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特開2023-55938空気圧システムの流体スイッチングモジュールのためのノイズ減衰器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055938
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】空気圧システムの流体スイッチングモジュールのためのノイズ減衰器
(51)【国際特許分類】
   F15C 1/00 20060101AFI20230411BHJP
   A61H 7/00 20060101ALI20230411BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
F15C1/00
A61H7/00 322A
A47C7/62 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023018052
(22)【出願日】2023-02-09
(62)【分割の表示】P 2021556429の分割
【原出願日】2020-03-16
(31)【優先権主張番号】16/359,709
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516197218
【氏名又は名称】レゲット・アンド・プラット・カナダ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】ワトソン,ギリェルメ・ハーテンバーグ
(72)【発明者】
【氏名】オムア,ウェード
(72)【発明者】
【氏名】ブレンディア,ホリア
(72)【発明者】
【氏名】コルジャ,レナト
(72)【発明者】
【氏名】マクミレン,ロバート・ジェイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】音響減衰器が、可聴範囲全体にわたって40dB未満まで、流体スイッチングモジュールを通って流れる空気によって生成されたノイズを減衰させるように構成されている、音響減衰器と、を含む、空気圧システムを提供する。
【解決手段】空気圧システムは、空気通路と、空気通路と流体連通しているベント78と、を有する、流体スイッチングモジュール34を含む。空気圧システムはまた、流体スイッチングモジュールに連結された音響減衰器504を含み、音響減衰器は、ベントと流体連通している第1のチャンバ540と、第1のチャンバを介してベントと流体連通している第1のオリフィス560と、第1のオリフィスを介して第1のチャンバと流体連通している第2のチャンバ556と、第2のチャンバを介して第1のオリフィスと流体連通している第2のオリフィス564と、を有する。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧システムであって、
流体スイッチングモジュールであって、
空気通路と、
前記空気通路と流体連通しているベントと、を含む、流体スイッチングモジュールと、
前記流体スイッチングモジュールに連結された音響減衰器であって、
前記ベントと流体連通している第1のチャンバと、
前記第1のチャンバを介して前記ベントと流体連通している第1のオリフィスと、
前記第1のオリフィスを介して前記第1のチャンバと流体連通している第2のチャンバと、
前記第2のチャンバを介して前記第1のオリフィスと流体連通している第2のオリフィスと、を含む、音響減衰器と、を備える、空気圧システム。
【請求項2】
前記音響減衰器が、凹部を有する主要本体を含み、前記流体スイッチングモジュールが、前記凹部内に受容されている、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項3】
前記主要本体が、ポリプロピレンで作製されている、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項4】
前記ベントが、複数のベントのうちの1つであり、前記複数のベントの各ベントが、前記第1のチャンバと流体連通している、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項5】
前記第2のチャンバが、前記第1のチャンバを少なくとも部分的に取り囲む、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項6】
前記第1のオリフィスが、前記ベントに対して垂直に配向されている、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項7】
前記第2のオリフィスが、周囲環境と流体連通している、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項8】
前記第1のチャンバが、第1の共振周波数を有し、前記第2のチャンバが、第2の共振周波数を有し、前記第1の共振周波数が、前記第2の共振周波数よりも少なくとも10%高い、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項9】
前記第1の共振周波数および前記第2の共振周波数が、前記流体スイッチングモジュールを通って流れる空気によって生成されるノイズを減衰させる破壊的干渉を生成するように構成されている、請求項8に記載の空気圧システム。
【請求項10】
流体スイッチングモジュールのためのノイズ減衰器であって、
第1の壁、第1の複数の外側壁、前記第1の壁から延在している複数の内側壁、および前記複数の内側壁の間に延在しているフロアを含む、主要本体と、
前記主要本体に連結された蓋であって、前記第1の壁と反対側の第2の壁、および第2の複数の外側壁を含む、蓋と、
前記複数の内側壁のうちの1つを通って延在している第1のオリフィスであって、前記第1のオリフィスが、前記フロアと前記第2の壁との間に延在しているチャンバと流体連通している、第1のオリフィスと、
前記第1の複数の外側壁のうちの1つの外側壁または前記第2の複数の外側壁のうちの
1つの外側壁を通って延在している、第2のオリフィスと、を備える、ノイズ減衰器。
【請求項11】
前記複数の内側壁および前記フロアが、前記主要本体内に凹部を画定し、前記凹部が、前記流体スイッチングモジュールを受容するように構成されている、請求項10に記載のノイズ減衰器。
【請求項12】
前記チャンバが、前記凹部を少なくとも部分的に取り囲む、請求項11に記載のノイズ減衰器。
【請求項13】
前記主要本体および前記蓋が、単一の構成要素として共に一体的に成形されている、請求項10に記載のノイズ減衰器。
【請求項14】
前記第2のオリフィスが、前記チャンバを介して前記第1のオリフィスと流体連通している、請求項10に記載のノイズ減衰器。
【請求項15】
前記蓋が、前記主要本体に枢動的に連結されている、請求項10に記載のノイズ減衰器。
【請求項16】
空気圧システムであって、
流体スイッチングモジュールであって、
空気通路と、
前記空気通路と流体連通しているベントと、を含む、流体スイッチングモジュールと、
前記流体スイッチングモジュールに連結された音響減衰器であって、前記音響減衰器が、可聴範囲全体にわたって40dB未満まで、前記流体スイッチングモジュールを通って流れる空気によって生成されたノイズを減衰させるように構成されている、音響減衰器と、を備える、空気圧システム。
【請求項17】
前記音響減衰器が、前記ベントと流体連通している第1のチャンバと、前記第1のチャンバを介して前記ベントと流体連通している第2のチャンバと、を含む、請求項16に記載の空気圧システム。
【請求項18】
前記第1のチャンバが、第1の共振周波数を有し、前記第2のチャンバが、第2の共振周波数を有し、前記第1の共振周波数および前記第2の共振周波数が、前記ノイズを減衰させるための破壊的干渉を生成するように構成されている、請求項17に記載の空気圧システム。
【請求項19】
前記音響減衰器が、第1のオリフィスを含み、前記第2のチャンバが、前記第1のオリフィスを介して前記第1のチャンバと流体連通している、請求項17に記載の空気圧システム。
【請求項20】
前記第2のチャンバを介して前記第1のオリフィスと流体連通している第2のオリフィスをさらに備える、請求項19に記載の空気圧システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、商用および住宅用、例えば、オフィスおよび家庭用家具、より具体的には、車両座席システム(航空機、自動車など)内で使用するための空気圧マッサージシステムに関する。
【発明の概要】
【0002】
本開示は、一実施形態において、空気通路と、空気通路と流体連通しているベントとを有する、流体スイッチングモジュールを含む空気圧システムを提供する。空気圧システムはまた、流体スイッチングモジュールに連結された音響減衰器を含み、音響減衰器は、ベントと流体連通している第1のチャンバと、第1のチャンバを介してベントと流体連通している第1のオリフィスと、第1のオリフィスを介して第1のチャンバと流体連通している第2のチャンバと、第2のチャンバを介して第1のオリフィスと流体連通している第2のオリフィスと、を有する。
【0003】
本開示は、別の実施形態では、第1の壁、第1の複数の外側壁、第1の壁から延在している複数の内側壁、および複数の内側壁の間に延在しているフロアを有する、主要本体を含む、流体スイッチングモジュールのためのノイズ減衰器を提供する。ノイズ減衰器はまた、主要本体に連結された蓋を含み、蓋は、第1の壁と反対側の第2の壁、および第2の複数の外側壁を有する。第1のオリフィスは、複数の内側壁のうちの1つを通って延在しており、第1のオリフィスは、フロアと第2の壁との間に延在しているチャンバと流体連通している。第2のオリフィスは、第1の複数の外側壁のうちの1つの外側壁または第2の複数の外側壁のうちの1つの外側壁を通って延在している。
【0004】
本開示は、別の実施形態では、空気通路と、空気通路と流体連通しているベントと、を有する、流体スイッチングモジュールと、流体スイッチングモジュールに連結された音響減衰器であって、音響減衰器が、可聴範囲全体にわたって40dB未満まで、流体スイッチングモジュールを通って流れる空気によって生成されたノイズを減衰させるように構成されている、音響減衰器と、を含む、空気圧システムを提供している。
【0005】
本開示の他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、流体スイッチングモジュールを含む空気圧システムの概略図である。
図2図2は、図1の流体スイッチングモジュールの正面斜視図である。
図3図3は、図1の流体スイッチングモジュールの背面斜視図である。
図4図4は、図1の流体スイッチングモジュールの分解図である。
図5図5は、カバーが取り外された状態の、図1の流体スイッチングモジュールの正面図である。
図6図6は、線6~6によって識別される、図5の流体スイッチングモジュールの一部分の拡大図である。
図7図7は、線7~7によって識別される、図5の流体スイッチングモジュールの一部分の拡大図である。
図8図8は、線8~8によって識別される、図5の流体スイッチングモジュールの一部分の拡大図である。
図9図9は、図5の流体スイッチングモジュールの空気通路の概略図である。
図10A図10A図10Eは、図5の流体スイッチングモジュールを通る気流動作を表す概略図である。
図10B図10A図10Eは、図5の流体スイッチングモジュールを通る気流動作を表す概略図である。
図10C図10A図10Eは、図5の流体スイッチングモジュールを通る気流動作を表す概略図である。
図10D図10A図10Eは、図5の流体スイッチングモジュールを通る気流動作を表す概略図である。
図10E図10A図10Eは、図5の流体スイッチングモジュールを通る気流動作を表す概略図である。
図11図11は、音響減衰器に連結された図1の流体スイッチングモジュールを含むアセンブリの斜視図である。
図12図12は、図11のアセンブリの分解図である。
図13図13は、図11の音響減衰器の斜視図である。
図14図14は、図11の音響減衰器の別の斜視図である。
図15図15は、線15~15に沿って得られる、図11のアセンブリの断面図である。
図16図16は、流体スイッチングモジュールから音響減衰器を通る気流経路をさらに示す図15の断面図である。
図17A図17Aは、図1の流体スイッチングモジュールの動作ノイズプロファイルを示すグラフである。
図17B図17Bは、図11のアセンブリの動作ノイズプロファイルを示すグラフである。
【0007】
本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示がその適用において、以下の説明に記載される、または以下の図面に例示される構築および構成要素の配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態を支持することができ、様々な方法で実施されるか、または実行され得る。また、本明細書で使用される言い回しおよび用語は、説明の目的のためのものであり、限定と見なされるべきでないことが理解されるべきである。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」、または「有する(having)」、およびその変形形態の使用は、その後に列挙される項目およびその等価物、ならびに追加の項目を包含することを意味する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「上部」、「下部」、「上部」、「下部」、「前部」、「後部」という用語、および他の方向性用語は、任意の特定の配向を必要とすることを意図せず、代わりに、説明の目的でのみ使用される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、空気圧システム10(すなわち、空気圧マッサージシステム、振動空気圧システムなど)が示されている。空気圧システム10は、空気圧源14(例えば、エアポンプ、エアコンプレッサなど)、第1のブラダ18、第2のブラダ22、第3のブラダ26、および第4のブラダ30を含む。空気圧システム10は、空気圧源14およびブラダ18、22、26、30に流体接続された流体スイッチングモジュール34をさらに含む。いくつかの実施形態では、空気圧源10は、電気モータによって駆動される。言い換えると、専用の電気モータによって空気圧が発生する。代替的な実施形態では、空気圧源10は、既存の車両空気圧システム内の空気圧モジュールまたは任意の空気圧源を含む、任意の好適な圧縮空気源である。
【0009】
以下でより詳細に説明されるように、空気圧システム10は、いかなる電気的または機械的バルブも使用することなく、ブラダ18、22、26、30を周期的に膨張および収縮させることによって、マッサージ効果を生成するために利用される。具体的には、空気
源14は、流体スイッチングモジュール34に加圧空気の供給源を提供し、これは、流体スイッチングモジュール34のいかなる部分も移動させることなく、事前定義されたシーケンスでブラダ18、22、26、30への空気の流れを制御する。特に、空気の流れは、ブラダ18、22、26、30が交錯するように(すなわち、一様な膨張から)繰り返し膨張および収縮するように、流体スイッチングモジュール34によって制御され、それによって、マッサージ効果を生み出す。いくつかの実施形態では、空気圧システム10は、座席内に統合され、以下の説明の目的のために、座席は、必ずしも車両用途に限定されないが、車両の乗客区画内の任意の車両座席であり得る。
【0010】
図1図2を参照すると、流体スイッチングモジュール34は、ベース38およびカバー42を含む。モジュール34は、ベース38の一側面50上に形成された5つの空気接続部46A~46Eをさらに含む。特に、ベース38は、空気圧源コネクタ46A、第1のブラダコネクタ46B、第2のブラダコネクタ46C、第3のブラダコネクタ46D、第4のブラダコネクタ46Eを含む。
【0011】
図4を参照すると、空気通路54は、ベース38内に形成される。特に、空気通路54は、フロア62を有するチャネル58およびカバー42によって部分的に画定される。言い換えると、空気通路54は、フロア62、カバー42、およびフロア62とカバー42との間に延在する側壁によって少なくとも部分的に画定される。図5を参照すると、空気接続部46A~46Eは、フロア62を通る対応するボア66A~66Eを介して空気通路54に流体的に接続されている。加えて、大気へのベント70、74、78、82(図3)は、空気通路54を大気と流体連通させるために、ベース38内(より具体的には、フロア62内)に形成される。空気通路54およびベント70、74、78、82の動作は、以下により詳細に説明される。一般に、空気通路54およびベント70、74、78、82は、空気源14からブラダ18、22、26、30への空気の流れを所定のシーケンスで受動的に制御する(すなわち、追加の機械的または電気的バルブなしで)。
【0012】
図9を参照すると、空気通路54は、複数の「ゾーン」および「サブシステム」を画定する。特に、空気通路54は、第1のサブシステム86(図9で陰影が付けられている)、第1のサブシステム86に流体接続された第2のサブシステム90、および第1のサブシステム86に流体接続された第3のサブシステム94を含む。第1のサブシステム86は、空気源接続46Aを含む第1の上流位置にある入口ゾーン98と、入口ゾーン98の下流に位置付けられた第1のスプリッタゾーン102と、を含む。第1のサブシステム86は、第1の転送ゾーン106および第2の転送ゾーン110をさらに含む。第1のスプリッタゾーン102は、第1の転送ゾーン106および第2の転送ゾーン110に流体接続されている。第1の転送ゾーン106は、第2のサブシステム90の入口ゾーン114と流体連通している。同様に、第2の転送ゾーン110は、第3のサブシステム94の入口ゾーン118と流体連通している。
【0013】
図9を引き続き参照すると、第2のサブシステム90は、第2の上流位置にある入口ゾーン114と、入口ゾーン114に流体接続された第2の空気スプリッタゾーン122と、を含む。第2のサブシステム90は、第2のスプリッタゾーン122に流体接続された第1のブラダゾーン126および第2のブラダゾーン130をさらに含む。第1のブラダ接続部46Bは、第1のブラダゾーン126内に位置付けられており、第2のブラダ接続部46Cは、第2のブラダゾーン130内に位置付けられている。加えて、第2のサブシステム90は、第1のブラダゾーン126に流体接続された第1のベントゾーン134と、第2のブラダゾーン130に流体接続された第2のベントゾーン138と、を含む。第1のベント70は、第1のベントゾーン134内に位置付けられており、第2のベント74は、第2のベントゾーン138内に位置付けられている。また、第2のサブシステム90は、第2のベントゾーン138および第1のサブシステム86の第1の転送ゾーン106に流体接続されたフィードバックゾーン142を含む。
【0014】
図9を引き続き参照すると、第3のサブシステム94は、第2のサブシステム90と類似している。第3のサブシステム94は、第3の上流位置にある入口ゾーン114と、入口ゾーン114に流体接続された第3の空気スプリッタゾーン146と、を含む。第3のサブシステム94は、第3のブラダゾーン150および第3のスプリッタゾーン146に流体接続された第4のブラダゾーン154をさらに含む。第3のブラダ接続部46Dは、第3のブラダゾーン150内に位置付けられており、第4のブラダ接続部46Eは、第4のブラダゾーン154内に位置付けられている。加えて、第3のサブシステム94は、第3のブラダゾーン150に流体接続された第3のベントゾーン158と、第4のブラダゾーン154に流体接続された第4のベントゾーン162と、を含む。第3のベント78は、第3のベントゾーン158内に位置付けられており、第4のベント82は、第4のベントゾーン162内に位置付けられている。また、第3のサブシステム94は、第4のベントゾーン162および第1のサブシステム86の第2の転送ゾーン110に流体接続されたフィードバックゾーン166を含む。
【0015】
図5図8を参照すると、空気通路54は、複数の「通路」、「壁」、「寸法」などをさらに画定する。第1の入口ゾーン98は、空気源コネクタ46Aと流体連通する入口通路170を含み、入口空気流軸174を画定する(図6)。空気源コネクタ46Aのボア66Aは、約1.0mm~約3.0mmの範囲内の直径178を画定する。入口通路170は、下流でノズル182に向かって狭くなる。特に、入口通路170は、入口幅寸法186を含み、ノズル182は、入口幅寸法186よりも小さいノズル幅寸法190を画定する。図示された実施形態では、入口幅寸法186は、直径178に等しい。入口幅寸法186は、約1.25~約5.5倍の範囲内でノズル幅寸法190より大きい。
【0016】
図6を参照すると、ノズル182の下流は、第1のスプリッタゾーン102である。第1のスプリッタゾーン102は、空気スプリッタ194、第1の出口通路198、第2の出口通路202、およびノッチ206(すなわち、気流バイアス機能)を含む。空気スプリッタ194は、ノズル182から約2.0mm~約3.0mmの距離208に位置付けられている。いくつかの実施形態では、距離208は、ノズル幅190の約4倍に等しい。空気スプリッタ194は、湾曲しており、少なくとも1つの半径210を画定する。代替的な実施形態では、空気スプリッタは、尖っている。言い換えると、空気スプリッタ194は、凹状または凸状のいずれであってもよい。具体的には、空気スプリッタ194は、入口空気ストリーム軸174と整列した中心点214を含む。第1の出口通路198は、第1の壁218を含み、第2の出口通路202は、第1の壁218と反対側に位置付けられた第2の壁222を含む。第1の壁218は、入口空気流軸174に対して配向され、第1の角度226を画定する。同様に、第2の壁222は、入口空気流軸174に対して配向され、第2の角度230を画定する。第1の角度226および第2の角度230の両方は、約15度~約25度の範囲内にある。いくつかの実施形態では、第1の角度226は、第2の角度230に等しい。
【0017】
ノッチ206は、第1の出口通路198の上流およびノズル182の下流に位置付けられている。より具体的には、ノッチ206は、ノズル182と第1の壁218との間に位置付けられている。言い換えると、ノッチ206は、第1の壁218の一部分を置き換える。以下でさらに詳細に説明されるように、ノッチ206は、ノズル182からの気流をバイアスして、第2の出口通路202を通って流れる前に、最初に第1の出口通路198を通って流れる。ノッチ206は、約0.025mm~約0.50mmの範囲内にある寸法234を画定する。ノッチサイズが大きいほど、対応する出力チャネル198に向かうバイアス効果が大きくなる。しかしながら、ノッチサイズが大きすぎると、気流が不安定になる可能性がある。代替的な実施形態では、ノッチ206は、低圧領域を生成するため
の壁218内の溝、スロット、または他の好適な幾何学的特徴であってもよい。
【0018】
図6を引き続き参照すると、第1のスプリッタゾーン102の下流には、第1の転送ゾーン106および第2の転送ゾーン110の両方がある。特に、第1の出口通路198は、第1の転送ゾーン106と流体連通している。同様に、第2の出口通路202は、第2の転送ゾーン110と流体連通している。第1の転送ゾーン106は、2つの湾曲した壁242を有する転送通路238を含み、第2の転送ゾーン110は、同様に、2つの湾曲した壁250を有する転送通路246を含む。
【0019】
第1の転送ゾーン106の下流には、第2のサブシステム90の入口ゾーン114がある。図7を参照すると、転送通路238は、空気流軸258を画定する入口通路254と流体連通している。入口通路254は、ノズル182よりも狭いノズル262に向かって狭くなる。特に、ノズル262は、ノズル幅190よりも小さいノズル幅寸法266を画定する。ノズル幅寸法266は、約100%~約50%の範囲内で、ノズル幅190と同等またはそれより小さい。
【0020】
ノズル262の下流は、第2のスプリッタゾーン122である。第2のスプリッタゾーン122は、空気スプリッタ270、第1の出口通路274、第2の出口通路278、およびノッチ282を含む。空気スプリッタ270は、ノズル262から約2.0mm~約3.0mmの距離284に位置付けられている。いくつかの実施形態では、距離284は、ノズル幅266の約4倍に等しい。空気スプリッタ270は、湾曲しており、少なくとも1つの半径286を画定する。空気スプリッタ194と同様に、空気スプリッタ270は、凹状または凸状のいずれであってもよい。具体的には、空気スプリッタ270は、入口空気ストリーム軸258と整列した中心点290を含む。第1の出口通路274は、第1の壁294を含み、第2の出口通路278は、第1の壁294と反対側に位置付けられた第2の壁298を含む。第1の壁294は、入口空気流軸258に対して配向され、第1の角度302を画定する。同様に、第2の壁298は、入口空気流軸258に対して配向され、第2の角度306を画定する。第1の角度302および第2の角度306の両方は、約15度~約25度の範囲内にある。いくつかの実施形態では、第1の角度302は、第2の角度306に等しい。
【0021】
ノッチ282は、第1の出口通路274の上流に位置付けられている。より具体的には、ノッチ282は、ノズル262と第1の壁294との間に位置付けられている。言い換えると、ノッチ282は、第1の壁294の一部分を置き換える。ノッチ282は、約0.025mm~約0.5mmの範囲内にある寸法310を画定する。以下でさらに詳細に説明されるように、ノッチ282は、ノズル262からの気流をバイアスして、第2の出口通路278を通って流れる前に、最初に第1の出口通路274を通って流れる。
【0022】
第2のスプリッタゾーン122の下流には、第1のブラダゾーン126、第2のブラダゾーン130、第1のベントゾーン134、および第2のベントゾーン138がある。特に、第1の出口通路274は、第1のブラダゾーン126および第1のベントゾーン134と流体連通している。同様に、第2の出口通路278は、第2のブラダゾーン130および第2のベントゾーン138と流体連通している。第1のブラダゾーン126は、2つの対向する壁318および第1のブラダコネクタ46Bを有する通路314を含む。同様に、第2のブラダゾーン130は、2つの対向する壁326および第2のブラダコネクタ46Cを有する通路322を含む。第1のベントゾーン134は、2つの湾曲した壁334および第1のベント70を有する通路330を含む。同様に、第2のベントゾーン138は、2つの湾曲した壁342および第2のベント74を有する通路338を含む。第1のベント70は、第1のベント直径346を画定し、第2のベント74は、第2のベント直径350を画定する。
【0023】
図6図7、および図9を参照すると、フィードバックゾーン142は、2つの湾曲した壁352を含むフィードバック通路351を含む。フィードバック通路254は、第2のベントゾーン138の通路338と流体連通しており、第1の転送ゾーン106の転送通路238と流体連通している。以下により詳細に説明されるように、フィードバックゾーン142は、第2のサブシステム90から第3のサブシステム94に気流をスイッチングする受動的な方法を提供する。
【0024】
第3のサブシステム94は、第2のサブシステム90と同様である。いくつかの実施形態では、第3のサブシステム94は、第2のサブシステム90と同一である(すなわち、同一である)。第2の転送ゾーン110の下流には、第3のサブシステム94の入口ゾーン118がある。図8を参照すると、転送通路246は、空気流軸358を画定する入口通路354と流体連通している。入口通路354は、ノズル182よりも狭いノズル362に向かって狭くなる。特に、ノズル362は、ノズル幅190よりも小さいノズル幅寸法366を画定する。ノズル幅寸法366は、約100%~約50%の範囲内で、ノズル幅190と同等またはそれよりも小さい。
【0025】
ノズル362の下流は、第3のスプリッタゾーン146である。第3のスプリッタゾーン146は、空気スプリッタ370、第1の出口通路374、第2の出口通路378、およびノッチ382を含む。空気スプリッタ370は、ノズル362から約2.0mm~約3.0mmの距離384に位置付けられている。いくつかの実施形態では、距離384は、ノズル幅366の約4倍に等しい。空気スプリッタ370は、湾曲しており、少なくとも1つの半径386を画定する。空気スプリッタ270と同様に、空気スプリッタ370は、凹状または凸状のいずれであってもよい。具体的には、空気スプリッタ370は、入口空気ストリーム軸358と整列した中心点390を含む。第1の出口通路374は、第1の壁394を含み、第2の出口通路378は、第1の壁394と反対側に位置付けられた第2の壁398を含む。第1の壁394は、入口空気流軸358に対して配向され、第1の角度402を画定する。同様に、第2の壁398は、入口空気流軸358に対して配向され、第2の角度406を画定する。第1の角度402および第2の角度406の両方は、約15度~約25度の範囲内にある。いくつかの実施形態では、第1の角度402は、第2の角度406に等しい。
【0026】
ノッチ382は、第1の出口通路374の上流に位置付けられている。より具体的には、ノッチ382は、ノズル362と第1の壁394との間に位置付けられている。言い換えると、ノッチ382は、第1の壁394の一部分を置き換える。ノッチ382は、約0.025mm~約0.5mmの範囲内にある寸法410を画定する。以下でさらに詳細に説明されるように、ノッチ382は、ノズル362からの気流をバイアスして、第2の出口通路378を通って流れる前に、最初に第1の出口通路374を通って流れる。
【0027】
第3のスプリッタゾーン146の下流には、第3のブラダゾーン150、第4のブラダゾーン154、第3のベントゾーン158、および第4のベントゾーン162がある。特に、第1の出口通路374は、第3のブラダゾーン150および第3のベントゾーン158と流体連通している。同様に、第2の出口通路378は、第4のブラダゾーン154および第4のベントゾーン162と流体連通している。第3のブラダゾーン150は、2つの対向する壁418および第3のブラダコネクタ46Dを有する通路414を含む。同様に、第4のブラダゾーン154は、2つの対向する壁426および第4のブラダコネクタ46Eを有する通路422を含む。第3のベントゾーン158は、2つの湾曲した壁434および第3のベント78を有する通路430を含む。同様に、第4のベントゾーン162は、2つの湾曲した壁442および第4のベント82を有する通路438を含む。第3のベント78は、第3のベント直径446を画定し、第4のベント82は、第4のベント直径450を画定する。
【0028】
フィードバックゾーン166は、2つの湾曲した壁452を含むフィードバック通路451を含む。フィードバック通路451は、第4のベントゾーン162の通路438と流体連通しており、第2の転送ゾーン110の転送通路246と流体連通している。以下により詳細に説明されるように、フィードバックゾーン166は、第3のサブシステム94から第2のサブシステム90に気流をスイッチングする受動的な方法を提供する。
【0029】
動作中、ポンプ14は、空気コネクタ46Aに加圧空気の供給源を提供する。空気通路54は、加圧空気の供給源を受動的に制御して、ブラダ18、22、26、30を周期的かつ順次に膨張および収縮させる。言い換えると、空気通路54は、追加の電気的もしくは機械的バルブ、スイッチ、または他の外部制御なしで、所定のシーケンスでブラダ18、22、26、30の各々を膨張および収縮させる。例示される実施形態では、所定のシーケンスは、ブラダ18、22、26、30の各々の不一致な膨張(すなわち、第1のブラダを最初に膨張させ、次いで第2のブラダを膨張させ、次いで第3のブラダを膨張させることなど)を含む。
【0030】
図10Aを参照すると、ポンプ14からの加圧空気は、流体スイッチングモジュール34によって受容され、空気通路54の入口通路170に入る。入力通路170内の圧力(すなわち、入口圧力)は、ブラダ18、22、26、30に対して可能な最大出力圧力および出力流量を決定する。気流は、ノズル182を形成するように入口通路170が狭くなるのにつれて加速する。空気速度が速すぎると、過度の乱流が生じ、モジュール34の動作および安定性が低下する。
【0031】
加圧空気がノズル182から出ると、気流は第1の空気スプリッタ194に接触する。第1のスプリッタ194は、2つの出口通路198、202のうちの1つの間の気流を分割する。最初に、低圧フィールドは、周囲の空気の封じ込めにより、隣接する角度付き壁218、222の両方に沿って発達する。しかしながら、隣接する角度壁218、222の両方に沿って発達する低圧フィールドは、第1の壁218内のノッチ206の結果として異なる。特に、第1の壁218に沿った低圧フィールドは、第2の壁222に沿った低圧フィールドよりも強い。低圧フィールドの差は、バイアスノッチ206および対応する第1の出口通路198で第1の壁218に向かって気流を偏向させる。2つの壁218、222のうちの1つに気流を付着させる物理現象は、コアンダ効果として知られている。コアンダ効果は、オリフィス(例えば、ノズル182)から現れる流体のジェットが、隣接する平坦または湾曲した表面(例えば、壁218)に沿って、周囲から流体を取り込む傾向である。このように、気流は、最初に第1の空気スプリッタ194から第2のサブシステム90まで流れる。気流中心線174に対する壁218、222(図6)の角度226、230は、低圧フィールドの強度および空気ストリームが壁218、222に下流に取り付けられる点を制御するように設計されている。
【0032】
図10Aを引き続き参照すると、気流が転送通路238を通って移動すると、気流は、最初に、ベンチュリ効果により、フィードバック通路351を通る空気の追加の流入を引き込む。具体的には、追加の気流は、ベント74から転送通路238内に引き込まれる。しかしながら、転送通路238がノズル182における入力圧力の約15%~約25%に到達すると、フィードバック通路351を通る気流は、ベント74に向かって流れるように転換する。言い換えると、転送通路238を通る気流は、転送通路238内の圧力が閾値(例えば、入口圧力の約28%)に到達するまで、フィードバック通路351を通る追加の気流を引き込む、ベンチュリ効果を最初に生じさせる。このように、この可変方向の気流は、両側矢印として図10Aに示されている(すなわち、最初は転送通路238に向かって流れ、次いで第2のベント通路338に向かって流れる)。転送通路238は、入
力圧力の約40%~約60%で到達し、一時的に安定し、第2のサブシステム90に一時的に安定した入口圧力を提供する。
【0033】
図10Aを引き続き参照すると、第2のサブシステム90の第2の空気スプリッタ270は、第1のサブシステム86の第1の空気スプリッタ194とほぼ同じ方法で動作する。特に、低圧フィールドは、周囲の空気の封じ込めにより、隣接する角度付き壁294、298の両方に沿って発達する。低圧フィールド間の差は、バイアスノッチ282のために発達し、ノズル262からの空気流は、角度付き壁294および第1の出口通路274に向かって偏向する。言い換えると、より強力な低圧領域は、ノッチ282とともに壁294上に形成され、その方向に気流をバイアスする。前と同様に、壁取り付けは、コアンダ効果によって生じ、気流は、第1のブラダ出力通路314に向かって方向付けられ、第1のブラダ18を膨張させる。
【0034】
第1のブラダ18が膨張を開始すると、ベンチュリ効果により、追加の空気が第1のベント通路330から第1のブラダ通路314内に引き込まれる。ベンチュリ効果によるベント70からの追加の気流は、通路314内の気流を約1.0~約1.1の倍率で増加させる。第1のブラダ18が最大圧力の約50%に到達すると、第1のベント通路330内の気流が逆方向に転換する。このように、第1のベント通路330を通る気流は、両側矢印として図10Aに示されている。第1のブラダ18は、入力圧力の約3分の1で最大圧力に到達する。第1のブラダ18が最大圧力に到達すると、第2の空気スプリッタ270における気流は偏向され、気流は、第2のブラダ22に対応する第2の出力通路278および第2のブラダ通路322にスイッチングする。
【0035】
図10Bを参照すると、膨張した第1のブラダ18からの背圧は、第2の空気スプリッタ270における気流を第2の出口通路278に向かってスイッチングおよび偏向させる。図10Bに示される状態では、第1のブラダ18は、ここで、第1のベント通路330を通って収縮を開始し、第1のベント70および第2のブラダ22は、膨張を開始する。第2のブラダ22が膨張すると、第1のサブシステム86へのフィードバックは、第2のベント通路338と第1の転送通路238との間に接続されるフィードバック通路351内の圧力の増加を通じて生じる。第2のブラダ22が入力圧力の約35%~約50%の圧力に到達するとき、フィードバック通路351内の圧力は、第1の空気スプリッタ194における気流を第2の出口通路202に向かってスイッチングおよび偏向させるのに十分に高い。言い換えると、第2のブラダ22内の圧力が閾値に到達すると、フィードバック通路351を通る圧力フィードバックは、第1の空気スプリッタ194における気流を偏向させ、第3のサブシステム94に対応する第2の出力通路202にスイッチングさせる。
【0036】
図10Cを参照すると、第1のブラダ18および第2のブラダ22の両方が収縮している(破線矢印で示される)状態で、気流は、第1の空気スプリッタ194で偏向されて、転送通路110を通って第3のサブシステム94に向かって移動する。空気が転送通路110を通って移動すると、気流は、最初に、ベンチュリ効果により、フィードバック通路451を通る空気の追加の流入を引き込む。しかしながら、転送通路246が入力圧力の約15%~約25%に到達すると、フィードバック通路451を通る気流は、ベント82に向かって流れるように転換する。言い換えると、転送通路246を通る気流は、転送通路246内の圧力が閾値に到達するまで、フィードバック通路451を通る追加の気流を引き込む、ベンチュリ効果を最初に生じさせる。このように、この可変の気流は、両側矢印として図10Cに示されている(すなわち、最初は転送通路246に向かって流れ、次いで第4のベント通路438に向かって流れる)。転送通路246は、入力圧力の約40%~約60%で到達し、一時的に安定し、第3のサブシステム94に一時的に安定した入口圧力を提供する。
【0037】
図10Cを引き続き参照すると、第3のサブシステム94の第3の空気スプリッタ370は、第2のサブシステム90の第2の空気スプリッタ270とほぼ同じ方法で動作する。特に、低圧フィールドは、周囲の空気の封じ込めにより、隣接する角度付き壁394、398の両方に沿って発達する。低圧フィールド間の差は、バイアスノッチ382のために発達し、ノズル362からの空気流は、角度付き壁394および第1の出口通路374に向かって偏向する。言い換えると、より強力な低圧領域は、ノッチ382とともに壁394上に形成され、その方向に気流をバイアスする。前述のように、壁取り付けは、コアンダ効果により発生し、気流は、第3のブラダ出力通路414に向かって方向付けられ、第3のブラダ26を膨張させる。
【0038】
第3のブラダ26が膨張を開始すると、ベンチュリ効果により、追加の空気が第3のベント通路430から第3のブラダ通路414内に引き込まれる。ベンチュリ効果による第3のベント78からの追加の気流は、通路414内の気流を約1.0~約1.1の倍率で増加させる。第3のブラダ26が最大圧力の約50%に到達すると、第3のベント通路430内の気流が逆方向に転換する。このように、第3のベント通路430を通る気流は、両面矢印として図10Cに示されている。第3のブラダ26は、入力圧力の約3分の1で最大圧力に到達する。第3のブラダ26が最大圧力に到達すると、第3の空気スプリッタ370における気流が偏向され、気流は、第4のブラダ30に対応する第2の出力チャネル378および第4のブラダ通路422にスイッチングする。
【0039】
図10Dを参照すると、第3のブラダ26からの背圧は、第3の空気スプリッタ370における気流を第2の出口通路378に向かって偏向させる。図10Dに示される状態では、第3のブラダ26は、第3のベント78を通って収縮し、第4のブラダ30は、膨張する。第4のブラダ30が膨張すると、第1のサブシステム86へのフィードバックは、第4のベント通路438と第2の転送通路246との間に接続されるフィードバック通路451内の圧力の増加を通じて生じる。第4のブラダ30が入力圧力の約35%~約50%の圧力に到達するとき、フィードバック通路451内の圧力は、第1の空気スプリッタ194における気流を、第1の出口通路198に向かって流れるようにスイッチバックさせるのに十分に高い。言い換えると、第4のブラダ30内の圧力が閾値に到達すると、フィードバック通路451を通るフィードバックは、第1の空気スプリッタ194における気流を偏向させ、第2のサブシステム90に対応する第1の出力チャネル198にスイッチングさせる。
【0040】
図10Eを参照すると、流体モジュール34の動作は、ブラダ18、22、26、30を膨張および収縮させる別のサイクルを開始する。特に、図10Eに示される状態は、気流が第1のブラダ18を膨張させるようにバイアスされる点で、図10Aに示される状態と類似している。しかしながら、図10Eは、第1のブラダ18が膨張している間に、残りのブラダ22、26、30が収縮しているという点で異なる。空気コネクタ46Aに提供される入口圧力が存在する限り、ブラダ18、22、26、30の膨張および収縮は継続する。言い換えると、ブラダ18、22、26、30の周期的な膨張および収縮は、加圧された空気源14がオフになるまで、事前定義されたシーケンスで無期限に繰り返される。このように、流体モジュール34は、加圧空気が入口コネクタ46Aに供給されるときに、ブラダ18、22、26、30の膨張および収縮を介して、定義された連続的なマッサージ効果を提供する。
【0041】
対照的に、自動車座席における従来の空気圧マッサージシステムは、事前定義されたマッサージプログラムに従ってマッサージシーケンスおよびサイクル時間を制御する電気機械式バルブモジュールに加圧空気を供給する空気圧ポンプを使用する。各独立したブラダは、膨張および収縮を制御するために、モジュール内に別個の電気機械式バルブを必要とする。基本的なマッサージシステムには、通常3個のブラダがあり、ハイエンドマッサージシステムには、最大20個のブラダがある。複雑性、およびそれらを制御するために必要な電子機器により、電気機械モジュールのコストは高価である。これにより、例えば、マッサージを有する低コストの車両を装備することが困難になる。言い換えると、従来技術の設計は、非常に複雑であり、車両の電子システムとの通信を必要とするモジュールを含み、これは、開発および生産コストを増加させる。
【0042】
対照的に、流体モジュール34は、動作または制御のための電子機器または可動機械部品の使用に依存しない。これにより、モジュール34は信頼性が高く、繰り返し可能であり、かつコスト効率がよい。定義されたマッサージシーケンス(すなわち、ブラダ18、22、26、30の周期的膨張/収縮)は、定義されたシーケンスまたは順序に従うようにバイアスされるカスケード通気流体増幅器(すなわち、サブシステム86、90、94)の使用によって達成される。シーケンスは、事前定義された静的圧力で気流のスイッチングを強制するフィードバックゾーン146、166の使用によってさらに定義される。通気流体増幅器は、負荷下での誤ったスイッチングに対する感度を排除し、空気圧システム10の動作が完了したときに自動的に収縮するための通路を提供する追加の利点も提供するように選択された。
【0043】
図11および図12は、一実施形態による、流体モジュール34および音響減衰器504を含むアセンブリ500を示している。以下でより詳細に説明するように、音響減衰器504は、空気圧システム10の動作中に流体モジュール34を通って流れる空気によって生成されるノイズを低減し得る。アセンブリ500は、より静かな動作が望ましい空気圧システム10の用途(例えば、車両座席、マッサージチェアなど)で有利に使用され得る。
【0044】
示された音響減衰器504は、主要本体508と、主要本体508に移動可能に連結された蓋512と、を含む。蓋512は、開位置(図12)と閉位置(図11)との間で主要本体508に対して枢動的に移動可能であるように、蓋512は、ヒンジ516によって主要本体508に枢動的に連結されている。主要本体508および蓋512は、単一の構成要素として共に一体的に形成されており、ヒンジ516は、リビングヒンジ(すなわち、弾性変形可能な材料の薄いストリップ)である。このように、主要本体508、蓋512、およびヒンジ516は、単一のプロセスで共に成形され得る。これは、音響減衰器504の製造および組み立てのコストを有利に低減する。
【0045】
他の実施形態では、主要本体508および蓋512は、ヒンジ516によって共に連結された別個の構成要素であってもよく、または蓋512は、主要本体508に取り外し可能に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、蓋512は、蓋512が再び開けられないように、接着剤、溶接(例えば、超音波溶接または熱風溶接)、機械的構造などによって、閉位置で主要本体508に固定されてもよい。さらに他の実施形態では、蓋512は、閉位置にある主要本体508と一体的に形成されてもよい。
【0046】
図11に示されるように、音響減衰器504の主要本体508は、第1の壁または上部壁520を含み、蓋512は、蓋512が閉位置にあるときに、上部壁520とは反対側の第2の壁または下部壁524を含む。主要本体508は、上部壁520から延在している第1、第2、第3、および第4の側壁または外側壁528A、528B、528C、528Dを有しており、蓋512は、同様に、下部壁524から延在している第1、第2、第3、および第4の側壁または外側壁532A、532B、532C、532Dを有する(図13図14)。第1の側壁528A、532A(または前側壁)は、第2の側壁528B、532B(または後側壁)と反対側に位置付けられている。第3の側壁528C、532Cは、第4の側壁528D、532Dと反対側に位置付けられている。蓋512が閉位置にあるとき、第1の側壁528A、532A、第2の側壁528B、532B、第3の側壁528C、532C、および第4の側壁528D、532Dは、略整列している(すなわち、各一対の側壁の外表面は、略面一である)(図11)。
【0047】
主要本体508は、前壁528Aを通って開く上部壁520内に凹部536を含む。流体モジュール34は、凹部536内に受容され、スナップフィットによって凹部536内に固定される。流体モジュール34は、他の実施形態では、他の方法(例えば、摩擦嵌合、1つ以上の留め具、接着剤など)で凹部536に連結されてもよい。示された実施形態では、凹部536は、流体モジュール34のカバー42が、主要本体508の上部壁520と略整列するような寸法でサイズ決定および成形されている(すなわち、カバー42の外表面は、上部壁520の外表面と略面一である)。加えて、空気接続部46A~46Eは、前壁528Aの向こうに(例えば、図1に示される空気圧源14およびブラダ18、22、26、30に)、アクセス性および接続の容易さのために突出する。
【0048】
図15を参照すると、流体モジュール34の基部38および凹部536は、第1のチャンバ540を集合的に画定する。第1のチャンバ540は、流体モジュール34のベース38の長さおよび幅に概ね等しい長さおよび幅を有する。第1のチャンバ540は、流体モジュール34のベント70、74、78、82の各々と流体連通している。したがって、第1のチャンバ540からの空気は、流体モジュール34の動作中にベント70、74、78、82のいずれかを通して引き込まれ得、同様に、空気は、流体モジュール34の動作中にベント70、74、78、82のいずれかから第1のチャンバ540内に排出され得る。このように、第1のチャンバ540は、ベント70、74、78、82を介して、流体モジュール34の空気通路54と流体連通している。
【0049】
凹部536は、前壁528Aから後壁528Bに向かって概して延在している主要本体508の内側壁544C、544D、および内側壁544C~Dの間に延在しているフロア546によって境界付けられる。流体モジュール34の基部38は、基部38の下側552から延在しており、かつ凹部536内で内側壁544C~Dに隣接している、対応する側壁548C、548Dを含む(図15)。主要本体508の側壁528A~Dおよび蓋512の側壁532A~Dは、側壁528A~D、532A~Dが内側壁544C~Dを取り囲み、その間に第2のチャンバ556を画定するように、内側壁544C~Dから離間されている。示される実施形態では、第2のチャンバ556は、第1のチャンバ540を部分的に取り囲み、また、フロア546と下部壁524との間に延在している。他の実施形態では、第2のチャンバ556は、すべての側面上で第1のチャンバ540を完全に取り囲み得る。
【0050】
図15を引き続き参照すると、第2のチャンバ556は、側壁544D、548Dを通って延在している第1のオリフィス560を介して第1のチャンバ540と流体連通している。すなわち、空気は、第1のオリフィス560を通って第1のチャンバ540と第2のチャンバ556との間を流れ得る。第2のオリフィス564は、第3の側壁528C、532Cを通って延在している。示された実施形態では、第2のオリフィス564は、主要本体508および蓋512のそれぞれによって部分的に画定されている。他の実施形態では、第2のオリフィス564は、完全に主要本体508上に、または完全に蓋512上に提供され得る。第2のオリフィス564は、アセンブリ500を取り囲む周囲環境と流体連通している。すなわち、空気は、第2のオリフィス564を通って周囲環境と第2のチャンバ556との間を流れ得る。
【0051】
動作中、空気圧源14は、加圧空気を流体スイッチングモジュール34に提供し、流体スイッチングモジュール34は、概して上述のような所定のシーケンスでブラダ18、22、26、30の各々を膨張および収縮させる(図1)。ブラダ18、22、26、30が膨張および収縮するにつれて、空気は、ベント70、74、78、82を通して吸い込まれ得るか、または排出され得る。図16に示すように、空気がベント70、74、78、82のうちの1つ以上を通して排出されると、空気は、第1のチャンバ540に入る。第1のチャンバ540内の圧力が第2のチャンバ556内の圧力を超えると、第1のチャンバ540からの空気は、内側壁544Dと外側壁528D、532Dとの間で、第1のオリフィス560を通って、第2のチャンバ556の第1の部分568内に流れる。
【0052】
図16を引き続き参照すると、第1のオリフィス560は、ベント70、74、78、82の各々に対して垂直に配向されており、これにより、ベント70、74、78、82から第1のオリフィス560に流れるときに、気流は、約90度方向を変える。次いで、空気は、第2のチャンバ556の第1の部分568から、第1のチャンバ540の下方に延在している第2のチャンバ556の第2の部分572内に流れる。これにより、再び気流は、約90度方向を変える。気流は、内側壁544Cと側壁532C、528Cとの間にある第2のチャンバ556の第3の部分576に入ると、第3の時間に方向を約90度変える。最後に、空気は、第2のオリフィス564を介して周囲環境に排出される。
【0053】
したがって、チャンバ540、556、およびオリフィス560、564は、ベント70、74、78、82を介して流体スイッチングモジュール34から排出される空気のための蛇行した気流経路を画定する。空気がベント70、74、78、82のうちの1つ以上を通って引き込まれる場合、上記に記載され、かつ図16に示される気流経路は、逆方向に転換する。
【0054】
音響減衰器504は、ポリプロピレンなどの比較的柔軟性のあるプラスチック材料で作製される。例えば、いくつかの実施形態では、音響減衰器504は、ASTM D790下で約1.0メガパスカル(MPa)~約3.0MPaの屈曲係数を有するプラスチック材料で作製される。いくつかの実施形態では、プラスチック材料は、ASTM D790下で約1.0MPa~約2.0MPaの屈曲係数を有し得る。これは、音響減衰器504に所望の共振特性を有利に提供する、比較的高い柔軟性に対応する。
【0055】
例えば、示される実施形態では、第1のチャンバ540は、第1の体積を有し、第2のチャンバ564は、第1の体積よりも大きい第2の体積を有する。したがって、第1のチャンバは、比較的高い第1の共振周波数(例えば、いくつかの実施形態では、500ヘルツ(Hz)を超える)で共振するように構成されており、第2のチャンバ556は、より低い第2の共振周波数(例えば、500Hz未満)で共振するように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の共振周波数は、第2の共振周波数よりも少なくとも10%高い。気流が動作中にオリフィス560、564、およびチャンバ540、556を通過すると、チャンバ540、556の異なる共振は、流体スイッチングモジュール34の気流経路54に沿って流れる空気によって生成される音を減衰させる破壊的干渉を生じさせる。これは、流量抵抗を増加させ、流量を減少させる傾向がある、気流経路を裏打ちするいかなる能動的ノイズ除去または吸収性材料(例えば、フォーム、バッフルなど)も用いずに達成される。
【0056】
図17Aおよび図17Bは、音響減衰器504なしで流体スイッチングモジュール34を動作させるとき(図17A)、および音響減衰器504に連結されるとき(図17B)に実験的に測定されたノイズプロファイルまたは音響出力レベル580A、580Bの比較を示している。いずれの場合も、加圧空気は、60kPaの圧力で空気圧源コネクタ46Aに供給された。音響減衰器504なしで、音響出力レベル580Aは、500Hz~20kHzのすべての周波数で30デシベル(dB)を超え、1000Hz~20kHzのすべての周波数で35デシベルを超えた(図17A)。音響減衰器504により、音響出力レベル580Bは、2000Hz未満のすべての周波数で30dB未満のままであり、約200Hzを超えるすべての周波数で音響出力レベル580Aよりも実質的に低かった。加えて、音響出力レベル580Bは、20Hz~20kHzのすべての周波数で40dB未満のままであった。20Hz~20kHzの範囲は、人間の無補助聴覚の可聴範囲として一般的に識別される(「可聴範囲」)。したがって、示された実施形態では、アセンブリ500の音響出力レベル580Bは、可聴範囲全体にわたって40dB未満である。
【0057】
本開示の様々な特徴および利点は、以下の特許請求の範囲に記載される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
【手続補正書】
【提出日】2023-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮された空気を排出するための通路と、
第1のチャンバおよび第2のチャンバを含む音響減衰器であって、
前記第1のチャンバは、前記通路と流体連通し、前記通路が前記第1のチャンバに開口する第1の壁、前記第1の壁から離れて反対側にある第2の壁、および前記第1の壁と前記第2の壁との間に延在する側壁によって画定され、前記第1のチャンバは、前記第1の壁から離れて反対側にある前記第2の壁の第1の表面によって画定される容積を有し、前記側壁に第1の開口を含み、
前記第2のチャンバは、前記第1の開口と流体連通し、前記第1のチャンバを少なくとも部分的に取り囲み、前記第2のチャンバは、前記第2の壁における前記第1の表面と反対側の第2の表面と前記側壁とによって部分的に画定され、前記第2のチャンバは、容積を有し、当該第2のチャンバから空気を排出するための第2の開口を含む、音響減衰器と、を備え、
前記第1のチャンバの前記容積は、前記第2のチャンバの前記容積よりも小さい、空気圧システム。
【請求項2】
前記第1の開口が、第1の軸に沿って延在し、前記第2の開口が、前記第1の軸に垂直である第2の軸に沿って延在する、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項3】
前記第1の開口と前記第2の開口とが、前記第1の開口から前記第2の開口への気流が少なくとも90度方向を変えるように配向されている、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項4】
前記通路と前記第1の開口とが、前記通路から前記第1の開口への気流が方向を変えるように配向されている、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項5】
前記第1の開口と前記第2の開口とが、前記第1の開口から前記第2の開口への気流が方向を変えるように配向されている、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項6】
前記第1のチャンバが第1の共振周波数を有し、前記第2のチャンバが第2の共振周波数を有し、前記第1の共振周波数は前記第2の共振周波数よりも高い、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項7】
前記第1の共振周波数は前記第2の共振周波数よりも少なくとも10%高い、請求項6に記載の空気圧システム。
【請求項8】
前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの容積差が、前記空気圧システムを通って流れる空気によって生成される音を減衰させる破壊的干渉を生じさせる、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項9】
前記第1のチャンバが第1の共振周波数を有し、前記第2のチャンバが第2の共振周波数を有し、前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とが、前記空気圧システムを通って流れる空気によって生成される音を減衰させる破壊的干渉を生じさせるようになっている、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項10】
前記音響減衰器が、可聴範囲全体にわたって40dB未満まで、前記流体スイッチングモジュールを通って流れる空気によって生成されたノイズを減衰させるように構成されている、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項11】
前記音響減衰器が、前記第2の壁および前記側壁を含む本体を備え、前記第2の壁と前記側壁とが、凹部を画定して前記通路を含む流体スイッチングモジュールを受容する、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項12】
前記本体に連結された蓋をさらに備え、前記蓋が、前記第2の壁から離れて反対側にある第3の壁を含み、前記側壁は第1の側壁であり、前記蓋が、前記第3の壁から延在する第2の側壁を備え、前記第3の壁と前記第2の側壁とが前記第2の壁と前記第1の側壁と共に前記第2のチャンバを画定し、前記第2の開口が前記第2の側壁にある、請求項11に記載の空気圧システム。
【請求項13】
前記蓋は、前記本体に枢動的に連結されている、請求項12に記載の空気圧システム。
【請求項14】
前記本体と前記蓋とが分離可能な構成要素である、請求項12に記載の空気圧システム。
【請求項15】
前記第2のチャンバが、すべての側面上で前記第1のチャンバを完全に取り囲む、請求項1に記載の空気圧システム。
【請求項16】
空気圧システムであって、
流体スイッチングモジュールであって、
空気通路と、
前記空気通路と流体連通しているベントと、を含む、流体スイッチングモジュールと、
前記流体スイッチングモジュールに連結され、可聴範囲全体にわたって40dB未満まで、前記流体スイッチングモジュールを通って流れる空気によって生成されたノイズを減衰させるように構成され、第1のチャンバおよび第2のチャンバを含む音響減衰器であって
前記第1のチャンバは、前記通路と流体連通し、前記通路が前記第1のチャンバに開口する第1の壁、前記第1の壁から離れて反対側にある第2の壁、および前記第1の壁と前記第2の壁との間に延在する側壁によって画定され、前記第1のチャンバは、前記第1の壁から離れて反対側にある前記第2の壁の第1の表面によって画定される容積を有し、前記側壁に第1の開口を含み、
前記第2のチャンバは、前記第1の開口と流体連通し、前記第1のチャンバを少なくとも部分的に取り囲み、前記第2のチャンバは、前記第2の壁における前記第1の表面と反対側の第2の表面と前記側壁とによって部分的に画定され、前記第2のチャンバは、容積を有し、当該第2のチャンバから空気を排出するための第2の開口を含む、音響減衰器と、
を備える空気圧システム。
【請求項17】
前記ベント、前記第1の開口、および前記第2の開口が、前記ベントから前記第1の開口への気流が第1の方向に方向を変え、前記第1の開口から前記第2の開口への気流が前記第1の方向と異なる第2の方向に方向を変えるように配向されている、請求項16に記載の空気圧システム。
【請求項18】
前記第1のチャンバが第1の共振周波数を有し、前記第2のチャンバが前記第1の共振周波数と異なる第2の共振周波数を有し、前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とが、音を減衰させる破壊的干渉を生じさせるようになっている、請求項16に記載の空気圧システム。
【請求項19】
前記第1の共振周波数は前記第2の共振周波数よりも少なくとも10%高い、請求項18に記載の空気圧システム。
【請求項20】
前記第1のチャンバが第1の容積を有し、前記第2のチャンバが前記第1の容積と異なる第2の容積を有し、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの容積差が、前記空気圧システムを通って流れる空気によって生成される音を減衰させる破壊的干渉を生じさせる、請求項16に記載の空気圧システム。
【外国語明細書】