(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056233
(43)【公開日】2023-04-19
(54)【発明の名称】荷物の搬送装置及び荷物の供給装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/30 20060101AFI20230412BHJP
【FI】
B65G47/30 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021165459
(22)【出願日】2021-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【弁理士】
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100200218
【弁理士】
【氏名又は名称】沼尾 吉照
(72)【発明者】
【氏名】南埜 雄飛
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 伶弥
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA20
3F081BD02
3F081BD15
3F081BD17
3F081CA31
3F081CC12
3F081DA02
3F081DA11
(57)【要約】
【課題】より効率的に荷物を搬送することが可能な荷物の搬送装置及び荷物の供給装置を提供することである。
【解決手段】実施形態の荷物の搬送装置が有する第1、第2、及び第3の片寄コンベアは、複数の荷物が搬送方向及び搬送方向と交差する方向に不規則に配列された状態で搬送される荷物を受け取り、それぞれ第1、第2、及び第3の方向に搬送するとともに、それぞれ第1、第2、及び第3の方向に対して片寄せしながら搬送する。また、実施形態の荷物の搬送装置が有する第1、第2、及び第3の補助搬送ベルトは、それぞれ第1、第2、及び第3の片寄コンベアの片寄方向側に設けられ、荷物に対してそれぞれ第1、第2、及び第3の方向への搬送力を付与するとともに、それぞれ第1、第2、及び第3の片寄コンベアの搬送速度と異なる搬送速度を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の荷物が搬送方向及び搬送方向と交差する方向に不規則に配列された状態で搬送される前記荷物を受け取り、第1の方向に搬送するとともに、第1の方向に対して片寄せしながら搬送する第1の片寄コンベアと、
前記第1の片寄コンベアの片寄方向側に設けられ、前記荷物に対して前記第1の方向への搬送力を付与するとともに、前記第1の片寄コンベアの搬送速度と異なる搬送速度を有する第1の補助搬送ベルトと、
前記第1の片寄コンベアで搬送される前記荷物を受け取り、前記第1の片寄コンベアと交差する第2の搬送方向に搬送するとともに、第2の方向に対して片寄せしながら搬送する第2の片寄コンベアと、
前記第2の片寄コンベアの前記片寄方向側に設けられ、前記荷物に対して前記第2の方向への搬送力を付与するとともに、前記第2の片寄コンベアの搬送速度と異なる搬送速度を有する第2の補助搬送ベルトと、
前記第2の片寄コンベアで搬送される前記荷物を受け取り、前記第2の片寄コンベアと交差する第3の搬送方向に搬送するとともに、第3の方向に対して片寄せしながら搬送する第3の片寄コンベアと、
前記第3の片寄コンベアの前記片寄方向側に設けられ、前記荷物に対して前記第3の方向への搬送力を付与するとともに、前記第3の片寄コンベアの搬送速度と異なる搬送速度を有する第3の補助搬送ベルトと、
を有する荷物の搬送装置。
【請求項2】
前記第1の補助搬送ベルト及び前記第2の補助搬送ベルトの搬送速度を,それぞれ前記第1の片寄コンベア及び前記第2の片寄コンベアの搬送速度よりも速く設定し、前記第3の補助搬送ベルトの搬送速度を前記第3の片寄コンベアの搬送速度よりも遅い速度に設定した、請求項1に記載の荷物の搬送装置。
【請求項3】
前記第1の補助搬送ベルト、前記第2の補助搬送ベルト及び前記第3の補助搬送ベルトの搬送速度を可変とした、請求項1又は請求項2に記載の荷物の搬送装置。
【請求項4】
前記第2の片寄コンベアの搬送速度は、前記第1の片寄コンベアの搬送速度よりも速い、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の荷物の搬送装置。
【請求項5】
前記第2の片寄コンベアの搬送速度は、前記第3の片寄コンベアの搬送速度よりも速い、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の荷物の搬送装置。
【請求項6】
前記第3の片寄コンベアの搬送速度は、前記第1の片寄コンベアの搬送速度よりも速い、請求項5に記載の荷物の搬送装置。
【請求項7】
前記第1の片寄コンベア、前記第2の片寄コンベア、及び前記第3の片寄コンベアのそれぞれの間に、搬送される荷物の流量を計測するセンサと、前記第1の片寄コンベア、前記第2の片寄コンベア、及び前記第3の片寄コンベアの搬送速度を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記センサから前記流量を取得し、前記流量が多い場合は前記センサよりも上流の前記片寄コンベアを減速させるよう制御し、前記流量が少ない場合は前記センサよりも上流の前記片寄コンベアの搬送速度を加速させるよう制御する、請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の荷物の搬送装置。
【請求項8】
前記センサは、前記荷物の有無を検出するセンサであり、
前記制御部は、前記センサで検出した前記荷物の状態に基づいて取得された前記流量に基づいて、前記第1の片寄コンベア、前記第2の片寄コンベア、及び前記第3の片寄コンベアの搬送速度を減速又は加速するよう制御する、請求項7に記載の荷物の搬送装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記センサから取得した前記流量に基づいて、前記第1の補助搬送ベルト、前記第2の補助搬送ベルト及び前記第3の補助搬送ベルトの搬送速度を減速又は加速するよう制御する、請求項7又は請求項8に記載の荷物の搬送装置。
【請求項10】
前記第1の補助搬送ベルト、前記第2の補助搬送ベルト及び前記第3の補助搬送ベルトは、それぞれ前記第1の片寄コンベア、前記第2の片寄コンベア、及び前記第3の片寄コンベアよりも前記荷物との摩擦力が高い、請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の荷物の搬送装置。
【請求項11】
複数の荷物が載置される投入部から前記荷物を取出し、前記第1の方向に沿って搬送する第1の搬送部と、
前記第1の搬送部の下流側に配置され、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の荷物の搬送装置と、
前記荷物の搬送装置の下流側に配置され、前記荷物同士の間隔を調整させながら搬送可能な第2の搬送部と、
を有する荷物の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、荷物の搬送装置及び荷物の供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外部から供給される荷物などの物品をひとつひとつに単体化し、整列させるシステムが提供されている。システムは、物品を単体化し整列させるシンギュレータ、シンギュレータに物品を供給するコンベアなどを有して構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、より効率的に荷物を搬送することが可能な荷物の搬送装置及び荷物の供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の荷物の搬送装置は、第1の片寄コンベアと、第1の補助搬送ベルトと、第2の片寄コンベアと、第2の補助搬送ベルトと、第3の片寄コンベアと、第3の補助搬送ベルトと、を備える。第1の片寄コンベアは、複数の荷物が搬送方向及び搬送方向と交差する方向に不規則に配列された状態で搬送される荷物を受け取り、第1の方向に搬送するとともに、第1の方向に対して片寄せしながら搬送する。第1の補助搬送ベルトは、第1の片寄コンベアの片寄方向側に設けられ、荷物に対して第1の方向への搬送力を付与するとともに、第1の片寄コンベアの搬送速度と異なる搬送速度を有する。第2の片寄コンベアは、第1の片寄コンベアで搬送される荷物を受け取り、第1の片寄コンベアと交差する第2の搬送方向に搬送するとともに、第2の方向に対して片寄せしながら搬送する。第2の補助搬送ベルトは、第2の片寄コンベアの片寄方向側に設けられ、荷物に対して第2の方向への搬送力を付与するとともに、第2の片寄コンベアの搬送速度と異なる搬送速度を有する。第3の片寄コンベアは、第2の片寄コンベアで搬送される荷物を受け取り、第2の片寄コンベアと交差する第3の搬送方向に搬送するとともに、第3の方向に対して片寄せしながら搬送する。第3の補助搬送ベルトは、第3の片寄コンベアの片寄方向側に設けられ、荷物に対して第3の方向への搬送力を付与するとともに、第3の片寄コンベアの搬送速度と異なる搬送速度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係る荷物の供給装置の動作状態を示す概略的な斜視図。
【
図2】
図1に示す荷物の供給装置を上側から見た状態を示す概略図。
【
図3】
図1及び
図2に示す荷物の供給装置の搬送路が延びる延出方向に沿う搬送路の状態を示す概略図。
【
図4】
図1に示す荷物の供給装置から供給される処理対象物を処理する物品区分装置を示す概略図。
【
図5】実施形態に係る第1の片寄コンベアの搬送速度が補助搬送部の搬送速度より速い搬送速度で一つの処理対象物を搬送する一例を示す模式図。
【
図6】実施形態に係る第1の片寄コンベアの搬送速度が補助搬送部の搬送速度より速い搬送速度で複数の処理対象物を搬送する一例を示す模式図。
【
図7】実施形態に係る第1の片寄コンベアの搬送速度が補助搬送部の搬送速度より遅い搬送速度で一つの処理対象物を搬送する一例を示す模式図。
【
図8】実施形態に係る第1の片寄コンベアの搬送速度が補助搬送部の搬送速度より遅い搬送速度で複数の処理対象物を搬送する一例を示す模式図。
【
図9】第二の実施形態に係る荷物の供給装置を上側から見た状態を示す概略図。
【
図10】第二の実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第一の実施形態)
以下、図面を参照しながら荷物の供給装置10について説明する。
荷物の供給装置(荷物供給装置)10は、多層の荷物を離間(分離)させ、例えば物流システムにおいて、宛先毎に区分する区分装置(物流ソータ)に対して所定の距離間隔(所定のピッチ)で荷物(処理対象物)を供給する。また、供給装置(部品供給装置)10は、例えば製造ラインの一部にあり、多数の同種又は異種の部品(処理対象物)を離間(分離)し、後続の装置に所定の距離間隔(所定のピッチ)で荷物(処理対象物)を供給する。すなわち、本実施形態では物流の荷物に限定されるものではなく、製品の製造ラインにおける部品も荷物の一例として含まれるものである。
【0008】
実施形態に係る荷物の供給装置(以下、単に供給装置という)10について
図1から
図3を用いて説明する。
【0009】
図1は、供給装置10の動作状態を示す概略的な斜視図である。
図2は、
図1に示す供給装置10を上側から見た状態を示す概略図である。
図2中の供給装置10には、XYZ直交座標系を規定する。
図3は、搬送路の延出方向に直交する幅方向の端部の内側(他方向)から外側(一方向)を見た状態を示す。このため、
図3は、
図2中に示す供給装置10の一連の搬送路の延出方向D(D10,D11,D12,D21,D22,D23,D31,D32)を真っ直ぐにしたと仮定したときの、延出方向Dに沿う搬送路の傾斜状態及び高低差を示す概略図である。
図4は、供給装置10から供給される処理対象物Sを処理する物品区分装置(物流ソータ)110の一例を示す概略図である。
【0010】
図1及び
図2に示すように、供給装置10は、複数の処理対象物Sが投入される投入部12と、第1搬送部14(第1の搬送部)と、第2搬送部16(搬送装置)と、第3搬送部18(第2の搬送部)とを有する。
【0011】
投入部12の一例は、カゴである。例えば複数(多数)の処理対象物Sが入れられたティッパーが傾斜し、複数の処理対象物Sがティッパーに対して滑ることで、投入部12に複数の処理対象物Sが貯められる。そして、投入部12に載置された処理対象物Sは、第1搬送路14aの例えば上流端に接触する。
【0012】
なお、本実施形態において、その搬送路自体の上流側の端部を上流端とし、下流側の端部を下流端とする。
【0013】
第1搬送部14は、第1搬送方向C1(C10,C11,C12)に沿って上流側から下流側に処理対象物Sを搬送する第1搬送路14aを有する。
図2に示すように、第1搬送部14の延出方向D10,D11,D12は、みかけ上、全体としてX軸方向に沿って真っ直ぐであるが、
図3に示すように、延出方向D11,D12は、ZX平面に沿ってX軸及びZ軸に対して傾斜する。延出方向D11,D12は、水平面(地面)に対して傾斜する。
【0014】
第2搬送部16は、第1搬送部14の第1搬送路14aの下流側に配置され、例えばU字状(J字状を含む)に曲げられた第2搬送路16aを有する。第2搬送部16の第2搬送路16aは、第2搬送方向C21,C22,C23に沿って上流側から下流側に処理対象物Sを搬送する。
【0015】
第3搬送部18は、第2搬送路16aの下流側に配置され、第3搬送方向C32に沿って上流側から下流側に処理対象物Sを搬送する第3搬送路18aを有する。第3搬送部18は、X軸方向に沿って真っ直ぐである。第3搬送部18の下流側には、例えば
図4に示す物流システムの物流ソータ110の荷物投入部112が配置される。第3搬送部18の下流側には、物流ソータ110の代わりに、製造ラインの部品投入部(図示せず)が配置されてもよい。
【0016】
図2に示すように供給装置10を上側から見たとき、第1搬送部14及び第3搬送部18は、Y軸方向に離間する。このため、第1搬送部14及び第3搬送部18は、空間を挟んで対向する。第1搬送路14aの第1搬送方向C1の水平成分及び第3搬送路18aの第3搬送方向C32の水平成分はそれぞれ真っ直ぐである。第1搬送路14aの第1搬送方向C1の水平成分及び第3搬送路18aの第3搬送方向C32の水平成分は互いに平行(略平行を含む)で、反対方向に向けられている。
【0017】
第1搬送部14は、X軸に沿って投入部12の下流側に隣接する第1コンベア部(取出搬送部)22と、X軸に沿って第1コンベア部22の下流側に配置される第2コンベア部24とを有する。本実施形態では、第1コンベア部22は例えば無端ベルトにより、水平面(地面)に水平な搬送路22aを有する。第2コンベア部24は、例えば無端ベルトにより下り坂として水平面に対して傾斜する搬送路32aを有する第1傾斜コンベア(下方傾斜搬送部)32と、例えば無端ベルトにより上り坂として水平面に対して傾斜する搬送路34aを有する第2傾斜コンベア(上方傾斜搬送部)34とを有する。第1傾斜コンベア32は、第1コンベア部22の下流側に隣接する。第2傾斜コンベア34は、第1傾斜コンベア32の下流側に隣接する。第1傾斜コンベア(下方傾斜搬送部)32は、下り坂により、第1搬送方向C1に沿って下方に傾斜する。第2傾斜コンベア(上方傾斜搬送部)34は、上り坂により、第1搬送方向C1に沿って上方に傾斜する。
【0018】
第1コンベア部22の搬送路22aの搬送方向C10に沿う搬送速度V10は、第2コンベア部24の第1傾斜コンベア32の搬送路32aの搬送方向C11に沿う搬送速度V11と同じか、それよりも高速である。第2コンベア部24の第2傾斜コンベア34の搬送路34aの搬送方向C12に沿う搬送速度V12は、第2コンベア部24の第1傾斜コンベア32の搬送路32aの搬送方向C11に沿う搬送速度V11と同じか、それよりも高速である。
【0019】
図3に示す、水平面に対する第1傾斜コンベア32の搬送路32aの傾斜角度θ1は、例えば10°から40°程度であることが好適である。水平面に対する第2傾斜コンベア34の搬送路34aの傾斜角度θ2は、例えば10°から40°程度であることが好適である。
【0020】
第1コンベア部22の搬送路22aの下流端と、第1傾斜コンベア32の上流端との間は第1傾斜コンベア32の搬送路32a上流端が僅かに下側にあることが好適である。この場合、処理対象物Sが第1コンベア部22の搬送路22aと第1傾斜コンベア32の搬送路32aとの間に受け渡され易い。
【0021】
図1及び
図2に示すように、第2搬送部16は、X軸に沿って第1搬送部14の下流側に隣接する第1の片寄コンベア(第1片寄搬送部)42と、第2の片寄コンベア(第2片寄搬送部)44と、第3の片寄コンベア(第3片寄搬送部)46とを有する。第2搬送部16は、複数のコンベア(搬送部)42,44,46が互いに異なる延出方向D21,D22,D23及び搬送方向C21,C22,C23を有して接続されている。第2搬送部16の複数のコンベア42,44,46の延出方向D21,D22,D23は、全体としてU字状である。3つのコンベア42,44,46は隣接して配置すればよく、1つのコンベアとして一体化する必要がない。
【0022】
第2搬送部16の第1の片寄コンベア42は、第1搬送部14の下流側に、第1搬送方向C1に沿って配置される。第2の片寄コンベア44は、第1の片寄コンベア42の下流側に、第1の片寄コンベア42と交差する方向に沿って設置される。第3の片寄コンベア46は、第2の片寄コンベア44の下流側に、第2の片寄コンベア44と交差する方向に沿って設置される。
【0023】
第1の片寄コンベア42は、複数の処理対象物Sが搬送方向及び搬送方向と交差する方向に不規則に配列された状態で搬送される処理対象物Sを受け取り、第1搬送方向C1(第1の方向)に搬送するとともに、第1搬送方向C1に対して片寄せしながら搬送する。例えば、
図2に示すように供給装置10を上側から見たとき、第1の片寄コンベア42は、延出方向D21に沿って延びている。第1の片寄コンベア42の延出方向D21は、第1搬送方向C1の水平成分と略一致する。第1の片寄コンベア42の搬送路42aは、例えばXY平面に平行である。第1の片寄コンベア42の搬送路42aによる処理対象物Sの搬送方向C21は、第1搬送方向C1の水平成分とはずれている。第1の片寄コンベア42としては、例えば斜めローラコンベアが用いられる。搬送方向C21は、第1の片寄コンベア42の搬送路42aの延出方向D21に対して傾斜角度θaに傾斜する。傾斜角度θaは例えば10°から40°程度であることが好適である。このため、第1の片寄コンベア42は、第1の片寄コンベア42の搬送路42aに載置された処理対象物Sを、延出方向D21方向に搬送するとともに、延出方向D21に対して直交する幅方向の一方向、すなわち、片方の端部42bに寄せることができる。以降、片寄コンベアが搬送する際に片寄する方向を片寄方向とする。
【0024】
第1の片寄コンベア42の延出方向D21に直交する幅方向の一方向の端部(外側端部)42bには、処理対象物Sが第1の片寄コンベア42の一方向から脱落することを防止する壁となる第1壁部52が設けられている。第1壁部52は、例えば、第1の片寄コンベア42の搬送路42aの延出方向D21に平行に延びている。第1壁部52の存在により、処理対象物Sが第1の片寄コンベア42の一方向の端部から脱落することを防止する。
【0025】
第1壁部52は、処理対象物Sを能動的に第1延出方向D21に沿って第1の片寄コンベア42の搬送路42aの上流側から下流側に向かって搬送する補助搬送部52a(第1の補助搬送ベルト)を有する。第1壁部52の補助搬送部52aは、第1の片寄コンベア42の片寄方向側に設けられ、荷物に対して第1の方向への搬送力を付与する。例えば、第1壁部52の補助搬送部52aは、第1の片寄コンベア42の延出方向D21に直交する幅方向の他方の端部(内側端部)42cに向けられている。
【0026】
また、第1壁部52の補助搬送部52aは、第1の片寄コンベア42よりも荷物との摩擦力が高い。補助搬送部52aは、例えばベルトコンベアで用いられるものと同様の無端ベルトを有する。これにより、無端ベルトを有する補助搬送部52aは、ローラコンベアよりも摩擦力が高いため、補助搬送部52aに接している処理対象物Sに加減速や回転などの搬送の挙動に影響を与えやすい。また、無端ベルトの搬送面52bの法線方向は、例えば水平で、幅方向の内側(他方向)を向く。
図3に示すように、第2傾斜コンベア34の下流端と、第1の片寄コンベア42の上流端との間には、例えば10cm程度の段差Hが形成されていることが好適である。
【0027】
第2の片寄コンベア44は、第1の片寄コンベアで搬送される荷物を受け取り、第1の片寄コンベアと交差する第2の搬送方向に搬送するとともに、第2の方向に対して片寄せしながら搬送する。例えば、第2の片寄コンベア44は、第1の片寄コンベア42の延出方向D21(X軸に沿う方向)に対して例えば直交するY軸に沿う方向に延出されている。ただし、完全に直交する必要は無く、ある程度の角度を持って交差していればよい。第2の片寄コンベア44の搬送路44aは、例えばXY平面に平行である。第2の片寄コンベア44としては、例えば斜めローラコンベアが用いられる。第2の片寄コンベア44の搬送方向C22は、第2の片寄コンベア44の延出方向D22に対して傾斜角度θbに傾斜する。傾斜角度θbは例えば10°から40°程度であることが好適である。このため、第2の片寄コンベア44は、第2の片寄コンベア44の搬送路44aに載置された処理対象物Sを、延出方向D22方向に搬送するとともに、延出方向D22に対して直交する幅方向の一方向、すなわち、片方の端部44bに寄せることができる。
【0028】
第2の片寄コンベア44の延出方向D22に直交する幅方向の一方向の端部(外側端部)44bには、処理対象物Sが第2の片寄コンベア44の一方向から脱落することを防止する壁となる第2壁部54が設けられている。第2壁部54は、例えば、第2の片寄コンベア44の搬送路44aの延出方向D22に平行に延びている。第2壁部54の存在により、処理対象物Sが第2の片寄コンベア44から脱落することを防止する。
【0029】
第2壁部54は、処理対象物Sを能動的に第2延出方向D22に沿って第2の片寄コンベア44の搬送路44aの上流側から下流側に向かって搬送する補助搬送部54a(第2の補助搬送ベルト)を有する。第2壁部54の補助搬送部54aは、第2の片寄コンベア44の延出方向D22に直交する幅方向の他方の端部(内側端部)44cに向けられている。
【0030】
補助搬送部54aは、例えば補助搬送部52aと同様に形成されている。第2壁部54の補助搬送部54aは、第2の片寄コンベアの片寄方向側に設けられ、荷物に対して第2の方向への搬送力を付与する。また、補助搬送部54aは、第2の片寄コンベア44よりも荷物との摩擦力が高い。例えば、第2壁部54の補助搬送部54aは、補助搬送部54aの無端ベルトの搬送面54bは第2延出方向D22に平行に、上流側から下流側に処理対象物Sを移動させるように動作する。
【0031】
第3の片寄コンベア46は、第2の片寄コンベアで搬送される荷物を受け取り、第2の片寄コンベアと交差する第3の搬送方向に搬送するとともに、第3の方向に対して片寄せしながら搬送する。例えば、第3の片寄コンベア46は、Y軸に沿って第2の片寄コンベア44の下流側に隣接する。第3の片寄コンベア46は、第2の片寄コンベア44の延出方向D22に対して例えば直交する方向に延出されている。ただし、完全に直交する必要は無く、ある程度の角度を持って交差していればよい。第3の片寄コンベア46の搬送路46aは、例えばXY平面に平行である。第3の片寄コンベア46としては、例えば斜めローラコンベアが用いられる。第3の片寄コンベア46の搬送方向C23は、第3の片寄コンベア46の延出方向D23に対して傾斜角度θcに傾斜する。傾斜角度θcは例えば10°から40°程度であることが好適である。このため、第3の片寄コンベア46は、第3の片寄コンベア46の搬送路46aに載置された処理対象物Sを、延出方向D23方向に搬送するとともに、延出方向D23に対して直交する幅方向の一方向、すなわち、片方の端部46bに寄せることができる。
【0032】
第3の片寄コンベア46の延出方向D23に直交する幅方向の一方向の端部(外側端部)46bには、処理対象物Sが第3の片寄コンベア46の一方向から脱落することを防止する壁となる第3壁部56が設けられている。第3壁部56は、例えば、第3の片寄コンベア46の搬送路46aの延出方向D23に平行に延びている。第3壁部56の存在により、処理対象物Sが第3の片寄コンベア46から脱落することを防止する。
【0033】
第3壁部56は、処理対象物Sを能動的に第3延出方向D23に沿って第3の片寄コンベア46の搬送路46aの上流側から下流側に向かって搬送する補助搬送部56a(第3の補助搬送ベルト)を有する。第3壁部56の補助搬送部56aは、第3の片寄コンベア46の延出方向D23に直交する幅方向の他方の端部(内側端部)46cに向けられている。
【0034】
補助搬送部56aは、例えば補助搬送部52a,54aと同様に形成されている。第3壁部56の補助搬送部56aは、第3の片寄コンベアの片寄方向側に設けられ、荷物に対して第3の方向への搬送力を付与する。また、補助搬送部56aは、第3の片寄コンベア46よりも荷物との摩擦力が高い。このため、補助搬送部56aの無端ベルトの搬送面56bは第3延出方向D23に平行に、上流側から下流側に処理対象物Sを移動させる。
【0035】
ここで、第2搬送部16の搬送速度について説明する。まず、
図5、
図6、
図7、及び
図8を用いて片寄コンベアと補助搬送部(補助搬送ベルト)との速度差について、第1の片寄コンベア42及び補助搬送部52aを例として説明する。片寄コンベア42の搬送速度とは、延出方向D21方向への搬送速度成分を表している。
図5及び
図6では、第1の片寄コンベア42の搬送速度は、補助搬送部52aの搬送速度よりも速い速度、例えば2倍の速さで処理対象物Sを搬送する。
図7及び
図8では、第1の片寄コンベア42の搬送速度は、補助搬送部52aの搬送速度よりも遅い速度、例えば半分の速さで処理対象物Sを搬送する。
【0036】
図5は、実施形態に係る第1の片寄コンベア42の搬送速度が補助搬送部52aの搬送速度より速い搬送速度で一つの処理対象物Sを搬送する一例を示す模式図である。例えば、処理対象物Sは、補助搬送部52aに接する箇所にかかる摩擦力によって、Z軸を中心に反時計回り方向に回転しながら搬送される。これにより、処理対象物Sは、重心が片寄方向に寄るように回転しながら搬送される。
【0037】
図6は、実施形態に係る第1の片寄コンベア42の搬送速度が補助搬送部52aの搬送速度より速い搬送速度で複数の処理対象物Sを搬送する一例を示す模式図である。例えば、処理対象物Sは、第1の片寄コンベア42及び補助搬送部52aによって搬送されることで、
図6(a)の状態から
図6(b)の状態に遷移した後、
図6(c)の状態に遷移する。補助搬送部52aに接している処理対象物Sは、補助搬送部52aに接する箇所にかかる摩擦力によって、補助搬送部に接していない処理対象物Sよりも遅い搬送速度で搬送される。これにより、補助搬送部52aに接していない処理対象物Sは、第1の片寄コンベア42によって片寄方向に片寄せされながら搬送されるため、補助搬送部52aに接している2つの処理対象物Sの間に入るようにして、1列に整列することができる。また、補助搬送部52aに接していない処理対象物Sは、搬送路の下流から順に、補助搬送部52aに接している処理対象物Sの間に入っていくため、処理対象物Sを密に並べることができる。
【0038】
図7は、実施形態に係る第1の片寄コンベア42の搬送速度が補助搬送部52aの搬送速度より遅い搬送速度で一つの処理対象物Sを搬送する一例を示す模式図である。例えば、処理対象物Sは、補助搬送部52aに接する箇所にかかる摩擦力によって、Z軸を中心に時計回り方向に回転しながら搬送される。これにより、処理対象物Sは、重心が片寄方向に寄るように回転しながら搬送される。
【0039】
図8は、実施形態に係る第1の片寄コンベア42の搬送速度が補助搬送部52aの搬送速度より遅い搬送速度で複数の処理対象物Sを搬送する一例を示す模式図である。例えば、例えば、処理対象物Sは、第1の片寄コンベア42及び補助搬送部52aによって搬送されることで、
図8(a)の状態から
図8(b)の状態に遷移した後、
図8(c)の状態に遷移する。補助搬送部52aに接している処理対象物Sは、補助搬送部52aに接する箇所にかかる摩擦力によって、補助搬送部52aに接していない処理対象物Sよりも速い搬送速度で搬送される。これにより、補助搬送部52aに接していない処理対象物Sは、片寄コンベアによって片寄方向に片寄されながら搬送されるため、補助搬送部52aに接している処理対象物Sの後ろに入るようにして、1列に整列することができる。また、補助搬送部52aに接していない処理対象物Sは、搬送路の上流から順に、補助搬送部52aに接している処理対象物Sの後ろに入っていくため、処理対象物Sを効率的に1列に並べることができる。
【0040】
次に、第2搬送部16の各搬送路の搬送速度について説明する。第1の片寄コンベア42の搬送路42aによる搬送方向C21に沿う搬送速度をV21とすると、第1の片寄コンベア42の搬送路42aは、V21・cosθaの速度で第1の片寄コンベア42の延出方向D21に沿って処理対象物Sを移動させる。第1の片寄コンベア42の搬送路42aの搬送方向C21に沿う搬送速度V21は、第2傾斜コンベア34の搬送路34aの搬送方向C12に沿う搬送速度V12よりも高速であることが好適である。
【0041】
第1壁部52の補助搬送部52aの搬送速度は可変であり、第1の片寄コンベア42の搬送速度と異なる搬送速度を有する。補助搬送部52aの無端ベルトの搬送面52bは第1延出方向D21に平行に、上流側から下流側に処理対象物Sを移動させるように動作する。第1の片寄コンベア42は、第2傾斜コンベア34より搬送された処理対象物Sを1列に並べるために、補助搬送部52aの搬送速度は第1の片寄コンベア42の二倍の速度で処理対象物Sを移動させるように動作する。すなわち、補助搬送部52aの搬送速度は、第1の片寄コンベア42よりも速い。
【0042】
第2の片寄コンベア44の搬送路44aによる搬送方向C22に沿う搬送速度をV22とすると、第2の片寄コンベア44の搬送路44aは、V22・cosθb(≧V21・cosθa)の速度で第2の片寄コンベア44の延出方向D22に沿って処理対象物Sを移動させるように動作する。第2の片寄コンベア44の搬送路44aの搬送方向C22に沿う搬送速度V22は、第1の片寄コンベア42の搬送路42aの搬送方向C21に沿う搬送速度V21よりも高速であることが好適である。すなわち、第2の片寄コンベア44の搬送速度は、第1の片寄コンベア42の搬送速度よりも速い。
【0043】
第2壁部54の補助搬送部54aの搬送速度は可変であり、第2の片寄コンベア44の搬送速度と異なる搬送速度を有する。補助搬送部54aの無端ベルトの搬送面54bは第2延出方向D22に平行に、上流側から下流側に処理対象物Sを移動させるように動作する。第2の片寄コンベア44は、第1の片寄コンベア42より搬送された処理対象物Sをさらに1列に並べるために、補助搬送部54aの搬送速度は第2の片寄コンベアの二倍の搬送速度で処理対象物Sを移動させるように動作する。すなわち、補助搬送部54aの搬送速度は、第2の片寄コンベア44の搬送速度よりも速い。
【0044】
第3の片寄コンベア46の搬送路46aによる搬送方向C23に沿う搬送速度をV23とすると、第3の片寄コンベア46の搬送路46aは、V23・cosθc(≦V22・cosθb)の速度で第3の片寄コンベア46の延出方向D23に沿って処理対象物Sを移動させるように動作する。第3の片寄コンベア46の搬送路46aの搬送方向C23に沿う搬送速度V23は、第2の片寄コンベア44の搬送路44aの搬送方向C22に沿う搬送速度V22よりも低速であることが好適である。すなわち、第2の片寄コンベア44の搬送速度は、第3の片寄コンベア46の搬送速度よりも速い。
【0045】
また、荷物の搬送において、下流側のコンベアが上流側のコンベアよりも低速であった場合、下流側のコンベアに荷物が滞留してしまう。したがって、荷物の滞留を防ぐために、下流側の第3の片寄コンベアの搬送速度V23は、上流側の第1の片寄コンベアの搬送速度V21よりも高速であることが好適である。すなわち、第3の片寄コンベア46の搬送速度は、第1の片寄コンベア42の搬送速度よりも速い。
【0046】
第3壁部56の補助搬送部56aの搬送速度は可変であり、第3の片寄コンベアの搬送速度と異なる搬送速度を有する。補助搬送部56aの無端ベルトの搬送面56bは第3延出方向D23に平行に、上流側から下流側に処理対象物Sを移動させるように動作する。第3の片寄コンベア46は、第2の片寄コンベア42より搬送された処理対象物Sを密に並べるために、補助搬送部56aの搬送速度は第3の片寄コンベア46の半分の搬送速度で処理対象物Sを移動させるように動作する。すなわち、補助搬送部56aの搬送速度は、第3の片寄コンベア46の搬送速度よりも遅い。
【0047】
次に、第3搬送部18について説明する。第3搬送部18は、細幅コンベア62と、調速コンベア64と、回収部66を有する。第3搬送部18には、例えば、細幅コンベア62の搬送路62aの速度、及び、搬送路62a上の前後の処理対象物Sの距離を認識するための図示しないカメラ(センサ)が配置されている。
【0048】
細幅コンベア62は、X軸に沿って第3の片寄コンベア46の下流側に隣接する。細幅コンベア62の上流端は、第3の片寄コンベア46での下流端の延出方向D23に直交する幅方向の幅に対して、小さい幅に形成されている。細幅コンベア62の幅は、例えば処理対象物Sの大きさに応じて設定する。細幅コンベア62は、適宜の大きさの処理対象物Sが幅方向に複数並ばない程度の幅を有する。細幅コンベア62は、例えば無端ベルトにより、水平面(地面)に水平な搬送路62aを有する。細幅コンベア62の搬送路62aの上流端は、第3の片寄コンベア46の搬送路46aの幅方向の一方向で、下流端に隣接する位置に配置されている。細幅コンベア62の搬送方向C31は、細幅コンベア62の延出方向D31と平行である。細幅コンベア62の搬送路62aの搬送方向C31に沿う搬送速度V31は、第3の片寄コンベア46の搬送路46aの搬送方向C23に沿う搬送速度V23よりも高速であることが好適である。
【0049】
細幅コンベア62の延出方向D31(搬送方向C31)に直交する幅方向の一方向の端部(外側端部)62bには、処理対象物Sが細幅コンベア62の一方向から脱落することを防止する壁となる第4壁部68が設けられている。第4壁部68は、例えば、細幅コンベア62の搬送路62aの延出方向D31に平行に延びている。第4壁部68の存在により、処理対象物Sが細幅コンベア62から脱落することを防止する。
【0050】
なお、細幅コンベア62の端部(外側端部)62bと、第3の片寄コンベア46の端部(外側端部)46bとは、X軸に沿って一直線上にあることが好適である。
【0051】
第4壁部68は、処理対象物Sを能動的又は受動的に延出方向D31に沿って細幅コンベア62の搬送路62aの上流側から下流側に向かって搬送する補助搬送部68aを有する。第4壁部68の補助搬送部68aは、細幅コンベア62の延出方向D31に直交する幅方向の他方の端部(内側端部)62cに向けられている。
【0052】
ここでは、第4壁部68の補助搬送部68aが処理対象物Sを能動的に第4延出方向D31に沿って細幅コンベア62の搬送路62aの上流側から下流側に向かって搬送させる場合を例にして説明する。
【0053】
補助搬送部68aは、例えば補助搬送部52a,54a,56aと同様に形成されている。このため、補助搬送部68aの無端ベルトの搬送面68bは延出方向D31に平行に、例えば搬送速度V31で上流側から下流側に処理対象物Sを移動させる。
【0054】
なお、第1搬送路14aの第1搬送方向C1の水平成分及び第3搬送路18aの第3搬送方向C32の水平成分はそれぞれ真っ直ぐである。
【0055】
調速コンベア64は、X軸に沿って細幅コンベア62の下流側に隣接する。調速コンベア64の搬送路64aは、搬送路64aに載せられた処理対象物S同士が所定のピッチに離間するように、細幅コンベア62の搬送路62aの搬送速度に対して適宜に加減速制御される。
【0056】
調速コンベア64の上流端は、細幅コンベア62の下流端の延出方向D31に直交する幅方向の幅と略同じ幅に形成されている。調速コンベア64の搬送路64aは、例えば無端ベルトにより、水平面(地面)に水平である。調速コンベア64の搬送方向C32は、調速コンベア64の延出方向D32と平行である。調速コンベア64の搬送路64aの搬送方向C32に沿う搬送速度V32は、1列に並べられた処理対象物S同士のピッチを所定のピッチに離間させるように制御される。このため、調速コンベア64の搬送路64aの搬送方向C32に沿う搬送速度V32は、増速及び減速可能である。
【0057】
調速コンベア64の延出方向D32(搬送方向C32)に直交する幅方向の一方向の端部(外側端部)64bには、処理対象物Sが調速コンベア64の一方向から脱落することを防止する壁となる第5壁部70が設けられている。第5壁部70は、例えば、調速コンベア64の搬送路64aの延出方向D32に平行に延びている。第5壁部70の存在により、処理対象物Sが調速コンベア64から脱落することを防止する。
【0058】
なお、調速コンベア64の端部(外側端部)64bと、細幅コンベア62の端部(外側端部)62bとは、X軸に沿って一直線上にあることが好適である。
【0059】
第5壁部70は、処理対象物Sを能動的又は受動的に延出方向D32に沿って調速コンベア64の搬送路64aの上流側から下流側に向かって搬送する補助搬送部70aを有する。第5壁部70の補助搬送部70aは、調速コンベア64の延出方向D32に直交する幅方向の他方の端部(内側端部)64cに向けられている。
【0060】
補助搬送部70aは、例えば補助搬送部52a,54a,56a,68aの搬送面52b,54b,56b,68bと同様に能動的に処理対象物Sを搬送する搬送面として形成されていてもよい。ここでは、補助搬送部70aは、処理対象物Sが接触したときに受動的に回転する複数のローラ70bを有する。
図3中のローラ70bは、例えば格子状又は1列に配置されている。ローラ70bは、それぞれが球状に形成され、その位置で自在に回転可能である。
【0061】
なお、ローラ70bは、ローラコンベアのローラ(ホイール)のように、Z軸に平行な軸の軸回りにそれぞれ回転するように形成されていてもよい。
【0062】
回収部66は、第2搬送部16の第3の片寄コンベア46の搬送路46aのX軸に沿う下流端に隣接するとともに、細幅コンベア62の幅方向の他方向(内側)に隣接する。回収部66は、傾斜面72と、ガイド74とを有する。
【0063】
傾斜面72は、平面又は曲面として形成されている。傾斜面72は、細幅コンベア62に近い位置(第1端部72a)ほど高く、第1搬送部14の搬送方向C1の水平成分に直交する幅方向の他方に近い位置(第2端部72b)ほど低い。傾斜面72は、第3の片寄コンベア46の搬送路46aの下流端に近い位置(第3端部72c)ほど高く、第3の片寄コンベア46の搬送路46aの下流端からX軸方向に沿って離れる位置(第4端部72d)ほど低い。傾斜面72に載置された処理対象物Sは、自重により、傾斜面72の第4端部72dに向かって滑る。
【0064】
傾斜面72の細幅コンベア62側の第1端部72aは、細幅コンベア62の搬送路62aの下流端に連続していてもよく、段差をもって細幅コンベア62の搬送路62aの下流端の下側に位置していてもよい。
【0065】
ガイド74は、板状に形成されている。ガイド74は、傾斜面72の第2端部72bに固定されている。ガイド74は、X軸方向に沿って延びている。ガイド74は、傾斜面72のうち、第2端部72b(第1搬送部14の搬送方向C1の水平成分に直交する幅方向の他方に近い端部)から上側に突出するように形成されている。
【0066】
図1及び
図2に示すように、供給装置10は、第3搬送部18において処理対象物Sを回収する回収部66に隣接して、回収部66で回収した処理対象物Sを投入部12に向けて搬送する第4搬送部20を有する。
【0067】
第4搬送部20は、例えばカーブコンベア92を有する。カーブコンベア92は、回収部66の傾斜面72の第4端部72dと投入部12との間に設けられている。
【0068】
カーブコンベア92の搬送路92aの上流端は、傾斜面72の第4端部72dに隣接する。カーブコンベア92の搬送路92aの下流端は、投入部12に隣接する。
【0069】
なお、第2搬送部16の第1の片寄コンベア42、第2の片寄コンベア44、第3の片寄コンベア46の延出方向D21,D22,D23に沿う長さ、延出方向D21,D22,D23に直交する幅、角度θa,θb,θcは、例えば、第1の片寄コンベア42の搬送路42aの下流端の内側端部42cにある処理対象物Sが、後述するように第1の片寄コンベア42、第2の片寄コンベア44、第3の片寄コンベア46を経たとき、第3の片寄コンベア46の外側端部46bに接触する状態となるように、設定されている。
【0070】
次に、供給装置10の作用について説明する。
本実施形態において、第1搬送部14の第1搬送方向C1(C10,C11,C12)に沿う搬送速度は、第1搬送部14に接触する処理対象物Sの移動速度に一致するものとする。同様に、第2搬送部16の第2搬送方向C21,C22,C23に沿う搬送速度は、処理対象物Sが壁部52,54,56に接しない状態において、第2搬送部16に接触する処理対象物Sの移動速度に一致するものとする。第3搬送部18の第3搬送方向C31,C32に沿う搬送速度は、処理対象物Sが壁部68,70に接しない状態において、第3搬送部18に接触する処理対象物Sの搬送速度に一致するものとする。
【0071】
例えばティッパーを傾け、投入部12に処理対象物Sを投入する。ティッパーの代わりに、又は、ティッパーとともに、従業者が投入部12に処理対象物Sを投入してもよい。
【0072】
投入部12において多層バラ積み状態となることがある処理対象物Sは、例えば投入部12の床面の傾斜等により、順次、第1搬送部14の第1コンベア部22の搬送路22aの上流端に向かって移動する。
【0073】
このとき、第1搬送部14の第1コンベア部22は、搬送路22aに接触した処理対象物Sを搬送路22aの搬送動作により取り出し、搬送方向C10に移動させながら複数の処理対象物Sを離間させ、ばらけさせる。第1コンベア部22の搬送路22aに接する処理対象物Sは、上流側から下流側に向かって搬送される。第1コンベア部22の搬送路22aの搬送動作に応じ、処理対象物Sの上側に重ねられた他の処理対象物Sは、下側の処理対象物Sとの摩擦力に応じて、下側の処理対象物Sに対して滑る。このため、多層の処理対象物Sの一部が崩される。このように、例えば多層となった処理対象物Sの一部が離間し、ばらける。
【0074】
処理対象物Sは、第1コンベア部22の搬送路22aから第2コンベア部24の第1傾斜コンベア32の搬送路32aに受け渡される。
【0075】
第1傾斜コンベア32の搬送路32aは下り坂として傾斜している。第1傾斜コンベア32の搬送路32aに接する例えば直方体状の処理対象物Sの上側に載置された処理対象物Sは、処理対象物Sの上面に平行な水平方向に傾斜する成分が作用する。このため、搬送路32aに接した処理対象物Sの上側に重ねられた他の処理対象物Sは、第1コンベア部22の搬送路22aのように水平である場合よりも、搬送路32aに接した処理対象物Sに対して滑りやすい。
【0076】
第1コンベア部22の搬送路22aの搬送速度V10に対して第1傾斜コンベア32の搬送路32aの搬送速度V11は低速である。このため、第1コンベア部22の水平の搬送路22aと第1傾斜コンベア32の搬送路32aとの搬送速度差により、搬送路32aに接する処理対象物Sにブレーキがかけられた状態となり、搬送路32aに接した処理対象物Sの上側の処理対象物Sは、慣性の法則により搬送路32aに接する処理対象物Sに対して滑って、多層の処理対象物Sが崩される。
【0077】
したがって、下り坂の搬送路32aである傾斜面、及び、慣性の法則により、第1傾斜コンベア32において、多層の処理対象物Sが崩される。このため、例えば多層となった処理対象物Sの一部が離間し、ばらける。
【0078】
なお、第1傾斜コンベア32の搬送路32aに接する処理対象物Sの形状等によっては、第1傾斜コンベア32の搬送路32aに接する処理対象物Sが転がり、2層など、複数層となった処理対象物Sが崩される。
【0079】
処理対象物Sの一部は、例えば複数層の状態で第2コンベア部24の第1傾斜コンベア32の搬送路32aから第2コンベア部24の第2傾斜コンベア34の搬送路34aに受け渡される。
【0080】
第2傾斜コンベア34の搬送路34aは上り坂として傾斜している。このため、搬送路34aに接した処理対象物Sの上側に重ねられた他の処理対象物Sは、第1コンベア部22の搬送路22aのように水平である場合よりも、搬送路34aに接した処理対象物Sに対して滑りやすい。
【0081】
第1傾斜コンベア32の搬送路32aの搬送速度V11に対して第2傾斜コンベア34の搬送路34aの搬送速度V12は高速である。このため、第1傾斜コンベア32の搬送路32aと第2傾斜コンベア34の搬送路34aとの搬送速度差により、搬送路34aに接する処理対象物Sが加速した状態となり、搬送路34aに接した処理対象物Sの上側の処理対象物Sは、慣性の法則により搬送路34aに接する処理対象物Sに対して滑って、多層の処理対象物Sが崩される。
【0082】
したがって、上り坂の搬送路34aである傾斜面、及び、慣性の法則により、第2傾斜コンベア34において、多層の処理対象物Sがさらに崩される。このため、例えば多層となった処理対象物Sの一部が離間し、ばらける。
【0083】
このようにして、第1コンベア部22及び第2コンベア部24により、多層の処理対象物Sが崩され、1つ1つに離間される。これら多層の処理対象物Sは、同種の部品であってもよく、異種の部品であってもよい。
【0084】
そして、第2傾斜コンベア34から第1の片寄コンベア42に処理対象物Sが受け渡される。第2傾斜コンベア34と第1の片寄コンベア42との間の段差Hにより、処理対象物Sが第2傾斜コンベア34から第1の片寄コンベア42に受け渡されるときに、大きく動く。このとき、第2傾斜コンベア34の下流側の第1の片寄コンベア42により処理対象物を搬送方向C21に沿って取り出すように引っ張ることで、処理対象物Sを離間する。
なお、
図3中、第2傾斜コンベア34から第1の片寄コンベア42との間に段差Hを設ける例を示した。例えば、第2傾斜コンベア34から第1の片寄コンベア42との間に水平な搬送路を有するコンベアを配置し、水平な搬送路を有するコンベアと第1の片寄コンベア42との間に段差Hがあってもよい。
【0085】
1つ1つに離間された処理対象物Sは、第1の片寄コンベア42の搬送路42a上で、上流側から下流側に向かうにつれて、第1の片寄コンベア42の延出方向D21に対して斜行する搬送方向C21に移動する。このため、複数の処理対象物Sが第1の片寄コンベア42の搬送路42a上で第1壁部52に向かって片寄せされる。このため、複数の処理対象物Sの幅方向の距離は、上流側から下流側に向かって次第に狭められる。そして、処理対象物Sの一部は、第1の片寄コンベア42の搬送路42aの上流端と下流端との間で第1壁部52に当接する。
【0086】
第1の片寄コンベア42の搬送路42a上で第1壁部52に当接された処理対象物Sは、V21・cosθaの速度で搬送路42aの延出方向D21に沿う方向に移動する。処理対象物Sは、第1壁部52に沿って移動し、第1の片寄コンベア42の搬送路42aから第2の片寄コンベア44の搬送路44aに受け渡される。このため、第1壁部52の補助搬送部52aは、処理対象物Sが第1壁部52に接触したときに、第1壁部52が処理対象物Sの移動の妨げになることを防止する。
【0087】
処理対象物Sは、第2の片寄コンベア44の搬送路44a上で、上流側から下流側に向かうにつれて、第2の片寄コンベア44の延出方向D22に対して傾斜する搬送方向C22に移動する。このとき、処理対象物Sの搬送方向は、延出方向D21に沿う方向又は搬送方向C21に沿う方向から、搬送方向C22に沿う方向に方向転換する。このため、複数の処理対象物Sが第2の片寄コンベア44の搬送路44a上で第2壁部54に向かって片寄せされる。このため、複数の処理対象物Sの幅方向の距離は、次第に狭められる。そして、処理対象物Sの一部は、第2の片寄コンベア44の搬送路44aの上流端と下流端との間で第2壁部54に当接する。このため、複数の処理対象物Sは、1列となる状態に近づく。
【0088】
第2の片寄コンベア44の搬送路44a上で第2壁部54に当接された処理対象物Sは、V22・cosθbの速度で搬送路44aの延出方向D22に沿う方向に移動する。処理対象物Sは、第2壁部54に沿って移動し、第2の片寄コンベア44の搬送路44aから第3の片寄コンベア46の搬送路46aに受け渡される。このため、第2壁部54の補助搬送部54aは、処理対象物Sが第2壁部54に接触したときに、第2壁部54が処理対象物Sの移動の妨げになることを防止する。
【0089】
処理対象物Sは、第3の片寄コンベア46の搬送路46a上で、上流側から下流側に向かうにつれて、第3の片寄コンベア46の延出方向D23に対して傾斜する搬送方向C23に移動する。このとき、処理対象物Sの搬送方向は、延出方向D22に沿う方向又は搬送方向C22に沿う方向から、搬送方向C23に沿う方向に方向転換する。このため、複数の処理対象物Sが第3の片寄コンベア46の搬送路46a上で第3壁部56に向かって片寄せされる。このため、複数の処理対象物Sの幅方向の距離は、次第に狭められる。そして、処理対象物Sの一部は、第3の片寄コンベア46の搬送路46aの上流端と下流端との間で第3壁部56に当接する。複数の処理対象物Sは、1列となる。
【0090】
このように、第1搬送部14の搬送路14aの幅方向中央に沿って搬送された複数の処理対象物Sは、第1の片寄コンベア42の搬送路42a、第2の片寄コンベア44の搬送路44a、第3の片寄コンベア46の搬送路46aと移動し、すなわち、方向変換を経るにつれて、延出方向D21,D22,D23に直交する横並び状態が次第に解消する。そして、複数の処理対象物Sは、例えば第3の片寄コンベア46の搬送路46aにおいて、1列に並ぶ。このように、第2搬送部16は、複数の処理対象物Sを全体としてU字状の第2搬送路16aの延出方向D21,D22,D23に直交する幅方向の一方向に片寄せしながら1列に整列させる。
【0091】
第3の片寄コンベア46の搬送路46a上で第3壁部56に当接された処理対象物Sは、V23・cosθcの速度で搬送路46aの延出方向D23に沿う方向に移動する。処理対象物Sは、第3壁部56に沿って移動し、第3の片寄コンベア46の搬送路46aから細幅コンベア62の搬送路62aに受け渡される。このため、第3壁部56の補助搬送部56aは、処理対象物Sが第3壁部56に接触したときに、第3壁部56が処理対象物Sの移動の妨げになることを防止する。
【0092】
細幅コンベア62の搬送路62aの搬送速度V31は、V23・cosθcよりも高速である。このため、第3の片寄コンベア46の搬送路46aから細幅コンベア62の搬送路62aに受け渡されるとき、細幅コンベア62の搬送路62aは、1列に並べられた複数の処理対象物Sのピッチを広げる。
【0093】
細幅コンベア62の搬送路62a上で第4壁部68に当接された処理対象物Sは、V31の速度で搬送路62aの所定の搬送方向C31(延出方向D31)に沿う方向に移動する。処理対象物Sは、第4壁部68に沿って移動し、細幅コンベア62の搬送路62aから細幅コンベア62の搬送路62aに受け渡される。このため、第4壁部68の補助搬送部68aは、処理対象物Sが第4壁部68に接触したときに、第4壁部68が処理対象物Sの移動の妨げになることを防止する。
【0094】
第3搬送部18の細幅コンベア62の搬送路62aから、第3搬送部18の調速コンベア64の搬送路64aに処理対象物Sが受け渡されるとき、例えばカメラで認識された搬送路62a上の前後の処理対象物Sの情報に基づいて、第3搬送部18の調速コンベア64の搬送路64aの搬送速度V32が適宜に制御される。すなわち、第3搬送部18の調速コンベア64の搬送路64aの、所定の搬送方向C32(延出方向D32)に沿う搬送速度V32の増速及び減速が制御され、第3搬送部18の調速コンベア64の搬送路64a上において、1列に並べられた処理対象物Sを所定のピッチに離間する。
【0095】
所定のピッチに離間し1列に並べられた処理対象物Sは、第3搬送部18の下流側の、物流システムの物流ソータ110の荷物投入部112に投入される。又は、所定のピッチで1列に並べられた処理対象物Sは、第3搬送部18の下流側の、製造ラインの部品投入部に投入される。
【0096】
処理対象物Sが補助搬送部70aのローラ70bに当接しているとき、補助搬送部70aのローラ70bはその位置で回転し、延出方向D32に平行に、第3搬送部18の調速コンベア64の搬送路64aの搬送速度V32で上流側から下流側に処理対象物Sを移動させる。このため、第5壁部70の補助搬送部70aは、第5壁部70と処理対象物Sとの摩擦が処理対象物Sの移動の妨げになることを防止する。
【0097】
第3の片寄コンベア46の搬送路46aにおいて、複数の処理対象物Sが1列に並べられず、第3の片寄コンベア46の搬送路46aにおいて、第3の片寄コンベア46の延出方向D23に直交する幅方向に並べられる可能性がある。第3の片寄コンベア46の搬送路46aにおいて、1列に並べられなかった処理対象物Sのうち、第3壁部56から幅方向に離れた処理対象物Sは、第3の片寄コンベア46の搬送路46aの下流端から細幅コンベア62の搬送路62aには搬送されず、第4搬送部20の傾斜面72に受け渡される。このため、処理対象物Sは、傾斜面72とガイド74との間の境界付近を滑りながら、傾斜面72の第4端部72dに到達する。
【0098】
傾斜面72の第4端部72dに到達した処理対象物Sは、カーブコンベア92により、投入部12に搬送される。このように、回収部66及び第4搬送部20は、処理対象物Sのうち、第2搬送部16において一方向への片寄せに失敗した処理対象物Sを第1搬送部14に向けて搬送する。このため、回収部66は、処理対象物Sのうち、第2搬送部16において一方向に片寄せした処理対象物Sの一部を回収可能である。このため、回収部66で回収され、第4搬送部20から投入部12に搬送された処理対象物Sは、投入部12から再度、第1搬送部14、第2搬送部16、第3搬送部18を経て他の処理対象物Sに対して所定のピッチに並べられ、物流システムの物流ソータ110の荷物投入部112や、製造ラインの部品投入部に投入される。
【0099】
このように、本実施形態に係る供給装置10の第1搬送部14は、バラ積みした複数の処理対象物Sを1つ1つに離間するセパレートステージとして用いる。第2搬送部16は、1つ1つに離間した処理対象物Sを1列に整列させるアレンジステージとして用いる。第3搬送部18は、1列に整列させた処理対象物Sを所定のピッチに離間するアジャストステージとして用いる。そして、本実施形態に係る供給装置10は、複数の処理対象物Sを、第1搬送部(セパレートステージ)14、第2搬送部(アレンジステージ)16、第3搬送部(アジャストステージ)18の順に搬送し、他の装置に受け渡すことができる。
【0100】
このとき、同種、異種の処理対象物Sにかかわらず、多品種の処理対象物Sを例えば同時期に投入部12に投入したときに、第1搬送部14において処理対象物Sを離間し、第2搬送部16において処理対象物Sを一例に整列し、各処理対象物Sを第3搬送部18において所定のピッチに離間させた状態で、物流ソータ110の荷物投入部112や、製造ラインの部品投入部に投入することができる。このため、投入部12に投入した処理対象物Sを、第1搬送部14、第2搬送部16及び第3搬送部18によって、供給装置10で、自動的に離間し、1列に並べ、所定のピッチに間隔をあけることができる。そして、供給装置10から、後続の装置に処理対象物Sを受け渡すことができる。
【0101】
バラ積みした処理対象物Sは、第1搬送部14において、第1コンベア部22と、第2コンベア部24の第1傾斜コンベア32及び第2傾斜コンベア34のような複数の搬送部を用いて、1つ1つに離間することができる。このため、第2搬送部16において、処理対象物Sが多層となった状態を回避することができる。このため、複数の処理対象物Sを1列に並べやすい。
【0102】
なお、本実施形態に係る供給装置10は、処理対象物Sが異種であるか、同種であるかにかかわらず、大きさ、材質、形状が異なる処理対象物Sを第1搬送部14に投入することで、処理対象物S同士を所定のピッチに離間して、他の装置に受け渡すことができる。本実施形態に係る供給装置10は、第2搬送部16の搬送路16aを適宜に形成することで、ボルトやナット等の比較的小さな処理対象物S、ボルトやナットよりも大きい飲料ボトルなどの処理対象物S、さらには、宅配物などの比較的大きな処理対象物Sまで対応することができる。
【0103】
本実施形態では、第2傾斜コンベア34と第1の片寄コンベア42との間の段差Hにより、処理対象物Sは、第2傾斜コンベア34から第1の片寄コンベア42に受け渡されるときに、大きく動かされる。このため、第2傾斜コンベア34の下流側の第1の片寄コンベア42により処理対象物を搬送方向C21に沿って取り出すように引っ張ることで、処理対象物Sを離間することができる。
【0104】
本実施形態に係る供給装置10では、例えば第1搬送部14の第2傾斜コンベア34の搬送路32aの搬送速度V12に対し、第2搬送部16の第1の片寄コンベア42の搬送路42aの搬送速度V21を速くし、第1の片寄コンベア42の搬送路42aの搬送速度V21に対して第2の片寄コンベア44の搬送路44aの搬送速度V22を速くし、第2の片寄コンベア44の搬送路44aの搬送速度V22に対して第3の片寄コンベア46の搬送路46aの搬送速度V23を速くし、第3の片寄コンベア46の搬送路46aの搬送速度V23に対して細幅コンベア62の搬送路62aの搬送速度V31を速くする。この場合、各搬送路32a,42a,44a,46a,62a同士の受け渡しの際に、速度差により、搬送方向に沿う処理対象物S間に距離を取ることができる。このため、処理対象物Sが第2搬送部16の搬送路16a上で滞留することを防止し、処理対象物Sを離間させることができる。したがって、処理対象物S同士が干渉することが防止され、処理対象物Sが搬送路46aにおいて1列に並びやすい。
【0105】
また、本実施形態に係る供給装置10は、第2搬送部16の延出方向D21,D22,D23が全体としてU字状の複数のコンベア42,44,46を備える。これら複数のコンベア42,44,46の延出方向D21,D22,D23は例えば真っすぐである。このため、スペースにあわせてコンベア42,44,46を一体的に形成するよりもコスト上昇を抑制することができる。
【0106】
第2搬送部16の延出方向D21,D22,D23が全体としてU字状であるため、第2搬送部16の上流側の第1搬送部14と、第2搬送部16の下流側の第3搬送部18とをY軸方向に対向させた状態に配置しやすい。また、第1搬送部14の延出方向D10,D11,D12の水平成分と、第3搬送部18の細幅コンベア62の延出方向D31及び調速コンベア64の延出方向D32とを平行にすることができる。したがって、本実施形態に係る供給装置10は、省スペースに配置することができる。角度θ1,θ2、角度θa,θb,θcを適宜に設定するとともに、各搬送部14,16,18の長さ及び幅を適宜に設定することで、設置スペースにあわせて供給装置10を形成することができる。例えば、複数のコンベア42,44,46の延出方向D21,D22,D23の長さ、延出方向D21,D22,D23に直交する幅、コンベア42,44,46の傾斜角度θa,θb,θcを適宜に設定することで、第2搬送部16の大きさ、形状等を適宜に設定することができる。
【0107】
本実施形態では、第3搬送部18の細幅コンベア62が無端ベルトを用いるものとして説明した。例えば、格子状に配置されたボールローラを用いてもよい。この場合、例えば細幅コンベア62に載置された処理対象物Sを壁部68から回収部66に押し出すことができる。このため、回収部66は、処理対象物Sのうち、第2搬送部16において一方向に片寄せした処理対象物Sの一部を回収可能である。供給装置10は、例えば同種の処理対象物Sや、同程度の大きさの処理対象物Sを選択的に第3搬送部18に搬送することができる。
【0108】
本実施形態では、第3搬送部18が細幅コンベア62を有するものとして説明した。細幅コンベア62の代わりに、例えば第3の片寄コンベア46と同程度の幅を有し、第3搬送部18と同じ延出方向D32に平行な延出方向のローラコンベア(図示せず)を用いてもよい。この場合、例えば、第3の片寄コンベア46の終端と第3の片寄コンベア46の下流側に配置するローラコンベアとの間にゲートを設けてもよい。このゲートの開閉により、又は、ゲートでの処理対象物Sの検知により、処理対象物Sを第3搬送部18に搬送するか否かを仕分けすることができる。
【0109】
ゲートは、第3搬送部18の調速コンベア64の搬送路64a上に設けてもよい。第3搬送部18の調速コンベア64の搬送路64aの搬送速度を定速にしたとき、ゲートの開閉によりゲートを通過するタイミングを調整し、処理対象物S同士の間隔を所定の距離離間させることができる。
【0110】
本実施形態では、第3搬送部18が細幅コンベア62を有するものとして説明した。細幅コンベア62の代わりに、例えばロボットアームによる吸着により、第3の片寄コンベア46から第3搬送部18の調速コンベア64に処理対象物Sを受け渡してもよい。この場合も、ロボットアームに取り付けたセンサによる処理対象物Sの検知により、処理対象物Sを第3搬送部18に搬送するか否かを仕分けすることができる。
【0111】
第3搬送部18の搬送路18aの代わりに、ロボットアームを用いてもよい。第3搬送部18はロボットであってもよい。ロボットのアームにより、例えば第2搬送部16の第3の片寄コンベア46の下流端に搬送されてくる処理対象物Sを例えば物流システムの物流ソータ110の荷物投入部112や、製造ラインの部品投入部に直接投入してもよい。
【0112】
第3搬送部18の回収部66として、傾斜面72及びガイド74の代わりに、第2搬送部16において、一方向に1列に並ばなかった処理対象物Sを集める集荷コンテナ(図示せず)を第2搬送部16の第3の片寄コンベア46の下流端に、第3搬送部18の細幅コンベア62に隣接する位置に配置してもよい。適宜の時間、回収部66としての集荷コンテナで処理対象物Sを集めた後、集荷コンテナを動かし、投入部12に各処理対象物Sを再度投入するようにしてもよい。このため、第4搬送部20は、必ずしも必要ではない。
【0113】
第4搬送部20は、カーブコンベア92の代わりに、例えばストレートコンベア、垂直搬送機(vertical sorter)を用いることができる。第4搬送部20の上流端の位置は、
図2中では、調速コンベア64に隣接する位置である。第4搬送部20の上流端の位置は、細幅コンベア62に隣接する位置でもよい。
【0114】
上述した例では、第1壁部52、第2壁部54、第3壁部56及び第4壁部68が能動的に動く補助搬送部52a,54a,56a,68aを有する場合について説明した。第4壁部68は、処理対象物Sを受動的に上流側から下流側に向かって搬送する構成であってもよい。第1壁部52、第2壁部54、第3壁部56及び第4壁部68は、処理対象物Sを受動的に上流側から下流側に向かって搬送する場合、例えば、補助搬送部70aと同様に構成されていることが好適である。全ての補助搬送部52a,54a,56a,68a,70aが能動的に処理対象物Sを上流側から下流側に向かって搬送する構成であってもよい。
【0115】
以上説明したように、本実施形態によれば、多層バラ積み状態等の処理対象物S(荷物)を、例えば物流ソータ110や製造ライン等の後続の装置で扱いやすくする供給装置10を提供することができる。
【0116】
(第二の実施形態)
次に、第二の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の片寄コンベア、第2の片寄コンベア、及び第3の片寄コンベアのそれぞれの間に搬送される荷物の物量を計測するセンサを備える点で、第一の実施形態とは異なる。なお、以下に説明する以外の構成は、第一の実施形態と同様である。
【0117】
図9は、第二の実施形態に係る供給装置300を上側から見た状態を示す概略図である。第二の実施形態に係る供給装置300は、センサ301と、センサ302と、制御装置303と、を有する。
【0118】
センサ301は、第1の片寄コンベア42、第2の片寄コンベア44の間に設けられ、搬送される処理対象物Sの流量を計測するセンサであり、処理対象物Sの有無を検出する。例えば、センサ301は、センサ301から第1の片寄コンベアの延出方向D21に直交し第2の片寄コンベアの延出方向D22に平行な方向にレーザーを照射するレーザレンジファインダ(LRF)である。
【0119】
センサ301は、センサ301が照射したレーザーが処理対象物Sに照射され、その反射光を受光部で受光することにより、センサ301から処理対象物Sまでの距離を測定する。センサ301は、第1の片寄コンベア42から第2の片寄コンベア44へ搬送される処理対象物Sが存在する場合は、搬送される処理対象物Sによって反射された反射光を受光することによって、第1の片寄コンベア42から第2の片寄コンベア44へ搬送される処理対象物Sが存在すると判定する。反射光が受光されない場合、センサ301は、第1の片寄コンベア42から第2の片寄コンベア44へ搬送される処理対象物Sが存在しないと判定する。
【0120】
センサ302は、第2の片寄コンベア44、第3の片寄コンベア46の間に設けられ、搬送される処理対象物Sの流量を計測するセンサであり、処理対象物Sの有無を検出する。例えば、センサ302は、センサ302から第2の片寄コンベアの延出方向D23に直交し第3の片寄コンベアの延出方向D23に平行な方向にレーザーを照射するレーザレンジファインダ(LRF)である。
【0121】
センサ302は、センサ302が照射するレーザーが処理対象物Sに照射され、その反射光を受光部で受光することにより、センサ302から処理対象物Sまでの距離を測定する。センサ302は、第2の片寄コンベア44から第3の片寄コンベア46へ搬送される処理対象物Sが存在する場合は、搬送される処理対象物Sによって反射された反射光を受光することによって、第2の片寄コンベア44から第3の片寄コンベア46へ搬送される処理対象物Sが存在すると判定する。反射光が受光されない場合、センサ302は、第2の片寄コンベア44から第3の片寄コンベア46へ搬送される処理対象物Sが存在しないと判定する。
【0122】
なお、センサ301及びセンサ302は、第1の片寄コンベア42、第2の片寄コンベア44、及び第3の片寄コンベア46を上側から撮像するカメラであってもよい。センサ301及びセンサ302は、第2搬送部16が搬送する処理対象物Sの流量を取得できるセンサであればどのようなセンサであってもよい。
【0123】
制御装置303は、無線又は有線ネットワークによって第2搬送部16と接続され、第2搬送部16を制御するコンピュータである。なお、制御装置303は、第1搬送部14、及び第3搬送部18を含む供給装置300全体を制御してもよいし、物品区分装置全体を制御してもよい。
図10を用いて供給装置300が備える第2搬送部16を制御する制御装置303について説明する。
【0124】
図10は、第二の実施形態に係る制御装置303の構成の一例を示すブロック図である。制御装置303は、プロセッサ401(制御部)と、ROM402と、RAM403と、補助記憶デバイス404(記憶部)と、通信インタフェース405(通信部)と、を備える。
【0125】
プロセッサ401は、制御装置303の処理に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピュータの中枢部分に相当し、制御装置303全体を統合的に制御する。プロセッサ401は、ROM402又は補助記憶デバイス404などに記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、制御装置303の各種の機能を実現するべく制御を実行する。プロセッサ401は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、又はDSP(digital signal processor)である。あるいは、プロセッサ401は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0126】
ROM402は、プロセッサ401を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。ROM402は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM402は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM402は、プロセッサ401が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0127】
RAM403は、プロセッサ401を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。RAM403は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM403は、プロセッサ401が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0128】
補助記憶デバイス404は、プロセッサ401を中枢とするコンピュータの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス404は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)(登録商標)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などである。補助記憶デバイス404は、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス404は、プロセッサ401が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ401での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
【0129】
ROM402又は補助記憶デバイス404に記憶されるプログラムは、制御装置303を制御するためのプログラムを含む。一例として、制御装置303は、当該プログラムがROM402又は補助記憶デバイス404に記憶された状態で制御装置303の管理者などへと譲渡される。しかしながら、制御装置303は、当該プログラムがROM402又は補助記憶デバイス404に記憶されない状態で当該管理者などに譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に当該管理者などへと譲渡され、当該管理者又はサービスマンなどによる操作の下に補助記憶デバイス404へ書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはネットワークなどを介したダウンロードにより実現できる。
【0130】
通信インタフェース405は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するためのインタフェースである。制御装置303は、通信インタフェース405を介してセンサ301及び302が測定した処理対象物Sの有無を取得する。
【0131】
プロセッサ401は、第1の片寄コンベア42、第2の片寄コンベア44、及び第3の片寄コンベア46の搬送速度を制御する。例えば、プロセッサ401は、通信インタフェース405を介して、投入部12から投入される処理対象物Sの流量を取得し、流量に基づいて第1の片寄コンベア42、第2の片寄コンベア44、及び第3の片寄コンベア46のそれぞれの搬送速度を制御する。投入部12から投入される処理対象物Sの流量が所定の閾値より多い場合、プロセッサ401は、第1の片寄コンベア42、第2の片寄コンベア44、及び第3の片寄コンベア46のそれぞれの搬送速度を加速する。投入部12から投入される処理対象物Sの流量が所定の閾値より少ない場合、プロセッサ401は、第1の片寄コンベア42、第2の片寄コンベア44、及び第3の片寄コンベア46のそれぞれの搬送速度を減速する。これにより、プロセッサ401は、第2搬送部16より下流に搬送される処理対象物Sの流量を調整することができる。
【0132】
また、プロセッサ401は、センサ301から処理対象物Sの有無を取得し、処理対象物Sが存在する場合はセンサ301よりも上流の第1の片寄コンベア42を減速させるよう制御し、処理対象物Sが存在しない場合はセンサ301よりも上流の第1の片寄コンベア42の搬送速度を加速させるよう制御する。例えば、プロセッサ401は、センサ301から取得した処理対象物Sの有無に基づいて、第1の片寄コンベア42と第2の片寄コンベア44との間の乗り継ぎ時の滞留の発生を判定する。第1の片寄コンベア42と第2の片寄コンベア44との間の乗り継ぎ時の滞留が発生している場合、プロセッサ401は、処理対象物Sが更に滞留しないように第1の片寄コンベア42を減速させるよう制御する。第1の片寄コンベア42と第2の片寄コンベア44との間の乗り継ぎ時の滞留が発生していない場合、プロセッサ401は、処理対象物Sの流量を増加させるように第1の片寄コンベア42を加速させるよう制御する。
【0133】
また、プロセッサ401は、センサ302から処理対象物Sの有無を取得し、処理対象物Sが存在する場合はセンサ302よりも上流の第2の片寄コンベア44を減速させるよう制御し、処理対象物Sが存在しない場合はセンサ302よりも上流の第2の片寄コンベア44の搬送速度を加速させるよう制御する。例えば、プロセッサ401は、センサ302から取得した処理対象物Sの有無に基づいて、第2の片寄コンベア44と第3の片寄コンベア46との間の乗り継ぎ時の滞留の発生を判定する。第2の片寄コンベア44と第3の片寄コンベア46との間の乗り継ぎ時の滞留が発生している場合、プロセッサ401は、処理対象物Sが更に滞留しないように第2の片寄コンベア44を減速させるよう制御する。第2の片寄コンベア44と第3の片寄コンベア46との間の乗り継ぎ時の滞留が発生していない場合、プロセッサ401は、処理対象物Sの流量を増加させるように第2の片寄コンベア44を加速させるよう制御する。
【0134】
これにより、プロセッサ401は、片寄コンベアの乗り継ぎ時に発生する処理対象物Sの流量に基づいて上流側の片寄コンベアを加減速させることで、処理対象物Sの滞留を低減して効率的に処理対象物Sを搬送することができる。
【0135】
また、プロセッサ401は、補助搬送部52a、補助搬送部54a、及び補助搬送部56aの搬送速度を制御する。例えば、プロセッサ401は、第1の片寄コンベア42、第2の片寄コンベア44、及び第3の片寄コンベア46のそれぞれの搬送速度の制御に基づいて補助搬送部52a、補助搬送部54a、及び補助搬送部56aのそれぞれの搬送速度を制御する。例えば、本実施形態では、補助搬送部52aの搬送速度は、第1の片寄コンベア42の搬送速度の2倍の速度に設定される。したがって、プロセッサ401は、第1の片寄コンベア42の搬送速度を加速させるよう制御した場合に、加速された第1の片寄コンベア42の搬送速度の2倍の速度になるように補助搬送部52の搬送速度を加速するよう制御する。
【0136】
また、プロセッサ401は、センサ301及びセンサ302から取得した流量に基づいて、補助搬送部52a、補助搬送部54a及び補助搬送部56aの搬送速度を減速又は加速するよう制御する。上記と同様に、プロセッサ401は片寄コンベアの乗り継ぎ時に発生する処理対象物Sの流量に基づいて上流側の片寄コンベアを加減速するのに合わせて、加減速された片寄コンベアの搬送速度の2倍又は半分の速度になるように補助搬送部52、補助搬送部54a及び補助搬送部56aの搬送速度を加減速するよう制御する。
【0137】
これにより、プロセッサ401は、補助搬送部の搬送速度を制御することで、片寄コンベアの搬送速度に合わせた搬送速度で処理対象物Sを搬送することができる。
【0138】
上記したように、本実施形態の供給装置300が備える第2搬送部16は、第1の片寄コンベア42、第2の片寄コンベア44、第3の片寄コンベア46、補助搬送部52a、補助搬送部54a、及び補助搬送部56aの搬送速度を制御する。また、第2搬送部16は、処理対象物Sの流量を取得するセンサ301及びセンサ302を備える。第2搬送部16は、センサ301及び302から取得した処理対象物Sの有無に基づいて第1の片寄コンベア42、第2の片寄コンベア44、第3の片寄コンベア46、補助搬送部52a、補助搬送部54a、及び補助搬送部56aを減速又は加速する。第2搬送部16は、センサ301及びセンサ302から取得した流量が多い場合は、取得したセンサよりも上流の片寄コンベアを減速させ、流量が少ない場合は、取得したセンサよりも上流の片寄コンベアの搬送速度を加速させる。これにより、第2搬送部16は、搬送する処理対象物Sの流量に基づいて搬送速度を加減速することで流量を調整することで、処理対象物Sを効率的に搬送することが出来る。
【0139】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の供給装置によれば、処理対象物Sを離間させる第1搬送部14、処理対象物Sを1列に整列させる第2搬送部16、処理対象物S同士の間隔を調整させながら搬送可能な第3搬送部18を有することにより、多層バラ積み状態等の処理対象物Sを、自動で離間し、整列させ、所定のピッチにし、後続の装置で処理対象物Sを扱いやすくすることが可能となる。
【0140】
また、以上述べた少なくともひとつの実施形態の供給装置によれば、複数の処理対象物Sが載置される投入部12から処理対象物Sを取出し、第1搬送方向C1に沿って搬送する第1搬送部14と、第1搬送部14の下流側に配置され、第2搬送方向C21,C22,C23に沿って上流側から下流側に処理対象物Sを搬送する第2搬送部16と、第2搬送部16の下流側に配置され、処理対象物S同士の間隔を調整させながら搬送可能な第3搬送部16と、を有することにより、多層バラ積み状態等の処理対象物Sを、自動で離間し、整列させ、所定のピッチにし、後続の装置で処理対象物Sを扱いやすくすることが可能となる。
【0141】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0142】
10…供給装置、11…搬送路、12…投入部、14…第1搬送部(第1の搬送部)、14a…第1搬送路、16…第2搬送部、16a…第2搬送路、18…第3搬送部、18a…第3搬送路、20…第4搬送部、22…第1コンベア部、22a…搬送路、24…第2コンベア部、32…第1傾斜コンベア、32a…搬送路、34…第2傾斜コンベア、34a…搬送路、42…第1の片寄コンベア、42a…搬送路、44…第2の片寄コンベア、44a…搬送路、46…第3の片寄コンベア、46a…搬送路、52a…補助搬送部(第1の補助搬送ベルト)、54a…補助搬送ベルト(第2の補助搬送ベルト)、56a…補助搬送部(第3の補助搬送ベルト)、62…細幅コンベア、62a…搬送路、64…調速コンベア、64a…搬送路、66…回収部、68…第4壁部、70…第5壁部、301、302…センサ、303…制御装置、401…プロセッサ、402…ROM、403…RAM、404…補助記憶デバイス、405…通信インタフェース。