部100と、本体部70に対して左右方向における他方側に隣り合う他の支持体に係合する凹部110とを有する。凸部100および凹部110は、互いに係合可能な形状に形成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームおよびパネルを備える建具において前記フレームおよび前記パネルの間で当該パネルを支持する支持体であって、
前記フレームに配置される本体部と、
前記本体部に対して前記フレームの長手方向に沿った左右方向における一方側に隣り合う他の支持体に係合する凸部と、
前記本体部に対して前記左右方向における他方側に隣り合う他の支持体に係合する凹部とを有し、
前記凸部および前記凹部は、互いに係合可能な形状に形成される
ことを特徴とする支持体。
【請求項2】
請求項1に記載の支持体において、
前記凸部は、基部および前記基部に対して前記左右方向における一方側に位置する突出部を有し、
前記凹部は、底部および前記底部に対して前記左右方向における他方側に位置する開口部を有し、
前記凸部は、前記基部よりも前記突出部が大きく形成され、
前記凹部は、前記底部よりも前記開口部が小さく形成される
ことを特徴とする支持体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の支持体において、
前記凸部および前記凹部は、前記本体部の上面位置から下面位置まで上下方向に沿って延びて形成される
ことを特徴とする支持体。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の支持体において、
前記本体部の下面には、前記フレームに取り付けられる取付部が下方に突出して形成される
ことを特徴とする支持体。
【請求項5】
請求項4に記載の支持体において、
前記取付部は、前記支持体の上下方向および前記左右方向に交差する前後方向における位置が異なる二つの取付片部を有し、
前記取付片部のそれぞれには、前記フレームに係合する係合面が前記左右方向に沿って形成される
ことを特徴とする支持体。
【請求項6】
請求項5に記載の支持体において、
前記フレームに対して前記左右方向に位置決め可能に掛かる位置決め部が形成される
ことを特徴とする支持体。
【請求項7】
請求項6に記載の支持体において、
前記本体部は、前記左右方向に沿った前面および後面を有し、
前記位置決め部は、前記前面または前記後面から延出した掛片部によって構成され、
前記掛片部は、前記前後方向に沿った延出片部と、前記延出片部から下方に延びた先端片部とを有する
ことを特徴とする支持体。
【請求項8】
フレームおよびパネルと、前記フレームおよび前記パネルの間で当該パネルを支持する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の支持体とを備える
ことを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームおよびパネルを備える建具においてフレームおよびパネルの間で当該パネルを支持する支持体および建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、支持枠内において板ガラス体を支持する支持部材が知られている(特許文献1参照)。この支持部材は、長尺状で断面略H形に形成されており、支持枠に載置されて板ガラス体の荷重を支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-308245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の支持部材では、板ガラスの荷重に応じた長さ寸法の支持部材を設置する必要があり、この支持部材の準備に手間を要する。ここで、所定長さ寸法の支持部材を複数並べて設置し、設置する支持部材の個数を板ガラス体の荷重に応じて支持部材を適宜設定することが考えられる。しかし、適宜設定した個数の支持部材同士の位置決めに手間を要する。
【0005】
本発明の目的は、簡単に複数並べて設置可能な支持体および建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の支持体は、フレームおよびパネルを備える建具において前記フレームおよび前記パネルの間で当該パネルを支持する支持体であって、前記フレームに配置される本体部と、前記本体部に対して前記フレームの長手方向に沿った左右方向における一方側に隣り合う他の支持体に係合する凸部と、前記本体部に対して前記左右方向における他方側に隣り合う他の支持体に係合する凹部とを有し、前記凸部および前記凹部は、互いに係合可能な形状に形成されることを特徴とする。
本発明の建具は、フレームおよびパネルと、前記フレームおよび前記パネルの間で当該パネルを支持する前述した本発明の支持体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡単に複数並べて設置可能な支持体および建具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る固定窓を示す外観姿図。
図2】前記実施形態に係る固定窓の要部を示す縦断面図。
図3】前記実施形態に係る固定窓の支持体の設置状態を示す説明図。
図4】前記実施形態に係る固定窓の支持体を上方から示す斜視図。
図5】前記実施形態に係る固定窓の支持体を下方から示す斜視図。
図6】前記支持体の変形例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図3において、本実施形態に係る建具としての固定窓1は、窓枠2(枠体)と、窓枠2内に配置されるパネル6と、パネル6を支持する支持体7(セッティングブロック)とを備えている。パネル6は、本実施形態では矩形状の複層ガラスパネルで構成されており、2枚の面材63の間にスペーサ65が配置されている。支持体7は、本実施形態では図1に一点鎖線で示す固定窓1の左右下部の領域A1,A2のそれぞれに複数設置されている。なお、図2および図3ではそれぞれ領域A1を拡大して示している。
以下の説明において、固定窓1の左右方向をX軸方向とし、固定窓1の上下方向をY軸方向とし、固定窓1の見込み方向をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
【0010】
窓枠2は、アルミ押出形材によって形成された上枠20、下枠30および左右の縦枠50を備えており、本実施形態では下枠30が本発明におけるフレームに相当する。下枠30は、図2に示すように、アルミ製の金属枠材31と、金属枠材31に係合する樹脂製の樹脂押縁32とを備えており、金属枠材31および樹脂押縁32によってパネル6を保持している。パネル6の室外面61には金属枠材31に取り付けられた気密材33が当接し、パネル6の室内面62には樹脂押縁32に取り付けられた気密材34が当接している。上枠20および左右の縦枠50は、下枠30と概略同様に金属枠材および樹脂押縁を備えてパネル6を保持している。
【0011】
下枠30の金属枠材31は、X軸方向に沿っており、支持体7が取り付けられる被取付部361が形成された見込み面部36を有する枠本体35と、見込み面部36の室外端部から立ち上げられた室外見付け面部38と、見込み面部36の室内端部から立ち上げられた室内見付け面部39と、室外見付け面部38および室内見付け面部39の間で見込み面部36から立ち上げられ且つ室外見付け面部38に対してZ軸方向に対向する中間見付け面部40とを有している。枠本体35は、見込み面部36の下側に中空部37を形成している。室内見付け面部39および中間見付け面部40には、X軸方向に沿った樹脂押縁32が係合している。
見込み面部36に形成された被取付部361は、図2に示すように、室外見付け面部38および中間見付け面部40の間に配置されており、下枠30に沿ってX軸方向に延びており、このため、支持体7の後述する取付部80のそれぞれに対応する位置にそれぞれ被取付部を形成する手間を省くことができる。被取付部361は、Y軸方向に沿った一対の側片362およびZ軸方向に沿った底片363を有した溝部364と、溝部364の開口を規定する一対の開口規定部365を有しており、開口規定部365のX軸方向に沿った下面が支持体7の後述する係合面86に係合する被係合面366となっている。
中間見付け面部40には、図2に示すように、突き出し加工によって室外側に突き出された被掛部41が形成されている。被掛部41は、本実施形態では下枠30のX軸方向における両端側にそれぞれ一つずつ形成されている。被掛部41は、図3に示すように、Z軸方向に沿った一対の側片42およびX軸方向に沿った突出し片43を有して平面視コ字状に形成されている。
【0012】
支持体7は、本実施形態では前述した領域A1,A2のそれぞれにおいてX軸方向に複数隣り合って互いに係合して配置されている。また、本実施形態では複数の支持体7は互いに同一形状に形成されており、パネル6の荷重を受けられる材料であれば樹脂製であっても金属製であってもよい。複数の支持体7は、互いに同一形状のものとすることで、互いに異なる形状とする場合と比べて、複数の支持体7の製造コストを削減でき、当該支持体7を複数備えることで、且つ各種寸法の固定窓1に対して適宜組み合わせて設置できるので汎用性を向上できる。
支持体7は、図4および図5に示すように、概略ブロック状に形成された本体部70と、本体部70から突出して形成された凸部100と、本体部70に形成された凹部110とを有しており、凸部100および凹部110は互いに係合可能な形状に形成されている。本体部70は、上面71と、下面72と、X軸方向に沿った前面73および後面74と、Z軸方向に沿った左右一対の端面75,76とを有している。下面72には、下枠30の被取付部361に取り付けられる取付部80が下方に突出して形成されている。後面74には、下枠30に対してX軸方向に位置決め可能に被掛部41に掛かる位置決め部としての掛片部90が延出して形成されている。
凸部100は、本実施形態では一方の端面75に形成されている。凹部110は、本実施形態では他方の端面76に形成されている。凸部100および凹部110は、互いに相補的な形状に形成されている。なお、支持体7の設置状態では、支持体7の左右方向はX軸方向であり、支持体7の上下方向はY軸方向であり、支持体7の前後方向はZ軸方向である。説明の便宜上、支持体7の左右方向をX軸方向とし、支持体7の上下方向をY軸方向とし、支持体7の前後方向をZ軸方向とする。
【0013】
取付部80は、Z軸方向における位置が異なる二つの取付片部81,82を有している。取付片部81,82は、端面75から端面76までX軸方向に延びており、Z軸方向に弾性変形可能に構成されている。取付片部81の先端部は、Z軸方向において前面73側に突出した係合爪部84として形成されており、取付片部82の先端部は、Z軸方向において後面74側に突出した係合爪部85として形成されている。係合爪部84,85は、X軸方向およびZ軸方向に沿った係合面86をそれぞれ有している。
掛片部90は、Z軸方向に沿って後方に延出した延出片部91と、延出片部91からY軸方向に沿って下方に延びた先端片部92とを有して断面略L字状に形成されている。
凸部100は、基部101と、基部101に対してX軸方向における一方側に位置する突出部102とを有している。突出部102における先端面103はZ軸方向に沿っており、先端面103のY軸方向に沿った両側縁には側面104,105が連続している。側面104は、先端面103に連続する一方の側縁の位置が端面75に連続する他方の側縁の位置よりもZ軸方向において前面73側の位置に配置されるようにX軸方向に対して傾斜して配置されている。側面105は、先端面103に連続する一方の側縁の位置が端面75に連続する他方の側縁の位置よりもZ軸方向において後面74側の位置に配置されるようにX軸方向に対して傾斜して配置されている。この凸部100は、Y軸方向に沿って上面71から下面72まで延びて形成され且つ突出部102が基部101よりもZ軸方向に大きく形成されており、基部101から突出部102に向かって平面視において先拡がり形状となっている。
凹部110は、底部111と、底部111に対してX軸方向における他方側に位置する開口部112とを有している。底部111における底面113はZ軸方向に沿っており、底面113のY軸方向に沿った両側縁には側面114,115が連続している。側面114は、底面113に連続する一方の側縁の位置が端面76に連続する他方の側縁の位置よりもZ軸方向において前面73側の位置に配置されるようにX軸方向に対して傾斜して配置されている。側面115は、底面113に連続する一方の側縁の位置が端面76に連続する他方の側縁の位置よりもZ軸方向において後面74側の位置に配置されるようにX軸方向に対して傾斜して配置されている。この凹部110は、Y軸方向に沿って上面71から下面72まで延びて形成され且つ底部111が開口部112よりもZ軸方向に小さく形成されており、底部111から開口部112に向かって平面視において先狭まり形状となっている。
【0014】
以下、領域A1において支持体7を複数並べて設置する手順について説明する。
まず、一つ目の支持体7を下枠30に取り付ける。具体的には、支持体7を下枠30の室外見付け面部38および中間見付け面部40の間に入れると共に掛片部90の先端片部92を被掛部41の一対の側片42に差し入れることで掛片部90を被掛部41に掛ける。これにより、一つ目の支持体7は下枠30に対してX軸方向に位置決めされる。続いて、支持体7を下枠30に対してY軸方向に押し付けて、支持体7の取付部80を下枠30の被取付部361に取り付ける。具体的には、取付部80における取付片部81,82の係合爪部84,85が被取付部361における一対の開口規定部365に押し付けられて取付片部81,82に弾性変形を生じる。係合爪部84,85が溝部364内に入れられると、取付片部81,82は復元し、係合爪部84,85の係合面86が一対の開口規定部365の被係合面366に対してY軸方向に対向した係合状態となり、取付片部81,82のうちの係合爪部84,85よりも下面72側の部分が一対の開口規定部365に当接する。これにより、一つ目の支持体7は下枠30に対してZ軸方向に位置決めされる。また、X軸方向に延びた取付片部81,82がX軸方向に延びた被取付部361に前述したように取り付けられるので、一つ目の支持体7がY軸方向に沿った軸心周りの回動を抑制しており、もし前述した回動を多少生じ得たとしても掛片部90の先端片部92が被掛部41の一対の側片42に当たって前述した回動を規制する。
次に、二つ目の支持体7を下枠30に取り付ける。具体的には、二つ目の支持体7を室外見付け面部38および中間見付け面部40の間に入れ、続いて前述同様に、二つ目の支持体7の取付部80を被取付部361に取り付ける。このとき、図3に示すように、二つ目の支持体7の凹部110を一つ目の支持体7の凸部100に係合する。凹部110および凸部100の係合状態では、凹部110の一対の側面114,115と凸部100の一対の側面104,105とがX軸方向に係合する一方、二つ目の支持体7の端面76と一つ目の支持体7の端面75とが当接し且つ二つ目の支持体7の前面73および後面74が一つ目の支持体7の前面73および後面74に対してX軸方向に面一に配置される。このため、二つ目の支持体7を下枠30に取り付けた状態では、二つ目の支持体7は一つ目の支持体7および下枠30に対して位置決めされる。なお、二つ目の支持体7の掛片部90は下枠30の被掛部41などに掛けられないが、一つ目の支持体7がX軸方向に位置決さめされているので、二つ目の支持体7もX軸方向に位置決めされている。
【0015】
本実施形態では、前述したように支持体7を下枠30に取り付けることで、支持体7を下枠30に対して両面テープなどで貼り付けたりする必要をなくし得、支持体7を下枠30に対して位置決めする位置決め治具などを用いる必要をなくし得る。加えて、支持体7を下枠30に対して上から押し込むだけでよいので、支持体7の下枠30に対する取付け作業の自動化を図ることが容易となる。
なお、領域A2において支持体7を複数並べて設置する手順も概略同様であり、一つ目の支持体7の凹部110に二つ目の支持体7の凹部110を係合してもよい。
【0016】
[変形例]
前記実施形態では、領域A1に二つの支持体7を設置しているが、パネル6の重量に応じて、一つの支持体7を配置してもよく、また、三つ以上の支持体7を互いに係合して配置してもよい。領域A2においても同様に、一つの支持体7を配置してもよく、また、三つ以上の支持体7を互いに係合して配置してもよい。また、前記実施形態では、領域A1,A2に支持体7を設置しているが、パネル6の左右寸法等の各寸法や重量に応じて、領域A1,A2の間の領域にも支持体7を設置してもよい。
前記実施形態では、複数の支持体7は、互いに同一形状のものとしているが、凸部100および凹部110が係合可能であれば互いに異なる形状であってもよく、例えば二つ目以降の支持体7の掛片部90や取付片部81,82の構成を省略してもよい。
また、一つ目の支持体7の掛片部90が被掛部41に掛けられていなくても、複数隣り合って互いに係合する支持体7のうちの少なくともいずれか一つの掛片部90が被掛部41に掛けられればよい。この場合、支持体7のうちの少なくともいずれか一つに掛片部90が形成されていればよい。一方、下枠30の被掛部41は、当該下枠30のうち、互いに係合する複数の支持体7のうちの少なくとも一つが掛けられる位置に形成されればよいので、複数の支持体7の全てに対応する被掛部41を形成する必要はなく、下枠30に被掛部41を形成する手間を軽減できる。
前記実施形態では、複数隣り合って互いに係合する支持体7のすべての取付部80が被取付部361に取り付けられているが、互いに係合する複数の支持体7のうちの少なくともいずれか一つを下枠30の被取付部361に取り付けられればよく、このため、前述した少なくともいずれか一つの支持体7を除く他の支持体7では、取付部80の構成を省略してもよい。この場合でも、複数の支持体7をまとめて下枠30に対する所定位置に配置できる。
前記実施形態では、凸部100および凹部110は、上面71から下面72までY軸方向に沿って延びているが、これに限らず、凸部100および凹部110が互いに係合可能な形状であればよく、例えば、凸部100が上面71(または下面72)から下面72(または上面71)に向かう途中まで形成される一方、凹部110が下面72(または上面71)から上面71(または下面72)に向かう途中まで形成されていてもよい。また例えば、図6に示す変形例のように、凸部100はX軸方向に突出し且つ上向きに延びてされる一方、凹部110は凸部100に対して相補的に窪んで形成され、これらの凸部100および凹部110が互いに係合可能に構成されていてもよい。更に図6に示す変形例では、凸部100が端面75から突出して形成される一方、凹部110が端面76でも開口して形成されているが、例えば凸部100が下面72から突出してX軸方向における一方側に延び且つ上方に立ち上げられて形成される一方、凹部110が下面72だけで開口して形成されていてもよい。
前記実施形態では、凸部100は、前述した先端面103およびこれに連続する一対の側面104,105を有した形状に形成されている一方、凹部110は、前述した底面113およびこれに連続する一対の側面114,115を有した形状に形成されているが、この形状に限らず、凸部100および凹部110が互いに係合可能な形状であればよい。
前記実施形態では、掛片部90は後面74から延出しているが、これに限らず、下枠30に掛けて支持体7をX軸方向に位置決めできればよく、例えば前面73から延出していてもよい。この場合、下枠30の被掛部41は、掛片部90に対応した位置に設けられる。
また、掛片部90は、延出片部91および先端片部92を有した形状に形成されている一方、被掛部41は一対の側片42および突出し片43を有した形状に形成されているが、この形状に限らず、掛片部90を被掛部41に掛けて支持体7をX軸方向に位置決め可能な形状であればよく、例えば被掛部41において突出し片43はなくてもよい。
前記実施形態では、取付部80はX軸方向に延びた取付片部81,82を有してスナップ式に被取付部361に係合可能に形成されているが、これに限らず、被取付部361に取付け可能に形成されていればよい。この場合、被取付部361は、取付部80に適宜対応して形成される。
前記実施形態では、建具として固定窓1を説明したが、このほか、枠体に対して框組みされたパネルをスライドや回動等によって開閉可能なスライド系や開き系の窓であってもよい。この場合、パネルの周囲に配置される框体における下框をフレームとし且つ下框およびパネルの間に支持体7を設置し、この支持体7によってパネルを支持してもよい。
【0017】
[発明のまとめ]
本発明の支持体は、フレームおよびパネルを備える建具において前記フレームおよび前記パネルの間で当該パネルを支持する支持体であって、前記フレームに配置される本体部と、前記本体部に対して前記フレームの長手方向に沿った左右方向における一方側に隣り合う他の支持体に係合する凸部と、前記本体部に対して前記左右方向における他方側に隣り合う他の支持体に係合する凹部とを有し、前記凸部および前記凹部は、互いに係合可能な形状に形成されることを特徴とする。
本発明の支持体によれば、例えば前述した凸部や凹部が形成されていない支持体をその左右方向に複数並べて設置する場合と比べて、隣り合う支持体同士の凸部および凹部を係合することで、支持体同士の位置決めの手間を軽減でき、支持体を簡単に複数並べて設置できる。
【0018】
本発明の支持体では、前記凸部は、基部および前記基部に対して前記左右方向における一方側に位置する突出部を有し、前記凹部は、底部および前記底部に対して前記左右方向における他方側に位置する開口部を有し、前記凸部は、前記基部よりも前記突出部が大きく形成され、前記凹部は、前記底部よりも前記開口部が小さく形成されてもよい。
このような構成によれば、隣り合う支持体の凸部および凹部同士を、支持体の左右方向に離間しないように係合可能な構造にでき、支持体を簡単に複数並べて設置できる。
【0019】
本発明の支持体では、前記凸部および前記凹部は、前記本体部の上面位置から下面位置まで上下方向に沿って延びて形成されていてもよい。
このような構成によれば、既に設置した支持体の隣に他の支持体を上から降ろすだけで、凸部および凹部を簡単に合わせることができ、凸部および凹部が支持体の上面や下面から上下方向に途中まで延びる場合と比べて製造容易である。
【0020】
本発明の支持体では、前記本体部の下面には、前記フレームに取り付けられる取付部が下方に突出して形成されていてもよい。
このような構成によれば、フレームに被取付部を形成しておけば、支持体をフレームに対して上から押し込むだけで、取付部をフレームに取り付け得る。
【0021】
本発明の支持体では、前記取付部は、前記支持体の上下方向および左右方向に交差する前後方向における位置が異なる二つの取付片部を有し、前記取付片部のそれぞれには、前記フレームに係合する係合面が前記左右方向に沿って形成されてもよい。
このような構成によれば、長手方向に沿った被取付溝を有するフレームを押出成形する場合には、左右方向に沿った係合面を前述した被取付溝に係合できる。このため、例えば取付部が左右方向ではなく前後方向に沿った係合面を有する場合には、フレームには支持体の個数に応じた所定位置に被取付部を形成する手間を要するが、本発明ではこのような手間をなくし得る。
【0022】
本発明の支持体では、前記フレームに対して前記左右方向に位置決め可能に掛かる位置決め部が形成されていてもよい。
このような構成によれば、長手方向に沿った被取付部を有するフレームを押出成形する場合、前述した係合片部を被取付部に係合しても、支持体が被取付部に沿って位置ズレするおそれがあるが、前述した位置決め部によって支持体の左右方向における位置決めができる。また、支持体をフレームにテープ貼りしたり、位置決め治具を用いて位置決めしたりする必要をなくし得る上、支持体の設置作業を容易にできるので当該設置作業の自動化を図り得る。
【0023】
本発明の支持体では、前記本体部は、前記左右方向に沿った前面および後面を有し、前記位置決め部は、前記前面または前記後面から延出した掛片部によって構成され、前記掛片部は、前記前後方向に沿った延出片部と、前記延出片部から下方に延びた先端片部とを有していてもよい。
このような構成によれば、前述した掛片部に対応する被掛部を突出し加工等によってフレームに形成しておけば、前述した係合片部を被取付部に対して上から押し込むことで支持体をフレームに設置する際に、掛片部の先端片部を被掛部に掛けることができ、支持体のフレームに対する左右方向の位置決めを簡単に行うことができる。
【0024】
本発明の建具は、フレームおよびパネルと、前記フレームおよび前記パネルの間で当該パネルを支持する前述した本発明の支持体とを備えることを特徴とする。
本発明の建具によれば、前述した支持体の作用効果と同様の作用効果を発揮できる。
【符号の説明】
【0025】
1…固定窓(建具)、100…凸部、101…基部、102…突出部、103…先端面、104,105,114,115…側面、110…凹部、111…底部、112…開口部、113…底面、2…窓枠(枠体)、20…上枠、30…下枠、31…金属枠材、32…樹脂押縁、33,34…気密材、35…枠本体、36…見込み面部、361…被取付部、362,42…側片、363…底片、364…溝部、365…開口規定部、366…被係合面、37…中空部、38…室外見付け面部、39…室内見付け面部、40…中間見付け面部、41…被掛部、43…突出し片、50…縦枠、6…パネル、61…室外面、62…室内面、63…面材、65…スペーサ、7…支持体、70…本体部、71…上面、72…下面、73…前面、74…後面、75,76…端面、80…取付部、81,82…取付片部、84,85…係合爪部、86…係合面、90…掛片部、91…延出片部、92…先端片部、A1,A2…領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6