(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055900
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】皮膚科製品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9706 20170101AFI20230411BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230411BHJP
A61K 36/02 20060101ALI20230411BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230411BHJP
A61P 17/10 20060101ALI20230411BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230411BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230411BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20230411BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20230411BHJP
A61K 31/455 20060101ALI20230411BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230411BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
A61K8/9706
A61K8/34
A61K36/02
A61P17/00
A61P17/10
A61P29/00
A61K9/08
A61K47/26
A61K47/36
A61K31/455
A61P43/00 121
A61K45/00
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015767
(22)【出願日】2023-02-06
(62)【分割の表示】P 2020545325の分割
【原出願日】2019-02-27
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2018/054986
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】511008850
【氏名又は名称】シムライズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【弁理士】
【氏名又は名称】小磯 貴子
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン,マルティーナ
(72)【発明者】
【氏名】ゲブラー,ザンドラ
(72)【発明者】
【氏名】シュトゥールマン,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェゼロー,アン-クリスティーン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、ヒトの毛髪もしくは皮膚の機能障害を治療するもしくは予防するための、または皮膚もしくは毛髪の手入れ用の製品を提供する。
【解決手段】糖アルコール、または糖アルコールとテトラセルミス抽出物の組み合わせ、または前者のいずれかと合わせたナイアシンアミドを含む組成物を開示する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖アルコールとテトラセルミス(Tetraselmis)抽出物とを含む組成物であ
って、前記糖アルコールの総含量が前記抽出物の乾燥重量に基づいて前記組成物全体の≧
16重量%の量であり、前記テトラセルミス抽出物が前記抽出物の乾燥重量に基づいて以
下:
(a)前記テトラセルミス抽出物組成物全体の≧10重量%の総ミネラルと
(b)前記テトラセルミス抽出物組成物全体の≧3重量%の総ガラクトースと
(c)前記テトラセルミス抽出物組成物全体の≧2重量%の総グルコースと
(d)前記テトラセルミス抽出物組成物全体の≧3重量%の総アミノ酸と
(e)前記テトラセルミス抽出物組成物全体の≧2重量%の総窒素とを含む、前記組成物
。
【請求項2】
前記糖アルコールがC4、C5、C6、C7の糖アルコール及び二糖類糖アルコールの
1以上から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記糖アルコールが、スレイトール(C4糖アルコール)、エリスリトール(C4糖ア
ルコール)、リビトール(C5糖アルコール)、アラビトール(C5糖アルコール)、キ
シリトール(C5糖アルコール)、ソルビトール(C6糖アルコール)、マンニトール(
C6糖アルコール)、デュルシトール(ガラクチトール)(C6糖アルコール)、イノシ
トール(環状C6糖アルコール)、ボレミトール(C7糖アルコール)、ラクチトール(
4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルシトール;二糖類糖アルコール)、マル
チトール(4-O-α-グルコピラノシル-D-ソルビトール;二糖類糖アルコール)及
びそれらの関連するエナンチオマーの1以上から、好ましくはマンニトールから選択され
る、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
さらにナイアシンアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の併用組成物。
【請求項5】
糖アルコールとテトラセルミス抽出物を合わせたもののナイアシンアミドに関する重量
比の範囲が、前記抽出物の乾燥重量に基づいて算出して1:10000~1:1、好まし
くは1:500~1:1である請求項4に記載の併用組成物。
【請求項6】
(a)抽出物の乾燥重量に基づいて算出して0.5~80重量%の、請求項1~5のい
ずれか1項に記載の組成物または併用組成物と、
(b)0.5~90重量%の水と、
(c)0.5~90重量%の担体と、
(d)任意で0.1~5重量%の保存剤または保存剤システムとを含む濃縮物であって、
前記糖アルコールの総含量のテトラセルミス抽出物における糖アルコール含量に対する比
が抽出物の乾燥重量に基づいて≧1.1:1である、前記濃縮物。
【請求項7】
(a)抽出物の乾燥重量に基づいて算出して0.5~10重量%の、請求項1~5のい
ずれか1項に記載の組成物または併用組成物と、
(b)1~70重量%の水と、
(c)0.5~85重量%の液状担体、好ましくはグリセリンと、
(d)任意で0.1~5重量%の保存剤または保存剤システムとを含む液状濃縮物であっ
て、
前記糖アルコールの総含量のテトラセルミス抽出物における糖アルコール含量に対する比
が抽出物の乾燥重量に基づいて≧1.1:1である、前記液状濃縮物。
【請求項8】
(a)抽出物の乾燥重量に基づいて算出して1~10重量%の、請求項1~5のいずれ
か1項に記載の組成物または併用組成物と、
(b)0.5~10重量%の水と、
(c)50~98重量%の固形担体、好ましくはマルトデキストリンとを含む固形濃縮物
であって、
前記糖アルコールの総含量のテトラセルミス抽出物における糖アルコール含量に対する比
が抽出物の乾燥重量に基づいて≧1.1:1である、前記固形濃縮物。
【請求項9】
ヒトの毛髪及び/または皮膚の機能障害、脂漏性皮膚炎、尋常性座瘡、創傷治癒、組織
再生、炎症後過剰色素沈着、炎症関連疾患、フケ、または癜風を治療するまたは予防する
ために薬物として使用するための、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物または併
用組成物、または請求項6~8のいずれか1項に記載の濃縮物。
【請求項10】
1以上の糖アルコール、好ましくはマンニトール、または1以上の糖アルコール、好ま
しくはマンニトールとナイアシンアミドとの組み合わせを含む医薬品であって、
ヒトの毛髪及び/または皮膚の機能障害、脂漏性皮膚炎、尋常性座瘡、創傷治癒、組織再
生、炎症後過剰色素沈着、炎症関連疾患、フケ、または癜風を治療するまたは予防するた
めに薬物として使用するための、前記医薬品。
【請求項11】
前記糖アルコール、好ましくはマンニトールが前記医薬組成物または医薬品の全体の0
.0001~5重量%、好ましくは0.005~3重量%の量である、請求項9に記載の
医薬組成物または請求項10に記載の医薬品。
【請求項12】
請求項9もしくは11に記載の医薬組成物または請求項10もしくは11に記載の医薬
品を含み、且つ任意でさらに、皮膚疾患を治療するのに使用するための補助物質を含む皮
膚科製品または治療薬。
【請求項13】
請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物もしくは併用組成物または請求項6~8の
いずれか1項に記載の濃縮物を含む化粧品組成物、または1以上の糖アルコール、好まし
くはマンニトール、または1以上の糖アルコール、好ましくはマンニトールとナイアシン
アミドとの組み合わせを含む医薬品であって、
前記化粧品組成物または前記化粧品がさらに任意で補助物質及び/または香料を含み、前
記化粧品組成物または前記化粧品が皮膚及び/または毛髪の手入れ用の製品である、前記
化粧品組成物または前記化粧品。
【請求項14】
請求項1~3に記載の組成物、請求項4もしくは5に記載の併用組成物または請求項6
~8に記載の濃縮物の製品における量が前記皮膚科製品または治療薬の全体の0.000
1~10重量%、好ましくは0.005~3重量%であり、前記糖アルコール、好ましく
はマンニトールの量が0.0001~5重量%、好ましくは0.005~3重量%である
、請求項12に記載の皮膚科製品または治療薬。
【請求項15】
請求項1~3に記載の組成物、請求項4もしくは5に記載の併用組成物または請求項6
~8に記載の濃縮物の量が前記化粧品組成物または化粧品全体の0.0001~10重量
%、好ましくは0.005~3重量%であり、前記糖アルコール、好ましくはマンニトー
ルの量が0.0001~5重量%、好ましくは0.005~3重量%である、請求項13
に記載の化粧品組成物または化粧品。
【請求項16】
皮膚を手入れする、洗浄するもしくは保護する際の塗布のための、または皮脂の低減の
ための請求項13または15に記載の化粧品組成物または化粧品の非治療上の使用または
化粧上の使用。
【請求項17】
(a)皮膚接合部の刺激、
(b)皮膚の抗微生物性ペプチドの刺激、
(c)COX-2遺伝子の発現及びプロスタグランジンが介在する効果の低減、
(d)炎症後の過剰色素沈着の低減、
(e)フィラグリンの刺激
のための請求項9もしくは11に記載の医薬組成物または請求項10もしくは11に記載
の医薬品の使用。
【請求項18】
(a)皮膚の表皮完全性の改善のための、
(b)たとえば、大気汚染または微粒子状物質が誘導する影響のような外部刺激を防ぐた
めの、
(c)皮膚バリアの機能障害を防ぐための、
請求項13もしくは15に記載の化粧品組成物または請求項13もしくは15に記載の化
粧品の使用。
【請求項19】
さらに追加の皮脂低減剤及び/または抗ニキビ剤を含む、請求項9~11のいずれか1
項に記載の医薬組成物または医薬品、または請求項13もしくは15に記載の化粧品組成
物または化粧品、または請求項12もしくは14に記載の皮膚科製品または治療薬の使用
。
【請求項20】
さらに、以下:
抗ニキビ剤、
フケ防止剤、
抗炎症剤、
TRPV1アンタゴニスト、
痒み止め剤、
抗微生物剤、特に抗アクネ菌(プロピオニバクテリウム・アクネス,Propionib
acterium acnes)剤、
抗マラセチア菌(マラセチア,Malassezia)剤
の1以上を含む、請求項9~11のいずれか1項に記載の医薬組成物または医薬品、また
は請求項13もしくは15に記載の化粧品組成物または化粧品、または請求項12もしく
は14に記載の皮膚科製品または治療薬
【請求項21】
請求項9または10に記載の疾患の治療における薬物として使用するための、請求項2
0に記載の医薬組成物または医薬品または治療用組成物または治療薬。
【請求項22】
請求項16もしくは18に記載の非治療上の適用、または皮膚もしくは毛髪の手入れで
の使用のための、請求項20に記載の化粧品組成物または化粧品。
【請求項23】
(a)0.5~25重量%、好ましくは1~20重量%の糖アルコールと、
(b)任意で1~35重量%、好ましくは2~20重量%のナイアシンアミドと、
(c)5~55重量%、好ましくは10~50重量%の液状担体と、
(d)任意で0.1~5重量%の1以上の保存剤または保存剤システムとを含む、液状製
剤。
【請求項24】
前記糖アルコールがマンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マ
ルチトール、イノシトール、及びそれらの混合物から成る群から選択され、前記液状担体
がグリセリン、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ペン
タンジオール及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項23に記載の液状製
剤。
【請求項25】
請求項10、11もしくは14に記載の医薬品、または請求項12に記載の皮膚科製品
または治療薬、または請求項13もしくは15に記載の化粧品の調製のための、請求項2
3または24に記載の液状製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの毛髪もしくは皮膚の機能障害を治療するもしくは予防するための、ま
たは皮膚もしくは毛髪の手入れ用製品としての、糖アルコール、または糖アルコールとテ
トラセルミス(Tetraselmis)抽出物の組み合わせ、または前者のいずれかと
合わせたナイアシンアミドを含む組成物を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来技術であるUS2010143267A1(Symrise)は、とりわけ、たと
えば、フィラグリン及び/またはインボルクリンのような角化膜タンパク質成分のレベル
を刺激するためのテトラセルミス種から得られる抽出物の使用を記載している。抽出物は
、ヘキサン、酢酸エチル、エタノール、水、メタノール、イソプロパノール及びこれらの
抽出剤の2以上の混合物から成る群から選択される液状抽出剤によって50℃以下の温度
にて最大24時間テトラセルミス種、好ましくはテトラセルミス・スエシカ(Tetra
selmis suecica)の凍結乾燥したまたは乾燥させた生細胞を抽出すること
によって得られる。実施例33~40及び41~48によれば、5μg/mLでの連続エ
タノール抽出は生体外ヒト皮膚にてインボルクリン及びまたフィラグリンを増やすために
最も効果的な抽出である。
【0003】
公文書EP2193785A2は、テトラセルミス・スエシカの抽出に関するものであ
り、テトラセルミス・スエシカの抽出物を含む組成物を開示している。本組成物は含まれ
る糖アルコールでこれらの組成物とは異なる。
【0004】
テトラセルミス抽出物を高レベルの糖アルコールと併用する組成物は技術の最先端では
知られておらず、本発明の組成物を用いた局所塗布の皮膚トリートメント特性に影響を有
する。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の課題は皮脂産生を低減するのに好適な新しい作用物質の組成物を
提供することである。
【0006】
本発明によって解決されるべきである別の課題は、ヒトの毛髪及び/または皮膚の機能
障害を治療するまたは予防するための新しい化粧品または皮膚科用の組成物及び製品を得
ること、及び化粧用途及び治療応用のためのこれら組成物の使用であった。
【0007】
本発明に関する課題は以下によってよって解決される:糖アルコールとテトラセルミス
抽出物とを含む組成物であって、その際、糖アルコール総含量は抽出物乾燥重量に基づい
て算出して組成物全体の≧16重量%の量であり、テトラセルミス抽出物は抽出物乾燥重
量に基づいて以下:テトラセルミス抽出物組成物全体の≧10重量%の総ミネラルをさら
に含み、テトラセルミス抽出物組成物全体の≧3重量%の総ガラクトースをさらに含み、
テトラセルミス抽出物組成物全体の≧2重量%の総グルコースをさらに含み、テトラセル
ミス抽出物組成物全体の≧3重量%の総アミノ酸をさらに含み、且つテトラセルミス抽出
物組成物全体の≧2重量%の総窒素をさらに含む。
【0008】
本発明の課題はさらに、糖アルコールとテトラセルミス抽出物の双方を含み、且つナイ
アシンアミドをさらに含む併用組成物によって解決される。
【0009】
本発明はさらに、本発明に係る組成物または併用組成物の0.5~80重量%を構成す
る濃縮物を包含し、その際、濃縮物は0.5~90重量%の水と、0.5~90重量%の
担体と、0.1~5重量%の1以上の保存剤または保存剤システムを含む。重量比率はす
べてテトラセルミス抽出物の乾燥重量に基づいて算出される。
【0010】
特に、本発明はまた、1以上の糖アルコール、好ましくはマンニトール、またはナイア
シンアミドを一緒に伴った1以上の糖アルコール、好ましくはマンニトールの組み合わせ
を含む医薬品または化粧品も包含する。これらの医薬品または化粧品は皮膚疾患の治療に
有用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
驚くべきことに、糖アルコール自体または微細藻類テトラセルミス・スエシカの抽出と
組み合わせた糖アルコールは高度に効率的に皮脂産生を低減することが今や見いだされた
。
【0012】
さらに、驚くべきことに、糖アルコール自体またはテトラセルミス抽出物と組み合わせ
た糖アルコールは細胞間接着に関連する、たとえば、デスモソーム(「機械的」)結合、
密着結合、接着結合及びギャップ結合のような表皮結合及び組織の完全性と同様に隣接細
胞間でのイオン、セカンドメッセンジャー及び小分子代謝物の交換の許可に関与する多数
の遺伝子を強力に上方調節することが見いだされた。
【0013】
さらに、糖アルコール自体またはテトラセルミス抽出と組み合わせた糖アルコールは驚
くべきことに、たとえば、創傷治癒、組織再生及びバリア形成のようなプロセスに関連す
る分化及び再上皮形成に関連する遺伝子を調節する。
【0014】
さらに、我々は驚くべきことに、糖アルコール及びこのうち特に、式(I)で表される
マンニトール自体が皮脂産生を有意に低減することを発見した。
【化1】
【0015】
マンニトール、CAS69-65-8(I)は糖アルコールである。それはソルビトー
ルの異性体であり、今日では通常、デンプンまたはスクロース(一般的な砂糖)から形成
されるフルクトースの水素化によって製造される。糖としてそれは腸管からあまり吸収さ
れないので糖尿病食での甘味料として使用されることが多い。化粧品及び美容製品では、
それは主に保湿剤として使用されるが、担体/希釈剤、結合剤、懸濁剤、マスキング剤、
保湿剤、浸透圧調節物質、親水性抗酸化剤及び/または着香剤(リップクリーム等で)と
して役立つことも見いだされ得る。マンニトールはまた、たとえば、緑内障で見られる高
い眼圧を下げる、及び高い頭蓋内圧を下げる薬物としても使用されている。
【0016】
従って、第1の態様では、本発明は糖アルコールとテトラセルミス抽出物とを含む組成
物に関するものであり、その際、糖アルコール総含量は抽出物乾燥重量に基づいて算出し
て組成物全体の≧16重量%の量であり、テトラセルミス抽出物はさらに、抽出物乾燥重
量に基づいて以下、テトラセルミス抽出物組成物全体の≧10重量%の総ミネラルを含み
、テトラセルミス抽出物組成物全体の≧3重量%の総ガラクトースをさらに含み、テトラ
セルミス抽出物組成物全体の≧2重量%の総グルコースをさらに含み、テトラセルミス抽
出物組成物全体の≧3重量%の総アミノ酸をさらに含み、且つテトラセルミス抽出物組成
物全体の≧2重量%の総窒素をさらに含む。好ましくは、本明細書に記載されているよう
なテトラセルミス抽出物はテトラセルミス・スエシカ抽出物である。
【0017】
テトラセルミスのバイオマスは日光または人工光のもとで光バイオリアクターまたは大
型のポリエチレン製バッグまたはタンクにて培養することによって得ることができる。培
養は室内または戸外で発生し得る。微細藻類のバイオマスが好適な細胞密度に達すると、
遠心分離または沈殿または綿状沈殿または細胞物質の完全性を保つのに好適な他の技法に
よってそれを回収することができる。次いで、回収したバイオマスは新鮮で(生存可能で
)使用される、または、たとえば、凍結乾燥もしくは噴霧乾燥によって乾燥させる、また
は好適な技法によって処理される。抽出用の原料として、今までのところ、未抽出のバイ
オマス、または前の抽出から、もしくは、たとえば、酢酸エチル、ヘキサン、シクロヘキ
サン、アセトン、二酸化炭素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、1-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、もしくは有機溶媒の混合
物のような有機溶媒による処理から生じる残留バイオマスを使用することができる。
【0018】
テトラセルミス抽出物を得る方法は、液状抽出剤でテトラセルミスの細胞を抽出する工
程を含み、その際、抽出は、(a)細胞物質の抽出剤への最大8時間までの曝露と、(b
)抽出物を得るための細胞物質の除去とを含む。
【0019】
テトラセルミス抽出物は好ましくは液状抽出剤でテトラセルミスの細胞を抽出すること
によって得られる。好ましくは、抽出は60℃を超える温度で実施される。テトラセルミ
スの細胞は好ましくは新鮮で(生存可能で)使用される、たとえば、凍結乾燥もしくは噴
霧乾燥によって乾燥させる、または好適な技法によって処理される。
【0020】
抽出に好適な液状抽出剤は、極性溶媒、すなわち、15を上回る誘電率を持つ溶媒であ
る。好ましくは、テトラセルミス・スエシカ細胞の抽出は、2-プロパノン、エタノール
、水、メタノール、イソプロパノール、及びこれら溶媒の2以上の混合物から成る群から
選択される極性溶媒によって実施される。
【0021】
抽出剤のテトラセルミスのマトリクスに対する比は好ましくは80:1~3:1の間で
ある。さらに好ましくは20:1~8:1である。抽出剤が少ないこの相対的に低い比率
は改善された脱色効果につながる。
【0022】
特に好ましい一般的な抽出プロセスは浸軟、再浸軟、温浸、撹拌浸軟、ボルテックス抽
出、超音波抽出、対向流抽出、浸透、再浸透、エバコレーション(減圧抽出)、臨界前の
または超臨界の流体抽出、ジアコレーション、及び連続還流のもとでの固相/液相抽出で
ある。浸透が一層さらに好まれ、有利な規模拡大特性を有することが見いだされた。
【0023】
一部の好ましい場合では、抽出はテトラセルミスのバイオマス細胞物質で2回または3
回実施され、細胞物質を取り除いた後、液状抽出物を合わせる。
【0024】
抽出は、好ましくは60℃を超える温度にて最大8時間まで抽出剤に細胞物質を曝露す
ることによって実施される。0.5~4時間の曝露時間が好ましい。一層さらに好ましい
のは1~3時間の抽出剤への細胞物質の曝露時間である。
【0025】
テトラセルミス細胞の抽出が完了した後、細胞物質を取り除いて抽出物を得る。好まし
くは、抽出物は乾燥させたテトラセルミス抽出物である。この場合、抽出する抽出剤は抽
出された物質から取り除かれる。
【0026】
本発明では、テトラセルミス抽出物は好ましくは、抽出する抽出剤を部分的に、または
好ましくは完全に取り除くことによって得られる乾燥させたテトラセルミス抽出物である
。抽出剤が部分的に取り除かれるのであれば、そのとき残りの抽出剤は0.5~10重量
%の量で抽出物に存在する。
【0027】
最も好ましいのは、本明細書の全体を通して記載されているようなテトラセルミス抽出
物はテトラセルミス・スエシカ抽出物であることである。テトラセルミス・スエシカ藻類
はしばらくの間、イタリアで培養されており、たとえば、オルベテッロ(Orbetel
lo)におけるイタリアの孵化場で培養されていた。さらに、異なる起源のテトラセルミ
ス・スエシカの6つの株がCCAP(藻類及び原虫の培養株保存施設)、たとえば、CC
AP66/4、CCAP66/22A、CCAP66/22B、CCAP66/22C、
CCAP66/22D及びCCAP66/38から入手可能である。しかしながら、テト
ラセルミス・スエシカ藻類の培養株保存施設のような他の供給源を本発明のための生物材
料の潜在的供給源と見なすことができる。
【0028】
得られた抽出物はまた強い濃緑色を示さないが、得られたテトラセルミス抽出物を医学
用及び/または化粧用及び/または他の組成物で適用する際に好ましいベージュ色を示す
(操作実施例1を参照のこと)。
【0029】
さらに、こうして提供されるテトラセルミス抽出物は皮膚の皮脂産生を有意に低減する
ことができる(操作実施例3を参照のこと)。
【0030】
さらに、70℃以上の温度が抽出には好ましい。この温度は得られるテトラセルミス抽
出物の皮脂低減能に有益に影響を及ぼすことが見いだされたが、テトラセルミス抽出物の
好ましい着色も提供した。
【0031】
一層さらに好ましいのは75℃以上の曝露中の温度であり、最も好ましいのは75~9
5℃の範囲である。この温度は、上で指名された着色の利益及び皮脂低減能を提供するだ
けでなく、表皮結合、抗微生物性ペプチド、皮膚における水/グリセロール輸送、と同様
にCOX-2の調節に関与する遺伝子の遺伝子発現に驚くべきことに影響を及ぼす特殊な
テトラセルミス抽出物も提供する。
【0032】
本出願では、上記で且つ本出願の全体を通して示されるように、テトラセルミス抽出物
は好ましくは、抽出する抽出剤を部分的にまたは好ましくは完全に取り除くことによって
得られる乾燥させたテトラセルミス抽出物である。抽出剤が部分的に取り除かれるのであ
れば、そのとき残りの抽出剤は0.5~10重量%の量で抽出物に存在する。
【0033】
場合によっては、乾燥工程を経ていない液状のネイティブ形態でテトラセルミス抽出物
を採用することが好ましい。あるいは、部分的な乾燥の前に、たとえば、グリセリンのよ
うなさらなる物質が添加されてもよい。そのような場合、通常、その中に有効成分を溶解
した水性グリセリン溶媒系が達成される。
【0034】
好ましくは、抽出物は乾燥させたテトラセルミス・スエシカ抽出物であり;この場合、
上記に記載されている方法はさらに、(c)抽出する抽出剤を取り除く工程を含む。
【0035】
80℃及び室温での抽出によって得られたテトラセルミス抽出物の組成を表2にて明記
する。
【0036】
テトラセルミス抽出物、特にテトラセルミス・スエシカ抽出物は皮脂産生を低減するこ
とにおいて高度に効率的であることが見いだされた。これは10~14重量%のマンニト
ールを含む抽出物で特に効果的だった。このことは、そのような抽出物の皮脂低減効果を
記載している操作実施例3によって裏付けられている。好ましくは、抽出物は15~30
重量%の総ミネラルを含んだ。抽出物が7~20重量%の総ガラクトースを含むことも好
ましい。好ましい範囲内でのガラクトースの量はこれによって抽出物の保存可能期間を増
やす。さらに、抽出物が5~13重量%の総グルコースを含有することが好まれ、それも
抽出物の保存可能期間を増やす。さらに、抽出物が少なくとも6重量%の、しかし、16
重量%以下の総アミノ酸を含有することも好ましい。最後に、抽出物が全組成の3~7重
量%の総窒素を含有することが好ましい。
【0037】
本発明の組成物を得る方法の1つは、上記で言及された方法に従って抽出によって得ら
れた液状抽出剤におけるテトラセルミス抽出物質を利用し、組成物全体における糖アルコ
ールの総量が≧16重量%、好ましくは≧18重量%であるような量で液状抽出剤中のテ
トラセルミス抽出物質に糖アルコールを添加することである。それに続いて、乾燥させた
製品を得るために抽出する抽出剤を取り除くことが次いで好ましい。一部の好ましい場合
では、抽出はテトラセルミスのバイオマス細胞物質で2回または3回実施され、糖アルコ
ールのさらなる添加の前に液状抽出物を合わせる。通常、この方法で添加される糖アルコ
ールはマンニトールであることが好ましい。
【0038】
本発明の組成物を得るための別の代替方法は、上記で言及された方法に従って抽出によ
って得られた乾燥させたテトラセルミス・スエシカ抽出物を利用し、組成物全体における
糖アルコールの総量が≧16重量%、好ましくは≧18重量%であるように、乾燥させた
テトラセルミス抽出物に糖アルコールを添加することである。通常、この方法で添加され
る糖アルコールはマンニトールであることが好ましい。
【0039】
好ましくは、本発明の組成物におけるテトラセルミス抽出物は10~14重量%のマン
ニトールと15~30重量%の総ミネラルを含む。抽出物が7~20重量%の総ガラクト
ース、さらに好ましくは8重量%を超える総ガラクトースを含むことも好ましい。好まし
い範囲内のガラクトースの量はこれによって抽出物の保存可能期間を増やす。さらに、抽
出物が5~13重量%の総グルコース、さらに好ましくは4重量%を超える総グルコース
を含有することが好ましい。さらに、抽出物が少なくとも6重量%の、しかし、16重量
%以下の総アミノ酸を含有することも好ましい。最後に、抽出物が全組成の3~7重量%
の総窒素を含有することが好ましい。
【0040】
好ましくは、テトラセルミス抽出物は、抽出物の乾燥重量に基づいて全組成の6~12
重量%の、一層さらに好ましくは、全組成の8~11重量%の遊離ガラクトースと結合ガ
ラクトースの合計であるガラクトース総含量を有する。これはまた、テトラセルミス・ス
エシカ抽出物に基づいた化粧品及び薬物の改善された皮膚水和特性につながる。
【0041】
好ましくは、テトラセルミス抽出物は、抽出物の乾燥重量に基づいて全組成の4~10
重量%の、一層さらに好ましくは全組成の6~9重量%の間の遊離グルコースと結合グル
コースの合計であるグルコース総含量を有する。これはまた、テトラセルミス・スエシカ
抽出物に基づいた化粧品及び薬物の改善された皮膚水和特性につながる。
【0042】
好ましくは、テトラセルミス抽出物は、抽出物の乾燥重量に基づいて全組成の0.1~
1.5重量%、一層さらに好ましくは全組成の0.6~1.0重量%の間の遊離アルギニ
ンと結合アルギニンの合計であるアルギニン総含量を有する。
【0043】
好ましくは、テトラセルミス抽出物は、抽出物の乾燥重量に基づいて全組成の0.1~
1.0重量%、一層さらに好ましくは全組成の0.3~0.5重量%の間の遊離アスパラ
ギンと結合アスパラギンの合計であるアスパラギン総含量を有する。
【0044】
好ましくは、テトラセルミス抽出物は、抽出物の乾燥重量に基づいて全組成の0.8重
量%未満の、一層さらに好ましくは全組成の0.2~0.3重量%の間の遊離アスパラギ
ン酸と結合アスパラギン酸の合計であるアスパラギン酸総含量を有する。
【0045】
好ましくは、テトラセルミス抽出物は、抽出物の乾燥重量に基づいて全組成の1.5重
量%未満の、一層さらに好ましくは全組成の0.4~0.6重量%の間の遊離オルニチン
と結合オルニチンの合計であるオルニチン総含量を有する。
【0046】
好ましくは、テトラセルミス抽出物はテトラセルミス・スエシカ抽出物である。
【0047】
糖アルコールは単糖類におけるカルボニル基のヒドロキシル基への還元から生じるポリ
アルコールである。二糖類に由来する糖アルコールは還元にたった1つのアルデヒド基し
か利用できないので全体的に水素化されるわけではない。
【0048】
第1の態様の好ましい第1の変形では、糖アルコールはC4、C5、C6またはC7の
糖アルコールまたは二糖類糖アルコールの1以上から選択される。
【0049】
第1の態様の第1の変形に係る糖アルコールと相乗的に組み合わせたテトラセルミス・
スエシカ抽出物はこれによって特に顕著な皮脂低減効果を有することが判明している。
【0050】
第1の態様の好ましい第2の変形では、糖アルコールは、スレイトール(C4糖アルコ
ール)、エリスリトール(C4糖アルコール)、リビトール(C5糖アルコール)、アラ
ビトール(C5糖アルコール)、キシリトール(C5糖アルコール)、ソルビトール(C
6糖アルコール)、マンニトール(C6糖アルコール)、デュルシトール(ガラクチトー
ルl)(C6糖アルコール)、フシトール(C6糖アルコール)、イジトール(C6糖ア
ルコール)、イノシトール(環状C6糖アルコール)、ボレミトール(C7糖アルコール
)、ラクチトール(4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルシトール;C12二
糖類糖アルコール)、マルチトール(4-O-α-グルコピラノシル-D-ソルビトール
;C12二糖類糖アルコール)及びそれらの関連するエナンチオマーの1以上から選択さ
れる。
【0051】
第2の変形のさらに好ましい変形では、糖アルコールはスレイトール、エリスリトール
、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、ラクチトール及びマルチ
トールの1以上から選択され、最も好ましくは糖アルコールはマンニトールである。
【0052】
第1の態様のこの変形に係る糖アルコールはこれによってマンニトールは別として、特
にスレイトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、イノシトール、ラクチ
トール及びマルチトールは高い皮脂低減効果を有することが判明している。
【0053】
本発明の組成物に糖アルコールを添加することによって、組成物における糖アルコール
総含量は組成物に存在するテトラセルミス抽出物の天然の糖アルコール含量を超える。
【0054】
その結果、本発明のこうして得られた組成物では、抽出物の乾燥重量に基づいた糖アル
コール総含量のテトラセルミス抽出物における糖アルコール含量に対する比は≧1.1:
1、好ましくは≧1.3:1、一層さらに好ましくは≧1.5:1である。
【0055】
追加の糖アルコールとの相乗的な組み合わせでのテトラセルミス抽出物は皮脂産生を低
減することにおいて高度に効率的であることが見いだされた。これは、全組成の16重量
%以上、一層さらに好ましくは全組成の18重量%以上、最も好ましくは全組成の25重
量%以上で糖アルコール、好ましくはマンニトールを含む組成物について特に効果的だっ
た。このことはそのような抽出物の皮脂低減効果を記載している操作実施例2によって裏
付けられている。
【0056】
ニコチンアミドとしても知られる式(II)で表されるナイアシンアミドはビタミンB
ファミリー、特にビタミンB3複合体における水溶性ビタミンであり、食物で見いだされ
、栄養補助食品及び肌や毛髪の手入れにおける化粧品成分として使用されている。
【化2】
【0057】
それは既知の皮脂低減剤(Z.D.Draelos,et al.,J.Cosmet
.Laser Ther.2006,8(2),96-101)、強力な抗炎症剤及び抗
ニキビ剤(F.M.Walocko,et al.,Dermatol.Ther.20
17,30(5).doi:10.1111/dth.12481)である。ニコチンア
ミドもまた生体内で表皮透過性バリアを改善する。
【0058】
本発明によれば、本発明の第2の態様は、本明細書に記載されている本発明に係る糖ア
ルコールとテトラセルミス抽出物の双方を含み、さらにナイアシンアミドを含む併用組成
物である。好ましくは、本明細書に記載されているようなテトラセルミス抽出物はテトラ
セルミス・スエシカ抽出物である。
【0059】
ナイアシンアミドと併用した糖アルコールとテトラセルミス抽出物が特に良好な皮脂低
減活性を示すことは予測できなかった。驚くべきことに、本発明のテトラセルミス抽出物
を一緒に伴った糖アルコールとナイアシンアミドとは皮脂腺における総脂質含量、すなわ
ち、皮脂レベルを高度に相乗的に低減することが見いだされた。糖アルコール及びテトラ
セルミス抽出物のナイアシンアミドとの併用の増強効果は予想外である。
【0060】
特に効果的だったのは、糖アルコール及びテトラセルミス抽出物のナイアシンアミドに
対する重量比の範囲が1:10000~1:1、好ましくは1:2500~1:1、さら
に好ましくは1:500~1:10、最も好ましくは1:400~1:300である組成
物における併用だった。併用はすべて抽出物の乾燥重量に基づいて算出される。
【0061】
好ましいのは、1以上の糖アルコールとテトラセルミス抽出物とナイアシンアミドとか
ら成るまたはそれらを含む皮脂低減組成物であり、その際、最終(肌の手入れ)製品の総
重量に基づいて、併用される糖アルコールとテトラセルミス抽出物は0.01~3重量%
、好ましくは0.1~1重量%の量で使用され、ナイアシンアミドは0.5~5重量%、
好ましくは1~2重量%の量で使用され、それらは抽出物の乾燥重量に基づいて算出され
る。
【0062】
この方法で調整した製剤における糖アルコールとテトラセルミス抽出物とナイアシンア
ミドの量は相乗的に増強された皮脂低減能を有することが見いだされた。
【0063】
さらに、糖アルコールとテトラセルミス抽出物(好ましくはテトラセルミス・スエシカ
)は濃縮物の形態で使用することができる。好ましくは、本発明の第3の態様によれば、
前記濃縮物は、抽出物の乾燥重量に基づいて算出された0.5~80重量%の第1の態様
に係る組成物または第2の態様に係る併用組成物と、0.5~90重量%の水と、0.5
~90重量%の担体と、任意で0.1~5重量%の1以上の保存剤または保存剤システム
とを含む。
【0064】
さらに好ましいのは、0.5~30重量%の、上記に記載されているような糖アルコー
ルとテトラセルミス抽出物または併用組成物の含量である。さらに、10~80重量%の
水の含量はさらに好ましく採用される。さらに、15~70重量%の担体の含量が好まし
い。
【0065】
好ましくは、上記の濃縮物はさらに0.1~5重量%の1以上の保存剤または保存剤シ
ステムを含む。別の好ましい形態では、濃縮物は安定剤も含む。
【0066】
一層さらに好ましいのは、この量の保存剤または保存剤システムまたは安定剤が調製さ
れる濃縮物の皮脂除去能のような有益な特徴に否定的な影響を及ぼすことなく、第3の態
様に記載されているような抽出液濃縮物の保存可能期間に対してプラスに影響を及ぼすこ
とが見いだされたので、0.5~2重量%の1以上の保存剤または保存剤システムまたは
安定剤の使用である。
【0067】
各成分の量はそれが化粧品規制76/768EEC及びEU規制95/17ECに準拠
するように選択される。好ましくは、保存剤は化粧品規制76/768EECの付属書6
パートA及びBで列挙されたクラス及び化合物に従って採用される。さらに特定の好まし
い保存剤は安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、乳酸、ソルビン酸カリウム、フ
ェノキシエタノール、またはそれらの組み合わせである。乳酸が好ましい。最も好ましい
のはソルビン酸である。保存剤ブースターは好ましくは、ヒドロキシアセトフェノン、1
,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオールまたは
それらの組み合わせである。しかしながら、1,2-ペンタンジオールは二次液状担体と
してもさらに多い量で使用されてもよい。
【0068】
糖アルコールとテトラセルミス抽出物(好ましくはテトラセルミス・スエシカ)を含む
、本発明の第3の態様に係る濃縮物では、抽出物の乾燥重量に基づいた糖アルコール総含
量のテトラセルミス抽出物における糖アルコール含量に対する比は≧1.1:1、さらに
好ましくは≧1.3:1、一層さらに好ましくは≧1.5:1である。元々抽出物に由来
する糖アルコールは抽出物の乾燥重量に基づいてたった約11重量%であってもよい。し
かしながら、本発明については、16重量%以上の組成物における高い糖アルコール含量
が好ましい。これを達成するために糖アルコールが組成物に添加される。その後、組成物
が希釈されても、または液状濃縮物もしくは固形濃縮物に濃縮されても、組成物または濃
縮物のいずれかにおける総糖アルコールは抽出物だけに由来するよりも高いであろう。し
たがって、糖アルコール総含量の抽出物由来のネイティブ糖アルコールに対する比は常に
1:1より大きい。したがって、上記の比は添加した糖アルコールと抽出物由来のネイテ
ィブ糖アルコールを区別して糖アルコール総含量が得られる。
【0069】
さらに好ましくは、上記濃縮物は液状濃縮物または固形濃縮物のいずれかである。濃縮
物が液状濃縮物であれば、それは1~70重量%の水、さらに好ましくは30~60重量
%の水を有利に含む。
【0070】
さらに好ましくは、濃縮物は、
(a)0.5~20重量%の、好ましくは0.5~10重量%の本発明に係る組成物また
は併用組成物と、
(b)1~70重量%の水と、
(c)0.5~85重量%の液状担体、好ましくはグリセリンと、
(d)任意で0.1~5重量%の1以上の保存剤または保存剤システムとを含む液状濃縮
物である。重量比はテトラセルミス抽出物の乾燥重量に基づいて算出される。
【0071】
濃縮物が、
(a)0.5~20重量%(好ましくは0.5~10重量%)の本発明に係る組成物また
は併用組成物と、
(b)40~65重量%の水と
(c)25~55重量%のグリセリンと
(d)0.1~1重量%のソルビン酸カリウムと
(e)0.1~1重量%の安息香酸ナトリウムと、
(f)0.1~5重量%の乳酸とを含む液状濃縮物である場合、それは特に好ましい。
重量比はテトラセルミス抽出物の乾燥重量に基づいて算出される。
【0072】
糖アルコールとテトラセルミス抽出物(好ましくはテトラセルミス・スエシカ)とを含
む液状濃縮物では、抽出物の乾燥重量に基づく糖アルコール総含量のテトラセルミス抽出
物における糖アルコール含量に対する比は≧1.1:1、さらに好ましくは≧1.3:1
、一層さらに好ましくは≧1.5:1である。
【0073】
液状濃縮物は好ましくは、抽出及び抽出溶液からのバイオマスの分離の後、抽出剤の部
分的なまたは完全な除去、及び、たとえば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレ
ングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサ
ンジオール、好ましくはグリセリン、またはこれらの2以上の混合物のような液状担体の
任意の添加、及び保存剤または保存剤システムの任意の添加によって製造される。そのよ
うなシステムは任意で0.1~5重量%の保存剤を含むことができる。
【0074】
好ましいのはまた、濃縮物が、
(a)1~30重量%の(好ましくは1~10重量%の)本発明に係る組成物または併用
組成物と、
(b)0.5~8重量%の水と
(c)50~98重量%の固形担体、好ましくはマルトデキストリンとを含む固形濃縮物
であることである。重量比はテトラセルミス抽出物の乾燥重量に基づいて算出される。
【0075】
糖アルコールとテトラセルミス抽出物(好ましくはテトラセルミス・スエシカ)とを含
む固形濃縮物では、抽出物の乾燥重量に基づく糖アルコール総含量のテトラセルミス抽出
物における糖アルコール含量に対する比は≧1.1:1、さらに好ましくは≧1.3:1
、一層さらに好ましくは≧1.5:1である。
【0076】
別の好ましい形態では、この固形濃縮物は保存剤または保存剤システムを含む。
【0077】
固形濃縮物は、抽出剤の前もっての部分的除去の有無にかかわらず、抽出及び抽出溶液
由来のバイオマスの分離の後、及びたとえば、マルトデキストリン、デキストリンまたは
シクロデキストリンのような修飾デンプン、ラクトース、修飾セルロース、キサンタンガ
ム、ゲランガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、トラガカントガムまたはロー
カストビーンガムのようなガム、二酸化珪素、好ましくはマルトデキストリンまたはこれ
らの2以上の混合物のような固形担体の任意の添加の後、たとえば噴霧乾燥、凍結乾燥ま
たは真空乾燥のような好適なプロセスを用いた乾燥によって、有益に製造される。
【0078】
上記の液状または固形の濃縮物は、最終製品の0.0001~10重量%、好ましくは
0.001~5重量%、最も好ましくは0.005~3重量%の量にて皮膚及び毛髪の手
入れ及び洗浄のための化粧品及び/または皮膚科製品及び/または医薬品で採用すること
ができる。
【0079】
これらの液状または固形の濃縮物は良好な貯蔵特性を示し、取り扱い易く、投与
し易く及び製剤化し易いことが見いだされた。
【0080】
さらなる本発明の第4の態様では、特に好ましいのは、皮膚に関連する疾患及び病状を
治療するための薬物として使用される、第1の態様に係る組成物または第2の態様に係る
併用組成物または第3の発明態様に係る濃縮物を含む医薬組成物である。
【0081】
第4の態様の好ましい第1の変形では、医薬組成物の糖アルコールは、スレイトール(
C4糖アルコール)、エリスリトール(C4糖アルコール)、リビトール(C5糖アルコ
ール)、アラビトール(C5糖アルコール)、キシリトール(C5糖アルコール)、ソル
ビトール(C6糖アルコール)、マンニトール(C6糖アルコール)、デュルシトール(
ガラクチトールl)(C6糖アルコール)、フシトール(C6糖アルコール)、イジトー
ル(C6糖アルコール)、イノシトール(環状C6糖アルコール)、ボレミトール(C7
糖アルコール)、ラクチトール(4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルシトー
ル;C12二糖類糖アルコール)、マルチトール(4-O-α-グルコピラノシル-D-
ソルビトール;C12二糖類糖アルコール)及びそれらの関連するエナンチオマーの1以
上から、好ましくはスレイトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マン
ニトール、イノシトール、ラクチトール及びマルチトールの1以上から選択され、最も好
ましくはマンニトールから選択される。
【0082】
第4の態様の好ましい変形では、医薬組成物における糖アルコール、好ましくはマンニ
トールは医薬組成物全体の0.0001~5重量%、好ましくは0.005~3重量%の
量である。
【0083】
特に好ましいのは、ヒトの毛髪及び/または皮膚の機能障害、脂漏性皮膚炎(脂漏症)
、尋常性座瘡、創傷治癒、組織再生、炎症後過剰色素沈着、炎症関連疾患、フケ、または
癜風を治療するまたは予防するための薬物として使用される本明細書に記載されているよ
うな医薬組成物である。癜風の治療は好ましくはマラセチア菌(Malassezia)
を減らすことによって達成される。
【0084】
これによって、今の第4の態様により記載されているような医薬組成物はヒトの毛髪及
び/または皮膚の機能障害、炎症関連疾患、座瘡及びフケを治療するまたは予防するため
の薬物として使用されることがさらに好まれ、医薬組成物が前に記載された態様に係る糖
アルコールまたは糖アルコールとナイアシンアミドとの組み合わせであることが最も好ま
しい。
【0085】
興味深いことに、医薬組成物、さらに好ましくは本発明の第1の発明態様に係る組成物
または本発明の第2の発明態様に係る併用組成物は、ヒトの毛髪及び/または皮膚の機能
障害、炎症関連疾患、座瘡及びフケを治療するまたは予防するための薬物として使用され
る場合、特に効果的である。
【0086】
さらに、特に好ましいのは、ヒトの毛髪及び/または皮膚の機能障害、脂漏性皮膚炎(
脂漏症)、尋常性座瘡、創傷治癒、組織再生、炎症後過剰色素沈着、炎症関連疾患、フケ
、または癜風を治療するまたは予防するための薬物として使用される、本発明によって記
載されているような併用組成物である。癜風の治療は好ましくはマラセチア菌(Mala
ssezia)を減らすことによって達成される。
【0087】
一層さらに好ましいのは、ヒトの毛髪及び/または皮膚の機能障害、尋常性座瘡または
脂漏性皮膚炎を治療するまたは予防するための薬物としての本発明の第3の態様に係る濃
縮物の使用であり、テトラセルミス抽出物が前に記載された態様に係るテトラセルミス・
スエシカから得られる抽出物であることが最も好ましい。
【0088】
第5の態様では、特に好ましいのは、1以上の糖アルコール、好ましくはマンニトール
、または1以上の糖アルコールとナイアシンアミドとの組み合わせを含む医薬品である。
【0089】
第5の態様の好ましい変形では、糖アルコールはC4、C5、C6、C7の糖アルコー
ル及び二糖類糖アルコールの1以上から選択される。
第5の態様の好ましい第2の変形では、糖アルコールはスレイトール(C4糖アルコール
)、エリスリトール(C4糖アルコール)、リビトール(C5糖アルコール)、アラビト
ール(C5糖アルコール)、キシリトール(C5糖アルコール)、ソルビトール(C6糖
アルコール)、マンニトール(C6糖アルコール)、デュルシトール(ガラクチトールl
)(C6糖アルコール)、フシトール(C6糖アルコール)、イジトール(C6糖アルコ
ール)、イノシトール(環状C6糖アルコール)、ボレミトール(C7糖アルコール)、
ラクチトール(4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルシトール;C12二糖類
糖アルコール)、マルチトール(4-O-α-グルコピラノシル-D-ソルビトール;C
12二糖類糖アルコール)及びそれらの関連するエナンチオマーの1以上から選択される
。
【0090】
第2の変形のさらに好ましい変形では、糖アルコールはスレイトール、エリスリトール
、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、ラクチトール及びマルチ
トールの1以上から選択され、最も好ましくは糖アルコールはマンニトールである。
【0091】
第5の態様に係る糖アルコールはこれによって特に顕著な皮脂低減効果を有することが
判明している(操作実施例6及び7を参照のこと)。さらに、糖アルコールはその皮脂低
減効果にもかかわらず、その保水容量によって表皮の皮膚水和を高めると考えられている
。さらに、マンニトールは皮脂低減能の上で指名された利益を提供する(操作実施例4を
参照のこと)だけでなく、表皮結合、抗微生物性ペプチド、皮膚における水/グリセロー
ル輸送、と同様にCOX-2の調節に関与する遺伝子の遺伝子発現にも驚くべきことに影
響を及ぼす(操作実施例5を参照のこと)。上で指名された効果に加えて、第5の態様に
係る糖アルコールは組成物の保存可能期間及び適合性を改善する。
【0092】
本発明によれば、第5の態様の第3の変形は、特に上記に記載されているような1以上
の糖アルコールとナイアシンアミドとの組み合わせである。ナイアシンアミドとのこの組
み合わせは皮膚水和を増強し、皮膚の保湿に特に好適である。
【0093】
ナイアシンアミドと組み合わせた糖アルコールが特に効果的な皮脂低減活性を示すこと
は予測できなかった。驚くべきことに、糖アルコールとナイアシンアミドは組み合わせて
皮脂腺の総脂質含量、すなわち、皮脂レベルを高度に相乗的に低減することが我々の実験
によって見いだされた(操作実施例8を参照のこと)。1以上の糖アルコールとナイアシ
ンアミドの組み合わせの増強効果は予想外である。
【0094】
特に効果的なのは組成物における組み合わせであったが、その際、糖アルコール、好ま
しくはマンニトールのナイアシンアミドに対する重量比の範囲は1:10000~1:1
、好ましくは1:2500~1:1、さらに好ましくは1:500~1:10、最も好ま
しくは1:400~1:300である。あるいは、糖アルコール成分のナイアシンアミド
に関する医薬組成物における重量比の範囲は1:100~1:1、好ましくは1:50~
1:1である。
【0095】
この方法で調整した製剤における1以上の糖アルコール、特にマンニトールを伴った糖
アルコール成分と同時にナイアシンアミドの量は相乗的な皮脂低減能を有することが見い
だされた。
【0096】
特に好ましいのは、ヒトの毛髪及び/または皮膚の機能障害、脂漏性皮膚炎(脂漏症)
、尋常性座瘡、創傷治癒、組織再生、炎症後過剰色素沈着、炎症関連疾患、フケ、または
癜風を治療するまたは予防するための薬物として使用される、本明細書に記載されている
ような医薬品である。癜風の治療は好ましくはマラセチア菌(Malassezia)を
減らすことによって達成される。
【0097】
これによって、今の第5の態様によって記載されているような医薬品はヒトの毛髪及び
/または皮膚の機能障害、炎症関連疾患、座瘡及びフケを治療するまたは予防するための
薬物として使用されることがさらに好まれ、医薬品が前に記載された態様に係る糖アルコ
ールまたは糖アルコールとナイアシンアミドとの組み合わせを含むことが最も好ましい。
【0098】
驚くべきことに、前の発明態様によって記載されているようなナイアシンアミドと1以
上の糖アルコールとの組み合わせは、特に含有される糖アルコールが本発明の第1または
第2の変形に係るものである場合、ヒトの毛髪及び/または皮膚の機能障害、尋常性座瘡
または脂漏性皮膚炎を治療するまたは予防するための薬物として使用されると特に効果的
である。
【0099】
第4または第5の態様の別の好ましい変形では、本発明に係る医薬組成物もしくは医薬
品または医薬品における糖アルコール、好ましくはマンニトールの量は医薬組成物全体ま
たは医薬品全体の0.0001~5重量%、好ましくは0.005~3重量%である。
【0100】
好ましいのは、ナイアシンアミドと組み合わせた1以上の糖アルコールから成るまたは
それを含む、皮脂を低減する医薬品であり、その際、糖アルコールとナイアシンアミドと
の組み合わせは最終製品の総重量に基づいて0.5~5重量%の量で使用される。
【0101】
さらに、第4の態様に係る医薬組成物におけるナイアシンアミドの重量比の範囲または
第5の態様に係る医薬品におけるナイアシンアミドの重量比の範囲は、ヒトの毛髪及び/
または皮膚の機能障害、脂漏性皮膚炎(脂漏症)、尋常性座瘡、創傷治癒、組織再生、炎
症後過剰色素沈着、炎症関連疾患、フケ、または癜風を治療するまたは予防するための薬
物として使用が特に好ましい医薬組成物全体または医薬品全体にて0.0001~5重量
%、好ましくは0.005~3重量%である。癜風の治療は好ましくはマラセチア菌(M
alassezia)を減らすことによって達成される。
【0102】
本発明の前の発明態様に記載されているような糖アルコールは、ヒトの毛髪及び/また
は皮膚の機能障害、炎症関連疾患、または座瘡を治療するまたは予防するための薬物とし
て使用されると効果的であることが見いだされている。これによって、第4の態様の第2
の変形に係る糖アルコールがヒトの毛髪及び/または皮膚の機能障害、炎症関連疾患、ま
たは座瘡を治療するまたは予防するための薬物として使用されることが高度に好ましい。
【0103】
さらに、本発明は、皮膚疾患を治療するのに使用するための、本発明に係る医薬組成物
または医薬品と任意で補助物質とを含む皮膚科製品または治療薬を記載している。
【0104】
製剤はまた製剤の総重量に基づいて最大99重量%までの、好ましくは5~80重量%
の量で水を含有することもできる。これによって、本発明に係る製剤が、たとえば、W/
O(油中水)エマルション、O/W(水中油)エマルション、W/O/W(水中油中水)
エマルション、O/W/O(油中水中油)エマルションであることが一層さらに好ましい
。
【0105】
補助物質及び添加剤は製剤の総重量に基づいて0.1~99重量%、好ましくは1~9
0重量%、好ましくは60~80重量%の量で含められ得る。
【0106】
補助物質及び/または添加剤が冷却剤、成膜物質、抗酸化剤、ビタミン類、2-ヒドロ
キシカルボン酸、皮膚着色剤、皮膚保湿物質、脂肪/脂肪酸、蝋状物質または化粧品製剤
もしくは皮膚科製剤の従来の構成成分、たとえば、アルコール、ポリオール、ポリマー、
泡状安定剤、電解物質、有機溶媒、シリコーン誘導体またはキレート剤、芳香剤、発泡を
防ぐ物質、染料、着色作用を有する顔料、増粘剤、表面活性物質、乳化剤、植物の一部及
び植物抽出物、動物抽出物、プロポリス、タンパク質、タンパク質加水分解物及び酵母抽
出物の群の1以上から選択されることが好ましい。
【0107】
これによって、成膜物質が、たとえば、ポリビニルピロリドンまたはキトサンまたはそ
の誘導体から選択されること、
ビタミン類が、たとえば、ビタミンC及び誘導体、トコフェロール及び誘導体、ビタミン
A及び誘導体から選択されること、
2-ヒドロキシカルボン酸が、たとえば、クエン酸、リンゴ酸、L-、D-またはdl-
乳酸から選択されること、
皮膚着色剤がクルミ抽出物またはジヒドロキシアセトンから選択されること、
皮膚保湿剤が、たとえば、グリセロールまたは尿素から選択されること、
脂肪酸が、モノ不飽和またはポリ不飽和脂肪酸またはα-ヒドロキシ酸またはポリヒドロ
キシ脂肪酸またはそれらの誘導体、たとえば、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレ
ン酸またはアラキドン酸及びそれらの天然のまたは合成のエステルのいずれかから、また
はそれらの亜群の組み合わせから選択されること、
キレート剤が、たとえば、エチレンジアミン四酢酸及び誘導体から選択されること、
増粘剤が、二酸化珪素、珪酸アルミニウム、たとえば、ベントナイト、多糖類またはその
誘導体、たとえば、ヒアルリン酸、グアーガム、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースまたはアルロース誘導体、特に有利にはポリアクリレート、たとえば、カ
ルボポールまたはポリウレタンから選択されること、
植物の一部及び植物抽出物が、たとえば、アルニカ、アロエ、サルオガセ、ツタ、イラク
サ、チョウセンニンジン、ヘナ、カモミール、マリーゴールド、ローズマリー、セージ、
ツクシ、カラスムギ、ショウガ、ホップ、コムギまたはタイムのいずれかから、またはそ
れらの組み合わせから選択されることは、前記化合物群が補助物質及び/または添加剤と
して採用される場合、特に好ましい。
【0108】
さらなる第6の発明態様では、我々は、本発明に係る組成物または併用組成物または1
以上の糖アルコール、好ましくはマンニトール、1以上の糖アルコールとナイアシンアミ
ドとの組み合わせを含む化粧品を含む化粧品組成物を提示する。特に好ましいのは、本発
明に係る組成物または併用組成物または濃縮物または化粧品と、任意で補助物質及び/ま
たは香料とを含む化粧品組成物であり、その際、化粧品組成物または化粧品はヒトの皮膚
及び/または毛髪の手入れ用の製品である。
【0109】
第6の態様の好ましい第1の変形では、糖アルコールはC4、C5、C6、C7の糖ア
ルコール及び二糖類糖アルコールから選択される。
【0110】
第6の態様の第1の変形に係る糖アルコールはこれによって特に顕著な皮脂低減効果を
有することが判明している。
【0111】
第6の態様の好ましい第2の変形では、糖アルコールは、スレイトール(C4糖アルコ
ール)、エリスリトール(C4糖アルコール)、リビトール(C5糖アルコール)、アラ
ビトール(C5糖アルコール)、キシリトール(C5糖アルコール)、ソルビトール(C
6糖アルコール)、マンニトール(C6糖アルコール)、デュルシトール(ガラクチトー
ルl)(C6糖アルコール)、フシトール(C6糖アルコール)、イジトール(C6糖ア
ルコール)、イノシトール(環状C6糖アルコール)、ボレミトール(C7糖アルコール
)、ラクチトール(4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルシトール;C12二
糖類糖アルコール)、マルチトール(4-O-α-グルコピラノシル-D-ソルビトール
;C12二糖類糖アルコール)及びそれらの関連するエナンチオマーの1以上から選択さ
れる。
【0112】
第2の変形のさらに好ましい変形では、糖アルコールはスレイトール、エリスリトール
、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、ラクチトール及びマルチ
トールの1以上から選択され、最も好ましくは糖アルコールはマンニトールである。
【0113】
第6の態様の第2の変形に係る糖アルコールは強力な皮脂低減効果を有する。
【0114】
本発明によれば、第6の態様の第3の変形は1以上の糖アルコールとナイアシンアミド
との組み合わせである。ナイアシンアミドとのこの組み合わせは増強された皮膚水和を有
し、皮膚の保湿に特に好適である。
【0115】
ナイアシンアミドと組み合わせた糖アルコールが特に良好な皮脂低減活性を示すことは
予測できなかった。驚くべきことに、糖アルコール、特にソルビトール及びマンニトール
とナイアシンアミドとは皮脂腺の総脂質含量、すなわち、皮脂レベルを高度に相乗的に低
減することが我々の実験によって見いだされた(操作実施例8を参照のこと)。糖アルコ
ールとナイアシンアミドとの組み合わせの増強効果は予想外である。
【0116】
特に効果的なのは、糖アルコールのナイアシンアミドに対する重量比の範囲が1:10
000~1:1、好ましくは1:2500~1:1、さらに好ましくは1:500~1:
10、最も好ましくは1:400~1:300である組成物における組み合わせだった。
あるいは、医薬組成物または化粧品組成物における糖アルコールのナイアシンアミドに関
する重量比の範囲は1:100~1:1、好ましくは1:50~1:1である。
【0117】
この方法で調整した製剤における糖アルコールとナイアシンアミドの量は相乗的な皮脂
低減能を有することが見いだされた。
【0118】
好ましいのは、糖アルコールとナイアシンアミドとから成るまたはそれらを含む皮脂を
低減する化粧品であり、その際、糖アルコールとナイアシンアミドとの組み合わせは最終
的な化粧(肌の手入れ)品の総重量に基づいて0.1~5重量%の量で使用される。
【0119】
さらに好ましいのは、本発明に従って前に言及されたような皮膚科製品または治療薬で
あり、その際、製品における組成物、併用組成物または濃縮物の量は0.0001~10
重量%、好ましくは0.005~3重量%であり、または糖アルコール、好ましくはマン
ニトールの量は皮膚科製品全体または治療薬全体の0.0001~5重量%、好ましくは
0.005~3重量%である。
【0120】
好ましいのはまた、本発明に係る化粧品組成物または化粧品であり、その際、製品にお
ける化粧品組成物または化粧品の量は0.0001~10重量%、好ましくは0.005
~3重量%であり、または糖アルコール、好ましくはマンニトールの量は化粧品組成物全
体または化粧品全体の0.0001~5重量%、好ましくは0.005~3重量%である
。
【0121】
さらに、前に言及されたような皮膚科製品または治療薬または本発明に係る化粧品組成
物または化粧品では、製品における組成物、併用組成物、濃縮物、化粧品組成物または化
粧品の量は皮膚科製品または治療薬または化粧品組成物または化粧品の全体の0.000
1~ppm、好ましくは0.005~3ppmである。さらに、有効性のさらに低い範囲
では、糖アルコール、好ましくはマンニトールの量は皮膚科製品または治療薬または化粧
品組成物または化粧品の全体の0.0001~5ppm、好ましくは0.005~3pp
m以上である。
【0122】
別の好ましい変形では、本発明は、皮膚及び/または毛髪を手入れする、洗浄するまた
は保護することでの適用のための、本発明に係る化粧品組成物または化粧品の非治療上の
または化粧上の使用に言及する。
【0123】
好ましくは、本発明に係る化粧品組成物または化粧品は、皮膚及び/または毛髪の治療
、保護、手入れ及び洗浄のための、または化粧製品としての、着けたまま製品もしくは洗
い流し製品としての、最も好ましくは着けたまま製品としての製品の群から選択される。
【0124】
本発明に係る製剤は好ましくはエマルションの形態である。
【0125】
これによって、本発明に係る製剤は、たとえば、W/O(油中水)エマルション、O/
W(水中油)エマルション、W/O/W(水中油中水)エマルション、O/W/O(油中
水中油)エマルション、PITエマルション、Pickeringエマルション、油含量
の低いエマルション、マイクロエマルションまたはナノエマルション、たとえば、製造方
法及び成分に依存した油(脂肪油または脂肪酸エステル、特にC6~C32-脂肪酸、C
2~C30-エステルまたはシリコーン油)における溶液、分散液、懸濁液、クリーム、
ローションまたはミルク、ゲル(ヒドロゲル、ハイドロ分散ゲル、オレオゲルを含む)、
スプレー(たとえば、ポンプスプレーまたは高圧ガスによるスプレー)または化粧拭き取
りのための泡状物または浸漬溶液、界面活性剤、たとえば、石鹸、合成界面活性剤、液状
洗浄剤、シャワー及び風呂の調製物、風呂製品(カプセル、油、錠剤、塩、バスソルト、
石鹸、等)、発泡性製剤、肌の手入れの製品、たとえば、エマルション(上記に記載され
ているような)、軟膏、ペースト、ゲル(上記に記載されているような)、油、バルサム
、血清、粉末(たとえば、顔面粉末、身体粉末)、トニック、マスク、ペン、スティック
、ロールオン、ポンプ、エアゾール(発泡性、非発泡性または発泡後)、脱臭剤及び/ま
たは制汗剤、口内洗浄液及び洗口液、足の手入れ製品(角質溶解剤、脱臭剤を含む)、防
虫剤、日焼け止め、日焼け後製剤、髭剃り製品、髭剃り後バルム、髭剃り前及び髭剃り後
のローション、脱毛剤、毛髪の手入れ製品、たとえば、シャンプー(2成分入りシャンプ
ー、フケ防止シャンプー、ベビーシャンプー、頭皮用シャンプー、濃縮シャンプーを含む
)、コンディショナー、ヘアトニック、ヘアウォーター、ヘアリンス、スタイリングクリ
ーム、ポマード、パーマ及びセット用のローション、ヘアスプレー、スタイリング助剤(
たとえば、ジェルまたはワックス)、ヘアスムージング剤(もつれた髪をほぐす作用剤、
縮毛矯正剤)、毛髪染料、たとえば、一時的に直接染める毛髪染料、半永続的な毛髪染料
、永続的な毛髪染料、ヘアコンディショナー、ヘアムース、眼の手入れ製品、化粧品、化
粧除去剤またはベビー製品であることが一層さらに好ましい。
【0126】
本発明に係る製剤は特に好ましくは、エマルションの形態、特に、W/O、O/W、W
/O/W、O/W/Oエマルションの形態、PITエマルション、Pickeringエ
マルション、油含量の少ないエマルション、マイクロエマルションまたはナノエマルショ
ン、ゲル(ヒドロゲル、ヒドロ分散ゲル、オレオゲルを含む)、界面活性剤(たとえば、
石鹸、合成界面活性剤、液状洗浄剤)、溶液(たとえば、トニック、顔面トナーまたはウ
ェットティッシュ用の含侵溶液として)、スプレー(たとえば、ポンプスプレーまたは高
圧ガスによるスプレー)またはシャンプー(2成分入りシャンプー、フケ防止シャンプー
、ベビーシャンプー、敏感頭皮用シャンプー、濃縮シャンプーを含む)、コンディショナ
ー、ヘアトニック、ヘアマスクまたはヘアウォーターの形態である。
【0127】
本発明の別の第7の態様は皮脂の低減のための、本発明に係る化粧品組成物または化粧
品の化粧上の使用である。
【0128】
本発明のさらなる第8の態様は、
(a)皮膚接合部の刺激、
(b)皮膚の抗微生物性ペプチドの刺激、
(c)COX-2遺伝子の発現及びプロスタグランジンが介在する効果の低減、
(d)炎症後の過剰色素沈着の低減、
(e)フィラグリンの刺激
のための本発明に係る医薬組成物または医薬品の使用である。
【0129】
好ましくは、本発明に係る化粧品組成物または化粧品は、
(a)皮膚の表皮完全性の改善のために、
(b)たとえば、大気汚染または微粒子状物質が誘導する影響のような外部刺激を防ぐた
めに
(c)皮膚バリアの機能障害を防ぐために
美容上使用される。
【0130】
一層さらに好ましい変形は、以下:他の皮脂低減剤及び/または抗ニキビ剤の1以上を
さらに含む、本発明に係る医薬組成物または医薬品または化粧品組成物または化粧品であ
る。
【0131】
代替の好ましい変形は、以下:他の皮脂低減剤、抗ニキビ剤、フケ防止剤、他の抗炎症
剤、TRPV1アンタゴニスト、痒み止め剤、抗微生物剤、特に抗アクネ菌剤、抗マラセ
チア菌剤の1以上をさらに含む、本発明に係る医薬組成物または医薬品である。
【0132】
製剤では、糖アルコールまたは糖アルコール(組成物全体の≧16重量%)とテトラセ
ルミス抽出物(乾燥させた)または糖アルコールとナイアシンアミド、好ましくはマンニ
トールは、特に、さらに顕著な活性が期待できるような異なる経路を介してそれらが作用
するのであれば、他の皮脂低減剤及び/または抗ニキビ剤と併用されてもよい。皮膚の脂
漏性状態は細菌及び真菌の増殖にとって、その結果、たとえば、不純な皮膚または座瘡の
発症にとって理想的な栄養媒体であるので、油性肌の予防及び/または治療のための組成
物は同様に不純な皮膚または座瘡の予防及び/または治療のための好ましい組成物である
。好適な作用物質は、たとえば、13-シス-レチノイン酸(イソトレチノイン)、全ト
ランス-レチノイン酸のようなレチノイド、アダパレン、その塩または誘導体、スピロノ
ラクトン及びシプロテロンのようなアンドロゲン阻害剤、抗生剤、好ましくは、クリンダ
マイシン、エリスロマイシン及びテトラサイクリン、亜鉛または亜鉛塩、及び抗アンドロ
ゲン、5-α-還元酵素阻害剤、D-パンテノール、α-ヒドロキシ酸、たとえば、サリ
チル酸及び乳酸、ピルビン酸(α-ケト酸)、脂肪族ジカルボン酸、たとえば、アゼライ
ン酸、L-カルニチン、バクチオール、1,2-デカンジオール、センキュノリド-A及
びセンキュノリド-A含有のApium graveolens種子油、Quillaj
a saponaria抽出物、Enantia chlorantha樹皮抽出物、S
piraea ulmaria抽出物、ブチルアボケート、ビタミンB6(ピリドキシン
としても知られる)またはその塩または誘導体、ビタミンB3(ナイアシンまたはニコチ
ン酸としても知られる)またはその塩または誘導体、ベンゾイルペルオキシド、フロレチ
ン、Camellia sinensis抽出物及び含有されるポリフェノール、たとえ
ば、エピガロカテキン-3-没食子酸、アカツメクサ(Trifolium prete
nse)抽出物、ダイズ(Glycine Soja)種子抽出物、イソフラボノイドま
たはイソフラボノイド含有抽出物、好ましくはバイオカニンA、ゲニステイン、ダイゼイ
ン、ゲニスチン及びダイジンである。
【0133】
皮膚の皮脂濃度の低減のための製剤用の好ましい補助物質、添加剤及び/または活性化
合物と好ましくは組み合わせた前述の製品群は油性肌、不純な皮膚または座瘡の予防及び
/または治療のための製剤としても好ましい。
【0134】
我々は現在、本発明に係る本明細書に記載されているような疾患の治療における薬物と
しての使用のための、特に皮膚疾患のための、以前記載された態様及びそれらの変形に係
る医薬組成物または医薬品も開示している。
【0135】
我々は現在、本発明に係る本明細書に記載されているような非治療応用で使用するため
の、特に皮膚保護のための、上記で言及されたような化粧品組成物または化粧品も開示し
ている。
【0136】
局所塗布用の好ましい化粧品製剤または治療用皮膚科製剤は以下の構成成分を含み、ま
たは以下:組成全体の≧16重量%の量の1以上の糖アルコールとテトラセルミス、特に
テトラセルミス・スエシカ、または1以上の糖アルコールまたは1以上の糖アルコールと
ナイアシンアミドと同様に1以上の活性化合物から成り、好ましくは、糖アルコールは皮
膚の皮脂濃度を下げるのに十分であるマンニトールである。さらに好ましくは、前記製剤
は2、3または4の活性化合物の組み合わせを含む。
【0137】
好ましくは、活性化合物は以下の群:抗アンドロゲン、イソフラボノイド含有抽出物、
レチノイド、ビタミン、有機ペルオキシド、有機エーテル、有機酸またはアルコールにお
ける化合物クラスの1以上から選択される。
【0138】
さらに好ましくは、活性化合物は、1,2-デカンジオール、バクチオール、サリチル
酸、乳酸、アゼライン酸、レチノイド、好ましくは13-シス-レチノイン酸(イソトレ
チノイン)、全トランス-レチノイン酸、アダパレン、その塩または誘導体、ベンゾイル
ペルオキシド、D-パンテノール、ビタミンB6(ピリドキシンとしても知られる)また
はその塩、たとえば、ピリドキシン・HClまたは誘導体、ビタミンB3(ナイアシンま
たはニコチン酸としても知られる)またはその塩または誘導体、ブチルアボケート、ファ
ルネソール、フェノキシエタノール、アカツメクサ(Trifolium preten
se)抽出物、イソフラボノイドまたはイソフラボノイド含有抽出物、好ましくは、バイ
オカニンA、ゲニステイン、ダイゼイン、ゲニスチン及びダイジン、及び抗アンドロゲン
、好ましくは、5-α-還元酵素阻害剤から選択される。
【0139】
一層さらに好ましくは、1以上の活性化合物は、1,2-デカンジオール、サリチル酸
、乳酸、アゼライン酸、ベンゾイルペルオキシド、D-パンテノール、13-シス-レチ
ノイン酸(イソトレチノイン)、全トランス-レチノイン酸、アダパレン、その塩または
誘導体、バクチオール、エリスロマイシン、イオウ、ブチルアボケート、ファルネソール
、フェノキシエタノール、ピリドキシン・HCl、アカツメクサ(Trifolium
pretense)抽出物、バイオカニンA、ゲニステイン、ダイゼイン、ゲニスチン、
ダイジン、及び5-α-還元酵素阻害剤から成る群から選択される。
【0140】
一層さらに好ましい1以上の活性化合物は、1,2-デカンジオール、サリチル酸、ア
ゼライン酸、ベンゾイルペルオキシド、D-パンテノール、13-シス-レチノイン酸(
イソトレチノイン)、全トランス-レチノイン酸、アダパレン、その塩または誘導体、バ
クチオール、エリスロマイシン、ブチルアボケート、フェノキシエタノール、ピリドキシ
ン・HCl、アカツメクサ(Trifolium pretense)抽出物、バイオカ
ニンA、ゲニステイン、ダイゼイン、及び5-α-還元酵素阻害剤から成る群から選択さ
れる。
【0141】
最も好ましい1以上の活性化合物は、1,2-デカンジオール、サリチル酸、アゼライ
ン酸、ベンゾイルペルオキシド、D-パンテノール、アダパレン、バクチオール、エリス
ロマイシン、ブチルアボケート、ピリドキシン・HCl及びバイオカニンAから成る群か
ら選択される。
【0142】
さらに、活性化合物としてナイアシンを含むことは高度に好ましい。
【0143】
好ましくは、1以上の活性化合物はフケ防止活性剤と組み合わせられる。特にこれらが
異なる生物学的経路を介して作用するならば、さらに顕著な全体的な効果が見いだされる
。フケ防止剤は、アゾール類、たとえば、クリンバゾール、ケトコナゾール、イトラコナ
ゾール、エコナゾール及びエルビオール;ヒドロキシピリドン類、たとえば、オクトピロ
ックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックス、リロピロックス及びMEA-ヒドロ
キシオクチルオキシピリジノン;角質溶解剤、たとえば、サリチル酸及び他のヒドロキシ
酸;ストロビルリン類、たとえば、アゾキシストロビン及び金属キレート剤、たとえば、
1,10-フェナントロリンから成る群から選択される1つの物質または混合物であって
もよい。
【0144】
実施形態では、アゾール抗微生物剤は、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフ
ォナゾール、ブタコナゾール硝酸塩、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾー
ル、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾ
ール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダ
ゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール硝酸塩、セ
ルタコナゾール、スルコナゾール硝酸塩、チオコナゾール、チアゾール、及びそれらの混
合物から成る群から選択されるイミダゾールであり、またはアゾール抗微生物剤はテルコ
ナゾール、イトラコナゾール及びそれらの混合物から成る群から選択されるトリアゾール
である。
【0145】
実施形態では、好ましいフケ防止剤は0.1重量%~10重量%の量で、さらなる実施
形態では、0.25重量%~8重量%、その上さらなる実施形態では、0.5重量%~6
重量%の量で存在してもよい。
【0146】
本発明に係る組成物及び製品では、糖アルコールとテトラセルミス抽出物、または1以
上の糖アルコール自体または組み合わせでの糖アルコールとナイアシンアミドはさらに、
好ましくはそれらの作用物質が座瘡関連のアクネ菌(P.acnes)及び/またはフケ
関連のマラセチア菌(Malassezia sp)に作用するCOX-2/PGE2及
び/または抗ニキビ剤及び/または抗微生物剤とは異なる経路を介して作用するならば、
抗炎症剤または刺激抑制剤と組み合わせてもよい。製剤が不純な皮膚、座瘡傾向があるも
しくは座瘡の油性肌または敏感な油性肌または敏感な油性頭皮またはフケでの使用を対象
とするならば、これらの組み合わせは特に有益である。
【0147】
本発明の組成物及び製品は、抗炎症性成分及び/または赤み及び/または痒みを改善す
る成分を含有してもよく、特に、抗炎症性有効成分または発赤及び痒みを緩和する有効成
分として有利に使用され、そのリストは他のステロイド性抗炎症剤の添加によって拡大す
ることができるハイドロコルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾンリン酸塩、メチル
プレドニゾロン、またはコルチゾンから成る群から選択されるコルチコステロイド型のス
テロイド性物質を含有してもよい。非ステロイド性抗炎症剤も使用することができる。こ
こで引用することができるその例は、オキシカム類、たとえば、ピロキシカムまたはテノ
キシカム;サリチル酸塩、たとえば、アスピリン、ジサルシド、ソルプリンまたはフェン
ドサル;酢酸誘導体、たとえば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン
、スリンダック、トルメチンまたはクリンダナク;フェナメート類、たとえば、メフェナ
ミック、メクロフェナミック、フルフェナミックまたはニフルミック;プロピオン酸誘導
体、たとえば、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェンまたはピラゾール類
、たとえば、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンまたはアザプロ
パゾンである。アントラニル酸誘導体、特にWO2004047833A1に記載されて
いるアベナンスラミドは本発明に係る組成物における好ましい痒み止め成分である。
【0148】
有用であるのはまた、天然のまたは天然に存在する抗炎症性/抗刺激性の物質の混合物
、または炎症及び/または発赤及び/または痒みを緩和する物質の混合物、特に、カモミ
ール、Aloe vera、Commiphora種、Rubia種、ヤナギ、ヤナギ-
ハーブ、カラスムギ、キンセンカ、アルニカ、セイヨウオトギリソウ、セイヨウスイカズ
ラ、ローズマリー、Passiflora incarnata、マンサク、ショウガま
たはEchinaceaに由来する抽出物または分画であり;好ましくはカモミール、A
loe vera、カラスムギ、キンセンカ、アルニカ、セイヨウスイカズラ、ローズマ
リー、マンサク、ショウガまたはEchinaceaに由来する抽出物または分画、及び
/または純粋な物質、天然のα-ビサボロール、合成のビサボロール、アピゲニン、アピ
ゲニン-7-グルコシド、ギンゲロール、ショガオール、ジンジャージオール、デヒドロ
ジンジャージオン、パラドール、特に天然のまたは合成の6-パラドール、天然に存在す
るアベナンスラミド、好ましくはアベナンスラミドA、アベナンスラミドB、アベナンス
ラミドC、アベナンスラミドD、アベナンスラミドE、非天然のまたは天然に存在しない
アベナンスラミド、好ましくはジヒドロアベナンスラミドD、ジヒドロアベナンスラミド
E、トラニラスト、ボスウェリン酸、フィトステロール、グリシリジン、グラブリジン、
スクラレオリド及びリコチャルコンAから成る群から選択され;好ましくは、天然のα-
ビサボロール、合成のビサボロール、天然のアベナンスラミド、非天然のアベナンスラミ
ド、好ましくはジヒドロアベナンスラミドD(WO2004047833A1に記載され
ているような)、ショウガ抽出物、ギンゲロール、ショガオール、ジンジャージオール、
デヒドロジンジャージオン、パラドール、特に天然のまたは合成の6-パラドール、ボス
ウェリン酸、フィトステロール、グリシリジン、及びリコチャルコンA、及び/またはア
ラントイン、スクラレオリド、パンテノール、(偽-)セラミド[好ましくはセラミド2
、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドM EA、セチルオキシプロピルグリセリルメト
キシプロピルミリスタミド、N-(l-ヘキサデカノイル)-4-ヒドロキシ-L-プロ
リン(1-ヘキサデシル)エステル、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロ
ピルパルミタミド]、フィトステロール、キトサン、及びβ-グルカン、特にカラスムギ
由来の1,3-1,4-グルカンから成る群から選択される。
【0149】
本発明に係る製剤または製品における抗刺激物質または抗炎症性物質の総量は好ましく
は、それぞれ製剤または製品の総重量に基づいて0.0001~20重量%、好ましくは
0.0001~10重量%、特に0.001~5重量%の範囲である。
【0150】
一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーVメンバー1(TRPV1)アンタ
ゴニスト
【0151】
本発明の製品と組み合わせることができる好適な化合物は、TRPV1アンタゴニスト
のようなその作用に基づいて皮膚神経の過敏症を軽減するようなものであり、これらには
好ましくは、たとえば、WO2009087242A1に記載されているようなトランス
-4-tert-ブチルシクロヘキサノール、またはμ-受容体の活性化によるTRPV
1の間接的なモジュレーターである、たとえば、アセチルテトラペプチド-15が含まれ
る。
【0152】
本発明の製剤における組成全体の≧16重量%の量での糖アルコールとテトラセルミス
抽出物(好ましくはテトラセルミス・スエシカ)、またはマンニトールのような1以上の
糖アルコール自体、または1以上の糖アルコールとナイアシンアミドはフケ防止剤とも併
用してもよい。好適なフケ防止剤はピロクトンオラミン(1-ヒドロキシ-4-メチル-
6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-(1H)-ピリジノンモノエタノールア
ミン塩)、バイピバル(クリンバゾール)、Ketoconazol(登録商標)(2R
S,4SR)-1-(4-{4-[-2-(2,4-ジクロルフェニル)-2-(イミダ
ゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イルメトキシ]フェニル}ピペ
ラジン-1-イル)エタノン、ケトコナゾール、エルビオール、二硫化セレニウム、コロ
イド状イオウ、イオウポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、イオウリシノ
ールポリエトキシレート、イオウタールジスチレート、サリチル酸(またはヘキサクロロ
フェンとの併用で)、ウンデシレン酸、スルホコハク酸モノエタノールアミドNa塩、ラ
メポンS(タンパク質/ウンデシレン酸縮合物)、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチ
オン及びマグネシウムピリチオン/ジピリチオン硫酸マグネシウムである。
【0153】
局所塗布用のさらに好ましい化粧品製剤は以下の構成成分を含む、または以下の構成成
分から成る:
-好ましくは糖アルコールがマンニトールである、皮膚の皮脂濃度を下げるのに十分であ
る量の、組成全体の≧16重量%の糖アルコールとテトラセルミス抽出物(好ましくはテ
トラセルミス・スエシカ)
-1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の、好ましくは2以上の、さらに好ま
しくは3以上の洗浄補助物質;
-任意で1以上のさらなる補助物質及び/または添加剤。
そのような化粧品製剤は脂ぎった油性肌及び/または不純な皮膚を洗浄するのに特に好適
である。
【0154】
局所塗布用の別に好ましい化粧品製剤は以下の構成成分を含む、または以下の構成成分
から成る:
-皮膚の皮脂濃度を下げるのに十分である、ナイアシンアミドと1以上の糖アルコール、
好ましくはマンニトール、
-1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の、好ましくは2以上の、さらに好ま
しくは3以上の洗浄補助物質;
-任意で1以上のさらなる補助物質及び/または添加剤。
そのような化粧品製剤は特に長い保存可能期間を有する。
【0155】
局所塗布用の一層さらに好ましい化粧品製剤は以下の構成成分を含む、または以下の構
成成分から成る:
-皮膚の皮脂濃度を下げるのに十分である1以上の糖アルコール、好ましくはマンニトー
ル、
-1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の、好ましくは2以上の、さらに好ま
しくは3以上の洗浄補助物質;
-任意で1以上のさらなる補助物質及び/または添加剤。
そのような化粧品製剤は特に良好な利用可能性を有する。
【0156】
製剤では、テトラセルミス抽出物を伴った本発明の糖アルコール、またはナイアシンア
ミドを伴った1以上の糖アルコール、好ましくはマンニトール、または1以上の糖アルコ
ール、好ましくはマンニトール、それ自体は、特に成膜剤が皮膚を保護する追加の局所の
物理的バリアを提供するので、成膜剤とも組み合わせてもよい。それらはテトラセルミス
抽出物の表皮完全性改善効果を増大させるであろうし、それは、たとえば、PMのような
外的刺激が皮脂産生を増加させ、バリアの機能障害につながることが示されたので、特に
有益である。
【0157】
典型的な成膜剤は、たとえば、キトサン、微細結晶キトサン、四級化キトサン、ポリビ
ニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系列のポリマー
、四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸及びその塩、カラスムギ由来の1,
3-1,4-グルカンまたは酵母もしくはキノコ由来の1,3-1,6-グルカンのよう
なβ-グルカン及び類似の化合物である。
【0158】
糖アルコール及びナイアシンアミドは双方とも無色で無臭の化合物であり;さらに双方
は水に溶けやすいので様々な種類の化粧品製剤での広い応用を可能にする。さらに、糖ア
ルコール及びナイアシンアミドは通常粉末形態で利用できる固体である。
【0159】
本発明に係る医薬組成物または化粧品組成物または医薬品または化粧品を製剤化するた
めに一層さらに容易に相乗的に組み合わせるために、それらを液状担体系で使用する。糖
アルコールとナイアシンアミドのそのような液状製剤を調製するために、固形成分、すな
わち、糖アルコールとナイアシンアミドを撹拌のもと常温(20~30℃)で液状担体系
に溶解して無色の溶液を得る。液状担体として好ましくはグリセリン、1,3-ブチレン
グリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオールまたは水またはそれ
らの混合物が使用される。
【0160】
従って、一層さらなる態様では、本発明は、本発明に係る医薬組成物または化粧品組成
物または医薬品または化粧品の調製で使用される1以上の糖アルコール(複数可)または
1以上の糖アルコール(複数可)とナイアシンアミドの組み合わせを含む液状製剤に関す
る。
【0161】
特に、そのような液状製剤は
(a)0.5~25重量%、好ましくは1~20重量%の糖アルコールと
(b)任意で1~35重量%、好ましくは2~20重量%のナイアシンアミドと
(c)5~55重量%、好ましくは10~50重量%の液状担体と
(d)任意で0.1~5重量%の1以上の保存剤または保存剤システムとを含む。
【0162】
特に好ましいのは、
(a)マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、イ
ノシトール及びそれらの混合物から選択される1~20重量%の糖アルコールと
(b)任意で2~20重量%のナイアシンアミドと
(c)グリセリン、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-
ペンタンジオール及びそれらの混合物から選択される10~50重量%の液状担体と
(d)任意で0.1~5重量%の1以上の保存剤または保存剤システムとを含む液状製剤
である。
【0163】
前記液状製剤の組成は以下の表9にて明記されている。
【0164】
1以上の糖アルコール(複数可)または1以上の糖アルコール(複数可)とナイアシン
アミドの組み合わせを含む液状製剤は、本発明に係る医薬品または化粧品または皮膚科製
品または治療薬の調製に使用される。
【実施例0165】
実験セクション
【0166】
実施例1:テトラセルミス・スエシカ抽出物の調製
【0167】
3gの凍結乾燥したテトラセルミス・スエシカのバイオマスと30gの水とを混合し、
80℃で2時間撹拌した。バイオマスから液状抽出物を分離し、抽出したバイオマスに3
0gの水を加え、混合物を80℃でさらに2時間撹拌した。遠心分離によって液体をバイ
オマスから分離し、双方の抽出溶液を合わせ、凍結乾燥によって水を取り除いた。抽出は
3つの異なるバイオマスのバッチで実施した。
【0168】
比較のために、US2010143267A1での記載に係る水性抽出物を同じ3つの
バイオマスのバッチから調製し、水は凍結乾燥によって取り除いた。
【表1】
【0169】
加熱した抽出は室温での抽出と比べると、十分に同等のごくわずかに少ない高い抽出収
率が得られるが、驚くべきことに、はるかに明るい色合いの抽出物が得られ、それは、消
費者が着色の少ない製品の方を好むので化粧品成分としての使用には特に有利である。熱
処理は、バイオマスにおける酵素が不活化されるという追加の利点をさらに有し、それは
、生存可能なまたは不活化していないバイオマスを使用する場合、特に有利である。さら
に、低温での水によるまたは水含量の高い抽出剤システムによる抽出にとって特に難題で
ある細菌、真菌または酵母による微生物汚染が高温(>50℃)にて抽出することによっ
て阻止される。
【表2】
【0170】
実施例2:テトラセルミス・スエシカ抽出物の液体型の調製
【0171】
実施例1に従って80℃での抽出で得られた4.6gのテトラセルミス・スエシカ抽出
物の乾燥物質に、97gの水と46gのグリセリンと18重量%のマンニトールと0.5
%の安息香酸ナトリウムと0.2%のソルビン酸カリウム(双方とも液状混合物の総重量
に基づいて)を加え、乳酸の助けを借りて混合物のpHを4.5に合わせ、ベージュから
薄茶色の溶液を得た。
【0172】
実施例3:生体外ヒト皮脂腺の総脂質含量に対するテトラセルミス・スエシカ抽出物(乾
燥させた)の効果
【0173】
ヒト皮膚外植片から微細に切り出したヒト皮脂腺の器官培養を行って、実施例1での記
載に従って調製したテトラセルミス・スエシカ抽出物の皮脂レベルに対する調節活性を評
価した。抽出物は乾燥形態で採用する。
【0174】
全層皮膚試料の表皮を取り除いた後、微細ハサミと外科用メスを用いて皮脂腺を慎重に
取り出した。次いで、微細切断した皮脂腺を8つの群にプールし、500μLの改変Wi
lliam’sE培地に浸した24穴プレートにて最大6日間培養した。24時間の順化
の後、培養培地を交換し、調べる抽出物を含有する培地に置き換えた。培養の3日目と5
日目に培地を新しくした。6日目に腺を回収し、脂質及びタンパク質の定量に使用した。
バイオマスで変動する腺の推定生産性を同等にするために、それらの皮脂総含量を概算し
、腺組織から抽出したタンパク質で割って、産生された皮脂と組織タンパク質との間で比
(すなわち、脂質のmg/タンパク質のmg)を得た。
【0175】
そうするために、100μLのイソプロピルアルコールにて皮脂腺群をホモジネートし
て、脂質を抽出し、タンパク質を不溶にした。遠心分離の後、抽出した皮脂を含有する上
清を回収し、分析した。真空乾燥エバポレーターを用いて残りのペレットを乾燥させ、次
いで50μLのタンパク質溶解緩衝液の存在下でバラバラにした。適当なインキュベート
時間の後、この抽出混合物を遠心分離し、上清を回収し、分析した。直接検出IR分光計
(Millipore)を用いた赤外線分光分析によって、イソプロピルアルコールに溶
解した脂質及び溶解緩衝液に溶解したタンパク質を定量した。定量したタンパク質に対し
て定量した脂質を基準化することによって脂質総量を得た(すなわち、脂質のmg/タン
パク質のmg)。処理群から得た、皮脂腺の各群によって産生された基準化された脂質、
すなわち、皮脂の量を未処理対照群のそれと比較し、調節活性を比率で算出した。陽性対
照として5μMのカプサイシン処理を実験設定に含めた。カプサイシンは皮脂生成を阻害
するのに好適な唐辛子の有効成分である[Toth et al.,J.Invest.
Derm.(2009),129:329-339]。統計的解析については、並べ替え
検定を伴う一元配置分散分析とそれに続くDunnettの並べ替え検定によって群間差
異を評価した。
【0176】
抽出物への反応をさらに良好に理解するために、器官培養の1日目と6日目で生死判別
試験を行った。レザズリンをウェルに加え(1:11)、2時間インキュベートした。イ
ンキュベートの終了時、等量の培地を蛍光計(励起:560nm、放射:590nm)で
読み取った。残留するレザズリンを排除するために、次いで培地を正常培地に2時間置き
換えた。この後、試験試料を含有する培地で培地を再び置き換えた。各ウェルにおける生
存性は6日目と1日目との間での比率の差異として測定した。
【0177】
ドナーの応答性及び個体間の変動性を評価するために、3人の異なるドナーの皮膚試料
から得た皮脂腺で抽出物を調べた。
本細胞試験では、生物試験について生体外及び試験管内で、且つ一般的に、テトラセル
ミス抽出物の乾燥形態を採用して溶媒、グリセリンまたは保存剤システムから生じる副作
用を回避する。
【表3】
【0178】
結果は、80℃での抽出によって得られたテトラセルミス・スエシカ水抽出物(乾燥さ
せた)が驚くべきことに、その生存性に影響を及ぼすことなくヒト皮脂腺の基準化した総
脂質、すなわち、皮脂含量の高度に有効な低減剤であることを示している。それは陽性対
照であるカプサイシンよりも効果的であり、5倍低い濃度でさえ有効である。さらに、3
人のドナーすべてから得られた皮脂腺は抽出物に反応した(ドナー応答性:100%)。
【0179】
類似の効果は実施例2に従って調製したようなマンニトールとテトラセルミス抽出物の
組み合わせを比較することにおいても達成された。マンニトールのテトラセルミス・スエ
シカ水抽出物(乾燥させた)との組み合わせは、その生存性に影響を及ぼすことなく、ヒ
ト皮脂腺の基準化された総脂質、すなわち皮脂の特に高度に効果的な低減剤である。どれ
は陽性対照であるカプサイシンよりも効果的である。さらに、ナイアシンアミドのさらな
る添加は良好な皮膚保湿効果を示す。
【0180】
実施例4:生体外ヒト皮脂腺の総脂質含量に対するマンニトール(単独)の効果
【0181】
ヒト皮膚外植片から微細切断したヒト皮脂腺の器官培養を行って皮脂レベルに対するマ
ンニトールの調節活性を評価した。
【0182】
全層皮膚試料の表皮を取り除いた後、微細ハサミと外科用メスを用いて皮脂腺を慎重に
取り出した。次いで、微細切断した皮脂腺を8つの群にプールし、500μLの改変Wi
lliam’sE培地に浸した24穴プレートにて最大6日間培養した。24時間の順化
の後、培養培地を交換し、調べる試料を含有する培地に置き換えた。培養の3日目と5日
目に培地を新しくした。6日目に腺を回収し、脂質及びタンパク質の定量に使用した。バ
イオマスで変動する腺の推定生産性を同等にするために、それらの皮脂総含量を概算し、
腺組織から抽出したタンパク質で割って、産生された皮脂と組織タンパク質との間で比(
すなわち、脂質のmg/タンパク質のmg)を得た。
【0183】
そうするために、100μLのイソプロピルアルコールにて各皮脂腺群をホモジネート
して、脂質を抽出し、タンパク質を不溶にした。遠心分離の後、抽出した皮脂を含有する
上清を回収し、分析した。真空乾燥エバポレーターを用いて残りのペレットを乾燥させ、
次いで50μLのタンパク質溶解緩衝液の存在下でバラバラにした。適当なインキュベー
ト時間の後、この抽出混合物を遠心分離し、上清を回収し、分析した。直接検出IR分光
計(Millipore)を用いた赤外線分光分析によって、イソプロピルアルコールに
溶解した脂質及び溶解緩衝液に溶解したタンパク質を定量した。定量したタンパク質に対
して定量した脂質を基準化することによって脂質総量を得た(すなわち、脂質のmg/タ
ンパク質のmg)。処理群から得た、皮脂腺の各群によって産生された基準化された脂質
、すなわち、皮脂の量を未処理対照群のそれと比較し、調節活性を比率で算出した。陽性
対照として5μMのカプサイシン処理を実験設定に含めた。カプサイシンは皮脂生成を阻
害するのに好適な唐辛子の有効成分である[Toth et al.,J.Invest
.Derm.(2009),129:329-339]。統計的解析については、並べ替
え検定を伴う一元配置分散分析とそれに続くDunnettの並べ替え検定によって群間
差異を評価した。
【0184】
抽出物への反応をさらに良好に理解するために、器官培養の1日目と6日目で生死判別
試験を行った。レザズリンをウェルに加え(1:11)、2時間インキュベートした。イ
ンキュベートの終了時、等量の培地を蛍光計(励起:560nm、放射:590nm)で
読み取った。残留するレザズリンを排除するために、次いで培地を正常培地に2時間置き
換えた。この後、試験試料を含有する培地で培地を再び置き換えた。各ウェルにおける生
存性は6日目と1日目との間での比率の差異として測定した。
【0185】
【0186】
結果は、驚くべきことにマンニトールが生体外ヒト皮脂腺の脂質含量を有意に低減する
ことを明瞭に示している。
【0187】
実施例1によれば、テトラセルミス・スエシカ水抽出物(乾燥させた)は11.8±0
.9重量%のマンニトールを含有する。抽出物は0.3ppmで総脂質含量を有意に低下
させ、3つの別々の実験で調べた場合常に5μMのカプサイシンよりも効果的だった(実
施例3)。
【0188】
0.03ppmのマンニトールは0.3ppmのテトラセルミス・スエシカ水抽出物(
乾燥させた)におけるマンニトール含量に相当する。0.03ppmのマンニトールは皮
脂含量を有意に低下させたが、5μMのカプサイシンよりも効果的ではなかったというこ
とは、マンニトールはテトラセルミス・スエシカ抽出物の活性成分/有効成分の一部では
あるが、抽出物の観察された皮脂低減効果に対して全責務を負うわけではないことを示し
ている。他の抽出物構成成分は抽出物の観察された皮脂低減有効性を相加的にまたは相乗
的に増強する。
【0189】
実施例5:クローディン7の遺伝子発現に対するマンニトールの効果
供給業者の指示書に従って、HKGSキット(Gibco)を含むEpiLife培地
(Gibco)にて新生児ヒト表皮角化細胞(nHEK)を5%CO2、37℃で培養し
た。
【0190】
80℃で抽出することによって実施例1に従って得た0.025%のテトラセルミス・
スエシカ水抽出物または溶媒対照としての培地で細胞を24時間処理した。培地処理と比
べて、抽出物で処理した細胞におけるゲノムでの目的発現レベルをRT-qPCRによっ
て測定した。
【0191】
RNeasy(登録商標)ミニキット、Qiagenを用いてRNAの単離が行われた
。260nmでの吸収を測定することによって、μCuvetteG1.0及びBioP
hotometer,Eppendorfを用いて全RNA濃度を測定した。E260/
280及びE260/230のような純度制御値を同時に算出した。供給業者の指示書に
従って、高性能RNA-to-cDNAキット,Applied Biosystems
を用いて逆転写を行った。PCRサーモサイクラー、Biometraにて試料を処理し
た。
【0192】
迅速リアルタイムPCRについては、RNA分解酵素を含まない水とTaqManTM
Fast Universal PCR Master Mix,Applied b
iosystemsでcDNAを希釈した。StepOne Plus Fast Re
al Time PCR Instrument,Applied biosystem
sを用いて定量リアルタイムPCRを行った。解析はStepOneソフトウェア及び2
-ΔCT法で行った(内在性の対照HTRP1の発現に対して基準化した)。
【0193】
上方調節については≧2.0のRG値及び下方調節については<0.5のRQ値が適切
であると見なされる。
【表5】
【0194】
結果は、マンニトールが単独でまたはマンニトールを含有するテトラセルミス抽出物と
の組み合わせでも驚くべきことに、密着結合に関与するクローディン7遺伝子を上方調節
することを示している。
【0195】
さらに、密着結合に関与する、たとえば、クローディン1、オクルディンまたはシング
リンのような他の遺伝子もマンニトールを含有するテトラセルミス抽出物の組み合わせに
よって相乗的に上方調節される。従って、テトラセルミス抽出物での処理による及びマン
ニトールでの処理による効果の差別化が示されている。
【0196】
実施例6:生体外ヒト皮脂腺の総脂質含量に対するエリスリトール、キシリトール、及び
ソルビトールの効果
【0197】
実施例4に記載されているように、ヒト皮膚外植片から微細切断したヒト皮脂腺の器官
培養を行ってエリスリトール(C4糖アルコール)、キシリトール(C5糖アルコール)
及びソルビトール(C6糖アルコール)の皮脂レベルに対する調節活性を評価した。5μ
Mのカプサイシンを参照/陽性対照として並行して調べた。
【表6】
【0198】
結果は、エリスリトール、キシリトール、及びソルビトールが驚くべきことに生体外ヒ
ト皮脂腺の脂質含量を低下させることを明瞭に示している。3つの糖アルコールすべては
陽性対照/参照のカプサイシンよりも活性がある。
【0199】
試験試料のいずれも皮脂腺の生存性には関連して影響を及ぼしてはいない。
【0200】
実施例7:生体外ヒト皮脂腺の総脂質含量に対するスレイトール、イノシトール、ラクチ
トール、及びマルチトールの効果
【0201】
実施例4に記載されているように、ヒト皮膚外植片から微細切断したヒト皮脂腺の器官
培養を行ってスレイトール、イノシトール、ラクチトール、及びマルチトールの皮脂腺レ
ベルに対する調節活性を評価した。5μMのカプサイシンを参照/陽性対照として並行し
て調べた。
【表7】
【0202】
結果は、スレイトール、イノシトール、ラクチトール、及びマルチトールが驚くべきこ
とに生体外ヒト皮脂腺の脂質含量を有意に低下させることを明瞭に示している。4つの糖
アルコールすべては陽性対照/参照のカプサイシンよりも活性がある。
【0203】
試験試料のいずれも皮脂腺の生存性には関連して影響を及ぼしてはいない。
【0204】
実施例8:生体外ヒト皮脂腺の総脂質含量に対する糖アルコールとナイアシンアミドとの
相乗効果
【0205】
実施例4に記載されているのと同じ実験設定を用いて相乗活性について糖アルコールと
ナイアシンアミドの組み合わせを評価した。5μMのカプサイシンを参照/陽性対照とし
て並行して調べた。
【0206】
相乗作用指数SIの算出にはKullの方程式:
SI=C×D/A+C×E/Bを使用したが、
その際、
A=濃度xでのソルビトールによる脂質の低減
B=濃度yでのナイアシンアミドによる脂質の低減
C=濃度x/2でのソルビトールと濃度y/2でのナイアシンアミドの組み合わせによる
脂質の低減
D=ソルビトールについての≧0.5(組み合わせで調べた半分濃度に起因して)の係数
E=ナイアシンアミドについての≧0.5(組み合わせで調べた半分濃度に起因して)の
係数。
【0207】
2つの組み合わせた成分の相加活性についてはSI=1が得られるのに対してS<1は
拮抗活性(観察された有効性が相加より低い)を示し、SI>1は相乗活性(観察された
有効性が相加より高い)を示す。この実験の結果を表8に要約する。
【表8】
【0208】
SI=15×0.5/11+15×0.5/2=4.43
【0209】
4.43の得られたSIは糖アルコールとナイアシンアミドの組み合わせが驚くべきこ
とに、ヒト皮脂腺の総脂質含量、すなわち、皮脂レベルの高度な相乗的低減を示すことを
明瞭に証明している。
【0210】
ナイアシンアミドは単独では生体外ヒト皮脂腺で調べると関連する脂質低減活性を示さ
なかった。ソルビトールはカプサイシンと比べると予想した範囲で有効性を示した。双方
の組み合わせは予想外の強烈に強化された有効性につながった。
【0211】
化粧品成分は理想的にはそれ自体の色及び臭いを持たず、それによって最終的な化粧品
製剤の外観及び臭気に対してそれ自体の影響を有さない。糖アルコール及びナイアシンア
ミドは双方とも無色で無臭の化合物である;さらに、双方は水に溶けやすいので様々な種
類の化粧品製剤での広い応用を可能にする。
【0212】
さらに、糖アルコール及びナイアシンアミドは通常粉末形態で利用できる固体である。
相乗的な組み合わせを一層さらに容易にして典型的な化粧品製剤を製剤化するために、そ
れらを液状担体系にて使用することができる。液状の組み合わせを調製するために、固体
成分、すなわち、糖アルコール及びナイアシンアミドを撹拌のもと常温(20~30℃)
で液状担体に溶解し、無色の溶液を得る。
【表9】
【0213】
液状製剤はさらに0.1~5重量%の1以上の保存剤(複数可)または保存剤システム
を含むことができる。
【0214】
1以上の糖アルコール(複数可)または1以上の糖アルコール(複数可)とナイアシン
アミドとの組み合わせを含む液状製剤は、本発明に係る医薬品または化粧品または皮膚科
製品または治療薬の調製で使用される。
【0215】
実施例9:製剤の例
【0216】
製剤1~22では、以下の2つの香油、PFO1及びPFO2がそれぞれ香料として使
用された(DPG=ジプロピレングリコール)。
【表10】
【表11】
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【表12-4】
【表12-5】
【表12-6】
【表12-7】
【表12-8】
【表12-9】
【表12-10】
【表12-11】
【表12-12】
【表12-13】
【表13-1】
【表13-2】
【表13-3】
【表13-4】
【表13-5】
【表13-6】
【表13-7】
【表13-8】
【表13-9】
【表13-10】
【表13-11】
前記糖アルコールが、スレイトール(C4糖アルコール)、エリスリトール(C4糖アルコール)、リビトール(C5糖アルコール)、アラビトール(C5糖アルコール)、キシリトール(C5糖アルコール)、ソルビトール(C6糖アルコール)、マンニトール(C6糖アルコール)、デュルシトール(ガラクチトール)(C6糖アルコール)、イノシトール(環状C6糖アルコール)、ボレミトール(C7糖アルコール)、ラクチトール(4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルシトール;二糖類糖アルコール)、マルチトール(4-O-α-グルコピラノシル-D-ソルビトール;二糖類糖アルコール)及びそれらの関連するエナンチオマーの1以上から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
本発明に関する課題は以下によってよって解決される:糖アルコールとテトラセルミス抽出物とを含む組成物であって、その際、糖アルコール総含量は抽出物乾燥重量に基づいて算出して組成物全体の16重量%以上の量であり、テトラセルミス抽出物は抽出物乾燥重量に基づいて以下:テトラセルミス抽出物組成物全体の10重量%以上の総ミネラルをさらに含み、テトラセルミス抽出物組成物全体の3重量%以上の総ガラクトースをさらに含み、テトラセルミス抽出物組成物全体の2重量%以上の総グルコースをさらに含み、テトラセルミス抽出物組成物全体の3重量%以上の総アミノ酸をさらに含み、且つテトラセルミス抽出物組成物全体の2重量%以上の総窒素をさらに含む。
従って、第1の態様では、本発明は糖アルコールとテトラセルミス抽出物とを含む組成物に関するものであり、その際、糖アルコール総含量は抽出物乾燥重量に基づいて算出して組成物全体の16重量%以上の量であり、テトラセルミス抽出物はさらに、抽出物乾燥重量に基づいて以下、テトラセルミス抽出物組成物全体の10重量%以上の総ミネラルを含み、テトラセルミス抽出物組成物全体の3重量%以上の総ガラクトースをさらに含み、テトラセルミス抽出物組成物全体の2重量%以上の総グルコースをさらに含み、テトラセルミス抽出物組成物全体の3重量%以上の総アミノ酸をさらに含み、且つテトラセルミス抽出物組成物全体の2重量%以上の総窒素をさらに含む。好ましくは、本明細書に記載されているようなテトラセルミス抽出物はテトラセルミス・スエシカ抽出物である。
本発明の組成物を得る方法の1つは、上記で言及された方法に従って抽出によって得られた液状抽出剤におけるテトラセルミス抽出物質を利用し、組成物全体における糖アルコールの総量が16重量%以上、好ましくは18重量%以上であるような量で液状抽出剤中のテトラセルミス抽出物質に糖アルコールを添加することである。それに続いて、乾燥させた製品を得るために抽出する抽出剤を取り除くことが次いで好ましい。一部の好ましい場合では、抽出はテトラセルミスのバイオマス細胞物質で2回または3回実施され、糖アルコールのさらなる添加の前に液状抽出物を合わせる。通常、この方法で添加される糖アルコールはマンニトールであることが好ましい。
本発明の組成物を得るための別の代替方法は、上記で言及された方法に従って抽出によって得られた乾燥させたテトラセルミス・スエシカ抽出物を利用し、組成物全体における糖アルコールの総量が16重量%以上、好ましくは18重量%以上であるように、乾燥させたテトラセルミス抽出物に糖アルコールを添加することである。通常、この方法で添加される糖アルコールはマンニトールであることが好ましい。
糖アルコールとテトラセルミス抽出物(好ましくはテトラセルミス・スエシカ)を含む、本発明の第3の態様に係る濃縮物では、抽出物の乾燥重量に基づいた糖アルコール総含量のテトラセルミス抽出物における糖アルコール含量に対する比は1.1:1以上、さらに好ましくは1.3:1以上、一層さらに好ましくは1.5:1以上である。元々抽出物に由来する糖アルコールは抽出物の乾燥重量に基づいてたった約11重量%であってもよい。しかしながら、本発明については、16重量%以上の組成物における高い糖アルコール含量が好ましい。これを達成するために糖アルコールが組成物に添加される。その後、組成物が希釈されても、または液状濃縮物もしくは固形濃縮物に濃縮されても、組成物または濃縮物のいずれかにおける総糖アルコールは抽出物だけに由来するよりも高いであろう。したがって、糖アルコール総含量の抽出物由来のネイティブ糖アルコールに対する比は常に1:1より大きい。したがって、上記の比は添加した糖アルコールと抽出物由来のネイティブ糖アルコールを区別して糖アルコール総含量が得られる。
糖アルコールとテトラセルミス抽出物(好ましくはテトラセルミス・スエシカ)とを含む液状濃縮物では、抽出物の乾燥重量に基づく糖アルコール総含量のテトラセルミス抽出物における糖アルコール含量に対する比は1.1:1以上、さらに好ましくは1.3:1以上、一層さらに好ましくは1.5:1以上である。
糖アルコールとテトラセルミス抽出物(好ましくはテトラセルミス・スエシカ)とを含む固形濃縮物では、抽出物の乾燥重量に基づく糖アルコール総含量のテトラセルミス抽出物における糖アルコール含量に対する比は1.1:1以上、さらに好ましくは1.3:1以上、一層さらに好ましくは1.5:1以上である。