(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056049
(43)【公開日】2023-04-18
(54)【発明の名称】香発生体及び香発生体の製造方法、並びに、カートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20230411BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230411BHJP
A24D 1/18 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
A24D1/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027178
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2022112825の分割
【原出願日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】P 2021117702
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】721008039
【氏名又は名称】Future Technology株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 龍志
(57)【要約】
【課題】香発生基材を誘導加熱により加熱可能な香発生体及び香発生体の製造方法、並び
に、香発生体を有するカートリッジの提供。
【解決手段】非タバコ材及び非タバコ成分の少なくともいずれかからなる香発生基材と、
前記香発生基材の周囲の少なくとも一部に配され、誘導加熱により加熱される誘導加熱部
材と、を有する、香発生体及び香発生体の製造方法、並びに、香発生体を有するカートリ
ッジである。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非タバコ材及び非タバコ成分の少なくともいずれかからなる香発生基材と、
前記香発生基材の周囲の少なくとも一部に配され、誘導加熱により加熱される誘導加熱
部材と、
を有する、ことを特徴とする香発生体。
【請求項2】
前記誘導加熱部材のキュリー温度が250℃以上500℃以下である、請求項1に記載
の香発生体。
【請求項3】
前記誘導加熱部材がニッケル、鉄、及びステンレス鋼の少なくともいずれかを含む、請
求項1から2のいずれかに記載の香発生体。
【請求項4】
前記香発生基材と接する領域において、前記香発生基材の周囲を包装する香発生基材包
装材が、
前記誘導加熱部材からなる誘導加熱領域を連続で有する、又は、
前記誘導加熱部材からなる誘導加熱領域を不連続で有する、請求項1から2のいずれ
かに記載の香発生体。
【請求項5】
前記誘導加熱部材が検温材を含む、請求項1から2のいずれかに記載の香発生体。
【請求項6】
請求項1から2のいずれかに記載の香発生体を有することを特徴とするカートリッジ。
【請求項7】
誘導加熱により加熱される誘導加熱部材を、非タバコ材及び非タバコ成分の少なくとも
いずれかからなる香発生基材の周囲に配する香発生基材包装工程を含むことを特徴とする
香発生体の製造方法。
【請求項8】
前記香発生基材包装工程が、
筒状の前記誘導加熱部材に前記香発生基材を充填する工程、及び
前記香発生基材を膜状の前記誘導加熱部材で巻回する工程、の少なくともいずれかを含
む、請求項7に記載の香発生体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香発生体及び香発生体の製造方法、並びに、カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気制御式の発熱体を備えた加熱式喫煙具を用いて、熱によって香を含む煙(エ
アロゾル)を発生させるエアロゾル発生物品(エアロゾルフォーマ)を有する電子たばこ
のカートリッジの喫煙者が増加してきている。これに伴い、様々な電子タバコ製品が開発
されてきている。
例えば、誘導加熱により加熱可能な発熱体(サセプタ)をカートリッジのエアロゾル発
生物品に埋め込み、喫煙具側から電磁場を発生させることで、香発生基材を加熱し喫煙す
ることができる電子たばこのカートリッジが提案されている(例えば、特許文献1参照)
。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、誘電加熱により発熱可能な発熱体である細長いサセプタをエアロゾル発
生物品の長軸方向に沿った方向でエアロゾル発生基体中に埋め込み、喫煙具に設けた変動
電磁場を発生させるためのインダクタによって前記埋め込まれたサセプタを誘電加熱させ
、喫煙可能な程度に前記エアロゾル発生基体を加熱している。しかしながら、従来技術に
おいては、サセプタをエアロゾル発生物品の長軸方向に沿った方向でエアロゾル発生基体
中に埋め込んでいるため、エアロゾル発生基体を加熱するのに必要なサセプタの量が多く
なるという問題があった。
【0005】
本発明は、香発生基材を誘導加熱により加熱可能な香発生体及び香発生体の製造方法、
並びに、香発生体を有するカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 非タバコ材及び非タバコ成分の少なくともいずれかからなる香発生基材と、
前記香発生基材の周囲の少なくとも一部に配され、誘導加熱により加熱される誘導加熱
部材と、
を有する、ことを特徴とする香発生体である。
<2> 前記誘導加熱部材のキュリー温度が250℃以上500℃以下である、前記<
1>に記載の香発生体である。
<3> 前記誘導加熱部材がニッケル、鉄、及びステンレス鋼の少なくともいずれかを
含む、前記<1>又は<2>のいずれかに記載の香発生体である。
<4> 前記香発生基材と接する領域において、前記香発生基材の周囲を包装する香発
生基材包装材が、
前記誘導加熱部材からなる誘導加熱領域を連続で有する、又は、
前記誘導加熱部材からなる誘導加熱領域を不連続で有する、前記<1>から<3>の
いずれかに記載の香発生体である。
<5> 前記誘導加熱部材が検温材を含む、前記<1>から<4>のいずれかに記載の
香発生体である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の香発生体を有することを特徴とする
カートリッジである。
<7> 誘導加熱により加熱される誘導加熱部材を、非タバコ材及び非タバコ成分の少
なくともいずれかからなる香発生基材の周囲に配する香発生基材包装工程を含むことを特
徴とする香発生体の製造方法である。
<8> 前記香発生基材包装工程が、
筒状の前記誘導加熱部材に前記香発生基材を充填する工程、及び
前記香発生基材を膜状の前記誘導加熱部材で巻回する工程、の少なくともいずれかを含
む、前記<7>に記載の香発生体の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると香発生基材を誘導加熱により加熱可能な香発生体及び香発生体の製造方
法、並びに、香発生体を有するカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは、本発明の香発生体を有するカートリッジの斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、
図1Aに示すカートリッジのA-A’面における断面の一例を示す断面図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の香発生体の一例を示す斜視図である。
【
図2C】
図2Cは、本発明の香発生体の他の一例を示す展開図である。
【
図2D】
図2Dは、本発明の香発生体の他の一例を示す展開図である。
【
図2E】
図2Eは、本発明の香発生体の他の一例を示す展開図である。
【
図2F】
図2Fは、本発明の香発生体の他の一例を示す展開図である。
【
図2G】
図2Gは、本発明の香発生体の他の一例を示す展開図である。
【
図2H】
図2Hは、本発明の香発生体の他の一例を示す展開図である。
【
図2I】
図2Iは、本発明の香発生体の他の一例を示す展開図である。
【
図2J】
図2Jは、本発明の香発生体の他の一例を示す展開図である。
【
図2K】
図2Kは、本発明の香発生体の他の一例を示す展開図である。
【
図2L】
図2Lは、本発明の香発生体の他の一例を示す展開図である。
【
図3A】
図3Aは、筒状の誘導加熱部材に香発生基材を充填する工程の一例を示す模式図である。
【
図3B】
図3Bは、筒状の誘導加熱部材に香発生基材を充填する工程の他の一例を示す模式図である。
【
図3C】
図3Cは、筒状の誘導加熱部材に香発生基材を充填する工程の他の一例を示す模式図である。
【
図4A】
図4Aは、香発生基材を膜状の誘導加熱部材で巻回する工程の一例を示す模式図である。
【
図4B】
図4Bは、香発生基材を膜状の誘導加熱部材で巻回する工程の他の一例を示す模式図である。
【
図4C】
図4Cは、香発生基材を膜状の誘導加熱部材で巻回する工程の他の一例を示す模式図である。
【
図4D】
図4Dは、香発生基材を膜状の誘導加熱部材で巻回する工程の他の一例を示す模式図である。
【
図4E】
図4Eは、香発生基材を膜状の誘導加熱部材で巻回する工程の他の一例を示す模式図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明のカートリッジの製造工程の一例を示す模式図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明のカートリッジの製造工程の他の一例を示す模式図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明のカートリッジの製造工程の他の一例を示す模式図である。
【
図5D】
図5Dは、本発明のカートリッジの製造工程の他の一例を示す模式図である。
【
図5E】
図5Eは、本発明のカートリッジの製造工程の他の一例を示す模式図である。
【
図5F】
図5Fは、本発明のカートリッジの製造工程の他の一例を示す模式図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明のカートリッジを使用するための喫煙具の一例を示す斜視図である。
【
図6C】
図6Cは、本発明のカートリッジを
図6Aに示す喫煙具に装着したときの一例を示す斜視図である。
【
図6D】
図6Dは、
図6Cに示す喫煙具に本発明のカートリッジを装着したときのB-B’面における断面の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の香発生体は、所謂、電子たばこのカートリッジに用いることができ、加熱によ
って香りを発生させる基材を有するものである。
本明細書において、香発生基材、香発生体、(電子タバコ)カートリッジ、及び喫煙具
は、それぞれ、喫煙に用いるものである。
本明細書において、喫煙は、タバコ成分を含む香発生基材及びそれを基材によって巻き
上げられた香発生体を加熱することによって生成するエアロゾルの喫煙に限定されるもの
ではなく、タバコ材又はタバコ成分を含まない非タバコ材及び非タバコ成分の少なくとも
いずれかからなる香発生基材及び香発生体を加熱することによって生成するエアロゾルの
香りを楽しむことを含む。なお、タバコ材とはタバコの葉を含有する材料を意味し、タバ
コ成分とはタバコ葉から抽出された成分又はタバコ葉から抽出された成分と同じ成分を意
味する。
また、「電子タバコ互換カートリッジ」と呼称されるものも、タバコ成分を含むか否か
に関わらず、単に「タバコ成分を含む電子タバコカートリッジと相互に交換して使用可能
な(互換性有の)カートリッジ」と定義される。
「喫煙」は、一般的に、ナス科タバコ属のタバコの葉又はタバコ成分を含む素材を燃焼
又は加熱して生成するニコチンやタール等を含む煙を吸うことを意味するが、本明細書で
は「煙を楽しむ」、「煙を味わう」、「煙を堪能する」の意味であり、煙の素となるもの
は、タバコ材又はタバコ成分を含むものに限定されず、非タバコ材又は非タバコ成分だけ
のものも使用される。
また、前記煙には、例えば、エアロゾル等の空気中に分散した液滴のように、「煙に見
えるもの」及び「煙状のもの」も含まれる。
更に、本明細書における「香り」は、素材そのものから漂う香り(フレグランス)、加
熱されたときに空間に漂う香り(アロマ)、吸引したときに口に漂う香り(フレーバー)
等を含む。
本明細書において、「喫煙具」は香発生基材を加熱させ、香(又は煙)を発生させるも
のを意味し、喫煙具自体が熱源である場合、及び喫煙具自体は発熱せずに香発生基材に発
熱を誘起させる場合のいずれの場合も含む。
【0010】
まず、本発明の香発生体を説明する前に、喫煙時に用いる、本発明の香発生体を有する
カートリッジについて図面を参照して説明する。
図1Aは、本発明の香発生体を有するカートリッジの斜視図である。
図1Aに示すように、カートリッジ100は、香発生体10と、マウスピース20とを
有する。マウスピース20は、支持部材21と、フィルター22とを有する。香発生体1
0は、後述する香発生基材11を内包している。
図1Aに示すカートリッジ100は、円
柱形状の場合を示したが、カートリッジ100の形状としては特に制限はなく、目的に応
じて適宜選択することができる。当該カートリッジ100の形状としては、例えば、その
長軸方向と直交する断面の形状が円形、楕円形、多角形、星形、不定形などが挙げられる
。
図1Aに示すように、カートリッジ100は、香発生体10と、支持部材21と、フィ
ルター22とを連接して配置されている。
図1Bは、
図1Aに示すカートリッジのA-A’面における断面の一例を示す断面図で
ある。
図1Bに示すカートリッジ100において、香発生体10は香発生基材11の周側
面に誘導加熱部材12を有し、香発生体10と、支持部材21と、フィルター22とをこ
の順で並べ、包装部材101によりまとめて包装されている。
図1Cは、
図1Aに示すカートリッジの他の一例を示す斜視図である。
図1Cは、カー
トリッジ100において、香発生体10と、支持部材21と、フィルター22とのそれぞ
れを構成する部材について説明する展開図の一例である。
図1Cに示すように、フィルタ
ー22はフィルター包装部材31により包装されていてもよい。
【0011】
次に、本発明の香発生体について、詳細に説明をする。
【0012】
(香発生体)
本発明の香発生体は、香発生基材と、前記香発生基材の周囲の少なくとも一部に配され
、誘導加熱により加熱される誘導加熱部材と、を有し、更に必要に応じて、その他の部材
(A)を有する。
【0013】
本発明の香発生体は、非タバコ材及び非タバコ成分の少なくともいずれかからなる香発
生基材と、前記香発生基材の周囲の少なくとも一部に配され、誘導加熱により加熱される
誘導加熱部材と、を有することにより、前記香発生基材を喫煙可能な程度に加熱するため
に必要な誘導加熱部材(サセプタ)の量を低減させることができることを見出した。
また、本発明の香発生体は、喫煙具側に発熱体を備えずに香発生基材を加熱することが
できるため、喫煙具の構造を簡便にすることができ、喫煙具の汚れの発生を抑制すること
ができることを見出した。
【0014】
<誘導加熱部材>
前記誘導加熱部材は、前記香発生基材の周囲の少なくとも一部に配され、誘導加熱によ
り加熱される部材である。
前記誘導加熱部材が、前記香発生基材の周囲の少なくとも一部に配されていることによ
って、誘導加熱により前記誘導加熱部材を発熱させることで、前記香発生部材を喫煙可能
な程度に加熱することができる。
ここで、前記香発生基材の周囲とは、単体の香発生基材の最表面、及び複数の香発生基
材をまとめて1つの固体とみたときの最表面、の少なくともいずれかを意味する。
【0015】
前記誘導加熱部材の構造としては、前記香発生基材の周囲の少なくとも一部に配するこ
とができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記誘導加熱部
材の構造としては、例えば、膜状構造、複数の膜が重なった層状構造、膜に孔を有する多
孔質構造、網目状の構造などが挙げられる。
【0016】
前記誘導加熱部材の材質としては、誘導加熱で加熱させることができる材質であれば特
に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記誘導加熱部材の材質としては、キュリー温度が200℃以上であるものが好ましく
、250℃以上500℃以下であるものがより好ましく、300℃以上390℃以下であ
るものがさらに好ましい。
前記誘導加熱部材の具体的な材質としては、例えば、鉄、ステンレス鋼、ニッケル、真
鍮、チタン、アルミニウム、銅、炭素素材(例えば、カーボン、グラファイト)などが挙
げられる。これらの中でも、ステンレス鋼、ニッケルが好ましい。当該誘導加熱部材の材
質がステンレス鋼、ニッケルであると、誘導加熱により前記香発生基材を喫煙可能な程度
に加熱することができる。
また、前記誘導加熱部材は、強磁性体を主成分として含む金属材料を含んでいてもよい
。例えば、強磁性体である鉄、クロム、及びアルミニウムからなる合金や、強磁性体であ
る鉄及びニッケルからなる合金などが挙げられる。当該強磁性体としては、例えば、鉄、
コバルト、及びニッケルなどが挙げられる。
本明細書において「強磁性体を主成分として含む金属材料」とは、金属材料全質量に対
して、強磁性体を少なくとも60質量%以上含むことを示し、金属材料全質量に対して8
0質量%以上含むことが好ましい。
【0017】
前記誘導加熱部材の大きさとしては、誘導加熱で前記香発生基材を喫煙可能な程度に加
熱させることができる大きさであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
できる。
【0018】
前記誘導加熱部材の形状としては、前記香発生基材の周囲の少なくとも一部に配するこ
とができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記誘導加熱部
材の形状としては、例えば、平面視したときの展開図が矩形、円形、楕円形、多角形、星
形、不定形になる形状などが挙げられる。
【0019】
また、前記誘導加熱部材は、基材として香発生基材包装材上に配していてもよい。
前記「香発生基材包装材」とは、後述する前記香発生基材を包装するための基材である
。
前記香発生基材包装材の形状としては、前記香発生基材を包装することができれば特に
制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、矩形などが挙げられる。
前記香発生基材包装材の構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選
択することができる。
前記香発生基材包装材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ
とができる。前記香発生基材包装材の材質としては、例えば、紙、スーパーエンジニアプ
ラスチックなどが挙げられる。
【0020】
前記香発生基材包装材上に配した前記誘導加熱部材の配置としては、前記香発生基材包
装材上の少なくとも一部に前記誘導加熱部材が配されていれば特に制限はなく、目的に応
じて適宜選択することができる。前記香発生基材包装材上に配した前記誘導加熱部材の配
置としては、例えば、前記香発生基材包装材において前記香発生基材と接する領域の全て
の領域に配されていてもよく、前記香発生基材包装材において前記香発生基材と接する領
域の一部の領域に配されていてもよい。
前記香発生基材包装材において前記香発生基材と接する領域の一部の領域に配されてい
る場合としては、例えば、前記香発生基材包装材が、前記香発生基材と接する領域におい
て、前記誘導加熱部材からなる誘導加熱領域を連続で有すること、又は前記誘導加熱部材
からなる誘導加熱領域を不連続で有することが好ましい。
【0021】
前記誘導加熱部材を誘電加熱により加熱する方法としては、例えば、変動電磁場内に前
記誘導加熱部材を配置することによって電流を誘起する方法などが挙げられる。変動電磁
場内に前記誘導加熱部材を配置することによって電磁誘導により電流が誘起され、前記誘
導加熱部材の抵抗によって発熱させることができる。
【0022】
前記誘導加熱部材を前記香発生基材包装材上に配する方法としては、特に制限はなく、
目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング、インクジェット印刷な
どが挙げられる。
【0023】
<香発生基材>
前記香発生基材としては、非タバコ材及び非タバコ成分の少なくともいずれかからなる
ものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリ
ンやプロピレングリコール等のエアロゾルを生成するエアロゾルフォーマ、乾燥及び粉砕
された非タバコ植物などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0024】
-エアロゾルフォーマ-
前記エアロゾルフォーマとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソル
ビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、ト
リアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエ
ン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジ
メチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが挙げられる。これらの中でも、グリセ
リン、プロピレングリコールが好ましい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上
を併用してもよい。
前記エアロゾルフォーマの含有量としては、前記香発生基材の全量に対して1質量%以
上80質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
【0025】
-非タバコ植物-
本明細書における「タバコ植物」としては、例えば、ナス科タバコ属に分類されるニコ
チアナ・タバカムやニコチアナ・ルスチカなどが挙げられる。
本明細書における「非タバコ植物」としては、タバコ植物以外の植物であれば特に制限
はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハーブやスパイスとして使用さ
れている植物、茶類、イネ科植物、マメ科植物、きのこ類、生薬などが挙げられる。
前記非タバコ植物としては、例えば、タバコ植物以外の植物の根(塊根(イモ類等を含
む)、担根体等)、地下茎(鱗茎、球茎、塊茎、根茎等)、茎、皮(茎皮、樹皮等を含む
)、葉、種子、果実、花(花弁、雄蕊、雌蕊等を含む)、樹木の幹や枝等の様々な部位が
挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記塊根としては、例えば、ダリア、サツマイモ、キャッサバ、キクイモなどが挙げら
れる。
前記担根体としては、例えば、ヤマノイモ属(ヤマノイモ、自然薯、ナガイモ等のヤム
イモ類)などが挙げられる。
前記鱗茎としては、例えば、タマネギ、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、ニン
ニク、ラッキョウ、ユリなどが挙げられる。
前記球茎としては、例えば、クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ、サトイ
モ、コンニャクなどが挙げられる。
前記塊茎としては、例えば、コンニャク、シクラメン、アネモネ、べゴニア、チョロギ
、ジャガイモ、アピオス(ほど芋)などが挙げられる。
前記根茎としては、例えば、カンナ、ハス(レンコン)、ショウガ、その他として、カ
ブ、ゴボウ、ニンジン、ダイコン、クズなどが挙げられる。
前記茎としては、例えば、アスパラガス、タケノコ、ウド、ダイコン、ヤーコンなどが
挙げられる。
【0027】
上記イモ類又は以下に挙げる植物には、炭水化物が含有され、非タバコ植物の少なくと
も一部の材料として好ましく用いられる。前記炭水化物を含有する材料としては、例えば
、澱粉が挙げられる。
前記澱粉としては、例えば、コーンスターチ(とうもろこし)、ばれいしょ澱粉(じゃ
がいも)、かんしょ澱粉(サツマイモ)、タピオカ澱粉(タピオカ)などが挙げられる。
前記澱粉は、増粘剤、安定剤等として使用することもできる。
前記澱粉が架橋することによって、香発生基材の耐酸性、耐熱性、耐シェア性を向上さ
せることができる。また、前記澱粉のエステル化及びエーテル化の少なくともいずれかに
より、香発生基材の保存安定性、糊化促進を向上させることができる。さらに、前記澱粉
の酸化によりフィルム性、保存安定性等を図ることができる。
【0028】
また、前記澱粉以外にも、植物や海藻から得られる糖類を使用することができる。
【0029】
前記植物から得られる糖類の材料としては、例えば、植物種子、樹液、果実などが挙げ
られる。
前記植物種子から得られる糖類としては、例えば、タマリンドシードガム、グアーガム
、ローカストビーンガムなどが挙げられる。
前記樹液から得られる糖類としては、例えば、アラビアガム、カラヤガムなどが挙げら
れる。
前記果実から得られる糖類としては、例えば、ペクチンなどが挙げられる。
その他の植物から得られる糖類としては、例えば、セルロース、アガロースを主成分と
するコンニャクマンナン、大豆多糖類などが挙げられる。
更に、カチオン化グアーガムのように糖類を変性したものを使用することができる。
【0030】
前記海藻から得られる糖類としては、例えば、カラギナン(カッパカラギナン、イオタ
カラギナン、ラムダカラギナンの3タイプに分類される)、寒天、アルギン酸などが挙げ
られる。
前記海藻から得られる糖類としては、カラギナン金属塩、アルギン酸Na等の塩として
も用いることもできる。
【0031】
--ハーブやスパイスとして使用されている植物--
前記ハーブやスパイスとして使用されている植物としては、例えば、くちなしの実、こ
ぶみかんの葉、みょうが、よもぎ、わさび、アジョワンシード、アニス、アルファルファ
、エキナセア、エシャロット、エストラゴン、エバーラスティングフラワー、エルダー、
オールスパイス、オリスルート、オレガノ、オレンジピール、オレンジフラワー、オレン
ジリーフ、カイエンチリペッパー(カイエンヌチリペッパー)、カモミールジャーマン、
カモミールローマン、カルダモン、カレーリーフ、ガーリック(にんにく)、キャットニ
ップ、キャラウェイ、キャラウェイシード、キンモクセイ、クミン、クミンシード、クロ
ーブ、グリーンカルダモン、グリーンペッパー、コーンフラワー、サフラン、シダー、シ
ナモン、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジョロキア、ジンジャー(しょうが)、スター
アニス、スペアミント、スマック、セイジ、セボリ(セイボリー)、セロリ、セロリシー
ド、ターメリック(ウコン)、タイム、タマリンド、タラゴン、チャービル(セルフィー
ユ)、チャイブ、ディル、ディルシード、トマト(ドライトマト)、トンカ豆、ドライパ
クチー、ナツメグ、ハイビスカス、ハバネロ、ハラペーニョ、バーズアイ、バジル、バニ
ラ、パクチー(コリアンダー)、パセリ、パプリカ、ヒソップ、ピメンツデスペレット、
ピンクペッパー、フェヌグリークシード、フェンネル、ブラウンマスタード、ブラックカ
ルダモン、ブラッククミン、ブラックペッパー、べチバー、ペニーロイヤル、ペパーミン
ト(ハッカ)、ホースラディッシュ、ホワイトペッパー、ホワイトマスタード、ポピーシ
ード、ポルチーニ、マジョラム、マスタードシード、マニゲット、マリーゴールド、マル
バフラワー、メース、ヤローフラワー、ユーカリ、ラべンダー、リコリス、リンデン、レ
ッドクローバー、レッドペッパー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモ
ンピール、ローズ(バラ)、ローズバッズ(パープル)、ローズヒップ、ローズペダル、
ローズマリー、ローズレッド、ローレル(ローリエ)、ロングペッパー、胡麻(生胡麻、
煎り胡麻)、黄金唐辛子、花椒(ホアジャオ)、三鷹、山椒、唐辛子、柚子などを使用で
きる。
また、ミックススパイス(例えば、五香粉、ガラムマサラ、ラスエルハヌート、バリグ
ール、チキンカレーマサラ、タンドリーマサラ、カトルエピス、エルブ・ド・プロバンス
)や、ポプリ等として使用されている様々な植物の混合物も使用できる。
【0032】
--茶類--
前記茶類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、同じ植物
であっても加工法によっては異なる茶になるため、いずれの茶も使用することができる。
前記茶類としては、例えば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ
茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶
、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花
茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、柔の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴ
ボウ茶、コンフリー茶、毘布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶
、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶
、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハ
ブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモ
ギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、ゴーヤ茶などが挙げられる。これらの茶に
ついては、飲用後の茶殻を使用してもよい。茶殻等を使用すれば、高価なお茶等を再利用
して有効活用できるというメリットがある。
【0033】
また、モモ、ブルーベリー、レモン、オレンジ、リンゴ、バナナ、パイナップル、マン
ゴー、葡萄、キンカン、メロン、梅、アーモンド、カカオ、コーヒー、ピーナッツ、ひま
わり、オリーブ、クルミ、その他ナッツ類等の食用果実(果肉部分)や種子も、前記茶類
として使用することができる。
【0034】
--イネ科植物--
前記イネ科植物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例
えば、インディカ種(インド型、大陸型、長粒種)、グラベリマ種(アフリカイネ)、サ
ティバ種(アジアイネ)、ジャバニカ種(ジャワ型、熱帯島嶼形、大粒種)、ジャポニカ
種(日本型、温帯島嶼型、短粒種)、ネリカ種(アジアイネとアフリカイネの種間雑種)
のコメなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよ
い。これらは、粉又は糠としても使用することができる。
その他のイネ科植物としては、例えば、アワ、エンバク(カラス麦の栽培品種、オーツ
麦)、オオムギ(大麦)、カラスムギ、キビ、コドラ(コードンビエ)、コムギ(小麦)
、シコクビエ、テフ、トウジンビエ、ハダカムギ(オオムギの変種)、ハトムギ(種子で
はなく果実である)、ヒエ、フォニオ、マコモ、モチムギ(オオムギのモチ種)、モロコ
シ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、トウモロコシ、ライムギ(ライ麦)などが挙げ
られる。
【0035】
--マメ科植物--
前記マメ科植物としては、例えば、黒豆、アズキ、イナゴマメ、インゲンマメ、エンド
ウキマメクラスタマメグラスピー、ケツルアズキ、ササゲ、シカクマメ、ゼオカルパマメ
、ソラマメ、ダイズ、タケアズキ、タチナタマメ、タマリンド、テパリービーン、ナタマ
メ、ハツショウマメ、バンバラマメ、ヒヨコマメ、フジマメ、ベニバナインゲン、ホース
グラム、モスビーン、ライマメ、ラッカセイ、リョクトウ、ルピナス、レンズマメ、レン
ズマメ(ヘントウ)などが挙げられる。
【0036】
--きのこ類--
前記きのこ類としては、例えば、シイタケ、マツタケ、ハツタケ、シメジ、ショウロ、
マッシュルーム、ハラタケなどが挙げられる。
【0037】
--生薬--
前記生薬としては、例えば、藍草(アイソウ)、茜根(アカネコン)、赤目柏(アカメ
ガシワ)、阿仙薬(アセンヤク)、安息香(アンソクコウ)、威霊仙(イレイセン)、菌
陳蕎(インチンコウ)、茴香(ウイキョウ)、ウコン(ターメリック)、烏梅(ウバイ)
、烏薬(ウヤク)、裏白柏(ウラジロガシ)、ウワウルシ、営実(エイジツ)、延胡索(
エンゴサク)、延命草(エンメイソウ)、黄耆(オウギ)、黄今(オウゴン)、黄精(オ
ウセイ)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桜皮(オウヒ)、弟切草(オトギリソ
ウ)、遠志(オンジ)、槐花(カイカ)、薤白(ガイハク)、夏枯草(カゴソウ)、訶子
(カシ)、何首烏(カシュウ)、莪朮(ガジュツ)、霍香(カッコウ)、葛根(カッコン
)、カミツレ、瓜呂根(カロコン)、瓜呂仁(カロニン)、乾姜(カンキョウ)、甘草(
カンゾウ)、款冬花(カントウカ)、艾葉(ガイヨウ)、桔梗(キキョウ)、枳具子(キ
グシ)、枳殻(キコク)、枳実(キジツ)、菊花(キクカ)、橘皮(キッピ)、▲きょう
▼活(キョウカツ)、杏仁(キョウニン)、金柑(キンカン)、金銀花(キンギンカ)、
金銭草(キンセンソウ)、枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、苦参(クジン)、胡
挑(クルミ)、苦棟皮(クレンピ)、黒文字(クロモジ)、瞿麦(クバク)、荊芥(ケイ
ガイ)、桂皮(ケイヒ)、決明子(ケツメイシ)、牽牛子(ケンゴシ)、玄参(ゲンジン
)、膠飴(コウイ)、紅花(コウカ)、合歓皮(ゴウカンピ)、降香(コウコウ)、香鼓
(コウシ)、香需(コウジユ)、紅参(コウジン)、香附子(コウブシ)、粳米(コウベ
イ)、厚朴(コウボク)、藁本(コウホン)、五加皮(ゴカヒ)、牛膝(ゴシツ)、呉茱
萸(ゴシュユ)、虎杖根(ゴジョウコン)、牛蒡子(ゴボウシ)、五昧子(ゴミシ)、柴
胡(サイコ)、細辛(サイシン)、サフラン、山帰来(サンキライ)、山査子(サンザシ
)、山梔子(サンシシ)、山茱萸(サンシュユ)、山豆根(サンズコン)、酸棗仁(サン
ソウニン)、山椒(サンショウ)、三稜(サンリョウ)、山薬(サンヤク)、地黄(ジオ
ウ)、紫苑(シオン)、地骨皮(ジコッピ)、紫根(シコン)、紫蘇子(シソシ)、紫蘇
葉(シソヨウ)、▲しつ▼藜子(シツリシ)、柿帯(シテイ)、地膚子(ジフシ)、芍薬
(シャクヤク)、蛇床子(ジャショウシ)、沙参(シャジン)、車前子(シャゼンシ)、
車前草(シャゼンソウ)、縮砂(シュクシャ)、十薬(ジュウヤク)、生姜(ショウキョ
ウ)、棕櫚実(シュロジツ)、棕櫚葉(シュロヨウ)、升麻(ショウマ)、小麦(ショウ
バク)、菖蒲根(ショウブコン)、辛夷(シンイ)、女貞子(ジョテイシ)、秦皮(シン
ピ)、神麹(シンキク)、奏ぎょう(ジンギョウ)、充蔚子(ジュウイシ)、椒目(ショ
クモク)、青皮(セイヒ)、石菖根(セキショウコン)、石榴実皮(セキリュウジツヒ)
、石斛(セッコク)、川弓(センキュウ)、前胡(ゼンコ)、川骨(センコツ)、旋覆花
(センプクカ)、接骨木(セッコツボク)、草果(ソウカ)、皀角刺(ソウカクシ)、桑
寄生(ソウキセイ)、蒼耳子(ソウジシ)、蒼朮(ソウジュツ)、側柏葉(ソクハクヨウ
)、続断(ゾクダン)、桑白皮(ソウハクヒ)、蘇木(ソボク)、蘇葉(ソヨウ)、ソウ
莢(キョウ)、大黄(ダイオウ)、大棗(タイソウ)、大腹皮(ダイフクヒ)、沢瀉(タ
クシヤ)、丹参(タンジン)、竹如(チクジョ)、竹節人参(チクセツニンジン)、竹葉
(チクヨウ)、知母(チモ)、地楡(チユ)、丁子(チョウジ)、釣腰鈎(チョウトウコ
ウ)、陳皮(チンピ)、天南星(テンナンショウ)、天麻(テンマ)、天門冬(テンモン
トウ)、冬瓜子(トウガシ)、当帰(トウキ)、唐胡麻(トウゴマ)、党参(トウジン)
、灯芯草(トウシンソウ)、桃仁(トウニン)、橙皮(トウヒ)、兎絲子(トシシ)、栃
実(トチノミ)、杜仲(トチュウ)、独活(ドッカツ)土瓜根(ドカコン)、肉従容(ニ
クジュヨウ)、ニクズク、忍冬(ニンドウ)、人参(ニンジン)、貝母(バイモ)、麦芽
(バクガ)、柏子仁(ハクシニン)、白扁豆(ハクヘンズ)、麦門冬(バクモントウ)、
破胡紙(ハコシ)、簿荷(ハッカ)、蕃果(バンカ)、半夏(ハンゲ)、反鼻(ハンビ)
、板藍根(バンヲンコン)、半枝連(ハンシレン)、百合根(ユリネ)白止(ビャクシ)
、白花蛇舌草(ビャクカジャゼツソウ)、百部根(ヒャクブコン)、白朮(ビャクジュツ
)、檳榔子(ビンロウジ)、防已(ボウイ)、茅根(ボウコン)、防風(ボウフウ)、蒲
黄(ホウオウ)、蒲公英根(ホウエイコン)、牡丹皮(ボタンピ)、麻黄(マオウ)麻子
仁(マシニン)、蔓荊子(マンケイシ)、松脂(マツヤニ)、木適(モクツウ)、木瓜(
モッカ)、木香(モッコウ)、没薬(モツヤク)、木賊(モクゾク)、射干(ヤカン)、
益智(ヤクチ)、夜交藤(ヤコウトウ)、羅漢果(ラカンカ)、蘭草(ランソウ)、竜眼
肉(リュウガンニク)、竜胆(リュウタン)、良姜(リョウキョウ)、霊芝(レイシ)、
連翹(レンギョウ)、達銭草(レンセンソウ)、蓮肉(レンニク)、芦根(ロコン)など
を挙げることができる。
【0038】
その他の非タバコ植物としては、例えば、アオサ、アオノリ、アカモク、アサクサノリ
、アラメ、イワノリ(岩海苔)、エゴノリ、オゴノリ、ガゴメコンブ、カジメ、ガニアシ
、クビレズタ、クロメ、コンブ、スサビノリ、ダルス、チシマクロノリ、ツルアラメ、テ
ングサ、トロロコンブ、ネコアシコンブ属、ノリ(海苔)、ハバノリ、ヒジキ、ヒトエグ
サ、ヒロメ、フノリ、ボウアオノリ、マコンブ、メカブ、モズク、ワカメなどが挙げられ
る。また、ソバ、アマランス(アマランサス、センニンコク)、キヌア、ダッタンソバ等
や、さとうきび(糖蜜の搾りかすでもよい)、てんさい(ビート)、ヒノキ、松、杉、ヒ
バ、椿、白檀等芳香を有する樹木の幹や枝、これらの樹皮や葉、根等、シダ類、コケ類な
ども、その他の非タバコ植物として使用することができる。
【0039】
また、前記非タバコ植物としては、例えば、日本酒、ワイン等の発酵酒を製造する際の
副産物や絞りかす(酒粕、葡萄の絞りかす(葡萄の皮や種子、果軸等からなる))なども
使用できる。そして、上述した種々の植物を混合して使用してもよいし、上述した以外の
非タバコ植物を使用することもできる。
【0040】
前記非タバコ植物は、前記非タバコ植物の抽出物、所謂、エキスも使用することができ
る。当該抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、溶液などが挙げられる。
【0041】
前記非タバコ植物の含有量としては、前記香発生基材の全量に対して1質量%以上80
質量%以下が好ましい。
【0042】
-その他の材料-
前記香発生基材には、前記香発生基材となる材料以外のその他の材料を含有させること
もできる。
前記その他の材料としては、例えば、結合剤、増粘剤、香味料、抗菌性保存剤などが挙
げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】
--結合剤及び増粘剤--
前記結合剤は、単独の前記香発生基材同士を結合(接着)させることができる。
前記増粘剤は、前記香発生基材をシート状に成形加工する際に、前記香発生基材を含む
組成物を適正な粘度に調整することができる。
前記結合剤又は前記増粘剤としては、例えば、グアーガム、キサンタンガム、アラビア
ゴム、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、アルギン酸、ペクチン等の多糖類;
ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース系多糖類;デンプン及びデキ
ストリン等のデンプン系多糖類;これらの多糖類と金属イオンとを含有する有機酸塩、ポ
リビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは1種で使用してもよく、2種以上を併用
してもよい。
これらの中でも、セルロースを微結晶化させた微結晶セルロース、架橋結合の多い架橋
ポリビニルピロリドンが好ましい。
【0044】
前記微結晶セルロースは、前記香発生基材をシート状に成形加工する際に、成形加工機
と前記香発生基材との接着を防止すると共に、成形した前記香発生基材の形状を維持する
効果を向上させることができる。
前記架橋ポリビニルピロリドンは、香成分を維持させる効果と共に、成形した前記香発
生基材の形状を維持する効果を向上させることができる。
【0045】
前記微結晶セルロースとは、パルプを酸で加水分解・精製した、高純度の流動性ある結
晶化したセルロース粉末で、水、エタノール等の有機溶媒には溶解せず、医薬の錠剤成形
用の賦形剤として用いられている。これは、微結晶セルロースの流動性と体積変化が大き
い高圧縮性により、直打法による錠剤の成形における、凝集破壊の防止、金型との付着防
止等に効果的であるためである。本発明においても、微結晶セルロースを添加することに
よって、例えば、三本ロールのロール成形による香発生基材を製造するためのシート製造
において、シートの凝集破壊及び金属ロールの付着を効果的に防止することができる。
前記微結晶セルロースは、粉体のままでも、水等の溶媒に分散させた懸濁液としても投
入することができる。溶媒に分散させる場合には、高速攪拌機や高圧ホモジナイザー等を
使用することが好ましい。
【0046】
前記微結晶セルロースの添加量は、香発生基材全量に対して、1質量%以上15質量%
以下であることが好ましく、3質量%以上12質量%以下であることがより好ましく、5
質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。
【0047】
前記微結晶セルロースの平均粒子径は、30μm以上200μm以下が好ましく、50
μm以上150μm以下がより好ましく、70μm以上120μm以下が更に好ましい。
当該微結晶セルロースの平均粒子径が30μm以上であると、香発生基材を製造するため
のシート製造において、シートの凝集破壊を防止する効果に優れ、当該微結晶セルロース
の平均粒子径が200μm以下であると、当該シートと金属ロールとの付着を効果的に防
止することができる。
なお、上記微結晶セルロースの平均粒子径は、JISK0069:1992に記載の方
法により、篩分け法によって求められた値である。つまり、上記平均粒子径は、複数の篩
による試験結果について、目開きの大きいほうからの質量の積算を行い、その質量50%
に相当する径をいうが、その際に、目開き250μmの篩上残留物が8質量%以下であっ
て、目開き75μmの篩上残留物が45質量%以上であることがより好ましい。目開き2
50μmの篩上残留物が8質量%以下の場合は、篩分けされた微結晶セルロースがシート
の凝集破壊を防止する効果を有し、目開き75μmの篩上残留物が45質量%以上の場合
は、シートと金属ロールとの付着を防止することができる。
【0048】
前記微結晶セルロースの質量平均分子量(Mw)は、10,000以上200,000
以下であることが好ましく、10,000以上100,000以下であることがより好ま
しく、20,000以上60,000以下であることがより更に好ましい。前記微結晶セ
ルロースの質量平均分子量(Mw)が10,000以上であると、香発生基材を製造する
ためのシート製造において、シートの凝集破壊を抑制する効果に優れ、前記微結晶セルロ
ースの質量平均分子量(Mw)が100,000以下であると、シートの凝集破壊を抑制
する効果に加えて、シートと金属ロールとの付着を効果的に防止することができる。
なお、セルロースの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により
測定することができる。例えば、特開平6-109715号公報にあるような測定法が採
用され、標準試料としては、ポリエチレングリコール等を適宜用いる。
【0049】
前記結合剤及び前記増粘剤の少なくともいずれかの含有量としては、特に制限はなく、
目的に応じて適宜選択することができる。
【0050】
--香味料--
前記香味料としては、例えば、はっか、ココア、コーヒー、紅茶のエキス、β-シクロ
デキストリンなどが挙げられる。
前記タバコ植物及び前記非タバコ植物の少なくともいずれかを用いただけでは、芳香成
分がもの足りない場合に、香味料を添加することが好ましい場合がある。
前記β-シクロデキストリンは、メントール等のフェノール系水酸基を有する芳香成分
を維持させる効果がある。
【0051】
前記香味料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ
る。
【0052】
--抗菌性保存剤--
前記抗菌性保存剤としては、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安
息香酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記抗菌性保存剤は、植物の保存安定性を向上させることができる。
前記抗菌性保存剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができる。
【0053】
前記香発生基材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがで
きる。前記香発生基材の形状としては、例えば、球形状、不定形の粉末状、扁平のシート
形状、棒状などが挙げられる。これらの中でも、扁平のシート形状が好ましい。扁平のシ
ート形状としては、平坦な表面を有していれば特に制限はなく、例えば、平面視したとき
の形状が長方形となる短冊形状、平面視したときの形状が正方形となる形状などが挙げら
れる。これらの中でも、短冊形状がより好ましい。
前記香発生基材の形状が短冊形状である場合、長尺方向に垂直な断面の長軸の長さと短
軸の長さとのアスペクト比が1:1~30:1であり、長尺方向の長さと短軸の長さとの
アスペクト比が40:1~3600:1であること好ましい。特に、上記長軸の長さと短
軸の長さとのアスペクト比は、2:1~20:1であることが好ましく、5:1~20:
1であることがより好ましい。
前記アスペクト比は、長尺方向に並んでいる前記香発生基材が、長尺方向と垂直方向か
ら包むように円柱状に成形される際の易動度と密接な関係があり、気体流路を確保しつつ
、充填率を高めることができる。従って、長尺方向に垂直な断面の長軸の長さと短軸の長
さとのアスペクト比が30:1を超え、長尺方向の長さと短軸の長さとのアスペクト比が
3600:1を超えると、香発生体が長軸方向の面で接する頻度が高くなると共に、易動
度が極端に低下して、一次凝集体及び二次凝集体を形成することが困難となる。
また、長軸の長さと短軸の長さとのアスペクト比が1:1の場合、製造条件によっては
、香発生体が、最密充填構造のように配列してしまう場合もある。
前記香発生基材の長尺方向に垂直な断面の形状は、等方性の、正三角形、正方形、及び
、正五角形等の正多角形、並びに、円形であっても問題はないが、異形気体流路を形成す
る上では、短軸と長軸を有する長方形及び楕円形等であることがより好ましく、略長方形
であることがより好ましい。
【0054】
前記香発生基材の形状が扁平のシート状である場合の平均厚みとしては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができる。
【0055】
前記香発生基材の構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択する
ことができる。
【0056】
前記香発生基材の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができる。前記香発生基材の製造方法としては、例えば、特許第6705042号、特開
2021-65222号公報に記載の方法などが挙げられる。
【0057】
<その他の部材(A)>
前記その他の部材(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
でき、例えば、検温材などが挙げられる。
【0058】
-検温材-
前記検温材は、前記香発生体の温度を測る部材である。
前記検温材としては、前記香発生体の温度を測ることができれば特に制限はなく、目的
に応じて適宜選択することができる。前記検温材としては、例えば、所定の温度以上にな
ると、強磁性体が常磁性体に変化する、又は常磁性体が強磁性体に変化する、キュリー温
度を有する材質の部材などが挙げられる。
前記キュリー温度を有する材質としては、例えば、Co、Fe、FeOFe2O3、N
iOFe2O3、CuOFe2O3、MgOFe2O3、MnBi、Ni、MnSb、M
nOFe2O3、Y3Fe5O12、CrO2、MnAs、Gd、Dyなどが挙げられる
。これらの中でもNiが好ましい。なお、前記誘導加熱部材と併せて前記検温材を用いる
場合には、異なる材質のものを用いることが好ましい。
前記検温材の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す
ることができる。
【0059】
本発明の香発生体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
でき、例えば、円柱、多角柱などが挙げられる。
本発明の香発生体の構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す
ることができる。
【0060】
次に、本発明の香発生体の実施形態について、図面を参照してより詳細に説明する。
【0061】
<第1の実施形態>
図2Aは、本発明の香発生体の一例を示す斜視図である。
図2Aに示す香発生体10は、円柱状の形状に成形されており、芯部には香発生基材1
1を有し、香発生基材11の周側面に誘導加熱部材12を有する。
図2Bは、
図2Aに示す香発生体10の一例を示す展開図である。
図2Bに示すように
、
図2Aに示す香発生体10は、香発生基材11の周側面に矩形の誘導加熱部材12を有
することで、香発生基材11を円柱状に成形している。
第1の実施形態のようにすることで、喫煙具からの誘導加熱により喫煙可能な程度に香
発生基材を加熱することができる。
【0062】
<第2の実施形態>
図2Cは、本発明の香発生体の他の一例を示す展開図である。
図2Cに示す香発生体10は、
図2A及び
図2Bに示した香発生体10において、香発
生基材と接する領域における、誘導加熱部材12が配されている香発生基材包装材13に
より香発生基材11を円柱状に成形している。即ち、
図2Cに示す香発生体10における
香発生基材包装材13は、誘導加熱部材からなる誘導加熱領域を連続で有する。
第2の実施形態のようにすることで、喫煙可能な程度に香発生基材を加熱することを担
保しつつ、誘導加熱部材自体の強度が低い場合でも香発生基材を成形することができ、誘
導加熱部材の使用量を少なくすることができる。
【0063】
<第3の実施形態>
図2Dは、本発明の香発生体10の他の一例を示す展開図である。
図2Dに示す香発生体10は、
図2Cに示した香発生体10において、香発生基材包装
材13上に、誘導加熱部材12が配されている領域(誘導加熱領域)と、誘導加熱部材1
2が配されていない領域と、を有する。即ち、
図2Dに示す香発生体10は、誘導加熱部
材からなる誘導加熱領域を不連続で有する。
第3の実施形態のようにすることによって、喫煙可能な程度に香発生基材を加熱するこ
とを担保しつつ、誘導加熱部材自体の強度が低い場合でも香発生基材を成形することがで
き、誘導加熱部材の使用量を少なくすることができる。
【0064】
<第4の実施形態>
図2Eは、本発明の香発生体10の他の一例を示す展開図である。
図2Eに示す香発生体10は、
図2Cに示した香発生体10において、香発生基材包装
材13上に、誘導加熱部材12が配されている領域(誘導加熱領域)と、誘導加熱部材1
2が配されていない領域と、を有する。即ち、
図2Eに示す香発生体10は、誘導加熱部
材からなる誘導加熱領域を連続で有する領域と、不連続で有する領域とを有する。
第4の実施形態のようにすることによって、喫煙可能な程度に香発生基材を加熱するこ
とを担保しつつ、誘導加熱部材自体の機械強度が低い場合でも香発生基材を成形すること
ができ、誘導加熱部材の使用量を少なくすることができる。
【0065】
<第5の実施形態>
図2Fは、本発明の香発生体10の他の一例を示す展開図である。
図2Fに示す香発生体10は、
図2Cに示した香発生体10において、香発生基材包装
材13上に、誘導加熱部材12と、誘導加熱部材12の長軸に沿って矩形状の検温材14
とを有する。
第5の実施形態のようにすることで、喫煙可能な程度に香発生基材を加熱することを担
保することができる。さらに、検温材により加熱されている香発生基材の温度を測定する
ことができるため、測定温度に応じて喫煙具から発生させる電磁場の強度を調節し、誘導
加熱部材の発熱の程度を調節することができる。
【0066】
<第6の実施形態>
図2Gは、本発明の香発生体10の他の一例を示す展開図である。
図2Gに示す香発生体10は、
図2Fに示した香発生体10において、誘導加熱部材1
2の短軸に沿って矩形状の検温材14を有する以外は、
図2Fに示す香発生体と同様であ
る。
第6の実施形態のようにすることで、喫煙可能な程度に香発生基材を加熱することを担
保することができる。さらに、検温材により加熱されている香発生基材の温度を測定する
ことができるため、測定温度に応じて喫煙具から発生させる電磁場の強度を調節し、誘導
加熱部材の発熱の程度を調節することができる。
【0067】
<第7の実施形態>
図2Hは、本発明の香発生体10の他の一例を示す展開図である。
図2Hに示す香発生体10は、
図2Fに示した香発生体10において、誘導加熱部材1
2の長軸と短軸とからなる対角線に沿って検温材14を有する以外は、
図2Fに示す香発
生体と同様である。
第7の実施形態のようにすることで、喫煙可能な程度に香発生基材を加熱することを担
保することができる。さらに、検温材により加熱されている香発生基材の温度を測定する
ことができるため、測定温度に応じて喫煙具から発生させる電磁場の強度を調節し、誘導
加熱部材の発熱の程度を調節することができる。
【0068】
<第8の実施形態>
図2Iは、本発明の香発生体10の他の一例を示す展開図である。
図2Iに示す香発生体10は、
図2Dにおいて、香発生基材包装材13の長軸に沿って
検温材14を有する以外は、
図2Dに示す香発生体と同様である。
第8の実施形態のようにすることで、喫煙可能な程度に香発生基材を加熱することを担
保することができる。さらに、検温材により加熱されている香発生基材の温度を測定する
ことができるため、測定温度に応じて喫煙具から発生させる電磁場の強度を調節し、誘導
加熱部材の発熱の程度を調節することができる。
【0069】
<第9の実施形態>
図2Jは、本発明の香発生体10の他の一例を示す展開図である。
図2Jに示す香発生体10は、
図2Dにおいて、香発生基材包装材13の短軸に沿って
検温材14を有する以外は、
図2Dに示す香発生体と同様である。
第9の実施形態のようにすることで、喫煙可能な程度に香発生基材を加熱することを担
保することができる。さらに、検温材により加熱されている香発生基材の温度を測定する
ことができるため、測定温度に応じて喫煙具から発生させる電磁場の強度を調節し、誘導
加熱部材の発熱の程度を調節することができる。
【0070】
<第10の実施形態>
図2Kは、本発明の香発生体10の他の一例を示す展開図である。
図2Kに示す香発生体10は、
図2Dにおいて、香発生基材包装材13の長軸における
任意の位置と短軸とからなる対角線に沿って検温材14を有する以外は、
図2Dに示す香
発生体と同様である。
第10の実施形態のようにすることで、喫煙可能な程度に香発生基材を加熱することを
担保することができる。さらに、検温材により加熱されている香発生基材の温度を測定す
ることができるため、測定温度に応じて喫煙具から発生させる電磁場の強度を調節し、誘
導加熱部材の発熱の程度を調節することができる。
【0071】
<第11の実施形態>
図2Lは、本発明の香発生体10の他の一例を示す展開図である。
図2Lに示す香発生体10は、
図1Cにおける香発生体10、支持部材21と、フィル
ター22をまとめて包装する包装部材101の香発生基材11が配される領域に誘導加熱
部材12を配しておく態様である。
第11の実施形態のようにすることで、喫煙可能な程度に香発生基材を加熱することを
担保することができ、カートリッジを構成する材料を減少させることができるため、製造
工程を簡略化することができる。
【0072】
(香発生体の製造方法)
本発明の香発生体の製造方法は、誘導加熱により加熱される誘導加熱部材を香発生基材
の周囲に配する香発生基材包装工程を含み、必要に応じてその他の工程を更に含む。
【0073】
<香発生基材包装工程>
前記香発生基材包装工程は、誘導加熱により加熱される誘導加熱部材を香発生基材の周
囲に配する工程である。
前記香発生基材、前記誘導加熱部材は本発明の香発生体と同様であるため、説明を省略
する。
前記香発生基材包装工程は、誘導加熱により加熱される誘導加熱部材を香発生基材の周
囲に配することができれば、前記香発生基材が完全に外界から遮断されるように包装する
必要はなく、前記香発生基材の少なくとも一部が覆われている状態を含んでいてもよい。
【0074】
前記香発生基材包装工程は、筒状の前記誘導加熱部材に前記香発生基材を充填する工程
、及び前記香発生基材を膜状の前記誘導加熱部材で巻回する工程の少なくともいずれかを
含むことが好ましい。
【0075】
前記筒状の前記誘導加熱部材に前記香発生基材を充填する工程は、筒状にした前記誘導
加熱部材を予め準備し、筒の内部に前記香発生基材を充填することができれば特に制限は
なく、従来公知の方法を用いることができる。
前記筒状の前記誘導加熱部材に前記香発生基材を充填する工程について、図面を参照し
て説明する。
図3A~
図3Cは 、筒状の誘導加熱部材に香発生基材を充填する工程の一例を示す模
式図である。
図3Aに示すように、まず、筒状の誘導加熱部材12を準備する。次に、図
3Bに示すように、筒状の誘導加熱部材12に香発生基材11を充填し、
図3Cに示すよ
うな円柱状の香発生体10を製造することができる。
【0076】
前記香発生基材を膜状の前記誘導加熱部材で巻回する工程としては、特許第67050
42号に記載の被加熱芳香発生体の製造方法と同様の方法を用いることができる。
前記香発生基材を膜状の前記誘導加熱部材で巻回する工程について、図面を参照して説
明する。
図4A~
図4Eは、香発生基材を膜状の誘導加熱部材で巻回する工程の一例を示す模式
図である。
図4A~
図4Eでは、短冊状の香発生基材12を用いた例を示すが、香発生基
材としてはこの態様に限られるものではない。
図4A~
図4Eでは、短冊状の香発生基材
12の長尺方向に対して直交する方向における断面を示す。
図4Aに示すように、まず香発生基材11を膜状の誘導加熱部材12上に配す。
次に、
図4Bに示すように、香発生基材11を配した膜状の誘導加熱部材12を巻回手
段300上に配し、
図4C及び
図4Dに示すように、膜状の誘導加熱部材12を包み込む
ように巻回させる。このようにすることによって、
図4Eに示すように、円柱状の香発生
体10を形成することができる。
前記香発生基材を膜状の前記誘導加熱部材で巻回することによって、前記香発生基材の
充填率を適度に制御して、喫煙時の煙及び香を、喫煙者の口腔内に無理なく十分に吸引さ
せることができる。
【0077】
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、
例えば、乾燥工程、裁断工程などが挙げられる。
【0078】
(カートリッジ)
本発明のカートリッジは、本発明の香発生体を有し、マウスピースを有し、さらに必要
に応じてその他の部材(B)を有する。
【0079】
<香発生体>
前記香発生体は、本発明の香発生体と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
<マウスピース>
前記マウスピースは、支持部材と、フィルターとを有し、更に必要に応じてその他の部
材(C)を有する。
【0081】
-支持部材-
前記支持部材は、前記香発生体の吸引側への移動を防止するとともに、カートリッジの
形態を保持する部材である。
前記支持部材の構造としては、前記香発生基材と連接される長尺方向に沿って気流が通
過可能な気体流路を有する。前記香発生基材と連接される長尺方向と同一方向に沿って気
流が通過可能な気体流路を形成することで、前記香発生基材が加熱されて発する香を口腔
内に輸送することができる。
前記支持部材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ
、例えば、円柱、多角柱などが挙げられる。
前記支持部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがで
きる。
前記支持部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ
、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリエステル樹脂等
の汎用ポリマー;生分解性を有する脂肪族ポリエステル;デンプン系及びセルロース系生
分解性ポリマーなどが挙げられる。
前記脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリ
(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポ
リ(β-プロピオラクトン)(PPL)、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポ
リ(L-ラクチド)(PLA)、ポリ(p-ジオキサノン)(PPDO)などが挙げられ
る。
【0082】
-フィルター-
前記フィルターは、エアロゾルの煙や芳香を濾過することにより、香発生基材の脱落物
や粉塵が口腔内に流入することを防止する部材である。
前記フィルターの構造、形状、大きさについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜
選択することができる。
前記フィルターの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがで
き、例えば、酢酸セルロース繊維、生分解性を有する脂肪族ポリエステル、デンプン系及
びセルロース系生分解性ポリマーなどが挙げられる。
前記脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリ
(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポ
リ(β-プロピオラクトン)(PPL)、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、ポ
リ(L-ラクチド)(PLA)、ポリ(p-ジオキサノン)(PPDO)などが挙げられ
る。
【0083】
【0084】
ここで、本発明の香発生体を有するカートリッジの製造方法について、図面を参照して
説明する。
図5A~
図5Fは、本発明のカートリッジの製造工程の一例を示す模式図である。
本発明のカートリッジの製造では、まず、
図5Aに示すようにカートリッジ全体を包装
する包装部材101を円筒形に成形する
次に、
図5Bに示すように、円筒形の包装部材101の端部に、円筒形に成形した誘導
加熱部材12を嵌合させる。
次に、
図5Cに示すように、嵌合させた誘導加熱部材12に香発生基材11を充填する
。
図5Dに示すように、香発生基材11を乾燥させた後、
図5Eに示すように支持部材2
1、芳香カプセル24、フィルター22を順次投入し、
図5Fに示すようにラベル102
を貼って、カートリッジを製造する。
なお、
図5A~
図5Fに示す工程の
図5C~
図5Dの工程を、
図3B及び
図3Cに変更
することもできる。即ち、
図5C~
図5Dでは、円筒形の包装部材101に円筒形の誘導
加熱部材12を嵌合してから、誘導加熱部材12に香発生基材11を充填したが、円筒形
の包装部材101に円筒形の誘導加熱部材12を嵌合する前に、
図3B及び
図3Cに示す
ように、誘導加熱部材12に香発生基材11を充填して香発生体10を作製し、作製した
香発生体10を円筒形の包装部材101に嵌合させてもよい。
また、
図5A~
図5F、
図3B及び
図3Cでは、香発生基材を充填することにより、誘
導加熱により加熱される誘導加熱部材を香発生基材の周囲に配したが、
図4A~
図4Eに
示すように、前記香発生基材を膜状の前記誘導加熱部材で巻回することによって誘導加熱
部材を香発生基材の周囲に配してもよい。この場合、
図3B及び
図3Cを
図4A~
図4E
の工程で置き換えればよい。
【0085】
次に、本発明のカートリッジを使用するために用いられる喫煙具について、図面を参照
して説明する。
図6Aは、本発明のカートリッジを使用するための喫煙具の一例を示す斜視図である。
図6Aに示すように、喫煙具200は、電源ボタン201と、カートリッジ挿入口21
1とを有する。本発明のカートリッジを喫煙具200のカートリッジ挿入口211に、香
発生体10側が喫煙具200の内部側になるように挿入する。
図6Bは、
図6Aに示す喫
煙具200のB-B’面における断面の一例を示す断面図である。
図6Bに示すように、
喫煙具200は電磁場を発生させるコイル212と、電流量を制御する制御装置213と
、電源214とを有している。
図6Cは、本発明のカートリッジ100を
図6Aに示す喫煙具に装着したときの一例を
示す斜視図である。また、
図6Dは、
図6Cに示す喫煙具200に本発明のカートリッジ
100を装着したときのB-B’面における断面の一例を示す断面図である。
図6Dに示
すように、喫煙具200にカートリッジ100を装着したときには、カートリッジ100
における香発生体10が喫煙具200のコイル212に挟持される位置に配される。この
ようにすることによって、喫煙具200の電源を入れることによって、コイル212に電
流を供給し、電磁場を発生させ、香発生体10の誘導加熱部材を加熱することができる。
【符号の説明】
【0086】
10 香発生体
11 香発生基材
12 誘導加熱部材
13 香発生基材包装材
14 検温材
20 マウスピース
21 支持部材
22 フィルター
24 芳香カプセル
100 カートリッジ
101 包装部材
102 ラベル
200 喫煙具
201 電源ボタン
211 カートリッジ挿入口
212 コイル
213 制御装置
214 電源
31 フィルター包装部材
300 巻回手段