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特開2023-55925デュアル組織壁係留機構を有するステント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055925
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】デュアル組織壁係留機構を有するステント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/848 20130101AFI20230411BHJP
【FI】
A61F2/848
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017249
(22)【出願日】2023-02-08
(62)【分割の表示】P 2021080901の分割
【原出願日】2018-03-29
(31)【優先権主張番号】62/478,998
(32)【優先日】2017-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ウォルシュ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フォラン、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】モイラン、シェーン
(72)【発明者】
【氏名】キーティング、トーマス エム.
(72)【発明者】
【氏名】ハインズ、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ホリー、トーマス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、ステントを用いて、様々な厚さの組織壁の間に流路を形成するためのシステム及び方法に関する。
【解決手段】ステントは、拘束姿勢と拡張姿勢とを有する細長本体100を備え、拡張姿勢においては、本体の近位部110が近位保持部材112に拡張しており、遠位部120は、遠位保持部材122に拡張しており、近位保持部材と遠位保持部材との間に円筒状サドル領域130が延びている。近位保持部材、遠位保持部材、及び円筒状サドル領域は、流れを通過させるように構成された開いた内部通路140を形成し得る。近位保持部材は、第1の距離W1だけ互いに離間した第1、第2のフランジ114、116を含むことができるとともに、遠位保持部材は、第2の距離W2だけ互いに離間した第3、第4のフランジ124、126を含むことができるとともに、第1の距離は第2の距離よりも大きい。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントであって、
拘束姿勢を有する細長本体を備え、
前記細長本体は、拡張姿勢を有し、前記拡張姿勢においては、前記細長本体の近位部が拡張されて近位保持部材になっており、前記細長本体の遠位部が拡張されて遠位保持部材になっているとともに、前記近位保持部材と前記遠位保持部材との間に前記細長本体の円筒状サドル領域が延びており、
前記近位保持部材、前記遠位保持部材、及び前記円筒状サドル領域は、流れを通過させるように構成された開いた内部通路を形成しており、
前記円筒状サドル領域は、前記近位保持部材及び前記遠位保持部材の一方若しくは他方又は両方と比較して前記円筒状サドル領域に大きな柔軟性を与えるように、前記近位保持部材及び前記遠位保持部材の一方若しくは他方又は両方とは異なる材料、織りパターン、編物パターン、織りピッチ、編物ピッチ、若しくは編組ピッチ、又はそれらの任意の組み合わせで構成されており、
前記近位保持部材は、第1の距離だけ互いに離間した第1のフランジと第2のフランジとを含み、前記遠位保持部材は、第2の距離だけ互いに離間した第3のフランジと第4のフランジとを含む、ステント。
【請求項2】
前記近位保持部材、前記遠位保持部材、及び前記円筒状サドル領域は、織物材料で形成されている、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記近位保持部材及び前記遠位保持部材は、織物材料で形成されているとともに、前記円筒状サドル領域は、編物材料で形成されている、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記近位保持部材及び前記遠位保持部材は、織物材料で形成されているとともに、前記円筒状サドル領域は、ポリマ材料で形成されている、請求項1に記載のステント。
【請求項5】
前記近位保持部材及び前記遠位保持部材は、ポリマ材料で形成されているとともに、前記円筒状サドル領域は、織物材料で形成されている、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
前記近位保持部材、前記遠位保持部材、及び前記円筒状サドル領域は、被覆されている、請求項2に記載のステント。
【請求項7】
前記近位保持部材、前記遠位保持部材、及び前記円筒状サドル領域は、被覆されている、請求項3に記載のステント。
【請求項8】
前記近位保持部材及び前記遠位保持部材は、被覆されている、請求項4に記載のステント。
【請求項9】
前記円筒状サドル領域は、被覆されている、請求項5に記載のステント。
【請求項10】
前記ポリマ材料は、生分解性である、請求項5に記載のステント。
【請求項11】
前記第2のフランジと前記第3のフランジは、第3の距離だけ離間しており、前記第3の距離は、前記第1の距離よりも大きい、請求項1~10のいずれか一項に記載のステント。
【請求項12】
前記第1のフランジ、前記第2のフランジ、前記第3のフランジ、及び前記第4のフランジは、前記細長本体の外周に対して直角に延出している、請求項1~11のいずれか一項に記載のステント。
【請求項13】
前記第1のフランジ、前記第2のフランジ、前記第3のフランジ、及び前記第4のフランジの直径は、前記円筒状サドル領域の直径よりも大きい、請求項1~12のいずれか一項に記載のステント。
【請求項14】
前記第1のフランジと前記第2のフランジは、当該第1、第2のフランジの間に配置可能な第1の組織層の相対する側に接触するように構成されており、前記第3のフランジと前記第4のフランジは、当該第3、第4のフランジ間に配置可能な第2の組織層の相対する側に接触するように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のステント。
【請求項15】
前記第1の距離は前記第2の距離とは異なる、請求項1~14のいずれか一項に記載のステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、体管腔ドレナージの分野に関する。特に、本発明は、様々な厚さの組織壁の間に開いた流路を形成するためのシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生体における管内又はその他の部位からの体液を、経皮的に形成された経路を通って体外の回収場所に排出することは、困難を伴う可能性がある。例えば、胆汁は、肝臓で分泌される黄褐色の液体であり、脂質消化を助けるために胆管を通って小腸に送り込まれる。胆管閉塞によって、胆汁が体内にたまることがあり、その結果、黄疸、かゆみ、暗色尿などの身体的兆候が現れる。経皮経肝胆道ドレナージは、通常は外科的治療処置又は内視鏡的治療処置に失敗したときに行われる医療処置であり、胆汁を体外又は小腸の外の回収袋に排出するために、患者の皮膚に突き刺してフレキシブルプラスチックチューブ又は自己拡張型ステントを胆管に導入する。このような処置は、挿入部位周辺の胆汁漏出、組織壁係留部位の損傷、チューブの移動、チューブの脱落、及び/又はチューブの閉塞など、様々な遅発性の医学的合併症を伴う傾向がある。
【発明の概要】
【0003】
特に、様々な厚さの組織壁の間に開いた流路を形成するための最小侵襲装置及び最小侵襲処置の分野において、ステントの移動を抑制するとともに、組織損傷を最小限に抑えるように、様々な厚さの組織壁に確実に係留させることが可能なドレナージステントを提供する、本発明のシステム及び/又は方法によって、様々な優れた医学的効能を実現し得る。
【0004】
一態様では、本発明は、ステントに関するものであり、このステントは、拘束姿勢と拡張姿勢とを有する細長本体を備え、拡張姿勢においては、本体の近位部が近位保持部材に拡張しており、遠位部は、遠位保持部材に拡張しており、近位保持部材と遠位保持部材との間に円筒状サドル領域が延びている。近位保持部材、遠位保持部材、及び円筒状サドル領域は、流れを通過させるように構成された開いた内部通路を形成し得る。近位保持部材は、第1の距離だけ互いに離間した第1、第2のフランジを含むことができるとともに、遠位保持部材は、第2の距離だけ互いに離間した第3、第4のフランジを含むことができるとともに、第1の距離は第2の距離よりも大きい。近位保持部材、遠位保持部材、及び円筒状サドル領域は、織物材料で形成され得る。近位保持部材及び遠位保持部材は、織物材料で形成され得るものであり、円筒状サドル領域は、編物材料で形成され得る。近位保持部材及び遠位保持部材は、織物材料で形成され得るものであり、円筒状サドル領域は、ポリマ材料で形成され得る。近位保持部材及び遠位保持部材は、ポリマ材料で形成され得るものであり、円筒状サドル領域は、織物材料で形成され得る。近位保持部材、遠位保持部材、及び/又は円筒状サドル領域は、被覆され得る。ポリマ材料は、生分解性又は生体内分解性であり得る。第2、第3のフランジは、第3の距離だけ離間し得るものであり、第3の距離は、第1の距離よりも大きい。第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジは、細長本体の外周に対して直角に延出し得る。第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジの直径は、円筒状サドル領域の直径よりも大きい寸法であり得る。第1、第2のフランジは、第1の組織層の相対する側に接触するように構成され得るものであり、第3、第4のフランジは、第2の組織層の相対する側に接触するように構成され得る。細長本体の開いた内部通路内に弁を配置し得る。
【0005】
他の態様では、本発明は、ステントに関するものであり、このステントは、フィラメント織物体で形成されたステント本体を備え、ステント本体は、拘束姿勢と拡張姿勢とを有し、拡張姿勢においては、本体の近位部は、近位保持部材に拡張しており、遠位部は、遠位保持部材に拡張しており、近位保持部材と遠位保持部材との間には、円筒状サドル領域が延びている。近位保持部材、遠位保持部材、及び円筒状サドル領域は、被覆され得る。近位保持部材、遠位保持部材、及び円筒状サドル領域は、流れを通過させるように構成された開いた内部通路を形成し得る。近位保持部材は、第1の距離だけ互いに離間した第1、第2のフランジを含むことができるとともに、遠位保持部材は、第2の距離だけ互いに離間した第3、第4のフランジを含むことができるとともに、第1の距離は第2の距離よりも大きい。第2、第3のフランジは、第3の距離だけ離間し得るものであり、第3の距離は、第1の距離よりも大きい。第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジは、ステント本体の外周に対して直角に延出し得る。第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジの直径は、円筒状サドル領域の直径よりも大きい寸法であり得る。第1、第2のフランジは、第1の組織層の相対する側に接触するように構成され得るものであり、第3、第4のフランジは、第2の組織層の相対する側に接触するように構成され得る。ステント本体の開いた内部通路内に弁を配置し得る。
【0006】
他の態様では、本発明は、ステントに関するものであり、このステントは、拘束姿勢と拡張姿勢とを有する細長本体を備え、拡張姿勢においては、本体の近位部は、近位保持部材に拡張しており、遠位部は、遠位保持部材に拡張しており、近位保持部材と遠位保持部材との間には、円筒状サドル領域が延びている。近位保持部材及び遠位保持部材は、織物材料で形成され得るものであり、円筒状サドル領域は、編物材料で形成され得る。近位保持部材、遠位保持部材、及び/又は円筒状サドル領域は、被覆され得る。近位保持部材、遠位保持部材、及び円筒状サドル領域は、流れを通過させるように構成された開いた内部通路を形成し得る。近位保持部材は、第1の距離だけ互いに離間した第1、第2のフランジを含むことができるとともに、遠位保持部材は、第2の距離だけ互いに離間した第3、第4のフランジを含むことができるとともに、第1の距離は第2の距離よりも大きい。第2、第3のフランジは、第3の距離だけ離間し得るものであり、第3の距離は第1の距離よりも大きい。第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジは、細長本体の外周に対して直角に延出し得る。第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジの直径は、円筒状サドル領域の直径よりも大きい寸法であり得る。第1、第2のフランジは、第1の組織層の相対する側に接触するように構成され得るものであり、第3、第4のフランジは、第2の組織層の相対する側に接触するように構成され得る。細長本体の開いた内部通路内に弁を配置し得る。
【0007】
さらなる他の態様では、本発明は、ステントに関するものであり、このステントは、拘束姿勢と拡張姿勢とを有する細長本体を備え、拡張姿勢においては、本体の近位部は、近位保持部材に拡張しており、遠位部は、遠位保持部材に拡張しており、近位フランジと遠位フランジとの間には、円筒状サドル領域が延びている。近位保持部材及び遠位保持部材は、織物材料で形成され得るものであり、円筒状サドル領域は、ポリマ材料で形成され得る。近位保持部材及び/又は遠位保持部材は、被覆され得る。近位保持部材、遠位保持部材、及び円筒状サドル領域は、流れを通過させるように構成された開いた内部通路を形成し得る。近位保持部材は、第1の距離だけ互いに離間した第1、第2のフランジを含むことができるとともに、遠位保持部材は、第2の距離だけ互いに離間した第3、第4のフランジを含むことができるとともに、第1の距離は第2の距離よりも大きい。第2、第3のフランジは、第3の距離だけ離間し得るものであり、第3の距離は第1の距離よりも大きい。第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジは、細長本体の外周に対して直角に延出し得る。第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジの直径は、円筒状サドル領域の直径よりも大きい寸法であり得る。第1、第2のフランジは、第1の組織層の相対する側に接触するように構成され得るものであるとともに、第3、第4のフランジは、第2の組織層の相対する側に接触するように構成され得る。ステント本体の開いた内部通路内に弁を配置し得る。円筒状サドル領域は、内部支持構造又は外部支持構造を含み得る。円筒状サドル領域は、1つ以上のコルゲート部を含み得る。
【0008】
さらなる他の態様では、本発明は、ステントに関するものであり、このステントは、拘束姿勢と拡張姿勢とを有する細長本体を備え、拡張姿勢においては、本体の近位部は、近位保持部材に拡張しており、遠位部は、遠位保持部材に拡張しており、近位フランジと遠位フランジとの間には、円筒状サドル領域が延びている。近位保持部材及び遠位保持部材は、ポリマ材料で形成され得るものであり、円筒状サドル領域は、織物材料で形成され得る。円筒状サドル領域は、被覆され得る。近位保持部材、遠位保持部材、及び円筒状サドル領域は、流れを通過させるように構成された開いた内部通路を形成し得る。近位保持部材は、第1の距離だけ互いに離間した第1、第2のフランジを含むことができるとともに、遠位保持部材は、第2の距離だけ互いに離間した第3、第4のフランジを含むことができるとともに、第1の距離は第2の距離よりも大きい。
【0009】
本発明の非限定的な実施形態について、例として添付の図面を参照して説明する。それらの図面は、概略的なものであって、縮尺通りに描かれたものではない。それらの図面では、図示される同じ構成要素又は略同じ構成要素は、通常、それぞれ一つの同じ数字で表している。明確にするため、すべての図面においてすべての構成要素にラベル付けしているわけではなく、また、当業者が本発明を理解できるために例示の必要はない場合には、各実施形態のすべての構成要素を図示しているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明の一実施形態による、自己拡張型ドレナージステントの斜視図。
図1B】本発明の一実施形態による、自己拡張型ドレナージステントの斜視図。
図1C】本発明の一実施形態による、自己拡張型ドレナージステントの斜視図。
図1D】本発明の一実施形態による、自己拡張型ドレナージステントの斜視図。
図1E】本発明の一実施形態による、自己拡張型ドレナージステントの斜視図。
図1F】本発明の一実施形態による、自己拡張型ドレナージステントの斜視図。
図2】本発明の一実施形態による、患者の体内に配置された図1Aの自己拡張型ドレナージステントの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、記載する特定の実施形態に限定されるものではない。本明細書で使用する用語は、単に具体的な実施形態を説明する目的のものにすぎず、添付の請求項の範囲に加えて限定するものではない。本明細書で使用する技術用語はいずれも、特に定義されている場合を除き、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に捉えるのと同じ意味を持つものである。
【0012】
なお、本発明の実施形態は、胆管ドレナージのための医療装置及びシステムを特に参照して説明しているが、そのような医療装置は、例えば真皮、胃、十二指腸、腎臓、胆嚢など、様々な生体器官、管腔、体腔の間に一時的若しくは永続的な開いた流路を確保及び/又は維持するために使用され得る。それらの装置は、例えば経皮的、内視鏡的、腹腔鏡的、又は何らかの組み合わせなど、様々に異なるアクセスポイント及びアプローチによって、挿入されることが可能である。記載するステントは、自己拡張型のものであるが、例えばバルーンカテーテルなど、他の手段によってステントを拡張可能である他の実施形態が可能な場合もある。さらに、そのような医療装置は、ドレナージに限らず、閉塞物の除去及び治療の実施のような他の目的で、器官へのアクセスを容易とする場合があり、それには、開いた流路を経由して、器官内の組織の非侵襲的又は最小侵襲的な操作及び/又は薬剤の導入が含まれる。
【0013】
本明細書で使用される場合の単数形「a」、「an」、及び「the」は、特に文脈で明確に示していない限り、複数形も含むものである。さらに、本明細書で使用される場合の「備える(comprises)」及び/又は「備えている(comprising)」又は「含む(includes)」及び/又は「含んでいる(including)」という表現は、記載される特徴、領域、ステップ、要素、及び/又はコンポーネントの存在を規定するが、ただし、1つ以上の他の特徴、領域、整数値、ステップ、オペレーション、要素、コンポーネント、及び/又はそれらからなる群の存在若しくは追加を除外するものではない。
【0014】
本明細書で使用される場合の、「遠位」という用語は、装置を患者に導入するときに医療専門家から最も遠い端を指し、一方、「近位」という用語は、装置を患者に導入するときに医療専門家に最も近い端を指す。
【0015】
一実施形態では、本発明は、別々の組織層の間に延びるように構成された自己拡張型ドレナージステントに関するものである。図1Aを参照して、一実施形態では、本発明のドレナージステントは、(例えば、ニチノールなどの)フィラメント織物体、フィラメント編物体、又はフィラメント編組体で形成されるとともに拘束姿勢と拡張姿勢との間で移行するように構成された、細長本体100を含み得る。拡張姿勢においては、細長本体100の近位部110は、第1、第2のフランジ114、116を備える近位保持部材112を形成することができ、細長本体100の遠位部120は、第3、第4のフランジ124、126を備える遠位保持部材122を形成することができ、近位保持部材と遠位保持部材との間には、円筒状サドル領域130が延びている。近位保持部材、遠位保持部材、及び/又は円筒状サドル領域は、(例えば、体液、物質などの)流れを通過させるように構成された連続した開いた内部通路140を形成するために、その内面及び/又は外面にコーティング142を含み得る。コーティング142は、例えば、シリコーン、ゴム、ポリエチレン、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、Chronoflex(登録商標)、及び熱可塑性エラストマなど、(例えば、胆汁のような体液に曝されたときに)非分解性かつ生体適合性である様々なポリマ材料からなり得る。第1、第2のフランジ114、116は、第1の距離Wだけ離間し得るものであるとともに、第3、第4のフランジ124、126は、第2の距離Wだけ離間し得るものであり、かつ、第1の距離Wは、第2の距離Wよりも大きい。第2、第3のフランジ116、124は、サドル領域130の長さを規定するように、第3の距離Wだけ離間し得る。非限定的な例として、第1の距離Wは、約25.0mm(例えば、少なくとも15.0mm、少なくとも20.0mm、少なくとも30.0mm、少なくとも35.0mmなど)である得るものであり、第2の距離は、約0.5mm(例えば、少なくとも0.25mm、少なくとも0.75mm、少なくとも1.00mmなど)であり得る。第3の距離Wは、第1の距離Wよりも小さいが、第2の距離Wよりは大きい寸法であり得る。例えば、第3の距離Wは、約10.0mm(例えば、少なくとも5.0mm、少なくとも15.0mmなど)であり得る。代替的に、第3の距離Wは、第1の距離Wよりも大きい寸法であり得る。例えば、第3の距離Wは、約200.0mm(例えば、少なくとも50.0mm、少なくとも100.0mm、少なくとも150.0mm、少なくとも250.0mmなど)であり得る。第1のフランジ114、第2のフランジ116、第3のフランジ124、及び第4のフランジ126の各々は、それぞれ平面114a、116a、124a、126aを規定するように、細長本体100の外周に対して直角に延出し得る。種々の実施形態において、第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジは、様々な構成を有してよく、これにより、それらのフランジの1つ以上は、細長本体に対して必ずしも直角ではない角度で径方向に延出し、さらに/又は、面114a、116a、124a、及び/又は126aは、必ずしも平らではない。例えば、第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジのいずれか又はすべては、細長本体の端に向かって外向きに、又は細長本体の中央部に向かって返るように、又はこの両方の何らかの組み合わせで向きを変えて、延出し得る。
【0016】
種々の実施形態において、第1の距離Wは、第1、第2のフランジ114、116の平面114a、116aを例えば腹壁などの第1の組織壁の相対する側に接触させて強く圧迫(例えば、係合)するのに十分な距離であり得る。第2の距離Wは、第3、第4のフランジ124、126の平面124a、126aを例えば胆管などの第2の組織壁の相対する側に接触させて強く圧迫(例えば、係合)するのに十分な距離であり得る。平面114a、116a、124a、126aのうちの1つ以上は、さらに、対応する組織壁に係合するために様々なランダムパターン又は非ランダムパターンで配列された(例えば、バンプ、突起、球状突起などの)表面パターンを有してよく、これにより、組織壁の範囲内又は組織壁の間でステントが動く(例えば、回転する)ことを制限又は阻止する。第3の距離Wは、円筒状サドル領域が、どちらの組織壁に対しても、その上又はその間に過度のテンションを及ぼすことなく、第1の組織壁と第2の組織壁との間に開いた内部通路を提供するように、第1の組織壁と第2の組織壁との間に延びることを可能とするのに十分な距離であり得る。一実施形態では、近位保持部材又は遠位保持部材のどちらかが留置されたときに、円筒状サドル領域130を形成している細長本体100の部分は短縮しないように構成され得るものであり、これにより、第1、第2の組織壁の間に付与されるテンションは最小限となる。第1のフランジ114、第2のフランジ116、第3のフランジ124、及び第4のフランジ126の各々は、円筒状サドル領域及び/又は近位保持部材112及び遠位保持部材122のそれぞれのフランジ114、116、124、126の間の部分の外径dよりも大きい外径dを有し得る。例えば、外径dは、約7.0mm~約30mmである得るものであり、外径dは、約3.0mm~約15.0mmであり得る。例えば、1つ以上の実施形態において、第1のフランジ114、第2のフランジ116、第3のフランジ124、及び第4のフランジ126のうちの1つ以上は、円筒状サドル領域及び/又は近位保持部材112及び遠位保持部材122のそれぞれのフランジ114、116、124、126の間の部分の外径dよりも、75%~100%も大きい外径dを有し得る。
【0017】
図1Bを参照して、一実施形態では、細長本体100の第1の部分110及び第2の部分120は、上述のように近位保持部材112及び遠位保持部材122を形成するように構成された(例えば、ニチノールの)フィラメント織物体又はフィラメント編組体で形成され得るものであり、円筒状サドル領域130は、(例えば、ニチノールなどの)フィラメント編物体で形成され得る。フィラメント織物体又はフィラメント編組体と比較して、フィラメント編物体は、より高い可撓性を円筒状サドル領域に付与し得ることで、患者が動いたときに、一方若しくは両方の保持部材が外れる可能性又はその他の形でどちらかの組織壁に過度の力を及ぼす可能性を低減する。一実施形態では、円筒状サドル領域130の各端は、適切なグルー、接着剤、樹脂、又は他の接合技術を用いて、近位部110及び遠位部120に付着(例えば、接着、接合、織り合わせ、貼付など)され得る。代替的に、より高い可撓性をサドル領域に付与するために、円筒状サドル領域の織り方を近位部及び遠位部の織り方とは異なるようにすることが可能である。例えば、所望の可撓性を得るための必要に応じて、サドル領域の織りパターン及び/又は織りピッチを調整することができる。
【0018】
図1Cを参照して、一実施形態では、細長本体100の第1の部分110及び第2の部分120は、上述のように近位保持部材112及び遠位保持部材122を形成するように構成された(例えば、ニチノールの)フィラメント織物体又はフィラメント編組体で形成され得るものであり、円筒状サドル領域130は、ポリマ材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーン、熱可塑性形状記憶樹脂及び/又は熱硬化性形状記憶樹脂など)で形成され得る。代替的に、円筒状サドル領域の一部分は、ポリマ材料で形成され得るものであり、円筒状サドル領域の他の部分は、フィラメント織物体、フィラメント編組体、又はフィラメント編物体で形成され得る。種々の実施形態において、ポリマ材料は、どちらの組織壁にも過度の圧力又は歪みを及ぼすことなく、近位保持部材及び遠位保持部材が組織壁における位置が揃っていない開口に係合し得るように、十分な可撓性又は展性を円筒状サドル領域若しくはその一部分に付与し得る。追加的又は代替的に、近位保持部材と遠位保持部材との間に付与される可撓性を高めるために、円筒状サドル領域は、様々な内部支持構造又は外部支持構造(例えば、螺旋状支持構造、渦巻き状支持構造、コルゲート部など)を含み得る。
【0019】
図1Dを参照して、一実施形態では、細長本体100の近位部110及び遠位部120は、近位保持部材112及び遠位保持部材122を形成するように構成されたポリマ材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーン、熱可塑性形状記憶樹脂及び/又は熱硬化性形状記憶樹脂など)で形成され得るものであり、円筒状サドル領域130は、(例えば、ニチノールの)フィラメント織物体又はフィラメント編組体で形成され得る。
【0020】
種々の実施形態において、ポリマ材料は、外科的介入を必要とすることなく、ステントが第1の組織壁及び第2の組織壁から解放されるように、時間とともに近位保持部材及び/又は遠位保持部材が部分的又は完全に分解することを可能とするように構成された、生分解性又は生体内分解性の材料を含み得る。図1C図1Dの実施形態のいずれにおいても、フィラメント織物体又はフィラメント編組体は、適切なグルー、接着剤、樹脂、又は他の接合技術を用いて、ポリマ材料に付着され得る。追加的又は代替的に、種々の実施形態のいずれにおいても、フィラメント編組体は、金属フィラメント又はポリマフィラメントである得るものであり、さらに、織り上げられたシングルフィラメント又は織り合わされたマルチフィラメントを含み得る。
【0021】
図1Eを参照して、一実施形態では、細長本体100の開いた内部通路140は、さらに、閉状態と開状態との間で移行可能な1つ以上の弁150(例えば、ダックビル弁、スリット弁など)を含むことができるとともに、これにより、患者又は医療専門家が(例えば、ドレナージチューブを挿入することによって)弁を開くべきであると判断するまでは、開いた内部通路140を通過する液流を遮断又は阻止する。弁150を、第1の保持部材112の範囲内に図示しているが、種々の実施形態において、弁150は、細長本体100の開いた内部通路140に沿った任意の場所に配置し得る。そのような弁の例は、米国特許出願公開第2012/0226243号明細書に記載されており、この文献の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。そのような弁は、本明細書で考察したポリマのいずれかなど、生体適合性かつ非分解性である様々な適切な材料からなってよく、そして、記載の種々の実施形態又はそれ以外に本発明の範囲内で企図される種々の実施形態のいずれかと共に用いてよい。
【0022】
図1Fを参照して、一実施形態では、細長本体100の近位保持部材の第1、第2のフランジ114、116は、第1の距離Wだけ離間し得るものであり、遠位保持部材の第3、第4のフランジ124、126は、第2の距離Wだけ離間し得るものであり、第1の距離と第2の距離とは略同じである。第2、第3のフランジ116、124は、サドル領域130の長さを規定するように、第3の距離Wだけ離間し得る。例えば、第1の距離Wと第2の距離Wは両方とも、約0.5mm(例えば、少なくとも0.25mm、少なくとも0.75mm、少なくとも1.00mmなど)であり得る。種々の実施形態において、第1の距離Wは、第1、第2のフランジ114、116の平面114a、116aを例えば十二指腸壁などの第1の組織壁の相対する側に接触させて強く圧迫(例えば、係合)するのに十分な距離であり得る。第2の距離Wは、第3、第4のフランジ124、126の平面124a、126aを例えば胆管などの第2の組織壁の相対する側に接触させて強く圧迫(例えば、係合)するのに十分な距離であり得る。第3の距離Wは、円筒状サドル領域が第1の組織壁と第2の組織壁との間を延びるのに十分な距離とすることができ、円筒状サドル領域は、第1の組織壁と第2の組織壁の双方に対して、つまり両組織壁の間に好ましくないテンションを及ぼすことなく、第1の組織壁と第2の組織壁との間に開いた内部通路を提供する。種々の実施形態において、第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジは、様々な構成を有してよく、これにより、それらのフランジの1つ以上は、細長本体に対して必ずしも直角ではない角度で径方向に延出し、さらに/又は、面114a、116a、124a、及び/又は126aは、必ずしも平らではない。例えば、第1のフランジ、第2のフランジ、第3のフランジ、及び第4のフランジのいずれか又はすべては、細長本体の端に向かって外向きに、又は細長本体の中央部に向かって返るように、又はこの両方の何らかの組み合わせで向きを変えて、延出し得る。
【0023】
図2を参照して、一実施形態において、本開示のドレナージステント100は、第1、第2のフランジ114、116の平面114a、116aが腹壁60の相対する側に接触(例えば、係合)し、第3、第4のフランジ124、126の平面124a、126aが胆管70の相対する側に接触し、かつ、円筒状サドル領域130が腹壁と胆管との間に開いた内部通路を提供するように腹壁と胆管との間に延びるように、患者の体内に配置され得る。
【0024】
使用時には、例として、ドレナージステントは、拘束姿勢で、組織穿通要素のルーメン内に配置され得る。組織穿通要素の先鋭遠位端を、腹壁に貫通させて胆管の内部領域に進め得る。次に、ステント本体100の遠位部120を、組織穿通要素のルーメンを越えて遠位方向に進めることができ、これにより、第4のフランジ126は胆管内に留置されて、その平面126aは胆管の内壁に接触させられる。次に、組織穿通要素を、その先鋭遠位端が胆管の外に配置されるように、近位方向に退避させ、そして細長本体の残りの遠位部120を、組織穿通要素のルーメンを越えて遠位方向に進めることにより、第3のフランジ124は胆管の外側に留置されて、その平面124aは胆管の外壁に接触させられる。
【0025】
遠位保持部材の留置が完了したら、組織穿通部材を、その先鋭遠位端が腹壁の内面に隣接して配置されるように、近位方向に退避させ得る。次に、ステント本体110の近位部110を、組織穿通要素のルーメンを越えて遠位方向に進めることができ、これにより、第2のフランジは、その平面116aを腹部内壁に接触させるように留置される。次に、組織穿通要素を、その先鋭遠位端が患者の体外に配置されるように、近位方向に退避させてよく、そして細長本体の残りの近位部110を、組織穿通要素のルーメンを越えて遠位方向に進めて、これにより、第1のフランジは、その平面114aを腹部外壁に接触させるように留置される。
【0026】
代替的に、上記の方法において、先鋭遠位チップを有する別個の器具を、上記の経路に沿って胆管内に進めることができ、これにより経路を確保して、ガイドワイヤを導入し、そのガイドワイヤに沿って別個の器具を抜去して、ガイドワイヤに沿って挿入されたデリバリカテーテル上に、上記の種々の実施形態によるドレナージステントを装着し、その後、そのステントを上記で概説したステップに従って留置する。
【0027】
種々の実施形態において、患者の体外に及んでいるステント本体100の部分に、医療装置(例えば、回収袋など)を装着してよい。追加的又は代替的に、拡張姿勢にあるステント本体によって形成される開いた内部通路に、様々な医療装置を挿通させてよい。例えば、ドレナージチューブを、これを通した液の排出を容易とするために、開いた内部通路に通って進め得る。代替的に、胆管内から閉塞物(例えば、胆石など)を除去するために、摘出装置を、開いた内部通路を通って導入し得る。
【0028】
本明細書において開示するとともに請求項に記載している装置及び/又は方法はいずれも、本発明に照らして、過度の実験を行うことなく、製造及び実行することが可能である。本発明の装置及び方法について、好ましい実施形態によって説明しているが、本発明の概念、趣旨、及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の装置及び/又は方法、並びに方法のステップ若しくはステップの順序において、変形を適用できることは、当業者には明らかであろう。当業者に明らかな、かかる類似のものによる置換及び変更はいずれも、添付の請求項で規定される本発明の趣旨、範囲、及び概念の範囲内にあるものとみなされる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントであって、
前記ステントは、1つ以上のフィラメント織物体で形成された細長本体を備え、前記細長本体は、拘束姿勢と非拘束姿勢とを有し、
前記非拘束姿勢においては、前記細長本体の終端部が拡張されて第1の保持部材になっているとともに前記細長本体の付加部が拡張されて第2の保持部材になっており、
前記非拘束姿勢において、前記細長本体はサドル領域を備え、該サドル領域は前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との間に第1の距離で延びており、
前記第1の保持部材、前記第2の保持部材、及び前記サドル領域は、開いた内部通路を形成しており、
前記第1の保持部材は、前記第1の距離とは異なる第2の距離だけ互いに離間した第1のフランジと第2のフランジとを含み、
前記第2の保持部材は、第3のフランジを少なくとも含み、
前記第1の保持部材、前記第2の保持部材、又は両保持部材は、前記サドル領域に対し異なる織りパターン若しくは異なる織りピッチのいずれか若しくは双方からなり、
前記ステントは、前記第1の保持部材、前記第2の保持部材、又は前記サドル領域に被さって延びる部分的な被覆部を備える、ステント。
【請求項2】
前記部分的な被覆部は、前記サドル領域に被さって延びる、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記部分的な被覆部は、さらに、前記第1の保持部材に被さって延びる、請求項2に記載のステント。
【請求項4】
前記部分的な被覆部は、さらに、前記第2の保持部材に被さって延びる、請求項2に記載のステント。
【請求項5】
前記部分的な被覆部は、前記第1の保持部材に被さって延びる、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
前記部分的な被覆部は、前記第2の保持部材に被さって延びる、請求項2に記載のステント。
【請求項7】
前記部分的な被覆部は、前記第2の保持部材に被さって延びる、請求項1に記載のステント。
【請求項8】
前記第1のフランジ及び前記第2のフランジのそれぞれの直径は、前記サドル領域の直径よりも大きい、請求項1~7のいずれか一項に記載のステント。
【請求項9】
前記第1のフランジ及び前記第2のフランジは、第1の組織層の相対する側に接触するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のステント。
【請求項10】
前記第2の保持部材に拡張した、前記細長本体の前記付加部は、前記第1の保持部材に拡張した、前記細長本体の終端部に対向する前記細長本体の終端部を包含する、請求項1~7のいずれか一項に記載のステント。
【請求項11】
前記第1の保持部材、前記第2の保持部材、若しくは前記サドル領域、又は、これらの任意の組合せは、ポリマ材料からなる、請求項1~7のいずれか一項に記載のステント。
【請求項12】
前記ポリマ材料は生分解性である、請求項11に記載のステント。
【請求項13】
前記第1の保持部材、前記第2の保持部材、又は前記サドル領域の1つ以上は、編物材料からなる、請求項1~7のいずれか一項に記載のステント。
【請求項14】
前記第1の距離は前記第2の距離よりも長い、請求項1~7のいずれか一項に記載のステント。
【請求項15】
前記細長本体の前記開いた内部通路内に配置された弁をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のステント。
【請求項16】
前記第1のフランジ、前記第2のフランジ、及び前記第3のフランジは、同一形状である、請求項1~7のいずれか一項に記載のステント。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
(付記)
好ましい実施形態として、上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下記載する。
[項目1]
ステントであって、
拘束姿勢を有する細長本体を備え、
前記細長本体は、拡張姿勢を有し、前記拡張姿勢においては、前記細長本体の近位部が拡張されて近位保持部材になっており、前記細長本体の遠位部が拡張されて遠位保持部材になっているとともに、前記近位保持部材と前記遠位保持部材との間に前記細長本体の円筒状サドル領域が延びており、
前記近位保持部材、前記遠位保持部材、及び前記円筒状サドル領域は、流れを通過させるように構成された開いた内部通路を形成しており、
前記円筒状サドル領域は、前記近位保持部材及び前記遠位保持部材の一方若しくは他方又は両方と比較して前記円筒状サドル領域に大きな柔軟性を与えるように、前記近位保持部材及び前記遠位保持部材の一方若しくは他方又は両方とは異なる材料、織りパターン、編物パターン、織りピッチ、編物ピッチ、若しくは編組ピッチ、又はそれらの任意の組み合わせで構成されており、
前記近位保持部材は、第1の距離だけ互いに離間した第1のフランジと第2のフランジとを含み、前記遠位保持部材は、第2の距離だけ互いに離間した第3のフランジと第4のフランジとを含む、ステント。
[項目2]
前記近位保持部材、前記遠位保持部材、及び前記円筒状サドル領域は、織物材料で形成されている、項目1に記載のステント。
[項目3]
前記近位保持部材及び前記遠位保持部材は、織物材料で形成されているとともに、前記円筒状サドル領域は、編物材料で形成されている、項目1に記載のステント。
[項目4]
前記近位保持部材及び前記遠位保持部材は、織物材料で形成されているとともに、前記円筒状サドル領域は、ポリマ材料で形成されている、項目1に記載のステント。
[項目5]
前記近位保持部材及び前記遠位保持部材は、ポリマ材料で形成されているとともに、前記円筒状サドル領域は、織物材料で形成されている、項目1に記載のステント。
[項目6]
前記近位保持部材、前記遠位保持部材、及び前記円筒状サドル領域は、被覆されている、項目2に記載のステント。
[項目7]
前記近位保持部材、前記遠位保持部材、及び前記円筒状サドル領域は、被覆されている、項目3に記載のステント。
[項目8]
前記近位保持部材及び前記遠位保持部材は、被覆されている、項目4に記載のステント。
[項目9]
前記円筒状サドル領域は、被覆されている、項目5に記載のステント。
[項目10]
前記ポリマ材料は、生分解性である、項目5に記載のステント。
[項目11]
前記第2のフランジと前記第3のフランジは、第3の距離だけ離間しており、前記第3の距離は、前記第1の距離よりも大きい、項目1~10のいずれか一項に記載のステント。
[項目12]
前記第1のフランジ、前記第2のフランジ、前記第3のフランジ、及び前記第4のフランジは、前記細長本体の外周に対して直角に延出している、項目1~11のいずれか一項に記載のステント。
[項目13]
前記第1のフランジ、前記第2のフランジ、前記第3のフランジ、及び前記第4のフランジの直径は、前記円筒状サドル領域の直径よりも大きい、項目1~12のいずれか一項に記載のステント。
[項目14]
前記第1のフランジと前記第2のフランジは、当該第1、第2のフランジの間に配置可能な第1の組織層の相対する側に接触するように構成されており、前記第3のフランジと前記第4のフランジは、当該第3、第4のフランジ間に配置可能な第2の組織層の相対する側に接触するように構成されている、項目1~13のいずれか一項に記載のステント。
[項目15]
前記第1の距離は前記第2の距離とは異なる、項目1~14のいずれか一項に記載のステント。
本明細書において開示するとともに請求項に記載している装置及び/又は方法はいずれも、本発明に照らして、過度の実験を行うことなく、製造及び実行することが可能である。本発明の装置及び方法について、好ましい実施形態によって説明しているが、本発明の概念、趣旨、及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の装置及び/又は方法、並びに方法のステップ若しくはステップの順序において、変形を適用できることは、当業者には明らかであろう。当業者に明らかな、かかる類似のものによる置換及び変更はいずれも、添付の請求項で規定される本発明の趣旨、範囲、及び概念の範囲内にあるものとみなされる。