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2023-55580借入金管理システム、借入金管理プログラム、及び借入金管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055580
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】借入金管理システム、借入金管理プログラム、及び借入金管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/03 20230101AFI20230411BHJP
【FI】
G06Q40/02 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021165106
(22)【出願日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】514312804
【氏名又は名称】古尾谷 未央
(74)【代理人】
【識別番号】100209886
【弁理士】
【氏名又は名称】金森 寛
(72)【発明者】
【氏名】古尾谷 未央
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】借入金に関する情報の利便性を向上させ、かつ、管理する負担を軽減する借入金管理システム、借入金管理プログラム及び借入金管理方法を提供する。
【解決手段】入金管理システム1は、表示部を有する端末装置と、端末装置と通信により接続可能であって、所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンを記憶する読込パターン記憶部1003と、読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込む借入金情報読込部1004と、読み込んだ借入金に関する情報を登録する借入金情報登録部1005と、登録した借入金に関する情報を端末装置の表示部に表示する借入金表示部1006と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える借入金管理システムであって、
所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンを記憶する読込パターン記憶手段と、
読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込む借入金情報読込手段と、
読み込んだ借入金に関する情報を登録する借入金情報登録手段と、
登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する借入金表示手段と
を備える、借入金管理システム。
【請求項2】
前記読込パターン記憶手段が、複数の読込パターンを記憶するものであり、
借入金管理システムがさらに、
ユーザの操作による読込パターンの選択を受け付ける読込パターン選択手段
を備え、
前記借入金情報読込手段が、選択された読込パターンに基づいて、借入金に関する情報を読み込む、請求項1に記載の借入金管理システム。
【請求項3】
借入金管理システムがさらに、
ユーザの操作により前記読込パターンの追加を受け付ける読込パターン追加手段
を備える、請求項1又は2に記載の借入金管理システム。
【請求項4】
借入金管理システムがさらに、
他のシステムが取込み可能な形式に加工したデータを出力するデータ出力手段
を備える、請求項1~3のいずれかに記載の借入金管理システム。
【請求項5】
前記借入金に関する情報が、借入金の契約に関する情報を含み、
借入金管理システムがさらに、
借入金の契約に関する情報に基づいて、所定の期間毎の返済金額を算出する返済金額算出手段
を備える、請求項1~4のいずれかに記載の借入金管理システム。
【請求項6】
前記借入金表示手段が、複数の金融機関からの借入金がある場合に、所定の期間毎に合算した返済額を含めて表示する、請求項1~5のいずれかに記載の借入金管理システム。
【請求項7】
表示部を有する端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える借入金管理システムのサーバ装置において実行する借入金管理プログラムであって、
サーバ装置を、
所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンを記憶する読込パターン記憶手段、
読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込む借入金情報読込手段、
読み込んだ借入金に関する情報を登録する借入金情報登録手段、
登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する借入金表示手段
として実現させる、借入金管理プログラム。
【請求項8】
表示部を有する端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える借入金管理システムにおいて実行される借入金管理方法であって、
所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込み、
読み込んだ借入金に関する情報を登録し、
登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する、借入金管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、借入金管理システム、借入金管理プログラム、及び借入金管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今業務のデジタル化が推進されており、紙の書面を廃止し、電子データを用いる業務に変更する業界は多い。そのような中で、金融機関においてユーザが借入金の契約を申し込むと、契約に関する情報や返済に関する情報は紙の書面が交付されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
紙媒体の書面しか交付されない状況では、借入金を申込んだユーザは、当該書面を保管する、あるいは自身で電子データに転記して管理するしかなく、利便性が低かった。その結果、他の金融機関でさらに借入れを申し込む場合に、他の金融機関の担当者は、ユーザが持参した書面を参照する、あるいは転記ミスの可能性があるデータを参照することになり、負担が大きかった。
【0004】
本発明の少なくとも1つの実施の形態の目的は、借入金に関する情報の利便性を高め、管理負担を軽減可能な借入金管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る借入金管理システムは、表示部を有する端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える借入金管理システムであって、所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンを記憶する読込パターン記憶手段と、読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込む借入金情報読込手段と、読み込んだ借入金に関する情報を登録する借入金情報登録手段と、登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する借入金表示手段とを備える、借入金管理システムに関する。
【0006】
本発明に係る借入金管理システムは、前記読込パターン記憶手段が、複数の読込パターンを記憶するものであり、借入金管理システムがさらに、ユーザの操作による読込パターンの選択を受け付ける読込パターン選択手段を備え、前記借入金情報読込手段が、選択された読込パターンに基づいて、借入金に関する情報を読み込むことが好ましい。
【0007】
本発明に係る借入金管理システムは、ユーザの操作により前記読込パターンの追加を受け付ける読込パターン追加手段を備えることが好ましい。
【0008】
本発明に係る借入金管理システムは、他のシステムが取込み可能な形式に加工したデータを出力するデータ出力手段を備えることが好ましい。
【0009】
本発明に係る借入金管理システムは、前記借入金に関する情報が、借入金の契約に関する情報を含むものであって、借入金の契約に関する情報に基づいて、所定の期間毎の返済金額を算出する返済金額算出手段を備えることが好ましい。
【0010】
本発明に係る借入金管理システムは、前記借入金表示手段が、複数の金融機関からの借入金がある場合に、所定の期間毎に合算した返済額を含めて表示することが好ましい。
【0011】
本発明に係る借入金管理システムは、前記読込パターンが、前記所定の期間毎の返済額を含む読込パターンと、月々の返済額を含まない読込パターンを含むものであることが好ましい。
【0012】
本発明に係る借入金管理システムは、借入金管理システムにログインするアカウントに関する情報に基づいて、実行可能な機能を制御する機能制御手段を備えることが好ましい。
【0013】
本発明に係る借入金管理システムは、前記機能制御手段が、前記読込パターン追加手段の実行可否を制御することが好ましい。
【0014】
本発明に係る借入金管理プログラムは、表示部を有する端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える借入金管理システムのサーバ装置において実行する借入金管理プログラムであって、サーバ装置を、所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンを記憶する読込パターン記憶手段、読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込む借入金情報読込手段、読み込んだ借入金に関する情報を登録する借入金情報登録手段、登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する借入金表示手段として実現させる、借入金管理プログラムに関する。
【0015】
本発明に係る借入金管理方法は、表示部を有する端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える借入金管理システムにおいて実行される借入金管理方法であって、所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込み、読み込んだ借入金に関する情報を登録し、登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する、借入金管理方法に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、借入金に関する情報の利便性を向上させ、かつ、管理する負担を軽減する借入金管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが有する機能の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが読み込むデータの構造の一例を説明する図である。
図4】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが読み込むデータの構造の一例を説明する図である。
図5】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、実行処理のフローチャートの一例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、借入金一覧画面を説明する図である。
図7】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、データ読込処理のフローチャートの一例を示す図である。
図8】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、条件変更を説明する図である。
図9】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、パターン登録画面を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0019】
[第一の実施の形態]
本発明の第一の実施の形態では、表示部を有する端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える借入金管理システム(以下、単に「システム」ともいう)について説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムの構成を示すブロック図である。図示するように、借入金管理システムは、サーバ装置2と、複数のユーザ(ユーザA、B・・・)によって操作され得る複数の端末装置3(端末装置3a、3b・・・)と、通信ネットワーク4とから構成され得る。端末装置3は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と接続され得る。なお、サーバ装置2と端末装置3とは常時接続していなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0021】
サーバ装置2は、一例として、制御部、RAM(Random Access Memory)、ストレージ部、通信インタフェース部を備え得る(非図示)。それぞれ内部バスにより接続され得る。
【0022】
サーバ装置2の制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)等から構成される。該制御部は、ストレージ部に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置2の制御を行う。また、該制御部は時間を計時する内部タイマを備え得る。
【0023】
サーバ装置2のRAMは、制御部のワークエリアである。サーバ装置2のストレージ部は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部は、必要なプログラム及びデータをRAMから読み出して処理を行う。
【0024】
サーバ装置2の通信インタフェースは、無線又は有線により通信ネットワーク4に接続されており、外部の端末装置及び/又はサーバ装置と必要に応じて操作指示情報等の送受信を行う。
【0025】
端末装置3は、一例として、制御部、RAM(Random Access Memory)、ストレージ部、サウンド処理部、グラフィックス処理部、記録媒体を読み取り可能なドライブ、通信インタフェース、及びインタフェース部を備え得る(非図示)。それぞれ内部バスにより接続され得る。
【0026】
端末装置3の制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)等から構成される。該制御部は、ストレージ部や記録媒体に格納されたプログラムを実行し、端末装置3の制御を行う。また、制御部は時間を計時する内部タイマを備え得る。
【0027】
端末装置3のRAMは、制御部のワークエリアである。ストレージ部は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。
【0028】
端末装置3のドライブは、DVD-ROMやCD-ROMなどのプログラムが格納された記録媒体から情報を読み取ることが可能である。記録媒体には、プログラムの実行やコンテンツの再生を行うためのプログラム及びデータが記憶され得る。ドライブにより読み出されたプログラム等はRAMにロードされる。
【0029】
制御部は、必要なプログラム及びデータをRAMから読み出して処理を行う。制御部は、RAMにロードされたプログラム及びデータを処理することで、サウンド出力の指示をサウンド処理部に出力し、描画命令をグラフィックス処理部に出力する。
【0030】
端末装置3のサウンド処理部は、スピーカであるサウンド出力装置に接続されている。制御部がサウンド出力の指示をサウンド処理部に出力すると、サウンド処理部はサウンド出力装置にサウンド信号を出力する。
【0031】
端末装置3のグラフィックス処理部は、端末装置3の表示装置に接続され得る。該表示装置は表示画面を有し、該表示画面は接触により入力を受け付ける構造であってもよい。制御部が描画命令をグラフィックス処理部に出力すると、グラフィックス処理部は、フレームメモリ(フレームバッファ)に画像を展開し、表示画面上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。グラフィックス処理部は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行する。フレームレートは、例えば30分の1秒である。
【0032】
端末装置3のインタフェース部には、例えば、コントローラやキーボード等の入力部が接続され得る。ユーザによる入力部に対する入力情報は、RAMに格納され、制御部は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。また、インタフェース部には、メモリカード等の外部記憶媒体を接続することも可能である。インタフェース部は、制御部からの指示にしたがって、RAMに記憶されているコンテンツの進行状況に関するデータを外部記憶媒体に記憶させる処理や、外部記憶媒体に記憶されているデータを読み出してRAMに転送する処理を行う。
【0033】
端末装置3の通信インタフェースは無線又は有線により通信ネットワーク4に接続されており、外部の端末装置及び/又はサーバ装置と必要に応じて操作指示情報等の送受信を行う。
【0034】
サーバ装置2は、端末装置3と同様に、ドライブ、インタフェース部等を備え、記憶媒体を使用可能に構成してもよい。
【0035】
[機能構成]
次に、借入金管理システムの機能について説明する。図2は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが有する機能の構成を示すブロック図である。
【0036】
借入金管理システム1は、アカウント種類判別部1001、読込パターン選択受付部1002、読込パターン記憶部1003、借入金情報読込部1004、借入金情報登録部1005、借入金表示部1006、期間別返済金額合算部1007、読込パターン追加部1008、出力パターン追加部1009、出力パターン選択受付部1010、及びデータ出力部1011を備え得る。
【0037】
アカウント種類判別部1001は、借入金管理システムにログインしたアカウントの種類を判別する機能を有する。読込パターン選択受付部1002は、ユーザの操作による読込パターンの選択を受け付ける機能を有する。読込パターン記憶部1003は、所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンを記憶する機能を有する。
【0038】
借入金情報読込部1004は、読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込む機能を有する。借入金情報登録部1005は、読み込んだ借入金に関する情報を登録する機能を有する。借入金表示部1006は、登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する機能を有する。
【0039】
期間別返済金額合算部1007は、所定の期間毎の返済金額を合算する機能を有する。読込パターン追加部1008は、ユーザの操作により読込パターンの追加を受け付ける機能を有する。
【0040】
出力パターン追加部1009は、ユーザの操作により出力パターンの追加を受け付ける機能を有する。出力パターン選択受付部1010は、ユーザの操作による出力パターンの選択を受け付ける機能を有する。データ出力部1011は、他のシステムが取込み可能な形式に加工したデータを出力する機能を有する。
【0041】
借入金情報登録部1005は、借入金情報受付部1101、返済金額算出部1102、及び返済金額割当部1103を備え得る。
【0042】
借入金情報受付部1101は、ユーザの操作により借入金に関する情報の入力を受け付ける機能を有する。返済金額算出部1102は、借入金の契約に関する情報に基づいて、所定の期間毎の返済金額を算出する機能を有する。返済金額割当部1103は、返済金額算出部1102により算出した所定の期間毎の返済金額を、所定の期間毎の返済額として割り当てる機能を有する。
【0043】
[読込みデータ]
借入金管理システム1が読み込む借入金に関する情報は、借入金情報読込部1004により読込みが可能な、所定のデータ構造を有する。図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが読み込むデータの構造の一例を説明する図である。
【0044】
図3(A)は、借入金の契約情報のみを表す図である。図3(B)は、借入金の契約情報及び月々の返済に関する明細情報を表す図である。いずれの図も、説明の簡便のために、行(R1、R2・・・)及び列(C1、C2、・・・)を記載したが、データ構造にこれらの情報は必須ではない。
【0045】
以下の説明において、行列で表す値を(R、C)と表す。例えば、(R1、C1)は、R1行及びC1列の「1402」の値を表すものとする。
【0046】
図3(A)の各値について説明する。(R1、C1)は金融機関コードを表す。金融機関コードは、金融機関を一意に特定可能なコードである。(R2、C1)は融資日(融資決定日)を表す。
【0047】
(R3、COL1)は借入日、(R3、C2)は返済日を示すコード、(R3、C3)は借入期間、(R3、C4)は据置期間、(R3、C5)は返済間隔(単位は例えば月)を表す。返済日を示すコードは、例えば、「01」は1日、「15」は15日、「99」は末日を表す。
【0048】
(R4、C1)は借入金額を表す。(R5、C1)は返済方法を示すコードを表す。返済方法を示すコードとは、例えば、「1」は元金均等方式、「2」は元利均等方式を表す。ここで、元金均等方式とは、毎月支払う返済額のうち、元金の額が一定となる返済方法をいう。元利均等方式とは、毎月支払う返済額が一定となる返済方法をいう。
【0049】
(R6、C1)は既存の返済額を表す。(R7、C1)は保証協会の利用有無を表す。例えば、「0」は利用しない、「1」は利用することを表すものとする。(R8、C1)は金利(単位はパーセント)を表す。
【0050】
図3(B)の各値について説明する。R1からR8までの値については、図3(A)と同じ内容であり、説明を省略する。
【0051】
(R9、C1)は1回目の支払予定年月日を表す。(R9、C2)は支払予定金額を表す。(R9、C3)は支払金額の内訳で、元金分を表す。(R9、C4)は支払金額の内訳で、利息分を表す。(R9、C5)は支払後の残高を表す。(R9、C6)は日割日数を表す。
【0052】
R10行目からR20行目までは、2回目から12回目の支払い情報であり、構造はR9行目の構造と同じである。
【0053】
図3に示したデータ構造は、借入金管理システム1が読み込むデータを、ユーザが意味を理解可能に表示したものであり、表示通りの構造である必要はない。データの内容は一例であり、これに限定されるものではない。データ構造は、例えば、所定の読み取り処理を行った場合に、同一の読み取り結果を得られるものであればよい。借入金管理システム1が取り扱う読込みデータは、例えば、PDF形式、CSV形式、テキスト形式、その他コンピュータ装置が取り扱い可能なデータであればよい。
【0054】
データを読み取るソフトは、既存のソフト(例えば、表計算ソフトやテキストエディタ等)であってもよいし、専用のソフトであってもよい。読み込むデータは、金融機関が発行するデータであることが好ましく、発行後編集できないデータであることが好ましい。
【0055】
「データの読み込み」とは、例えば、金融機関が提供する電子データをそのまま、あるいは、データを加工して読み込んでもよい。情報を紙媒体により提供された場合には、ユーザがデータをスキャン等することで電子化したデータを読み込むようにしてもよい。
【0056】
異なる構造のデータを読み込む例を説明する。図4は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムが読み込むデータの構造の一例を説明する図である。図4に示すデータは図3に示すデータとは異なるデータ構造を有するものである。異なるデータ構造を有するデータとは、例えば、異なる金融機関が発行したデータをいう。異なる金融機関とは、異なる普通銀行、信託銀行、協同組織金融機関、証券会社、保険会社、公的金融機関等をいう。金融機関の国籍は問わず、通貨単位は円に限定されるものではない。
【0057】
図4(A)は、読込みデータの一例であり、α信用金庫が発行する返済予定データである。図4に示すデータには、項目名のセルを含み得る。項目名のセルとは、例えば、図4(A)における(R1、C1)の「店番」のように、発行する金融機関が定めた固定的な値を有するセルをいう。(R1、C1)の「店番」に対応する値は、(R2、C1)の「007」である。原則として項目名のセルの1行下に対応する値のセルが存在するが、例外として、(R3、C1)の「連帯債務者名」のように、対応する値が(R3、C2)のセルに存在する場合もある。
【0058】
図4(B)は、読込みデータの一例であり、β銀行が発行する返済予定データである。図4(A)の読込みデータと同様に、項目名を示すセルが存在する。一方、項目名のセルの数や読込みデータに含まれる内容は、発行機関毎に異なるものであってもよい。本開示における借入金管理システム1は、データの種類毎に読込パターンを予め登録可能であり、読込パターンにしたがって、読込みデータを読み込むことができるものである。データの種類は、発行機関毎に異なるように設計してもよい。さらに、読込みデータは発行機関を一意に特定できることが好ましい。発行機関と読込パターンとを関連付けて記憶することで、読込みデータを読み込むだけで、発行機関を特定し、さらに特定された読込パターンを用いてデータを読み込むことができる。
【0059】
本開示における借入金管理システム1は、読込パターンを複数登録可能である点で、人間による作業を介さずとも自動でデータを読み込むことができ、利便性が高まるものである。また、金融機関が発行するデータを、インターネットを介して入手し、借入金管理システム1が読み込むものであってもよい。このように、金融機関のシステムと本開示の借入金管理システム1とが連携していてもよい。金融機関が発行した読込みデータは、図4に示したように、借入金の返済予定表(返済予定データ)や貸付けに関する証書であってもよい。
【0060】
[処理フロー]
次に、本発明の実施の形態におけるシステムの処理手順について説明する。図5は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、実行処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0061】
借入金管理システム1は、ユーザのログイン情報の入力を受け付け、ログイン処理を実行する(ステップS1)。ログイン処理は、例えば、ログインアカウント及びパスワードの入力を受け付け、借入金管理システム1に含まれるサーバ装置2のストレージ部に予め記憶されたログインアカウント及びパスワードを組み合わせた情報と対比し、一致する場合にログイン可能と判断して処理を継続する。ログインアカウントは、例えば、借入金管理システム1において独自に発行したアカウント、ユーザのメールアドレス、電話番号等を用いることができる。
【0062】
次に、借入金管理システム1は、ログインしたアカウントの種類に基づいて、処理を制御する。すなわち、ステップS1においてログインしたアカウントがユーザのアカウントであった場合には、メニュー(非図示)を選択可能な状態で借入金一覧を表示する(ステップS2)。
【0063】
一方、ログインしたアカウントが、例えば銀行アカウントのような金融機関のアカウントである場合には、例えば、メニューを選択不能な状態で借入金一覧を表示する(ステップS11)。ここで、メニューを選択不能とせず、金融機関用メニューを表示するようにしてもよい。
【0064】
[借入金一覧画面]
図6は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、借入金一覧画面を説明する図である。借入金一覧画面には、借入金返済一覧110及び残高推移130が含まれ得る。借入金返済一覧110及び残高推移130は、ステップS1においてログインしたアカウントに関連付けられた借入金に関する情報が表示される。
【0065】
借入金一覧画面には、表示する情報の表示期間を変更し得る機能を有する。表示期間101は、ユーザの操作により変更し得る。借入金管理システム1は、表示期間101の始期及び終期の設定を受け付け、ユーザによる表示ボタン102の押下を受け付けると、設定された表示期間の借入金返済一覧110及び残高推移130を表示する。
【0066】
借入金返済一覧110には、一例として、金融機関コード111、金融機関名112、長短113、残回数114、借入日115、返済日116、保証117、金利118、各月の元金119及び利息120が含まれ得る。元金119は、各月の返済額のうち元金減少分に相当する金額を表す。利息120は、各月の返済額のうち、利息に相当する金額を表す。
【0067】
元金119及び利息120の表示単位は、借入金の支払い単位に基づいて決定する。月単位であることが多いが、これに限定されるものではなく、日単位、年単位、2か月単位等であってもよい。
【0068】
借入金返済一覧に示される情報は、後述するデータ読込処理を実行し、借入金管理システム1に登録された情報である。さらに、借入金返済一覧110には、合計121及び総計122を含み得る。合計121には、金融機関コードごとに各月の元金119又は利息120の合計値を表す。総計122には、各月の元金119の合計121又は利息120の合計121の合計値を表す。
【0069】
残高推移130には、一例として、金融機関コード111、金融機関名112、長短113、残回数114、借入日115、返済日116、保証117、金利118、各月の残高131及びシェア132が含まれ得る。金融機関コード111から金利118までは、借入金返済一覧に表示される内容と同じである。残高131は、各月の返済額を支払ったのちの借入金の残高を表す。シェア132は、各月における総計122の残高のうち、合計121の残高額が占める割合を表す。
【0070】
上述したデータは一例であり、発明はこれに限定されない。本発明の実施の形態においては、すべての情報が必須ではなく、数値も図示したものに限定されない。
【0071】
図5のフローチャートに戻る。ログインしたアカウントがユーザアカウントである場合に、借入金管理システム1は、所定のメニューを選択し得るように制御する。メニューとは、例えば、システムの機能を実行するために選択を受け付ける項目をいう。メニューは、例えば、データの読込み、借入条件変更、データ出力、読込みパターン又は出力パターンの登録・変更等が挙げられる。
【0072】
[データ読込処理]
ユーザがデータ読込のメニューを選択し、データ読込処理を実行する場合について説明する。図7は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、データ読込処理のフローチャートの一例を示す図である。借入金管理システム1は、ユーザの操作により、読込パターンの選択を受け付ける(ステップS101)。
【0073】
読込パターンは、例えば、サーバ装置2のストレージ部に予め記憶されていることが好ましい。読込パターンは、例えば、銀行系、信金系、消費者金融系等で異なるパターンとしてもよいし、金融機関それぞれが独自のパターンを有するようにしてもよい。また、1つの金融機関が、例えば融資の目的に応じて複数のパターンを用いるようにしてもよい。
【0074】
次に、借入金管理システム1は、ユーザの操作により読込みデータの選択を受け付ける(ステップS102)。定められた絶対パスにより読込みデータを一意に特定可能であるならば、本ステップを省略してもよい。
【0075】
次に、借入金管理システム1は、ステップS102において選択された読込みデータからデータを読み込む(ステップS103)。次に、借入金管理システム1は、読込みデータの種別を判定する(ステップS104)。
【0076】
読込みデータの種別とは、例えば、図3に示すように、契約情報のみのデータであるか否か、返済予定の明細情報を含む情報であるか否かを判定するようにしてもよい。読込みデータの種別の判定処理は、例えば、ステップS101において選択された読込パターンに基づいて判定してもよいし、ステップS103において読み込んだデータの内容に基づいて判定してもよい。
【0077】
ステップS103にて読み込んだデータが契約情報のみの場合には、借入金管理システム1は、返済明細データを作成する(ステップS105)。返済明細データの作成とは、返済回数、返済日、金利、及び借入金額に基づいて、所定期間(例えば月)ごとの返済金額を算出することをいう。このとき、返済金額の内訳として、元金及び利息に分けて算出することが好ましい。
【0078】
次に、借入金管理システム1は、ステップS105において生成した返済明細データを、所定期間毎に割り当てる(ステップS106)。所定期間毎に割り当てるとは、算出された所定の期間ごとの返済金額に返済する日付を割り当てることをいう。
【0079】
割り当てられたデータは、読み込んだ日付よりも前のデータ、すなわち既に返済した金額に関する実績のデータであってもよいし、これから返済する金額に関する将来(予定)のデータであってもよい。予定のデータである場合には、未来の返済日付が割り当てられている。
【0080】
返済明細データを作成して割り当てた後、又は、ステップS103にて読み込んだデータが返済明細情報を含むものであった場合に、借入金管理システム1は長期短期判定を行う(ステップS107)。
【0081】
長期短期判定とは、例えば、借入金の仕訳に関して、長期借入金に該当するか、短期借入金に該当するかを判定することをいう。長期借入金に該当するとは、例えば、返済期日が1年以上のものをいう。短期借入金に該当するとは、例えば、返済期日が1年未満のものをいう。
【0082】
次に、借入金管理システム1は、ステップS103において読み込んだデータ及び返済明細情報を含むデータをストレージに登録する(ステップS108)。登録されたデータは、図6に示した借入金一覧画面において表示され、確認可能となる。
【0083】
[借入条件変更処理]
ユーザが条件変更のメニューを選択し、借入条件変更処理を実行する場合について説明する。図8は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、条件変更を説明する図である。
【0084】
図8(A)は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、借入条件変更前の借入金返済一覧を表す図である。B銀行への借入条件は、借入日が「2021年5月1日」、返済開始日が「2021年6月1日」、最終期日が「2030年3月31日」、借入金額が「3億円」、返済日が「月末」、返済回数が「53回」、返済間隔が「2か月」、返済方式は「元金均等」方式、月々の返済額は「5,660,000円」、そして年利が「1.5%」である。ここで、説明の便宜上、残高推移表は図示しないが、表示するものであってもよい。
【0085】
図8(A)に示すように、2021年6月から返済が始まり、返済は1か月おきに元金を返済するようにデータが割り当てられる。2028年1月から2028年3月(図中符号141から146まで)の値は図示する通りである。
【0086】
ここで、借入条件の変更を申し込むものとする。変更後の借入条件は、「2028年1月」から「2028年6月」までの期間における元金返済額を「50万円」にするものとする。その結果を反映したものが図8(B)に表した借入条件変更後の借入金返済一覧である。
【0087】
「2028年1月」における返済予定の元金141には、変更後の元金返済額「50万円」が設定され、変更後の支払い利息142が算出され設定される。同様に、「2028年2月」における返済予定の元金143にも、変更後の元金返済額「50万円」が設定され、変更後の支払い利息144が算出され設定される。これらは「2028年6月」まで設定される。
【0088】
このように、契約途中で返済条件を変更できることで、月々における支払額を調整することができ、借り入れたユーザの月々の支払いを楽にすることができる。ここで、図8(B)の支払利息の合計額150に示すように、図8(A)の支払利息の合計額150よりも借入条件を変更した後の方が支払う金額が多くなることがあり得ることに留意する。
【0089】
当然に、月々の支払い金額を増やすように借入条件を変更した場合には、支払利息の合計額は減少し得る。
【0090】
借入条件の変更は、例えば、上述した支払元金の変更だけでなく、支払期間を延長するような場合も含む。例えば、支払期間を12か月延長した場合には、月々の支払元金の額を減少させることができる一方、支払利息の合計額は増加する。逆に、支払期間を12か月短縮した場合には、月々の支払元金の額は増加するが、支払利息の合計額は減少する。
【0091】
[データ出力処理]
ユーザがデータ出力のメニューを選択し、データ出力処理を実行する場合について説明する。借入金管理システム1は、データ出力部1011により、ストレージ部に登録された借入金に関する情報を、登録したデータ構造のまま、あるいは、データ構造を加工したデータを出力する機能を有する。データ構造を加工したデータとは、他のシステムが取込み可能な形式に加工したデータである。
【0092】
データの出力処理において、ユーザの操作により出力パターンの選択を受け付けるようにしてもよい。選択された出力パターンに基づいて、借入金管理システム1はデータを出力する。
【0093】
データの出力の形式は、他のシステムが読み込めれば形式は問わない。例えば、CSV形式、PDF形式、JPEG形式やBMP形式といった画像形式、他のシステムが定める独自の形式であってもよい。
【0094】
出力されたデータを他のシステムが読み込むと、例えば、将来返済する金額として読み込まれ、企業等の資金繰りを推定する情報として利用され得る。ユーザを介することなくデータを授受できるため、人為的ミスを防ぎ、簡易的かつ効率的にデータを管理することができるという利点がある。データの連携は、例えば、通信を介して行われ得る。通信とは、例えば、ネットワークを用いたコミュニケーションであって、インターネットや電話網、VPN等を用い得る。
【0095】
[パターン登録・変更処理]
ユーザがパターン登録又は変更のメニューを選択し、パターン登録処理又はパターン変更処理を実行する場合について説明する。図9は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、パターン登録画面を説明する図である。
【0096】
読込パターン登録画面400は、読込パターン名を登録するための文字列入力欄である読込パターン名401、読込データの区切文字(デリミタ、セパレータともいう)の選択を受け付ける区切文字402、データ読込ボタン403、読込データ表示領域410、選択データ割当領域420、及びパターン登録ボタン430を含み得る。
【0097】
読込データ表示領域410は、読み込んだデータを区切文字402ごとに区切った値をそれぞれの枠に表示する。表示された値はユーザの選択を受け付けるものであり、選択された値は選択データ割当領域420に表示される。
【0098】
選択データ割当領域420は、選択された値421、選択された値の意味を割り当てるための選択を受け付ける割当項目422、及び反映ボタン423を含み得る。
【0099】
[パターン登録処理]
次に、パターン登録処理について説明する。ユーザは、登録したいパターン名を読込パターン名401に入力する。次に、ユーザは、読み込むデータの区切り文字を区切文字402のリストから選択する。次に、ユーザは、データ読込ボタン403を押下し、読み込みたいデータを選択する。
【0100】
借入金管理システム1は、読み込んだデータを読込データ表示領域410に表示する。このとき、区切文字402ごとに区切った値をそれぞれの枠に表示する。区切文字及び改行文字を反映し、読込みデータのデータ構造に沿った形式で表示する。
【0101】
読込みデータは、システム1が読み込んだ場合に、意味を割り当てることができるものであればよい。すなわち、区切文字で例示して説明しているが、画像を読み込み、所定の座標位置に存在する値に意味付けするものであってもよい。
【0102】
ユーザは、表示されたデータの項目それぞれに意味を割り当てる。意味の割り当ては、値を含む枠を選択することで実行する。例えば、ユーザが枠411を選択すると、システム1は、枠411が選択されたことを視認可能に表示する。次に、システム1は、選択された値421に、選択された枠の値を表示する。
【0103】
次に、選択された枠の値の意味を、ユーザは割当項目422のリストから選択する。リストには、例えば、金融機関コード、返済回数、借入日、返済日、金利等が含まれ得る。借入金の契約及び返済の明細に含まれる情報に関するものであることが好ましい。
【0104】
次に、ユーザは反映ボタン423を押下する。これにより、枠411の値が割当項目422の意味であることがシステム1に一時的に記憶され得る。読込データ表示領域410に表示された枠のすべての値に意味付けが完了した後に、ユーザはパターン登録ボタン430を押下する。システム1は、一時的に記憶していた値の意味付けをストレージ部に登録する。
【0105】
パターン変更処理に関しても、登録処理と同様に、枠を選択して、枠に表示された値の意味を変更することで、パターンの内容を更新可能である。
【0106】
なお、読込パターンを例に挙げて説明したが、データ出力に用いる出力パターンについても、同様にデータのパターンを作成し、変更することで編集可能としてもよい。
【0107】
図5のフローチャートに戻る。実行したい処理を終えると、借入金管理システム1は、ユーザからログアウトの操作を受け付け、ログアウト処理を実行し(ステップS20)、終了する。
【0108】
以上、詳述した借入金管理システムにより、借入金に関する情報の利便性を向上させ、かつ、管理する負担を軽減することが可能である。
【0109】
第一の実施の形態において、システムにおいて処理を実行させたが、例えば、端末装置又はサーバ装置が処理を実行するように、適宜設計を変更することを妨げない。
【0110】
第一の実施の形態において、長短の判定を実施するフローを示したがこれに限定されない。例えば、長短の判定をせず、読込みデータに長期借入金又は短期借入金を表す区分に関する情報が含まれているように設計してもよい。
【0111】
第一の実施の形態において、銀行用アカウントの場合にデータを参照するだけの機能に限定する記載をしたが、これに限定されない。例えば、銀行用アカウントで、返済データを登録する機能を提供してもよい。これにより、銀行は返済用データを出力することなく、開示した借入金管理システムを介して、ユーザに借入金に関する情報を提供することができる。
【0112】
第一の実施の形態における本発明の効果の一例として、借入金情報読込手段を備えることで、借入金に関する情報の利便性を向上させ、かつ、管理する負担を軽減することができる。
【0113】
第一の実施の形態における本発明の効果の一例として、選択された読込パターンに基づいて、借入金に関する情報を読み込むことで、借入金に関する情報の利便性を向上させ、かつ、管理する負担を軽減することができる。
【0114】
第一の実施の形態における本発明の効果の一例として、読込パターン追加手段を備えることで、借入金に関する情報の利便性を向上させ、かつ、管理する負担を軽減することができる。
【0115】
第一の実施の形態における本発明の効果の一例として、データ出力手段を備えることで、他の会計システム等にデータを読み込ませることができ、借入金に関する情報の利便性を向上させることができる。
【0116】
第一の実施の形態における本発明の効果の一例として、返済金額算出手段を備えることで、借入金の契約情報のみで、返済明細がなくても借入金情報を登録することができ、借入金に関する情報の利便性を向上させることができる。
【0117】
第一の実施の形態における本発明の効果の一例として、複数の金融機関からの借入金がある場合に、所定の期間毎に合算した返済額を含めて表示することで、所定の期間毎に返済する金額を容易に把握することができ、借入金に関する情報を管理する負担を軽減することができる。
【0118】
第一の実施の形態における本発明の効果の一例として、読込パターンが、所定の期間毎の返済額を含む読込パターンと、月々の返済額を含まない読込パターンを含むものであることで、返済明細がない情報でも読み込むことができ、借入金に関する情報の利便性を向上させることができる。
【0119】
第一の実施の形態における本発明の効果の一例として、借入金管理システムにログインするアカウントに関する情報に基づいて、実行可能な機能を制御する機能制御手段を備えることで、アカウントに必要な機能を提供することができ、ユーザの負担を軽減することができる。
【0120】
第一の実施の形態において、「端末装置」とは、例えば、デスクトップ型又はノート型パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA、ウェアラブル装置等をいい、表示画面にタッチパネルセンサを備える携帯型端末であってもよい。「サーバ装置」とは、例えば、端末装置からの要求に応じて処理を実行する装置をいう。
【0121】
第一の実施の形態において、「所定のデータ構造」とは、例えば、所定の読み取り処理を行った場合に、同一の読み取り結果を得られるものをいう。「借入金に関する情報」とは、例えば、借入金を特定するために用いられる情報をいう。「他のシステムが取込み可能な形式」とは、例えば、他のシステムが取り扱い可能な形式であって、読み込むために要求する形式をいう。「金融機関」とは、例えば、金融取引に関する業務を営む組織をいい、預貯金取扱金融機関、保険会社、証券会社、ノンバンクも含む概念である。「区切文字」とは、デリミタ又はセパレータともいい、例えば、テキストデータ中で複数の要素を並べて記述する際に、要素の区切りを表す記号や特殊な文字又は文字の並びのことをいう。
【0122】
[第二の実施の形態]
本発明の第二の実施の形態では、表示部を有するコンピュータ装置において実行する借入金管理プログラムについて説明する。第二の実施の形態におけるプログラムの構成は、図2に示すシステムが有する機能の構成を示すブロック図を必要な範囲で採用することができる。
【0123】
本発明の第二の実施の形態におけるプログラムは、第一の実施の形態に述べた借入金管理システムに関する機能をコンピュータ装置において実現可能なプログラムであってもよい。
【0124】
以上、望ましい実施形態を通じて本発明を詳しく説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明の範囲において多様に実施することができる。
【0125】
[付記]
上で述べた実施の形態の説明は、下記の発明を、発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
【0126】
[1] 表示部を有する端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える借入金管理システムであって、
所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンを記憶する読込パターン記憶手段と、
読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込む借入金情報読込手段と、
読み込んだ借入金に関する情報を登録する借入金情報登録手段と、
登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する借入金表示手段と
を備える、借入金管理システム。
【0127】
[2] 前記読込パターン記憶手段が、複数の読込パターンを記憶するものであり、
借入金管理システムがさらに、
ユーザの操作による読込パターンの選択を受け付ける読込パターン選択手段
を備え、
前記借入金情報読込手段が、選択された読込パターンに基づいて、借入金に関する情報を読み込む、[1]に記載の借入金管理システム。
【0128】
[3] 借入金管理システムがさらに、
ユーザの操作により前記読込パターンの追加を受け付ける読込パターン追加手段
を備える、[1]又は[2]に記載の借入金管理システム。
【0129】
[4] 借入金管理システムがさらに、
他のシステムが取込み可能な形式に加工したデータを出力するデータ出力手段
を備える、[1]~[3]のいずれかに記載の借入金管理システム。
【0130】
[5] 前記借入金に関する情報が、借入金の契約に関する情報を含み、
借入金管理システムがさらに、
借入金の契約に関する情報に基づいて、所定の期間毎の返済金額を算出する返済金額算出手段
を備える、[1]~[4]のいずれかに記載の借入金管理システム。
【0131】
[6] 前記借入金表示手段が、複数の金融機関からの借入金がある場合に、所定の期間毎に合算した返済額を含めて表示する、[1]~[5]のいずれかに記載の借入金管理システム。
【0132】
[7] 前記読込パターンが、前記所定の期間毎の返済額を含む読込パターンと、月々の返済額を含まない読込パターンを含むものである、[1]~[6]のいずれかに記載の借入金管理システム。
【0133】
[8] 借入金管理システムがさらに、
借入金管理システムにログインするアカウントに関する情報に基づいて、実行可能な機能を制御する機能制御手段
を備える、[1]~[7]のいずれかに記載の借入金管理システム。
【0134】
[9] 前記機能制御手段が、前記読込パターン追加手段の実行可否を制御する、[8]に記載の借入金管理システム。
【0135】
[10] 表示部を有する端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える借入金管理システムのサーバ装置において実行する借入金管理プログラムであって、
サーバ装置を、
所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンを記憶する読込パターン記憶手段、
読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込む借入金情報読込手段、
読み込んだ借入金に関する情報を登録する借入金情報登録手段、
登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する借入金表示手段
として実現させる、借入金管理プログラム。
【0136】
[11] [10]に記載の借入金管理プログラムをインストールしたサーバ装置。
【0137】
[12] 表示部を有する端末装置と、該端末装置と通信により接続可能なサーバ装置とを備える借入金管理システムにおいて実行される借入金管理方法であって、
所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込み、
読み込んだ借入金に関する情報を登録し、
登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する、借入金管理方法。
【0138】
[13] 表示部を有するコンピュータ装置において実行する借入金管理プログラムであって、
コンピュータ装置を、
所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンを記憶する読込パターン記憶手段、
読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込む借入金情報読込手段、
読み込んだ借入金に関する情報を登録する借入金情報登録手段、
登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する借入金表示手段
として実現させる、借入金管理プログラム。
【0139】
[14] [13]に記載の借入金管理プログラムをインストールしたコンピュータ装置。
【0140】
[15] 表示部を有するコンピュータ装置において実行される借入金管理方法であって、
所定のデータ構造を有する借入金に関する情報を読み込むための読込パターンに基づいて借入金に関する情報を読み込み、
読み込んだ借入金に関する情報を登録し、
登録した借入金に関する情報を前記表示部に表示する、借入金管理方法。
【符号の説明】
【0141】
1 :借入金管理システム
2 :サーバ装置
3 :端末装置
4 :通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9