(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005608
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】管継手
(51)【国際特許分類】
F16L 21/08 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
F16L21/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107632
(22)【出願日】2021-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】土田 理彩子
(72)【発明者】
【氏名】萩野 智和
(72)【発明者】
【氏名】頼 蘭馨
【テーマコード(参考)】
3H015
【Fターム(参考)】
3H015FA06
3H015FA08
(57)【要約】
【課題】インコアを管継手本体内部に収納する事ができ、パイプ挿入施工後にインコア有無を視認することができる管継手を提供する。
【解決手段】本発明の管継手は、両端にナットが取り付けられる継手本体と、継手本体に収容される筒体と、を備え、継手本体は、継手本体中央部と、凹部と、筒体収容部と、を有し、凹部は、継手本体中央部より軸線方向外側に位置するとともに、凹部の内径は、継手本体中央部の内径より大きく、筒体収容部は、凹部より軸線方向外側に位置するとともに、筒体収容部の内径は、凹部の内径より大きく、筒体は、胴部と、第1端部と、鍔部である第2端部と、を有し、第1端部の外径は、継手本体中央部の内径より大きく、凹部の内径より小さく、胴部と第2端部の外径は、筒体収容部の内径より小さく、軸線方向において、筒体は、筒体収容部の内側の端面からナットの外側の端面までの距離より長い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端にナットが取り付けられる継手本体と、
前記継手本体に収容される筒体と、を備え、
前記継手本体は、継手本体中央部と、凹部と、筒体収容部と、を有し、
前記凹部は、前記継手本体中央部よりも軸線方向外側に位置するとともに、前記凹部の内径は、前記継手本体中央部の内径よりも大きく、
前記筒体収容部は、前記凹部よりも軸線方向外側に位置するとともに、前記筒体収容部の内径は、前記凹部の内径よりも大きく、
前記筒体は、胴部と、第1端部と、鍔部である第2端部と、を有し、
前記第1端部の外径は、前記継手本体中央部の内径よりも大きく、前記凹部の内径よりも小さく、
前記胴部と前記第2端部の外径は、前記筒体収容部の内径よりも小さく、
軸線方向において、前記筒体の長さは、前記筒体収容部の内側の端面から前記ナットの外側の端面までの距離よりも長い、管継手。
【請求項2】
軸線方向において、前記筒体の長さは、前記筒体収容部の内側の端面から前記ナットの外側の端面までの距離よりも0.5mm以上長い、請求項1記載の管継手。
【請求項3】
軸線方向において、前記筒体の長さは、前記凹部の内側の端面から前記ナットの外側の端面までの軸線方向における距離よりも短い、請求項1又は2記載の管継手。
【請求項4】
前記継手本体、前記ナット、前記筒体の各々は、樹脂製である、請求項1から3のいずれか記載の管継手。
【請求項5】
前記継手本体、前記ナット及び前記筒体の各々は、金属製である、請求項1から3のいずれか記載の管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配管用継手が開示されている。
配管用継手は、外筒部を有する第一流路部材と、外筒部に挿入されスナップ係合された内筒部を有する第二流路部材と、内筒部に挿入配置され、スナップ係合を強固とするためのインコアとを備えている。
【0003】
内筒部の内周面においてインコアの挿入側に位置する端部には、周方向に延びる複数の凹所が形成され、複数の凹所の間にはそれぞれ仮保持部が設けられている。仮保持部は、インコアを内筒部に仮挿入したときインコアを保持する。インコアにおいて第二端部の外周面には、先端面に対して近づくに連れて小径となるテーパ面が形成され、インコアの内周面において先端面に隣接する部分には、小径部が設けられる。
【0004】
また、上記配管用継手によれば、配管部材への挿入を容易に行い得ることと、挿入時において配管部材が削られてしまうことの防止とを高次元で両立できるインコアを提供できる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された配管用継手では、パイプ(管)が挿入された後、インコア(筒体)が挿入されているかを視認することができないという課題があった。
【0007】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、管継手の保管時において、インコアを継手本体内部に収納する事ができると共に、パイプ挿入施工後にインコア有無を視認することができる管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
【0009】
本発明の一態様に係る管継手は、両端にナットが取り付けられる継手本体と、前記継手本体に収容される筒体と、を備え、前記継手本体は、継手本体中央部と、凹部と、筒体収容部と、を有し、前記凹部は、前記継手本体中央部よりも軸線方向外側に位置するとともに、前記凹部の内径は、前記継手本体中央部の内径よりも大きく、前記筒体収容部は、前記凹部よりも軸線方向外側に位置するとともに、前記筒体収容部の内径は、前記凹部の内径よりも大きく、前記筒体は、胴部と、第1端部と、鍔部である第2端部と、を有し、前記第1端部の外径は、前記継手本体中央部の内径よりも大きく、前記凹部の内径よりも小さく、前記胴部と前記第2端部の外径は、前記筒体収容部の内径よりも小さく、軸線方向において、前記筒体の長さは、前記筒体収容部の内側の端面から前記ナットの外側の端面までの距離よりも長い。
【0010】
上記構成によれば、軸線方向において、筒体(インコア)の長さは、筒体収容部(インコア収容部)の内側の端面からナットの外側の端面までの距離よりも長く設定されている。
これにより、パイプ(管)挿入施工後において、インコアの一部が、継手本体から軸線方向における外側に突出した状態となる。これにより、パイプ(管)挿入施工後において、継手本体にインコアが挿入されているか否かを、パイプ越しに、視認することができる。
【0011】
本発明の一態様に係る管継手は、軸線方向において、前記筒体の長さが、前記筒体収容部の内側の端面から前記ナットの外側の端面までの距離よりも0.5mm以上長くてもよい。
【0012】
上記構成によれば、軸線方向において、筒体(インコア)の長さは、筒体収容部(インコア収容部)の内側の端面から前記ナットの外側の端面までの距離よりも0.5mm以上長く設定されている。
これにより、パイプ(管)挿入施工後において、インコア(筒体)の一部が、継手本体から軸線方向における外側に0.5mm以上突出した状態となる。これにより、パイプ(管)挿入施工後において、継手本体にインコアが挿入されているか否かを、パイプ越しに、視認するときの視認性が向上する。
【0013】
本発明の一態様に係る管継手は、軸線方向において、前記筒体の長さが、前記凹部の内側の端面から前記ナットの外側の端面までの軸線方向における距離よりも短くてもよい。
【0014】
上記構成によれば、軸線方向において、筒体(インコア)の長さは、凹部の内側の端面からナットの外側の端面までの軸線方向における距離よりも短く設定されている。
これにより、インコアを継手本体に第2端部から挿入し、インコアが継手本体から軸線方向における外側に突出せずに収納された状態で、管継手を輸送・保管することができる。
【0015】
本発明の一態様に係る管継手は、前記継手本体、前記ナット、前記筒体の各々が、樹脂製であってもよい。
【0016】
上記構成によれば、継手本体、ナット、筒体の各々は、樹脂によって形成されている。
これにより、管継手を軽量化することができる。さらに、継手本体内(流路)を腐食性のある流体が流れた場合でも、管継手が腐食し、流体が漏洩することを防止できる。
【0017】
本発明の一態様に係る管継手は、前記継手本体、前記ナット及び前記筒体の各々が、金属製であってもよい。
【0018】
上記構成によれば、継手本体、ナット及び筒体の各々は、金属製である。
これにより、管継手を高強度化することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、管継手の保管時において、インコアを継手本体内部に収納することができると共に、パイプ挿入施工後にインコア有無を視認することができる管継手を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る管継手に図示しない管を挿入した状態を表す断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る管継手の保管時における状態を表す断面図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る管継手に図示しない管を挿入した状態を表す断面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る管継手の輸送・保管時における状態を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、
図1から
図2及び表1を参照し、本発明の第1実施形態に係る管継手100を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る管継手100に図示しない管を挿入した状態を表す断面図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る管継手100の輸送・保管時における状態を表す断面図である。ここで、軸線とは、管継手100が延びる方向に直交する水平面の中心を直交するように通る線であり、径方向とは、前記軸線に直交する方向である。また、管継手100は、軸線を軸とした軸対称な形状であるとともに、管継手100の軸線方向における中心において軸線と直交する水平面を対称面とした面対称な形状である。前記管は、例えば、水道用ポリオレフィン管である。
【0022】
管継手100は、継手本体100Aと、継手本体100Aに収容されるインコア10(筒体)と、シール部材104と、ベース103と、スペーサ107と、ストップリング102と、を備えている。継手本体100Aと、インコア10と、シール部材104と、ベース103と、スペーサ107と、ストップリング102と、の各々は、樹脂製で形成されている。
【0023】
継手本体100Aは、軸線方向に延びる中空の筒状に形成され、軸線方向の両端が開口しているとともに、継手本体中央部106と、凹部105と、インコア収容部101(筒体収容部)と、両端に取付けられるナット100Bと、を有している。
継手本体100Aの軸線方向における中央部分は、外径及び内径が縮径している。また、継手本体100Aの軸線方向における中央よりも外側の外周面には、ナット100Bに形成された雌ねじと螺合する雄ねじが形成されている。
継手本体100Aは、継手本体100Aの軸線方向における中心部分から、外側へ向かって、内径が大きく形成されているとともに、順に、継手本体中央部106、凹部105、インコア収容部101、ナット100Bとされている。
【0024】
継手本体中央部106は、継手本体100Aの軸線方向における中心部分の内周面と、空間と、を包含している。また、継手本体中央部106の径は、継手本体中央部内径L7とされている。
凹部105は、軸線方向における継手本体中央部106の外側に隣接しているとともに、断面視してL字型である内周面と、内周面に対応する軸線において軸線方向に延びる空間と、を包含している。内周面は軸線方向に直交する水平方向の面105a(端面105aともいう)と、軸線方向に延びる面105bと、を有している。また、内周面の軸線方向に延びる面105bにおける、内径は、凹部内径L6とされている。
インコア収容部101は、軸線方向における凹部105の外側に隣接しているとともに、軸線方向に延びる内周面と、内周面に対応する軸線において軸線方向に延びる空間と、を包含している。インコア収容部101は、軸線方向における略中央には、シール部材104と、ベース103と、スペーサ107と、ストップリング102と、を配置するために、拡径した部分を有する。(シール部材104と、ベース103と、スペーサ107と、ストップリング102と、は、管継手100に管を挿入したとき、管に密着するように囲繞する。)また、拡径していない部分の内径は、インコア収容部内径L8とされる。
そして、継手本体100Aの両端(ナット100Bの端部)における内径は、外端内径L9とされている。
【0025】
インコア10は、軸線方向に延びる中空の筒状に形成され、軸線方向の両端が開口しているとともに、第1端部12aと、第2端部12bと、胴部11と、を有している。インコア10には、管接続時において、管が、第1端部12a側から、胴部11を密着して囲繞するように、継手本体100Aの軸線方向における端部の外側から内側へと挿入される。
【0026】
第1端部12aは、インコア10の軸線方向における一方の端部である。第1端部12aは、
図1に示すような管接続時には、継手本体100Aの軸線方向における外側に位置するように挿入される。第1端部12aの外径が、第1端部外径L2、第1端部12aの内径が、第1端部内径L1とされる。また、
図2に示すような管継手100保管時には、第1端部12aは、継手本体100Aの軸線方向における内側に位置するように挿入される。このとき、第1端部12aは、凹部105に配置される。
なお、第1端部12aの径方向外側の端面は、インコア10における、軸線方向外側に向かうに従い、縮径されるように形成されていてもよい。この場合、第1端部外径L2は、前記縮径している方の端面における外径をいう。また、前記縮径によれば、管にインコア10を挿入しやすくなる。
第2端部12bは、インコア10の軸線方向における他方の端部であり、周方向に亘って、径方向外側に突出すように形成されたフランジである。第2端部12bは、
図1に示すような管接続時には、継手本体100Aの軸線方向における内側に位置するように挿入される。第2端部12bの外径が、第2端部外径L4、内径が、第2端部内径L5とされる。また、
図2に示すような管継手100保管時には、第2端部12bは、継手本体100Aの軸線方向における外側に位置するように挿入される。なお、
図1に示すような管接続時において、第2端部12bが軸線方向の内側に位置していても、第2端部12bは、凹部105内には配置されない。このとき第2端部12bは、継手本体100Aの内面(凹部105とインコア収容部101との間の段差面であって、ストッパーとなる面)に突き当たっている。
なお、第2端部12bの径方向外側の端面は、インコア10における、軸線方向外側に向かうに従い、縮径されるように形成されていてもよい。これにより、管接続時に、第2端部12bからインコア10を継手本体100Aに挿入しやすくなる。また、この場合、第2端部外径L4は、前記縮径している方の端面における外径をいう。さらに、前記縮径していない方の端面における外径を第2端部内側部外径L3という。
胴部11は、第1端部12aから第2端部12bに向かって延在した、インコア10の軸線方向における中央部分である。また、胴部11の外径及び内径は、第1端部12aと略同等であるとされる。
【0027】
(継手本体100Aとインコア10の径寸法大小関係)
第1端部外径L2は、第1端部内径L1よりも大きく、外端内径L9よりも小さく形成されている。インコア収容部内径L8は、第2端部内側部外径L3よりも大きく、第2端部内側部外径L3は、第2端部外径L4と同等又は大きく形成されている。第2端部外径L4は、凹部内径L6よりも大きく、凹部内径L6は、継手本体中央部内径L7よりも大きく形成されている。継手本体中央部内径L7は、第2端部内径L5と同等又は大きく形成されている。
【0028】
なお、外端内径L9は、インコア収容部内径L8よりも大きく形成されていてもよい。すなわち、ナット100Bの内周面は、軸線方向における外側から内側に向かって、縮径するように形成されていてもよい。この場合、管接続時に、第2端部12bからインコア10を、ナット100Bに挿入しやすくなる。若しくは、管をナット100Bに挿入しやすくなる。
【0029】
(継手本体100Aとインコア10の軸線方向寸法大小関係)
軸線方向において、インコア10の長さL10(筒体の長さ)は、インコア収容部101の内側の端面から外端までの距離L11よりも長く形成されている。これにより、
図1に示すような管接続後において、インコア10の第1端部12aが、継手本体100Aの軸線方向外側に突出する。また、前記突出した長さを、飛び出し量L12という。
これにより、管接続後において、インコア10が、継手本体100Aに挿入されているかを目視によって確認(視認)可能となる。管としては、給水・給湯管であるポリオレフィン管が好ましい。具体的には、ポリエチレン管、ポリプロピレン管またはポリブテン管が挙げられる。管が半透明であれば、そのまま視認できる。管が有色であっても肉薄なので、ライトを照射すれば視認できる。管継手100が暗所にあったとしても、ライトを照射すれば、視認できる。
【0030】
ここで、インコア飛び出し量L12について、インコア飛び出し量L12を大きくし過ぎた場合、継手本体中央部106の軸線方向における全長をインコア飛び出し量L12分伸ばす必要があり、インコア10が長いほど継手としてのコンパクト性に欠け、施工性が悪くなる。さらに、凹部105の軸線方向における長さが大きいと、継手本体100A内(流路)を流体が流れた際の圧力損失が増大する。
【0031】
以下の表は、実験的に得られた、インコア飛び出し量L12(mm)(ナット端面からのインコア飛び出し量欄に記載)と管接続後において、インコア10が、継手本体100Aに挿入されているかを目視によって確認したときの視認性(視認可能欄に記載)及び継手本体中央部106の軸線方向における全長が与える不利益の軽重(全長欄に記載)の関係を表している。また、上記視認性良好の場合を丸印、概ね良好の場合を三角印、良好でない場合を罰印で示している。上記全長が与える不利益が軽い場合を丸印、概ね軽い場合を三角印、重い場合を罰印で示している。
なお、管は水道用ポリエチレン管であり、乳白色である。蛍光灯で照らされた通常の明るさの室内で視認性の確認を行った。ライトでインコア10付近を局所的に照らすことはしていない。
【0032】
表1より、上記問題は、インコア飛び出し量L12を、0.5mm以上1.0mm以下と設定することにより、管継手100のコンパクト性低下、施工性低下及び圧力損失の発生を防止することができることが確認できる。よって、適宜採用してもよい。
【0033】
【0034】
従って、第1実施形態に係る管継手100は、両端にナット100Bが取り付けられる継手本体100Aと、継手本体100Aに収容される筒体と、を備え、継手本体100Aは、継手本体中央部106と、凹部105と、筒体収容部と、を有し、凹部105は、継手本体中央部106よりも軸線方向外側に位置するとともに、凹部105の内径は、継手本体中央部106の内径よりも大きく、筒体収容部は、凹部105よりも軸線方向外側に位置するとともに、筒体収容部の内径は、凹部105の内径よりも大きく、筒体は、胴部11と、第1端部12aと、鍔部である第2端部12bと、を有し、第1端部12aの外径は、継手本体中央部106の内径よりも大きく、凹部105の内径よりも小さく、胴部11と第2端部12bの外径は、筒体収容部の内径よりも小さく、軸線方向において、筒体の長さL10は、筒体収容部の内側の端面からナット100Bの外側の端面までの距離L11よりも長い。
【0035】
本発明の一態様に係る管継手100は、軸線方向において、筒体の長さL10が、筒体収容部の内側の端面からナット100Bの外側の端面までの距離L11よりも0.5mm以上長くてもよい。
【0036】
本発明の一態様に係る管継手100は、軸線方向において、筒体の長さL10が、凹部105の内側の端面105aからナット100Bの外側の端面までの軸線方向における距離よりも短くてもよい。
【0037】
本発明の一態様に係る管継手100は、継手本体100A、ナット100B、筒体の各々が、樹脂製であってもよい。
【0038】
以上説明したように、第1実施形態に係る管継手100によれば、軸線方向において、筒体(インコア10)の長さL10は、筒体収容部(インコア収容部101)の内側の端面からナット100Bの外側の端面までの距離L11よりも長く設定されている。
これにより、パイプ(管)挿入施工後において、インコア10の一部が、継手本体100Aから軸線方向における外側に突出した状態となる。これにより、パイプ(管)挿入施工後において、継手本体100Aにインコア10が挿入されているか否かを、パイプ越しに、視認することができる。
【0039】
さらに、軸線方向において、筒体(インコア10)の長さL10は、筒体収容部(インコア収容部101)の内側の端面からナット100Bの外側の端面までの距離L11よりも0.5mm以上長く設定されている。
これにより、パイプ(管)挿入施工後において、インコア10(筒体)の一部が、継手本体100Aから軸線方向における外側に0.5mm以上突出した状態となる。これにより、パイプ(管)挿入施工後において、継手本体100Aにインコア10が挿入されているか否かを、パイプ越しに、視認するときの視認性が向上する。
【0040】
さらに、軸線方向において、筒体(インコア10)の長さL10は、凹部105の内側の端面105aからナット100Bの外側の端面までの軸線方向における距離よりも短く設定されている。
これにより、インコア10を継手本体100Aに第2端部12bから挿入し、インコア10が継手本体100Aから軸線方向における外側に突出せずに収納された状態で、管継手100を輸送・保管することができる。
【0041】
さらに、継手本体100A、ナット100B、筒体(インコア10)の各々は、樹脂によって形成されている。
これにより、管継手100を軽量化することができる。さらに、継手本体100A内(流路)を腐食性のある流体が流れた場合でも、管継手100が腐食し、流体が漏洩することを防止できる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る管継手100を、
図3から
図4を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同等の部分については、
図1及び
図2における、100番台を200番台、10番台を20番台、L1番台をH1番台、と表記を一部変更した符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0043】
本発明の第2実施形態に係る管継手100は、継手本体100A、ナット100B及び筒体(インコア10)の各々が、金属製である。ベース103と、スペーサ107と、ストップリング102と、の各々も適宜、金属によって形成されていてもよい。
【0044】
上記構成によれば、継手本体100A、ナット100B及び筒体(インコア10)の各々は、金属製である。
これにより、管継手100を高強度化することができる。
【0045】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0046】
ストップリング102が1つでもよく、3つ以上でもよい。
【0047】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0048】
100、200…管継手
100A、100A…継手本体
100B、200B…ナット(ブッシュ)
10、20…インコア(筒体)
105、205…凹部