(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023055989
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 77/06 20060101AFI20230411BHJP
B65D 5/02 20060101ALI20230411BHJP
B65D 5/54 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
B65D77/06 J
B65D5/02 D
B65D5/54 301Q
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021029
(22)【出願日】2023-02-14
(62)【分割の表示】P 2018081394の分割
【原出願日】2018-04-20
(31)【優先権主張番号】P 2017115006
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】竹尾 薫
(72)【発明者】
【氏名】吉田 寛
(72)【発明者】
【氏名】中野 貴司
(57)【要約】
【課題】 軟包材の損傷を抑制しつつより扁平な形状とすることが可能である包装体を提供すること。
【解決手段】 内容物3を収容した軟包材2と、箱体1と、を備える包装体A1であって、軟包材2は、一対のシート21と、スパウト22と、を備え、且つスパウト接合部23を有し、前記箱体は、第1被覆部112aと、第2被覆部121aと、をスパウト接合部23の表裏方向両側にそれぞれ有し、第2被覆部121aは、前記表裏方向視において前記スパウト接合部の少なくとも一部を覆い、箱体1は、スパウト固定部182を有し、スパウト22を覆うスパウト被覆部181と、スパウト被覆部181を除去するための切断予定線152を有し、箱体1は、2つずつの第1被覆部112aおよび第2被覆部121aと、スパウト固定部182、スパウト被覆部181および切断予定線152とを有する1つの箱体材料によって形成されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容した軟包材と、
前記軟包材のすべてを収容した箱体と、を備える包装体であって、
前記軟包材は、表裏方向において互いに重ね合わされた一対のシートと、これらのシートの端部同士の間に一部が配置されたスパウトと、を備え、且つ前記一対のシートの端部が前記スパウトに接合されたスパウト接合部を有し、
前記箱体は、前記表裏方向視において前記スパウト接合部の少なくとも一部を覆う第1被覆部と、前記表裏方向において前記スパウト接合部と前記第1被覆部との間に位置する第2被覆部と、を前記スパウト接合部の表裏方向両側にそれぞれ有し、
前記第2被覆部は、前記表裏方向視において前記スパウト接合部の少なくとも一部を覆い、
前記箱体は、前記スパウトが固定されるスパウト固定部を有し、さらに、当該スパウト固定部に固定された前記スパウトを通じて前記軟包材の内部が外部に通じる方向である第1方向視において、前記スパウトを覆うスパウト被覆部と、前記スパウト被覆部を除去するための切断予定線と、を有し、
前記箱体は、2つずつの前記第1被覆部および前記第2被覆部と、前記スパウト固定部、前記スパウト被覆部および前記切断予定線と、を有する1つの箱体材料によって形成されていることを特徴とする、包装体。
【請求項2】
内容物を収容した軟包材と、
前記軟包材を収容した箱体と、を備える包装体であって、
前記軟包材は、表裏方向において互いに重ね合わされた一対のシートと、これらのシートの端部同士の間に一部が配置されたスパウトと、を備え、且つ前記一対のシートの端部が前記スパウトに接合されたスパウト接合部を有し、
前記箱体は、前記表裏方向視において前記スパウト接合部の少なくとも一部を覆う第1被覆部と、前記表裏方向において前記スパウト接合部と前記第1被覆部との間に位置する第2被覆部と、を前記スパウト接合部の表裏方向両側にそれぞれ有し、
前記第2被覆部は、前記表裏方向視において前記スパウト接合部の少なくとも一部を覆い、
前記箱体は、前記スパウトが固定されるスパウト固定部を有し、さらに、
前記第1被覆部と、前記スパウトを通じて前記軟包材の内部が外部に通じる方向である第1方向視において、前記スパウトを覆うスパウト被覆部と、前記スパウト被覆部を除去するための切断予定線と、を有する外装体と、
前記第2被覆部および前記スパウト固定部を有し、前記外装体とは別体として形成され且つ前記外装体に収容された内装体と、を含むことを特徴とする、包装体。
【請求項3】
前記軟包材は、長手方向寸法及び短手方向寸法よりも表裏方向寸法が顕著に小さい扁平な形状であり、
通信販売流通に用いられる、請求項1または2に記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟包材が箱体に収容された包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
液体等の内容物を収容するための包装体として、軟包材が箱体に収容された包装体が提案されている。特許文献1に開示された包装体は、樹脂製のシートからなる軟包材が、ダンボール紙からなる箱体に収容されている。軟包材には、スパウトが取付けられており、内容物の注出に用いられる。
【0003】
特許文献1に開示の包装体においては、軟包材のシートの一対の端部が互いに突き合わせられる姿勢とされ、これらの端部の間にスパウトが取付けられている。このため、軟包材に内容物が充填されると、軟包材は、スパウトを通じて軟包材の内部が外部と通じる方向と直角である方向、すなわち一対のシートの端部同士が突き合わせられる方向に膨らむ。この結果、軟包材は、たとえば筒状に膨らんだ外形を呈する。このような形状の軟包材を収容するために、箱体は断面略正四角形状の角筒状とされている。このような包装体が通信販売等によって流通する場合、消費者の住宅の郵便受け等に包装体を挿入しようとすると、上記のような構成の包装体に郵便受けの挿入口を通過させることが困難であるという問題がある。
【0004】
一方、スパウトが取り付けられた軟包材は、シートとスパウトという異種のものが接合されているため、そのスパウト接合部の接合強度が他の部分に比して比較的弱く、外力による衝撃があった場合に内容物の漏洩等がスパウト接合部から起こり易いことが知られている。特許文献1に開示の包装体においては、スパウト接合部の一部が外装である箱体と直接対向しているため、その方向からの外力による衝撃に比較的弱い虞があり、物品の流通に用いられる包装体としての問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、軟包材の損傷を抑制しつつより扁平な形状とすることが可能である包装体を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって提供される包装体は、内容物を収容した軟包材と、前記軟包材を収容した箱体と、を備える包装体であって、前記軟包材は、表裏方向において互いに重ね合わされた一対のシートと、これらのシートの端部同士の間に一部が配置されたスパウトと、を備え、且つ前記一対のシートの端部が前記スパウトに接合されたスパウト接合部を有し、前記箱体は、前記表裏方向視において前記スパウト接合部の少なくとも一部を覆う第1被覆部と、前記表裏方向において前記スパウト接合部と前記第1被覆部との間に位置する第2被覆部と、を前記スパウト接合部の表裏方向両側にそれぞれ有することを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2被覆部は、前記表裏方向視において前記スパウト接合部の少なくとも一部を覆う。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2被覆部は、前記表裏方向視において前記スパウト接合部を囲む形状である。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記スパウト接合部は、前記一対のシートの端部同士が互いに対面した状態で前記スパウトに接合されている。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記軟包材は、前記一対の周端部のうち前記スパウト接合部を構成する部分以外の部分同士が全長にわたって対面した状態で接合された周端接合部を有する。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記箱体は、前記スパウト接合部と前記第2被覆部との間に位置する第3被覆部を有する。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記箱体は、前記スパウトを通じて前記軟包材の内部が外部に通じる方向である第1方向視において、前記スパウトを覆うスパウト被覆部と、前記スパウト被覆部を除去するための切断予定線を有する。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記箱体は、前記第1被覆部を有する外装体と、前記第2被覆部を有し且つ前記外装体に収容された内装部と、を含む。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記軟包材の前記一対のシートはそれぞれ、互いに平行である一対の第1辺、互いに平行であり且つ前記一対の第1辺に対して直角である一対の第2辺、及び隣り合う前記第1辺及び前記第2辺の間に介在し且つ前記第1辺及び前記第2辺に対して傾斜した斜辺を有し、前記スパウト接合部は、前記一対のシートの前記斜辺に形成されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、表裏方向視において前記第1被覆部によって前記軟包材の前記スパウト接合部が表裏方向の両側から覆われる。また、前記表裏方向における前記第1被覆部と前記スパウト接合部との間に前記第2被覆部が位置する。これにより、前記第1被覆部が前記第2被覆部によって補強された構造となる。前記第1被覆部と前記スパウト接合部は、前記シートと前記スパウトという異種の材料からなる部材が互いに接合されているため、接合強度の向上が困難である。このようなスパウト接合部を上述の補強された構造によって表裏方向の両側から保護することにより、前記スパウト接合部が外力等によって損傷することを抑制することができる。特に、前記軟包材が偏平な形状となるほど、前記スパウト接合部に外力が及びやすくなる。したがって、前記軟包材の前記スパウト接合部の損傷を抑制しつつ、より偏平な形状とすることが可能であり、通信販売等によって流通する場合、消費者の住宅の郵便受け等に適切に挿入することができる。
【0017】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る包装体に用いられる箱体材料を示す展開平面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る包装体に用いられる軟包材を示す平面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る包装体の組み立てを示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る包装体の組み立てを示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る包装体の組み立てを示す斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る包装体を示す斜視図である。
【
図7】
図6のVII-VII線に沿う要部断面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る包装体から第1被覆部を除去した状態を示す斜視図である。
【
図9】
図8のIX-IX線に沿う要部断面図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る包装体を複数個並べた状態を示す斜視図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る包装体に用いられる外装体材料を示す展開平面図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係る包装体に用いられる内装体材料を示す展開平面図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係る包装体の組み立てを示す斜視図である。
【
図14】本発明の第2実施形態に係る包装体の組み立てを示す斜視図である。
【
図15】本発明の第2実施形態に係る包装体を示す斜視図である。
【
図17】本発明の第2実施形態に係る包装体から第1被覆部を除去した状態を示す斜視図である。
【
図18】
図17のXVIII-XVIII線に沿う要部断面図である。
【
図19】本発明の第2実施形態に係る包装体に用いられる外装体材料の変形例を示す展開平面図である。
【
図20】本発明の第2実施形態に係る包装体の変形例の組み立てを示す斜視図である。
【
図21】本発明の第3実施形態に係る包装体に用いられる外装体材料を示す展開平面図である。
【
図22】本発明の第3実施形態に係る包装体に用いられる内装体材料を示す展開平面図である。
【
図23】本発明の第3実施形態に係る包装体の組み立てを示す斜視図である。
【
図24】本発明の第3実施形態に係る包装体の組み立てを示す要部断面図である。
【
図25】本発明の第3実施形態に係る包装体の組み立てを示す斜視図である。
【
図26】本発明の第3実施形態に係る包装体を示す斜視図である。
【
図27】本発明の第3実施形態に係る包装体を示す斜視図である。
【
図28】
図26のXXVIII-XXVIII線に沿う要部断面図である。
【
図29】本発明の第4実施形態に係る包装体の内装体を示す斜視図である。
【
図30】本発明の第4実施形態に係る包装体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1~
図10は、第1実施形態を、
図11~
図20は、第2実施形態をそれぞれ示す。
【0021】
以下では、包装体の軟包材に収容される内容物として液状の洗剤を例示する。但し、内容物は、これに限定されず、例えば、柔軟剤等であってもよく、ゼリー状やペースト状の物であってもよいし、粉体や粉粒体であってもよい。さらに、本発明の包装体の用途は、洗剤等の日用品に限定されず、各種食料品等や医療用途に適用されてもよい。
【0022】
以下では、便宜上「容器縦方向」を「容器上下方向」とし、後述のスパウトが形成される「縦方向一端側」を「上」、その反対側である「容器縦方向他端側」を「下」として説明する。また、各シートが積層される方向であって、箱体の主面部が向かい合う方向を「容器表裏方向」とし、容器上下方向及び容器表裏方向に直交する方向(容器幅方向)を「容器横方向、又は容器幅方向」として説明する。以下では、単に、上下方向、表裏方向、横方向又は幅方向という場合がある。また、シートの各端縁及び各端縁近傍部分を含む部分を「端部」という。
【0023】
<第1実施形態>
図1~
図10を参照しつつ、第1実施形態に係る包装体A1について説明する。
図1は、包装体A1に用いられる箱体材料を示す展開平面図である。
図2は、包装体A1に用いられる軟包材を示す平面図である。
図3ないし
図5は、包装体A1の組み立てを示す斜視図である。
図6は、包装体A1を示す斜視図である。
図7は、
図6のVII-VII線に沿う要部断面図である。
図8は、包装体A1から第1被覆部を除去した状態を示す斜視図である。
図9は、
図8のIX-IX線に沿う要部断面図である。
図10は、包装体A1を複数個並べた状態を示す斜視図である。
【0024】
図2は、包装体A1に用いられる軟包材2を示している。軟包材2は、内容物3を収容するものであり、一対のシート21及びスパウト22を備えており、スパウト接合部23及び周端シール部24が形成されている。本実施形態においては、軟包材2は、図中左右方向を長手方向とする略長矩形状である。以降の説明においては、軟包材2の長手方向を、包装体A1における上下方向とし、軟包材2の短手方向を包装体A1における幅方向とし、軟包材2の表裏方向を包装体A1における表裏方向として対応させる。
【0025】
一対のシート21は、互いに重ね合わされており、互いの間の空間が内容物3を収容する収容部25を構成している。本実施形態においては、シート21は、一対の第1辺211、一対の第2辺212及び斜辺213を有する。一対の第1辺211は、各々が長手方向に沿っており互いに平行である。一対の第2辺212は、各々が短手方向に沿っており互いに平行である。斜辺213は、隣り合う第1辺211と第2辺212との間に介在しており、長手方向及び短手方向のいずれに対しても傾斜している。図示された例においては、斜辺213の長さは、第1辺211及び第2辺212よりも短い。
【0026】
スパウト22は、収容部25に収容された内容物3を注出するためのものである。スパウト22は、一対のシート21の端部同士の間に配置されている。図示された例においては、互いに脱着可能とされた筒部221及び蓋部223を有することにより、開閉が可能である。筒部221には、一対のフランジ222が形成されている。一対のフランジ222は、スパウト22を通じて軟包材2の内部(収容部25)が外部と通じる方向であるN方向(第1方向)に並んで設けられている。
【0027】
スパウト接合部23は、一対のシート21とスパウト22とが接合された部位である。本実施形態においては、スパウト接合部23は、一対のシート21のうち斜辺213を含む端部の一部ずつが、スパウト22の筒部221の一部に接合された構成である。スパウト接合部23を形成するための接合方法は、例えばヒートシールが好適に用いられるが、これに限定されず、例えば接着剤を用いた方法等であってもよい。
【0028】
周端シール部24は、一対のシート21の周端部のうちスパウト接合部23を構成する部分以外の部分同士が、例えばヒートシールによって接合されたものである。本実施形態においては、周端シール部24は、一対の第1シール部241、一対の第2シール部242及び斜辺シール部243を有する。第1シール部241は、第1辺211に沿った端部同士が接合された部分である。第2シール部242は、第2辺212に沿った端部同士が接合された部分である。斜辺シール部243は、斜辺213に沿った端部同士が接合された部分である。これにより、本実施形態においては、収容部25は、スパウト22、スパウト接合部23及び周端シール部24によって密閉されている。また、軟包材2は、長手方向寸法及び短手方向寸法よりも表裏方向寸法が顕著に小さい扁平な形状である。
【0029】
シート21は、通常、樹脂フィルムから構成される。シートを構成する樹脂フィルムには、耐衝撃性、耐磨耗性、及び耐熱性など、包装体としての基本的な性能を備えることが要求される。また、上記各シール部及び上記接合部は、通常、ヒートシールにより形成されるので、シートにはヒートシール性も要求される。シートとしては、ベースフィルム層と、ヒートシール性を付与するシーラント層とを有する複層シートが好適であり、高いガスバリア性や遮光性が要求される場合には、ベースフィルム層とシーラント層との間にバリア層を設けることが好適である。なお、ベースフィルム層そのものにバリア性を付与してもよい。この場合は、バリア層をベースフィルム層として用い、バリア層とシーラント層とを有する複層シートとなる。また、シートの両面にヒートシール性を付与する場合は、後述のシーラント層を形成する単層フィルムを用いてもよいし、複層シートの場合は、同種又は異種のシーラント層を二層有するか(このとき、シーラント層の一層を形式的にベースフィルム層として用いることになる)、或いはベースフィルム層の両面にシーラント層を有するシートを用いてもよい。本実施形態では、シート21として、外面がベースフィルム層からなり内面がシーラント層からなる複層シートが使用されている。
【0030】
ここで、ベースフィルム層、シーラント層、及びガスバリア層の構成材料を例示する。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーションなどにより行うことができる。
【0031】
ベースフィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ-ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)など)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアミド(ナイロン-6、ナイロン-66など)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びポリエーテルスルフォン(PES)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
【0032】
シーラント層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン-オレフィン共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
【0033】
ガスバリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、ベースフィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
【0034】
シート21には、例えば、商品名や原材料、使用上の注意事項などを表示する印刷層を設けてもよい。
【0035】
図1は、包装体A1に用いられる箱体材料10を示している。箱体材料10は、包装体A1において軟包材2を収容する後述の箱体1を形成するためのものである。箱体材料10の材質は特に限定されず、軟包材2を適切に収容し且つ保護し得るものであればよい。箱体材料10の材質としては、例えば厚紙及びダンボール紙等の紙材や樹脂材が挙げられ、軟包材2のシート21の材質よりも剛性が高い材質が好ましい。以降においては、箱体材料10の材質として厚紙が用いられた場合を例に説明する。
【0036】
本実施形態の箱体材料10は、主な構成部位として、主面部111,112、側面部113,114、端面部115,116、内面部121、外面部122、外側端面部123,124、外側側面部125、補助端面部126、補助部127,128、スパウト被覆部181及びスパウト固定部182を有する。なお、図中において、箱体材料10に設けられた実線部分は、厚さ方向に貫通した切断線を示すものであり、点線部分は、折罫線等の折曲げが容易とされた折曲予定線を示すものである。これらは、以降の図においても同様である。
【0037】
主面部111及び主面部112は、表裏方向において軟包材2を挟むように配置される部分である。主面部111及び主面部112の平面視形状は、軟包材2の形状に応じて長矩形状とされている。すなわち、同図における左右方向(主面部111及び主面部112の長辺方向)が包装体A1における上下方向に相当し、主面部111及び主面部112の短辺方向が包装体A1における幅方向に相当する。
【0038】
側面部113及び側面部114は、幅方向において軟包材2を挟むように配置される部分である。図示された例においては、主面部111と主面部112との間に側面部113が設けられており、主面部111に対して側面部113とは反対側に側面部114が設けられている。側面部113及び側面部114の図中上下方向(それぞれの短辺方向)は、包装体A1における表裏方向に相当する。軟包材2が上述した扁平な形状であることにより、側面部113及び側面部114の短辺の寸法は、長辺と比べて顕著に小さい。また、本実施形態においては、側面部114の長辺寸法は、主面部111よりも小さい。側面部114は、主面部111に対して図中左方に偏って配置されている。
【0039】
端面部115及び端面部116は、上下方向において軟包材2を挟むように配置される部分である。図示された例においては、端面部115及び端面部116は、主面部111の図中左右方向両側に設けられている。端面部115及び端面部116の図中左右方向(それぞれの短辺方向)は、包装体A1における表裏方向に相当する。軟包材2が上述した扁平な形状であることにより、端面部115及び端面部116の短辺の寸法は、長辺と比べて顕著に小さい。また、図示された例においては、端面部116の長辺寸法が、端面部115の長辺寸法よりも小さく、端面部115は、主面部111に対して図中上方に偏って配置されている。
【0040】
また、箱体材料10には、内面部121及び外面部122が設けられている。内面部121及び外面部122は、包装体A1において剛性をより高め、軟包材2をより確実に保護するために設けられている。内面部121は、側面部114に対して主面部111とは反対側に設けられている。内面部121は、平面視寸法が主面部111よりも若干小さい。外面部122は、外側側面部125に対して主面部112とは反対側に設けられている。外面部122は、内面部121の外側に配置される部分である。外面部122には、舌部136が設けられている。舌部136は、主面部111に形成された切欠部161に差し込まれる部分である。切欠部161は、主面部111の一部が所定形状に除去された部分である。
【0041】
外面部122には、一対の切断予定線153が設けられている。一対の切断予定線153は、例えばミシン目線であり、舌部136を挟んで図中左右方向両側に設けられている。一対の切断予定線153は、包装体A1の箱体1から軟包材2を取り出す際に切断される部分である。
【0042】
また、箱体材料10は、補助端面部126を有する。補助端面部126は、外側側面部125の短辺に繋がっている。外側側面部125には、切込部148が形成されている。切込部148は、外側側面部125の図中右方部分に形成されており、外側側面部125を短辺方向に横断している。切込部148は、切断線からなり、図示された例においては、図中右方に凸状の形状である。また図示された例においては、補助端面部126の図中上下側に一対の差込部126aが設けられている。
【0043】
本実施形態においては、外側側面部125のうち切込部148よりも補助端面部126側に位置する部分である除去予定部125aと補助端面部126とによって、スパウト被覆部181が構成されている。スパウト被覆部181は、後述の包装体A1において、軟包材2のスパウト22を覆うために設けられている。
【0044】
本実施形態においては、主面部112に切断予定線151が設けられており、外面部122に切断予定線152が設けられている。切断予定線151及び切断予定線152は、例えばミシン目線からなり、除去予定部125aを挟んで図中上下方向両側に配置されている。切断予定線151及び切断予定線152は、切込部148の両端に繋がっている。切断予定線151及び切断予定線152が切断されると、除去予定部125a、補助端面部126及び一対の差込部126aが除去される。すなわち、スパウト被覆部181は、切込部148、切断予定線151及び切断予定線152が設けられることにより、除去可能な部位とされている。
【0045】
本実施形態においては、主面部112が第1被覆部112aを有し、外面部122が第1被覆部122aを有する。また、主面部111が第2被覆部111aを有し、内面部121が第2被覆部121aを有する。第1被覆部112a及び第1被覆部122aは、包装体A1での表裏方向視において、スパウト接合部23の少なくとも一部を覆う部分である。図示された例においては、第1被覆部112aは、主面部112のうち切断予定線151の内側に隣接する部分であり、第1被覆部122aは、外面部122のうち切断予定線152の内側に隣接する部分である。第2被覆部111a及び第2被覆部121aは、包装体A1の表裏方向においてスパウト接合部23と第1被覆部112a又は第1被覆部122aの間に位置する部分である。さらに、本実施形態においては、第2被覆部111a及び第2被覆部121aは、表裏方向視においてスパウト接合部23の少なくとも一部を覆っており、図示された例においては、スパウト接合部23のすべてを覆っている。また、図示された例においては、第2被覆部111aは、主面部111のうち切込部149の内側に隣接する部分であり、第2被覆部121aは、内面部121のうち切込部149の内側に隣接する部分である。
【0046】
また、箱体材料10は、スパウト固定部182を有する。スパウト固定部182は、側面部114の図中右側に繋がっている。スパウト固定部182は、図中右端が、主面部111及び内面部121の図中右端よりも右側に突出している。スパウト固定部182は、包装体A1において軟包材2のスパウト22が固定される部分である。
【0047】
図示された例においては、スパウト固定部182には、貫通孔182a及び複数の切込部182bが設けられている。貫通孔182aは、スパウト固定部182の略中央に設けられており、図示された例においては円形状である。複数の切込部182bは、貫通孔182aから放射状に延びる切断線である。貫通孔182a及び複数の切込部182bが設けられることにより、スパウト固定部182は、軟包材2のスパウト22に固定可能とされている。
【0048】
また、図示された例においては、差込部182d及び一対の第3被覆部182eが設けられている。差込部182dは、スパウト固定部182から図中右方に突出している。一対の第3被覆部182eは、スパウト固定部182の図中上下方向両側に設けられている。一対の第3被覆部182eは、一対の切込部149によって主面部111及び内面部121から区画されている。差込部182d及び一対の第3被覆部182eは、箱体材料10を用いて後述の箱体1を形成する際に、スパウト固定部182をより確実に固定するための部分である。また、第3被覆部182eは、包装体A1において、スパウト接合部23と第2被覆部111a又は第2被覆部121aとの間に位置する部分である。
【0049】
外側端面部123及び外側端面部124は、主面部112の図中左右方向両側に設けられている。補助部127は、端面部116の図中右側に設けられており、補助部128は、端面部115の図中左側に設けられている。
【0050】
また、箱体材料10には、箱体1をより確実且つ強固に形成するための部位が設けられている。このような部位として、図示された例においては、一対の舌部131、一対の舌部132、舌部133及び舌部134と、一対の切込部141、一対の切込部142、切込部143及び切込部144とが設けられている。
【0051】
一対の舌部131は、外側端面部124の図中右側に設けられている。一対の切込部141は、主面部111と端面部116との境界に設けられている。箱体材料10から箱体1を形成する際に、一対の舌部131は、一対の切込部141に差し込まれる。一対の舌部132は、外側端面部123の図中左側に設けられている。一対の切込部142は、主面部111と端面部115との境界に設けられている。箱体材料10から箱体1を形成する際に、一対の舌部132は、一対の切込部142に差し込まれる。
【0052】
舌部133は、内面部121の図中右側に設けられており、舌部134は、内面部121の図中左側に設けられている。切込部143は、端面部116と補助部127との境界に設けられており、切込部144は、端面部115と補助部128との境界に設けられている。箱体材料10から箱体1を形成する際に、舌部133は、切込部143に差し込まれ、舌部134は、切込部144に差し込まれる。
【0053】
次に、箱体材料10及び軟包材2を用いた包装体A1の組み立てについて、
図3~
図7を参照しつつ以下に説明する。
【0054】
まず、
図3に示すように、展開された状態の箱体材料10に軟包材2を載置する。図示された例においては、箱体材料10の主面部111に重なるように軟包材2が載置されている。また、軟包材2は、スパウト22が箱体材料10のスパウト固定部182に近接する姿勢とされている。
【0055】
次いで、
図4に示すように、側面部114及びスパウト固定部182を主面部111から起立させる。次いで、スパウト固定部182の貫通孔182aにスパウト22を挿通させる。この際、貫通孔182aの端縁を、スパウト22の一対のフランジ222の間に位置させる(
図7参照)。これにより、スパウト固定部182にスパウト22が固定される。次いで、端面部115及び端面部116を主面部111から起立させ、舌部133及び舌部134を切込部143及び切込部144に差し込む。
【0056】
次いで、主面部111、側面部113及び主面部112を区画する折曲予定線を順次折り曲げることにより、主面部111に対して側面部113を起立させ、主面部112を軟包材2を挟んで主面部111と対面させる。
【0057】
次いで、主面部112と外側側面部125とを区画する折曲予定線と、補助端面部126を区画する折曲予定線とを折り曲げることにより、補助端面部126を端面部116に沿う姿勢とし、一対の差込部126aを適宜差し込む。また、主面部112と外側端面部123及び外側端面部124とを区画する折曲予定線を折り曲げ、一対の舌部131及び一対の舌部132を一対の切込部141及び一対の切込部142に差し込む。また、主面部112、外側側面部125及び外面部122を区画する折曲予定線を折り曲げ、舌部136を主面部111の切欠部161に差し込む。これにより、
図6に示す箱体1が形成され、包装体A1が完成する。
【0058】
図7に示すように、包装体A1においては、表裏方向視すなわち図中上下方向視において、スパウト接合部23から遠い側から第1被覆部112a、第2被覆部121a及び第3被覆部182eの順でスパウト接合部23を図中上側から覆っている。また、スパウト接合部23から遠い側から第1被覆部122a、第2被覆部111a及び第3被覆部182eの順でスパウト接合部23を図中下側から覆っている。また、N方向視においてスパウト被覆部181がスパウト22を覆っている。
【0059】
図8及び
図9は、包装体A1の使用状態を示している。包装体A1の使用に際しては、スパウト22を通じて収容部25から内容物3を注出する。
図6及び
図7に示すA1においては、スパウト22は、スパウト被覆部181に覆われている。このため、切断予定線151及び切断予定線152に沿って箱体1を切断することにより、除去予定部125a及び補助端面部126からなるスパウト被覆部181を除去する。なお、この切断に際しては、切込部148に指の先端を沿わせるようにして箱体1に力を加えることにより、切断予定線151及び切断予定線152に沿った切断を開始するとより容易に切断することができる。このような切断及び除去により、
図8及び
図9に示すように、スパウト22が外観に表れる。この状態から、スパウト22の蓋部223を取り外すことにより、スパウト22を通じて収容部25に収容された内容物3を注出することができる。
【0060】
次に、包装体A1の作用について説明する。
【0061】
本実施形態によれば、
図7に示すように、表裏方向視において第1被覆部112a及び第1被覆部122aによって軟包材2のスパウト接合部23が表裏方向の両側から覆われており、さらに表裏方向におけるこれらとスパウト接合部23との間に第2被覆部121a及び第2被覆部111aによってスパウト接合部23が配置されている。このため、第1被覆部112a及び第1被覆部112aが、第2被覆部121a及び第2被覆部111aによって内側から補強される構造となっている。スパウト接合部23は、シート21とスパウト22という異種の材料からなる部材が互いに接合されているため、接合強度の向上が困難である。このようなスパウト接合部23を上述の補強された構造によって表裏方向の両側から保護することにより、スパウト接合部23が外力等によって損傷することを抑制することができる。特に、軟包材2が偏平な形状となるほど、スパウト接合部23に外力が及びやすくなる。しかし、スパウト接合部23を表裏方向の両側からそれぞれ補強された構造によって保護することにより、軟包材2が偏平となってもスパウト接合部23をより確実に保護することが可能である。したがって、包装体A1によれば、軟包材2のスパウト接合部23の損傷を抑制しつつ、より偏平な形状とすることが可能であり、通信販売等によって流通する場合、消費者の住宅の郵便受け等に適切に挿入することができる。
【0062】
また、本実施形態においては、第2被覆部121aおよび第2被覆部111aは、表裏方向視において、スパウト接合部23の少なくとも一部を覆っている。これにより、スパウト接合部23を、表裏方向の両側から二重に保護することが可能であり、スパウト接合部23をさらに確実に保護することができる。また、第2被覆部121aおよび第2被覆部111aが、表裏方向視においてスパウト接合部23のすべてを覆う構成は、スパウト接合部23の保護に好ましい。
【0063】
さらに、本実施形態においては、第2被覆部121a及び第2被覆部111aの内側に一対の第3被覆部182eが設けられている。これにより、包装体A1は、スパウト接合部23が表裏方向の両側からそれぞれ三重に保護された構成となっており、軟包材2のスパウト接合部23の損傷を抑制するのに好ましい。
【0064】
また、本実施形態においては、スパウト接合部23においては、シート21の端部同士が互いに対面した状態でスパウト22に接合されている。このため、収容部25に内容物3が充填されても、スパウト接合部23に繋がる一対のシート21は、表裏方向に顕著に膨らむ態様とはなりにくく、軟包材2が依然として扁平な形状を保つ。このため、扁平な形状の箱体1によって軟包材2を収容することができる。また、周端シール部24は、そのすべてがシート21の端部同士が対面した状態で接合されている。これにより、軟包材2をより偏平な形状とすることができる。
【0065】
図10は、消費者の住宅等における複数の包装体A1の保管状態を示している。包装体A1は、全体が扁平な形状であり、スパウト22が上側に位置するように起立させると、載置に必要な面積が顕著に小さくなる。そして、起立させた複数の包装体A1を表裏方向に配列すると、本棚に収容された複数の書籍のような態様となる。図示された例においては、例えば箱体1の外側側面部125に商品名等を印刷しておくことにより、それぞれの包装体A1の商品名等を、書籍の背表紙に印刷された書籍名のように視認することができる。また、使用に際してスパウト被覆部181を除去することから、複数の包装体A1のうち未使用のものと使用中のものとを容易に区別することができるという利点がある。
【0066】
図7に示すように、貫通孔182aの端縁が、スパウト22の一対のフランジ222の間に嵌め込まれている。これにより、スパウト22は、スパウト固定部182に対してN方向に不当に移動しないように支持されている。したがって、例えば、
図10に示した姿勢に包装体A1を載置した際に、箱体1内において軟包材2が下方に偏ってしまったり、屈曲してしまったりすることを回避することができる。
【0067】
本実施形態においては、使用前の状態においては、スパウト被覆部181は、スパウト22の全てを覆っている。このため、包装体A1の流通過程や店頭での陳列において、スパウト22が外観に表れることにより、スパウト22が損傷したり、誤って開封されたりすることを防止することができる。一方、切断予定線151及び切断予定線152を切断することにより、スパウト被覆部181が除去可能とされている。スパウト被覆部181を除去すると、スパウト22のスパウト接合部23が完全に露出する。このため、スパウト22からの注出を適切に行うことができる。
【0068】
スパウト接合部23は、一対のシート21の斜辺213に形成されている。このため、スパウト22は、シート21の第1辺211及び第2辺212に対して斜め方向(N方向)に突出しており、端面部116及び外側側面部125を延長させた面の内側に配置されている。これにより、包装体A1の外観においてスパウト22が突出するような形態となることを回避し、包装体A1の外観形状を扁平な直方体形状とすることができる。
【0069】
図11~
図20は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一又は類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0070】
<第2実施形態>
図11~
図18は、本発明の第2実施形態に係る包装体を示している。
図11及び
図12に示すように、本実施形態においては、外装体材料10A及び内装体材料10Bを用いて箱体1を形成する。なお、本実施形態に用いられる軟包材2の構成は特に限定されず、以降の説明においては、包装体A1の軟包材2と同じ構成の軟包材2が用いられた場合を例に説明する。
【0071】
図11は、包装体A2に用いられる外装体材料10Aを示す展開平面図である。
図12は、包装体A2に用いられる内装体材料10Bを示す展開平面図である。
図13及び
図14は、包装体A2の組み立てを示す斜視図である。
図15は、包装体A2を示す斜視図である。
図16は、
図15のXVI-XVI線に沿う要部断面図である。
図17は、包装体A2から第1被覆部を除去した状態を示す斜視図である。
図18は、
図17のXVIII-XVIII線に沿う要部断面図である。
【0072】
図11に示すように、外装体材料10Aは、主な構成部位として、主面部111A,112A、側面部113A,114A、端面部115A,116A及び外面部122Aを有する。外装体材料10Aは、包装体A2において箱体1を構成する外装体1Aを形成するためのものである。
【0073】
主面部111A及び主面部112Aは、表裏方向において軟包材2を挟むように配置される部分である。主面部111A及び主面部112Aの平面視形状は、軟包材2の形状に応じて長矩形状とされている。ただし、本実施形態においては、主面部112Aは、主面部111Aよりも小さく、角部が切り欠かれた形状とされている。
【0074】
側面部113A及び側面部114Aは、幅方向において軟包材2を挟むように配置される部分である。図示された例においては、主面部111Aと主面部112Aとの間に側面部113Aが設けられており、主面部111Aに対して側面部113Aとは反対側に側面部114Aが設けられている。側面部113A及び側面部114Aの図中上下方向(それぞれの短辺方向)は、包装体A2における表裏方向に相当する。
【0075】
端面部115A及び端面部116Aは、上下方向において軟包材2を挟むように配置される部分である。図示された例においては、端面部115A及び端面部116Aは、主面部111Aの図中左右方向両側に設けられている。端面部115A及び端面部116Aの図中左右方向(それぞれの短辺方向)は、包装体A2における表裏方向に相当する。
【0076】
また、外装体材料10Aには、外面部122Aが設けられている。外面部122Aは、包装体A2において剛性をより高め、軟包材2をより確実に保護するために設けられている。外面部122Aは、側面部114Aに対して主面部111Aとは反対側に設けられている。外面部122Aは、主面部111A及び主面部112Aよりも小さく、角部が切り欠かれた形状である。
【0077】
また、外装体材料10Aには、補助部127A及び補助部128Aが設けられている。127Aは、端面部116Aの図中右側に設けられており、補助部128Aは、端面部115Aの図中左側に設けられている。
【0078】
外装体材料10Aには、切断予定線151Aが設けられている。切断予定線151Aは、例えばミシン目線である。図示された例においては、切断予定線151Aは、補助部127A、端面部116A、主面部111A、側面部114A及び外面部122Aにわたって設けられており、平面視円弧形状である。端面部116Aのうち切断予定線151Aよりも図中下側の部分が除去予定部116Aaである。また、側面部114Aのうち切断予定線151Aよりも図中右側の部分が除去予定部114Aaである。本実施形態においては、除去予定部114Aa及び除去予定部116Aaによって、スパウト被覆部181Aが構成されている。
【0079】
本実施形態においては、主面部111Aが第1被覆部111Aaを有し、外面部122Aが第1被覆部122Aaを有する。第1被覆部111Aa及び第1被覆部122Aaは、本実施形態の包装体A2での表裏方向視において、スパウト接合部23の少なくとも一部を表裏方向の両側から覆う部分である。図示された例においては、第1被覆部111Aaは、主面部111Aのうち切断予定線151Aの内側に隣接する部分であり、第1被覆部122Aaは、外面部122Aのうち切断予定線151Aの内側に隣接する部分である。
【0080】
また、外装体材料10Aには、箱体1をより確実且つ強固に形成するための部位が設けられている。このような部位として、図示された例においては、舌部131A、132A、舌部133A及び舌部134Aと、切込部141A及び切込部142Aとが設けられている。
【0081】
舌部131Aは、主面部112Aの図中右側に設けられている。切込部141Aは、端面部116Aと127Aとの境界に設けられている。外装体材料10Aから外装体1Aを形成する際に、舌部131Aは、切込部141Aに差し込まれる。舌部132Aは、主面部112Aの図中左側に設けられている。切込部142Aは、端面部115Aと補助部128Aとの境界に設けられている。外装体材料10Aから外装体1Aを形成する際に、舌部132Aは、切込部142Aに差し込まれる。
【0082】
舌部133Aは、外面部122Aの図中右側に設けられており、舌部134Aは、外面部122Aの図中左側に設けられている。外装体材料10Aから外装体1Aを形成する際に、舌部133Aは、舌部131Aとともに切込部141Aに差し込まれ、舌部134Aは、舌部132Aとともに切込部142Aに差し込まれる。
【0083】
図12に示すように、内装体材料10Bは、主面部111B,第2被覆部112B及びスパウト固定部182Bを有する。内装体材料10Bは、包装体A2において箱体1を構成する内装体1Bを形成するためのものである。
【0084】
主面部111B及び第2被覆部112Bは、表裏方向において軟包材2を挟むように配置される部分である。主面部111Bの平面視形状は、軟包材2の形状に応じて長矩形状とされている。第2被覆部112Bは、主面部111Bよりも顕著に小さい。
【0085】
スパウト固定部182Bは、表裏方向において主面部111Bと第2被覆部112Bとの間に設けられている。スパウト固定部182Bは、主面部111Bよりも小さい長矩形状である。スパウト固定部182Bの長手方向は、主面部111Bの四辺に対して傾いており、第2被覆部112Bの長手方向と一致している。
【0086】
本実施形態においては、主面部111Bが第2被覆部111Baを有している。第2被覆部111Ba及び上述の第2被覆部112Bは、包装体A2の表裏方向においてスパウト接合部23と第1被覆部111Aa又は第1被覆部122Aaとの間に位置する部分である。さらに、本実施形態においては、第2被覆部111Ba及び第2被覆部112Bは、表裏方向視においてスパウト接合部23の少なくとも一部を覆っており、図示された例においては、スパウト接合部23のすべてを覆っている。また、図示された例においては、第2被覆部111Baは、主面部111Bのうちスパウト固定部182Bに隣接する部分である。
【0087】
図示された例においては、スパウト固定部182Bには、貫通孔182Ba及び複数の切込部182Bbが設けられている。貫通孔182Baは、スパウト固定部182Bの略中央に設けられており、図示された例においては円形状である。複数の切込部182Bbは、貫通孔182Baから放射状に延びる切断線である。貫通孔182Ba及び複数の切込部182Bbが設けられることにより、スパウト固定部182Bは、軟包材2のスパウト22に固定可能とされている。
【0088】
次に、外装体材料10A、内装体材料10B及び軟包材2を用いた包装体A2の組み立てについて、
図13~
図15を参照しつつ以下に説明する。
【0089】
まず、
図13に示すように、内装体材料10Bの主面部111Bに軟包材2を載置する。この際、軟包材2は、スパウト22が内装体材料10Bのスパウト固定部182Bに近接する姿勢とされている。次いで、スパウト固定部182Bを主面部111Bから起立させる。次いで、スパウト固定部182Bの貫通孔182Baにスパウト22を挿通させる。この際、貫通孔182Baの端縁を、スパウト22の一対のフランジ222の間に位置させる。次いで、第2被覆部112Bを主面部111Bと平行な状態とする。これにより、内装体材料10Bによって内装体1Bが形成される。
【0090】
一方、外装体材料10Aは、内装体材料10Bとは別に、主面部111Aに対して、側面部113A、端面部115A及び端面部116Aを起立させる。また、主面部112A、補助部127A及び補助部128Aを主面部111Aと平行な状態とする。舌部131Aを切込部141Aに差し込み、舌部132Aを切込部142Aに差し込む
【0091】
次いで、外装体材料10Aにおいて、主面部111A、主面部112A、側面部113A、端面部115A及び端面部116Aによって囲まれた空間に、内装体1B及び軟包材2を挿入する。これにより、
図14に示す状態となる。
【0092】
次いで、主面部111Aに対して側面部114Aを起立させ、外面部122Aを主面部111Aと平行な状態とする。そして、舌部133Aを切込部141Aに差し込み、舌部134Aを切込部142Aに差し込む。これにより、
図15及び
図16に示す包装体A2が完成する。包装体A2においては、外装体材料10Aによって形成された外装体1Aと内装体材料10Bによって形成された内装体1Bとによって箱体1が構成されている。軟包材2は、内装体1Bに取り付けられており、内装体1Bは、外装体1Aに収容されている。
【0093】
図16に示すように、包装体A2においては、表裏方向視すなわち図中上下方向視において、スパウト接合部23から遠い側から第1被覆部122Aa及び第2被覆部112Bの順でスパウト接合部23を図中上側から覆っている。また、スパウト接合部23から遠い側から第1被覆部111Aa及び第2被覆部111Baの順でスパウト接合部23を図中下側から覆っている。また、N方向視においてスパウト被覆部181がスパウト22を覆っている。
【0094】
図17及び
図18は、包装体A1の使用状態を示している。この状態は、切断予定線151Aに沿って箱体1の外装体1Aを切断することにより、除去予定部114Aa及び除去予定部116Aaからなるスパウト被覆部181Aが除去されている。このような切断及び除去により、スパウト22が外観に表れ、内容物3の注出が可能となる。
【0095】
本実施形態によっても、スパウト接合部23は、表裏方向の両側から補強された構造によって保護されており、軟包材2の損傷を抑制しつつ、包装体A2をより扁平な形状とすることが可能である。また、外装体1Aに第1被覆部122Aa及び第1被覆部111Aaを設け、内装体1Bに第2被覆部112B及び第2被覆部111Baを設けることにより、第1被覆部と第2被覆部とが1つの材料に設けられた場合と比べて、材料の形状が複雑となることを回避することができる。さらに、
図13に示すように、箱状とされた外装体材料10Aに、内装体1Bと一体となった軟包材2を挿入することにより、軟包材2が不当に撓んだり歪んだりすることを抑制し、スムーズに軟包材2を装填することができる。
【0096】
<第2実施形態 変形例>
図19は、包装体A2に用いられる内装体材料10Bの変形例を示している。本変形例の内装体材料10Bは、上述した内装体材料10Bの構成部位に加えて、側面部113B、側面部114B、端面部115B、端面部116B、補助側面部117B、補助端面部118Bが追加されており、舌部131B、舌部132B、切込部141B及び切込部142Bが設けられている。
【0097】
側面部113B及び側面部114Bは、主面部111Bに繋がっており、軟包材2を幅方向において挟むように配置される部分である。端面部115B及び端面部116Bは、主面部111Bに繋がっており、軟包材2を上下方向において挟むように配置される部分である。補助側面部117Bは、第2被覆部112Bに繋がっており、側面部114Bの外側に配置される部分である。補助端面部118Bは、第2被覆部112Bに繋がっており、端面部116Bの外側に配置される部分である。舌部131Bは、切込部141Bに差し込まれ、舌部132Bは、切込部142Bに差し込まれる。
【0098】
図20は、本変形例の包装体A2の組み立てを示している。本変形例においても、軟包材2が内装体材料10Bによって形成された内装体1Bに取り付けられた状態で、箱状とされた外装体材料10Aに挿入される。
【0099】
本実施形態によっても、軟包材2の損傷を抑制しつつ、包装体A2をより扁平な形状とすることが可能である。また、内装体1Bが、側面部113B、側面部114B、端面部115B、端面部116B、補助側面部117B、補助端面部118Bを有し、舌部131B、舌部132B、切込部141B及び切込部142Bが設けられていることにより、内装体1Bの剛性がより高められている。これにより、軟包材2をより強固に保持し、軟包材2が不当に撓んだり歪んだりすることをより確実に抑制し、よりスムーズに軟包材2を装填することができる。
【0100】
<第3実施形態>
図21~
図28は、本発明の第3実施形態に係る包装体を示している。
図22に示すように、本実施形態の内装体材料10Bは、主面部111B、スパウト固定部182B、第2被覆部112B、補助側面部117B、補助端面部118B及び補助主面部119Bを有する。
【0101】
本実施形態の主面部111Bは、切込部111Bb及び切欠部111Bcを有する。切込部111Bbは、主面部111Bの幅方向略中央に設けられており、上下方向に長く延びている。切込部111Bbの上下方向寸法は、軟包材2の幅方向寸法よりも若干大きい程度が好ましい。切欠部111Bcは、主面部111Bの一方の長辺の略中央が、半円形状に切り欠かれた形状の部位である。
【0102】
本実施形態のスパウト固定部182Bは、切込部182Bc、切込部182Bd及び一対の折返片182Beを有する。切込部182Bcは、スパウト固定部182Bの略中央に設けられており、主面部111Bと第2被覆部112Bとに向かって延びる直線状の切込部である。図示された例においては、切込部182Bcは、スパウト固定部182Bの第2被覆部112B側の端縁に到達しており、主面部111B側の端縁には到達していない。切込部182Bdは、切込部182Bcの主面部111B側の端部に繋がっており、切込部182Bcと直角である方向の両側に延びている。一対の折返片182Beは、切込部182Bc及び切込部182Bdと後述の窓部112Baとによって囲まれた領域であり、折り返すことが意図された部位である。
【0103】
本実施形態の第2被覆部112Bは、窓部112Baを有する。窓部112Baは、後述の本実施形態の包装体の組み立てにおいて、スパウト22の蓋部223やフランジ222を通過させるためのものである。包装体が完成すると、窓部112Baは、表裏方向視において、スパウト接合部23の少なくとも一部を露出させる。このため、本実施形態の第2被覆部112Bは、表裏方向視においてスパウト接合部23の一部を覆う構成となるか、あるいは表裏方向視においてスパウト接合部23を囲む構成となる。
【0104】
一対の補助主面部119Bは、補助側面部117B及び補助端面部118Bにそれぞれ繋がっている。一対の補助主面部119Bは、包装体の完成状態において、主面部111Bに重ねられることにより、主面部111Bを補強するためのものである。
【0105】
図21に示すように、本実施形態の外装体材料10Aは、第2実施形態の外装体材料10Aと類似の構成である。本実施形態の外装体材料10Aは、主面部111Aに切断予定線157Aが形成されている。切断予定線157Aは、主面部111Aの一方の長辺に両端が到達するように設けられた、半円状の切断予定線である。本実施形態の完成状態においては、切断予定線157Aは、表裏方向視において上述の切欠部111Bcに内包される。
【0106】
図23は、本実施形態の包装体の組み立てを示している。本実施形態においては、内装体材料10Bのスパウト固定部182Bの一対の折返片182Beを折り返すことにより、一対の折返部182Bfを形成する。折返部182Bfは、内装体材料10Bを構成する厚紙が折り返し箇所を介して二重に重ねられた部位である。また、一対の折返片182Beが折り返されることにより、スパウト固定部182Bには、貫通孔182Baが形成される。次いで、スパウト固定部182Bを主面部111Bに対して起立させるように、内装体材料10Bを折り曲げる。そして、図示された矢印に沿って、軟包材2のスパウト22を窓部112Baに挿通させた後に、スパウト22を図中下方に下降させる。この際、
図24に示すように、スパウト22の一対のフランジ222の間に、折返部182Bfを嵌入する。これにより、スパウト22が貫通孔182Baを貫通する状態となる。この後は、補助側面部117B、補助端面部118B及び一対の補助主面部119Bを適宜折り返すことにより、軟包材2に取り付けられた内装体1Bが形成される。
【0107】
次いで、
図25に示すように、内装体1Bが取り付けられた軟包材2を外装体材料10Aに挿入する。そして、外装体材料10Aの適所を適宜折り返す等により、
図26~
図28に示す包装体A3が得られる。
図28に示すように、包装体A3においては、第1被覆部111Aa及び第1被覆部122Aaは、表裏方向視においてスパウト接合部23を覆っている。また、第2被覆部111Ba及び第2被覆部112Bは、表裏方向において第1被覆部111Aa及び第1被覆部122Aaとスパウト接合部23との間に位置している。また、第2被覆部111Baは、表裏方向視においてスパウト接合部23を覆っている。窓部112Baは、表裏方向視においてスパウト接合部23の少なくとも一部を内包しており、第2被覆部112Bは、表裏方向視においてスパウト接合部23の一部を覆っているか、あるいはスパウト接合部23を囲む構成となっている。なお、
図28に示すように、一対のフランジ222の間にスパウト固定部182Bを挟み込む構成としてもよい。
【0108】
本実施形態によっても、第1被覆部111Aa及び第1被覆部122Aaが第2被覆部111Ba及び第2被覆部112Bによって補強される構造となっており、スパウト接合部23をより確実に保護することができる。また、本実施形態の第2被覆部112Bは、表裏方向視においてスパウト接合部23のすべてを覆う構成ではないものの、スパウト接合部23の一部を覆うか、あるいはスパウト接合部23を囲む構成である。これにより、第1被覆部122Aaに外部から力が加えられた場合に、第2被覆部112Bによって第1被覆部122Aaを支えることが可能である。このように、第2被覆部112Bによって第1被覆部122Aaの補強が図られており、スパウト接合部23をより確実に保護することができる。
【0109】
図23に示すように、包装体A3の組み立てにおいては、スパウト22を窓部112Baに挿通した後にスパウト22を下降させることにより、スパウト22をスパウト固定部182に固定することができる。また、この固定においては、一対の折返部182Bfが一対のフランジ222の間に貫入される。折返部182Bfは、スパウト固定部182Bの一部(
図22の折返片182Be)が折り返されて形成された部位であり、広がろうとする弾性力が発生する。この弾性力によって、折返部182Bfが一対のフランジ222の間から外れることを抑制することが可能であり、内装体1Bから軟包材2が外れること等を防止することができる。
【0110】
図27は、包装体A3を裏側から見た斜視図である。同図に示すように、包装体A3の外装体1Aの主面部111Aには、切断予定線157Aが形成されている。切断予定線157Aに沿って主面部111Aを切断し、この切断線に囲まれた部分を内側に押し込むと、主面部111Aの端部に開口が形成される。例えば、この開口に指を挿入すれば、包装体A3を持ち運ぶ際、或いは包装体A3に包装された内容物3を注出する際に、より確実に包装体A3を保持することができる。外装体1Aに内蔵された内装体1Bに形成された切欠部111Bcが、表裏方向視において切断予定線157Aを内包している構成は、切断予定線157Aの切断によって開口を形成する動作をスムーズに行うのに好ましい。なお、切断予定線157A及び切欠部111Bcの形状については特に限定されず、同じであっても異なっていてもよく、複数形成されていてもよく、また、円形、矩形、三角形、台形等、指が挿入できて保持可能な形状であればよい。
【0111】
図22に示すように、本実施形態の内装体材料10B(内装体1B)は、主面部111Bに切込部111Bbが形成されている。切込部111Bbの長さは、例えば軟包材2の幅方向寸法よりも若干長い程度とされている。これにより、包装体A3を開封して軟包材2の内容物3を注出する際に、内装体1Bから軟包材2を取り外し、切込部111Bbに軟包材2の一対のシート21(収容部25)を差し込むことにより、主面部111Bによって収容部25をしごく動作を行うことができる。これにより、スパウト22からより多くの内容物3を注出することができ、注出後における収容部25内の内容物3の残存量を大幅に低減することが可能である。
【0112】
<第4実施形態>
図29及び
図30は、本発明の第4実施形態に係る包装体を示している。本実施形態においては、内装体1Bは、例えば樹脂によって金型を用いた手法(例えば、インジェクション成形、シート成形等)によって形成されており、折り返す等の作業を要することなく立体的に形成されている。
【0113】
図示された例においては、主面部111B、第2被覆部112B、スパウト固定部182B、補助側面部117B及び補助端面部118Bを有している。本実施形態の主面部111Bは、第2被覆部112Bと略同じ大きさ及び形状であり、その全体が第2被覆部111Baとして機能する。また、スパウト固定部182Bに貫通孔182Baが形成されている。ただし、樹脂等によって立体的に形成される内装体1Bの構成は、図示された例に特に限定されない。また、内装体1Bは、複数の部位を組み合わせることや、開かれた状態の樹脂部品を閉じることなどによって形成するものであってもよい。
【0114】
本実施形態の包装体の組み立てにおいては、
図30に示すように、スパウト固定部182Bの貫通孔182Baに軟包材2のスパウト22を挿通させることにより、軟包材2に内装体1Bを取り付ける。本実施形態においては、第2被覆部111Ba及び第2被覆部112Bは、表裏方向視においてスパウト接合部23のすべてを覆う。そして、例えば適宜折り曲げられた外装体材料10Aに軟包材2及び内装体1Bを挿入し、外装体材料10Aをさらに折り曲げる等により、外装体1Aを形成し、包装体が完成する。
【0115】
本実施形態によっても、軟包材2のスパウト接合部23をより確実に保護することができる。また、内装体1Bを形成するための折り曲げ作業が不要であるため、包装体の製造効率を高めることができる。本実施形態から理解されるように、内装体1Bの材質は何ら限定されない。また、外装体1Aが樹脂等によって形成された構成を採用してもよい。
【0116】
本発明に係る包装体は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る包装体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0117】
A1,A2,A3:包装体
1 :箱体
1A :外装体
1B :内装体
2 :軟包材
3 :内容物
10 :箱体材料
10A :外装体材料
10B :内装体材料
21 :シート
22 :スパウト
23 :スパウト接合部
24 :周端シール部
25 :収容部
111,111A,112,112A,111B:主面部
111Aa,112a:第1被覆部
111a,112B,111Ba:第2被覆部
112Ba :窓部
113,113A,113B,114,114A,114B:側面部
114Aa :除去予定部
115,115A,115B,116,116A,116B:端面部
116Aa :除去予定部
117B :補助側面部
118B :補助端面部
119B :補助主面部
121 :内面部
121a :第2被覆部
122 :外面部
122A :外面部
122Aa :第1被覆部
122a :第1被覆部
123,124,125:外側側面部
125a :除去予定部
126 :補助端面部
126a :差込部
127,127A,128,128A:補助部
131 ,131A,131B,132,132A,132B,133,133A,134,134A,136:舌部
141,141A,141B,142,142A,142B,143,144,148,149:切込部
151,151A,152,153,157A:切断予定線
111Bc,111Bc,161 :切欠部
181,181A:スパウト被覆部
182,182B:スパウト固定部
182a,182Ba:貫通孔
182Bb,182b,182Bc,182Bd:切込部
182Be :切返片
182Bf :切返部
182d :差込部
182e :第3被覆部
211 :第1辺
212 :第2辺
213 :斜辺
221 :筒部
222 :フランジ
223 :蓋部
241 :第1シール部
242 :第2シール部
243 :斜辺シール部