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  • 特開-検査照明装置及び検査照明装置セット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055777
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】検査照明装置及び検査照明装置セット
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20230411BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230411BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20230411BHJP
   F21S 4/28 20160101ALI20230411BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20230411BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230411BHJP
【FI】
G01N21/84 E
F21S2/00 230
F21V19/00 150
F21S4/28
F21Y103:10
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009215
(22)【出願日】2023-01-25
(62)【分割の表示】P 2018193410の分割
【原出願日】2018-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】300074101
【氏名又は名称】株式会社レイマック
(74)【代理人】
【識別番号】100121337
【弁理士】
【氏名又は名称】藤河 恒生
(72)【発明者】
【氏名】松本 直人
(72)【発明者】
【氏名】和田 祐二
(57)【要約】
【課題】検査する物品の長さが長い場合でも、電源配線の接続に起因する信頼性低下が起こり難い検査照明装置を提供する。
【解決手段】この検査照明装置1は、長尺の1枚の第1のLED基板2と長尺の1枚又は複数枚の第2のLED基板3が長手方向に並べられた検査照明装置であって、第1のLED基板2は、複数個のLED6が搭載されており、第2のLED基板3は、第1のLED基板2に搭載されたLED6の数の2倍の数のLED6が搭載されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の1枚の第1のLED基板と長尺の1枚又は複数枚の第2のLED基板が長手方向に並べられた検査照明装置であって、
前記第1のLED基板は、複数個のLEDが搭載されており、
前記第2のLED基板は、前記第1のLED基板に搭載された前記LEDの数の2倍の数の前記LEDが搭載されていることを特徴とする検査照明装置。
【請求項2】
長尺の1枚又は複数枚の第1のLED基板と長尺の1枚又は複数枚の第2のLED基板が長手方向に並べられた検査照明装置であって、
前記第1のLED基板は、複数個のLEDが搭載されており、
前記第2のLED基板は、前記第1のLED基板に搭載された前記LEDの数の1.5倍の数の前記LEDが搭載されていることを特徴とする検査照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された検査照明装置を含むことを特徴とする検査照明装置セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライン状の光を物品に照射する検査照明装置及び検査照明装置セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場で生産された物品(製品)の検査(欠陥、キズ、汚れ、異物などの外観検査)を行うために、物品の形状・構造や検査内容等に合わせた種々の照明装置が用いられてきた。その中には、ライン状の光を物品に照射する検査照明装置も用いられている。
【0003】
このような検査照明装置は、複数個のLED(発光ダイオード)が搭載された長尺のLED基板が用いられ、検査する物品の様々な長さに対応するため、LED基板を1枚用いるものの他に、検査する物品の長さが長い場合、その同じLED基板を複数枚直列に並べて用いるようにするのが通常である。例えば、特許文献1の実施例(段落0041~0047)には、長尺のLED基板(線状光源)とシリンドリカル凹面反射鏡を備えたユニット(線状照明装置ユニット)をレール上に並べて連接することにより、任意の長さの検査照明装置(線状照明装置)を構成できるようにしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-93227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1を含め従来のライン状の光を物品に照射する検査照明装置は、同じLED基板を複数枚直列に並べるとき、並べる枚数の増加に従って電源配線の接続箇所も増加し、それに起因して信頼性が低下(換言すれば、故障可能性が増加)し易くなる。
【0006】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査する物品の長さが長い場合でも、電源配線の接続に起因する信頼性低下が起こり難い検査照明装置及び検査照明装置セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の検査照明装置は、長尺の1枚の第1のLED基板と長尺の1枚又は複数枚の第2のLED基板が長手方向に並べられた検査照明装置であって、前記第1のLED基板は、複数個のLEDが搭載されており、前記第2のLED基板は、前記第1のLED基板に搭載された前記LEDの数の2倍の数の前記LEDが搭載されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の検査照明装置は、長尺の1枚又は複数枚の第1のLED基板と長尺の1枚又は複数枚の第2のLED基板が長手方向に並べられた検査照明装置であって、前記第1のLED基板は、複数個のLEDが搭載されており、前記第2のLED基板は、前記第1のLED基板に搭載された前記LEDの数の1.5倍の数の前記LEDが搭載されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の検査照明装置セットは、請求項1又は2に記載された検査照明装置を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の検査照明装置又は検査照明装置セットによれば、検査する物品の長さが長い場合でも、電源配線の接続に起因する信頼性低下が起こり難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る検査照明装置を模式的に示す平面図であって、第2のLED基板は第1のLED基板に搭載されたLEDの数の2倍の数のLEDが搭載されているものを例示するものである。
図2】本発明の実施形態に係る図1で示した検査照明装置のLED基板を拡大して模式的に示す平面図であって、(a)が第1のLED基板、(b)が第2のLED基板を示すものである。
図3図1の比較の検査照明装置を模式的に示す平面図であって、第1のLED基板のみを並べたものを例示するものである。
図4】本発明の実施形態に係る他の検査照明装置を模式的に示す平面図であって、第2のLED基板は第1のLED基板に搭載されたLEDの数の1.5倍の数のLEDが搭載されているものを例示するものである。
図5】本発明の実施形態に係る図4で示した他の検査照明装置のLED基板を拡大して模式的に示す平面図であって、(a)が第1のLED基板、(b)が第2のLED基板を示すものである。
図6】本発明の実施形態に係る検査照明装置の図1で示した例の変形例を模式的に示す平面図であって、図1で示した1列のLED基板を複数列にしたものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施形態に係る検査照明装置1は、図1に示すように、長尺の1枚の第1のLED基板2と長尺の1枚又は複数枚(図1の例では3枚)の第2のLED基板3が長手方向に並べられている。検査照明装置1は、ライン状の光を物品に照射する検査照明装置である。図1における符号4は電源ケーブル、符号5A、5Bは、細長い金属板や電線などの電源配線(例えば、プラス電源配線とマイナス電源配線)を示している。
【0013】
第1のLED基板2は、図1及び図2(a)に示すように、複数個(図1及び図2(a)の例では18個)のLED6が搭載されている。図2(a)における符号2a、2bはそれぞれ、電源配線5A、5Bが接続される接続箇所(端子)を示している。
【0014】
第2のLED基板3は、図1及び図2(b)に示すように、第1のLED基板2に搭載されたLED6の数の2倍の数(図1及び図2(a)の例では36個)のLED6が搭載されている。図2(b)における符号3a、3bはそれぞれ、電源配線5A、5Bが接続される接続箇所(端子)を示している。第2のLED基板3の長手方向のサイズは、第1のLED基板2のものの約2倍、第2のLED基板3の幅方向のサイズは、第1のLED基板2のものと同一になるように製造されている。
【0015】
検査照明装置1は、検査する物品の様々な長さに対応するためLED6の総数を変えた検査照明装置セットに含ませることができる。下記の表1は、その検査照明装置セットを例示したものである。表1に示す検査照明装置セットは、検査照明装置に搭載されたLED6の総数を18(基本単位数)ずつ違えてセット(シリーズ)としたものである。表1の中で、検査照明装置1に該当するものは、LED6の総数が54、90、126、162、198、234、270、306、342のものである。図1では、LED6の総数が126のものを示している。表1の中で、検査照明装置1に該当しないものについては、LED6の総数が18のものは第1のLED基板2のみ1枚で構成し、LED6の総数が36、72、108、144、180、216、252、288、324、360のものは第2のLED基板3のみ1枚又は複数枚で構成することができる。
【0016】
このように、検査照明装置に搭載されたLED6の総数を基本単位数ずつ違えてセットとした検査照明装置セットは、検査照明装置1の構成要素である第1のLED基板2と第2のLED基板3を並べることで全て実現可能である。よって、この検査照明装置セットは、その他のLED基板を用意する必要はない。なお、表1ではLED6の総数が360までのものしか示していないが、378以上のものも可能である。
【0017】
【表1】
【0018】
表1の比較として、図3に示すように、基本単位数(18個)のLED6を搭載したLED基板(つまり、第1のLED基板2)のみを並べて検査照明装置(図3では符号101で示す)を構成させた場合で、そのLED基板の数を変えて複数種そろえた場合の検査照明装置セットを下記の表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
表1を表2と比較すると、表1の場合は表2の場合よりも、LED基板の総数をほぼ2分の1に少なくすることができ、つまり、圧着や半田付けなどによる電源配線5A、5BのLED基板への接続箇所の数を少なくすることができる。従って、検査照明装置1及びそれを含む検査照明装置セットは、電源配線5A、5Bの接続に起因する信頼性低下を起こり難くすることが可能になる。
【0021】
次に、本発明の実施形態に係る他の検査照明装置を説明する。本発明の実施形態に係る他の検査照明装置1’は、図4に示すように、長尺の1枚又は複数枚(図4の例では2枚)の第1のLED基板2’と長尺の1枚又は複数枚(図4の例では1枚)の第2のLED基板3’が長手方向に並べられている。検査照明装置1’は、ライン状の光を物品に照射する検査照明装置である。図4における符号4は電源ケーブル、符号5A、5Bは、細長い金属板や電線などの電源配線(例えば、プラス電源配線とマイナス電源配線)を示している。
【0022】
第1のLED基板2’は、図4及び図5(a)に示すように、複数個(図4及び図5(a)の例では36個)のLED6が搭載されている。図5(a)における符号2a’、2b’はそれぞれ、電源配線5A、5Bが接続される接続箇所(端子)を示している。
【0023】
第2のLED基板3’は、図4及び図5(b)に示すように、第1のLED基板2’に搭載されたLED6の数の1.5倍の数(図4及び図5(b)の例では54個)のLED6が搭載されている。図5(b)における符号3a’、3b’はそれぞれ、電源配線5A、5Bが接続される接続箇所(端子)を示している。第2のLED基板3’の長手方向のサイズは、第1のLED基板2’のものの約1.5倍、第2のLED基板3’の幅方向のサイズは、第1のLED基板2’のものと同一になるように製造されている。
【0024】
検査照明装置1’は、検査する物品の様々な長さに対応するためLED6の総数を変えた検査照明装置セットに含ませることができる。下記の表3は、その検査照明装置セットを例示したものである。表3に示す検査照明装置セットは、検査照明装置に搭載されたLED6の総数を18(基本単位数)ずつ違えてセット(シリーズ)としたものである。表3の中で、検査照明装置1’に該当するものは、LED6の総数が90、126、144、180、198、234、252、288、306、342、360のものである。図4では、LED6の総数が126のものを示している。表3の中で、検査照明装置1’に該当しないものについては、LED6の総数が36、72のものは第1のLED基板2’のみ1枚又は複数枚で構成し、LED6の総数が54、108、162、216、270、324のものは第2のLED基板3’のみ1枚又は複数枚で構成することができる。
【0025】
このように、検査照明装置に搭載されたLED6の総数を基本単位数ずつ違えてセットとした検査照明装置セットは、LED6の総数がLED6の基本単位数となるもの(表3におけるLEDの総数が18のもの)以外、検査照明装置1’の構成要素である第1のLED基板2’と第2のLED基板3’を並べることで全て実現可能である。よって、この検査照明装置セットは、LED6の総数がLED6の基本単位数となるもの以外、その他のLED基板を用意する必要はない。LED6の総数がLED6の基本単位数の2倍以上でセット化(シリーズ化)したものなどに好適である。なお、表3ではLED6の総数が360までのものしか示していないが、378以上のものも可能である。
【0026】
【表3】
【0027】
表3を表1と比較すると、表3の場合は表1の場合よりも、LED基板の総数を更に少なくすることができ、つまり、圧着や半田付けなどによる電源配線5A、5BのLED基板への接続箇所の数を更に少なくすることができる。このことは、LED6の総数が多くなるほど顕著である。従って、検査照明装置1’及びそれを含む検査照明装置セットは、電源配線5A、5Bの接続に起因する信頼性低下を更に起こり難くすることが可能になる。
【0028】
以上、本発明の実施形態に係る検査照明装置及び検査照明装置セットについて説明したが、本発明は、実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、図1に示した検査照明装置1では、長尺の1枚の第1のLED基板2と長尺の1枚又は複数枚の第2のLED基板3が長手方向に並べられているのが1列のものであるが、これを、図6に示すように複数列(図6では、3列)有する検査照明装置1’’のように変形することができる。図4に示した検査照明装置1’についても同様である。
【0029】
1、1’、1’’ 検査照明装置
2、2’ 第1のLED基板
3、3’ 第2のLED基板
4 電源ケーブル
5A、5B 電源配線
6 LED
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の1枚の第1のLED基板と長尺の1枚又は複数枚の第2のLED基板が長手方向に並べられ、該長手方向に延びる2個の電源配線が設けられた検査照明装置であって、
前記第1のLED基板は、複数個のLEDが搭載され、前記2個の電源配線に各々1箇所の接続箇所で接続されており、
前記第2のLED基板は、前記第1のLED基板に搭載された前記LEDの数の2倍の数の前記LEDが搭載され、前記2個の電源配線に各々1箇所の接続箇所で接続されていることを特徴とする検査照明装置。
【請求項2】
長尺の1枚又は複数枚の第1のLED基板と長尺の1枚又は複数枚の第2のLED基板が長手方向に並べられ、該長手方向に延びる2個の電源配線が設けられた検査照明装置であって、
前記第1のLED基板は、複数個のLEDが搭載され、前記2個の電源配線に各々1箇所の接続箇所で接続されており、
前記第2のLED基板は、前記第1のLED基板に搭載された前記LEDの数の1.5倍の数の前記LEDが搭載され、前記2個の電源配線に各々1箇所の接続箇所で接続されていることを特徴とする検査照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された検査照明装置を含むことを特徴とする検査照明装置セット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の検査照明装置は、長尺の1枚の第1のLED基板と長尺の1枚又は複数枚の第2のLED基板が長手方向に並べられ、該長手方向に延びる2個の電源配線が設けられた検査照明装置であって、前記第1のLED基板は、複数個のLEDが搭載され、前記2個の電源配線に各々1箇所の接続箇所で接続されており、前記第2のLED基板は、前記第1のLED基板に搭載された前記LEDの数の2倍の数の前記LEDが搭載され、前記2個の電源配線に各々1箇所の接続箇所で接続されていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
請求項2に記載の検査照明装置は、長尺の1枚又は複数枚の第1のLED基板と長尺の1枚又は複数枚の第2のLED基板が長手方向に並べられ、該長手方向に延びる2個の電源配線が設けられた検査照明装置であって、前記第1のLED基板は、複数個のLEDが搭載され、前記2個の電源配線に各々1箇所の接続箇所で接続されており、前記第2のLED基板は、前記第1のLED基板に搭載された前記LEDの数の1.5倍の数の前記LEDが搭載され、前記2個の電源配線に各々1箇所の接続箇所で接続されていることを特徴とする。