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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056125
(43)【公開日】2023-04-19
(54)【発明の名称】自動倉庫用コンテナ及び自動倉庫
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/04 20060101AFI20230412BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20230412BHJP
   B65D 21/02 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
B65D6/04 A
B65G1/04 555A
B65D21/02 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021165252
(22)【出願日】2021-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(71)【出願人】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】二階堂 勝
(72)【発明者】
【氏名】井上 将成
【テーマコード(参考)】
3E006
3E061
3F022
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006BA01
3E006CA01
3E006DA01
3E006EA01
3E061AA02
3E061AB12
3E061CA25
3E061DA07
3E061DB11
3E061DB12
3F022EE09
3F022FF01
3F022JJ11
(57)【要約】
【課題】ラベルが擦れることを抑制できるようにすることを目的とする。
【解決手段】自動倉庫用コンテナ10は、自動倉庫においてコンベアによって搬送されると共に、移載装置による押し引きによって移載される。自動倉庫用コンテナ10は、段ボールプラスチックによって形成されて、底板部22と複数の側板部24とを有する筐体部20と、前記複数の側板部24のうち第1側板部24Bの外面に設けられたラベル60と、前記第1側板部24Bの前記外面における前記ラベル60の側方位置及び/又は上下位置に設けられて、前記第1側板部24Bの厚み方向に沿って前記ラベル60よりも外側に張出しているカバー部62と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動倉庫においてコンベアによって搬送されると共に、移載装置による押し引きによって移載される自動倉庫用コンテナであって、
段ボールプラスチックによって形成されて、底板部と複数の側板部とを有する筐体部と、
前記複数の側板部のうち第1側板部の外面に設けられたラベルと、
前記第1側板部の前記外面における前記ラベルの側方位置及び/又は上下位置に設けられて、前記第1側板部の厚み方向に沿って前記ラベルよりも外側に張出しているカバー部と、
を備える、自動倉庫用コンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載の自動倉庫用コンテナであって、
前記ラベルと前記カバー部との間隔は、前記ラベルと前記カバー部とが並ぶ方向における前記ラベルの寸法よりも小さい、自動倉庫用コンテナ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の自動倉庫用コンテナであって、
前記複数の側板部のうち前記第1側板部の両隣の側板部が第2側板部及び第3側板部とされ、
前記第1側板部において、前記第2側板部の側の端部に第1の前記カバー部が設けられ、前記第3側板部の側の端部に第2の前記カバー部が設けられ、第1の前記カバー部と第2の前記カバー部との間に前記ラベルが設けられる、自動倉庫用コンテナ。
【請求項4】
請求項3に記載の自動倉庫用コンテナであって、
前記第2側板部において、前記第1側板部の側の端部に第3の前記カバー部が設けられ、
前記第3側板部において、前記第1側板部の側の端部に第4の前記カバー部が設けられている、自動倉庫用コンテナ。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の自動倉庫用コンテナであって、
前記第1側板部及び前記第2側板部の角部を含む部分において、前記第1側板部の上端部及び前記第2側板部の上端部に嵌る第1コーナー補強部と、
前記第1側板部及び前記第3側板部の角部を含む部分において、前記第1側板部の上端部及び前記第3側板部の上端部に嵌る第2コーナー補強部と、をさらに備える、自動倉庫用コンテナ。
【請求項6】
請求項5に記載の自動倉庫用コンテナであって、
第1の前記カバー部と前記第1コーナー補強部とは互いに別に成形されて前記筐体部に固定された部材であり、
第2の前記カバー部と前記第2コーナー補強部とは互いに別に成形されて前記筐体部に固定された部材である、自動倉庫用コンテナ。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の自動倉庫用コンテナであって、
前記第1コーナー補強部と前記第2コーナー補強部との間において、前記第1側板部の上端に嵌る上端補強部をさらに備え、
前記ラベルが前記上端補強部の下方に設けられている、自動倉庫用コンテナ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の自動倉庫用コンテナであって、
前記第1側板部よりも上方に突出するリブをさらに備え、
前記カバー部及び前記リブは、複数の自動倉庫用コンテナが積み重なった際、上側の自動倉庫用コンテナの前記第1側板部のうち前記カバー部よりも下側部分の側方を、下側の自動倉庫用コンテナの前記リブが支持できるような関係を有する、自動倉庫用コンテナ。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の自動倉庫用コンテナであって、
前記カバー部は樹脂製である、自動倉庫用コンテナ。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の自動倉庫用コンテナであって、
前記第1側板部の高さ方向において前記ラベルの下端は前記カバー部の下端と同じ高さかそれよりも高い、自動倉庫用コンテナ。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の自動倉庫用コンテナと、
前記自動倉庫用コンテナを保管する保管棚と、
前記自動倉庫用コンテナを、前記保管棚に向けて又は前記保管棚から、搬送する搬送部と、
を備え、
前記搬送部は、前記コンベア及び前記移載装置を含み、
前記搬送部による前記自動倉庫用コンテナの搬送時に、前記搬送部と前記カバー部とが接触する、自動倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、自動倉庫用コンテナ及び自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、プラスチック段ボールから構成される底板、複数の側板を有する筐体と、隣接する複数の側板における上端縁の角部に固定される角部材と、複数の側板の上端縁に取り付けられる縁部材とからなる簡易組立式収納箱を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-166894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動倉庫に用いられるコンテナの表面には、ラベルが貼られることがある。また自動倉庫において、コンテナの入出庫時などに、コンテナの表面が擦れることがある。この際、コンテナの表面に貼られたラベルが擦れると、ラベルが傷ついたり剥がれたりする恐れがある。
【0005】
そこで、本開示は、ラベルが擦れることを抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、自動倉庫用コンテナは、自動倉庫においてコンベアによって搬送されると共に、移載装置による押し引きによって移載される自動倉庫用コンテナであって、段ボールプラスチックによって形成されて、底板部と複数の側板部とを有する筐体部と、前記複数の側板部のうち第1側板部の外面に設けられたラベルと、前記第1側板部の前記外面における前記ラベルの側方位置及び/又は上下位置に設けられて、前記第1側板部の厚み方向に沿って前記ラベルよりも外側に張出しているカバー部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この自動倉庫用コンテナによると、カバー部がラベルよりも外側に張出しているため、自動倉庫における搬送部などに対してラベルよりもカバー部が接触しやすい。このため、自動倉庫用コンテナに設けられたラベルが擦れることがカバー部によって抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る自動倉庫用コンテナを示す平面図である。
図2】実施形態に係る自動倉庫用コンテナを示す正面図である。
図3】実施形態に係る自動倉庫用コンテナを示す側面図である。
図4】2つの自動倉庫用コンテナが積み重なった様子を示す断面図である。
図5】段ボールプラスチックを示す部分切欠き斜視図である。
図6】筐体部の展開図である。
図7】筐体部を組み立てる様子を説明する図である。
図8】自動倉庫用コンテナが用いられる自動倉庫の一例を示す概略側面図である。
図9】自動倉庫を示す概略平面図である。
図10】物品移載装置を示す概略斜視図である。
図11】自動倉庫における格納物の流れを示す概略平面図である。
図12】自動倉庫における格納物の流れを示す概略正面図である。
図13】自動倉庫における格納物の流れを示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る自動倉庫用コンテナについて説明する。図1は、実施形態に係る自動倉庫用コンテナ10を示す平面図である。図2は、実施形態に係る自動倉庫用コンテナ10を示す正面図である。図3は、実施形態に係る自動倉庫用コンテナ10を示す側面図である。図4は、図2のIV-IV線に沿った断面図である。なお、図4において、別の自動倉庫用コンテナ10が仮想線で示されて、複数の自動倉庫用コンテナ10群が積み重なった様子が示されている。
【0010】
自動倉庫用コンテナ10(以下、単にコンテナ10と呼ぶことがある)は、自動倉庫70(図8参照)において、搬送部によって搬送される。当該搬送部による搬送時に、コンテナ10における外向きの側面が、搬送部と接触することがある。コンテナ10は、筐体部20とラベル60とカバー部62とを備える。
【0011】
筐体部20は、底板部22と複数の側板部24とを有する。複数の側板部24は、底板部22から突出する。底板部22のうち側板部24が突出する側の面が、物品100が載置される内面であり、反対側の面が外面である。
【0012】
筐体部20の形状及び大きさは、特に限定されるものではなく適宜設定可能である。例えば、底板部22の平面形状は、矩形状であってもよい。本例では、底板部22の平面形状は、長方形状である。長方形状の底板部22の各辺に相当する4つの外縁からそれぞれ側板部24が突出する。従ってここでは、1つの底板部22から4つの側板部24が突出する。4つの側板部24の底板部22からの突出寸法、つまり高さ寸法は、同じである。以下では、4つの側板部24のうち、底板部22の長辺から突出する2つの側板部24を側板部24Aと呼び、底板部22の短辺から突出する2つの側板部24を側板部24Bと呼ぶことがある。側板部24にはコンテナ10の取手となる貫通孔25が形成されていてもよい。本例では、側板部24Bに貫通孔25が形成されていてもよい。
【0013】
本例では、底板部22及び側板部24は同じ種類の板材によって形成されているため、底板部22の厚みと側板部24の厚みとは、同じである。また本例では、筐体部20は扁平に形成されている。底板部22の平面の大きさは、複数の側板部24のいずれの平面の大きさよりも大きい。底板部22の表面積は、複数の側板部24の表面積の合計よりも大きい。側板部24の高さ寸法が、底板部22の短辺の長さ寸法よりも小さい。側板部24の高さ寸法が、底板部22の短辺の長さ寸法の4分の1以下である。
【0014】
筐体部20は、段ボールプラスチックを材料として形成されている。段ボールプラスチックについて、図5を参照しつつ説明する。図5は、段ボールプラスチック30を示す部分切欠き斜視図である。
【0015】
段ボールプラスチック30は、例えば、ポリプロピレン又はポリカーボネートなどの樹脂材料によって形成される。段ボールプラスチック30は、中空であることによって、重量のわりに高い剛性を有する。段ボールプラスチック30は、一対の平板部32と、連結部34とを有する。
【0016】
各平板部32は、両面が平坦な平板状に形成されている。一対の平板部32は、互いに離れている。一対の平板部32は、互いに平行である。連結部34は、一対の平板部32の間に設けられる。連結部34は、一対の平板部32を連結する。連結部34の平面形状は、平板部32の平面形状よりも小さい。連結部34は、一対の平板部32のうち一部を連結している。一対の平板部32の間において、連結部34がない部分が空隙36とされる。段ボールプラスチック30において、平板部32及び連結部34に囲まれる空間が生じている。
【0017】
本例では、連結部34としていわゆるハニカム構造が採用されている。具体的には、連結部34は、横断面が六角形である複数の筒部35を有する。複数の筒部35は、各筒部35の軸心方向が一対の平板部32が並ぶ方向に沿うように並んでいる。各筒部35の一端部が一対の平板部32の一方に連結され、各筒部35の他端部が一対の平板部32の他方に連結される。段ボールプラスチック30において、1つの筒部35及び一対の平板部32に囲まれる1つの空隙36は、他の筒部35及び一対の平板部32に囲まれる空隙36から独立している。段ボールプラスチック30において、互いに独立した複数の空隙36が形成されている。段ボールプラスチック30において、各空隙36は、閉鎖空間とされる。
【0018】
もっとも連結部34としてハニカム構造に代えて別の構造が採用されていてもよい。例えば、連結部34は、互いに平行な複数の板部を有していてもよい。この場合、段ボールプラスチック30の横断面は、はしご状を呈する。
【0019】
段ボールプラスチック30から筐体部20を製造する様子について、図6及び図7を参照しつつ説明する。図6は、筐体部20の展開図である。図7は、筐体部20を組み立てる様子を説明する図である。なお、以下に示す筐体部20の製造方法は一例であり、筐体部20は他の製造方法によって製造されてもよい。
【0020】
まず、図6に示すように、段ボールプラスチック30を材料とする3つの基材38、39、39が用意される。1つの基材38は、底板部22及び一対の側板部24Aに対応する大きさを有する。2つの基材39、39は、それぞれ側板部24Bに対応する大きさを有する。
【0021】
基材38において、底板部22と側板部24Aとの間に折目38aが形成される。図7に示す例では、折目38aとして、切り欠きが形成されている。平板部32に対して45度の角度をなす切れ目が、底板部22側及び側板部24A側から入れられる。底板部22側の切れ目と側板部24A側の切れ目とが、基材38の厚み方向に沿った中間部で交わることによって、底板部22の一部及び側板部24Aの一部が切り欠かれて、折目38aとされる。
【0022】
基材38が、折目38aで折り曲げられる。側板部24Aにおいて切り欠かれた部分が、底板部22において切り欠かれた部分と接する。互いに接する部分が溶接されて、側板部24Aが底板部22に直交するように底板部22から突出した状態に維持される。なお、底板部22の切れ目及び側板部24Aの切れ目が、平板部32の外面まで達して、底板部22と側板部24Aとは完全に分離していてもよい。
【0023】
2つの基材39、39が、底板部22及び一対の側板部24Aの間にはめ込まれる。基材38と基材39とが接する部分(側板部24Bが底板部22及び一対の側板部24Aと接する部分)が、それぞれ樹脂溶接されて、筐体部20が完成となる。図4において、これらの溶接部のうち底板部22と、側板部24Bとの溶接部W1が仮想線で示されている。
【0024】
コンテナ10において、筐体部20には、上端補強部材40及びコーナー補強部材50が設けられている。上端補強部材40は、筐体部20の上端部を補強する。コーナー補強部材50は、筐体部20のコーナー部を補強する。4つの側板部24のそれぞれに上端補強部材40が設けられている。側板部24Aと側板部24Bとが交わる4つのコーナー部のそれぞれにコーナー補強部材50が設けられている。
【0025】
上端補強部材40は、天井壁42と内壁43と外壁44とを有する。天井壁42と内壁43と外壁44とに囲まれる部分が溝46となっている。溝46は直線状に延在する。溝46に側板部24の上端部が嵌っている。天井壁42は側板部24の上方に位置する。天井壁42は側板部24の上端の端面を覆う。内壁43は側板部24の内側に位置する。内壁43は側板部24の内面を覆う。外壁44は側板部24の外側に位置する。外壁44は側板部24の外面を覆う。上端補強部材40は、自身の溝46に嵌っている側板部24よりも若干短く形成されている。
【0026】
コーナー補強部材50は、天井壁52と内壁53と外壁54とリブ58とを有する。天井壁52と内壁53と外壁54とに囲まれる部分が溝56となっている。溝56はL字状に延在する。溝56に筐体部20のコーナー部が嵌っている。L字状の溝56の一端部に側板部24Aが嵌り、L字状の溝56の他端部に側板部24Bが嵌る。天井壁52は側板部24の上方に位置する。天井壁52は側板部24の先端面を覆う。内壁53は側板部24の内側に位置する。内壁53は側板部24の内面を覆う。外壁54は側板部24の外側に位置する。外壁54は側板部24の外面を覆う。
【0027】
リブ58は、天井壁52から上方に突出する。リブ58は、外壁54と同様に筐体部20よりも外側に設けられる。リブ58の外面と、外壁54の外面とが面一である。リブ58の高さ寸法(天井壁52からの突出寸法)は、コンテナ10におけるコーナー補強部材50よりも下側の部分の高さ寸法と同じかそれよりも小さい。複数のコンテナ10が積み重なった際、上側のコンテナ10における下面が、下側のコンテナ10の天井壁52における上面に載置される。複数のコンテナ10が積み重なった際、上側のコンテナ10における外壁54の下端の端面が、下側のコンテナ10におけるリブ58の上端の端面と接触しない。
【0028】
ここでは上端補強部材40の端部がコーナー補強部材50の溝56に嵌っている。上端補強部材40の一端部が一つのコーナー補強部材50の溝56に嵌り、上端補強部材40の他端部が別のコーナー補強部材50の溝56に嵌っている。
【0029】
上端補強部材40及びコーナー補強部材50は、樹脂製又は金属製である。上端補強部材40及びコーナー補強部材50は、同じ種類の材料で形成されていてもよいし、互いに異なる種類の材料で形成されていてもよい。例えば、上端補強部材40が金属製であり、コーナー補強部材50が樹脂製であってもよい。
【0030】
上端補強部材40及びコーナー補強部材50はリベットR1を介して筐体部20に固定されている。リベットR1は、上端補強部材40及びコーナー補強部材50が重なる部分に設けられている。上端補強部材40及びコーナー補強部材50が共通のリベットR1によって固定されている。リベットR1の先端部は、外壁54の外側から外壁54、44を貫通し、側板部24の内部に係止している。リベットR1の先端部は、内壁43、53を貫通しておらず、筐体の内面側に露出していない。外壁54、44において、リベットR1の先端部が貫通する部分には、予め貫通孔が形成されていてもよい。
【0031】
なお、筐体部20に上端補強部材40及びコーナー補強部材50が設けられることは必須の構成ではない。上端補強部材40及びコーナー補強部材50のいずれか一方又は両方が省略されてもよい。また、上端補強部材40及びコーナー補強部材50が接着剤などのリベットR1以外の固定態様で固定されていてもよい。
【0032】
ラベル60には、例えば、識別部61が設けられる。識別部61は、自動倉庫70に用いられる複数のコンテナ10を互いに識別するための部分である。コンテナ10ごとに互いに異なる識別部61を用いて、例えば、自動倉庫70における各コンテナ10の保管位置データなどが作成される。識別部61は、特に限定されるものではないが、読取機で読み取り可能なものであると良い。例えば、識別部61は、バーコードなどの2次元コードであってもよいし、RFIDタグなどであってもよい。例えば、ラベル60は、フィルムの一方面に識別部61が印刷されたものであってもよい。ラベル60は、当該フィルムの他方面に設けられた接着剤又は粘着剤によって、筐体部20に貼り付けられていてもよい。
【0033】
ラベル60は、コンテナ10における外向きの側面に設けられている。ラベル60は、側板部24の外面に設けられている。ラベル60は、側板部24の外面のうち上端補強部材40及びコーナー補強部材50よりも下方の空いている部分に設けられる。自動倉庫70においてコンテナ10の搬送中にコンテナ10の側面が搬送部と接触し得る。このとき、ラベル60が擦れて、傷ついたり、剥がれたりすると識別部61の識別にエラーが生じうる。これを抑制するため、コンテナ10の側面にはカバー部62が設けられている。
【0034】
カバー部62は、側板部24の外面に設けられている。カバー部62は、ラベル60の側方位置及び/又は上下位置に設けられている。本例では、側板部24の高さが低く、また側板部24の上方には上端補強部材40及びコーナー補強部材50が設けられているため、ラベル60の上下位置にはスペースが少ない。このため、カバー部62は、ラベル60の上下位置には設けられておらず、ラベル60の側方位置に設けられている。側板部24の高さが高いか、側板部24の上方に上端補強部材40及びコーナー補強部材50が設けられていないなどによって、ラベル60の上下位置にカバー部62を設けるのに十分なスペースがある場合、ラベル60の上下位置にカバー部62が設けられていてもよい。
【0035】
カバー部62は、側板部24の厚み方向に沿ってラベル60よりも外側に張出している。これにより、自動倉庫70においてコンテナ10の搬送中にコンテナ10の側面が搬送部と接触する際、ラベル60よりもカバー部62が搬送部と接触しやすくなり、もってラベル60が擦れることが抑制される。
【0036】
カバー部62の外面の少なくとも一部が、側板部24の厚み方向に沿ってラベル60よりも外側に張出していればよい。本例では、カバー部62は一様な厚みを有する平板状部材であり、カバー部62の外面全体がラベル60よりも外側に張出している。カバー部62の外面が内外方向に段差を有しており、外側に突出する部分のみがラベル60よりも外側に張出してもよい。
【0037】
カバー部62及びラベル60は、同一平面上に設けられる。カバー部62の厚みがラベル60の厚みよりも厚いことによって、側板部24の厚み方向に沿ってカバー部62がラベル60よりも外側に張出している。カバー部62の厚み及びラベル60の厚みは特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、ラベル60の厚みが外壁44の厚みよりも薄く、カバー部62の厚みが外壁44の厚みよりも厚くてもよい。カバー部62の厚みは、外壁44の厚みと外壁54の厚みとの和以下であるとよい。これにより、カバー部62がコーナー補強部材50よりも外側に張出すことが抑制される。
【0038】
本例では、カバー部62は、4つの側板部24のそれぞれに設けられている。各側板部24に2つのカバー部62が設けられている。1つのコンテナ10に8つのカバー部62が設けられている。各側板部24において、両側の角部に隣接した位置にそれぞれカバー部62が設けられている。水平方向における各カバー部62の寸法は、水平方向における側板部24Bの寸法(底板部22の短辺の寸法)の半分よりも短尺である。各側板部24において、2つのカバー部62は水平方向に離れて設けられている。
【0039】
本例では、ラベル60は、2種類の側板部24A、24Bのうち側板部24Bにのみ設けられ、側板部24Aには設けられていない。ラベル60は、2種類の側板部24A、24Bのうち側板部24Aにのみ設けられ、側板部24Bには設けられていなくてもよい。ラベル60は、2種類の側板部24A、24Bの両方に設けられていてもよい。ラベル60は、2つの側板部24Bのうち一方の側板部24Bにのみ設けられていてもよいし、2つの側板部24Bの両方に設けられていてもよい。
【0040】
ラベル60が設けられた側板部24Bが、第1側板部24Bに相当する。側板部24Bの両隣の2つの側板部24Aのうち一方の側板部24A1が、第2側板部24A1に相当し、他方の側板部24A2が第3側板部24A2に相当する。第1側板部24Bにおいて、第2側板部24A1の側の端部に設けられたカバー部62が、第1のカバー部62Aに相当する。第1側板部24Bにおいて、第3側板部24A2の側の端部に設けられたカバー部62が、第2のカバー部62Bに相当する。第1側板部24Bにおいて、第1のカバー部62Aと第2のカバー部62Bとの間にラベル60が設けられている。
【0041】
第1側板部24Bに設けられた2つのコーナー補強部材50が第1コーナー補強部及び第2コーナー補強部に相当する。また第1側板部24Bに設けられた上端補強部材40が、第1コーナー補強部及び第2コーナー補強部の間の上端補強部に相当する。第1コーナー補強部は、第1側板部24B及び第2側板部24A1の角部を含む部分において、第1側板部24Bの上端部及び第2側板部24A1の上端部に嵌る。第2コーナー補強部は、第1側板部24B及び第3側板部24A2の角部を含む部分において、第1側板部24Bの上端部及び第3側板部24A2の上端部に嵌る。上端補強部は、第1コーナー補強部と第2コーナー補強部との間において、第1側板部24Bの上端に嵌る。ラベル60が上端補強部の下方に設けられている。
【0042】
上記のように第1側板部24Bの四方の端面のうち3つの端面が、第2側板部24A1の内面、第3側板部24A2の内面及び底板部22の内面と溶接されている。このため、コンテナ10の側面であって、第1側板部24Bの外面を含む側面には、第1側板部24Bの外面の周りに第2側板部24A1の端面、第3側板部24A2の端面及び底板部22の端面が現れる。第1のカバー部は、第1側板部24Bの外面と第2側板部24A1の端面との境界を覆っている。これにより、第1側板部24Bの端面と第2側板部24A1の内面との溶接部分が第1のカバー部によって保護される。第2のカバー部は、第1側板部24Bの外面と第3側板部24A2の端面との境界を覆っている。これにより、第1側板部24Bの端面と第3側板部24A2の内面との溶接部分が、第2のカバー部によって保護される。
【0043】
第2側板部24A1において、第1側板部24Bの側の端部に設けられたカバー部62が、第3のカバー部62Cに相当する。第1側板部24Bと第2側板部24A1との角部が、第1のカバー部62Aと第3のカバー部62Cとによって補強されている。第1のカバー部62Aと第3のカバー部62Cとは互いに別の部材である。第1のカバー部62Aと第3のカバー部62Cとを有する一つのカバー部材が設けられてもよい。例えば、第1のカバー部62A及び第3のカバー部62Cを有するカバー部材として、外壁54のようなL字状の部材が設けられてもよい。
【0044】
第3側板部24A2において、第1側板部24Bの側の端部に設けられたカバー部62が、第4のカバー部62Dに相当する。第1側板部24Bと第3側板部24A2との角部が、第2のカバー部62Bと第4のカバー部62Dとによって補強されている。第2のカバー部62Bと第4のカバー部62Dとは互いに別の部材である。第2のカバー部62Bと第4のカバー部62Dとを有する一つのカバー部材が設けられていてもよい。例えば、第2のカバー部62B及び第4のカバー部62Dを有するカバー部材として、外壁54のようなL字状の部材が設けられてもよい。
【0045】
カバー部62は樹脂製である。カバー部62は剛性部材である。カバー部62は、段ボールプラスチック30製であってもよい。カバー部62は、中身が詰まった充実シート製であってもよい。カバー部62は、独立気泡型の発泡シート製であってもよい。カバー部62の剛性は、段ボールプラスチック30を用いてカバー部62と同じ外形を有するように形成された部材の剛性と比べて、高くてもよい。
【0046】
ラベル60は、水平方向に沿って側板部24Bのうち第1のカバー部62A寄りの位置に設けられる。ラベル60と第1のカバー部62Aとの間隔D1は、ラベル60と第1のカバー部62Aとが並ぶ方向におけるラベル60の寸法D2よりも小さい。ラベル60が第1のカバー部62Aに近い位置に設けられることによって、搬送部が第1のカバー部62Aに接触しやすくなり、ラベル60に接触しにくくなる。
【0047】
第1側板部24Bの高さ方向においてラベル60の下端はカバー部62の下端と同じ高さかそれよりも高い。第1側板部24Bの高さ方向においてラベル60が、カバー部62の下端よりも下側に張出すことが抑制されている。第1側板部24Bの高さ方向においてラベル60の高さ寸法は、カバー部62の高さ寸法と同じかそれよりも小さい。これにより、第1側板部24Bの高さ方向においてラベル60の下端はカバー部62の下端と同じ高さかそれよりも高い位置に収まりやすい。
【0048】
コンテナ10には上記リブ58が設けられている。カバー部62及びリブ58は、複数のコンテナ10が積み重なった際、上側のコンテナ10の側板部24のうちカバー部62よりも下側部分の側方を、下側のコンテナ10のリブ58が支持できるような関係を有する。つまり、下側のコンテナ10のリブ58は、上側のコンテナ10のカバー部62を側板部24の厚み方向から覆わない。これにより、カバー部62の側方がリブ58に支持される場合と比べて、水平方向のリブ58の突出寸法(水平方向のコンテナ10の外寸)が小さくなる。
【0049】
カバー部62は、上端補強部材40及びコーナー補強部材50とは別に成形された部材である。カバー部62は、上端補強部材40及びコーナー補強部材50とは別に側板部24に固定されている。従って、第1のカバー部62Aと第1コーナー補強部材50Aとは互いに別に成形されて筐体部20に固定された部材である。第2のカバー部62Bと第2コーナー補強部材50Bとは互いに別に成形されて筐体部20に固定された部材である。カバー部62は、リベットR2を介して筐体部20に固定されている。リベットR2の先端部は、カバー部62の外側からカバー部62を貫通し、側板部24の内部に係止している。リベットR2の先端部は、筐体部20の内面側に露出していない。カバー部62において、リベットR2の先端部が貫通する部分には、予め貫通孔が形成されていてもよい。
【0050】
1つのカバー部62に2つのリベットR2が設けられている。これにより、カバー部62がリベットR2を中心として回転することが抑制されている。2つのリベットR2は、カバー部62の長尺方向(ここではコンテナ10の高さ方向)に並んでいる。
【0051】
各リベットR2は、側板部24Aと側板部24Bとの溶接部を避けて設けられる。各リベットR2は、側板部24Aと側板部24Bとのいずれか一方のみに係止する。例えば、第1側板部24Bの外面を含む側面に第1のカバー部62Aを固定する2つのリベットR2は、第1側板部24Bにのみ係止する。
【0052】
リベットR2の頭部は、カバー部62の外面と同じかそれより内側に位置する。これにより、搬送部がリベットR2の頭部と接触することが抑制されている。例えば、カバー部62に形成された貫通孔に、リベットR2の頭部が収まっていてもよい。例えば、カバー部62の貫通孔は、大径部と小径部とを有する。大径部は小径部よりも大径である。大径部及び小径部は貫通孔の軸方向に並ぶ。大径部は、カバー部62の外面側に設けられ、小径部は、カバー部62の内面側に設けられる。リベットR2の頭部が大径部に収まる。リベットR2の先端部が小径部を貫通する。リベットR2の頭部は、小径部よりも大きく、小径部に引っ掛かることによって貫通孔を通過することが抑制されている。
【0053】
<自動倉庫>
自動倉庫70について説明する。図8はコンテナ10が用いられる自動倉庫70の一例を示す概略側面図であり、図9は自動倉庫70を示す概略平面図である。図10は、物品移載装置76を示す概略斜視図である。
【0054】
自動倉庫70において、物品100(図13参照)はコンテナ10に収容された状態で搬送及び格納される。以下、物品100がコンテナ10に収容されたものを、格納物102と呼ぶことがある。コンテナ10に収容される物品100は、特に限定されるものではなく例えば電子部品である。
【0055】
自動倉庫70は、格納部71と、物品移載装置76とを備える。自動倉庫70は、仮置き棚84と、昇降装置88と、コンベア92とをさらに備える。
【0056】
格納部71は、物品移載装置76の走行路73の少なくとも一方側に設けられる。ここでは、走行路73の両側に一対の格納部71が設けられる。格納部71は、上下方向において間隔をあけて支持された複数段の棚72を有する。それぞれの段の棚72が格納物102を支持することができる。各段における棚72も、複数の格納物102を支持することができる。このため、格納部71全体として見ると、複数の格納物102が上下左右に配列した状態で格納される。棚72が自動倉庫における保管棚に相当する。格納部71において、格納物102が格納される空間が格納空間である。このため、格納部71には、走行路73を走行する物品移載装置76の移動方向に沿って並ぶ複数の格納空間が形成される。各格納空間は仕切無く連続していてもよいし、仕切られていてもよい。
【0057】
走行路73は、格納部71の延在方向に沿って、ここでは、一対の格納部71の間で、その間の延在方向に沿って設けられている。走行路73は、格納部71の延在方向に沿い、かつ、仮置き棚84迄延在している。走行路73は、上下の複数の棚72のそれぞれに対応して設けられている。各走行路73は、例えば、一対のレール74を備えた構成であってもよい。レール74は、格納部71の横フレームを兼ねていてもよいし、格納部71とは別体として構成されていてもよい。
【0058】
物品移載装置76は、ピッカーとも呼ばれる装置であり、上記走行路73を往復走行可能に構成されている。物品移載装置76は、台車77と支持台78と物出し入れ機構79とを有する。台車77がレール74に沿って走行する。支持台78及び物出し入れ機構79は台車77に支持される。物出し入れ機構79は、支持台78と、格納部71又は仮置き棚84との間で格納物102を出し入れする。走行路73を走行する物品移載装置76は、一対の格納部71の両方に対して格納物102を出し入れすることができる。
【0059】
本例では、複数の走行路73及び複数の物品移載装置76が、上下の各棚72に対応して設けられている例で説明するが、これは必須ではない。例えば、上下の複数の棚72に共通する1つの走行路73が設けられ、当該走行路73を移載台車が走行してもよい。この場合、移載台車に昇降機構が設けられて、上下の複数の棚72に対して格納物102を出し入れできるようにされてもよい。また、1つの走行路73に対して複数の移載台車が走行してもよい。
【0060】
物出し入れ機構79は、例えば、一対のアーム80と引っ掛け片81とを備える。一対のアーム80は、支持台78の両側部から格納部71又は仮置き棚84側に向けて進退可能かつ伸縮可能に構成されている。引っ掛け片81は、一対のアーム80の端部で、一対のアーム80に向けて突出する姿勢と当該突出姿勢から退避した姿勢との間で起伏可能に構成されている。
【0061】
物品移載装置76において、台車77の駆動部、アーム80の駆動部、及び引っ掛け片81の駆動部などが台車77に支持されていてもよい。
【0062】
仮置き棚84、昇降装置88及びコンベア92は格納部71の延在方向の一部に設けられる。本例では、一対の格納部71のそれぞれの一端部に入庫用の仮置き棚84、昇降装置88及びコンベア92が設けられる。また、一対の格納部71のそれぞれの他端部に出庫用の仮置き棚84、昇降装置88及びコンベア92が設けられる。一対の格納部71の長手方向中間部に、仮置き棚84、昇降装置88及びコンベア92が設けられてもよい。仮置き棚84、昇降装置88及びコンベア92は、入庫用と出庫用とに分けられている必要は無く、入出庫兼用とされてもよい。
【0063】
仮置き棚84は、昇降装置88と物品移載装置76との間で格納物102を中継する装置である。仮置き棚84は、複数の棚72それぞれに対応する複数の仮置き台85を備える。複数の仮置き台85は、格納部71と隣の位置で、対応する棚72と同じ高さ位置に設けられる。このため、各棚72に対応して設けられた物品移載装置76が、当該棚72の段において、仮置き台85及び棚72に対して格納物102を移載することができる。
【0064】
昇降装置88は格納物102を昇降させる装置であり、格納物102を支持した状態で昇降する昇降台89を備える。昇降台89は、昇降機構90によって昇降駆動される。昇降機構90は、例えば、モータと、スプロケット又は循環ベルトを有し、モータを回転させることで、スプロケット又は循環ベルトが循環回転され、これにより、当該スプロケット又は循環ベルトに連結された昇降台89が昇降する構成であってもよい。昇降台89が昇降駆動されることで、昇降台89が、仮置き棚84の隣の位置で、複数の仮置き台85のそれぞれに対応する位置に昇降移動される。昇降台89がいずれかの仮置き台85に対応する高さ位置で、当該仮置き台85と隣り合うことで、格納物102が昇降台89と仮置き台85との間で水平移動して移載されることができる。
【0065】
コンベア92は、昇降装置88に向けて格納物102を搬送する。昇降台89及びコンベア92が対応する高さ位置で隣り合うことで、格納物102が昇降台89とコンベア92との間で水平移動して移載されることができる。コンベア92は、ベルトコンベアであってもよいし、ローラコンベアであってもよい。
【0066】
制御部96は、物品移載装置76の走行動作及び格納物102の出入動作、仮置き棚84における移載動作、昇降装置88の昇降動作及び移載動作、コンベア92における移載動作などを制御する。この自動倉庫70においては、制御部96による制御下、格納物102の入庫、及び、出庫がなされる。
【0067】
<自動倉庫70における格納物102の流れ>
自動倉庫70における格納物102の流れについて、図11から図13をさらに参照しつつ説明する。図11は、自動倉庫70における格納物102の流れを示す概略平面図である。図12は、自動倉庫70における格納物102の流れを示す概略正面図である。図13は、自動倉庫70における格納物102の流れを示す概略側面図である。図12は、コンベアの流れる方向から見た図であり、図13はコンベアの流れる方向と直交する方向から見た図である。
【0068】
自動倉庫70において、格納物102は、棚72と支持台78との間、支持台78と仮置き台85との間、仮置き台85と昇降台89との間、昇降台89とコンベア92との間のそれぞれで移載される。
【0069】
本例では、仮置き台85及び昇降台89は、コンベア92と同様に格納物102を移動させる機能を有している。本例では、仮置き台85、昇降台89及びコンベア92はそれぞれローラコンベア93である。ローラコンベア93は複数のローラを有する。複数のローラのうち少なくとも1つのローラが、回転駆動可能な駆動ローラである。当該駆動ローラが回転駆動することによって、格納物102が、ローラコンベア93上を移動する。仮置き台85、昇降台89及びコンベア92のそれぞれがローラコンベア93であることによって、仮置き台85と昇降台89との間、及び昇降台89とコンベア92との間において、格納物102が、他の移載装置を介さずとも、ローラコンベア93によって直接移載されることができる。
【0070】
棚72及び支持台78は、ローラコンベアなどではなく、格納物102を移動させる機能は有していない。このため、棚72と支持台78との間において、格納物102は、他の移載装置を介して移載される。また支持台78と仮置き台85とは、格納物102の移載の際、仮置き台85において格納物102がローラコンベアによって流れる方向と直交する方向に並ぶ。このため、支持台78と仮置き台85との間において、格納物102は、他の移載装置を介して移載される。本例では、棚72と支持台78との間、及び支持台78と仮置き台85との間において、格納物102は、物品移載装置76の物出し入れ機構79を介して移載される。このとき、コンテナ10における底面が、棚72、支持台78及び仮置き台85における上面に対して摺動する。
【0071】
入庫される格納物102に着目すると、入庫用のコンベア92等によって入庫される格納物102が昇降装置88に移載される。すると、昇降装置88は、当該格納物102を、その格納物102が格納される棚72のある段に対応する位置に昇降移動させる。この後、昇降台89に支持された格納物102が仮置き棚84に移載される。仮置き棚84によって支持された格納物102は、物品移載装置76に移載される。物品移載装置76は、格納物102を支持した状態で走行路73を走行し、格納部71における格納物102の格納予定位置に向けて移動する。物品移載装置76が格納予定位置に達すると、格納物102が物品移載装置76から格納部71に移載され、当該格納物102が格納部71に格納される。
【0072】
出庫される格納物102に着目すると、当該格納物102の格納位置に対応する棚72のある段の物品移載装置76が、当該格納物102の格納位置に対応する位置に走行移動する。この後、物品移載装置76が格納部71から格納物102を取込む。格納物102を取込んだ物品移載装置76は、出庫用の仮置き棚84に向けて移動し、格納物102を仮置き棚84に移載する。出庫用の昇降装置88は、昇降台89を、当該出庫される格納物102に対応する棚72のある段の位置に昇降移動させる。そして、当該棚72のある段において仮置き棚84上の格納物102が昇降台89に移載される。出庫用の昇降装置88は、昇降台89を出庫用のコンベア92の高さ位置に移動させ、格納物102を当該出庫用のコンベア92に移載する。格納物102は、出庫用のコンベア92によって外部に出庫される。
【0073】
それぞれローラコンベア93である仮置き台85、昇降台89及びコンベア92が自動倉庫70の搬送部におけるコンベア93に相当する。コンテナ10は、第1側板部24Bの外面が側方を向く姿勢でコンベア93を流れる。搬送部におけるコンベア93において、ガイド94が設けられる。ガイド94は、コンベア93上を流れるコンテナ10の外向きの側面に接触して、コンベア93に沿ったコンテナ10の流れをガイドする。
【0074】
例えばガイド94は、コンテナ10がコンベア93から側方に外れることを抑制したり、コンテナ10の向きを変えたりする。このようなガイド94Aは、例えば、図11及び図12に示すように、コンベア93の側方に設けられるとよい。ガイド94Aは、コンベア93の両側方に設けられると良い。
【0075】
また例えば、ガイド94は、コンテナ10を止めるストッパとしての機能を有することもあり得る。このようなガイド94Bは、例えば、図11及び図13に示すように、コンベア93の流れる方向に沿った端部に設けられるとよい。ガイド94Bは、例えば、仮置き台85に設けられてもよい。
【0076】
ガイド94Aは、仮置き台85、昇降台89及びコンベア92のすべてに設けられている。ガイド94Aは、仮置き台85、昇降台89及びコンベア92のうち一部にのみ設けられていてもよい。
【0077】
仮置き台85、昇降台89及びコンベア92のすべてのガイド94Aが、カバー部62と接触してもよい。仮置き台85、昇降台89及びコンベア92のうち一部のガイド94Aのみが、カバー部62に接触してもよい。この場合、当該ガイド94Aによるラベル60の擦れが、カバー部62によって抑制される。またこの場合、仮置き台85、昇降台89及びコンベア92のうち他の一部のガイド94Aは、側板部24のうちカバー部62よりも下方の部分に接触してもよい。この場合でも、カバー部62よりも下方にはラベル60が張り出していないことによって、当該ガイド94Aによるラベル60の擦れが抑制される。
【0078】
例えば、コンベア92のガイド94Aがカバー部62に接触し、仮置き台85のガイド94Aが側板部24のうちカバー部62よりも下方の部分に接触してもよい。コンベア92は、仮置き台85よりもコンテナ10の移動距離が長く、また移動速度が速い。このため、コンベア92のガイド94Aは、仮置き台85のガイド94Aよりもコンテナ10の側面と接触しやすく、また接触時にコンテナ10の側面に加わる衝撃が大きい。
【0079】
図11に示す例では、仮置き台85において、物品移載装置76との間でコンテナ10を移載する位置には、ガイド94Aが設けられていない。これにより、仮置き台85と物品移載装置76との間を移動するコンテナ10がガイド94Aを乗り越えずに済む。仮置き台85において、物品移載装置76との間でコンテナ10を移載する位置に、コンベア92のガイド94Aよりも低いガイド94Aが設けられてもよい。この場合でも、仮置き台85と物品移載装置76との間を移動するコンテナ10が高いガイド94Aを乗り越えずに済む。
【0080】
物品移載装置76が格納部71又は仮置き台85上の格納物102を取込む際には、物品移載装置76が、走行路73に沿って走行して上記格納部71又は仮置き台85に対向する位置に移動する。この状態で、一対のアーム80が格納部71又は仮置き台85側に向けて延び出ると、一対のアーム80が格納部71又は仮置き台85上の格納物102の両側外側に位置することとなる。この状態で、退避姿勢にある引っ掛け片81が突出姿勢に姿勢変更すると、引っ掛け片81が格納物102に対して物品移載装置76とは反対側に位置することとなる。この状態で、一対のアーム80が縮みつつ退避すると、引っ掛け片81が引っ掛っている格納物102が支持台78に向けて押されるようにして移動する。これにより、格納物102が格納部71又は仮置き台85から物品移載装置76に向けて引込まれるようにして移載される。
【0081】
物品移載装置76が支持台78上の格納物102を棚72又は仮置き台85上に移載する際には、格納物102を取り込んだ物品移載装置76が走行路73に沿って移動し、棚72又は仮置き台85における所定の格納予定位置に対向する位置に移動する。この後、移載方向反対側の引っ掛け片81を突出させた姿勢で、一対のアーム80が伸びつつ棚72又は仮置き台85に向けて進出移動すると、引っ掛け片81が引っ掛っている格納物102が棚72又は仮置き台85に向けて押されるようにして移動する。これにより、物品移載装置76上の格納物102が物品移載装置76から格納部71又は仮置き台85に向けて押し出されるようにして移載される。
【0082】
図13に示すように、引っ掛け片81が、コンテナ10の側面を押す部分にカバー部62が設けられる。引っ掛け片81は、カバー部62を押す。これにより、引っ掛け片81から筐体部20にかかる衝撃がやわらぐ。
【0083】
カバー部62のうち引っ掛け片81が当たる部分の近くにリベットR2が設けられる。この場合でも、リベットR2の頭部がカバー部62の外面と同じかそれよりも内側に位置するため、引っ掛け片81が適切にカバー部62の外面に当たることができる。
【0084】
引っ掛け片81が倒れた姿勢で、引っ掛け片81の先端部は、水平方向に沿ってカバー部62よりもラベル60側に延び出る。引っ掛け片81がカバー部62を押す際、引っ掛け片81の先端部は、ラベル60と対向する。この場合でも、カバー部62がラベル60よりも外側に張出しているため、引っ掛け片81がラベル60と接触することが抑制される。より詳細には、引っ掛け片81が第1側板部24Bの厚み方向に沿ってコンテナ10と離れた位置からコンテナ10に向けて移動したときに、ラベル60よりも先に第1のカバー部62Aに接触する。そして、第1のカバー部62Aに接触した引っ掛け片81は、第1側板部24Bの厚み方向に沿って、それ以上、ラベル60に接近することが抑制される。これにより、引っ掛け片81がラベル60と接触することが抑制される。
【0085】
物品移載装置76にはガイド82が設けられる。ガイド82は、側板部24Aのうちカバー部62が設けられた部分よりも下方の部分に接触する。ガイド82は、側板部24Aのカバー部62に接触してもよい。
【0086】
<効果等>
このように構成された自動倉庫用コンテナ10及びこれを備える自動倉庫70によると、自動倉庫70におけるコンベア93のガイド94及び物品移載装置76の引っ掛け片81などが、ラベル60よりもカバー部62と接触しやすくなることによって、ラベル60の擦れが抑制される。またカバー部62が設けられることによって、筐体部20を強化することもできる。これにより、コンテナ10が搬送部と接触しても、筐体部20が傷つきにくい。
【0087】
また、ラベル60とカバー部62との間隔D1は、ラベル60とカバー部62とが並ぶ方向におけるラベル60の寸法D2よりも小さい。これにより、ラベル60がカバー部62に近い位置に設けられることによって、コンベア93のガイド94及び物品移載装置76の引っ掛け片81が、ラベル60よりもカバー部62とより接触しやすくなる。
【0088】
また、第1側板部24Bにおいて、第2側板部24A1の側の端部に第1のカバー部62Aが設けられ、第3側板部24A2の側の端部に第2のカバー部62Bが設けられ、第1のカバー部62Aと第2のカバー部62Bとの間にラベル60が設けられる。これにより、ラベル60の両側方それぞれにカバー部62A、62Bが設けられることによって、ラベル60がより擦れにくくなる。
【0089】
また、第2側板部24A1において、第1側板部24Bの側の端部に第3のカバー部62Cが設けられ、第3側板部24A2において、第1側板部24Bの側の端部に第4のカバー部62Dが設けられている。これにより、2つの側板部24の交わる角部がより強化される。
【0090】
また、コンテナ10は、第1側板部24B及び第2側板部24A1の角部を含む部分において、第1側板部24Bの上端部及び第2側板部24A1の上端部に嵌る第1コーナー補強部材50Aと、第1側板部24B及び第3側板部24A2の角部を含む部分において、第1側板部24Bの上端部及び第3側板部24A2の上端部に嵌る第2コーナー補強部材50Bと、をさらに備える。これにより、2つの側板部24の交わる角部が、カバー部62及びコーナー補強部材50によって強化される。
【0091】
また、第1のカバー部62Aと第1コーナー補強部材50Aとは互いに別に成形されて筐体部20に固定された部材であり、第2のカバー部62Bと第2コーナー補強部材50Bとは互いに別に成形されて筐体部20に固定された部材である。これにより、カバー部62として平板などの簡易な形状の部材を用いやすくなる。
【0092】
また、第1コーナー補強部材50Aと第2コーナー補強部材50Bとの間において、第1側板部24Bの上端に嵌る上端補強部材40をさらに備え、ラベル60が上端補強部材40の下方に設けられている。これにより、ラベル60の上方が上端補強部材40によって保護される。
【0093】
また、第1側板部24Bよりも上方に突出するリブ58をさらに備え、カバー部62及びリブ58は、複数のコンテナ10が積み重なった際、上側のコンテナ10の第1側板部24Bのうちカバー部62よりも下側部分の側方を、下側のコンテナ10のリブ58が支持できるような関係を有する。これにより、複数のコンテナ10が積み重なった際、リブ58によって複数のコンテナ10が位置決めされつつ、カバー部62とリブ58とがコンテナ10の高さ方向に干渉することが抑制される。これにより、複数のコンテナ10が積み重なりやすくなると共に、積み重なったコンテナ10群の高さが高くなることが抑制される。
【0094】
また、カバー部62は樹脂製である。これにより、コンベア93のガイド94及び物品移載装置76の引っ掛け片81などの自動倉庫70側の設備がカバー部62と接触しても、自動倉庫70側の設備が傷つきにくくなる。
【0095】
また、第1側板部24Bの高さ方向においてラベル60の下端はカバー部62の下端と同じ高さかそれよりも高い。これにより、ラベル60がカバー部62よりも下方に突出することが抑制され、ラベル60がより擦れにくくなる。
【0096】
<付記>
これまで、ラベル60とカバー部62との間隔D1は、ラベル60とカバー部62とが並ぶ方向におけるラベル60の寸法D2よりも小さいものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。ラベル60とカバー部62との間隔は、ラベル60とカバー部62とが並ぶ方向におけるラベル60の寸法と同じかそれよりも大きくてもよい。
【0097】
またこれまで、第1側板部24Bにおいて、第1のカバー部62Aと第2のカバー部62Bとの間にラベル60が設けられるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第1のカバー部62Aと第2のカバー部62Bとのいずれかが省略されてもよい。
【0098】
またこれまで、第2側板部24A1に第3のカバー部62Cが設けられ、第3側板部24A2に第4のカバー部62Dが設けられるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第3のカバー部62C及び第4のカバー部62Dのうちいずれか一方又は両方が省略されてもよい。
【0099】
またこれまで、コンテナ10が第1コーナー補強部材50Aと第2コーナー補強部材50Bとを備えるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第1コーナー補強部材50Aと第2コーナー補強部材50Bとのうちいずれか一方又は両方が省略されてもよい。
【0100】
またこれまで、第1のカバー部62Aと第1コーナー補強部材50Aとは互いに別に成形されて筐体部20に固定された部材であり、第2のカバー部62Bと第2コーナー補強部材50Bとは互いに別に成形されて筐体部20に固定された部材であるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第1のカバー部62Aと第1コーナー補強部材50Aとが一体に成形されていてもよい。また例えば、第2のカバー部62Bと第2コーナー補強部材50Bとが一体に成形されていてもよい。
【0101】
またこれまで、コンテナ10が第1側板部24Bの上端に嵌る上端補強部材40を備え、ラベル60が上端補強部材40の下方に設けられているものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、コンテナ10において、上端補強部材40が省略されてもよい。
【0102】
またこれまで、カバー部62及びリブ58は、複数のコンテナ10が積み重なった際、上側のコンテナ10の第1側板部24Bのうちカバー部62よりも下側部分の側方を、下側のコンテナ10のリブ58が支持できるような関係を有するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、コンテナ10においてリブ58が省略されてもよい。また例えば、カバー部62が第1側板部24Bの下端まで延び、上側のコンテナ10のカバー部62の側方を、下側のコンテナ10のリブ58が支持していてもよい。
【0103】
またこれまで、カバー部62は樹脂製であるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、カバー部62が金属製であってもよい。
【0104】
またこれまで、第1側板部24Bの高さ方向においてラベル60の下端はカバー部62の下端と同じ高さかそれよりも高いものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、第1側板部24Bの高さ方向においてラベル60の下端はカバー部62の下端よりも低くてもよい。
【0105】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【0106】
本明細書及び図面は、下記の各態様を開示する。
【0107】
第1の態様は、自動倉庫においてコンベアによって搬送されると共に、移載装置による押し引きによって移載される自動倉庫用コンテナであって、段ボールプラスチックによって形成されて、底板部と複数の側板部とを有する筐体部と、前記複数の側板部のうち第1側板部の外面に設けられたラベルと、前記第1側板部の前記外面における前記ラベルの側方位置及び/又は上下位置に設けられて、前記第1側板部の厚み方向に沿って前記ラベルよりも外側に張出しているカバー部と、を備える、自動倉庫用コンテナである。
【0108】
このように構成された自動倉庫用コンテナによると、自動倉庫におけるコンベアのガイド及び移載装置のピッカーなどが、ラベルよりもカバー部と接触しやすくなることによって、ラベルの擦れが抑制される。またカバー部が設けられることによって、筐体部を強化することもできる。
【0109】
第2の態様は、第1の態様に係る自動倉庫用コンテナであって、前記ラベルと前記カバー部との間隔は、前記ラベルと前記カバー部とが並ぶ方向における前記ラベルの寸法よりも小さい。これにより、ラベルがカバー部に近い位置に設けられることによって、コンベアのガイド及び移載装置のピッカーが、ラベルよりもカバー部とより接触しやすくなる。
【0110】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る自動倉庫用コンテナであって、前記複数の側板部のうち前記第1側板部の両隣の側板部が第2側板部及び第3側板部とされ、前記第1側板部において、前記第2側板部の側の端部に第1の前記カバー部が設けられ、前記第3側板部の側の端部に第2の前記カバー部が設けられ、第1の前記カバー部と第2の前記カバー部との間に前記ラベルが設けられる。これにより、ラベルの両側方それぞれにカバー部が設けられることによって、ラベルがより擦れにくくなる。
【0111】
第4の態様は、第3の態様に係る自動倉庫用コンテナであって、前記第2側板部において、前記第1側板部の側の端部に第3の前記カバー部が設けられ、前記第3側板部において、前記第1側板部の側の端部に第4の前記カバー部が設けられている。これにより、2つの側板部の交わる角部がより強化される。
【0112】
第5の態様は、第3又は第4の態様に係る自動倉庫用コンテナであって、前記第1側板部及び前記第2側板部の角部を含む部分において、前記第1側板部の上端部及び前記第2側板部の上端部に嵌る第1コーナー補強部と、前記第1側板部及び前記第3側板部の角部を含む部分において、前記第1側板部の上端部及び前記第3側板部の上端部に嵌る第2コーナー補強部と、をさらに備える。これにより、2つの側板部の交わる角部が、カバー部及びコーナー補強部によって強化される。
【0113】
第6の態様は、第5の態様に係る自動倉庫用コンテナであって、第1の前記カバー部と前記第1コーナー補強部とは互いに別に成形されて前記筐体部に固定された部材であり、第2の前記カバー部と前記第2コーナー補強部とは互いに別に成形されて前記筐体部に固定された部材である。これにより、カバー部として平板などの簡易な形状の部材を用いやすくなる。
【0114】
第7の態様は、第5又は第6の態様に係る自動倉庫用コンテナであって、前記第1コーナー補強部と前記第2コーナー補強部との間において、前記第1側板部の上端に嵌る上端補強部をさらに備え、前記ラベルが前記上端補強部の下方に設けられている。これにより、ラベルの上方が上端補強部によって保護される。
【0115】
第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る自動倉庫用コンテナであって、前記第1側板部よりも上方に突出するリブをさらに備え、前記カバー部及び前記リブは、複数の自動倉庫用コンテナが積み重なった際、上側の自動倉庫用コンテナの前記第1側板部のうち前記カバー部よりも下側部分の側方を、下側の自動倉庫用コンテナの前記リブが支持できるような関係を有する。これにより、複数の自動倉庫用コンテナが積み重なった際、リブによって複数の自動倉庫用コンテナが位置決めされつつ、カバー部とリブとがコンテナの高さ方向に干渉することが抑制される。これにより、複数の自動倉庫用コンテナが積み重なりやすくなると共に、積み重なった自動倉庫用コンテナ群の高さが高くなることが抑制される。
【0116】
第9の態様は、第1から第8のいずれか1つの態様に係る自動倉庫用コンテナであって、前記カバー部は樹脂製である。これにより、コンベアのガイド及び移載装置のピッカーなどの自動倉庫側の設備がカバー部と接触しても、自動倉庫側の設備が傷つきにくくなる。
【0117】
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様に係る自動倉庫用コンテナであって、前記第1側板部の高さ方向において前記ラベルの下端は前記カバー部の下端と同じ高さかそれよりも高い。これにより、ラベルがカバー部よりも下方に突出することが抑制され、ラベルがより擦れにくくなる。
【0118】
第11の態様は、第1から第10のいずれか1つの態様に係る自動倉庫用コンテナと、前記自動倉庫用コンテナを保管する保管棚と、前記自動倉庫用コンテナを、前記保管棚に向けて又は前記保管棚から、搬送する搬送部と、を備え、前記搬送部は、前記コンベア及び前記移載装置を含み、前記搬送部による前記自動倉庫用コンテナの搬送時に、前記搬送部と前記カバー部とが接触する、自動倉庫である。このように構成された自動倉庫によると、コンベアのガイド及び移載装置のピッカーなどが、ラベルよりもカバー部と接触しやすくなることによって、ラベルの擦れが抑制される。
【0119】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0120】
10 自動倉庫用コンテナ
20 筐体部
22 底板部
24、24A、24B 側板部
24B 第1側板部
24A1 第2側板部
24A2 第3側板部
30 段ボールプラスチック
40 上端補強部材
50 コーナー補強部材
50A 第1コーナー補強部材
50B 第2コーナー補強部材
60 ラベル
62 カバー部
62A 第1のカバー部
62B 第2のカバー部
62C 第3のカバー部
62D 第4のカバー部
70 自動倉庫
71 格納部
72 棚
76 物品移載装置
78 支持台
79 物出し入れ機構
81 引っ掛け片
85 仮置き台
88 昇降装置
89 昇降台
92 コンベア
94 ガイド
100 物品
102 格納物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13