(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056098
(43)【公開日】2023-04-19
(54)【発明の名称】落下防止用パッド
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20230412BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021165205
(22)【出願日】2021-10-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (イ) 配布開始日:令和3年9月14日 配布場所:第一工業株式会社(静岡県浜松市東区大島町955番地の9) 公開者名:第一工業株式会社 (ロ) 開催日 :2021年9月29日~2021年10月1日 展示会名:名古屋プラスチック工業展2021 主催者名:中部プラスチックス連合会 一般社団法人中部日本プラスチック製品工業協会 株式会社日刊工業新聞社 (ハ) ウェブサイトの掲載開始日: 令和3年9月10日 ウェブサイトのアドレス:YouTube「Dパッド 使い方拡がる編」 (https://www.youtube.com/watch?v=XsdFOUxzYfA) YouTube「Dパッド 取付&落下防止編」 (https://www.youtube.com/watch?v=wb71BB1trbo) YouTube「Dパッド 飛沫防止パーティション編」 (https://www.youtube.com/watch?v=FOEwWR7-8jI) YouTube「Dパッド 取付け編」 (https://www.youtube.com/watch?v=AtXgjAwndN8) 学校備品.com(https://www.gakkoubihin.com/) 公開者名:第一工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000208684
【氏名又は名称】第一工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】丹野 多喜夫
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NP00
3B053NP07
3B053NQ01
3B053NQ08
3B053NQ09
3B053NQ10
(57)【要約】
【課題】机の天板から大型の物品が落下することを効果的に防止できる、落下防止用パッドを提供する。
【解決手段】落下防止用パッド10は、天板14の上面14aに置かれた物品Xa~Xdが天板14の外周縁14bから落下することを防止するためのものである。落下防止用パッド10は、上面14aに載置される本体部24と、本体部24の下面を上面14aに接合するための接合部材26と、本体部24から上方へ突出して形成された第1壁部28および第2壁部30とを備えている。第1壁部28は、第1弾性材料で形成されており、第1壁部28の厚さは、物品Xdを支持可能な強度を確保できるように定められている。第2壁部30は、第1壁部28に対して外側から対向するように形成されている。落下防止用パッド10が天板14の外周部16に設置されたとき、第1壁部28および第2壁部30は、天板14の外周縁14bに沿って配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
机を構成する天板の外周部に設置され、前記天板の上面に置かれた物品が前記天板の外周縁から落下することを防止するための落下防止用パッドであって、
前記天板の上面に載置される本体部と、
前記本体部の下面を前記天板の上面に接合するための接合部材と、
前記本体部から上方へ突出して形成され、前記天板の外周縁に沿って配置される第1弾性材料からなる第1壁部とを備え、
前記第1壁部の厚さは、前記第1壁部に載せられた物品を支持可能な強度を確保できるように定められる、落下防止用パッド。
【請求項2】
前記第1壁部は、その上端部の厚さが上端へ向かうにつれて徐々に薄くなるように形成される、請求項1に記載の落下防止用パッド。
【請求項3】
前記第1壁部に載せられた物品の荷重を受ける前記第1壁部の支持面は、水平方向に対して傾斜して形成され、
前記第1壁部は、前記支持面に作用する物品の荷重で傾斜し得る強度で形成される、請求項1または2に記載の落下防止用パッド。
【請求項4】
前記天板の中央部が位置する側を内側とし、その反対側を外側としたとき、前記本体部の外側の第1端部には、前記天板の外周面に外側から対向する位置決め部が設けられる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の落下防止用パッド。
【請求項5】
前記天板の中央部が位置する側を内側とし、その反対側を外側としたとき、前記本体部の内側の第2端部は、前記第1壁部の基端部から内側へ突出するように形成され、
前記第2端部の上面は、外側から内側へ向けて高くなるように傾斜して形成される、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の落下防止用パッド。
【請求項6】
前記天板の中央部が位置する側を内側とし、その反対側を外側としたとき、前記第1壁部に対して外側から対向するように、前記本体部から上方へ突出して形成された第2壁部を備える、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の落下防止用パッド。
【請求項7】
前記第2壁部は、その上端の高さが前記第1壁部の上端の高さよりも高くなるように第2弾性材料によって形成され、
前記第2壁部の上端部の厚さは、前記第2壁部に載せられた物品の荷重で変形可能な強度を確保できるように定められる、請求項6に記載の落下防止用パッド。
【請求項8】
前記本体部、前記第1壁部および前記第2壁部は、同種の弾性材料によって一体的に形成される、請求項7に記載の落下防止用パッド。
【請求項9】
前記第2壁部の上端部の外側の面は、上端に向かうにつれて内側へ移行するように湾曲または傾斜して形成される、請求項6ないし8のいずれか1項に記載の落下防止用パッド。
【請求項10】
前記第1壁部および前記第2壁部は、平面視で前記本体部の下面と重なる位置に設けられる、請求項6ないし9のいずれか1項に記載の落下防止用パッド。
【請求項11】
前記第1壁部および前記第2壁部の少なくとも一方には、貫通孔が形成される、請求項6ないし10のいずれか1項に記載の落下防止用パッド。
【請求項12】
前記天板の上面で物品を支持する支持体と、前記支持体に設けられ、前記第1壁部と前記第2壁部との間に嵌め込まれて固定される固定部とを有する物品支持部材を備える、請求項6ないし11のいずれか1項に記載の落下防止用パッド。
【請求項13】
前記支持体および前記固定部は、金属線で構成される、請求項12に記載の落下防止用パッド。
【請求項14】
前記物品支持部材は、不使用時に、前記第2壁部に引っ掛けて、前記天板の外側で吊り下げることのできるように構成される、請求項13に記載の落下防止用パッド。
【請求項15】
前記物品支持部材における吊り下げられる部分は、物品を保持できるようにV字状に構成される、請求項13に記載の落下防止用パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机の天板から物品が落下することを防止するための落下防止用パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
学習机や事務机などを構成する天板の上面には、鉛筆、消しゴムおよびノートなどの様々な物品が置かれるため、これらの物品が天板から落下することを防止するための工夫が従来からなされてきた。例えば、下記特許文献1には、筆記具および印鑑などの転がり易い物品を適切に仮置きできる天板が開示されている。この天板は、天板本体と棒状のエッジ部材とを備えており、エッジ部材が天板本体の端面に取り付けられている。エッジ部材の上面には、凹溝が長さ方向へ延びて形成されており、エッジ部材と天板本体との境界部には、エッジ部材の上面から天板本体の上面に向けて段落ちするように段差部が形成されている。
【0003】
上記天板において、物品を凹溝に置いたときには、天板の外周縁に向けて移動しようとする物品の動きを凹溝の壁部によって阻止できる。また、物品を天板本体の上面に置いたときには、天板の外周縁に向けて移動しようとする物品の動きを段差部によって阻止できる。その結果、天板から物品が落下することを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された天板では、ノートパソコンおよびタブレット端末などの大型の物品の落下を防止することができないという問題があった。つまり、上記凹溝では、大型の物品を収容することができないため、大型の物品が天板の外周縁に向けて移動することを阻止することができなかった。また、上記段差部では、大型の物品が簡単に乗り越えてしまうため、大型の物品が天板の外周縁に向けて移動することを阻止することができなかった。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、机の天板から大型の物品が落下することを効果的に防止できる、落下防止用パッドを提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る落下防止用パッドの特徴は、机を構成する天板の外周部に設置され、前記天板の上面に置かれた物品が前記天板の外周縁から落下することを防止するための落下防止用パッドであって、前記天板の上面に載置される本体部と、前記本体部の下面を前記天板の上面に接合するための接合部材と、前記本体部から上方へ突出して形成され、前記天板の外周縁に沿って配置される第1弾性材料からなる第1壁部とを備え、前記第1壁部の厚さは、前記第1壁部に載せられた物品を支持可能な強度を確保できるように定められることにある。
【0008】
この構成によれば、天板の上面に置かれた物品の水平方向の動きを本体部および第1壁部で阻止できるので、ノートパソコンおよびタブレット端末などの大型の物品でも、天板の外周縁から落下することを防止できる。また、第1壁部が第1弾性材料で形成されるので、大型の物品を傾斜させた状態で第1壁部に載せた際には、当該物品の下面に第1壁部を密着させることができる。これによって、当該物品の滑りを抑制でき、当該物品が天板の外周縁から落下することを防止できる。
【0009】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記第1壁部は、その上端部の厚さが上端へ向かうにつれて徐々に薄くなるように形成されることにある。
【0010】
この構成によれば、第1壁部に載せられた物品と第1壁部との接触面積を小さくできるので、当該物品から第1壁部に作用する単位面積当たりの圧力を大きくでき、当該物品の滑りを効果的に抑制できる。
【0011】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記第1壁部に載せられた物品の荷重を受ける前記第1壁部の支持面は、水平方向に対して傾斜して形成され、前記第1壁部は、前記支持面に作用する物品の荷重で傾斜し得る強度で形成されることにある。
【0012】
この構成によれば、支持面に作用する物品の荷重で第1壁部を弾性的に傾斜させることができるので、物品の下面に第1壁部を密着させることができ、物品の滑りを効果的に抑制できる。
【0013】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記天板の中央部が位置する側を内側とし、その反対側を外側としたとき、前記本体部の外側の第1端部には、前記天板の外周面に外側から対向する位置決め部が設けられることにある。
【0014】
この構成によれば、位置決め部を天板の外周面に接触させることによって、本体部を天板の外周部の上面に簡単に位置決めできる。
【0015】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記天板の中央部が位置する側を内側とし、その反対側を外側としたとき、前記本体部の内側の第2端部は、前記第1壁部の基端部から内側へ突出するように形成され、前記第2端部の上面は、外側から内側へ向けて高くなるように傾斜して形成されることにある。
【0016】
この構成によれば、第2端部の上面が第1壁部の基端部から内側へ向けて高くなるように傾斜して形成されるので、第2端部の上面に置かれた物品が本体部から落ちることを防止できる。
【0017】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記天板の中央部が位置する側を内側とし、その反対側を外側としたとき、前記第1壁部に対して外側から対向するように、前記本体部から上方へ突出して形成された第2壁部を備えることにある。
【0018】
この構成によれば、本体部と第1壁部と第2壁部とによって溝が構成されるので、この溝に物品を配置することができる。
【0019】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記第2壁部は、その上端の高さが前記第1壁部の上端の高さよりも高くなるように第2弾性材料によって形成され、前記第2壁部の上端部の厚さは、前記第2壁部に載せられた物品の荷重で変形可能な強度を確保できるように定められることにある。
【0020】
この構成によれば、物品の荷重で第2壁部の上端部が変形されるので、物品の下面に第2壁部を密着させることができ、物品の滑りを効果的に抑制できる。第2壁部の上端部が変形されると、第2壁部の高さが低くなるが、第1壁部で物品を支持できるので、物品の高さを第1壁部の高さで保持できる。
【0021】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記本体部、前記第1壁部および前記第2壁部は、同種の弾性材料によって一体的に形成されることにある。
【0022】
この構成によれば、本体部、第1壁部および第2壁部を、同種の弾性材料を用いて簡単に形成できる。
【0023】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記第2壁部の上端部の外側の面は、上端に向かうにつれて内側へ移行するように湾曲または傾斜して形成されることにある。
【0024】
この構成によれば、机の近くを通る人や物が第2壁部に引っ掛かり難い。
【0025】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記第1壁部および前記第2壁部は、平面視で前記本体部の下面と重なる位置に設けられることにある。
【0026】
この構成によれば、使用時には、第1壁部および第2壁部の下方に天板が存在するので、第1壁部および第2壁部に載せられた物品の荷重や、第1壁部と第2壁部との間に配置された物品の荷重を安定的に受けることができる。
【0027】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記第1壁部および前記第2壁部の少なくとも一方には、貫通孔が形成されることにある。
【0028】
この構成によれば、物品から延びる給電用の電気コードなどを貫通孔に挿通させることができる。
【0029】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記天板の上面で物品を支持する支持体と、前記支持体に設けられ、前記第1壁部と前記第2壁部との間に嵌め込まれて固定される固定部とを有する物品支持部材を備えることにある。
【0030】
この構成によれば、物品支持部材を天板の上面に固定できるので、物品支持部材の支持体で物品を安定的に支持できる。
【0031】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記支持体および前記固定部は、金属線で構成されることにある。
【0032】
この構成によれば、金属線を曲げたり、つないだりするだけで、物品支持部材を簡単かつ安価に製造できる。
【0033】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記物品支持部材は、不使用時に、前記第2壁部に引っ掛けて、前記天板の外側で吊り下げることのできるように構成されることにある。
【0034】
この構成によれば、物品支持部材の不使用時に、物品支持部材を天板の上面から外れた位置で保持できるので、物品支持部材は邪魔にならない。
【0035】
本発明に係る落下防止用パッドの他の特徴は、前記物品支持部材における吊り下げられる部分は、物品を保持できるようにV字状に構成されることにある。
【0036】
この構成によれば、天板の外側で吊り下げられる部分で不使用時の物品を保持できるので、天板の上面を広く使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】第1実施形態に係る落下防止用パッドの使用状態を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る落下防止用パッドの構成を示す図であり、(A)は、後方から見た斜視図、(B)は、前方から見た斜視図ある。
【
図3】第1実施形態に係る落下防止用パッドの構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は底面図、(C)は右側面図、(D)は、(A)におけるIIID-IIID線断面図である。
【
図4】第2実施形態に係る落下防止用パッドの使用状態を示す斜視図である。
【
図5】(A)は、第2実施形態に係る落下防止用パッドの物品支持部材の構成を示す斜視図、(B)は、物品支持部材を使用しないときの状態を示す図である。
【
図6】第3実施形態に係る落下防止用パッドの使用状態を示す斜視図である。
【
図7】(A)は、第3実施形態に係る落下防止用パッドの物品支持部材の構成を示す斜視図、(B)は、物品支持部材を使用しないときの状態を示す図である。
【
図8】(A)は、第4実施形態に係る落下防止用パッドの使用状態を示す斜視図、(B)は、物品支持部材の構成を示す斜視図である。
【
図9】(A)は、他の物品支持部材の構成(第1状態)を示す斜視図、(B)は、他の物品支持部材の構成(第2状態)を示す斜視図である。
【
図10】第5実施形態に係る落下防止用パッドの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に係る落下防止用パッドの実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる「上・下・左・右・前・後」の各方向は、図面において矢印で示す各方向と一致する。
【0039】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る落下防止用パッド10の使用状態を示す斜視図である。
図1に示すように、落下防止用パッド10は、机12を構成する天板14の上面14aに置かれた物品Xa,Xb,Xc,Xdが天板14の外周縁14bから落下することを防止するためのものであり、少なくとも1個(本実施形態では5個)の落下防止用パッド10が天板14の外周部16に設置される。
図1に示す物品Xa,Xb,Xc,Xdは、具体的には、ノート,鉛筆,消しゴム,タブレット端末である。これらのうち、物品Xdは、落下しないように特に気を付けなければならない大型の物品である。
【0040】
図1に示すように、机12は、平面視で四角形の天板14と、天板14を支持する天板支持体18と、天板支持体18から下方へ延びて設けられた2本の脚部20と、天板14の上面14aよりも下方において天板支持体18の左側面および右側面のそれぞれから突出して設けられたフック部22とを有している。本実施形態で示す机12は、JIS規格に基づいて設計された学童机であり、天板14の左右方向長さが650mmに定められており、天板14の前後方向長さが450mmに定められている。なお、机12の大きさは、適宜変更されてもよい。また、机12の種類は、学童机に限定されるものではなく、事務机などであってもよい。
【0041】
図2は、落下防止用パッド10の構成を示す図であり、
図2(A)は、後方から見た斜視図、
図2(B)は、前方から見た斜視図ある。
図3は、落下防止用パッド10の構成を示す図であり、
図3(A)は正面図、
図3(B)は底面図、
図3(C)は右側面図、
図3(D)は、
図3(A)におけるIIID-IIID線断面図である。なお、
図2(A),(B)および
図3(A),(B),(C),(D)では、
図1に示す天板14の前端部に設置される落下防止用パッド10を示しており、
図1に示す全ての落下防止用パッド10は同一形状・同一サイズに形成されている。
【0042】
図2(A),(B)および
図3(A),(B),(C),(D)に示すように、落下防止用パッド10は、天板14の上面14a(
図1)に載置される本体部24と、本体部24の下面24aを天板14の上面14a(
図1)に接合するための接合部材26と、本体部24から上方へ突出して形成された第1壁部28および第2壁部30とを備えている。
【0043】
図2(A),(B)に示すように、本体部24は、落下防止用パッド10を天板14の上面14a(
図1)で安定させるための基礎となる部分であり、軟質塩化ビニルおよびポリウレタンなどの弾性材料によって、平面視で長方形の板状またはブロック状に形成されている。
図1に示すように、落下防止用パッド10を使用するとき、本体部24は、その長辺が天板14の外周縁14bと平行になるようにして、天板14の外周部16の上面14aに載置される。天板14の中央部が位置する側を内側とし、その反対側を外側としたとき、
図2(A),(B)に示す落下防止用パッド10では、「後」の方向が内側となり、「前」の方向が外側となる。
【0044】
図2(A),(B)に示すように、本体部24の外側(前側)の第1端部32には、天板14の外周面14c(
図1)に外側から対向する位置決め部34が設けられている。本実施形態の位置決め部34は、本体部24の第1端部32から下方へ突出して形成されており、位置決め部34における天板14の外周面14c(
図1)と対向する対向面34aは、本体部24の下面24aに対して垂直となるように形成されている。
図3(C)に示すように、第1端部32の上側の角部は、側面視で円弧状に湾曲して形成され、この角部の表面32aは、位置決め部34の外側(前側)の側面34bに対して、段差なく滑らかにつなげられている。
【0045】
図2(A),(B)に示すように、本体部24の内側(後側)の第2端部36は、後述する第1壁部28の基端部38から内側(後側)へ突出するように形成されている。第2端部36の上面36aは、外側(前側)から内側(後側)へ向けて高くなるように傾斜して形成されている。
図2(A)に示すように、第2端部36の上面36aは、第1壁部28の内側(後側)の側面28aに対して、側面視で円弧状の湾曲面40を介して滑らかにつなげられている。また、第2端部36の上側の角部および下側の角部のそれぞれは、側面視で円弧状に湾曲して形成されている。
【0046】
図3(A),(B),(C),(D)に示す接合部材26は両面テープであり、その一方の面が本体部24の下面24aに固定的に接合されている。接合部材26の接合強度は、本体部24を天板14(
図1)に接合したときに、物品Xa,Xb,Xc,Xdの移動を阻止でき、かつ、本体部24を天板14(
図1)から離脱させるときに、人の手の力で容易に離脱させることのできる程度に定められている。
【0047】
図3(C)に示すように、本実施形態の接合部材26は、本体部24の下面24aの内側(後側)に偏った位置に接合されている。したがって、本体部24の内側(後側)の第2端部36の下側の角部を支点P1とし、位置決め部34を力点P2とする梃子を想定したとき、位置決め部34(力点P2)を持ち上げる力によって、作用点P3を含む本体部24を梃子の原理で天板14から容易に離脱させることができる。
【0048】
図1に示す第1壁部28は、天板14の外周縁14bへ向かう物品Xa,Xb,Xcの移動を阻止するとともに、大型の物品Xd(本実施形態ではタブレット端末)を下方から支持する部分であり、本体部24から上方へ突出するように本体部24と一体的に形成されている。平面視における第1壁部28の位置は、本体部24の下面24aと重なる位置に定められている。つまり、第1壁部28は、平面視で本体部24の下面24aと重なる位置に設けられている。落下防止用パッド10の使用時には、第1壁部28が天板14の外周縁14bに沿って配置される。
【0049】
図2(A),(B)に示すように、本実施形態の第1壁部28は、軟質塩化ビニルおよびポリウレタンなどの本体部24と同種の弾性材料(第1弾性材料)によって、正面視で長方形(
図3(A))の板状に形成されている。第1壁部28の厚さは、第1壁部28に載せられた物品Xd(
図1)を支持可能な強度を確保できるように定められている。また、第1壁部28の上端部の厚さは、上端へ向かうにつれて徐々に薄くなるように定められている。
【0050】
図3(C)に示すように、物品Xd(
図1)の荷重を受ける第1壁部28の支持面42は、水平方向に対して傾斜して形成されている。本実施形態では、物品Xd(
図1)が傾斜した状態で第1壁部28に載せられるため、支持面42は、第1壁部28の頂点よりも内側(後側)に位置している。したがって、物品Xd(
図1)を第1壁部28に載せたときには、第1壁部28が、支持面42に作用する物品Xd(
図1)の荷重で外側(前側)に押され、その押圧力で第1壁部28が弾性的に傾けられる。つまり、第1壁部28は、物品Xd(
図1)の荷重で傾斜し得る形状および強度で形成されている。
【0051】
図2(A)に示すように、第1壁部28には、給電用の電気コードなどを挿通させるための2つの貫通孔44a,44bが形成されており、これらの貫通孔44a,44bは、上方へ向けて開かれている。
【0052】
図1に示す第2壁部30は、大型の物品Xd(本実施形態ではタブレット端末)を下方から支持する部分であり、第1壁部28に対して外側から対向するとともに、本体部24から上方へ突出するように、本体部24と一体的に形成されている。平面視における第2壁部30の位置は、本体部24の下面24aと重なる位置に定められている。つまり、第2壁部30は、平面視で本体部24の下面24aと重なる位置に設けられている。落下防止用パッド10の使用時には、第2壁部30が天板14の外周縁14bに沿って配置される。
【0053】
図2(A),(B)に示すように、本実施形態の第2壁部30は、軟質塩化ビニルおよびポリウレタンなどの本体部24および第1壁部28と同種の弾性材料(第2弾性材料)によって、背面視で長方形(
図2(B))の板状に形成されており、第2壁部30の上下方向長さは、第2壁部30の上端の高さが第1壁部28の上端の高さよりも高くなるように定められている。つまり、第2壁部30は、その上端の高さが第1壁部28の上端の高さよりも高くなるように形成されている。
【0054】
図3(C)に示すように、第2壁部30の全体の厚さは、第1壁部28の全体の厚さよりも薄く定められている。第2壁部30の上端部の厚さは、第2壁部30に載せられた物品Xd(
図1)の荷重で変形可能な強度を確保できるように定められている。第2壁部30の上端部の外側の側面30aは、上端に向かうにつれて内側へ移行するように湾曲(または傾斜)して形成されている。
【0055】
図2(B)に示すように、第2壁部30には、給電用の電気コードなどを挿通させるための2つの貫通孔46a,46bが形成されており、これらの貫通孔46a,46bは、上方へ向けて開かれている。本実施形態では、
図2(A)に示す第1壁部28の貫通孔44a,44bと、
図2(B)に示す第2壁部30の貫通孔46a,46bとが、前後方向において互いに対向して設けられている。したがって、貫通孔44a,44bと貫通孔46a,46bとに跨るように物品(図示省略)を配置することができる。
【0056】
図2(A),(B)に示すように、本実施形態では、第1壁部28と第2壁部30とが、前後方向に間隔を隔てて、互いに対向して設けられており、本体部24と第1壁部28と第2壁部30とによって、側面視でU字状の溝48が構成されている。
【0057】
図1に示すように、落下防止用パッド10を天板14の外周部16に設置するときには、本体部24の下面24a(
図3(B))と天板14の上面14aとが接合部材26で接合される。本実施形態では、天板14の前端部に3つの落下防止用パッド10が互いに間隔を隔てて設置され、天板14の左端部に1つの落下防止用パッド10が設置され、天板14の右端部に1つの落下防止用パッド10が設置される。これによって、天板14の前方、左方および右方へ物品Xa,Xb,Xc,Xdが落下することが防止される。また、大型の物品Xd(本実施形態ではタブレット端末)が、天板14の前端部に設置された3つの落下防止用パッド10のうちの1つに傾斜した状態で載せられる。これによって、天板14の上面14aを広く使うことができる。
【0058】
(効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、
図1に示す天板14の上面14aに置かれた物品Xa,Xb,Xc,Xdの水平方向の動きを本体部24および第1壁部28で阻止できるので、ノートパソコンおよびタブレット端末などの大型の物品Xdでも、天板14の外周縁14bから落下することを防止できる。また、第1壁部28が第1弾性材料で形成されるので、大型の物品Xdを傾斜させた状態で第1壁部28に載せた際には、当該物品Xdの下面に第1壁部28を密着させることができる。これによって、当該物品Xdの滑りを抑制でき、当該物品Xdが天板14の外周縁14bから落下することを防止できる。
【0059】
図2(A),(B)に示すように、(a)第1壁部28は、その上端部の厚さが上端へ向かうにつれて徐々に薄くなるように形成されるので、第1壁部28に載せられた物品Xdと第1壁部28との接触面積を小さくでき、物品Xdから第1壁部28に作用する単位面積当たりの圧力を大きくできる。(b)第1壁部28の支持面42に作用する物品Xdの荷重で第1壁部28を弾性的に傾斜させることができるので、物品Xdの下面に第1壁部28を密着させることができる。(c)物品Xdの荷重で第2壁部30の上端部が変形されるので、物品Xdの下面に第2壁部30を密着させることができる。これらの効果(a)~(c)の相乗作用によって、物品Xdの滑りを効果的に抑制できる。第2壁部30の上端部が変形されると、第2壁部30の高さが低くなるが、第1壁部28で物品Xdを支持できるので、物品Xdの高さが低くなり過ぎることを防止できる。
【0060】
本体部24の外側の第1端部32には、天板14の外周面14c(
図1)に外側から対向する位置決め部34が設けられるので、位置決め部34を天板14の外周面14c(
図1)に接触させることによって、本体部24を天板14の外周部16の上面14aに簡単に位置決めできる。
【0061】
本体部24の内側の第2端部36の上面36aは、外側から内側へ向けて高くなるように傾斜して形成されるので、第2端部36の上面36aに置かれた鉛筆やボールペンなどの物品(図示省略)が本体部24から転がり落ちることを防止できる。
【0062】
第2壁部30は、第1壁部28に対して外側から対向するように形成されており、本体部24と第1壁部28と第2壁部30とによって、側面視でU字状の溝48が構成されるので、この溝48に定規、下敷きおよび飛沫防止パネルなどの物品(図示省略)を配置することができる。また、本体部24、第1壁部28および第2壁部30を、同種の弾性材料を用いて簡単に形成できる。さらに、第2壁部30の上端部の外側の側面30aは、上端に向かうにつれて内側へ移行するように湾曲(または傾斜)して形成されるので、机12の近くを通る人や物が第2壁部30に引っ掛かり難い。
【0063】
図1に示すように、使用時には、第1壁部28および第2壁部30の下方に天板14が存在するので、第1壁部28および第2壁部30に載せられた物品Xdの荷重や、第1壁部28と第2壁部30との間に配置された物品(図示省略)の荷重を安定的に受けることができる。第1壁部28および第2壁部30には、貫通孔44a,44bおよび貫通孔46a,46bが形成されているので、物品Xdから延びる給電用の電気コードなどをこれらの貫通孔44a,44b,46a,46bに挿通させることができる。
【0064】
(変形例)
本発明の実施にあたっては、上記の実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、第1壁部28に2つの貫通孔44a,44bが形成され、かつ、第2壁部30に2つの貫通孔46a,46bが形成されているが、第1壁部28および第2壁部30のそれぞれに形成される貫通孔の数は、1つまたは3つ以上であってもよい。また、これらの貫通孔は省略されてもよい。
【0065】
上記実施形態では、接合部材26として両面テープが用いられているが、接合部材26の種類は、特に限定されるものではなく、面ファスナー、接着剤、粘着性ジェルシートまたはクランプなどが用いられてもよい。面ファスナーが用いられる場合には、互いに離脱可能に接合される一方のファスー片が天板14の外周部16の上面14aに固定的に接合され、他方のファスナー片が本体部24の下面24aに固定的に接合される。
【0066】
上記実施形態では、第2壁部30の上端の高さが第1壁部28の上端の高さよりも高くなっているが、第2壁部30の上端の高さは、第1壁部28の上端の高さよりも低くなっていてもよい。この場合でも、溝48を構成できるので、溝48に物品を配置することができる。なお、この場合には、第2壁部30を物品Xdの下面に接触させることができないので、第2壁部30は、弾性を有しない材料で形成されてもよい。さらに、第2壁部30は省略されてもよい。
【0067】
上記実施形態では、本体部24の外側の第1端部32に位置決め部34が設けられているが、この位置決め部34は省略されてもよい。また、本体部24の内側の第2端部36の上面36aは、外側から内側へ向けて低くなるように傾斜して形成されてもよいし、一定の高さで水平に形成されてもよい。
【0068】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る落下防止用パッド50の使用状態を示す斜視図である。
図5(A)は、落下防止用パッド50の物品支持部材52の構成を示す斜視図、
図5(B)は、物品支持部材52を使用しないときの状態を示す図である。
【0069】
図4に示す落下防止用パッド50は、第1実施形態に係る落下防止用パッド10と同様に、本体部24、接合部材26(図示省略)、第1壁部28および第2壁部30を備えており、さらに、物品支持部材52を備えている。物品支持部材52は、天板14の上面14aで書籍などの物品Xdを支持する支持体54と、支持体54に設けられ、第1壁部28と第2壁部30との間に嵌め込まれて固定される固定部56とを有している。物品Xdは、傾斜した状態で支持体54によって支持される。
【0070】
図5(A)に示すように、物品支持部材52は、金属線を曲げたり、つないだりすることによって、側面視で逆V字状に形成されている。物品支持部材52の外側(前側)の端部を構成する金属線は、左右方向に延びて配置されており、この左右方向に延びる部分が固定部56となっている。一方、物品支持部材52の内側(後側)の端部を構成する金属線は、左右方向に延びて配置されるとともに、左右方向の両端部においてフック状に折り曲げられており、この左右方向に延びる部分が物品Xd(
図4)に引掛けられる引掛け部58となっている。そして、物品支持部材52から固定部56を除いた残りの部分(引掛け部58を含む。)が支持体54となっている。
【0071】
図5(B)に示すように、物品支持部材52を使用しないときには、物品支持部材52の内側(後側)の端部である引掛け部58が、第1壁部28と第2壁部30との間に配置され、物品支持部材52の引掛け部58を除いた残りの部分60が天板14の外側(前側)で吊り下げられる。つまり、物品支持部材52は、不使用時に、端部を第2壁部30に内側(後側)から引っ掛けて、残りの部分60(固定部56を含む。)を天板14の外側(前側)で吊り下げることのできるように構成されている。吊り下げられた物品支持部材52における上記の残りの部分60は、上方へ向けて開くV字状になる。
【0072】
図4に示すように、第2実施形態に係る落下防止用パッド50によれば、物品支持部材52を天板14の上面14aに固定できるので、物品支持部材52の支持体54で物品Xdを安定的に支持できる。また、金属線を曲げたり、つないだりするだけで、物品支持部材52を簡単かつ安価に製造できる。
【0073】
図5(B)に示すように、物品支持部材52の不使用時には、物品支持部材52を天板14の上面14aから外れた位置で保持できるので、物品支持部材52は邪魔にならない。また、吊り下げられたV字状の部分すなわち上記の残りの部分60で不使用時の物品(図示省略)を保持できるので、天板14の上面14aを広く使うことができる。
【0074】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係る落下防止用パッド62の使用状態を示す斜視図である。
図7(A)は、落下防止用パッド62の物品支持部材64の構成を示す斜視図、
図7(B)は、物品支持部材64を使用しないときの状態を示す図である。
【0075】
図6に示す落下防止用パッド62は、第1実施形態に係る落下防止用パッド10と同様に、本体部24、接合部材26(図示省略)、第1壁部28および第2壁部30を備えており、さらに、物品支持部材64を備えている。物品支持部材64は、天板14の上面14aでパーソナルコンピューターなどの物品Xdを支持する支持体66と、支持体66に設けられ、第1壁部28と第2壁部30との間に嵌め込まれて固定される固定部68とを有している。物品Xdは、傾斜した状態で支持体66によって支持される。
【0076】
図7(A)に示すように、物品支持部材64は、金属線を曲げたり、つないだりすることによって、平面視で四角形の枠状に形成されている。物品支持部材64の外側(前側)の端部には、左右方向に延びる補助線材70が架け渡されており、補助線材70の左右方向中央部は、下方へ突出するように折り曲げられている。この突出された部分が固定部68となっている。一方、物品支持部材64の内側(後側)の端部を構成する金属線は、左右方向に延びて配置されるとともに、左右方向の両端部で上方へ向けて突出するように折り曲げられている。この左右方向に延びる部分が物品Xd(
図6)に引掛けられる引掛け部72となっている。そして、物品支持部材64から固定部68を除いた残りの部分(引掛け部72を含む。)が支持体66となっている。
【0077】
図7(B)に示すように、物品支持部材64を使用しないときには、物品支持部材64の内側(後側)の端部である引掛け部72が、第1壁部28と第2壁部30との間に配置され、物品支持部材64の引掛け部72を除いた残りの部分74が天板14の外側(前側)で吊り下げられる。つまり、物品支持部材64は、不使用時に、端部を第2壁部30に内側(後側)から引っ掛けて、残りの部分74(固定部68を含む。)を天板14の外側(前側)で吊り下げることのできるように構成されている。
【0078】
(第4実施形態)
図8(A)は、第4実施形態に係る落下防止用パッド76の使用状態を示す斜視図、
図8(B)は、落下防止用パッド76の物品支持部材78の構成を示す斜視図である。
【0079】
図8(A)に示す落下防止用パッド76は、第1実施形態に係る落下防止用パッド10と同様に、本体部24、接合部材26(図示省略)、第1壁部28および第2壁部30を備えており、さらに、2つの物品支持部材78を備えている。物品支持部材78は、天板14の上面14aでタブレット端末などの物品Xdを支持する支持体80と、支持体80に設けられ、第1壁部28と第2壁部30との間に嵌め込まれて固定される固定部82とを有している。物品Xdは、傾斜した状態で支持体80によって支持される。
【0080】
図8(B)に示すように、物品支持部材78は、細長い金属板を折り曲げることによって、側面視で逆V字状に形成されている。物品支持部材78の頂点よりも外側(前側)の第1部分78aは、鉛直方向へ延びて形成されており、この第1部分78aが固定部82となっている。一方、物品支持部材78の頂点よりも内側(後側)の第2部分78bは、傾斜して形成されており、第2部分78bの先端部には、第2部分78bが上方へ向けて折り曲げられることによって、物品Xd(
図8(A))に引掛けられる引掛け部84が形成されている。そして、物品支持部材78から固定部82を除いた残りの部分(引掛け部84を含む。)が支持体80となっている。
図8(A)に示すように、不使用時の物品支持部材78は、机12のフック部22に引掛けられる。
【0081】
図9(A)は、他の物品支持部材86の構成(第1状態)を示す斜視図、
図9(B)は、他の物品支持部材86の構成(第2状態)を示す斜視図である。
図4、
図6および
図8に示す上記の物品支持部材52,64,78は、
図9(A),(B)に示す物品支持部材86に変更されてもよい。
【0082】
物品支持部材86は、
図9(A)に示す第1状態と、
図9(B)に示す第2状態とを選択的に取ることができるように構成されたものであり、物品(図示省略)を支持する支持体88と、支持体88に設けられ、
図2(A),(B)に示す第1壁部28と第2壁部30との間に嵌め込まれて固定される固定部90とを有している。
【0083】
図9(A),(B)に示すように、支持体88は、複数の細長い板状の部材によって側面視で三角形の立体形状に形成されている。三角形の斜辺を構成する支持体88の第1面88aは、物品を支持する支持面となっている。三角形の残りの2辺を構成する第2面88bおよび第3面88cは、異なる長さで形成されており、選択的に下方へ向けられる。つまり、
図9(A)に示す第1状態では、長い方の第2面88bが下方へ向けられ、これによって、物品支持部材86の前後方向長さが長くされるとともに、その高さが低くされる。
図9(B)に示す第2状態では、短い方の第3面88cが下方へ向けられ、これによって、物品支持部材86の前後方向長さが短くされるとともに、その高さが高くされる。
【0084】
図9(A)に示す第1状態において、第1面88aの内側(後側)の端部には、物品(図示省略)に引掛けられる第1引掛け部92が、上方へ突出して左右方向へ延びて形成されている。
図9(B)に示す第2状態において、第1面88aの内側(後側)の端部には、物品(図示省略)に引掛けられる2つの第2引掛け部94が、上方へ突出して左右方向へ間隔を隔てて形成されている。
【0085】
固定部90は、
図9(A)に示す第1状態において、第1壁部28と第2壁部30との間に嵌め込まれる板状の第1固定片90aと、
図9(B)に示す第2状態において、第1壁部28と第2壁部30との間に嵌め込まれる板状の第2固定片90bとを有している。第1固定片90aおよび第2固定片90bは、側面視でL字状につながって、左右方向へ延びて形成されている。
【0086】
(第5実施形態)
図10は、第5実施形態に係る落下防止用パッド96の構成を示す斜視図である。
図10に示す落下防止用パッド96は、
図2(A)に示す落下防止用パッド10を変形したものである。つまり、落下防止用パッド96では、落下防止用パッド10に形成されている貫通孔44a,44b,46a,46bの全てが省略されており、全体的に丸みを帯びた一体感の強い形状に形成されている。そして、本体部24の内側の第2端部36の左右方向両端部には、第2端部36の上面36aに置かれた物品(図示省略)の落下を防止するための左側壁98aおよび右側壁98bが形成されている。
【符号の説明】
【0087】
Xa,Xb,Xc,Xd…物品、10…落下防止用パッド、12…机、14…天板、14a…上面、14b…外周縁、16…外周部、24…本体部、26…接合部材、28…第1壁部、30…第2壁部、32…第1端部、34…位置決め部、36…第2端部、42…支持面。