(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055637
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】ガスタービン燃焼器用のスタック型冷却アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F23R 3/28 20060101AFI20230411BHJP
F02C 7/18 20060101ALI20230411BHJP
F23R 3/12 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
F23R3/28 B
F02C7/18 Z
F23R3/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022141804
(22)【出願日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】17/494,880
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス イオーラ、パーシェ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン ドワイト、ベリー
(57)【要約】
【課題】 ガスタービン燃焼器用の公知のキャッププレートに比して、ハードウェア寿命が増しかつ製造コストが低減した改良燃焼表面を提供する。
【解決手段】スタック型冷却アセンブリ(100)及び燃焼器ヘッドエンド(55)を提供する。スタック型冷却アセンブリ(100)は、冷却剤回路(120)への入口(122)を画成する入口プレート(102)と、冷却剤回路(120)の1以上の出口(124)を画成する出口プレート(106)と、入口プレート(102)と出口プレート(104)の間に配置された中間プレート(104)とを含む。中間プレートは中間キャビティ(126)を画成する。入口プレート(102)の下流面(130)、出口プレート(106)の上流面(128)及び中間キャビティ(126)は、集合的に、入口(122)を1以上の出口(124)と流体連通する1以上の連絡流路(132)を画成する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタック型冷却アセンブリ(100)であって、当該スタック型冷却アセンブリ(100)が、
冷却剤回路(120)への入口(122)を画成する入口プレート(102)と、
前記冷却剤回路(120)の出口(124)を画成する出口プレート(106)と、
前記入口プレート(102)と前記出口プレート(106)の間に配置された中間プレート(104)であって、中間キャビティ(126)を画成する中間プレート(104)と
を備えており、前記入口プレート(102)の下流面(130)、前記出口プレート(106)の上流面(128)及び中間キャビティ(126)が、集合的に、前記入口(122)を前記出口(124)と流体連通する連絡流路(132)を画成する、スタック型冷却アセンブリ(100)。
【請求項2】
前記入口(122)と前記出口(124)とが1以上の方向に互いに離間している、請求項1に記載のスタック型冷却アセンブリ(100)。
【請求項3】
前記中間キャビティ(126)が、前記冷却剤回路(120)への入口(122)と流体連通しかつ整列する入口部分(140)と、前記冷却剤回路(120)の出口(124)と流体連通しかつ整列する出口部分(142)と、前記入口部分(140)と前記出口部分(142)との間に延在する通路部分(144)とを備える、請求項1に記載のスタック型冷却アセンブリ(100)。
【請求項4】
前記通路部分(144)が前記出口部分(142)と接線方向に接続していて、前記出口部分(142)から圧縮空気の旋回流を生成する、請求項3に記載のスタック型冷却アセンブリ(100)。
【請求項5】
前記通路部分(144)から別個の出口部分(158)まで分岐部分(158)が延在している、請求項3に記載のスタック型冷却アセンブリ(100)。
【請求項6】
前記通路部分(144)が、第1の幅(149)を有する第1のセグメント(148)と、第2の幅(151)を有する第2のセグメント(150)と、第1のセグメント(148)と第2のセグメント(150)との間のテーパ状セグメント(152)とを含んでおり、前記テーパ状セグメント(152)が、前記入口部分(140)よりも前記出口部分(142)に近い、請求項3に記載のスタック型冷却アセンブリ(100)。
【請求項7】
前記分岐部分(156)が前記通路部分(144)から別個の出口部分(158)まで延在しており、前記分岐部分(156)が前記入口部分(140)よりも前記テーパ状セグメント(152)に近く、前記分岐部分(156)が前記別個の出口部分(158)の上流側の分岐テーパ状セグメント(162)をさらに含んでいる、請求項6に記載のスタック型冷却アセンブリ(100)。
【請求項8】
前記入口プレート(102)が複数の入口(122)を画成し、前記出口プレート(106)が複数の出口(124)を画成し、前記中間プレート(104)が、前記複数の入口(122)のそれぞれの入口(122)を複数の出口のそれぞれの出口(124)と流体連通する複数の中間キャビティ(126)を画成する、請求項1に記載のスタック型冷却アセンブリ(100)。
【請求項9】
前記冷却剤回路(120)が入口(122)を備えており、前記出口(124)が複数の出口(124)のうちの1つであって各々がそれぞれの連絡流路(132)を介して前記入口(122)と流体連通している、請求項1に記載のスタック型冷却アセンブリ(100)。
【請求項10】
当該スタック型冷却アセンブリ(100)に画成され、かつ周方向に互いに離間した複数の外側通路(112)をさらに備えており、前記複数の外側通路(112)の各々の外側通路(112)が、軸方向に、前記入口プレート(102)、前記中間プレート(104)及び前記出口プレート(106)を貫通する、請求項1に記載のスタック型冷却アセンブリ(100)。
【請求項11】
燃焼器ヘッドエンド(55)であって、
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のスタック型冷却アセンブリ(100)であって、当該燃焼器ヘッドエンド(55)のキャップを画成するスタック型冷却アセンブリ(100)と、
前記スタック型冷却アセンブリ(100)を貫通する燃料ノズル(50)と
を備える燃焼器ヘッドエンド(55)。
【請求項12】
前記スタック型冷却アセンブリ(100)の入口(122)まで延在する冷却剤管(78)をさらに備える、請求項11に記載の燃焼器ヘッドエンド(55)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ターボ機械燃焼器用のスタック型冷却アセンブリに関する。一実施形態では、本開示は、ガスタービン燃焼器用のスタック型燃焼器キャップアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械は、エネルギー伝達のために様々な産業及び用途で利用されている。例えば、ガスタービンエンジンは、一般に、圧縮機セクション、燃焼セクション、タービンセクション及び排気セクションを含む。圧縮機セクションは、ガスタービンエンジンに入る作動流体の圧力を徐々に増大させ、その圧縮された作動流体を燃焼セクションに供給する。圧縮された作動流体と燃料(天然ガスなど)は燃焼セクション内で混合され、燃焼室で燃焼して高圧高温の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは燃焼セクションからタービンセクションに流れ、そこで膨張して仕事を発生する。例えば、タービンセクションにおける燃焼ガスの膨張は、発電機などに接続されたロータシャフトを回転させる。燃焼ガスは次いで排気セクションを介してガスタービンから出る。
【0003】
典型的なカニュラ型燃焼システムでは、各燃焼器は高温燃焼ガスに暴露される表面を含んでおり、例えば燃焼ガスがタービンセクションへと移動するライナ、及び燃料ノズルを保持して燃焼室の上流境界を画成する燃焼キャップが挙げられる。燃焼キャップは、燃料ノズルの後方端部に配置された1以上のプレートを含み、燃焼室内の高温燃焼ガスから燃料ノズルを隔てて保護する。ただし、多くの公知のキャッププレートの使用には問題がある。例えば、キャッププレートは燃焼ガスに近接していることが多いため、ハードウェアの寿命が比較的短く、燃焼器の他の部品よりも格段に早く摩耗してしまう可能性がある。燃焼ガスがライナを移動する際に、特定の領域が他の領域よりも高温燃焼ガスに暴露されることがある(「ホットスポット」)。したがって、ハードウェア寿命が増しかつ製造コストが低減した改良燃焼表面があれば、当技術分野で有用かつ望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
本開示に係るスタック型冷却アセンブリ及び燃焼器ヘッドエンドの態様及び利点について、以下の詳細な説明に記載するが、以下の詳細な説明から自明となるものもあろうし、或いは本技術の実施を通して習得できるものもあろう。
【0005】
一実施形態では、スタック型冷却アセンブリを提供する。スタック型冷却アセンブリは、冷却剤回路への入口を画成する入口プレートと、冷却剤回路の出口を画成する出口プレートと、入口プレートと出口プレートの間に配置された中間プレートとを含む。中間プレートは中間キャビティを画成する。入口プレートの下流面、出口プレートの上流面及び中間キャビティは、集合的に、入口を出口と流体連通する連絡流路を画成する。
【0006】
別の実施形態では、燃焼器ヘッドエンドを提供する。燃焼器ヘッドエンドは、燃焼器ヘッドエンドのキャップを画成するスタック型冷却アセンブリを含む。燃料ノズルは、スタック型冷却アセンブリを貫通して延在する。スタック型冷却アセンブリは、冷却剤回路への入口を画成する入口プレートと、冷却剤回路の出口を画成する出口プレートと、入口プレートと出口プレートの間に配置された中間プレートとを含む。中間プレートは中間キャビティを画成する。入口プレートの下流面、出口プレートの上流面及び中間キャビティは、集合的に、入口を出口と流体連通する連絡流路を画成する。
【0007】
本スタック型冷却アセンブリ及び燃焼器ヘッドエンドの上記その他の特徴、態様及び利点については、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって理解を深めることができよう。添付の図面は、本明細書の内容の一部をなすものであり、本技術の様々な実施形態を例示するとともに、発明の詳細な説明と併せて本技術の原理を説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書では、本スタック型冷却アセンブリ及び燃焼器ヘッドエンドについて、添付の図面を参照して、本システム及び方法を製造及び使用するための最良の形態を含めて、当業者が実施することができるように十分に開示する。
【
図1】本開示の実施形態に係るターボ機械の概略図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る燃焼器の断面図を示す。
【
図3】本開示の実施形態に係る燃焼器ヘッドエンドの平面図であり、燃焼器の後方端部から前方にみたときの図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る燃焼器ヘッドエンドの平面図であり、燃焼器の後方端部から前方にみたときの図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る燃焼器ヘッドエンドの平面図であり、燃焼器の後方端部から前方にみたときの図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る燃料ノズルの断面図を示す。
【
図7】本開示の実施形態に係るスタック型冷却アセンブリの分解図を示す。
【
図8】本開示の実施形態に係る
図6に示すスタック型冷却アセンブリの矢視8-8平面図を示す。
【
図9】本開示の実施形態に係る
図8に示すスタック型冷却アセンブリの矢視9-9断面図を示す。
【
図10】本開示の実施形態に係る
図6のスタック型冷却アセンブリの入口プレートの平面図を示す。
【
図11】本開示の実施形態に係る
図6のスタック型冷却アセンブリの中間プレートの平面図を示す。
【
図12】本開示の実施形態に係る
図6のスタック型冷却アセンブリの出口プレートの平面図を示す。
【
図13】本開示の実施形態に係る
図11に示す中間プレートの概略図の拡大図を示す。
【
図14】本開示の実施形態に係る代替的な中間プレートの拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本スタック型冷却アセンブリ及び燃焼器ヘッドエンドの様々な実施形態について詳細に説明し、その1以上の実施例を図面に示す。各実施例は、本技術を限定するものではなく、例示のためのものである。実際、特許請求の範囲に記載された技術的範囲及び技術的思想を逸脱することなく、本技術に様々な修正及び変更をなし得ることは当業者には明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として例示又は記載された特徴を、別の実施形態と共に用いてさらに別の実施形態とすることができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲に属する修正及び変更を包含する。
【0010】
「例示的」という文言は、本明細書では、「具体例、事例又は例示として役立つ」という意味で用いられる。本明細書で「例示的」と記載された実施態様は、必ずしも他の実施態様よりも好ましい又は有利であると解すべきではない。さらに、別途特記されていない限り、本明細書に記載されたあらゆる実施形態は例示的なものと解される。
【0011】
発明の詳細な説明では、図面に記載された特徴を参照するために数字及び文字による符号を用いる。図面及び発明の詳細な説明において、同様又は類似の符号は本発明の同様又は類似の部材を示す。本明細書において、「第1」、「第2」及び「第3」という用語は、ある構成要素を他の構成要素と区別するために互換的に用いられ、個々の構成要素の位置又は重要性を意味するものではない。
【0012】
「流体」という用語は、気体でも液体でもよい。「流体連通」という用語は、流体が所定の領域間の接続をなすことができることを意味する。
【0013】
本明細書で用いる[上流」(又は「前方」)及び「下流」(又は「後方」)という用語は、流体経路における流体の流れに関する相対的な方向を示す。例えば、「上流」は流体が流れてくる方向をいい、「下流」は流体が流れていく方向をいう。「半径方向」という用語は、ある構成要素の軸方向中心線に対して実質的に垂直な相対的方向をいい、「軸方向」という用語は、ある構成要素の軸方向中心線に対して実質的に平行及び/又は同軸である相対的方向をいい、「周方向」という用語は、ある構成要素の軸方向中心線の周りの相対的方向をいう。
【0014】
「約」、「略」及び「実質的に」のような近似的用語は、記載された厳密な数値に限定されない。少なくとも幾つかの事例では、近似表現は、その値を測定する機器の精度或いは部品及び/又はシステムの構築又は製造のための方法又は機械の精度に対応する。例えば、近似表現は、個々の数値、数値範囲、及び/又は数値範囲を限定するための上下限のいずれかの1%、2%、4%、5%、10%、15%又は20%以内の誤差をいうことがある。角度又は方向に関して用いる場合、かかる用語は、記載された角度又は方向の±10度以内を包含する。例えば、「略鉛直」とは、鉛直から任意の方向(例えば時計回り又は反時計回り)に10度以内の方向を包含する。
【0015】
「結合」、「固定」又は「取付け」などの用語は、本明細書で別途記載されていない限り、直接的な結合、固定又は取付けだけでなく、1以上の中間構成要素又は特徴を介しての間接的な結合、固定又は取付けも意味する。「直接結合」、「直接固定」又は「直接取付け」などの用語は、2つの構成要素が介在構成要素なしで直接接続していることを示す。本明細書で用いる「含む」、「備える」及び「有する」という用語は、非排他的に含んでいることを包含するものである。例えば、列挙された特徴を含むプロセス、方法、物品又は装置は、必ずしもそれらの特徴に限定されるものではなく、明示的に列挙されてもおらず、またかかるプロセス、方法、物品又は装置に固有でもない別の特徴を含んでいてもよい。さらに、別途明示されていない限り、「又は」という用語は、排他的な意味での又はではなく、包括的な意味での又はをいう。例えば、A又はBという条件は、Aが真であり(又は存在し)、かつBが偽である(又は存在しない)場合、Aが偽であり(又は存在せず)、かつBが真である(又は存在する)場合、A及びBの両方が真である(又は存在する)場合のいずれにおいても成立する。
【0016】
本明細書及び特許請求の範囲において、数値限定の範囲は互いに結合及び/又は交換可能であり、かかる範囲はその上下限で規定され、別途記載されているか前後関係から明らかでない限り、その範囲に含まれるあらゆる部分範囲を包含する。例えば、本明細書に開示された範囲はすべて上下限を含んでおり、上下限は互いに独立して組合せることができる。
【0017】
ここで図面を参照すると、
図1は、ターボ機械の一実施形態の概略図を示すが、この図に示す実施形態ではターボ機械はガスタービン10である。本明細書では、産業用又は陸用ガスタービンについて記載及び説明するが、本開示は、特許請求の範囲に別途記載されていない限り、陸用及び/又は産業用ガスタービンに限定されるものではない。例えば、本明細書に記載したスタック型冷却アセンブリは、限定されるものではないが、蒸気タービン、航空機用ガスタービン又は船舶用ガスタービンを始めとする、あらゆる種類のターボ機械に使用し得る。
【0018】
図に示すように、ガスタービン10は、一般に、吸気セクション12、吸気セクション12の下流に配置された圧縮機セクション14、圧縮機セクション14の下流に配置された燃焼器セクション16内の複数の燃焼器(図示せず)、燃焼器セクション16の下流に配置されたタービンセクション18、及びタービンセクション18の下流に配置された排気セクション20を含む。さらに、ガスタービン10は、圧縮機セクション14とタービンセクション18との間を結合する1以上のシャフト22を含む。
【0019】
圧縮機セクション14は、一般に、複数のロータディスク24(その1つを図示する)及び各ロータディスク24から半径方向外側に延在しかつ接続した複数のロータ動翼26を含む。各ロータディスク24は、圧縮機セクション14を貫通するシャフト22に結合しているか或いはシャフト22の一部をなす。
【0020】
タービンセクション18は、一般に、複数のロータディスク28(その1つを図示する)及び各ロータディスク28から半径方向外側に延在しかつ接続した複数のロータ動翼30を含む。各ロータディスク28は、タービンセクション18を貫通するシャフト22に結合しているか或いはシャフト22の一部をなす。タービンセクション18は、シャフト22及びロータ動翼30の一部を周方向に囲繞する外側ケーシング31をさらに含んでおり、タービンセクション18を通る高温ガス経路32を少なくとも部分的に画成する。
【0021】
運転中、空気のような作動流体が吸気セクション12から圧縮機セクション14に流入し、そこで複数の段のロータ動翼26及び静翼(図示せず)を通して空気が漸次圧縮され、燃焼器セクション16の燃焼器17に圧縮空気15を供給する。圧縮空気15は燃料41と混合され、各燃焼器17内で燃焼して燃焼ガス34を生成する。燃焼ガス34は、燃焼器セクション16から高温ガス経路32を通ってタービンセクション18に流れ込み、そこで燃焼ガス34から複数の段のロータ動翼30及び静翼(図示せず)を介してエネルギー(運動及び/又は熱)がロータ動翼30に伝達され、シャフト22を回転させる。機械的回転エネルギーは、次いで、圧縮機セクション14を駆動するため及び/又は発電のために使用し得る。タービンセクション18を出た燃焼ガス34は、次いで、排気セクション20を介してガスタービン10から排出し得る。
【0022】
図2に示すように、燃焼器17は、圧縮機吐出ケーシングのような外側ケーシング36によって少なくとも部分的に囲まれていてもよい。外側ケーシング36は、燃焼器17の様々な部品を少なくとも部分的に取り囲む高圧プレナム38を少なくとも部分的に画成し得る。高圧プレナム38は、圧縮機セクション14(
図1)と流体連通して、圧縮空気15を受け取る。エンドカバー40は、外側ケーシング36又は前方ケーシング54に結合し得る。1以上の燃焼ライナ又はダクト42は、燃料-空気混合物を燃焼させるための燃焼室又はゾーン44を少なくとも部分的に画成及び/又は燃焼ガス34をタービンセクション18への入口に送るための燃焼器17を通る高温ガス経路を少なくとも部分的に画成し得る。
【0023】
特定の実施形態では、燃焼ライナ42は、外側スリーブ46によって周方向に少なくとも部分的に囲まれている。外側スリーブ46は、単一の部品として形成してもよいし、或いは複数の外側スリーブセグメントによって形成してもよい。外側スリーブ46は燃焼ライナ42から半径方向に離間して、それらの間に流路又は環状流路48を画成する。外側スリーブ46は、高圧プレナム38から環状流路48への流体連通をもたらす複数の入口又は穴を画成していてもよい。
【0024】
前方ケーシング54及びエンドカバー40は、ヘッドエンド空気プレナム56を画成し得る。圧縮空気15は、高圧プレナム38から、外側スリーブ46に画成された開口を介して、燃焼器17の後方端部の環状流路48へと流れる。圧縮空気15は、燃焼器17の後方端部からヘッドエンド空気プレナム56まで上流方向に移動し、そこで圧縮空気15は方向を反転して1以上の燃料ノズル50に入る。
【0025】
燃焼器ヘッドエンド55は、ヘッドエンド空気プレナム56及び1以上の燃料ノズル50を含む。1以上の燃料ノズル50は、燃焼器17の前方端部(例えば、ヘッドエンド空気プレナム56内)に配置し得る。燃料41は燃料供給導管52を通して導くことができ、燃料供給導管52は、エンドカバー40、ヘッドエンド空気プレナム56を通って燃料ノズル50まで延在する。燃料ノズル50は燃料及び圧縮空気15を燃焼室44内に運び、そこで燃焼が起こる。幾つかの実施形態では、燃料と圧縮空気15は、燃焼室44に到達する前に混合物として混合される。燃料ノズル50は、集束管燃料ノズル(「マイクロミキサ」と通称される)又はスワーラノズル(「スウォズル」と通称される)などの、あらゆるタイプの燃料ノズルとし得る。
【0026】
例示的な実施形態では、燃料ノズル50の後方又は下流端部は、燃焼器ヘッドエンド55のキャップを画成するスタック型冷却アセンブリ100を少なくとも部分的に通って延在する。例えば、スタック型冷却アセンブリ100は、燃焼室44の上流端部を画成し得る。換言すると、スタック型冷却アセンブリ100は、ヘッドエンド空気プレナム56の最も後方の境界及び燃焼室44の最も前方の境界を画成し、もってヘッドエンド空気プレナム56を燃焼室44から隔てる。
【0027】
図3~
図5は、各々、本開示の様々な実施形態に係る燃焼器17の例示的な燃焼器ヘッドエンド55の平面図を示す。
図3に示すように、燃焼器17は、複数のスワーラノズル又はスウォズル300を含んでいてもよい。複数のスウォズルは、中央スウォズル302と、中央スウォズル302の周りに環状に配置された複数の外側スウォズル304とを含んでいてもよい。図に示すように、各スウォズル300は、燃焼室44内で空気と燃料の旋回流を惹起する複数のスワーラ羽根306を含む。スウォズルの各々は、燃料と空気の混合物を燃焼室44に導入するために、スタック型冷却アセンブリ100のそれぞれの開口部を貫通し得る。
【0028】
図4及び
図5に示すように、燃焼器17は、複数の集束管燃料ノズル400を含んでいてもよい。各集束管燃料ノズル400は複数の予混合管70を含んでいてもよく、予混合管70内で燃焼室44に導入される前の燃料と空気とが混合される。
図4において、各集束管燃料ノズル400は、燃料と空気の混合物を燃焼室44内に導入するため、スタック型冷却アセンブリ100のそれぞれの開口部を貫通する。
図5において、スタック型冷却アセンブリ100は、予混合管70が配置される複数の開口部を含む。
【0029】
図4及び
図5に示す実施形態では、複数の集束管燃料ノズル400は、円形の中央集束管燃料ノズル402と、中央集束管燃料ノズル402を囲む複数の外側集束管燃料ノズル404,406とを含むことができる。例えば、
図4に示す実施形態では、複数の集束管燃料ノズル400は、中央集束管燃料ノズル402を囲む複数の円形の外側集束管燃料ノズル404を含んでいてもよい。
図5に示す実施形態では、複数の集束管燃料ノズル400は、中央集束管燃料ノズル402を囲む複数のくさび形の集束管燃料ノズル406を含んでいてもよい。
【0030】
図6は、本開示の実施形態に係る燃料ノズル50の側面断面図である。燃料ノズル50は、軸中心線110に沿って延びる軸方向Aと、軸中心線110に垂直に延びる半径方向Rと、軸中心線110の周りに延びる周方向Cとを有する円筒座標系を規定してもよい。
図6に示すように、燃料ノズル50は、前方又は上流側壁60を有する燃料プレナム本体58を含む。スタック型冷却アセンブリ100は、前方壁60から軸方向に離間している。例えば(
図4を参照すると)、前方壁60及びスタック型冷却アセンブリ100は、略円盤形状のものであり、互いに略平行に配向し、軸方向に離間していてもよい。前方壁60とスタック型冷却アセンブリ100との間に外側バンド又はシュラウド62が軸方向に延在していてもよい。外側バンド62は、概して管又は中空円筒(又は円筒シェル)として形成し得る。燃料プレナム64が燃料プレナム本体58内に画成されていてもよい。特定の実施形態では、前方壁60、スタック型冷却アセンブリ100及び外側バンド62は集合的に燃料プレナム64を画成し得る。
【0031】
図3を参照すると、スタック型冷却アセンブリ100は、燃焼器ヘッドエンド55のためのキャップとして機能することができ、その場合、個々の燃料ノズル300,302,304は、スタック型冷却アセンブリ100内の開口部112を貫通し得る。すなわち、各スワーラ燃料ノズル300,302,304で、
図6に概略的に示す予混合管70の1つを置き換えてもよい。
図5を参照すると、各燃料ノズル50,400,406は、それ自身の前方壁60及び燃料プレナム64を有し、一方、燃料ノズル50,400,406の予混合管70の下流端部は、燃焼器ヘッドエンド55の幅全体に広がる共通の(すなわち、共有)スタック型冷却アセンブリ100を貫通している。
【0032】
以下で説明する通り、スタック型冷却アセンブリ100は、入口プレート102、中間プレート104及び出口プレート106を含む。本明細書に開示し説明する実施形態は単一の中間プレート104を含むが、複数の中間プレート104を利用する(例えば、入口プレート102と出口プレート104の間に配置して)ことも、本開示の技術的範囲及び技術的思想に属する。各プレート102,104,106は略円盤形状であり、少なくとも1つの隣接プレートと接触する(例えば、互いに重ね合わせられる)。例えば、プレートは、(溶接、ろう付けその他の固定連結手段によって)互いに強固又は固定的に連結してもよい。他の実施形態では、プレートは、(ボルト及び締結具その他の手段によって)互いに、強固でも固定的でもない態様で又はその他取外し可能に連結してもよい。例示的な実施形態では、
図2に示すように、入口プレート102を外側バンド62の内側(例えば、外側バンド62の後方端部)に配置して、外側バンド62が入口プレート102を取り囲むようにしてもよい。こうすると、入口プレート102の上流面は、燃料プレナム64の最後方境界を画成することができ、或いは燃料ノズル50内に別のプレナム(例えば空気プレナムなど)を画成してもよい。中間プレート104は、入口プレート102と出口プレート106との間に配置され、それらと接触する。出口プレート106は、燃焼室44の最前方境界を少なくとも部分的に画成することができる。
【0033】
さらに、
図6に示す実施形態では、入口プレート102は、外側バンド62の後方端部内に収まるように、外側バンド62の内径と略等しい直径を有していてもよい。中間プレート104及び出口プレート106は、燃焼ガスの取込みを防止するため、外側バンド62の外径と略等しい(又は大きい)直径を有していてもよい。スタック型冷却アセンブリ100は、各燃料ノズル50に固有のものとしてもよいし、(例えば、
図2に示すスタック型冷却アセンブリ100のように)すべての燃料ノズル50で共通のものとしてもよい。
【0034】
多くの実施形態では、燃料供給導管52は、前方壁60及び燃料プレナム64を通って隔壁111まで延在し得る。隔壁111は、燃料41が共振器109に入るのを防ぐ。共振器109は、隔壁111から共振器回路108まで延在し得る。共振器109は、燃焼器17の音響振動を減衰させるための共振器容積113を画成し得る。様々な実施形態では、内側管115が燃料導管52を貫通して(燃料導管から流体遮断され)、隔壁111を通って共振器109まで延在し得る。このようにして、内側管115は、共振器容積113への燃焼ガス34の取込みを防止するため、共振器容積113に圧縮空気15を供給することができる。共振器容積113は、共振器容積113に燃料41が入らないようにするため、燃料回路52から流体遮断し得る。
【0035】
燃料供給導管52は、燃料供給導管52に画成された1以上の燃料ポート68を介して燃料プレナム64と流体連通する。例えば、燃料ポート68は、燃料プレナム本体58の前方壁60に近接する燃料プレナム64に配置し得る。
【0036】
多くの実施形態では、1以上の予混合管70は、燃料プレナム本体58を通って(例えば略軸方向に)延在し得る。例えば、1以上の予混合管70は、前方壁60、燃料プレナム64及びスタック型冷却アセンブリ100を貫通し得る。予混合管70は、前方壁60及び/又はスタック型冷却アセンブリ100に固定接続されかつ/又はシールを形成する。例えば、予混合管70は、1以上の前方壁60及び/又はスタック型冷却アセンブリ100に溶接、ろう付けその他の方法で接続し得る。各予混合管70は、ヘッドエンド空気プレナム56、燃料プレナム64及び燃焼室44と流体連通する。各予混合管70は、それぞれの管70の上流端部に画成される入口72と、それぞれの管70の下流端部に画成される出口74とを含む。ヘッドエンド空気プレナム56からの圧縮空気15は、予混合管70の各々に入口72から入り、出口74で燃焼室44へと排出される前に燃料プレナム64からの燃料41と混合される。特定の実施形態では、1以上の予混合管70は、各予混合管70に画成された1以上の燃料ポート76を介して燃料プレナム64と流体連通している。
【0037】
例示的な実施形態では、冷却剤管78は、スタック型冷却アセンブリ100まで延在し得る。例えば、冷却剤管78は、燃料プレナム本体58を通って(略軸方向に)延在し得る。例えば、1以上の冷却剤管78は、前方壁60、燃料プレナム64を通って、スタック型冷却アセンブリ100まで(例えば、スタック型冷却アセンブリ100を部分的に通って)延在し得る。特に、冷却剤管78は、圧縮空気15をヘッドエンド空気プレナム56からスタック型冷却アセンブリ100に画成された冷却剤回路120へと搬送することができる。こうして、冷却剤管78は、冷却剤回路120に圧縮空気15しか供給されないように、燃料プレナム64及び燃料供給導管52から流体遮断し得る。
【0038】
冷却剤管78の各々は、軸方向にスタック型冷却アセンブリ100内に部分的にしか延在していなくてもよい。例えば、各冷却剤管の下流端部79は、入口プレート102に画成される冷却剤回路120の入口122を貫通していてもよい。このように、冷却剤管78の各々は、軸方向にスタック型冷却アセンブリ100の入口プレート102しか貫通していなくてもよく、各冷却剤管78は軸方向に中間プレート104で終端していてもよい。冷却剤管78は、前方壁60及び/又はスタック型冷却アセンブリ100に固定接続されかつ/又はシールを形成してもよい。例えば、冷却剤管78は、1以上の前方壁60及び/又はスタック型冷却アセンブリ100に溶接、ろう付けその他の方法で接続し得る。
図6に示すように、冷却剤管78は、半径方向に燃料供給導管52と予混合管70との間に配置し得る。
【0039】
図7は、本開示の実施形態に係るスタック型冷却アセンブリ100の分解図を示し、
図8は、
図6に示すスタック型冷却アセンブリ100の矢視8-8平面図を示す。例示的な実施形態では、スタック型冷却アセンブリ100のプレート102,104,106は、それぞれ1以上の穴、空隙、キャビティ及び/又は隙間を画成していてもよく、プレート102,104,106を一緒に重ね合わせたときに、プレート102,104,106は、流体(例えば冷却空気)を搬送することができる1以上の回路を集合的に画成する。このような構造は、部品冷却及び/又は燃料分配の増大、製造コストの削減及び組立ての容易さなど、実施に際して多くの利点をもたらすことができる。加えて、スタック型冷却アセンブリ100の積層プレート構造は、従前の設計と比較して製造コストを有利に下げることができる。例えば、プレート102,104,106の各々に画成される様々なキャビティはプレートを打抜き加工すればよく、これによって製造コスト及び製造時間を好適に短縮し得る。
【0040】
特定の実施形態では、スタック型冷却アセンブリ100は、共振器回路108(
図6)を画成し得る。特に、共振器回路108は、入口プレート102、中間プレート104及び出口プレート106によって集合的に画成することができる。共振器回路108は、軸方向中心線110(燃料ノズル50及びスタック型冷却アセンブリ100に共通の軸方向中心線であってもよい)と同軸に延在し得る。共振器回路108は、プレート102,104,106の各々を軸方向に貫通する開口部によって集合的に画成し得る。例えば、
図6及び
図7に示すように、入口プレート102は共振器回路108の入口開口部134を画成し、出口プレート106は複数の出口開口138を画成し、中間プレート104は入口開口134と複数の出口開口138とを流体連通する複数の中間開口136を画成してもよい。入口開口部134は、共振器109の下流端部53が入口開口部134を貫通できるように、(例えば複数の開口部ではなく)単一の開口部とすることができる。多くの実施形態では、複数の出口開口部138の各々の出口開口部138は、複数の中間開口部136のそれぞれの中間開口部136と整列する。
【0041】
さらに、スタック型冷却アセンブリ100は、周方向に互いに離間した複数の外側通路112(
図8)を画成してもよい。複数の外側通路112は、プレート102,104,106によって集合的に(例えば、プレート102,104,106の各々を軸方向に貫通する開口部によって集合的に)画成し得る。例えば、各外側通路112は、入口プレート102、中間プレート104及び出口プレート106を軸方向に貫通していてもよい。特に、各外側通路112は、入口プレート102、中間プレート104、出口プレート106にそれぞれ画成される外側開口114,116,118によって集合的に画成し得る。開口114,116,118は、各外側通路112が略円筒形になるように、互いに略整列し得る。
図6に示すように、多くの実施態様では、予混合管70の下流端部は、外側通路(例えば、開口114,116,118の各々)を貫通し得る。図には6つの外側通路112しか記載されていないが、スタック型冷却アセンブリ100は、任意の数の外側通路112を任意の配置で含むことができる。特に、スタック型冷却アセンブリ100は、各予混合管70がスタック型冷却アセンブリ100を貫通できるように、予混合管70の数(実施形態毎に変更し得る)に対応する数及び配置の外側冷却通路112を含むことができる。
【0042】
図6~
図8に示すように、例示的な実施形態では、スタック型冷却アセンブリ100はさらに冷却剤回路120を画成する。特に、スタック型冷却アセンブリ100は、周方向に互いに離間した複数の冷却剤回路120を画成し得る。各冷却剤回路120は、プレート102,104,106の各々を軸方向に貫通するキャビティによって集合的に画成し得る。例えば、各冷却剤回路120は、入口プレート102に画成され、かつ入口プレート102を軸方向に貫通する入口122を含むことができる。冷却剤回路120はまた、出口プレート106に画成され、かつ出口プレート106を軸方向に貫通する出口124を含むことができる。特に、
図8に示すように、各冷却剤回路120は、単一の入口122と複数の出口124を含むことができる。ただし、他の実施形態(図示せず)では、各冷却剤回路120は、複数の入口122と単一の出口124、又は任意の数の入口122及び出口124を含むことができる。各冷却剤回路120の各出口124は、連絡流路132を介してそれぞれの入口122と流体連通し得る。多くの実施形態では、出口124は複数の出口124のうちの1つであって、各々がそれぞれの連絡流路132を介して入口122と流体連通している。例えば、入口122及び1以上の出口124は、1以上の方向(2以上の方向など)に互いに離間していてもよい。具体的には、入口122及び1以上の出口124は、入口122と出口124が共通の軸に沿って延在しないように、半径方向及び/又は周方向に互いに離間していてもよい。入口122及び出口124は、軸方向に配向した略円筒形に賦形し得る。中間プレート104は、連絡流路132を少なくとも部分的に画成する中間プレート104を貫通する中間キャビティ126を画成し得る。
【0043】
多くの実施形態では、冷却剤回路120は、共振器108の半径方向外側に配置し得る。特に、冷却剤回路120は、周方向に複数の外側通路112の隣り合う外側通路112の間に配置し得る。
【0044】
図9は、
図8に示す本開示の実施形態に係るスタック型冷却アセンブリ100の単一の冷却剤回路120の一部の矢視9-9断面図である。中間キャビティ126は、入口122を出口124と少なくとも部分的に流体連通し得る。例示的な実施形態では、図に示すように、出口プレート106の上流面128、入口プレート102の下流面130及び中間キャビティ126は、集合的に、入口122を出口124と流体連通する連絡流路132を画成する。
【0045】
多くの実施形態では、
図9に示すように、中間キャビティ126は、入口部分140と、出口部分142と、入口部分140と出口部分142との間に延在する通路部分144とを含むことができる。例えば、入口部分140は、冷却剤回路120の入口122と流体連通しかつ整列し得る。同様に、出口部分142は、冷却剤回路120の出口124と流体連通しかつ整列し得る。通路部分144は、入口部分140と出口部分142との間に延在し得る。
図9に示すように、入口プレート102の下流面130と、出口プレート106の上流面128と、中間キャビティ126の通路部分144とは、集合的に、連結流路132を画成する。
【0046】
本開示の実施形態に従って、
図10は入口プレート102の平面図を示し、
図11は中間プレート104の平面図を示し、
図12は出口プレート106の平面図を示す。図に示すように、プレート102,104,106の各々は略円形であってもよい。さらに、プレート102,104,106の各々は実質的に等しい直径(例えば、±5%以内)を有し得る。プレート102,104,106は、重ね合わせたときに互いに封止接触して、動作中にプレート102,104,106間での流体の漏れを防ぐため、実質的に平坦又は平らな上流面及び下流面(
図9)を有していてもよい。
【0047】
図13は、本開示の実施形態に係る
図11に示す中間プレート104の概略図の拡大図を示す。図に示すとともに既に述べた通り、中間プレート104の中間キャビティ126は、入口部分140と、入口部分140からそれぞれの出口部分142まで延在する1以上の通路部分144を含むことができる。例えば、図に示しかつ本明細書で説明する実施形態では、各中間キャビティ126は、3つの通路部分144と3つの出口部分142を含む。ただし、他の実施形態では、中間キャビティ126は、任意の数の通路部分144とそれに対応する出口部分142(例えば、1、2、3、4、5、6又は最大10)とを含むことができる。
【0048】
多くの実施形態では、
図13に示すように、各通路部分144は、第1の幅149を有する第1のセグメント148と、第2の幅151を有する第2のセグメント150と、第1のセグメント148と第2のセグメント150との間のテーパ状セグメント152とを含むことができる。第1のセグメント148は入口部分140から直接延在し、第2のセグメント150は出口部分142まで直接延在している。第2の幅151は第1の幅149よりも小さくすることができ、テーパ状セグメント152は、第1の幅149から第2の幅151へと幅が細くなる(すなわち、出口部分142に向かって狭くなる)。テーパ状セグメント152は、空気の流れが出口部分142に搬送されるにつれて空気の流れを加速するため、入口部分140よりも出口部分142に近接していてもよい。
【0049】
中間キャビティ126の入口部分140及び出口部分142は略円形にすることができる。第1のセグメント148は、入口部分142から略非接線方向に延在し得る。第2のセグメント150は、出口部分142に直接接続しかつ略接線方向に配向することができる。例えば、出口部分142で圧縮空気の旋回流を惹起するため、通路部分144は出口部分142と接線方向に接続することができる。こうして、第2のセグメント150は、出口部分142から出る圧縮空気の旋回流を有利に惹起し得る。例えば、通路部分144(例えば、第1のセグメント148及び第2のセグメント150の一方又は両方)の軸方向中心線は、出口部分142の中心点を通らない。
【0050】
図14は、中間プレート104によって画成される中間キャビティ126の代替的な実施形態を示す。図に示すように、通路部分144から別個の出口部分158まで分岐部分156が延在してもよい。分岐部分156は、第1の幅を有する第1のセグメント159と、第2の幅を有する第2のセグメント160と、第1のセグメント159と第2のセグメント160との間のテーパ状セグメント162とを含むことができる。第2の幅は第1の幅よりも小さくすることができ、テーパ状セグメント162は、第1の幅から第2の幅へと幅が細くなる。テーパ状セグメント162は、空気の流れが別個の出口部分158に搬送されるにつれて空気の流れを加速するために、通路部分144よりも別個の出口部分158に近接してもよい。通路部分144から延在する分岐部分156は1つしか示していないが、各通路部分144は、1以上の分岐部分156を含むことができる(例えば、通路部分の両側から又は同じ側からそれぞれの出口部分まで延在する)。
【0051】
冷却剤回路120をプレート102、104及び106で集合的に画成することにより、部品冷却及び/又は燃料分配の増大、製造コストの削減及び組立ての容易さなど、実施に際して多くの利点をもたらすことができる。加えて、スタック型冷却アセンブリ100の積層プレート構造は、従前の設計と比較して製造コストを有利に下げることができる。例えば、プレート102,104,106の各々に画成される様々なキャビティはプレートを打抜き加工すればよく、これによって製造コスト及び製造時間を好適に短縮し得る。図面では、燃焼器キャップとしてのスタック型冷却アセンブリ100の特定の用途を例示したが、プレート102,104,106によって画成される冷却構造は、燃焼器ライナ(燃焼器ライナ後方フレームを含む)の一部又は全部としても使用し得る。
【0052】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲と文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【0053】
本発明のさらなる実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
スタック型冷却アセンブリであって、冷却剤回路への入口を画成する入口プレートと、冷却剤回路の出口を画成する出口プレートと、入口プレートと出口プレートの間に配置された中間プレートであって、中間キャビティを画成する中間プレートとを備えており、入口プレートの下流面、出口プレートの上流面及び中間キャビティが、集合的に、入口を出口と流体連通する連絡流路を画成する、スタック型冷却アセンブリ。
[実施態様2]
入口と出口とが1以上の方向に互いに離間している、実施態様1に記載のスタック型冷却アセンブリ。
[実施態様3]
中間キャビティが、冷却剤回路への入口と流体連通しかつ整列する入口部分と、冷却剤回路の出口と流体連通しかつ整列する出口部分と、入口部分と出口部分との間に延在する通路部分とを備える、実施態様1又は実施態様2に記載のスタック型冷却アセンブリ。
[実施態様4]
通路部分から別個の出口部分まで分岐部分が延在している、実施態様3に記載のスタック型冷却アセンブリ。
[実施態様5]
入口プレートの下流面、出口プレートの上流面及び中間キャビティの通路部分が、集合的に連絡流路を画成する、実施態様3又は実施態様4に記載のスタック型冷却アセンブリ。
[実施態様6]
通路部分が、第1の幅を有する第1のセグメントと、第2の幅を有する第2のセグメントと、第1のセグメントと第2のセグメントとの間のテーパ状セグメントとを含み、テーパ状セグメントが入口部分よりも出口部分に近い、実施態様3乃至実施態様5のいずれかに記載のスタック型冷却アセンブリ。
[実施態様7]
通路部分が出口部分と接線方向に接続していて、出口部分から圧縮空気の旋回流を生成する、実施態様3乃至実施態様6のいずれかに記載のスタック型冷却アセンブリ。
[実施態様8]
入口プレートが複数の入口を画成し、出口プレートが複数の出口を画成し、中間プレートが、複数の入口のそれぞれの入口を複数の出口のそれぞれの出口と流体連通する複数の中間キャビティを画成する、実施態様1乃至実施態様7のいずれかに記載のスタック型冷却アセンブリ。
[実施態様9]
冷却剤回路が入口を含んでおり、出口が複数の出口のうちの1つであって各々がそれぞれの連絡流路を介して入口と流体連通している、実施態様1乃至実施態様のいずれかに記載のスタック型冷却アセンブリ。
[実施態様10]
スタック型冷却アセンブリに画成され、周方向に互いに離間した複数の外側通路をさらに備えており、複数の外側通路の各々の外側通路が、軸方向に、入口プレート、中間プレート及び出口プレートを貫通する、実施態様1乃至実施態様9のいずれかに記載のスタック型冷却アセンブリ。
[実施態様11]
燃焼器ヘッドエンドであって、燃焼器ヘッドエンドのキャップを画成するスタック型冷却アセンブリと、スタック型冷却アセンブリを貫通して延在する燃料ノズルとを備えており、スタック型冷却アセンブリが、冷却剤回路への入口を画成する入口プレートと、冷却剤回路の出口を画成する出口プレートと、入口プレートと出口プレートの間に配置された中間プレートであって、中間キャビティを画成する中間プレートとを備えており、入口プレートの下流面、出口プレートの上流面及び中間キャビティが、集合的に、入口を出口と流体連通する連絡流路を画成する、燃焼器ヘッドエンド。
[実施態様12]
スタック型冷却アセンブリの入口まで延在する冷却剤管をさらに備える、実施態様11に記載の燃焼器ヘッドエンド。
[実施態様13]
入口と出口とが1以上の方向に互いに離間している、実施態様11又は実施態様12に記載の燃焼器ヘッドエンド。
[実施態様14]
中間キャビティが、冷却剤回路への入口と流体連通しかつ整列する入口部分と、冷却剤回路の出口と流体連通しかつ整列する出口部分と、入口部分と出口部分との間に延在する通路部分とを備える、実施態様11乃至実施態様13のいずれかに記載の燃焼器ヘッドエンド。
[実施態様15]
通路部分から別個の出口部分まで分岐部分が延在している、実施態様14に記載の燃焼器ヘッドエンド。
[実施態様16]
入口プレートの下流面、出口プレートの上流面及び中間キャビティの通路部分が、集合的に連絡流路を画成する、実施態様14又は実施態様15に記載の燃焼器ヘッドエンド。
[実施態様17]
通路部分が、第1の幅を有する第1のセグメントと、第2の幅を有する第2のセグメントと、第1のセグメントと第2のセグメントとの間のテーパ状セグメントとを含み、テーパ状セグメントが入口部分よりも出口部分に近い、実施態様14乃至実施態様16のいずれかに記載の燃焼器ヘッドエンド。
[実施態様18]
通路部分が出口部分と接線方向に接続していて、出口部分から圧縮空気の旋回流を生成する、実施態様14乃至実施態様17のいずれかに記載の燃焼器ヘッドエンド。
[実施態様19]
入口プレートが複数の入口を画成し、出口プレートが複数の出口を画成し、中間プレートが、複数の入口のそれぞれの入口を複数の出口のそれぞれの出口と流体連通する複数の中間キャビティを画成する、実施態様11乃至実施態様18のいずれかに記載の燃焼器ヘッドエンド。
[実施態様20]
冷却剤回路が入口を含んでおり、出口が複数の出口のうちの1つであって各々がそれぞれの連絡流路を介して入口と流体連通している、実施態様11乃至実施態様19のいずれかに記載の燃焼器ヘッドエンド。
【符号の説明】
【0054】
50 燃料ノズル
55 燃焼器ヘッドエンド
78 冷却剤管
100 スタック型冷却アセンブリ
102 入口プレート
104 中間プレート
106 出口プレート
112 外側通路
120 冷却剤回路
122 冷却剤回路の入口
124 冷却剤回路の出口
126 中間キャビティ
128 出口プレートの上流面
130 入口プレートの下流面
132 連絡流路
140 中間キャビティの入口部分
142 中間キャビティの出口部分
144 中間キャビティの通路部分
148 中間キャビティの通路部分の第1のセグメント
150 中間キャビティの通路部分の第2のセグメント
152 中間キャビティの通路部分のテーパ状セグメント
156 中間キャビティの通路部分からの分岐部分
【外国語明細書】