(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055670
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】トルクセンサデバイス用感応膜およびトルクセンサデバイス
(51)【国際特許分類】
G01L 3/14 20060101AFI20230411BHJP
【FI】
G01L3/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022159289
(22)【出願日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】21306406.6
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】517220508
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ センサーズ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】パパ アルデンバ フェイ
(72)【発明者】
【氏名】アルチュール ヴィニョル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本開示は、トルクセンサデバイス用の感応膜、およびそのような感応膜を備えるトルクセンサデバイスを提供する。
【解決手段】感応膜(200)は、感応膜(200)の上部を形成する第1の主面(201)と、第1の主面(201)の上に形成されている複数の測定トランスデューサ(210)と、第1の主面(201)とは反対側で、感応膜(200)の底部を形成する第2の主面(202)とを備える。さらに、感応膜(200)は、測定トランスデューサ(210)とは反対側で、第2の主面(202)の下方に形成されている増厚要素(204)を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクセンサデバイス用の感応膜(200)であって、
前記感応膜(200)は、
- 前記感応膜(200)の上部を形成する第1の主面(201)と、
- 前記第1の主面(201)の上に形成されている複数の測定トランスデューサ(210)と、
- 前記第1の主面(201)とは反対側で、前記感応膜(200)の底部を形成する第2の主面(202)と、
- 前記測定トランスデューサ(210)とは反対側で、前記第2の主面(202)の下方に形成されている増厚要素(240)と、
を備える感応膜(200)。
【請求項2】
前記感応膜(200)は、円形の感応膜(200)であり、
前記測定トランスデューサ(210)は、前記感応膜(200)における円形のトランスデューサ領域(215)に配置され、
前記増厚要素(240)は、前記円形のトランスデューサ領域(215)とは反対側に配置、特に前記円形のトランスデューサ領域(215)とは反対側のみに配置されている、
請求項1に記載の感応膜(200)。
【請求項3】
前記増厚要素(240)は、前記感応膜(200)の前記第2の主面(201)から垂直に延びる側壁(245)を備えるU字形状またはV字形状の段差部分である、または前記段差部分を備える、
請求項2に記載の感応膜(200)。
【請求項4】
前記増厚要素は、前記測定トランスデューサ(210)が配置されるトランスデューサ領域(215)における前記感応膜(200)の厚さの少なくとも25%、かつ、前記トランスデューサ領域(215)における前記感応膜(200)の厚さの最大で150%の高さを有するように、前記第2の主面(201)に垂直に延びる、
請求項1に記載の感応膜(200)。
【請求項5】
前記増厚要素(240)は、前記感応膜(200)と一体に形成されている、
請求項1に記載の感応膜(200)。
【請求項6】
前記測定トランスデューサ(210)は、前記感応膜(200)における前記第1の主面(201)および前記第2の主面(202)に垂直な方向に前記感応膜(200)の中心を通って延びる軸に対して軸対称に配置されている、
請求項1に記載の感応膜(200)。
【請求項7】
前記測定トランスデューサ(210)は、少なくとも2対または4対の測定トランスデューサを備え、
前記測定トランスデューサ(210)の各対の2つの前記測定トランスデューサは、前記感応膜(200)における前記第1の主面(201)および前記第2の主面(202)に平行な方向に前記感応膜(200)の中心を通って延びる軸に対称に配置されている、
請求項6に記載の感応膜(200)。
【請求項8】
4対の測定トランスデューサ(210)が設けられ、
前記4対の測定トランスデューサ(210)の各々について、
前記測定トランスデューサの対の2つの前記測定トランスデューサ(210)が対称に配置された前記感応膜(200)の前記主面に平行な方向に前記感応膜(200)の中心を通って延びる軸が、
測定測定トランスデューサ(210)の隣接する対の2つの測定トランスデューサ(210)が対称に配置された前記感応膜(200)の前記第1の主面(201)および前記第2の主面(202)に平行な方向に前記感応膜(200)の中心を通って延びる軸から周方向に90°離隔していることが成り立つ、
請求項7に記載の感応膜(200)。
【請求項9】
請求項1に記載の感応膜(200)を備える、
トルクセンサデバイス(100、100’)。
【請求項10】
前記感応膜(200)の前記第2の主面(201)よりも下方に配置されている補剛部(230)をさらに備える、
請求項9に記載のトルクセンサデバイス(100、100’)。
【請求項11】
前記補剛部(230)は、特に、溶接、例えばレーザ溶接により、または例えばねじを備える留め付け手段を用いて、前記感応膜(200)の前記第2の主面(201)に取り付けられている、
請求項10に記載のトルクセンサデバイス(100、100’)。
【請求項12】
前記補剛部(230)は、前記感応膜(200)の平均厚さよりも大きい厚さ、特に前記感応膜(200)の平均厚さの150%~400%の厚さを有する、
請求項11に記載のトルクセンサデバイス(100、100’)。
【請求項13】
ロボット、特に協働ロボットであって、
前記ロボットは、
- ギアボックスを備えるジョイントと、
- 請求項12に記載のトルクセンサデバイス(100、100’)と、を備える
ロボット。
【請求項14】
ロボット、特に協働ロボットであって、
前記ロボットは、
- ギアボックスを備えるジョイントと、
- 請求項12に記載の、前記ジョイントに取り付けられているトルクセンサデバイス(100、100’)と、を備え、
前記ジョイントは、いかなるクロスローラベアリングも備えていない、
ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクセンサデバイス用感応膜、および、そのような感応膜を備え、何らかの物体、例えば従動シャフト(driven shaft)またはロボットジョイント(ロボット関節)のトルクを求めるように構成されたトルクセンサデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
物体、例えば何らかの従動シャフトまたはジョイントのトルクを精度良く検出することは、複数の適用例に関連する課題である。特定の適用例は、ロボットのジョイントの運動中におけるトルク測定に関する。様々な方向の荷重が働くロボットのジョイントにおいては、ジョイントに働く回転方向におけるトルクを精度良く検出するべく、通常、回転方向以外の方向における荷重を測定プロセスから排除するために、何らかのキャンセル機構を設ける必要がある。しかしながら、そのような荷重を確実に排除することは非常に難しい。
【0003】
従来技術においては、ホイートストン回路(Wheatstone circuitries)、および、径方向弾性トルク伝達部を備えるトルクセンサ(例えばWO2018/041948A1を参照)を用いて、回転方向以外の方向における荷重を補償することが知られている。
【0004】
しかしながら、既知のトルクセンサデバイスは依然として、トルク測定の精度の不足という問題を抱え、比較的かさばる構成(relatively bulky configurations)を呈する。さらに、従来のトルクセンサデバイスは、感応膜に形成される測定トランスデューサのわずかな位置ずれに対しても敏感であり、これが特にトルクの測定の精度に悪影響を及ぼす。
【0005】
したがって、特に測定トランスデューサの位置決めに関していくらかの製造公差を許容する、確実に高精度なトルク測定を可能とし、小型軽量な構成で形成することが可能なトルクセンサデバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の必要性に対応するために、本発明は、トルクセンサデバイス用感応膜およびトルクセンサデバイス、特にそのような感応膜を備えるトルクセンサデバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
トルクセンサデバイス用の感応膜が提供され、感応膜は、感応膜の上部(top)を形成する第1の主面(first main surface)と、(感応膜のトランスデューサ領域において)第1の主面の上に形成されている複数の測定トランスデューサ(measurement transducers)と、第1の主面とは反対側で、感応膜の底部(bottom)を形成する第2の主面(second main surface)とを備える。増厚要素(thickening element (raiser:隆起部))が、測定トランスデューサ(例えば測定トランスデューサのみ)とは反対側で、第2の主面の下方に形成される。すなわち、増厚要素は、感応膜の上部に向かう方向と反対の方向に第2の主面から延びる。加えて、増厚要素は、第2の主面に平行に延びる。増厚要素は、感応膜と一体に形成されてよい。
【0008】
従来技術では、測定すべきトルクにより生じる応力の印加を増大させるために、測定トランスデューサ領域の断面積が可能な限り大幅に意図的に低減されるので、そのような増厚要素を設けることは直感的には理解しにくい(counterintuitive)。しかしながら、増厚要素を設けることで、感応膜のトランスデューサ領域(測定領域)に印加される応力/歪みがより均一になり、したがって製造公差が測定結果に及ぼす悪影響がより小さくなることが見出された。特に、トランスデューサ領域に対する歪みのより均一な印加により、製造公差により生じる測定トランスデューサの位置ずれを埋め合わせることができる。望ましくは、増厚要素を設けることにより、横方向荷重(cross loads)に対する不感応性を得る/増大させることができる。
【0009】
感応膜は、円形の感応膜であってよく、測定トランスデューサは、感応膜における円形のトランスデューサ領域に配置されてよく、増厚要素は、傾斜モーメントに対するより高い剛性(不感応性)を提供するために、円形のトランスデューサ領域とは反対側、特に円形のトランスデューサ領域とは反対側のみに配置されてよい。特に、増厚要素は、円に沿って連続的にまたは不連続的に形成されてよい。
【0010】
原則として、増厚要素の幾何学的形状は限定されない。一実施形態によれば、増厚要素は、トルク測定に影響を及ぼし得る傾斜モーメント(tilting moments)に対する特に高い剛性をもたらし得るU字形状またはV字形状の段差部分であるか、またはそのような段差部分を備える。U字形状またはV字形状の段差は、感応膜の第2の主面から垂直に延びる側壁を備える。
【0011】
一実施形態によれば、増厚要素は、測定トランスデューサが配置されるトランスデューサ領域における感応膜の厚さ(または感応膜の平均厚さ)の少なくとも25%、かつ、トランスデューサ領域における感応膜の厚さ(または感応膜の平均厚さ)の最大で150%の高さを有するように、第2の主面に垂直に延びる。言及したパラメータ範囲は、製造公差に対する不感応性、特に傾斜モーメントに対する剛性に関して有利であり得る。
【0012】
測定トランスデューサは、シリコンゲージ、箔歪みゲージ、および薄層歪みゲージのうちの少なくとも1つを備えるまたはそれからなるものであってよい。特定の実施形態に係る測定トランスデューサの配置は、以下の通りであってよい。例えば、測定トランスデューサは、感応膜の第1の主面および第2の主面に垂直な方向に感応膜の中心を通って延びる軸に対して軸対称に配置される。例えば、測定トランスデューサは、少なくとも2対または4対の測定トランスデューサを備え、測定トランスデューサの各対の2つの測定トランスデューサは、感応膜の第1の主面および第2の主面に平行な方向に感応膜の中心を通って延びる軸に対称に配置される。径方向荷重を考慮しない場合、2対の測定トランスデューサのみに限定することが可能である。
例えば、4対の測定トランスデューサが設けられ、4対の測定トランスデューサの各々について、その測定トランスデューサの対の2つの測定トランスデューサが対称に配置された感応膜の主面に平行な方向に感応膜の中心を通って延びる軸が、測定トランスデューサの隣接する対の2つの測定トランスデューサが対称に配置された感応膜の第1の主面および第2の主面に平行な方向に感応膜の中心を通って延びる軸から周方向に90°離隔していることが成り立つ。そのような例示的配置の利点を以下で説明する。
【0013】
さらに、上述の実施形態のうちの1つに係る感応膜を備えるトルクセンサデバイスが提供される。一実施形態によれば、トルクセンサデバイスは、感応膜の第2の主面よりも下方に配置されている補剛部(stiffener)を追加的に備える。補剛部は、横方向荷重に対する増大した不感応性を提供する。
【0014】
補剛部は、特に、溶接、例えばレーザ溶接により、または例えばねじを備える留め付け手段(fastening means)を用いて、感応膜の第2の主面に取り付けられてよい。
【0015】
横方向荷重に対する不感応性(insensitivity)を確実に増大させるために、補剛部が感応膜の平均厚さよりも大きい厚さ、特に感応膜の平均厚さの150%~400%の厚さを有することが有利であり得る。原則として、補剛部の厚さは、感応膜の(初期)厚さに応じて選定されてよい。
【0016】
さらに、環状内側フランジおよび環状外側フランジ、ならびに環状内側フランジと環状外側フランジとの間に配置された円形中間部分を備える円形本体を備えるトルクセンサデバイスが提供され、環状内側フランジは、環状外側フランジよりも円形本体の中心の近くに配置される。円形中間部分は、内側フランジおよび/または外側フランジよりも小さい軸方向の厚さを少なくとも部分的に有し得る連続的に中実な部分である(開口部/切抜き部を備えない)。原則として、円形本体は、一体の本体であってもよく、または互いに取り付けられる部分を備えていてもよい。トルクセンサデバイスの円形本体は、上述の実施形態のうちの1つに係る感応膜であってよく、またはそのような感応膜を備えていてよい。さらに、トルクセンサデバイスは、円形本体/感応膜の下方に配置された上述の増厚要素および/または補剛部を備えていてよい。
【0017】
内側フランジから外側フランジまで径方向に連続的に延びる中間部分を有するこの小型の構成により、従来技術においては必要な封止膜のような追加的な封止手段を必要とすることなく、トルクセンサデバイスを、例えばギアボックスの封止に用いることが可能となる。例えば、トルクセンサデバイスは、ロボットジョイントのギアボックスの封止に好適である。
【0018】
一実施形態によれば、内側力印加開口部(inner force application openings)が内側フランジに形成され、外側力印加開口部(outer force application openings)が外側フランジに形成される。測定すべきトルクは、例えば対象の回転シャフトおよび何らかの静的部材により、内側力印加開口部および外側力印加開口部に接続された接続部材を介して伝達される。それにより、内側フランジと外側フランジとの間に印加されるトルクを測定することができる。
【0019】
複数の測定トランスデューサが、特に対をなすように、円形中間部分内および/または円形中間部分上に形成されてよい。測定トランスデューサは、シリコンゲージ、箔歪みゲージ、および薄層歪みゲージのうちの少なくとも1つを備えるまたはそれからなるものであってよい。特に、測定トランスデューサの対は、トルクセンサデバイスの軸方向(円形本体の主面に垂直な方向に円形本体の中心を通って延びる軸)の周りに対称に配置されてよい。歪みゲージは、せん断歪みを検知してよく、特に、一対の歪みゲージの歪みゲージが対称に配置された円形本体の主面に平行な方向に円形本体の中心を通って延びる径方向軸に対して45°傾斜するように向けられてよい。互いに対向して配置された測定トランスデューサの対が、測定チャネルを画定する。
この配置により、トルクの測定に対する傾斜ならびに径方向および軸方向の荷重の影響を排除するまたは大幅に低減することが可能となり、よって、本発明のトルクセンサデバイスを用いて得られる測定結果の精度を高めることが可能となる(以下の詳細な説明も参照)。
【0020】
特定の実施形態によれば、複数の測定トランスデューサは、少なくとも4対の測定トランスデューサを備え、測定トランスデューサの各対の2つの測定トランスデューサは、円形本体の主面に平行な方向に円形本体の中心を通って延びる軸(径方向軸)に対称に配置される。そのような配置は、径方向および軸方向の荷重ならびに傾斜の影響を確実に抑制することにより、測定精度に関して有利であり得る。
【0021】
4対の測定トランスデューサ(例えば厳密に4対の測定トランスデューサ)が設けられてよく、4対の測定トランスデューサの各々について、その測定トランスデューサの対の2つの測定トランスデューサが対称に配置された円形本体の主面に平行な方向に円形本体の中心を通って延びる軸が、測定トランスデューサの隣接する対の2つの測定トランスデューサが対称に配置された円形本体の主面に平行な方向に円形本体の中心を通って延びる軸から周方向に90°離隔していることが成り立つ。この配置により、径方向および軸方向の荷重ならびに傾斜の影響を確実に抑制することで、測定精度が向上し得る。
【0022】
対象の物体のトルクの測定に対する径方向荷重の影響を低減することに関して、中間部分の厚さ方向、すなわち円形本体の主面に垂直な方向に円形本体の中心を通って延びる軸に沿った方向に完全に貫通して延びない先細り/薄肉化部分を、円形中間部分に形成することが有利であり得る。先細り/薄肉化部分は、例えば内側フランジよりも外側フランジの近くに配置され、径方向よりも円周方向に長く延びていてよい。
【0023】
特に、周方向における先細り部分の各々の中心は、一対の測定トランスデューサの2つの測定トランスデューサが対称に配置された円形本体の主面に平行な方向に円形本体の中心を通って延びる軸(この軸が測定チャネルを画定する)から周方向に22.5°離隔していてよい。
【0024】
先細り部分に代えてまたは加えて、何らかの径方向弾性領域が中間部分に設けられてよく、例えば、外側フランジよりも内側フランジの近くに、または内側フランジと外側フランジとの間の(径方向における)実質的に中間に配置されてよい。径方向弾性領域は、円形本体の中間部分に形成された溝を備えるまたはそれからなるものであってよい。
【0025】
本発明のトルクセンサデバイスを用いたトルクの測定は、測定トランスデューサの代表例である歪みゲージに基づくものであってよい。歪みゲージは、トルクが印加されたときに不平衡になり、印加されたトルクに比例する電圧(歪みゲージの抵抗変化により生じる)を出力するホイートストンブリッジ回路に接続されてよい。よって、一実施形態によれば、本発明のトルクセンサデバイスは、中間部分の上に配置され、測定トランスデューサに電気的に接続されたホイートストンブリッジ回路を備える第1のプリント回路基板を備える。第1のプリント回路基板は、ホイートストンブリッジ回路のためのDCまたはAC励起源も備えていてよい。
【0026】
加えて、トルクセンサデバイスは、第1のプリント回路基板の上方に配置され、信号調節のための回路、特に第1のプリント回路基板のホイートストンブリッジ回路により提供される信号のアナログ-デジタル変換および/または増幅のための手段を備える第2のプリント回路基板を備えていてよい。第2のプリント回路基板は、第1のプリント回路基板、ならびに、第1のプリント回路基板に形成された高感度回路および第1のプリント回路基板に面する第2のプリント回路基板の底部に形成された高感度回路を保護するために、第1のプリント回路基板を覆っていてよい。
【0027】
さらに、ギアボックスを備えるジョイントを備えるロボット、特に協働ロボット(collaborative robot)が提供され、ロボットは、上述の実施形態のうちの1つに係るトルクセンサデバイスをさらに備える。特に、トルクセンサデバイスは、ジョイントに取り付けられ、ロボットのジョイントのギアボックスを封止するように配置されてよい。トルクセンサデバイスが補剛部を備える場合、補剛部がロボットのジョイントにより印加される軸方向荷重および傾斜モーメントに対する十分な剛性を確実に提供し得るので、ロボットは、いかなるクロスローラベアリング(cross roller bearing)も備えていなくてよい。よって、クロスローラベアリングが不要となり得るので、コストを低減することができる。
【0028】
加えて、ギアボックス、特にロボットのジョイントのギアボックスに配置されたシャフトのトルクを測定する方法が提供され、方法は、ギアボックスが封止されるように上述の実施形態のうちの1つに係るトルクセンサデバイスをギアボックスに取り付けることと、ギアボックスを封止しているトルクセンサデバイスを用いてトルクを測定することとを含む。
【0029】
本開示のさらなる特徴および例示的実施形態ならびに利点を、図面に関して詳細に説明する。本開示は、以下の実施形態の説明によって限定されるものと解釈されるべきでないことを理解されたい。さらに、以下で説明される特徴の一部または全てが代替的な方法で組み合わされてもよいことが理解されるべきである。
【0030】
ここで、添付の図面を参照しつつ、例として本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A】本発明の実施形態に係る、内側フランジ、外側フランジ、および径方向において内側フランジから外側フランジまで連続的に延びる中実な中間部分を各々備えるトルクセンサデバイスを示す図である。
【
図1B】本発明の実施形態に係る、内側フランジ、外側フランジ、および径方向において内側フランジから外側フランジまで連続的に延びる中実な中間部分を各々備えるトルクセンサデバイスを示す図である。
【
図2】第1のプリント回路基板を備える、
図1Aまたは
図1Bのトルクセンサデバイスを示す図である。
【
図3】第2のプリント回路基板を備える、
図2のトルクセンサデバイスを示す図である。
【
図4A】傾斜、軸方向荷重および径方向荷重の補償を伴うトルク測定を示す図である。
【
図4B】傾斜、軸方向荷重および径方向荷重の補償を伴うトルク測定を示す図である。
【
図4C】傾斜、軸方向荷重および径方向荷重の補償を伴うトルク測定を示す図である。
【
図4D】傾斜、軸方向荷重および径方向荷重の補償を伴うトルク測定を示す図である。
【
図5】中間部分における先細り領域を備えるトルクセンサデバイスの別の実施形態の図である。
【
図6】一実施形態に係るトルクセンサデバイスに含まれるように構成された感応膜および補剛部を示す図である。
【
図7】
図6に示す感応膜および補剛部の断面図である。
【
図8】増厚要素が設けられた領域における、感応膜に印加される傾斜モーメントの均一化および感応膜に印加される軸方向荷重の低減を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、測定が軸方向もしくは径方向の荷重または傾斜モーメントによる著しい影響を受けない、物体、例えば回転シャフトまたはロボットジョイントのトルクを精度良く測定することが可能な感応膜およびトルクセンサデバイスを提供する。
【0033】
特に、トルクセンサデバイスは、封止の目的で、例えばギアボックスを封止するために用いることができる。トルクセンサデバイスは、例えば(協働)ロボットのジョイントのトルクを測定するのに好適である。トルクセンサデバイスにより行われる測定に基づくトルク制御は、例えばロボットと人間とのやり取りを促進するためにロボットに実装されることが有利であり得る。
【0034】
本発明のトルクセンサデバイス100の例示的実施形態を、
図1Aおよび
図1Bに示す。トルクセンサデバイス100は、内側フランジ10および外側フランジ20を備える。中間部分30は、内側フランジ10から外側フランジ20まで径方向に連続的に延びる。内側フランジ10、外側フランジ20および中間部分30は、円形本体、例えば一体の円形本体/膜を形成する。円形本体は、例えば鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる、またはそれらを含むものであってよい。一体の円形本体が提供されない場合、円形本体の異なる部分が異なる材料から作製されていてよい。中間部分30には、材料全体を通して延びる開口部が形成されない。よって、中間部分30は、封止部として、例えばギアボックスを封止するように機能することができる。
【0035】
中間部分30は、セパレータ30cにより互いに分離され得るサブ部分30aおよび30bを備えていてよい。セパレータ30cは、リムであってもよく、または
図1Bに示すような周囲溝30cであってもよい。そのような周囲溝30cは、歪みゲージ位置に対する、印加された応力および歪みの向き/方向を定めるように機能してよい。
【0036】
図1Aのトルクセンサデバイス100の主面の上面図に示すように、対をなす複数の測定トランスデューサ40が、中間部分30、例えばサブ部分30aに形成される。測定トランスデューサ40は、主面に垂直に円形本体の中心を通って延びる軸(軸方向軸)の周りに対称に配置される。測定トランスデューサ40は、原則として、歪み感応性トランスデューサ、特に歪みゲージであり得る。
【0037】
加えて、内側フランジ10には、異なるサイズの内側力印加開口部11および12が形成され、外側フランジ20には、異なるサイズの外側力印加開口部21および22が形成される。内側力印加開口部11および12ならびに外側力印加開口部21および22は、軸方向に延びる穿孔であってよい。穿孔は、少なくとも1つの側またはそれぞれのフランジで開口しており、任意の好適な幾何学的形状、例えば円形または多角形の断面を有していてよい。
【0038】
図2は、
図1Aまたは
図1Bのトルクセンサを示す。例えば抵抗器およびキャパシタとしての何らかの回路デバイス、および別のプリント回路基板60(下記参照)への接続のためのコネクタ55を備える第1のプリント回路基板50が、中間部分30に設けられる。測定トランスデューサ40は、内蔵する測定部分が中間部分30に接続されてよく、第1のプリント回路基板50へ、よって第1のプリント回路基板50の回路デバイスへの接続のための自由な接続部分を有していてよい。特に、第1のプリント回路基板50は、従来技術において知られているように、印加されたトルクを電圧出力信号に変換するためのホイートストンブリッジ要素(抵抗器)を備えていてよい。実際の適用例に応じて、ハーフまたはフルのホイートストンブリッジが用いられてよい。
【0039】
図3に示すように、第1のプリント回路基板50は、第2のプリント回路基板60により覆われていてよい。第2のプリント回路基板60は、測定トランスデューサ40および回路デバイス55を環境から保護する。特に、第2のプリント回路基板60は、(第1のプリント回路基板50に面する)底部における高感度回路デバイス、および第1のプリント回路基板への接続のためのコネクタ65を有していてよい。第2のプリント回路基板60は、信号調節、例えば第1のプリント回路基板50の回路デバイスにより供給される電圧出力信号のアナログ-デジタル変換を行うように構成される。信号調節は、第1のプリント回路基板50の回路デバイスにより供給される電圧出力信号の増幅を含んでもよい。
【0040】
既に述べたように、測定トランスデューサ40は、円形本体の主面に垂直な方向に円形本体の中心を通って延びる軸方向軸の周りに配置され得る。例えば、1対または2対の測定トランスデューサ40が、隣接する1対または2対の測定トランスデューサ40から周方向に90°離隔して配置されてよい。
図4A~
図4Dは、歪みゲージ40が、円形本体の主面に垂直な方向に円形本体の中心を通って延びる軸方向軸の周りに対称に対をなして配置され、2つの測定チャネルCが、互いに周方向に90°(一方のチャネルから他方のチャネルまで)離隔した歪みゲージ40の対向する対により画定される実施形態を示す。各測定チャネルCは、互いに対向して配置された歪みゲージ40の特定の対の中心を通って延びる。
【0041】
トルク(
図4Aの矢印により示す)は、差歪み(differential strain)+εおよび-εに基づいて測定され得る。+εは、一対の歪みゲージ40のうちの一方の歪みゲージにより受けられ、-εは、一対の歪みゲージ40のうちの他方の歪みゲージにより受けられる。歪みゲージ40は、プリント回路基板50に形成されたホイートストンブリッジ回路に接続される。歪みゲージ40の配置の選択された幾何形状(およびホイートストンブリッジ回路の対応する構成)に起因して、印加されるトルク(歪みを検知するために歪みゲージ40が設けられるトルクセンサデバイスの中間部分における歪み)により生じるホイートストンブリッジ回路により供給される電圧出力信号は、Σ
ε=4ε+4ε=8εに比例し、すなわち、十分に高い所望の電圧出力信号を提供することができる。
【0042】
一方で、
図4B~
図4Dに示すように、傾斜ならびに軸方向および径方向の荷重に起因する乱れを大きく抑制することができる。
図4Bの矢印は、トルクセンサデバイスに印加され得る傾斜を示す。トルクセンサデバイス100に傾斜が印加された結果、測定チャネルCを画定する4対の歪みゲージ40について、差歪み+ε
1および+ε
2、+ε
2および+ε
1、-ε
2および-ε
1、ならびに-ε
1および-ε
2がそれぞれ生じる。したがって、傾斜により生じる歪みは、
図4Aに示すように、印加トルクに比例する電圧出力信号に寄与しないように、歪みゲージ40の配置の選定された幾何形状(およびホイートストンブリッジ回路の対応する構成)により補償され、すなわちΣε=ε
1-ε
1+ε
2-ε
2=0である。
【0043】
高精度なトルク測定を実現するために、任意の軸方向荷重を補償することも必要である。そのような類の補償もまた、
図4C(矢印は印加される軸方向荷重を示す)に示すように、歪みゲージ40の配置の選択された幾何形状(およびホイートストンブリッジ回路の対応する構成)により実現することができる。(歪みゲージ40の軸対称な配置に起因する)軸方向荷重により、歪みゲージ40の各々において歪み+εが生じ、したがって正味の効果はゼロとなり、すなわちΣ
ε=4ε-4εである。傾斜および軸方向荷重の補償に関して、歪みゲージ40を内側フランジ10および外側フランジ20に対して同じ径方向距離に配置することが有利な場合がある。
【0044】
歪みゲージ40の配置の選択された幾何形状(およびホイートストンブリッジ回路の対応する構成)による径方向荷重の補償を、
図4Dに示す。印加される径方向荷重を矢印で示す。径方向荷重により、2つの測定チャネルCを画定する4対の歪みゲージ40について、差歪み-ε
1および+ε
2、+ε
2および-ε
1、-ε
1および+ε
2、ならびに+ε
2および-ε
1がそれぞれ生じる。したがって、プリント回路基板50のホイートストンブリッジ回路の電圧出力信号に対する寄与は、Σ
ε=-2ε
1+2ε
2+2ε
1-2ε
2=0に比例する。
【0045】
しかしながら、測定チャネルCに対して周方向に22.5°ずれた径方向においていくらかの径方向荷重が印加される場合、
図4Dに示す径方向荷重の厳密な補償は実現されない場合があることに留意する必要がある。この場合、いくらかのΣ
ε≠0が生じ、トルクの測定の精度に悪影響を及ぼし得る。この問題を軽減するために、何らかの径方向弾性部分がトルクセンサデバイス100の中間部分30に設けられてよい。径方向弾性部分は、
図1Bに示すような何らかの溝30cにより実現されてよい。径方向弾性部分は、中間部分30の上部または底部に加工されてよい。
【0046】
測定チャネルCに対して周方向に22.5°ずれた径方向において印加される径方向荷重が補償されない問題に対する別のアプローチによれば、
図5に示すように、先細り部分70がトルクセンサデバイス100’の中間部分30に形成され得る。先細り部分70は、中間部分30の上部または底部に加工されてよい。
図5に示す実施形態において、先細り部分70は、22.5°の位置において、内側フランジ10よりも外側フランジ20の近くに配置される。先細り部分70は、径方向よりも周方向に大きい寸法を有する。
【0047】
先細り部分70のそのような配置により、Σεへの、よって測定結果への、対応する径方向荷重の任意の寄与が著しく低減することが、実験により判明している。先細り部分70は、トルクセンサデバイス100’の有利な封止性(sealing property)を低下させないために、中間部分30を通して打ち抜かれなくてもよいことに留意する必要がある。
【0048】
上述の実施形態によれば、精度良く動作するトルクセンサデバイスを、従来技術と比較して低減した高さを有する小型の設計で、かつ低コストで提供することができる。これは、いかなる追加的な封止手段も必要とすることなくギアボックスを封止し、少なくとも2チャネルの測定を提供することができる。特に、必要な測定トランスデューサの全てを、上述のトルクセンサデバイス100、100’の中間部分30の1つの同じ面に形成することができる。
【0049】
さらに、本明細書においては、以下で説明するような感応膜が提供される。感応膜は、上述の実施形態のうちの1つのトルクセンサデバイスの円形本体であってよく、またはそれに含まれてよい。感応膜は、増厚要素を備える。この増厚要素もまた、実施形態によれば、上述の実施形態のうちの1つのトルクセンサデバイスの円形本体に含まれてよい。
【0050】
図6は、本明細書において提供される円形の感応膜200を示す。
図7は、
図6に示す構成の断面図を示す。
【0051】
感応膜200は、第1の(上側)主面201および第2の(下側)主面202を有する。感応膜200は、例えば鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる、またはそれらを含むものであってよい。測定トランスデューサ210は、円形のトランスデューサ領域215に設けられる。測定トランスデューサ210は、シリコンゲージ、箔歪みゲージ(foil strain gages)、および薄層歪みゲージ(thin layer strain gages)のうちの少なくとも1つを備えるまたはそれからなるものであってよい。円形のトランスデューサ領域215は、感応膜200の薄肉化された領域に形成されてよい。
図6に示す実施形態に係る感応膜200は、厚さの異なる領域を備える。代替的に、感応膜200は、均一な厚さを有していてもよい。
図6に示す測定トランスデューサ210の配置および感応膜200の構造は、上述の配置および上述の
図1~
図4bに示す円形本体の構造と同様または同等であってよい。
【0052】
任意選択的に、補剛部230が、感応膜200の第2の(下側)主面202に取り付けられる。例えば、補剛部230は、感応膜200よりも厚くてよい。補剛部230の厚さは、感応膜200の平均厚さの150%~400%の範囲内であってよい。補剛部230は、感応膜200と同じ材料から作製されてよく、(レーザ)溶接によりまたはねじ装置を用いて感応膜200の第2の主面202に取り付けられてよい。
【0053】
補剛部230は、横方向荷重に対するトルクセンサデバイスの感度を低減するために設けられてよい。例えば、ロボットに関して、特にコスト上の理由でクロスロールベアリングが設けられない場合、ロボットのジョイント/アームのトルク測定は、横方向荷重によって悪影響を受ける場合がある。補剛部230を設けることは、横方向および軸方向の荷重に対する高い剛性を提供するが、トルクに関する感度に著しい影響を及ぼさない。
【0054】
図7において見ることができるように、円形の増厚要素(thickening element (raiser:隆起部))240が、感応膜200における円形のトランスデューサ領域215の下方に形成される。増厚要素240は、連続的に形成されてもよく、または測定トランスデューサ210の実際の対の間に(円に沿った)不連続部を含んでいてもよい。特に、増厚要素240は、測定トランスデューサ210とは反対側に配置されてよい。増厚要素240は、感応膜200と一体に形成されてよい。
図7に示す実施形態において、増厚要素240は、基本的に、トランスデューサ領域215において感応膜200の第2の主面202から垂直に延びる側壁245を有するU字形状で形成される。他の幾何学的形状も可能である。例えば、U字形状は、角部に丸みを付けることにより、増厚要素240の丸みの付いた凸状の形状が得られるように変更されてもよい。
【0055】
増厚要素240は、測定トランスデューサが配置されるトランスデューサ領域における感応膜の厚さの少なくとも25%、かつ、測定トランスデューサ210が配置されるトランスデューサ領域215における感応膜200の厚さの最大で150%の高さを有するように、第2の主面に垂直に延びていてよい。
【0056】
感応膜200およびそれを備えるトルクセンサデバイスの製造中において、測定トランスデューサ210のうちの1つまたは複数が、径方向および/または角度方向の位置に関してわずかにずれていてよい。既に述べたように、測定トランスデューサ210の配置は、上述した類の配置と同様または同等であってよい。測定トランスデューサ210の位置決めの精度は、感応膜200を備えるトルクセンサデバイスの横方向荷重に対する不感応性にとって重要である。増厚要素240は、円形のトランスデューサ領域215に印加される歪みを均一化し、したがって、従来技術と比較して、感応膜200/トランスデューサ領域215に印加される軸方向荷重を生じさせる製造公差に対するより低い感度をもたらす。
【0057】
トランスデューサ領域215における感応膜200の第2の主面202に垂直な高さがトランスデューサ領域215における感応膜の厚さの0.25~1倍の間であるU字形状または凸形状の増厚要素240を採用することで、増厚要素240がない場合の剛性の約2倍の傾斜モーメントに対する剛性(不感応性)が得られる場合があることが、実験により示されている。補剛部230が追加的に設けられる場合、傾斜モーメントに対する剛性利得(rigidity gain)は、増厚要素240の実際の幾何学的形状に応じて、5倍またはさらに10倍に達する。
【0058】
図8は、増厚要素240により生じる、感応膜のトランスデューサ領域215に印加される歪みの均一化を例示的に示す。測定の径方向位置に応じた歪みが示されており、二重矢印は、増厚要素240の径方向の幅を示す。左側のグラフは印加されるトルクに対する均一化効果を示し、2つの中央のグラフは印加される傾斜に対する均一化効果を示し、右側のグラフは軸方向荷重の抑制を示す。増厚要素240により生じるより緩やかな勾配(平坦部)を容易に確認することができる。
【符号の説明】
【0059】
10 内側フランジ
11、12 内側力印加開口部
21、22 外側力印加開口部
20 外側フランジ
30 中間部分
30a、30b サブ部分
30c セパレータ
40、210 測定トランスデューサ
50 第1のプリント回路基板
55 第1のプリント回路基板のコネクタ
60 第2のプリント回路基板
65 第2のプリント回路基板のコネクタ
70 先細り部分
100、100’ トルクセンサデバイス
200 感応膜
201 感応膜の第1の主面
202 感応膜の第2の主面
215 トランスデューサ領域
230 補剛部
240 増厚要素
245 増厚要素の側壁
【手続補正書】
【提出日】2022-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図8は、増厚要素240により生じる、感応膜のトランスデューサ領域215に印加される歪みの均一化を例示的に示す。測定の径方向位置に応じた歪みが示されて
いる。上のグラフは印加されるトルクに対する均一化効果を示し、2つの中央のグラフは印加される傾斜に対する均一化効果を示し、
下のグラフは軸方向荷重の抑制を示す。増厚要素240により生じるより緩やかな勾配(平坦部)を容易に確認することができる。
【外国語明細書】