特開 2023-55640 モジュール式外側シェルを有するゲームコントローラ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023055640

(43)【公開日】2023-04-18

(54)【発明の名称】モジュール式外側シェルを有するゲームコントローラ

(51)【国際特許分類】

   A63F 13/98 20140101AFI20230411BHJP

   A63F 13/24 20140101ALI20230411BHJP

【ＦＩ】

A63F13/98

A63F13/24

【審査請求】未請求

【請求項の数】14

【出願形態】ＯＬ

【外国語出願】

(21)【出願番号】P 2022143680

(22)【出願日】2022-09-09

(31)【優先権主張番号】63/242,098

(32)【優先日】2021-09-09

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(31)【優先権主張番号】17/940,180

(32)【優先日】2022-09-08

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(71)【出願人】

【識別番号】522359763

【氏名又は名称】パンダ ハードウェア エルエルシー

【氏名又は名称原語表記】Ｐａｎｄａ Ｈａｒｄｗａｒｅ ＬＬＣ

(74)【代理人】

【識別番号】110001612

【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】マシュー サンペーリ

(57)【要約】

【課題】ゲームコントローラの外側シェル構成要素、コントロール部と、異なる美観を有するシェル、コントロール部などとを交換することができるように、容易に分離することができるシェル部材を備えるゲームコントローラを提供する。
【解決手段】ゲームコントローラの外側シェル構成要素、コントロール部と、異なる美観を有するシェル、コントロール部などとを交換することができるように、容易に分離することができるシェル部材を備えるゲームコントローラ。好ましくは、シェルを取り外すための工具を必要としない磁石が使用される。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

ゲームコントローラであって、
ユーザとの対話のために構成された少なくとも１つのコントロール部と、
把持されるように構成された外側シェルと、
前記ゲームコントローラの内部の磁石とを備え、
前記磁石が、前記外側シェルを一緒に保持する、
ゲームコントローラ。

【請求項2】

前記少なくとも１つのコントロール部が、アナログジョイスティックを備え、
前記ゲームコントローラが、前記アナログジョイスティックに近接する少なくとも１つの取り外し可能なゲートをさらに備える、
請求項１に記載のゲームコントローラ。

【請求項3】

内側コア構造体をさらに備え、
前記外側シェルが、前記内側コア構造体を覆って保護する、
請求項１に記載のゲームコントローラ。

【請求項4】

前記内側コア構造体が、外周部と、前記外周部に沿って延びる安定化リップとを備える、
請求項３に記載のゲームコントローラ。

【請求項5】

前記外側シェルが、上部シェルと下部シェルとを備え、
前記上部シェルおよび前記下部シェルの両方が、ユーザインターフェース機構穴を備え、
前記ユーザインターフェース機構穴が、前記コントロール部が前記ユーザインターフェース機構穴を通って延びてアクセスを可能にするように、前記ゲームコントローラの前記コントロール部を受け入れるように構成される、
請求項１に記載のゲームコントローラ。

【請求項6】

前記内側コア構造体が内側シェルを備え、
前記内側シェルが上部と下部とを備え、
前記内側シェルの前記下部が、内側モードスイッチ、ボタンおよび／またはノブであって、前記内側シェルの前記上部に設けられた、前記コントロール部のうち、対応するものに関連するモードを設定するための内側モードスイッチ、ボタンおよび／またはノブを備える、
請求項３に記載のゲームコントローラ。

【請求項7】

前記内側コア構造体が内側シェルを備え、
前記内側シェルが上部と下部とを備え、
前記内側シェルの前記下部が、取り外し可能な取り付けプレートと取り外し可能なボタンとを備える、
請求項３に記載のゲームコントローラ。

【請求項8】

前記内側コア構造体が内側シェルを備え、
前記内側シェルが、内側上部シェルと内側下部シェルとを備え、
前記内側上部シェルと前記内側下部シェルの各々が縁部を備え、
前記内側上部シェルと前記内側下部シェルの各々の前記縁部が安定化リップを提供する、
請求項３に記載のゲームコントローラ。

【請求項9】

複数の取り外し可能なボタンと、
取り外し可能な取り付けプレートと、
取り外し可能なアナログスティック制限ゲートと、
取り外し可能なアナログスティックカバーとをさらに備える、
請求項１に記載のゲームコントローラ。

【請求項10】

前記内側上部シェルが前記内側下部シェルに接触することにより構造的支持を提供する、
請求項８に記載のゲームコントローラ。

【請求項11】

前記内側上部シェルの前記安定化リップが、前記内側下部シェルの前記安定化リップから離間している、
請求項１０に記載のゲームコントローラ。

【請求項12】

前記外側シェルが、上部シェルと下部シェルとを備え、
内側コア構造体が内側シェルを備え、
前記内側シェルが、内側上部シェルと内側下部シェルとを備え、
前記内側上部シェルが、縁部を備え、
前記内側上部シェルの前記縁部が、安定化リップを備え、
前記内側下部シェルが、縁部を備え、
前記内側下部シェルの前記縁部が、安定化リップを備え、
前記内側上部シェルの前記安定化リップが、前記内側下部シェルの前記安定化リップから離間しており、
前記内側上部シェルが、前記内側下部シェルと接触することにより構造的支持を提供し、
前記上部シェルと前記下部シェルとが、互いに離間している、
請求項１に記載のゲームコントローラ。

【請求項13】

内側コア構造体をさらに備え、
前記外側シェルが、上部シェルと下部シェルとを備え、
前記外側シェルが、前記内側コア構造体を囲み、
前記内側コア構造体が、内側シェルを備え、
前記内側シェルが、内側上部シェルと内側下部シェルとを備え、
前記内側上部シェルの磁石が、前記上部シェルの対応する磁石と嵌合し、
前記下部シェルの磁石が、前記内側下部シェルの対応する磁石と嵌合し、
前記下部シェルの磁石が、前記上部シェルの磁石と嵌合し、
前記内側シェルが、前記内側シェルの干渉なしに、前記下部シェルの磁石が前記上部シェルの対応する磁石と嵌合するような形状を有する、
請求項１に記載のゲームコントローラ。

【請求項14】

内側コア構造体をさらに備え、
前記外側シェルが、上部シェルと下部シェルとを備え、
前記外側シェルが、前記内側コア構造体を覆って保護し、
前記内側コア構造体が、内側シェルと、さらに取り外し可能なマスク構成要素とを備え、
前記内側シェルが、内側上部シェルと内側下部シェルとを備え、
前記内側シェルの前記上部のすべての構成要素が、前記ゲームコントローラの内部に設けられた締結具を取り外すことによって交換可能であり、前記取り外し可能なマスク構成要素が、ボタンおよびトリガの確実な取り付けを可能にする一方で、前記コントロール部と、異なる美観を有する同様のコントロール部との交換を可能にする、
請求項１に記載のゲームコントローラ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

［関連出願（優先権主張）］
本出願は、２０２１年９月９日に出願された米国特許仮出願第６３／２４２，０９８号明細書の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

【0002】

本発明は、一般にゲームコントローラに関し、より具体的には、モジュール式外側シェルを有するゲームコントローラに関する。

【背景技術】

【0003】

典型的なゲームコントローラは、変更することができない所与のサイズおよび形状を有する。言い換えれば、典型的には、既存のゲームコントローラの人間工学の変更をするオプションはない。しかしながら、ユーザはあらゆる形状およびサイズの手を有している。したがって、ユーザは人間工学的に最適ではないゲームコントローラで我慢しなければならないことが普通である。典型的なゲームコントローラの美観を変更するために、ユーザは、カスタマイズのため、プラスチックシェルを取り外すためにコントローラ全体を分解しなければならない。

【0004】

既存のゲームコントローラに最小限の人間工学的変更を加えるために、コントローラに可撓性スリーブが追加されている。これらの可撓性スリーブは、コントローラの既存の形状に、ある程度の厚さを追加するだけのゴム材料から作られており、構造体のサイズまたは形状の大きな変更を許容しない。さらに、長時間ゲームをプレイすると、手が汗ばむ可能性があり、可撓性スリーブのゴム材料が濡れたときに滑りやすくなり、ユーザはコントローラを適切に把持できなくなる。

【0005】

従来のゲームコントローラは、コントローラの元の機能を維持しながら、外側構造体の、完全で容易な人間工学的カスタマイズすることを許容しない。典型的な従来のゲームコントローラの人間工学的な変更を完全にするために、ユーザは、元のコントローラとは異なる機能を有する場合がある、異なる形状のコントローラを購入し、部品を効果的に交換しようと試みる必要がある。

【0006】

いくつかの既存のゲームコントローラは、様々なレベルのモジュール性を有する。これらのモジュール性は、ボタンの追加または交換、および個々の構成要素のレイアウトの変更（方向パッド、アナログスティック、および他のボタンの位置の交換など）に限定される。構成要素を交換する方法は、コントローラの外側構造体上で常に目視可能であり、すなわち、外側構造体全体を取り外すことを含まないので、外側構造体全体をモジュール構成要素自体として取り換えることを可能にする。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

本発明の一実施形態の１つの目的は、ユーザがコントローラの純正の外側構造体を、その特定のユーザにとって、より人間工学的、快適、または美観的に心地よいものに変更することを可能にするように構成された、単一のモジュール式ゲームコントローラを提供することである。

【0008】

本発明の一実施形態のもう１つの目的は、ユーザがゲームコントローラの内部に容易にアクセスすることを可能にし、それによってユーザがコントローラの内側構造体を容易に変更し、部品を取り換え、コントローラの追加機構にアクセスすることを可能にするように構成されたゲームコントローラを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0009】

手短に言えば、本発明の一実施形態は、内側シェルおよび外側シェルを備えるゲームコントローラを提供し、内側シェルおよび外側シェルの両方が磁石を介して接続されており、それにより、ユーザは、工具を使用する必要なく、また、非常に破損しやすいスナップフィットに干渉する必要なく、コントローラを容易に取り外すことができる。

【0010】

本発明の構造体の構成および動作の態様は、添付の図面に関連して行われる以下の説明を参照することによって、そのさらなる目的および利点と共に、最もよく理解され得、同様の参照番号は同様の要素を特定する。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】本発明の一実施形態によるゲームコントローラの斜視図である。

【図2】内側シェルから分解された外側シェル構成要素を示す、ゲームコントローラの分解図である。

【図3】ゲームコントローラの外側上部シェルの上面図である。

【図4】ゲームコントローラの外側下部シェルの底面図である。

【図5】ゲームコントローラの内側シェルの底面図である。

【図6】ゲームコントローラの内側シェルの上面図である。

【図7】ゲームコントローラの内部にあるリップ構造体を示す断面図である。

【図8】内側上部シェルの上面図であり、複数の磁石を接地する、１つの可能な位置を示す。

【図9】外側上部シェルの上面図であり、複数の磁石を接地する、１つの可能な位置を示す。

【図10】内側下部シェルの上面図であり、複数の磁石を接地する、１つの可能な位置を示す。

【図11】外側下部シェルの底面図であり、複数の磁石を接地する、１つの可能な位置を示す。

【図12】ゲームコントローラの内側上部シェルの分解図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

本発明は様々な形態の実施形態が可能であり得るが、本開示は本発明の原理の例示と見なされるべきであり、本発明を図示されたものに限定することを意図するものではないという理解の下で、特定の実施形態が図面に示され、本明細書で詳細に説明される。

【0013】

図１は、本発明の一実施形態によるゲームコントローラ２０の斜視図である。図示されているように、ゲームコントローラ２０は、ユーザが手のひらで把持するセクション２２を含む。さらに、ゲームコントローラ２０は、ゲーム中に（すなわち、ユーザが親指またはその他の指を使用して、）ユーザが対話するいくつかのコントロール部９、１０を含む。図示されているように、これらのコントロール部９、１０は、ボタン、アナログスティック（すなわち、ジョイスティック）、方向パッド、トリガなどのようなものを含んでもよい。図示されているように、取り外し可能なゲート８は、スティック９がその一般的な方向に移動されたときに、最終的にどこで止まるかを効果的に指示するために、各アナログスティック９に近接してゲームコントローラ２０に設けられることが好ましい。

【0014】

図２は、図１に示すゲームコントローラ２０の分解図である。図２に示すように、ゲームコントローラ２０は、好ましくは、外側上部シェル２および外側下部シェル３を備える外側シェルによって囲まれた内側コア構造体１を備える。２つの外側シェル構成要素２および３は、（図１に示すものを提供するために）その中に配置された内側コア構造体１を効果的に囲み、保護するために協働する。図２に示すように、好ましくは、内側コア構造体１は、内側コア構造体１の外周部全体に沿って延びる安定化リップ４を備える。リップ４、およびリップ４の目的は、以下でより詳細に説明される。

【0015】

図３は、ゲームコントローラ２０の外側上部シェル２の上面図であり、図４は、外側下部シェル３の底面図である。図３および図４に示すように、外側シェル２および３の両方は、ゲームコントローラ２０のコントロール部９、１０を受け入れるためのユーザインターフェース機構穴（user interface feature hole）５を有し、コントロール部９、１０はユーザインターフェース機構穴５を貫通して延び（図１参照）、ユーザのアクセスを可能にする。

【0016】

図５は、ゲームコントローラ２０の内側シェル１の底面図である。図示のように、好ましくは、内側シェル１の下部は、内側シェルの上部に設けられた対応するコントロール部９、１０に関連するモードを設定するための内側モードスイッチ、ボタン、および／またはノブ６を（図１および図６に示すように）含む。図５に示すように、好ましくは、内側シェル１の下部はまた、取り外し可能な取り付けプレート７、取り外し可能なボタン１０を含み、好ましくは、内側下部シェルの縁部は安定化リップ４を提供する。

【0017】

図６は、内側シェル１の上面図である。図示のように、好ましくは、複数の取り外し可能なボタン１０、ならびに取り外し可能な取り付けプレート７、取り外し可能なアナログスティック制限ゲート８、取り外し可能なアナログスティックカバー９があり、好ましくは内側上部シェルの縁部が安定化リップ４を提供する。

【0018】

図７は、ゲームコントローラ２０の内部にあるリップ構造体を示す断面図である。図示のように、好ましくは、内側上部シェルおよび内側下部シェル（それぞれ２４および２６）は、互いに（ライン３２で）接触することにより構造的支持を提供する。さらに、好ましくは、外側上部シェル２は、内側上部シェル２４の安定化リップ４に（ライン３４で）接触し、外側下部シェル３は、内側下部シェル２６の安定化リップ４に（ライン３６で）接触することにより、構造的支持をさらに提供する。対照的に、好ましくは、２つの外側シェル２および３は互いから離間されて間隙３８が設けられ、互いから引き離すことが困難とならないように、互いに対してそれほど緊密にならない。図７に示すように、好ましくは、内側上部シェル２４の安定化リップ４と内側下部シェル２６の安定化リップ４との間にも間隙４０が設けられる。

【0019】

好ましくは、図５および図６に示すように、安定化リップ４は、内側上部シェル部材２４および内側下部シェル部材２６の両方の外周部を一周にわたって延びている。リップ４は、外側シェル２および３に、着座するための支持構造を提供し、それによって外側シェル２および３が把持されたときに、外側シェル２および３が屈曲したりぐらついたりするのを防止する。効果的には、このリップ４は、図１に示すマルチシェルデザイン２０全体に安定性を提供する。

【0020】

ゲームコントローラ２０のシェル２、３、２４、２６をすべて相互接続する方法に関して、好ましくは、これは磁石を介して達成される。磁石を使用することにより、ユーザは、（工具を使用せず、スナップ機構を壊す危険性もなく）ゲームコントローラ２０を容易に分解し、コントロール部９、１０またはゲート８を交換すること、または、ゲームコントローラ２０の内側シェル１の下部に設けられた（図５を参照）スイッチ、ボタンおよび／またはノブ６と対話することができる。

【0021】

図８～図１１は、これらの磁石の配置の可能性の１つを示し、図８は内側上部シェル２４の上面図であり、図９は外側上部シェル２の上面図であり、図１０は内側下部シェル２６の上面図であり、図１１は外側下部シェル３の底面図である。

【0022】

これらの図では、各磁石の極性は＋または－記号のいずれかで示されており、明らかに、反対のもの同士が引き寄せあう。したがって、内側上部シェル２４の磁石Ａ（図８参照）は、外側上部シェル２の対応する磁石Ａ（図９参照）と効果的に嵌合する。同様に、外側下部シェル３の磁石Ｂ（図１１参照）は、内側下部シェル２６の対応する磁石Ｂ（図１０参照）と効果的に嵌合する。外側下部シェル３の磁石Ｃ（図１１参照）は、外側上部シェル２の磁石Ｃ（図９参照）と効果的に嵌合する。好ましくは、内側シェル１は、内側上部シェル２４（図８参照）および内側下部シェル２６（図１０参照）のいずれも、磁石Ｃの磁力の引力と干渉することなく、外側下部シェル３の磁石Ｃ（図１１参照）が、外側上部シェル２の対応する磁石Ｃ（図９参照）と容易に嵌合することができるような形状を有する。

【0023】

図１２は、内側上部シェル２４の分解図である。図示のように、取り外し可能なマスク構成要素７が設けられ、内側上部シェル２４のすべての構成要素は、ゲームコントローラの内部に設けられた対応するねじ穴（具体的には図示せず）に係合する小さなねじ付き六角ボルトなどの特定の締結具３０を取り外すだけで、交換、取り換えなどを行うことが可能である。マスク構成要素７は、ボタンおよびトリガ（図１に示すように、９および１０）の確実な取り付けを可能にして、最適な性能を維持しながら、コントロール部と、異なる美観を有する同様のコントロール部とを交換することを可能にする。同様の機構７（図５参照）を、トリガボタン１０および後部ボタンを取り外すために下部シェル２６に設けることができる。

【0024】

これは、すべての主要な構成要素間の磁気接続と同様に、ユーザが構成要素を交換すること、様々なコントロール部のモードを変更することなどによってゲームコントローラを容易にカスタマイズすることを可能にする。

【0025】

ゲームコントローラの外側シェルを交換することに関して、外側構造体２および３を内側コントローラ構造体１に保持する磁気取り付け方式（magnetic mounting system）に抗うのに十分な力で外側構造体２および３の縁部を引き上げることによって、外側上部構造体および外側下部構造体２および３を内側コントローラ構造体１から取り外すことができる。その後、ユーザは、外側構造体２および３を、元の外側構造体と同じ磁気取り付け方式を共有する異なるセットの外側構造体と取り換えることができる。新しい外側構造体は、異なる美観を有してもよく、または異なる人間工学的形状を有してもよい。次に、新しい外側構造体が内側コントローラ構造体１に配置され、磁気取り付け方式により、新しい外側構造体をしっかりと保持することができる。そうするためには、図７に示すように、外側構造体は、内側構造体安定化リップ４に着座するように適切に位置合わせされなければならない。

【0026】

ボタンの取り換えに関して、外側構造体２および３がコントローラから取り外されると、ユーザは次に、例えば六角レンチを用いて取り外すことができる、取り外し可能な取り付けプレート７にアクセスすることができる。取り付けプレート７が取り外された状態で、ユーザは次にボタン１０を容易に取り出し、新しいボタンをコントローラに配置することができる。コントローラを再組み立てするために、ユーザは、元の取り付けプレート７を再びねじおよび六角レンチで固定し、次に外側シェルの交換に関する節で説明したように外側構造体２および３を再取り付けしなければならない。

【0027】

アナログスティックカバーおよび／またはゲート８の取り換えに関して、アナログスティックカバー９を取り換える手順は、取り付けプレート７を取り外す代わりに、ユーザが取り換え可能なゲート８を取り外さなければならないことを除いて、ボタン１０を取り換える手順と同じである。これらのゲート８を、異なる形状を有するゲートと取り換えることもできる。

【0028】

コントローラ設定の変更に関して、外側構造体２および３がコントローラから取り外された状態で、ユーザは任意の数の内側モードスイッチ、ボタンおよびノブ６にアクセスすることができる（図５参照）。ユーザは、これらの機構と対話して、コントローラが機能する方法を変更し、次に、外側シェルの交換セクションで説明したように外側構造体２および３を再取り付けすることができる。

【0029】

コントローラから取り外すことができるすべての部品は、元の部品とは異なる美観を有する部品と取り換えることができる。

【0030】

外側構造体を取り外すことにより、アナログスティック制限ゲート、ボタン、アナログスティックキャップ、トリガ、電気部品などを含むがこれらに限定されない、任意の数の取り換え可能、変更可能、および／またはカスタマイズ可能な構成要素へのアクセスを提供することができる。

【0031】

外側構造体を取り外すことにより、スイッチ、ボタン、ノブ、または電気部品作動の任意の他の手段を介して実施することができる任意の数の機構のモード変更にアクセスすることができる。機構のモード変更は、ランブルモータのオンオフ、個々のボタン機能のオンオフ、アナログ入力の較正、コントローラを工場出荷時のデフォルト設定に戻すこと、アナログ入力機能の調整、デジタル入力機能の調整などを含むことができるが、これらに限定されない。

【0032】

言い換えれば、外側の上部構造体および下部構造体を、（人間工学的）に異なる形状、または（美観：色、図柄などが）異なる外観を有する構造体と交換することができるだけでなく、外側構造体を取り外すことにより、コントローラの性能または外側の美観に悪影響を与えることなく、変更または取り換えることができる内側構造体へのアクセスを提供する。

【0033】

上記で説明した本発明の本実施形態は、ユーザが自身のコントローラの人間工学的変更、および美観の変更を加えることを可能にするだけでなく、磁気接続により、ゲームコントローラの完全な分解を必要とせず、すなわちコントローラに損傷を与える危険性がなく、コントローラの人間工学的変更、および美観の変更を簡単に行うことを可能にする。本実施形態はまた、元の材料の感触／質感を保持しながら、単に厚くするのではなく、外側シェルの全体の形状を変更することを可能にする。外側構造体を交換することによってコントローラの形状のカスタマイズを可能にすることにより、ユーザは、ユーザの好む機能を有するコントローラを、個々のユーザにとって最も快適な形態要素も有するように変更することができる。これにより、ゲーム体験をより楽しむことができ、ユーザとの人間工学的不適合のために長時間使用すると痛みを引き起こす可能性があるコントローラを使用することによる反復性緊張外傷の危険性を低下させることができる。

【0034】

モジュール性に関して、コントローラの外側上部構造体および外側下部構造体が取り外された状態で、ユーザには、コントローラの内側構成要素の変更または取り換えを行うための容易なアクセスが提供される。次に、上部構造体および下部構造体は、コントローラの機能にいかなる影響も与えることなく取り換えられる。これにより、アナログスティック、ボタン、アナログスティック制限ゲート、電気部品などのカスタマイズが可能になる。さらに、これによって、コントローラの性能をユーザの好みに微調整するために使用できる任意の数の機構のモード変更入力デバイス（スイッチ、ノブ、ボタンなど）へのアクセスが提供される。これらの入力デバイスを、外側構造体を取り外した後にのみアクセス可能にすることにより、ユーザがプレイ中に誤ってそれらを始動することがないことが保証され、外側構造体の人間工学的デザインの自由度を高めることができる。

【0035】

外側シェルを内側構造体に嵌合させるために磁石を使用することにより、外側シェルを交換する最も簡単な方法が可能になる。任意の締結具を使用するには、工具を使用する必要がある。もう一つの工具不要の方法は、スナップフィット（snap-fit）を使用することである。しかしながら、スナップフィットは、使用されるほど摩耗する。さらに、スナップフィットと共に保持された外側シェルを取り外す動作は煩雑であり、多くの場合、スナップをこじ開けるための工具を必要とし、外側シェルが損傷する可能性がある。磁石を使用すると、いかなる機械的なスナップ解除も必要としないため、外側シェルの取り外しが簡単になる。さらに、内側シェルおよび外側シェルの両方が反対の極性の磁石を有する場合、それらの磁石が互いに磁力を及ぼし、磁石の磁気強度が経時的に低下するのを防ぎ、スナップフィットよりも長い寿命を提供する。

【0036】

嵌合リップおよびガイドに加えて、外側シェルを内側構造体に嵌合するために磁石を使用することは、内側構造体と外側構造体とを接続するためにガイドを使用するだけよりも高い安定性を提供する。外側シェル同士のみが互いにスナップフィットする場合、外側シェルと内側シェルとの間の嵌合機構は、ガイドおよび、それらのガイドが入るためのスロットのみである。ガイドは適切な位置合わせをするのに役立つ一方、ガイドは、スロット内で左右方向にいくらかずれることができ、鉛直方向にずれることができることはもちろんである。外側シェルを保持するスナップが摩耗すると（または、プラスチックシェルが少しでも反っている場合）、内側シェルは外側シェル内を移動してもよい。外側シェルおよび内側シェルは、それらが接続されたときに１つの部分として動作するように、それらを一緒に保持する一定の力を有する必要がある。本明細書に開示される本実施形態は、外側シェル同士を互いに接続するためだけでなく、外側シェルと内側シェルとを接続するためにも磁石を使用する。外側シェルと内側シェルとを一緒に保持する直接的な力は、経時的に摩耗する可能性がある間接的な力よりも確実である。

【0037】

全体として、（美観のカスタマイズおよび人間工学的カスタマイズをする目的で）取り外し可能な外側シェルを有するという本明細書に開示された概念および方法は、シェルを取り外す方法においてユーザにとって使い勝手がよく、外側シェルが内側シェルに取り付けられると、構造的に確実であり、外側シェルを経時的に内側シェルに取り付ける寿命が長い構造的に頑健な方法を提供し、それによって総交換回数を多くすることを可能にし、ボタン、トリガ、スティック、および他のアクチュエータが取り付けられたときには強固な接続を維持する一方で、これらを交換することを可能にする良好なカスタマイズ可能性を提供する。

【0038】

本発明の特定の実施形態を示し説明したが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更形態を考案し得ることが想定される。

【符号の説明】

【0039】

１ 内側コントローラ構造体
２ 外側構造体
３ 外側構造体
４ 安定化リップ
５ ユーザインターフェース機構穴
６ ノブ
７ 取り付けプレート
８ ゲート
９ コントロール部
１０ コントロール部
２０ ゲームコントローラ
２４ 内側シェル
２６ 下部シェル
３０ 締結具
３２ ライン
３４ ライン
３６ ライン
３８ 間隙
４０ 間隙
Ａ 磁石
Ｂ 磁石
Ｃ 磁石

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【外国語明細書】