(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056030
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】マテリアルハンドリングのための揺動緩和
(51)【国際特許分類】
B66C 13/06 20060101AFI20230411BHJP
B66C 13/40 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
B66C13/06 M
B66C13/40 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023023316
(22)【出願日】2023-02-17
(62)【分割の表示】P 2020508510の分割
【原出願日】2018-08-15
(31)【優先権主張番号】62/545,840
(32)【優先日】2017-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511159037
【氏名又は名称】パー システムズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アダム マーシュ
(72)【発明者】
【氏名】カリド ソレンセン
(72)【発明者】
【氏名】マイルズ クローズ
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン ハロネン
(57)【要約】
【課題】無線コントローラと無線受信機とを含む無線制御式デバイスのための振動制御システムを提供すること
【解決手段】無線制御式デバイス(216)のための振動制御システム(202)は、無線コントローラ(204)と、無線受信機(206)とを含む。無線コントローラ(204)は、振動制御のアクティブ化および非アクティブ化を含む、制御コマンドを、無線受信機(206)に提供するように構成される。無線受信機(206)または無線コントローラ(204)のうちの一方は、振動制御コマンドを無線制御式デバイス(216)に提供するように構成されている振動制御を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本開示の側面は、クレーンおよび/またはホイストシステム等のペンダント制御式システムに関し、特に、クレーンおよび/またはホイストシステム等のペンダント制御式システムにおける振動制御および/または揺動の緩和に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
現在、ペイロード揺れ緩和が、機器の別個の部品またはいくつかの部品を使用して遂行され得る。これらのタイプの解決策は、設置に時間がかかり、高価、かつ煩雑であり得る。例えば、いくつかのPLCベースの揺動防止システムは、
図1に示されるように、無線コマンドを傍受し、修正されたコマンドをモータ駆動部に発行する。揺動防止制御技術は、独立型PLC上にインストールされたソフトウェア内に埋設される。これらのシステムは、クレーンモータ駆動部とオペレータコマンドを駆動部に伝送する無線受信機との間のワイヤを切断し、PLCをその間に設置することによって、設置される。これは、物理的再配線を要求し、高価かつ誤差を受けやすくなり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(概要)
本明細書のこの概要および要約は、詳細な説明で以下にさらに説明される一連の概念を簡略化された形態で導入するために提供される。この概要および要約は、請求される主題の重要な特徴または不可欠な特徴を識別することを意図するものではなく、この概要および要約は、請求される主題の範囲を決定する支援として使用されるように意図されるものでもない。請求される主題は、背景に記載される不利点のいずれかまたは全てを解決する実装に限定されない。
【0004】
1つの概略的側面は、無線コントローラと無線受信機とを含む無線制御式デバイスのための振動制御システムを含む。無線コントローラは、振動制御のアクティブ化および非アクティブ化を含む、制御コマンドを無線受信機に提供するように構成される。無線受信機または無線コントローラのうちの一方は、振動制御コマンドを無線制御式デバイスに提供するように構成される振動制御を含む。
【0005】
実装は、以下の特徴のうちの1つまたは複数のものを含んでもよい。無線受信機が振動制御のための振動制御パラメータを受け取るように構成されるユーザインターフェースをさらに含む振動制御システム。無線コントローラが振動制御のための振動制御パラメータを受け取るように構成されるユーザインターフェースをさらに含む振動制御システム。無線コントローラおよび無線受信機が無線通信を使用して結合される振動制御システム。無線受信機が振動制御信号を無線制御式デバイスに提供するように構成される出力をさらに含む振動制御システム。無線コントローラが振動制御のアクティブ化および非アクティブ化のためのトグルスイッチを含む振動制御システム。無線コントローラが電気機械的モータデバイスを制御するように構成される振動制御システム。無線コントローラがサーボ制御式液圧デバイスを制御するように構成される振動制御システム。振動制御が揺動緩和である振動制御システム。無線コントローラがベリーボックスである振動制御システム。無線コントローラがペンダント型デバイスである振動制御システム。
【0006】
1つの概略的側面は、ペンダント制御式デバイスとペンダント制御式デバイスの動作を制御するように構成される振動制御とを含む振動制御システムを含む。振動制御システムはまた、無線コントローラを含む。振動制御システムはまた、無線受信機と、振動制御のアクティブ化および非アクティブ化を含む、振動制御コマンドを無線受信機に提供するように構成される無線コントローラとを含む。振動制御システムはまた、無線受信機が、振動制御コマンドをペンダント制御式デバイスに提供するように構成される振動制御を含む場合を含む。
【0007】
実装は、以下の特徴のうちの1つまたは複数のものを含んでもよい。ペンダント制御式デバイスがクレーンである振動制御システム。無線受信機が振動制御のための振動制御パラメータを受け取るように構成されるユーザインターフェースをさらに含む振動制御システム。無線コントローラが振動制御のための振動制御パラメータを受け取るように構成されるユーザインターフェースをさらに含む振動制御システム。無線コントローラが電気機械的モータデバイスを制御するように構成される振動制御システム。無線コントローラがサーボ制御式液圧デバイスを制御するように構成される振動制御システム。振動制御が揺動緩和である振動制御システム。無線コントローラがベリーボックスである振動制御システム。無線コントローラがペンダント型デバイスである振動制御システム。
【0008】
1つの概略的側面は、ペンダント制御式デバイスの駆動機構との通信のために構成される無線受信機を提供することと、移動コマンドをオペレータから受け取るように構成される無線コントローラを提供することと、揺動緩和制御を無線コントローラまたは無線受信機のうちの一方内に提供することとを含むペンダント制御式デバイスに振動防止制御を追加導入する方法を含む。揺動緩和制御は、出力コマンドをペンダント制御式デバイスに提供するように構成される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
無線制御式デバイスのための振動制御システムであって、
無線コントローラと、
無線受信機であって、前記無線コントローラは、振動制御のアクティブ化および非アクティブ化を含む、制御コマンドを前記無線受信機に提供するように構成されている、無線受信機と
を備え、前記無線受信機または前記無線コントローラのうちの一方は、振動制御コマンドを前記無線制御式デバイスに提供するように構成されている振動制御を備える、振動制御システム。
(項目2)
前記無線受信機はさらに、前記振動制御のための振動制御パラメータを受け取るように構成されているユーザインターフェースを備える、項目1に記載の振動制御システム。
(項目3)
前記無線コントローラはさらに、前記振動制御のための振動制御パラメータを受け取るように構成されているユーザインターフェースを備える、項目1~2のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目4)
前記無線コントローラおよび前記無線受信機は、無線通信を使用して結合される、項目1~3のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目5)
前記無線受信機はさらに、振動制御信号を前記無線制御式デバイスに提供するように構成されている出力を備える、項目1~4のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目6)
前記無線コントローラは、振動制御のアクティブ化および非アクティブ化のためのトグルスイッチを備える、項目1~5のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目7)
前記無線コントローラは、電気機械的モータデバイスを制御するように構成されている、項目1~6のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目8)
前記無線コントローラは、サーボ制御式液圧デバイスを制御するように構成される、項目1~6のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目9)
前記振動制御は、揺動緩和である、項目1~8のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目10)
前記無線コントローラは、ベリーボックスである、項目1~9のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目11)
前記無線コントローラは、ペンダント型デバイスである、項目1~9のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目12)
前記振動制御システムは、センサレスである、項目1~11のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目13)
振動制御システムであって、
ペンダント制御式デバイスと、
前記ペンダント制御式デバイスの動作を制御するように構成されている振動制御であって、前記振動制御は、
無線コントローラと、
無線受信機であって、前記無線コントローラは、振動制御のアクティブ化および非アクティブ化を含む、振動制御コマンドを前記無線受信機に提供するように構成されている、無線受信機と
を備え、前記無線受信機は、振動制御コマンドを前記ペンダント制御式デバイスに提供するように構成されている振動制御を備える、振動制御と
を備える、振動制御システム。
(項目14)
前記ペンダント制御式デバイスは、クレーンである、項目13に記載の振動制御システム。
(項目15)
前記無線受信機はさらに、前記振動制御のための振動制御パラメータを受け取るように構成されているユーザインターフェースを備える、項目13~14のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目16)
前記無線コントローラはさらに、前記振動制御のための振動制御パラメータを受け取るように構成されているユーザインターフェースを備える、項目13~15のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目17)
前記無線コントローラは、電気機械的モータデバイスを制御するように構成されている、項目13~16のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目18)
前記無線コントローラは、サーボ制御式液圧デバイスを制御するように構成される、項目13~16のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目19)
前記振動制御は、揺動緩和である、項目13~18のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目20)
前記無線コントローラは、ベリーボックスである、項目13~19のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目21)
前記無線コントローラは、ペンダント型デバイスである、項目13~19のいずれか一項に記載の振動制御システム。
(項目22)
ペンダント制御式デバイスに振動防止制御を追加導入する方法であって、
ペンダント制御式デバイスの駆動機構との通信のために構成されている無線受信機を提供することと、
移動コマンドをオペレータから受け取るように構成されている無線コントローラを提供することと、
揺動緩和制御を前記無線コントローラまたは前記無線受信機のうちの一方内に提供することであって、前記揺動緩和制御は、出力コマンドを前記ペンダント制御式デバイスに提供するように構成されている、ことと
を含む方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、典型的PLCベースの揺動防止解決策の概略図である。
【0010】
【
図2】
図2は、本開示のある実施形態による、無線制御ベースの揺動防止システムの概略図である。
【0011】
【
図3】
図3は、コンピュータまたはコントローラの概略図であり、そのコンピュータまたはコントローラ上に本開示の実施形態が実践され得る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(詳細な説明)
本開示の実施形態は、限定ではなく、一例にすぎないが、重機生産用クレーン、一次金属コイル用クレーン、汎用単一および二重桁橋用クレーン、ならびに同等物を含む、産業用クレーンのための揺動防止制御システムを提供する。
【0013】
本開示は、特に、揺動防止技術に関するため、本開示は、振動および揺動緩和方法および動作における改良に関する。用語「振動制御」および「揺動緩和」は、負荷または構造の移動または作動から生じる負荷または構造の発振移動の制御に関する。
【0014】
特に、クレーンに対して、ソフトウェアベースの揺動防止技術は、通常、クレーンのモータ駆動部の中に埋設される、またはクレーン無線制御信号を傍受し、揺動防止コマンドを実装するための論理を適用し、クレーンモータを作動させるために使用される、1つまたは複数のモータ駆動部にそれらのコマンドを送信する、プログラマブル論理コントローラ(PLC)内等、モータ駆動部と別個のマイクロコントローラ内に埋設される。後者の実装は、
図1に示される。無線コントローラ100が、オペレータによって、クレーン制御コマンドを発行するために使用される。それらのコマンドは、典型的には、無線で、無線受信機102に送信され、無線受信機102は、PLC104を通して、ペンダント動作式デバイス(例えば、クレーン)の駆動部106と通信する。駆動部ベースの揺動防止の実装は、クレーンの通常のモータ駆動部を揺動防止装備モータ駆動部と物理的に置換する、高価かつ時間がかかるタスクを伴う。PCEベースの揺動防止の実装は、無線受信機102と駆動部106との間のワイヤの切断と、機器の別個の部品、すなわち、PLC104の設置とを要求する。
【0015】
付加的揺動防止解決策は、モータ駆動部内のPLCまたはマイクロプロセッサ等のコンピューティングデバイス上のアルゴリズムと組み合わせて、カメラを使用して、揺れ緩和コマンドをモータ駆動部に発行する。さらに他の解決策は、情報を揺動防止コントローラに提供するセンサまたは複数のセンサを使用する。
【0016】
本開示の実施形態は、ペイロード振動または揺れ緩和のために使用されてもよい。例えば、
図2に示される、本開示の実施形態は、振動制御のための内蔵論理を用いて、無線受信機206を実装する。オペレータは、無線コントローラ(ベリーボックスまたはペンダントとも称される)204を使用して、信号を無線受信機206に送信し、その中に埋設される論理は、ペンダント制御式デバイスの駆動部216に直接送信されるコマンドを作成し、振動および/または揺動緩和または制御技術を実装する。従来の無線コントローラおよび無線受信機(すなわち、揺動防止を装備していないもの)を本開示の実施形態として開示されるものと置換することは、従来の振動および/または揺動緩和技術よりも実装にコストがかからずかつ容易である。無線コントローラ204および無線受信機206は、新しいモータ駆動部ならびに別個のPLCの設置および保守と比較して、比較的に安価である。なおもさらに、センサに依拠しない振動制御技術は、信号が無線受信機206または無線コントローラ204によってセンサから受信される必要がないため、無線コントローラ204および無線受信機206の中に実装されることができる。
【0017】
したがって、ペンダント制御式デバイスと直列に搭載される別個のエンクロージャの代わりに、振動制御および/または揺動緩和を動作させるための論理が、無線コントローラ/無線受信機対202の無線コントローラ204または無線受信機206の中に埋設される。無線ペンダントは、多くの場合、容易に置換され、比較的に安価である。
【0018】
本開示の実施形態は、無線コントローラ/無線受信機対202上に実装される揺動緩和/振動制御解決策を提供する。センサは、使用されない。センサを使用する先行技術の揺動防止解決策は、セット202の無線受信機部分206が付加的入力を他のセンサから受信しないため、セット202上に配置されることができない。
【0019】
ハンドヘルド無線コントローラ(例えば、ペンダントまたはベリーボックス)からのペンダント制御式デバイスの無線受信機制御は、現在、オペレータのすぐ目の前でこの種の振動制御をもたらさない。多くのペンダント制御式デバイスは、オン/オフスイッチをペンダント上に伴う従来の揺動防止システムを有するが、揺動防止または他の振動制御が無線コントローラ上に位置するものは、存在しない。本開示の実施形態は、無線コントローラ204に、振動制御をアクティブ化/非アクティブ化するために使用されるトグルまたは他のスイッチを提供する。一実施形態では、揺動防止制御を提供するために好適な出力を作成するために使用される揺動防止制御ソフトウェア/ファームウェアが、無線受信機206自体内に提供される。一実施形態では、無線受信機206は、揺動防止制御を実装するファームウェア、または揺動防止制御のパラメータを設定するためのヒューマンマシンインターフェース(HMI)等のユーザインターフェースのうちの1つまたは複数のものを含むように修正される。付加的PLCまたは他のコントローラは、もはや使用されない。
【0020】
本開示は、揺動防止制御を、多くのクレーン上の標準的デバイスとして使用される、市販の無線受信機の中に統合する。無線受信機206(または無線コントローラ204)上の揺動防止制御を用いた解決策の実装は、より低いコストで、大規模な市場拡大が見込まれる。さらに、本開示の実施形態は、比較的に安価かつ容易に置換されるペンダント型コントローラ上への追加導入可能解決策を用いた、クレーンのためのセンサレス揺動防止に向けられている。例えば、本開示の実施形態との併用に適するペンダント制御式デバイスは、限定ではなく、一例にすぎないが、ガントリクレーン、移動式またはタワークレーン、ナックルブームクレーン、マテリアルハンドリングクレーン、サービスクレーン、コンクリート圧送トラックブーム等のブームポンプ、消防救急車ブーム、空中リフトトラック、橋および鉄道点検ユニット、ならびに同等物を含む。
【0021】
図2を参照すると、本開示の一実施形態200は、無線コントローラ204と、無線受信機206とを備える、ペンダント202を提供する。無線コントローラ204は、ユーザが、クレーンの揺動防止制御がオンであるかオフであるかを示し得るように、トグルスイッチ208が追加されている標準的既製品コントローラである。本実施形態では、無線受信機206は、揺動緩和および/または振動制御アルゴリズムをロードされる。無線受信機206はまた、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)210を含み、ユーザが、直接、無線受信機206において、パラメータを設定することを可能にすることができる。無線受信機206は、揺動防止制御アルゴリズムの観点から修正されている所望のクレーン速度を示す出力212(アナログおよび/または離散および/またはデジタル)を提供する。本開示の実施形態との併用に適する、クレーンまたは同等物のモータ駆動部216は、限定ではないが、アナログ速度基準を受け取るDC駆動部および可変周波数駆動部(VFD)等の任意の駆動部を含む。一実施形態では、モータ駆動部パラメータは、無線受信機から発行された速度基準コマンドを正確に追跡するように構成される。
【0022】
本開示の実施形態に提供されるような揺動緩和技術は、用地およびクレーン安全性を改善し、衝突を低減させ、保守および訓練を低減させ、生産性を増加させ、センサレス揺動低減を提供し、既存のクレーンに追加導入可能である。受信機の中へ揺動緩和制御を含めることは、高額な費用をかけないかぎり揺動防止制御に適さないであろう駆動部への追加導入を可能にし、揺動防止制御の利点のためにより小型かつより安価なクレーンだけではなく、本明細書に列挙されたもの等の他のモータ駆動部無線ペンダント動作式デバイスの市場も拡大させる。
【0023】
本開示の実施形態の利点はさらに、限定ではなく、一例にすぎないが、揺動防止制御の設置および置換のための無線ペンダント制御式デバイス上の休止時間を短縮させること、より高速の設置、コストを削減させること、有意な休止時間も既存の高価な構成要素の修正も伴わずに容易に交換可能な構成要素(例えば、無線コントローラ204および/または無線受信機206)を含む。本開示の実施形態の揺動緩和制御は、現在の揺動防止技術が、実際は、クレーンまたはデバイス自体のコストに近いコストを有し得るため、より安価なクレーン(例えば、5~20トン範囲内のクレーン)および本明細書に列挙されたもの等の他の無線ペンダント制御式デバイスのための費用効果の高い揺動防止制御を提供する。
【0024】
本開示の実施形態は、クレーンおよび他のデバイスのための既存の可変周波数駆動部と互換性がある。本開示の実施形態の有効化および無効化は、既存の有線または無線ペンダントを用いて遂行され得る。既存のハードウェアプラットフォーム上に追加導入されるように構成される本開示の実施形態は、限定ではないが、重機生産用クレーン、一次金属コイル用クレーン、ならびに汎用単一および二重桁橋用クレーンを含む。本開示の実施形態は、独立型形態で、または、限定ではなく、一例にすぎないが、PaR Systems(Shoreview, MN)によってもたらされている、CranevisionTM、ExpertoperatorTM、SafemoveTM、およびAutomoveTMの他のクレーン制御技術と併せて、使用されてもよい。
【0025】
無線受信機206内に埋設されるもの等の揺動防止制御ファームウェア/ソフトウェアは、本明細書に説明される全てのホイストおよび他のシステム上で使用可能である。種々の実施形態では、デジタルコンピュータを無線受信機206内に備えることができる。制御特徴を実装するための論理もまた、コンピュータまたはコンピューティング環境に結合される適切な入力/出力構成を用いて実装されてもよい。
【0026】
1つまたは複数のコンピュータのシステムは、動作時、システムに、アクションを実施させる、システム上にインストールされたソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせを有することによって、特定の動作またはアクションを実施するように構成されることができる。1つまたは複数のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると装置にアクションを実施させる命令を含むことによって、特定の動作またはアクションを実施するように構成されることができる。他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶デバイス上に記録されるコンピュータプログラムを含み、これらはそれぞれ、方法のアクションを実施するように構成される。
【0027】
図3および関連議論は、好適なコンピューティング環境の簡単な一般的説明を提供し、そのコンピューティング環境において、本開示において使用されるもの等のシステムコントローラが実装され得る。例えば、
図3に示されるもの等のコンピューティング環境が、システム200等のシステムの揺動防止動作をプログラムおよび/または制御するために使用されてもよい。要求されないが、システムコントローラは、少なくとも部分的に、コンピュータまたはマイクロコントローラ370によって実行されているプログラムモジュール等のコンピュータ実行可能命令の一般的コンテキスト内に実装されることができる。概して、プログラムモジュールは、ルーチンプログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含み、これは、特定のタスクを実施する、または特定の抽象データタイプを実装する。当業者は、本明細書の説明をコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶可能なコンピュータ実行可能命令として実装することができる。さらに、当業者は、本発明は、マルチプロセッサシステム、ネットワーク化されたパーソナルコンピュータ、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、および同等物を含む、他のコンピュータシステム構成を用いて実践されてもよいことを理解するであろう。本発明の側面はまた、分散型コンピューティング環境内で実践されてもよく、タスクは、通信ネットワークを通して連結された遠隔処理デバイスによって実施される。分散型コンピュータ環境では、プログラムモジュールは、ローカルメモリ記憶デバイスおよび遠隔メモリ記憶デバイスの両方内に位置してもよい。
【0028】
コンピュータ/マイクロコントローラ370は、中央処理ユニット(CPU)372と、メモリ374と、システムバス376とを有する従来のコンピュータを備え、システムバス376は、メモリ374を含む種々のシステムコンポーネントをCPU372に結合する。システムバス376は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、および種々のバスアーキテクチャのいずれかを使用するローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれかであってもよい。メモリ374は、読取専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。起動の際等のコンピュータ370内の要素間の情報を転送することに役立つ基本ルーチンを含む基本入力/出力(BIOS)が、ROM内に記憶される。ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、光ディスクドライブ等の記憶デバイス378は、システムバス376に結合され、プログラムおよびデータの記憶のために使用される。磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、および同等物等のコンピュータによってアクセス可能な他のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体もまた、記憶デバイスとして使用されてもよいことが当業者によって理解されるであろう。一般に、プログラムは、付随のデータの有無にかかわらず、記憶デバイス378のうちの少なくとも1つからメモリ374の中にロードされる。
【0029】
キーボード380および/またはポインティングデバイス(例えば、マウス、ジョイスティック(単数または複数)382または同等物等の入力デバイスは、ユーザがコマンドをコンピュータ370に提供することを可能にする。モニタ384または他のタイプの出力デバイスはさらに、好適なインターフェースを介して、システムバス176に接続されることができ、フィードバックをユーザに提供することができる。モニタ384が、タッチスクリーンである場合、ポインティングデバイス382は、それとともに組み込まれることができる。モニタ384およびマウス等の入力ポインティングデバイス382は、対応するソフトウェアドライバとともに、コンピュータ370のためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)386を形成することができる。システムコントローラ300上のインターフェース388は、必要に応じて、他のコンピュータシステムへの通信を可能にする。インターフェース388はまた、上記に述べられたアクチュエータおよび/または感知デバイスに信号を送信する、または、上記に述べられたアクチュエータおよび/または感知デバイスから信号を受信するために使用される回路を表す。一般に、そのような回路は、当技術分野において周知であるようなデジタル/アナログ(D/A)コンバータおよびアナログ/デジタル(A/D)コンバータを備える。
【0030】
そのようなコンピュータ/マイクロコントローラ370は、本開示の範囲から逸脱することなく、無線受信機206、または無線コントローラ204、またはそれらの組み合わせの一部であってもよい。
【0031】
主題が、具体的環境、構造特徴、および/または方法論的作用を対象とする用語において説明されたが、添付の特許請求の範囲に定義される主題は、裁判所によって裁定されたような上記に説明される環境、具体的特徴、または作用に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記に説明される環境、具体的特徴、および作用は、特許請求の範囲を実装する例示的形態として開示される。
【外国語明細書】