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特開2023-55963情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055963
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20230411BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019819
(22)【出願日】2023-02-13
(62)【分割の表示】P 2018016824の分割
【原出願日】2018-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 篤史
(72)【発明者】
【氏名】矢野 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔太
(72)【発明者】
【氏名】中元 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】津脇 美帆
(72)【発明者】
【氏名】山崎 博司
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 喬浩
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザに目的地までの好適な経路以外の他の経路の選択を促し、提示される頻度が低い広告を減少させる情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】広告サーバ10と、広告主が操作し、広告主からの広告の依頼を受け付ける広告主端末ADが、とネットワークを介して相互にデータの送受信が可能な情報提供システム100において、車両Mが搭載する情報提供装置である端末装置10は、広告サーバ50に目的地と現在位置を送信し、その後、広告サーバより1または複数の経路及び各々の経路に沿って移動した場合に取得可能となるインセンティブに関するインセンティブ情報を、経路関連情報として取得し、取得した経路関連情報を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの1または複数の経路を示す経路情報を取得する経路取得手段と、
前記1または複数の経路の各々に沿って移動した場合に取得可能となるインセンティブに関するインセンティブ情報を、前記1または複数の経路の各々について取得する情報取得手段と、
前記1または複数の経路の各々と、前記1または複数の経路の各々について取得された前記インセンティブ情報とを対応付けて提示部に提示させる提示制御手段と、
を含むことを特徴とする情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び記録媒体に関し、例えば、ユーザが取得可能なインセンティブに関する情報を提供する情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されたナビゲーション装置に広告情報を提示させるナビゲーションシステムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-108985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されているナビゲーションシステムは、目的地までの経路案内時に、その経路上に存在する店舗に関する情報を報知する。上記特許文献においては、当該ナビゲーションシステムによって、ユーザが、店舗の位置を容易に把握でき、効果的な店舗の広告を行うことができることが開示されている。
【0005】
しかし、上記システムによっては、システムによって決定された目的地までの最適な経路上にある店舗の広告しか報知されないことが問題の一例をとして挙げられる。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、例えば、ユーザに目的地までの好適な経路以外の他の経路の選択を促し、提示される頻度が低い広告を減少させることが可能な情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、目的地までの1または複数の経路を示す経路情報を取得する経路取得手段と、前記1または複数の経路の各々に沿って移動した場合に取得可能となるインセンティブに関するインセンティブ情報を前記1または複数の経路の各々について取得する情報取得手段と、前記1または複数の経路の各々と、前記1または複数の経路の各々について取得された前記インセンティブ情報とを対応付けて提示部に提示させる提示制御手段と、を含むことを特徴とする情報提供装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1である広告サーバを含むシステムの図である。
図2図1のシステムの端末装置を搭載した車両の前席部分の斜視図である。
図3図1のシステムの端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4図1のシステムの広告サーバ端末の構成の一例を示すブロック図である。
図5】自動運転区間テーブルの一例を示す図である。
図6】広告情報テーブルの一例を示す図である。
図7】渋滞情報テーブルの一例を示す図である。
図8】本発明の実施例1のシステムを実現するための動作ルーチンのフロー図である。
図9】画面表示の例を示す図である。
図10】本発明の実施例1のシステムを実現するための動作ルーチンのフロー図である。
図11】広告情報テーブルの一例を示す図である。
図12】広告依頼画面の一例を示す図である。
図13】広告依頼に関する処理ルーチンの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0009】
[1.システムの構成]
以下に、本発明の実施例1である端末装置10及び情報提供装置または情報処理装置としての広告サーバ装置50を含む情報提供システム100について添付図面を参照しつつ説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施例1である情報提供システム100を示している。図1に示すように、情報提供システム100は、端末装置10及び広告サーバ50を含んで構成されている。なお、図1においては、端末装置10が移動体の一例としての車両Mに搭載されている場合を示している。
【0011】
端末装置10と広告サーバ50とは、ネットワーク(通信路)を介して、例えば、TCP/IP等の通信プロトコルを用いて相互にデータの送受信が可能になっている。また、広告サーバ50は、例えば、広告主が操作し、広告主からの広告の依頼を受け付ける広告主端末ADとネットワークを介して、例えば、TCP/IP等の通信プロトコルを用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークは、例えば、移動体通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信及び有線通信を含むインターネット通信により構築されて得る。
【0012】
図2は、端末装置10を搭載している車両Mの前席付近を示す斜視図である。図1では、取り付け例として、車両Mの前席のダッシュボードDB内に端末装置10が取り付けられている場合を示す。
【0013】
GPS受信機11は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号(GPS信号)を受信する装置である。GPS受信機11は、例えば、ダッシュボードDB上に配されている。なお、GPS受信機11は、GPS信号が受信できればどこに配されていてもよい。GPS受信機11は、受信したGPS信号を端末装置10に送信することが可能である。
【0014】
タッチパネル13は、例えば、映像を表示可能な液晶ディスプレイ等のディスプレイ13Aとタッチパッド13Bとが組み合わされたタッチパネルモニターである。タッチパネル13は、例えば、ダッシュボードDBのセンターコンソールCCに配されている。タッチパネル13は、運転者から視認できかつ運転者の手が届く場所に配されていればよい。例えば、タッチパネル13は、ダッシュボードDB上に取り付けられていてもよい。
【0015】
ディスプレイ13Aは、端末装置10の制御に基づいて画面表示を行うことが可能である。また、タッチパネル13Bは、ユーザからの受け付けたタッチパネル13Bへの入力操作を表す信号を端末装置10に送信することが可能である。
【0016】
スピーカー15は、例えば、AピラーPの室内側に設けられている。スピーカー15は、端末装置10の制御に基づいて音楽や音声等の音を発することが可能である。
【0017】
マイク17は、車内の音を受音するマイク装置であり、例えば、ダッシュボードDB上に配されている。マイク17は、車内の音を受音可能であれば、ルームミラーRMまたはハンドル等、どこに設けられていてもよい。
【0018】
図3は、端末装置10の構成を示すブロック図である。例えば、端末装置10は、システムバス21を介して、大容量記憶装置23と、制御部25と、入力部27と、出力部29と、データ通信部31と、が協働する装置である。
【0019】
大容量記憶装置23は、例えば、ハードディスク装置、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等により構成されており、オペレーティングシステムや、端末用のソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0020】
なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、大容量記憶装置23に記憶される各種プログラム(後述する端末装置10における処理を実行するためのプログラムを含む)は、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。
【0021】
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)25A、ROM(Read Only Memory)25B、RAM(Random Access Memory)25C等により構成され、コンピュータとして機能する。そして、CPU25Aが、ROM25Bや大容量記憶装置23に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0022】
入力部27は、端末装置10とタッチパッド13B及びマイク17とを通信可能に接続するインタフェース部である。端末装置10は、入力部27を介して、タッチパッド13Bへの入力操作を示す信号を受信することが可能である。例えば、端末装置10は、入力部27を介して、タッチパッド13B及びマイク17によってユーザからなされた目的地の設定入力を受け付けることが可能である。
【0023】
また、入力部27は、端末装置10とGPS受信機11とを通信可能に接続するインタフェース部である。端末装置10は、入力部27を介して、GPS受信機11から、GPS信号を受信し、当該GPS信号から端末装置10の現在位置、すなわち本実施例では車両Mの現在位置の情報を取得することが可能である。
【0024】
出力部29は、ディスプレイ13A及びスピーカー15と通信可能に接続されており、ディスプレイ13Aに映像または画像信号を送信して表示をさせたり、スピーカー15に音声信号を送信して、音を出力させたりすることが可能である。
【0025】
データ通信部31は、上記したネットワークに接続されており、種々のデータを広告サーバ50等の他の機器との間で送受信する。例えば、端末装置10は、データ通信部31を介して、広告サーバ50に端末装置10の現在位置を特定可能な位置特定情報、すなわち本実施例では車両Mの現在位置の情報を送信可能である。また、例えば、端末装置10は、データ通信部31を介して、入力部27を介してなされたユーザからの入力の情報を広告サーバ50に送信可能である。
【0026】
また、例えば、端末装置10は、データ通信部31を介して、広告サーバ50にユーザから入力された目的地を含む情報を送信し、広告サーバ50から、当該目的地へのナビゲーション情報を受信可能である。また、例えば端末装置10は、データ通信部31を介して、広告に関する情報である広告情報を広告サーバ50から受信可能である。
【0027】
図3は、広告サーバ50の構成を示すブロック図である。例えば、広告サーバ50はシステムバス51を介して、データ通信部53と、大容量記憶装置55と、制御部57とが協働している装置である。
【0028】
データ通信部53は、上記したネットワークに接続されており、種々のデータを端末装置10、広告主端末AD等の他の機器との間で送受信する。広告サーバ50は、例えば、データ通信部53を介して、端末装置10から、端末装置10の現在位置を特定可能な位置特定情報を含む情報を受信可能である。
【0029】
大容量記憶装置55は、例えば、ハードディスク装置及びSSD(solid state drive)等により構成されており、オペレーティングシステムや、広告サーバ50用のソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0030】
また、大容量記憶装置55内には、道路地図を含む地図情報が保存されている地図情報データベース(図中、地図情報DBと示す)55Aが含まれている。地図情報データベース55Aの地図情報は、例えばナビゲーション装置に用いられている地図情報と同等の情報を有しているデータベースである。また、地図情報データベース55の地図情報には、道路の各々について自動運転が可能な区間である自動運転区間及び自動運転が不可能な区間である自動運転不可能区間の情報である自動運転区間情報が含まれていてもよい。
【0031】
図5に、自動運転区間情報を示すテーブルの一例として、自動運転区間テーブルTB1を示す。図5に示す自動運転区間テーブルTB1においては、自動運転可能な区間である自動運転区間を含む道路の各々の名称及び当該道路のうちの自動運転区間を示している。この自動運転区間テーブルTB1を使用する場合、自動運転区間テーブルTB1に含まれている区間以外の区間を自動運転不可能区間としてもよい。
【0032】
また、大容量記憶装置55内には、端末装置10よって表示または音声によって提示される広告に関する情報が保存されている広告情報データベース(図中、広告情報DBと示す)55Bが含まれている。広告情報データベース55Bには、端末装置10によって提示される広告の表示画像データまたは音声データである広告データ、当該広告が提示される位置、及び当該広告が提示された際に当該広告を提示した端末装置10のユーザが取得可能なインセンティブ、換言すれば当該広告を提示した端末装置10のユーザに提供すべきインセンティブに関する情報を含む広告情報が含まれている。
【0033】
図6に、広告情報を示すテーブルの一例として、広告情報テーブルTB2を示す。図6に示す広告情報テーブルTB2には、一例として、広告が提示される広告提示地点の情報として、道路名及び広告が表示される地点を道路の起点からの距離で示すか、または道路内の交差点、合流もしくは分岐といった道路形状で示した地点の情報が含まれている。あるいは、広告が提示される広告提示地点の緯度経度と、広告が提示される車両の進行方向示す情報を含むようにしてもよい。
【0034】
また、広告情報テーブルTB2には、一例として、広告が提示された際に端末装置10のユーザに付与されるインセンティブの情報として、各種ポイントプログラム(Loyalty program)によって取得できるポイント(以下、単にポイントとも称する)の種類及び取得できるポイント数の情報が含まれている。ここで、インセンティブとは、典型的には広告主が負担し、集客効果の増強等を目的として端末装置10により提示させる広告に付加したものである。
【0035】
また、大容量記憶装置55内には、道路の渋滞状況を含む情報である渋滞情報が保存されている渋滞情報データベース(図中、渋滞情報DBと示す)55Cが含まれていてもよい。この渋滞情報データベース55C内の渋滞情報に含まれる渋滞状況は、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)等によって外部から取得されて逐次更新されていてもよい。また、当該渋滞情報には、日付、時刻、曜日、天候等の要因に基づいて予め定められたテーブルが含まれており、当該テーブルに基づいて現在の渋滞状況が推測されてもよい。
【0036】
図7に、渋滞情報を示すデータの一例として、渋滞情報テーブルTB3を示す。渋滞情報テーブルTB3には、一例として、渋滞が起きている道路の道路名、渋滞が起きている領域または区間を道路の起点からの距離で示すか、または道路内の交差点、合流もしくは分岐といった道路形状で示した渋滞エリアの情報が含まれている。また、渋滞情報テーブルTB3には、並びに渋滞を通過する迄の時間である渋滞通過時間の情報が含まれている。
【0037】
[2.情報提供システムの動作]
以下、端末装置10の及び広告サーバ50を含む情報提供システム100の動作について説明する。情報提供システム100は、経路探索によって取得された1または複数の経路及び当該1または複数の経路に沿って移動した車両が、広告提示地点に到達した際に端末装置10のディスプレイ13Aまたはスピーカー15により広告が提示された結果としてユーザに取得され得るインセンティブの情報を、車両が広告提示地点に到達する前に提示する。当該インセンティブの情報は、インセンティブの種類毎に提示してもよい。例えば、異なったポイントプログラムによって付与されるポイント毎にインセンティブを提示してもよい。なお、インセンティブはポイントに限らず、車両Mの運転支援に関するサービス、商品贈呈サービス等の他のサービスの提供に関するものであってもよい。また、インセンティブは、施設優待、商品販売優待等の優待サービスであってもよい。また、インセンティブは、金券または割引クーポンであってもよい。
【0038】
さらに、情報提供システム100は、取得された経路の各々について、当該経路の各々の移動コストに関する移動コスト情報をユーザに提示し得る。この移動コスト情報は、例えば、経路の各々に沿って移動した際の所要時間、走行距離、消費燃料もしくは消費電力等の移動にかかるエネルギー、並びに移動にかかる通行料のうちの1または複数を含んでもよい。
【0039】
また、移動コスト情報は、例えば、経路の各々に沿って移動した際の所要時間、走行距離、消費燃料もしくは消費電力等の移動にかかるエネルギー、並びに移動にかかる通行料のうちの複数に基づいて算出された移動コストを含んでいても良い。
【0040】
なお、移動コスト情報には、経路上の自動運転区間または手動運転区間すなわち自動運転不可能区間の長さが含まれていてもよい。例えば、経路上の手動運転区間の長さが長いほど、運転者への運転負荷が大きく移動コストが高いとされてもよい。
【0041】
情報提供システム100は、取得されるインセンティブの情報を経路毎に比較可能に提示してもよい。
【0042】
また、情報提供システム100は、経路探索によって取得された1または複数の経路及び当該1または複数の経路上に沿って移動した際に取得可能なインセンティブの情報をユーザ提示して、当該1または複数の経路のうちの1の経路をユーザに選択させてもよい。
【0043】
[2-1.情報提供ルーチン]
実施例1の方法及び端末装置10及び広告サーバ50を含むシステム100を実現するための制御ルーチンについて説明する。以下の説明において使用されるルーチンの図における破線は、端末装置10と広告サーバ50との間の通知またはデータ等の送受信の様子を模式的に示すものである。
【0044】
図8は、情報提供システム100に含まれる端末装置10及び広告サーバ50の情報提供の際に実行される動作ルーチンの一例としての情報提供ルーチンR1を示す図である。なお、端末装置10によって実行される情報提供ルーチンをR1A、広告サーバ50によって実行される情報提供ルーチンをR1Bとして示す。
【0045】
例えば、情報提供ルーチンR1A及び情報提供ルーチンR1Bは、それぞれ端末装置10及びサーバ50が起動されると開始され、その後繰り返し実行され得る。
【0046】
端末装置10の制御部25は(以下、ルーチンの説明において、単に「端末装置10は」と記載する)、情報提供ルーチンR1Aを開始すると、例えば、車両Mの搭乗者であるユーザによる目的地の入力を待機する(ステップS11A)。
【0047】
次に、端末装置10は、ユーザによって目的地が入力されたか否かを判定する(ステップS12A)。この判定は、例えば、タッチパッド13Bまたはマイク17を介して目的地を特定する入力が有ったか否かによってなされてもよい。
【0048】
ステップS12Aにおいて、目的地が入力されたと判定される(ステップS12A:YES)と、端末装置10は、広告サーバ50に端末装置10の現在位置、本実施例の場合には、車両Mの現在位置を送信する(ステップS13A)。ステップS12Aにおいて、目的地が未だ入力されていないと判定される(ステップS12A:NO)と、端末装置10は、目的地の入力の待機を継続する(ステップS11A)。
【0049】
広告サーバ50の制御部57は(以下、ルーチンの説明において、単に「広告サーバ50は」と記載する)、情報提供ルーチンR1Bを開始すると、端末装置10から送信される目的地及び現在位置の受信を待機する(ステップS11B)。
【0050】
次に、広告サーバ50は、目的地及び現在位置を受信したか否かを判定する(ステップS12B)。ステップS12Bにおいて、目的及び現在位置を受信したと判定される(ステップS12B:YES)と、広告サーバ50は、受信した現在位置から目的地までの1または複数の経路を生成し、これらの経路を含む経路情報を生成する(ステップS13B)。すなわち、ステップS13Bにおいて、広告サーバ50は経路情報を取得する。ステップS13Bにおいて、制御部55は、経路取得手段として機能する。
【0051】
この経路情報の生成における経路の生成は、地図情報データベース55Aに基づいてなされてもよい。この経路の生成においては、現在位置から目的地までの経路の移動コストに基づいて1または複数の経路が生成され得る。移動コストは、例えば、経路の各々に沿って移動した際の所要時間、走行距離、消費燃料もしくは消費電力等の移動にかかるエネルギー、並びに移動にかかる通行料のうちの1または複数であるかまたはこれらに基づいて算出されたものでもよい。
【0052】
ステップS13Bの実行後、広告サーバ50は、ステップS13Bにおいて生成された経路の各々に沿って移動した際に取得可能なインセンティブの情報を含むインセンティブ情報を生成する(ステップS14B)。すなわち、ステップS14Bにおいて、広告サーバ50は、経路の各々についてインセンティブ情報を取得する。例えば、インセンティブ情報は、当該経路の各々に沿って移動した際に取得可能なポイントの種別及びポイント数を含む情報である。
【0053】
例えば、経路の各々に沿って移動した際に取得可能なインセンティブは、地図情報データベース55A及び広告情報データベース55B中の広告情報テーブルTB2に基づいて算出されてもよい。ステップS14Bにおいて、制御部55は、インセンティブ情報取得手段として機能する。
【0054】
ステップS14Bの実行後、例えば、広告サーバ50は、経路情報及びインセンティブ情報を含む情報である経路関連情報を端末装置10に送信する(ステップS15B)。
【0055】
端末装置10は、ステップS13Aの終了後、広告サーバから送信される経路関連情報の受信を待機する(ステップS14A)。次に、端末装置10は、経路関連情報を受信したか否かを判定する(ステップS15A)。
【0056】
ステップS15Aにおいて、経路関連情報が受信されたと判定されると、端末装置10は、経路関連情報を提示する(ステップS16A)。具体的には、端末装置10は、経路関連情報に含まれる経路及び当該経路に沿って移動した際に取得可能なインセンティブの情報を提示し、ユーザからの経路の選択を待機する。
【0057】
この提示においては、経路の各々と、当該経路の各々について取得されたインセンティブ情報とが対応付けて提示される。この提示は、例えば、ディスプレイ13A表示によってなされる、またはスピーカー15から発せられる音声によってなされる。また、ユーザからの経路の選択は、タッチパッド13Bへのタッチ入力またはマイク17への音声入力によってなされてもよい。
【0058】
図9に、ディスプレイ13Aによる経路及びインセンティブ情報の表示例を示す。図8においては、一例として、Aルート(図中実線)、Bルート(図中破線)、及びCルート(図中一点鎖線)の3つの経路が生成された場合を示している。
【0059】
図9の例では、Aルートが最も移動コストの低い経路、例えば最短経路(最短ルート)として示されている。また、Bルート及びCルート迂回ルートとして示されている。また、図9の例では、経路毎に当該経路に沿って移動した場合の移動コスト及び当該経路に沿って移動した場合に取得可能なインセンティブが表示されている。
【0060】
すなわち、図9に示す例においては、経路の各々及び当該経路の各々に対応付けられたインセンティブ情報が互いに比較可能に表示される例が示されている。この表示においては、経路の各々と、当該経路の各々について取得されたインセンティブ情報とが対応付けて表示される。
【0061】
また、図9のような表示がなされた場合において、ユーザは、タッチパッド13Bによって各ルートまたは各ルートに関連する情報が表示されている部分をタッチすることで、どのルートを目的地までの実際の経路として採用するかを選択することが可能であってもよい。
【0062】
すなわち、この場合、ディスプレイ13Aには、ユーザからの経路の選択を受け付けるべく、経路の各々と当該経路の各々について取得され得るインセンティブ情報とが対応付けられて表示されている。
【0063】
また、図9に示す例においては、経路毎に、所要時間、距離、通行料金、燃料消費量といった移動コストの情報が示されている。また、図9に示す例においては、インセンティブ情報として、経路毎に、取得可能なポイントがポイントの種類毎に示されている。すなわち、図9に示す例においては、インセンティブ情報が複数のインセンティブに関しており、ディスプレイ13Aにおいて、複数の種類のインセンティブがインセンティブの種類毎に集計された集計結果が示されている。このような集計結果は、広告サーバ50が、各経路について、インセンティブ情報を集計したうえで、集計結果を経路関連情報に含めて送信してもよいし、端末装置10が各経路についてインセンティブ情報を集計するようにしてもよい。
【0064】
また、図9に示す例においては、経路毎に、取得可能なポイントの合計が示されている。また、図9に示す例においては、出発地点及び目的地が円(○)で示されており、広告が提示される広告提示地点が、そのポイントの種別毎に、四角(□)、三角(△)、菱形(◇)で示されている。
【0065】
また、広告が提示される画面上の地点をユーザが選択することで、選択された地点において提示される広告の概要や広告主の情報が提示されるようにしてもよい。または、広告の概要や広告主の情報が経路ごとに一覧で確認できる画像を用意してもよい。
【0066】
ステップS16Aの実行の後、端末装置10は、経路の選択が受け付けられたか否かを判定する(ステップS17A)。この判定は、経路を選択したことを示すタッチパッド13Bへのユーザからのタッチ入力またはマイク17へユーザからの音声入力があったか否かでなされてもよい。
【0067】
ステップS17Aにおいて、経路の選択が受け付けられたと判定される(ステップS17A:YES)と、端末装置10は、当該選択された経路を示す情報を広告サーバ50に送信する(ステップS18A)。ステップS18Aの後、端末装置10は、経路案内及び広告表示サブルーチンを開始する(ステップS19A)。経路案内及び広告表示サブルーチンが終了すると、情報提供ルーチンR1Aは終了する。
【0068】
ステップS17Aにおいて、経路の選択が未だ受け付けられていないと判定される(ステップS17A:NO)と、端末装置10は経路関連情報の提示を継続して経路選択の待機を継続する(ステップS16A)。
【0069】
広告サーバ50は、ステップS15Bの終了後、ステップS16A及びステップS17Aにおいて端末装置10によって受け付けられた経路を示す情報の受信を待機する(ステップS16B)。次に、広告サーバ50は、当該経路を示す情報を受信したか否かを判定する(ステップS17B)。
【0070】
ステップS17Bにおいて、経路を示す情報が受信されたと判定される(ステップS17B:YES)と、広告サーバ50は、経路案内及び広告表示サブルーチンを開始する(ステップS18B)。ステップS17Bにおいて、経路を示す情報が受信されていないと判定される(ステップS17B:NO)と、広告サーバ50は経路を示す情報の受信の待機を継続する(ステップS16B)。経路案内及び広告表示サブルーチンが終了すると、情報提供ルーチンR1Bは終了する。
【0071】
図10に、経路案内及び広告表示サブルーチンR2を示す。端末装置10は、経路案内及び広告表示サブルーチンR2Aを開始すると、まず、端末装置10の現在位置、すなわち本実施例では車両Mの現在位置を広告サーバ50に送信する(ステップS21A)。
【0072】
広告サーバ50は、経路案内及び広告表示サブルーチンR2Bを開始すると、まず、端末装置10からの現在位置の受信を待機する(ステップS21B)。次に、広告サーバ50は、端末装置10から現在位置を受信したか否かを判定する(ステップS22B)。
【0073】
ステップS22Bにおいて、現在位置が受信されたと判定される(ステップS22B:YES)と、広告サーバ50は、当該位置が広告を提示すべき地点である広告提示地点か否かを判定する(ステップS23B)。この判定は、受信した車両Mの現在位置及び広告情報データベース55B内の広告情報テーブルTB2に基づいてなされてもよい。具体的には、例えば、広告を提示すべきか否かの判定は、車両Mの現在位置が、広告情報テーブルTB2内の広告提示地点から所定の距離以内か否かによってなされてもよい。
【0074】
ステップS22Bにおいて、現在位置が受信されていないと判定される(ステップS22B:NO)と、広告サーバ50は、ステップS21Bに戻って、現在位置の受信の待機を継続する。
【0075】
ステップS23Bにおいて、広告提示地点であると判定される(ステップS23B:YES)と、広告サーバ50は、端末装置10へ広告の提示指示を送信する(ステップS24B)。この提示指示には、提示する広告のデータ及び当該データに基づいて提示を行う旨の指示が含まれている。なお、ここで送信される広告のデータとしては、例えば、広告内容を含む映像データ、画像データ、音声データ等が挙げられる。
【0076】
また、提示指示には、経路の各々と、経路の各々について取得されたインセンティブ情報とを対応付けてディスプレイ13A等よって提示する旨の指示、すなわち端末装置10への提示制御情報が含まれていてもよい。制御情報ステップS23Bにおいて、制御部55は、提示制御手段として機能する。
【0077】
ステップS23Bにおいて、広告提示地点ではないと判定される(ステップS23B:NO)と、広告サーバ50は、ステップS21Bに戻って、現在位置の受信の待機を継続する。
【0078】
端末装置10は、ステップS21Aの終了の後、サーバ50から送信される提示指示の受信を待機する(ステップS22A)。その後、端末装置10は、提示指示を受信したか否かを判定する(ステップS23A)。
【0079】
ステップS23Aにおいて、提示指示が受信されたと判定される(ステップS23:YES)と、端末装置10は当該指示に従って広告を提示する(ステップS24A)。この広告の提示は、例えば、広告内容を含む映像または画像をディスプレイ13Aに表示すること、または広告内容を含む音声をスピーカー15によって流すことで行われ得る。
【0080】
ステップS24Aにおける提示指示に従った広告の提示が終了すると、端末装置10は、広告を提示したことを示す提示報告をサーバ50に送信する(ステップS25A)。
【0081】
ステップS25Aを実行した後、端末装置10は、端末装置10が目的地に到達したか、すなわち本実施例では車両Mが目的地に到達したかを判定する(ステップS26A)。この判定は、端末装置10が保有している現在位置情報に基づいて、端末装置10が目的地から所定の距離以内であるか否かを判定することでなされてもよい。
【0082】
ステップS26Aにおいて、端末装置10が目的地に到着したと判定される(ステップS26A:YES)と、端末装置10は、広告の提示の終了をもとめる終了要求を広告サーバ50に送信して(ステップS27A)、ルーチンR2Aが終了する。
【0083】
ステップS26Aにおいて、端末装置10が目的地に到着していないと判定される(ステップS26A:NO)と、端末装置10は、再度ステップS21Aに戻って現在位置を送信し、広告の提示についての処理を継続する。
【0084】
広告サーバ50は、ステップS24Bが終了すると、端末装置10からの提示報告の受信を待機する(ステップS25B)。その後、広告サーバ50は、端末装置10から提示報告を受信したか否かを判定する(ステップS26B)。
【0085】
ステップS26Bにおいて、提示報告が受信されたと判定される(ステップS26B:YES)と、広告サーバ50は当該広告の提示によってユーザに付与されるインセンティブの情報である付与インセンティブ情報を生成する。また、同時に、広告サーバ50は当該広告の提示によって広告主が支払うべき課金額の情報である課金情報を生成する(ステップS27B)。例えば、付与インセンティブ情報は、広告情報テーブルTB2内のポイント種別及びポイント数の情報に基づいて生成され得る。
【0086】
ステップS27Bで生成された付与インセンティブ情報及び課金情報は、広告サーバ50に保存される。当該保存の後に、付与インセンティブ情報及び課金情報は、ユーザへのインセンティブの付与及び広告主への課金のために然るべき事業者のサーバに送信されてもよい。
【0087】
なお、付与インセンティブ情報及び課金情報は、生成されると保存されずにそのままユーザへのインセンティブの付与及び広告主への課金のために然るべき事業者のサーバに送信されてもよい。なお、課金情報は広告主端末に送信されて、広告主に課金額が直接通知されてもよい。
【0088】
ステップS27Bの終了後、サーバは端末装置10から終了要求を受信したか否かを判定する(ステップS28B)。この判定においては、端末装置10側のルーチンR2Aにおける処理遅延または電波状況によって、終了要求の送信が遅延することも考えられるため、一定の時間待機の後、判定がなされてもよい。
【0089】
ステップS28Bにおいて、終了要求は受信されたと判定される(ステップS28B:YES)、その後ルーチンR2Bが終了する。ステップS28Bにおいて、終了要求が受信されていないと判定される(ステップS28B:NO)、広告サーバ50は再度ステップS21Bの処理に戻り、現在位置の受信を待機する。
なお、ここまで、端末装置10はユーザによりなされた目的地の設定入力を受け付け、広告サーバ50は端末装置10から目的地を受信する例を説明したが、目的地はユーザが設定入力するものに限定されず、端末装置10または広告サーバ50により自動的に設定された目的地、または暫定的な仮目的地であってもよい。例えば、端末装置10または広告サーバ50が、過去の車両Mの走行履歴に基づいて、曜日別、時間別などの条件別に予想目的地を学習しておき、端末装置10が起動された際の条件に合致した予想目的地を仮目的地として自動的に設定するものであってもよい。
【0090】
実施例1の端末装置10、広告サーバ50及びこれらを含む装置情報提供システム100によれば、目的地への経路毎に、当該経路に沿ってユーザが移動した際に取得可能なポイント等のインセンティブが事前にユーザに提示される。これによって、ユーザが移動コストのみならず取得可能なインセンティブに基づいて経路を選択することが可能となる。従って、ユーザに移動コストが最小の経路以外の迂回経路の選択を促すことが可能となる。また、当該迂回経路の選択が促されることによって、従来提示されることの無かった広告の提示機会を増加させ得る。
【0091】
例えば、バイパスの開通等で迂回経路となってしまった旧道がある場合、当該旧道上の地点を通過すると取得できるインセンティブを事前に提示することにより、当該旧道へ車両を誘導することも可能となる。また、それにより、当該旧道上の地点を通過することにより提示される広告の提示機会を増加させることも可能である。
【0092】
言い換えれば、ユーザに目的地までの好適な経路以外の他の経路の選択を促し、提示される頻度が低い広告を減少させることが可能となる。
【0093】
また、各経路を通ることで取得可能なインセンティブの合計の情報を提示することを利用して、たとえば、1つの道路沿いの広告主が共同してインセンティブを高めに設定すれば、その道路を経路とした場合のインセンティブを相乗的に高めることができ、当該道路への集客率を高めることができる。
【実施例0094】
以下に、本発明の実施例2である端末装置10及び情報提供装置または情報処理装置としての広告サーバ装置50を含む情報提供システム100について添付図面を参照しつつ説明する。
【0095】
実施例2の端末装置10及び情報提供装置または情報処理装置としての広告サーバ装置50を含む情報提供システム100の構成は、実施例1と同一の構成である。また、実施例2の端末装置10及び広告サーバ50においては、実施例1において、図8及び図10に示した説明したルーチンと同様のルーチンが実行される。
【0096】
実施例2の情報提供システム100は、広告サーバ50によって実行される情報提供ルーチンR1BのステップS15Bにおけるインセンティブ情報の生成における処理が少々異なることを除いて、実施例1の情報提供システム100と同様である。
【0097】
実施例2の情報提供システムにおいて、広告サーバ50は、インセンティブ情報を経路毎に異なる基準で生成し得る。具体的には、例えば、移動コストの最も少ない移動経路を第1経路、それ以外の経路を第2経路とし、第1経路と第2経路とで異なった基準でユーザが取得可能なインセンティブを設定する。
【0098】
例えば、第1経路上の広告に関しては標準のインセンティブが設定され、第2経路上の広告に関しては標準のインセンティブと異なった基準で算出された、例えば、割増されたインセンティブを設定されてもよい。
【0099】
図11に、実施例2の情報提供システムの広告サーバ50がインセンティブ情報を生成する際に用いる広告情報テーブルTB4を示す。この広告情報テーブルTB4は、実施例1と同様に、広告サーバ50の広告情報データベース55B内に格納され得る。
【0100】
広告情報テーブルTB4は、広告情報テーブルTB2とほぼ同様であるが、ポイント数の情報に標準ポイント数及び割増ポイント数が含まれていることに関して、広告情報テーブルTB2と異なっている。
【0101】
例えば、広告サーバ50は、広告情報テーブルTB4を用いてインセンティブ情報を生成する際に、第1経路上の広告についてのインセンティブは、標準ポイントを用いて算出し、第2経路上の広告についてのインセンティブは、割増ポイントを用いて算出する。
【0102】
具体的には、例えば、広告サーバ50は、第1経路上の広告にインセンティブとして標準ポイントを設定し、第2経路上の広告にインセンティブとして割増ポイントを設定する。実施例2においては、上記情報提供ルーチンR1BのステップS14Bにおいて、制御部55は、インセンティブ設定部として機能する。
【0103】
なお、広告情報テーブルTB4における標準ポイント及び割増ポイント数はそれぞれの広告の広告主によって設定されてもよい。また、割増ポイント数は、広告主によって設定された標準ポイント数に基づいて自動的に設定されてもよい。また、インセンティブは3段階以上に設定可能であってもよい。
【0104】
図12に、広告主が広告主端末を用いて広告を依頼する際のインタフェース画面IFの一例を示す。例えば、当該インタフェース画面IFには、左側に地図情報を示す地図領域MAが配され、右側にインセンティブの情報の入力を受け付ける情報入力領域IPが配されている。
【0105】
地図領域MAには、道路ROが表示され、当該道路上の広告提示が可能な地点である提示可能地点APが四角形でしめされている。ユーザは、この提示可能地点APを選択することで広告の提示を依頼する地点を決めることが可能である。なお、図12においては、選択された地点である選択地点SPが黒塗りで示されている。
【0106】
情報入力領域IPには、上側に選択地点SPの情報として、道路名と広告提示地点が示されている。そして、その下に、インセンティブを入力するフィールドFが設けられている。広告主は、このフィールドFへの入力により、広告が提示された際にユーザに付与されるインセンティブを設定することが可能である。
【0107】
インタフェース画面IFを介して設定されたインセンティブ情報を含む広告依頼情報は、広告サーバ50に送信される。広告サーバ50において、受信された広告依頼情報に基づいて広告情報データベース55B内の広告データテーブルTB4が更新される。
【0108】
図13に、広告主端末ADにからの広告の依頼及び広告サーバ50による依頼の受け付けの際の処理ルーチンの一例である依頼受付ルーチンR3を示す。広告主端末ADが実行するルーチンをR3C、広告サーバ50が実行するルーチンをR3Bとして示す。なお、広告主端末ADは、端末装置10と同様の構成、すなわち同様の制御部、大容量記憶装置、通信部等を有しているものとする。
【0109】
例えば、依頼受付ルーチンR3B及び情報提供ルーチンR3Cは、それぞれサーバ50及び広告主端末ADが起動されると開始され、その後繰り返し実行され得る。
【0110】
依頼受付ルーチンR3Cが開始されると、広告主端末ADは、図12に示したような依頼受付画面を表示して、ユーザからの入力を待機する(ステップS31C)。その後、広告主端末ADは、ユーザによって広告依頼情報が入力されたか否かを判定する(ステップS32C)。この判定は、例えば、図12のフィールドFの全てに入力がなされたか否かを判定することでなされてもよい。
【0111】
ステップS32Cにおいて、広告依頼情報が入力されたと判定される(ステップS32C:YES)と、当該入力された広告依頼情報を広告サーバ50に送信する(ステップ32C:YES)。ステップ32Cにおいて、広告依頼情報が入力されていないと判定される(ステップS32C:NO)と、再度ステップS31Cが実行され、依頼受付画面の表示が継続される。
【0112】
依頼受付ルーチンR3Bが開始されると、広告サーバ50は、広告依頼情報の受信を待機する(ステップS31B)。ステップ31Bの実行後、広告サーバ50は、広告依頼情報を受信したか否かを判定する(ステップS32B)。ステップ32Bにおいて、広告依頼情報を受信したと判定される(ステップS32B:YES)と、広告依頼情報が保存され、広告依頼情報に基づいて、広告情報データベース55B内の広告情報テーブルTB4が更新される(ステップS33B)。この際、広告サーバ50の制御部55は、受付部として機能する。
【0113】
ステップS32Bにおいて、広告依頼情報を受信していないと判定される(ステップ32b:NO)と、再度ステップS31Bが実行され、広告依頼情報の待機が継続される。
【0114】
インタフェース画面IFにおいては、例えば、標準インセンティブが広告情報テーブルTB4の標準ポイントに相当し、割増インセンティブが広告情報テーブルTB4の割増ポイントに相当する。なお、インタフェース画面IFに示すように、標準インセンティブの付与ポイント種別と、割増インセンティブの付与ポイントの種別とを異ならしめることも可能である。また、割増インセンティブは、標準インセンティブと同一であってもよい。
【0115】
なお、広告の依頼主が、ユーザに割増インセンティブが付与される状況下において、標準インセンティブよりも価値の低いインセンティブをユーザに付与することを望む際には、標準インセンティブよりも割増インセンティブの価値を下げてもよい。例えば、標準インセンティブのポイントよりも、割増インセンティブのポイントを低く設定してもよい。また、このインタフェース画面IFは、実施例1においても、広告主からの依頼を受ける際に利用可能である。
【0116】
実施例2の情報提供システム100によれば、例えば移動コストの比較的高い迂回経路上の広告については、割増しされたインセンティブを付加することで、ドライバに迂回経路を通行させるためのより強い動機付けをすることができる。そして、広告主は、利用者にデメリットを生じさせずに広告を出力する機会を増やすことができる。
【0117】
また、ユーザは、各経路を通ることで取得可能なインセンティブを確認した上で、その時に自分が所望する種類のポイントが多く得られる経路を選択することができる。
【0118】
また、広告主に、標準時インセンティブと、割増時インセンティブを自由に設定することができる。例えば、多くの人に広告を見てもらいたい広告主は、割増時インセンティブを高めに設定することができる。また、経費を抑えたい広告主は割増時インセンティブを標準時インセンティブと同じ値に設定することもできる。すなわち、広告主は自己の状況に応じた宣伝活動を行うことができる。
【0119】
なお、サーバ50は、VICSを用いてまたは渋滞情報配信サーバから渋滞情報をリアルタイムに取得し、各道路の渋滞状況に基づいて、目的地までの所要時間が最も少ない経路を標準経路として逐次探索するとともに、標準経路以外の複数の迂回経路を逐次探索してもよい。すなわち、渋滞情報テーブルTB3を逐次更新しつつ、逐次経路を探索してもよい。
【0120】
このとき、探索された複数の経路の渋滞状況に応じて、渋滞中の道路があれば、それを緩和し、渋滞していない道路の渋滞発生を抑制するように、すなわち車両が分散するように、各経路の広告に設定されたインセンティブを再設定してもよい。
【0121】
例えば、最短ルートA、迂回ルートB、迂回ルートCが探索されたとして、各経路の渋滞度が、標準ルートA、迂回ルートB、迂回ルートCの順にそれぞれ、中、高、低であったとする。この場合、迂回経路Bに多くの車両を誘導してしまうと、迂回経路Bの渋滞を悪化させてしまう恐れがある。この問題を解消するため、例えば、広告サーバ50は、渋滞度の低い迂回経路Cに対応する広告に関して設定されたインセンティブを割増時インセンティブとし、迂回経路Bに対応する広告関して設定されたインセンティブを標準インセンティブのままとしてもよい。
【0122】
このように、広告サーバ50は、道路のリアルタイムの渋滞状況等の道路状況に基づいて、渋滞度の低い迂回経路の広告に付加されたインセンティブを、渋滞度の高い迂回経路の広告に付加されたインセンティブよりも高くなるように設定してもよい。
【0123】
また、インセンティブとして、安全運転支援に関わるサービスを広告に設定してもよい。
【0124】
例えば、広告サーバ50内または他のサーバによって、車両の速度、加速度、角速度等の挙動情報を車両から取得し、急加速、急ハンドル、急停止、法定速度遵守などを評価基準とする運転評価サービスを提供可能とする。
【0125】
この運転評価サービスは、例えば、広告主から資金提供を受けて運営され、広告主は、インセンティブとして上記運転評価サービスの利用権の付与を自らの広告が提示された際にユーザに付与するインセンティブとして設定する。例えば、インセンティブとして運転評価サービスの利用権が設定された広告情報が提示された場合は、当該利用権の額に相当する金額が広告主に課金される。
【0126】
例えば、端末装置10によって、インセンティブに当該運転評価サービス設定された広告が提示された場合に、運転評価サービスを提供するサーバは、端末装置10等の車載装置から所定時間分の車両の挙動情報を取得し、これに基づいて運転評価を行ってもよい。そして、当該評価結果が端末装置10に送信され、端末装置10によってユーザに提示されてもよい。
【0127】
なお、端末装置10は、車載ナビゲーション装置、携帯端末、およびスマートフォン等様々な端末であり得る。
【0128】
上述した実施例における端末装置10、広告サーバ50の構成、ルーチン、または表示もしくは入力の態様等は、例示に過ぎず、用途等に応じて、適宜選択または変更することができる。例えば、ルーチンにおける各ステップは、上記した例に関わらず広告サーバ50及び端末装置10のいずれが行うこととしてもよい。
【0129】
すなわち、上記した経路の生成、インセンティブの設定、広告の提示の制御等の処理は、端末装置10で行われてもよい。
【符号の説明】
【0130】
100 情報提供システム
10 端末装置
50 広告サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13