(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055831
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】膜電極接合体、その製造方法、及びそれを含む燃料電池
(51)【国際特許分類】
H01M 8/1004 20160101AFI20230411BHJP
H01M 8/0286 20160101ALI20230411BHJP
H01M 8/0273 20160101ALI20230411BHJP
H01M 4/88 20060101ALI20230411BHJP
H01M 8/0284 20160101ALI20230411BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20230411BHJP
【FI】
H01M8/1004
H01M8/0286
H01M8/0273
H01M4/88 K
H01M8/0284
H01M8/10 101
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013332
(22)【出願日】2023-01-31
(62)【分割の表示】P 2021570248の分割
【原出願日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】10-2019-0082107
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0148939
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ピナクルダイ
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】キム チョンホ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】後続工程の作業性を低下させる段差部を全然又はほとんど有しないサブガスケットを含む膜電極接合体、その製造方法、及びそれを含む燃料電池を提供する。
【解決手段】本発明の膜電極接合体製造方法は、電解質膜110の第1面111に第1電極121を形成する段階、第1液状材料を用いたコーティングによって前記電解質膜の第1面上に第1サブガスケット131を形成する段階、前記電解質膜の第2面112に第2電極122を形成する段階、及び前記電解質膜の第2面上に第2サブガスケット132を形成する段階を含む。
【選択図】
図4a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質膜の第1面に第1電極を形成する段階と、
第1液状材料を用いたコーティングによって、前記電解質膜の第1面上に第1サブガスケットを形成する段階と、
前記電解質膜の第2面に第2電極を形成する段階と、
第2液状材料を用いたコーティングによって、前記電解質膜の第2面上に第2サブガスケットを形成する段階と、
を含む、膜電極接合体の製造方法。
【請求項2】
前記第1サブガスケットを形成する段階に先立ち、前記第1電極上に第1保護層を配置する段階と、
前記第2サブガスケットを形成する段階に先立ち、前記第2電極上に第2保護層を配置する段階との少なくとも一つをさらに含む、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項3】
前記第1保護層及び前記第2保護層の少なくとも一つを除去する段階を含む、請求項2に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項4】
前記第1電極はコーティング又は転写によって形成する、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項5】
前記第1電極を形成する段階で、前記電解質膜は支持基板によって支持される、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項6】
前記第1サブガスケットを形成するためのコーティング及び前記第2サブガスケットを形成するためのコーティングはそれぞれ液状の素材を用いるスプレーコーティング、コンマコーティング、及びスロットダイコーティングのいずれか一方法で遂行する、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項7】
前記第1サブガスケットを形成する段階及び前記第2サブガスケットを形成する段階で、3Dプリンター及び部分コーティング設備の少なくとも一つを使う、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項8】
前記第1液状材料及び前記第2液状材料はそれぞれ架橋性又は硬化性を有する弾性材料である、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項9】
前記第1液状材料及び前記第2液状材料は互いに同一である、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項10】
前記第1液状材料及び前記第2液状材料は互いに異なる、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項11】
前記第1サブガスケット及び第2サブガスケットは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン(FEP)、フッ素ゴム、シリコンゴム、炭化水素系弾性体及びポリウレタン(Polyurethane)の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項12】
前記第1サブガスケットを形成する段階及び前記第2サブガスケットを形成する段階の少なくとも1段階で、前記コーティングの後、前記第1サブガスケット又は前記第2サブガスケットを10秒~600秒間放置する、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項13】
前記第1サブガスケットを形成する段階及び前記第2サブガスケットを形成する段階の少なくとも1段階で、前記コーティングの後、前記第1サブガスケット又は前記第2サブガスケットを40~150℃の温度に加熱する、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項14】
前記第1サブガスケットを形成する段階及び前記第2サブガスケットを形成する段階の少なくとも1段階で、前記コーティングの後、前記第1サブガスケット又は前記第2サブガスケットを熱風で3秒~300秒間熱処理する、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項15】
前記第1保護層及び前記第2保護層はそれぞれポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、テトラフルオロエチレン(Tetrafluoroethylene)、ポリエチレン(PE)、ゴム及びシリコンの少なくとも1種を含む、請求項2に記載の膜電極接合体の製造方法。
【請求項16】
前記第1サブガスケットを形成する段階に先立ち、前記電解質膜の少なくとも一部を切断する段階をさらに含む、請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膜電極接合体、その製造方法、及びそれを含む燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子電解質膜燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell:PEMFC)は膜電極接合体(Membrane-Electrode Assembly:MEA)とセパレーター(separator)とを含む単位セル(unit cell)が積層された構造を用いて電気を発生させる装置であり、高いエネルギー効率性及び環境に優しい特徴を有するので、化石エネルギーを代替することができる次世代エネルギー源として注目されている。
【0003】
膜電極接合体は、一般的に酸化極(anode)(‘燃料極’ともいう)、還元極(cathode)(‘空気極’ともいう)、及びこれらの間の電解質膜(electrolyte membrane)を含む。電解質膜としては、一般的に、高分子電解質膜(polymer electrolyte membrane)が使われる。
【0004】
【0005】
水素ガスのような燃料が酸化極21に供給されれば、酸化極21では水素の酸化反応によって水素イオン(H+)と電子(e-)が生成される。生成された水素イオンは電解質膜10を通して還元極22に伝達され、生成された電子は外部回路を介して還元極に伝達される。酸素を含む空気が供給される還元極22では、酸素の還元反応が起こる。還元極22で酸素が水素イオン及び電子と結合して水が生成され、熱が発生する。
【0006】
ここで、酸化極21に流入する水素と還元極22に流入する空気(酸素)が相対極に透過する現象が発生すれば電池の性能が低下するから、水素と空気(酸素)が電解質膜10を透過して混合されることを防止しなければならない。水素と空気(酸素)が電解質膜10を透過して混合されることを抑制する能力は電解質膜10の性能に直結される。よって、従来には、電極部分を除き、膜電極接合体の周縁部に対応する電解質膜10の周縁にガスケットを重ねて当てることにより、水素と空気(酸素)が電解質膜10を透過して相対電極に移ることを抑制した。
【0007】
電解質膜10にガスケットを配置する方法の中で一般的に多く活用される方法は、加熱、加圧によってフィルム状のサブガスケットを電解質膜10にラミネートする方法である。しかし、この方法の場合、(i)サブガスケットラミネートのための加熱及び加圧の過程で電極21、22が損傷される問題点があり、(ii)フィルムの厚さによってサブガスケットの最終厚さが決定されるから、サブガスケットの厚さ調節のためには多様なフィルム厚さのサブガスケットを別に準備しなければならない面倒さがあり、(iii)フィルム状のサブガスケットの一部が電極の周囲に付着されるときに前記電極の厚さに相応する段差部が前記サブガスケットに形成される。このようなサブガスケットの段差部は後続工程[例えば、ガス拡散層(GDL)形成/組立工程]の作業性を低下させ、(iv)前記段差部によって前記サブガスケットフィルムと前記電極の側面との間にエアギャップが発生し、サブガスケットフィルムのガス漏出防止機能を著しく低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例は前記の問題点を解決することができる膜電極接合体、その製造方法、及びそれを含む燃料電池を提供しようとする。
【0009】
本発明の一観点は、後続工程の作業性を低下させる段差部を全然又はほとんど有しないサブガスケットを含む膜電極接合体を提供することである。
【0010】
本発明の他の観点は、電極損傷を引き起こさないながらも高生産性で優れた性能の膜電極接合体を製造する方法を提供することである。本発明のさらに他の観点は、後続工程の作業性を低下させる段差部を全然又はほとんど有しないサブガスケットを含む膜電極接合体を用いて製造された燃料電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような本発明の一観点によって、第1面及びその反対側の第2面を有する電解質膜であって、活性領域及び前記活性領域を取り囲む非活性領域を含む電解質膜と、前記電解質膜の前記第1面上に配置されて前記活性領域を覆う第1電極と、前記電解質膜の前記第1面上に配置され、前記第1電極の中央部を露出させる第1ウィンドウを有する第1サブガスケットと、前記電解質膜の前記第2面上に配置されて前記活性領域を覆う第2電極と、前記電解質膜の前記第2面上に配置され、前記第2電極の中央部を露出させる第2ウィンドウを有する第2サブガスケットと、を含み、前記第1サブガスケットは、前記第1電極の周縁部と重畳する第1重畳領域及び前記非活性領域を覆う第1非重畳領域を含み、前記第1重畳領域と前記第1非重畳領域との間に段差部が存在しないか、又は前記第1重畳領域と前記第1非重畳領域とによって形成される第1段差部の高さが前記第1電極の厚さの0.5倍以下であり、前記第2サブガスケットは、前記第2電極の周縁部と重畳する第2重畳領域及び前記非活性領域を覆う第2非重畳領域を含み、前記第2重畳領域と前記第2非重畳領域との間に段差部が存在しないか、又は前記第2重畳領域と前記第2非重畳領域とによって形成される第2段差部の高さが前記第2電極の厚さの0.5倍以下である膜電極接合体が提供される。
【0012】
前記第1サブガスケットと前記第1電極との間にエアギャップが存在しないか又は前記第1サブガスケットと前記第1電極との間に第1エアギャップが存在すると言っても前記第1エアギャップの体積が下記の式1を満たすことができ、前記第2サブガスケットと前記第2電極との間にエアギャップが存在しないか又は前記第2サブガスケットと前記第2電極との間に第2エアギャップが存在すると言っても前記第2エアギャップの体積が下記の式2を満たすことができる。
【0013】
式1:V1≦0.5×T1
2×(W1+L1)
【0014】
式2:V2≦0.5×T2
2×(W2+L2)
【0015】
ここで、V1及びV2はそれぞれ前記第1及び第2エアギャップの体積、T1及びT2はそれぞれ前記第1及び第2電極の厚さ、W1及びW2はそれぞれ前記第1及び第2電極の幅、L1及びL2はそれぞれ前記第1及び第2電極の長さである。
【0016】
本発明の他の観点によって、電解質膜の第1面に第1電極を形成する段階と、第1液状材料を用いたコーティングによって、前記電解質膜の第1面上に第1サブガスケットを形成する段階と、前記電解質膜の第2面に第2電極を形成する段階と、第2液状材料を用いたコーティングによって、前記電解質膜の第2面上に第2サブガスケットを形成する段階と、を含む膜電極接合体の製造方法が提供される。
【0017】
前記膜電極接合体の製造方法は、前記第1サブガスケットを形成する段階に先立ち、前記第1電極上に第1保護層を配置する段階と、前記第2サブガスケットを形成する段階に先立ち、前記第2電極上に第2保護層を配置する段階との少なくとも一つをさらに含むことができる。
【0018】
前記膜電極接合体の製造方法は、前記第1保護層及び前記第2保護層の少なくとも一つを除去する段階を含むことができる。
【0019】
前記第1電極はコーティング又は転写によって形成することができる。
【0020】
前記第1電極を形成する段階で、前記電解質膜を支持基板によって支持することができる。
【0021】
前記第1サブガスケットを形成するためのコーティング及び前記第2サブガスケットを形成するためのコーティングはそれぞれ液状の素材を用いるスプレーコーティング、コンマコーティング、及びスロットダイコーティングのいずれか一方法で遂行することができる。
【0022】
前記第1サブガスケットを形成する段階及び前記第2サブガスケットを形成する段階で、3Dプリンター及び部分コーティング設備の少なくとも一つを使うことができる。
【0023】
前記第1液状材料及び前記第2液状材料はそれぞれ架橋性又は硬化性を有する弾性材料であってもよい。
【0024】
前記第1液状材料及び前記第2液状材料は互いに同一であってもよい。また、前記第1液状材料及び前記第2液状材料は互いに異なってもよい。
【0025】
前記第1サブガスケット及び第2サブガスケットは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン(FEP)、フッ素ゴム、シリコンゴム、炭化水素系弾性体(EPDM、EPRなど)及びポリウレタン(Polyurethane)の少なくとも1種を含むことができる。
【0026】
前記第1サブガスケットを形成する段階及び前記第2サブガスケットを形成する段階の少なくとも1段階で、前記コーティングの後、前記第1サブガスケット又は前記第2サブガスケットを10秒~600秒間放置することができる。
【0027】
前記第1サブガスケットを形成する段階及び前記第2サブガスケットを形成する段階の少なくとも1段階で、前記コーティングの後、前記第1サブガスケット又は前記第2サブガスケットを40~150℃の温度に加熱することができる。
【0028】
前記第1サブガスケットを形成する段階及び前記第2サブガスケットを形成する段階の少なくとも1段階で、前記コーティングの後、前記第1サブガスケット又は前記第2サブガスケットを熱風で3秒~300秒間熱処理することができる。
【0029】
前記第1保護層及び前記第2保護層はそれぞれポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、テトラフルオロエチレン(Tetrafluoroethylene)、ポリエチレン(PE)、ゴム及びシリコンの少なくとも1種を含むことができる。
【0030】
前記第1サブガスケットを形成する段階に先立ち、前記電解質膜の少なくとも一部を切断する段階をさらに含む、請求項3に記載の膜電極接合体の製造方法。
【0031】
本発明のさらに他の観点によって、前記膜電極接合体と、前記膜電極接合体上の気体拡散層と、前記気体拡散層上のセパレーター(separator)と、を含む燃料電池が提供される。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一実施例によれば、コーティングによってサブガスケットが形成されるので、コーティング厚さを調節することによってサブガスケットの厚さを容易に調節することができ、直接コーティング工程を適用することによって大量生産及び自動化の具現が可能である。また、フィルムラミネートのための加熱及び加圧の工程なしに直接コーティング方式でサブガスケットを形成するので、電極損傷を引き起こさないだけでなく、サブガスケットが段差部を全然又はほとんど有しなくなるので、気体拡散層形成/組立工程のような後続工程の作業性を向上させることができる。また、電極の側面とサブガスケットとの間にエアギャップが発生することを防止するか又は最小化することができるので、ガス漏出防止というサブガスケットの本来の機能を確かに保障することができる。
【0033】
本発明の一実施例による直接コーティングに使われる液状材料は常温架橋性又は熱架橋性を有し、液状材料で形成されたサブガスケットは優れたガス遮断性及び弾性を有することができる。
【0034】
本発明の一実施例によれば、サブガスケットと膜電極接合体が一体型に製造されるから、燃料電池の駆動の際に水素又は空気(酸素)のようなガスの漏出が少なく、製作工程が簡単であって燃料電池の大量生産が容易になる。
【0035】
また、本発明の一実施例によれば、サブガスケットの素材として弾性体を使うことができる。その結果、燃料電池スタックの組立の際、構成個体間の厚さ偏差を弾性体が吸収し、安定的なスタック構造体を製造することができる。また、サブガスケットの厚さ調節が容易であるので、膜電極接合体と気体拡散層との間の界面接合力が最適化及び増加し、それによって、燃料電池の性能及び耐久性を向上させることができる。また、厚さ別にサブガスケット素材を準備する必要がないので、生産コストを節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
添付図面は本発明の理解を助け、この明細書の一部を構成するためのものであり、本発明の実施例を例示し、発明の詳細な説明とともに本発明の原理を説明する。
【
図3】本発明の一実施例による膜電極接合体の分解斜視図である。
【
図4a】本発明の一実施例による膜電極接合体の断面図である。
【
図4b】本発明の他の実施例による膜電極接合体の断面図である。
【
図5a】本発明の一実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図5b】本発明の一実施例による膜電極接合体の製造工程図である
【
図5c】本発明の一実施例による膜電極接合体の製造工程図である
【
図5d】本発明の一実施例による膜電極接合体の製造工程図である
【
図5e】本発明の一実施例による膜電極接合体の製造工程図である
【
図5f】本発明の一実施例による膜電極接合体の製造工程図である
【
図5g】本発明の一実施例による膜電極接合体の製造工程図である
【
図5h】本発明の一実施例による膜電極接合体の製造工程図である
【
図6】本発明の他の実施例による膜電極接合体の断面図である。
【
図7a】本発明の他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図7b】本発明の他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図7c】本発明の他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図7d】本発明の他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図7e】本発明の他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図7f】本発明の他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図7g】本発明の他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図7h】本発明の他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図8】ロール状に巻き取られた膜電極接合体の斜視図である。
【
図9a】本発明のさらに他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図9b】本発明のさらに他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図9c】本発明のさらに他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図9d】本発明のさらに他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図9e】本発明のさらに他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図9f】本発明のさらに他の実施例による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図10a】比較例1による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図10b】比較例1による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図10c】比較例1による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図10d】比較例1による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図10e】比較例1による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図10f】比較例1による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図10g】比較例1による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図10h】比較例1による膜電極接合体の製造工程図である。
【
図11】比較例2による膜電極接合体の断面図である。
【
図13】本発明のさらに他の実施例による燃料電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下では添付図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。ただ、以下で説明する実施例は本発明の明確な理解を助けるための例示的目的で提示するものであるだけで、本発明の範囲を限定しない。
【0038】
本発明の実施例を説明するための図面に開示した形状、大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものなので、本発明が図示の事項に限定されるものではない。明細書全般にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を示す。また、本発明の説明において、関連した公知の技術についての具体的な説明が本明細書の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0039】
本明細書で言及する‘含む’、‘有する’、‘なる’などを使う場合、‘~のみ’を使わない限り、他の部分が付け加わることができる。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む。また、構成要素の解釈において、別途の明示的な記載がないと言っても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0040】
位置関係についての説明の場合、例えば‘~上に’、‘~の上部に’、‘~の下部に’、‘~のそばに’などのように二つ部分の位置関係を説明する場合、‘直ぐ’又は‘直接’を使わない限り、二つ部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0041】
空間的に相対的な用語である“下(below、beneath)”、“下側(lower)”、“上(above)”、“上側(upper)”などは、図面に示したように、一つの素子又は構成要素と他の素子又は構成要素との相関関係を容易に記述するために使うことができる。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加え、使用の際又は動作の際に素子の互いに異なる方向を含む用語と理解しなければならない。例えば、図面に示されている素子を覆す場合、他の素子の“下(below)”又は”下(beneath)”に記述された素子は他の素子の“上(above)”に置かれることができる。よって、例示的な用語である“下”は下と上の両方を含むことができる。同様に、例示的な用語である“上”は上と下の両方を含むことができる。
【0042】
時間関係についての説明の場合、例えば、‘~の後に’、‘~に引き続き’、‘~の次に’、‘~の前に’などのように時間的に先後関係を説明する場合、‘直ぐ’又は‘直接’を使わない限り、連続的ではない場合も含むことができる。
【0043】
第1、第2などを多様な構成要素を敍述するために使うが、これらの構成要素はこれらの用語に限定されない。これらの用語はただ一構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。よって、以下で言及する第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得る。
【0044】
“少なくとも一つ”という用語は一つ以上の関連項目から提示可能な全ての組合せを含むものと理解しなければならない。例えば、“第1項目、第2項目及び第3項目の少なくとも一つ”の意味は、第1項目、第2項目又は第3項目のそれぞれだけでなく、第1項目、第2項目及び第3項目の中で二つ以上から提示可能な全ての項目の組合せを意味することができる。
【0045】
本発明の多様な例のそれぞれの技術的特徴は部分的に又は全部的に互いに結合又は組合せ可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに独立的に実施されることもでき、連関関係で一緒に実施されることもできる。
【0046】
【0047】
本発明の一実施例によれば、燃料電池は、電解質膜10、第1電極21、第2電極22、サブガスケット31、32、気体拡散層41、42、ガスケット51、52、及びセパレーター61、62を含む。
図2は燃料電池の単一の単位セルを示している。
【0048】
電解質膜10としては、当該分野に知られている高分子電解質膜を使うことができる。電解質膜10及び高分子電解質膜についての詳細な説明は省略する。
【0049】
第1電極21及び第2電極22のいずれか一方は酸化極になることができ、他方は還元極になることができる。酸化極をアノード又は燃料極とも言い、還元極をカソード又は空気極とも言う。
【0050】
本発明の一実施例で、第1電極21が酸化極の場合、第2電極22は還元極になり、第1電極21が還元極の場合、第2電極22は酸化極になる。
【0051】
第1電極21及び第2電極22のいずれか一方に水素ガスのような燃料が供給され、他方に酸素を含む空気が供給される。水素ガス及び空気は気体拡散層41、42を通してそれぞれ第1電極21及び第2電極22のいずれか一方に供給される。
【0052】
水素ガスのような燃料が酸化極に供給されれば、酸化極では水素の酸化反応によって水素イオン(H+)と電子(e-)が生成される。生成された水素イオンは高分子電解質膜10を通して還元極に伝達され、生成された電子は外部回路を介して還元極に伝達される。酸素を含む空気は還元極に供給され、還元極で酸素は水素イオン及び電子と結合し、その結果、水が生成され、熱が発生する。
【0053】
酸化極に流入する水素と還元極に流入する空気(酸素)が電解質膜10を通して相対極に透過する現象が発生すれば、燃料電池の性能が低下する。よって、水素と空気(酸素)が電解質膜10を通して相対極に透過することを防止するためにサブガスケット31、32が配置される。
【0054】
サブガスケット31、32は電解質膜10の縁部に配置され、水素が酸化極を通さずに還元極に流入することを防止し、酸素が電解質膜10を通して酸化極に流入することを防止する。
【0055】
ガスケット51、52は、供給されたガスが損失なしに、電気化学反応が起こる第1電極21及び第2電極22に伝達されるようにするために、電解質膜10とセパレーター61、62との間の空間を密封する役割を果たす。ガスケット51、52によって燃料電池スタックの気密性を維持することができる。
【0056】
セパレーター(separator)61、62は、電解質膜10、第1電極21、第2電極22、サブガスケット31、32、気体拡散層41、42、及びガスケット51、52を固定する。セパレーター61、62はバイポーラプレート(bipolar plate)ともいう。
【0057】
図3は本発明の一実施例による膜電極接合体100の分解斜視図、
図4a及び
図4bは本発明の互いに異なる実施例による膜電極接合体100の断面図である。
【0058】
図4a及び
図4bを参照すると、本発明の一実施例によるサブガスケット一体型膜電極接合体100は、第1面111及びその反対側の第2面112を有する電解質膜110、前記電解質膜110の第1面111上の第1電極121、前記電解質膜110の第1面111上の第1サブガスケット131、前記電解質膜110の第2面112上の第2電極122、及び前記電解質膜110の第2面112上の第2サブガスケット132を含む。
【0059】
前記電解質膜110は前記第1及び第2電極121、122に対応する領域であり、電気発生に直接的に寄与する領域である活性領域AA、及び前記活性領域AAを取り囲む非活性領域NAを含む。電解質膜110としては、当該分野に知られている高分子電解質膜を使う。高分子電解質膜についての詳細な説明は省略する。
【0060】
前記第1電極121は前記電解質膜110の前記第1面111上に配置されて前記活性領域AAを覆い、前記第2電極122は前記電解質膜110の前記第2面112上に配置されて前記活性領域AAを覆う。
【0061】
第1電極121及び第2電極122のいずれか一方は酸化極であり、他方は還元極である。酸化極をアノード又は燃料極とも言い、還元極をカソード又は空気極とも言う。
【0062】
第1電極121が酸化極の場合、第2電極122は還元極になり、第1電極121が還元極の場合、第2電極122は酸化極になる。第1電極121及び第2電極122のいずれか一方に水素ガスのような燃料が供給され、他方に酸素を含む空気が供給される。
【0063】
前記電解質膜110の前記第1面111上に配置された前記第1サブガスケット131は前記第1電極121の中央部を露出させる第1ウィンドウW1を有し、前記電解質膜110の前記第2面112上に配置された前記第2サブガスケット132は前記第2電極122の中央部を露出させる第2ウィンドウW2を有する。前記第1及び第2ウィンドウW1、W2を通してそれぞれ露出された前記第1及び第2電極121、122の中央部に水素ガス及び酸素ガスがそれぞれ接触する。
【0064】
第1サブガスケット131及び第2サブガスケット132は弾性及び気密性を有する。第1サブガスケット131及び第2サブガスケット132はいずれか一電極の水素又は酸素が電解質膜110を通して他の電極に流入することを防止する。
【0065】
第1サブガスケット131及び第2サブガスケット132は弾性材から製造することができる。第1サブガスケット131及び第2サブガスケット132は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン(FEP)、フッ素ゴム、シリコンゴム、炭化水素系弾性体(EPDM、EPRなど)及びポリウレタン(Polyurethane)の少なくとも1種を含むことができる。
【0066】
図4a及び
図4bに例示したように、第1サブガスケット131は、前記第1電極121の周縁部と重畳する第1重畳領域OA1、及び前記電解質膜110の非活性領域NAを覆う第1非重畳領域NOA1を含む。
【0067】
同様に、第2サブガスケット132は、前記第2電極122の周縁部と重畳する第2重畳領域OA2、及び前記電解質膜110の非活性領域NAを覆う第2非重畳領域NOA2を含む。
【0068】
前記第1及び第2サブガスケット131、132の第1及び第2重畳領域OA1、OA2は前記第1及び第2電極121、122の周縁部をそれぞれ保護するだけでなく、第1サブガスケット131と第1電極121との間の境界又は第2サブガスケット132と第2電極122との間の境界を通してガスが漏洩することを防止する。
【0069】
本発明によれば、(i)
図4aに示したように、前記第1重畳領域OA1と前記第1非重畳領域NOA1との間、及び前記第2重畳領域OA2と前記第2非重畳領域NOA2との間に段差部が存在しないか、(ii)
図4bに示したように、前記第1重畳領域OA1と前記第1非重畳領域NOA1とによって形成される第1段差部の高さH1が前記第1電極121の厚さT1の0.5倍以下、より好ましくは0.2倍以下であり、前記第2重畳領域OA2と前記第2非重畳領域NOA2とによって形成される第2段差部の高さH2が前記第2電極122の厚さT2の0.5倍以下、より好ましくは0.2倍以下である。
【0070】
すなわち、本発明によれば、前記第1及び第2サブガスケット131、132はその上面に段差部を有しないか、又は段差部を有すると言ってもその高さが前記第1電極121の厚さT1又は前記第2電極122の厚さT2の0.5倍以下、より好ましくは0.2倍以下の程度と非常に小さいので、気体拡散層形成/組立工程のような後続工程の作業性を向上させることができる。
【0071】
また、
図4a及び
図4bに例示したように、前記第1及び第2サブガスケット131、132はエアギャップが存在しない程度に前記第1及び第2電極121、122にそれぞれ密着得る。よって、エアギャップを通してのガス漏出を防止することができる。
【0072】
以下、
図5a~
図5hを参照して本発明の一実施例による膜電極接合体100の製造方法を説明する。
【0073】
図5a~
図5hは本発明の一実施例による膜電極接合体100の製造工程図である。
【0074】
まず、
図5aを参照すると、電解質膜110の第1面111に第1電極121を形成す
る。
【0075】
第1電極121の形成方法に特別な制限があるものではない。本発明の一実施例によれば、第1電極121はコーティング法又は転写法で形成することができる。第1電極121の材料としては、当該分野に知られた酸化極材料又は還元極材料の少なくとも1種を使うことができる。
【0076】
第1電極121を形成する段階で、電解質膜110は支持基板190によって支持することができる。支持基板190の種類に特別な制限があるものではない。電解質膜110を支持することができる素材は支持基板190として使うことができる。例えば、プラスチックフィルムを支持基板190として使うことができる。本発明の一実施例によれば、支持基板190としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使うことができ
る。
【0077】
図5bを参照すると、第1電極121上に第1保護層211を配置する。
【0078】
第1保護層211は第1電極121を保護する。第1サブガスケット131の形成のためのコーティングの後、第1保護層211は除去するか、又は第2サブガスケット132の形成時まで付着した後、第2サブガスケット132の形成の後に第2保護層212と一緒に除去することができる。よって、第1保護層211は剥離過程で第1電極121の損傷を最小化することができる材料から製造する。
【0079】
第1保護層211として、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、テトラフルオロエチレン(Tetrafluoroethylene)、ポリエチレン(PE)、ゴム及びシリコンの少なくとも1種を使うことができる。
【0080】
第1保護層211は1~50μmの厚さを有する。
【0081】
また、
図5bを参照すると、第1保護層211は第1電極121より小さい面積を有し、第1電極121の領域内に配置される。より具体的に、第1保護層211は第1電極121の縁部の内側に配置される。よって、第1電極121の周縁部上にも第1サブガスケット131が配置される。
【0082】
図5cを参照すると、第1液状材料を用いたコーティングにより、電解質膜110の第1面111上に第1サブガスケット131を形成する。
【0083】
第1サブガスケット131の形成のための第1液状材料は架橋性又は硬化性を有する弾性材料からなる。
【0084】
具体的に、第1サブガスケット131は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン(FEP)、フッ素ゴム、シリコンゴム、炭化水素系弾性体(EPDM、EPRなど)及びポリウレタン(Polyurethane)の少なくとも1種を含むことができる。よって、第1液状材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン(FEP)、フッ素ゴム、シリコンゴム、炭化水素系弾性体(EPDM、EPRなど)及びポリウレタン(Polyurethane)のいずれか一成分が溶媒に溶解又は分散されている状態の材料であることができる。このように、第1液状材料は高分子成分を含むことができる。
【0085】
本発明の一実施例によれば、液状の素材を活用した直接コーティング方式で第1サブガスケット131を形成することができる。
【0086】
具体的に、第1サブガスケット131を形成するためのコーティングは、液状の素材を用いるスプレーコーティング、コンマコーティング及びスロットダイコーティングのいずれか一方法で遂行することができる。例えば、スプレーコーティングで第1サブガスケット131を形成することができる。
【0087】
図5cには、スプレーコーティングによって第1サブガスケット131を形成する方法が示されている。このように、本発明の一実施例によれば、第1サブガスケット131を形成するためのコーティング法として、液状の素材を活用した直接コーティング方式を適用することができる。
図5cを参照すると、スプレーコーティングのためにスプレーコーティング装置250を使う。
【0088】
コーティングの後、第1液状材料が乾燥しながら架橋又は硬化して第1サブガスケット131ができあがる。
【0089】
第1サブガスケット131を形成する段階で、コーティングの後、第1サブガスケット131を10秒~600秒間放置することができる。よって、第1サブガスケット131の形成に使用された第1液状材料を乾燥することができ、第1液状材料に含まれた高分子成分の架橋又は硬化が進む。
【0090】
また、第1サブガスケット131を形成する段階で、第1液状材料を用いたコーティングの後、第1サブガスケット131を40~150℃の温度に加熱することができる。このような加熱によって第1液状材料に含まれた高分子成分の熱架橋又は熱硬化を促進することにより、第1サブガスケット131ができあがる。
【0091】
本発明の一実施例によれば、第1サブガスケット131を形成する段階で、第1液状材料を用いたコーティングの後、第1サブガスケット131を熱風で3秒~300秒間熱処理することができる。
【0092】
図5dを参照すると、電解質膜110を支持基板190から分離した後、電解質膜110を覆して、電解質膜110の第2面112が上向きになるようにする。
【0093】
図5eを参照すると、電解質膜110の第2面112に第2電極122を形成する。
【0094】
第2電極122は第1電極121と同様な方法で形成することができる。本発明の一実施例によれば、第2電極122はコーティング法又は転写法で形成することができる。第1電極121が酸化極の場合、第2電極122は還元極になり、第1電極121が還元極の場合、第2電極122は酸化極になる。第2電極122の材料としては、当該分野に知られた還元極材料又は酸化極材料の少なくとも1種を使うことができる。
【0095】
図5fを参照すると、第2電極122上に第2保護層212を配置する。
【0096】
第2保護層212は第2電極122を保護する。第2サブガスケット132の形成のためのコーティングの後、第2保護層212を除去する。よって、第2保護層212は剥離過程で第2電極122の損傷を最小化することができる材料から形成する。
【0097】
第2保護層212は第1保護層211と同じ材料からなる。
【0098】
第2保護層212としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、テトラフルオロエチレン(Tetrafluoroethylene)、ポリエチレン(PE)、ゴム及びシリコンの少なくとも1種を使うことができる。第1保護層211は1~50μmの厚さを有する。
【0099】
図5fを参照すると、第2保護層212は第2電極122より小さい面積を有し、第2電極122の領域内に配置される。より具体的に、第2保護層212は第2電極122の縁部の内側に配置される。よって、第2電極122の周縁部上にも第2サブガスケット132を配置することができる。
【0100】
図5gを参照すると、第2液状材料を用いたコーティングによって電解質膜110の第2面112上に第2サブガスケット132を形成する。
【0101】
第2サブガスケット132の形成のための第2液状材料は第1サブガスケット131の形成のための第1液状材料と同一であってもよく違ってもよい。
【0102】
本発明の一実施例によれば、第1液状材料と第2液状材料はその組成が互いに同一であってもよい。
【0103】
一方、適用部位又は用途によって、第1液状材料と第2液状材料に互いに異なる添加剤を添加してその組成を互いに変えることができる。その結果、第1サブガスケット131と第2サブガスケット132が互いに異なる機能性を有することもある。
【0104】
第2サブガスケット132の形成のための第2液状材料は架橋性又は硬化性を有する弾性材料からなる。
【0105】
具体的に、第2サブガスケット132は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン(FEP)、フッ素ゴム、シリコンゴム、炭化水素系弾性体(EPDM、EPRなど)及びポリウレタン(Polyurethane)の少なくとも1種を含むことができる。よって、第2液状材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン(FEP)、フッ素ゴム、シリコンゴム、炭化水素系弾性体(EPDM、EPRなど)及びポリウレタン(Polyurethane)のいずれか一成分が溶媒に溶解又は分散されている状態の材料である。このように、第2液状材料は高分子成分を含むことができる。本発明の一実施例によれば、液状の素材を活用した直接コーティング方式で第2サブガスケット132を形成することができる。
【0106】
具体的に、第2サブガスケット132を形成するためのコーティングは、液状の素材を用いるスプレーコーティング、コンマコーティング及びスロットダイコーティングのいずれか一方法で遂行することができる。例えば、スプレーコーティングによって第2サブガスケット132を形成することができる。
【0107】
図5gを参照すると、スプレーコーティングで第2サブガスケット132を形成する方法が示されている。このように、本発明の一実施例によれば、第2サブガスケット132を形成するために液状の素材を活用した直接コーティング方式を適用することができ、代表的にスプレーコーティングを適用することができる。
【0108】
コーティングの後、第2液状材料が乾燥しながら架橋又は硬化して第2サブガスケット132ができあがる。
【0109】
第2サブガスケット132を形成する段階で、コーティングの後、第2サブガスケット132を10秒~600秒間放置することができる。よって、第2サブガスケット132の形成に使用された第2液状材料が乾燥し、第2液状材料に含まれた高分子成分の架橋又は硬化が進む。
【0110】
また、第2サブガスケット132を形成する段階で、第2液状材料を用いたコーティングの後、第2サブガスケット132を40~150℃の温度に加熱することができる。このような加熱によって第2液状材料に含まれた高分子成分の熱架橋又は熱硬化を促進して、第2サブガスケット132ができあがる。
【0111】
本発明の一実施例によれば、第2サブガスケット132を形成する段階で、第2液状材料を用いたコーティングの後、第2サブガスケット132を熱風で3秒~300秒間熱処理することができる。
【0112】
第1サブガスケット131に対する加熱と第2サブガスケット132に対する加熱は同時に遂行することもでき、別に遂行することもできる。
【0113】
しかし、本発明の一実施例がこれに限定されるものではなく、素材によって加熱を遂行することもでき、遂行しないこともできる。
【0114】
図5hを参照すると、第1保護層211及び第2保護層212を除去する。第1保護層211及び第2保護層212が除去されるとき、第1保護層211及び第2保護層212の上部に残存していた第1液状材料によるコーティング層及び第2液状材料によるコーティング層も除去される。
【0115】
第1保護層211及び第2保護層212を除去して、第1電極121及び第2電極122が露出されることにより、本発明の一実施例による膜電極接合体100ができあがる。
図5hを参照すると、第1電極121の表面のうち電解質膜110の反対側表面が露出され、第2電極122の表面のうち電解質膜110の反対側表面が露出される。
【0116】
図6は本発明の他の実施例による膜電極接合体200の断面図である。
【0117】
図4a及び
図4bと比較して、
図6に示した膜電極接合体200は、電解質膜110のエッジ全体が第1及び第2サブガスケット131、132によって取り囲まれているという点で違いがある。
【0118】
電解質膜110が第1サブガスケット131又は第2サブガスケット132と同じ規格を有する
図4a及び
図4bの膜電極接合体100と比較して、
図6のサブガスケット一体型膜電極接合体200において電解質膜110のエッジをより安定的に保護することができ、高価の電解質膜110を少なく使うので経済的である。
【0119】
図7a~
図7hは本発明の他の実施例による膜電極接合体200の製造工程図である。
【0120】
本発明の他の実施例による膜電極接合体200の製造方法は、第1サブガスケット131を形成する段階に先立ち、電解質膜110の少なくとも一部を切断する段階をさらに含む。
【0121】
以下、
図7a~
図7hを参照して、本発明の他の実施例による膜電極接合体200の製造方法を説明する。
【0122】
図7aを参照すると、電解質膜110の第1面111に第1電極121を形成する。第1電極121の形成方法に特別な制限があるものではない。第1電極121はコーティング法又は転写法で形成することができる。
【0123】
図7bを参照すると、電解質膜110の縁部を切断する。ここで、カッター260又はピナクルダイを使うことができる。よって、電解質膜110は支持基板190より小さい面積を有する。
【0124】
図7cを参照すると、第1電極121上に第1保護層211を配置する。第1保護層211は後続のコーティング工程中に第1電極121を保護する。
【0125】
図7dを参照すると、第1液状材料を用いたコーティングによって、電解質膜110の第1面111上に第1サブガスケット131を形成する。第1サブガスケット131は電解質膜110の第1面111及び側面を完全に取り囲む。
【0126】
図7dを参照すると、液状の素材を活用した直接コーティング方式の一つであるスプレーコーティングによって第1サブガスケット131を形成する。コーティングの後、第1液状材料が乾燥しながら架橋又は硬化し得る。
【0127】
図7eを参照すると、電解質膜110を支持基板190から分離した後、電解質膜110を覆して、電解質膜110の第2面112が上向きになるようにする。
【0128】
図7fを参照すると、電解質膜110の第2面112に第2電極122が形成され、第2電極122上に第2保護層212が配置される。第2保護層212は第2電極122を保護する。
【0129】
図7gを参照すると、第2液状材料を用いたコーティングにより、電解質膜110の第2面112及び第1サブガスケット131上に第2サブガスケット132を形成する。
【0130】
第2サブガスケット132の形成のための第2液状材料は第1サブガスケット131の形成のための第1液状材料と同一であってもよく違ってもよい。
図7gを参照すると、スプレーコーティングによって第2サブガスケット132を形成する。よって、本発明の一実施例によれば、第2サブガスケット132を形成するためのコーティングは液状の素材を活用した直接コーティング方式で遂行することができる。例えば、スプレーコーティングで遂行することができる。
【0131】
コーティングの後、第2液状材料が乾燥しながら架橋又は硬化し得る。
【0132】
図7hを参照すると、第1保護層211及び第2保護層212を除去する。第1保護層211及び第2保護層212を除去するとき、第1保護層211及び第2保護層212の上部に残存していた第1液状材料によるコーティング層及び第2液状材料によるコーティング層も除去する。第1保護層211及び第2保護層212が除去され、第1電極121及び第2電極122が開放することにより、本発明の他の実施例による膜電極接合体200ができあがる。
【0133】
コーティング方式によって形成されるサブガスケット131、132の厚さを多様に調節することができ、液体を用いたコーティング方式で製造するから、既存のフィルム状サブガスケットをラミネートするときに電極層の厚さ段差部によって発生するエアギャップなしにサブガスケット131、132を形成することができる。また、サブガスケット131、132を平坦に製造することができ、気体拡散層(GDL)の組立の際、容易な作業性を有する。
【0134】
図8はロール状に巻き取られた膜電極接合体の斜視図である。
【0135】
本発明の実施例による膜電極接合体100、200は、
図8に示したように、ロール状に巻き取られる。
図8のI-I’に沿って切断した断面は
図4a、
図4b又は
図6のように表示することができる。
【0136】
本発明の実施例によってサブカスケッ形成用材料を直接コーティング方式で電解質膜110にコーティングしてサブガスケット一体型膜電極接合体100、200を製造する場合、ロールツーロール方式で膜電極接合体100、200を製造することができる。よって、大量生産が可能になる。
【0137】
以下、
図9a~
図9fは本発明のさらに他の実施例による膜電極接合体の製造方法を説明する。
【0138】
図9aを参照すると、電解質膜110の第1面111に第1電極121を形成する。
【0139】
第1電極121を形成する段階で、電解質膜110は支持基板190によって支持される。
【0140】
図9bを参照すると、第1液状材料を用いたコーティングによって電解質膜110の第1面111上に第1サブガスケット131を形成する。
【0141】
第1サブガスケット131の形成のための第1液状材料は架橋性又は硬化性を有する弾性材料からなる。
【0142】
本発明のさらに他の実施例によれば、保護層なしに第1電極121の周辺の電解質膜110上に第1サブガスケット131の形成のための第1液状材料を直接コーティング/印刷することによって第1サブガスケット131を形成することができる。例えば、3Dプリンター又は部分コーティング設備を用いて、保護層なしに第1電極121の周辺に第1液状材料を直接コーティング/印刷及び架橋することができる。よって、電解質膜110上に第1サブガスケット131が選択的に形成される。
【0143】
図9bには直接コーティングのために3Dプリンター350を使う方法が例示されている。
【0144】
図9cを参照すると、コーティング/印刷の後、第1液状材料が乾燥しながら架橋又は硬化して第1サブガスケット131ができあがる。
【0145】
図9dを参照すると、電解質膜110を支持基板190から分離した後、電解質膜110を覆して電解質膜110の第2面112が上向きになるようにし、電解質膜110の第2面112に第2電極122を形成する。
【0146】
第2電極122は第1電極121と同様な方法で形成することができる。本発明の一実施例によれば、第2電極122はコーティング法又は転写法で形成することができる。第1電極121が酸化極の場合、第2電極122は還元極になり、第1電極121が還元極の場合、第2電極122は酸化極になる。
【0147】
図9eを参照すると、第2液状材料を用いたコーティングによって電解質膜110の第2面112上に第2サブガスケット132を形成する。
【0148】
第2サブガスケット132の形成のための第2液状材料は架橋性又は硬化性を有する弾性材料からなる。第2サブガスケット132の形成のための第2液状材料は第1サブガスケット131の形成のための第1液状材料と同一であってもよく違ってもよい。
【0149】
本発明のさらに他の実施例によれば、保護層なしに第2電極122の周辺の電解質膜110上に第2サブガスケット132の形成のための第2液状材料を直接コーティング/印刷することによって第2サブガスケット132を形成することができる。例えば、3Dプリンター又は部分コーティング設備を用いて、保護層なしに第2電極122の周辺に第2液状材料を直接コーティング/印刷及び架橋することができる。よって、電解質膜110上に第2サブガスケット132が選択的に形成される。
【0150】
図9eには直接コーティングのために3Dプリンター350を使う方法が例示されている。
【0151】
図9fを参照すると、コーティング/印刷の後、第2液状材料が乾燥しながら架橋又は硬化して第2サブガスケット132ができあがる。よって、本発明のさらに他の実施例による膜電極接合体が製造される。
【0152】
図10a~
図10hは比較例1による膜電極接合体の製造工程図である。
【0153】
比較例1による膜電極接合体の製造方法は、電解質膜110に第1電極121及び第2電極122が既に形成されているCCM(Catalyst Coated Membrane)を使うという点で本発明の実施例と違いがある。
【0154】
具体的に、
図10aを参照すると、電解質膜110に第1電極121及び第2電極122が既に形成されているCCM(Catalyst Coated Membrane)を支持基板190に配置する。
【0155】
図10bを参照すると、CCMの第1電極121上に第1保護層211を配置する。
【0156】
図10cを参照すると、第1液状材料を用いたコーティングによって、電解質膜110の第1面111上に第1サブガスケット131を形成する。
【0157】
図10dを参照すると、第1保護層211を除去する。
【0158】
図10eを参照すると、電解質膜110を覆して、電解質膜110の第2面及び第2電極122が上向きになるようにする。
【0159】
図10fを参照すると、第2電極122上に第2保護層212を配置する。第2保護層212は後続のコーティング工程中に第2電極122を保護する。
【0160】
図10gを参照すると、第2液状材料を用いたコーティングによって電解質膜110の第2面上に第2サブガスケット132を形成する。
【0161】
図10hを参照すると、第2保護層212を除去する。
【0162】
図10a~
図10hに示したように、CCM(Catalyst Coated Membrane)を使用してスプレーコーティングによってサブガスケット一体型膜電極接合体を製造する場合、電極121、122の厚さによって、CCMの電解質膜110、特に非活性領域が支持基板190によって充分に支持できなくて膜電極接合体にカール(curl)が発生し得る。
【0163】
図10a~
図10dを参照すると、電解質膜110の非活性領域が支持基板190に密着せずに離隔されていることを確認することができる。このような離隔によって、電解質膜110の非活性領域にカール(curl)が発生し、その結果、膜電極接合体にカール(curl)が発生する。
【0164】
本発明の一実施例による
図5a~
図5hによる方法によって製造された膜電極接合体100のサンプル100個(実施例1)及び
図10a~
図10hによる方法によって製造された膜電極接合体のサンプル100個(比較例1)に対して、サンプル当たり平均カール発生数及び良品率を計算した。結果は表1の通りである。
【0165】
サンプル当たり平均カール発生数は100個のサンプルで発生したカール(curl)数の平均を意味し、良品率は不良ではない製品の比を意味する。
【0166】
【0167】
表1を参照すると、本発明の一実施例によって膜電極接合体100を製造する場合、不良率が小さく、平均カール発生数が少ないことを確認することができる。
【0168】
図11は比較例2による膜電極接合体の断面図である。
【0169】
図11の膜電極接合体にはフィルム状のサブガスケット161、162が付着されている。
【0170】
フィルム状のサブガスケット161、162の場合、フィルムの厚さによってサブガスケット161、162の厚さが決定されるので、直接コーティングによって形成されたサブガスケット131、132と比較して厚さ調節が容易でない。
【0171】
フィルム状のサブガスケット161、162を使う場合、サブガスケット161、162が電極121、122の厚さに対応する段差部を有することになり、このような段差部によってサブガスケット161、162と電極121、122との間にエアギャップ290が発生し得る。
図11は電解質膜110、電極121、122及びフィルム状のサブガスケット161、162で取り囲まれたエアギャップ290を例示する。このようなエアギャップ290はガス漏出を引き起こして膜電極接合体の品質を低下させる。
【0172】
エアギャップ290が直角二等辺三角柱(isosceles right triangular prism)の形態を有し、方形電極121、122の全周に発生すると仮定すれば、フィルム状のサブガスケット161、162を使う場合に発生する体積は下記の式のように算出することができる。
【0173】
V(cm3)=T2×(W+L)
【0174】
ここで、Vは前記エアギャップ290の体積、Tは前記電極121、122の厚さ、Wは前記電極121、122の幅、Lは前記電極121、122の長さである。
【0175】
一方、本発明の実施例によれば、直接コーティングによってサブガスケット131、132を製造するので、サブガスケット131、132の厚さを多様に調節することができる。また、本発明の実施例によれば、液状材料を用いたコーティング方式でサブガスケット131、132を製造するので、サブガスケット131、132は段差部を有しないか、又は段差部を有すると言ってもその高さが電極121、122の厚さT1、T2の0.5倍以下、より好ましくは0.2倍以下の程度と非常に小さい(すなわち、その上面が実質的に平坦である)。よって、本発明によれば、気体拡散層(GDL)の形成/組立工程のような後続工程の作業性を向上させることができるだけではなく、ガス漏出を引き起こすエアギャップの形成を防止するか又は最小化(フィルム状のサブガスケットを使うときに形成されるエアギャップ体積の0.5倍以下、より好ましくは0.2倍以下)すること
ができる。
【0176】
すなわち、本発明の一実施例によれば、前記第1サブガスケット131と前記第1電極121との間にエアギャップが存在しないか又は前記第1サブガスケット131と前記第1電極121との間に第1エアギャップが存在すると言っても前記第1エアギャップの体積が下記の式1を満たし、前記第2サブガスケット132と前記第2電極122との間にエアギャップが存在しないか又は前記第2サブガスケット132と前記第2電極122との間に第2エアギャップが存在すると言っても前記第2エアギャップの体積が下記の式2を満たす。
【0177】
式1:V1≦0.5×T1
2×(W1+L1)
【0178】
式2:V2≦0.5×T2
2×(W2+L2)
【0179】
ここで、V1及びV2はそれぞれ前記第1及び第2エアギャップの体積、T1及びT2はそれぞれ前記第1及び第2電極121、122の厚さ、W1及びW2はそれぞれ前記第1及び第2電極121、122の幅、L1及びL2はそれぞれ前記第1及び第2電極121、122の長さである。
【0180】
図12a~
図12cは膜電極接合体の写真である。
具体的には、
図12aは
図5a~
図5hによる方法によって製造された膜電極接合体100の写真、
図12bは
図10a~
図10hによる方法によって製造された膜電極接合体(比較例1)の写真、
図12cはフィルム状のサブガスケットが付着された膜電極接合体(比較例2)の写真である。
【0181】
図12bを参照すると、比較例1による膜電極接合体には多数のカール(curls)が発生したことを確認することができる。
【0182】
比較例2によって製造された
図12cの膜電極接合体の内部にはエアギャップが発生した。
【0183】
一方、本発明の実施例によって製造された
図12aの膜電極接合体にはカール(curl)及びエアギャップが発見されなかった。
【0184】
図13は本発明の一実施例による燃料電池300の断面図である。
【0185】
本発明の一実施例による燃料電池300は、上述した本発明の膜電極接合体100、前記膜電極接合体100上の気体拡散層140、及び前記気体拡散層140上のセパレーター(separator)150を含む。
【0186】
前記膜電極接合体100は、電解質膜110、前記電解質膜110の第1面上の第1電極121及び第1サブガスケット131、及び前記電解質膜110の第2面上の第2電極122及び第2サブガスケット132を含む。
【0187】
気体拡散層140及びセパレーター(separator)150を前記膜電極接合体100の両方にそれぞれ一つずつ配置させることができる。気体拡散層140及びセパレーター(separator)150は既に説明したので、これらについての詳細な説明は省略する。
【0188】
図13を参照すると、本発明の他の実施例による燃料電池300は、第1ガスケット171及び第2ガスケット172を含むことができる。
【0189】
第1ガスケット171及び第2ガスケット172はそれぞれ膜電極接合体100とセパレーター150との間に配置され、電解質膜110とセパレーター150との間の空間を密封する。
図13を参照すると、気体拡散層140を第1サブガスケット131と第1ガスケット171とによって定義される空間、及び第2サブガスケット132と第2ガスケット172とによって定義される空間に配置させることができる。
【0190】
図13には気体拡散層140が第1及び第2電極121、122の露出部上にのみ形成されたものとして例示されているが、本発明がこれに限定されるものではなく、前記気体拡散層140を前記第1及び第2サブガスケット131、132のそれぞれの少なくとも一部までカバーするように延ばすことができる。
【0191】
以上で説明し実施例は本発明の理解を助けるためのものであり、これらによって本発明の権利範囲が限定されるものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって定義される。