(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056307
(43)【公開日】2023-04-19
(54)【発明の名称】植物栽培プール用シート、植物栽培プール
(51)【国際特許分類】
A01G 31/00 20180101AFI20230412BHJP
【FI】
A01G31/00 609
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021165588
(22)【出願日】2021-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】加茂 康司
(72)【発明者】
【氏名】西尾 直浩
【テーマコード(参考)】
2B314
【Fターム(参考)】
2B314NA01
2B314NA24
2B314NA25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】施工性の良い植物栽培プール用シートの提供。
【解決手段】プール本体(以下、本体と記す)に被せるシート1であって、本体底面に重合する底面部6と本体の側壁の内周側面に重合する内周側面部7a,7bと本体側壁の上面に重合する側壁上面部8a,8bと本体側壁の外周側面に重合する外周側面部9a,9bとを有し、内周側面部は交差する一方の側壁の内周側面を覆う部分の縁部10aと他方の側壁の内周側面を覆う部分の縁部10bとを溶着してあり溶着部を本体の入隅コーナー部に収めるものであり、側壁上面部は外側に折曲げて交差する一方の側壁の上面を覆う部分の一方側端部11と外側に折曲げて他方の側壁の上面を覆う部分の他方側端部12とが交差する側壁上で重合しており、外周側面部は下側に折曲げて交差する一方の側壁の外周側面を覆う部分の一方側端部13が下側に折曲げて他方の側壁の外周側面を覆う部分の他方側端部14に折り重ねてある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プール本体に被せるシートであって、プール本体の底面に重合する底面部と、プール本体の側壁の内周側面に重合する内周側面部と、プール本体の側壁の上面に重合する側壁上面部と、プール本体の側壁の外周側面に重合する外周側面部とを有し、内周側面部は、交差する一方の側壁の内周側面を覆う部分の縁部と他方の側壁の内周側面を覆う部分の縁部とを溶着してあり、溶着部をプール本体の入隅コーナー部に収めるものであり、側壁上面部は、外側に折り曲げて交差する一方の側壁の上面を覆う部分の一方側端部と、外側に折り曲げて他方の側壁の上面を覆う部分の他方側端部とが交差する側壁上で重合しており、外周側面部は、下側に折り曲げて交差する一方の側壁の外周側面を覆う部分の一方側端部が、下側に折り曲げて他方の側壁の外周側面を覆う部分の他方側端部に折り重ねてあることを特徴とする植物栽培プール用シート。
【請求項2】
プール本体と、請求項1記載の側物栽培プール用シートを備えることを特徴とする植物栽培プール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栽培プール用シートと、植物栽培プールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、植物工場において水耕栽培で野菜を栽培するために、細長い浅い箱状のプールが用いられている。かかる植物栽培プールは、発泡スチロールやプラスチック等で形成されたプール本体に、防水性のシートを被せて形成しているが、平坦なシートを立体的なプール本体に被せるのは容易ではなく、施工性の良いシートが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、施工性の良い植物栽培プール用シートと、植物栽培プールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による植物栽培プール用シートは、プール本体に被せるシートであって、プール本体の底面に重合する底面部と、プール本体の側壁の内周側面に重合する内周側面部と、プール本体の側壁の上面に重合する側壁上面部と、プール本体の側壁の外周側面に重合する外周側面部とを有し、内周側面部は、交差する一方の側壁の内周側面を覆う部分の縁部と他方の側壁の内周側面を覆う部分の縁部とを溶着してあり、溶着部をプール本体の入隅コーナー部に収めるものであり、側壁上面部は、外側に折り曲げて交差する一方の側壁の上面を覆う部分の一方側端部と、外側に折り曲げて他方の側壁の上面を覆う部分の他方側端部とが交差する側壁上で重合しており、外周側面部は、下側に折り曲げて交差する一方の側壁の外周側面を覆う部分の一方側端部が、下側に折り曲げて他方の側壁の外周側面を覆う部分の他方側端部に折り重ねてあることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明による植物栽培プールは、プール本体と、請求項1記載の側物栽培プール用シートを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明による植物栽培プール用シートは、プール本体の底面に重合する底面部と、プール本体の側壁の内周側面に重合する内周側面部と、プール本体の側壁の上面に重合する側壁上面部と、プール本体の側壁の外周側面に重合する外周側面部とを有し、内周側面部は、交差する一方の側壁の内周側面を覆う部分の縁部と他方の側壁の内周側面を覆う部分の縁部とを溶着してあり、溶着部をプール本体の入隅コーナー部に収めることにより、プール本体の内側(底面、側壁の内周側面)にシートが重ならずに密着し、側壁上面部を外側に折り曲げることで、側壁上面部が交差する一方及び他方の側壁の上面を密着して覆い、且つ一方の側壁の上面を覆う部分の一方側端部と他方の側壁の上面を覆う部分の他方側端部とが交差する側壁上で重合し、外周側面部を下側に折り曲げることで、外周側面部が交差する一方及び他方の側壁の外周側面を密着して覆い、且つ一方の側壁の外周側面を覆う部分の一方側端部が他方の側壁の外周側面を覆う部分の他方側端部に折り重なるので、プール本体にシートを短時間で、しかも皺等の発生を防いできれいに取付けることができ、施工性が良い。
【0007】
請求項2記載の発明による植物栽培プールは、プール本体と、請求項1記載の側物栽培プール用シートを備えることで、プール本体にシートを短時間で、しかも皺等の発生を防いできれいに取付けることができ、施工性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)は本発明の植物栽培プール用シートの一実施形態を示す展開図であり、(b)はA部拡大図である。
【
図2】本発明に係る植物栽培プールを備える植物栽培装置の一実施形態を示す正面図である。
【
図5-1】プール本体に植物栽培プール用シートを取付ける際の手順を示す斜視図である。
【
図5-2】プール本体に植物栽培プール用シートを取付ける際の手順(
図5-1の続き)を示す斜視図である。
【
図5-3】プール本体に植物栽培プール用シートを取付ける際の手順(
図5-2の続き)を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2~4は、本発明の植物栽培プール17を備えた植物栽培装置の一実施形態を示している。本植物栽培装置は、野菜等を生産する植物工場内に設置されるものであり、
図2に示すように、植物栽培棚18と、植物栽培棚18の側方に設置した送風装置19とを備える。植物栽培棚18は、上下5段の棚板20と天板21とが支柱22に支持してある。各段の棚板20の上には、植物栽培プール17が設置してある。一つの植物栽培プール17の大きさは、左右方向の長さが約12.5メートル、奥行が約1.2メートル、高さが約10センチとなっている。
図2,3中の符合23は、植物栽培プール17に養液を供給する給水管である。天板21の下面と、上から1~4段目の棚板20の下面には、
図3に示すように、照明24が取付けてある。栽培する植物は、特に限定されるものではないが、例えばレタス等の葉物野菜があげられる。
【0010】
植物栽培プール17内には、
図4に示すように、養液25に浮かせて複数の栽培パネル26がプールの左右方向及び奥行方向に並べて設置されている。栽培パネル26は、プラスチック製であり、植物を植えた培地カップが取付けられる孔27が間隔をおいて複数設けてある。
【0011】
送風装置19は、
図2に示すように、給気装置28と、圧力調整室29と、送風管30を有している。給気装置28は、市販のシロッコファンを用いたもので、モーターでファンを回転させることで二酸化炭素濃度が調整された工場内の空気を吸い込んで圧力調整室29に送り込む。圧力調整室29は、直方体の箱状のものであり、給気装置28から空気が直接的に送り込まれることで、内部の圧力が一定に保たれる。送風管30は、ポリエチレン製のチューブで形成したものであり、植物栽培棚18の左右方向の全長に跨って設けてあり、一方の端部は圧力調整室29の空気吹出口31に連結され、他方の端部は閉じられている。送風管30は、
図3に示すように、植物栽培棚18の各段毎に奥行方向で前後に間隔をあけて3本ずつ設けてあり、各送風管30は、天板21及び棚板20の下面に取付けた略U字形の支持具32で支持してある。送風管30は、長手方向に一定の間隔をおいて空気吹出口(図示省略)が設けてある。空気吹出口は、送風管30の下面側に垂直方向から前方及び後方に所定角度傾いた位置に設けてあり、風33を斜めに吹出している。これにより、植物の蒸散により植物栽培プール17上にこもる湿気や熱を拡散させ、送風管30から送られてくる新しい空気で効率よく置換できる。このような構成の送風装置19を用いることで、植物栽培棚18の全ての植物に均一に風を当てることができ、均質な生育を行うことができる。
【0012】
植物栽培プール17は、
図4と
図5-1に示すように、プール本体2に植物栽培プール用シート1を被せて構成してある。プール本体2は、発泡スチロール製であり、底壁3と、底壁3の周囲に立ち上がる側壁4,4,5,5とが一体に形成してある。なおプール本体2は、
図5-1(a)に表されたものよりも実際にはもっと長く、長手方向に複数に分割して形成してある(
図2参照)。
【0013】
植物栽培プール用シート1は、水を通さない薄い樹脂製のシート、具体的には厚さが0.2mmで黒色のポリエチレンシートで形成してある。
図1は、植物栽培プール用シート1の展開図を示している。植物栽培プール用シート1は、プール本体2の底面3aに重合する底面部6と、底面部6の周囲に連設してあり、プール本体2の四周の側壁4,4,5,5の内周側面4a,4a,5a,5aにそれぞれ重合する内周側面部7a,7a,7b,7bと、各内周側面部7a,7a,7b,7bの外周側に連設してあり、プール本体2の四周の側壁4,4,5,5の上面4b,4b,5b,5bにそれぞれ重合する側壁上面部8a,8a,8b,8bと、各側壁上面部8a,8a,8b,8bの外周側に連設してあり、プール本体2の四周の側壁4,4,5,5の外周側面4c,4c,5c,5cにそれぞれ重合する外周側面部9a,9a,9b,9bとを有している。
内周側面部7a,7a,7b,7bは、長手方向の側壁4,4の内周側面4a,4aを覆う部分7a,7aの縁部10aと短手方向の側壁5,5の内周側面5a,5aを覆う部分7b,7bの縁部10bとが、
図5-1に示すように溶着され、その溶着部15はプール本体2の入隅コーナー部16に収められる。
側壁上面部8a,8a,8b,8bは、
図5-2に示すように、溶着部15をプール本体2の入隅コーナー部16に収めた後、側壁4,4,5,5の内周側面4a,4a,5a,5aと側壁4,4,5,5の上面4b,4b,5b,5bとの間の稜線34にそって外側に折り曲げられ、側壁4,4,5,5の上面4b,4b,5b,5bを密着して覆うものであり、長手方向の側壁4,4の上面4b,4bを覆う部分8a,8aの一方側端部(
図1のハッチング部)11と、短手方向の側壁5,5の上面5b,5bを覆う部分8b,8bの他方側端部(
図1のハッチング部)12とが、
図5-2に示すように、交差する側壁4,5上で重合するようになっている。
外周側面部9a,9a,9b,9bは、
図5-2,5-3に示すように、側壁上面部8a,8a,8b,8bを外側に折り曲げた後、側壁4,4,5,5の上面4b,4b,5b,5bと側壁4,4,5,5の外周側面4c,4c,5c,5cとの間の稜線35に沿って下側に折り曲げられ、側壁4,4,5,5の外周側面4c,4c,5c,5cを密着して覆うものである。長手方向の側壁4,4の外周側面4c,4cを覆う部分9a,9aの一方側端部13は、同側壁4,4の外周側面4c,4cよりも側方にはみ出しており、その一方側端部13は長手方向の側壁4,4の外周側面4c,4cと短手方向の側壁5,5の外周側面5c,5cとの間の稜線36に沿って折り曲げられる。短手方向の側壁5,5の外周側面5c,5cを覆う部分9b,9bは、短手方向の側壁5,5の外周側面5c,5cと同じ大きさ・形状となっており、
図5-3に示すように、同部分9b,9bの他方側端部14が折り曲げられた長手方向の側壁4,4の外周側面4c,4cを覆う部分9a,9aの一方側端部13と重なるようになっている。
図1に示すように、側壁上面部8a,8a,8b,8bのうちの長手方向の側壁4,4の上面4b,4bを覆う部分8a,8aの一方側端部11と、外周側面部9a,9a,9b,9bのうちの長手方向の側壁4,4の外周側面4c,4cを覆う部分9a,9aの一方側端部13との間には正方形状の折り込み部37が設けてあり、この折り込み部37を介して側壁上面部8a,8aの一方側端部11と外周側面部9a,9aの一方側端部13とを連続させてある。この折り込み部37は、
図5-2(e)に示すように、外周側面部9a,9aの一方側端部13を短手方向の側壁5側に折り曲げる際に、対角線38に沿って折り曲げて一方側端部13の内側に折り込まれる。
【0014】
この植物栽培プール用シート1は、以下の手順により製作することができる。まず、所定の幅のシートをプール本体1の大きさに合った長さに切断する。次に、
図1に示すように、切断したシートの4箇所のコーナー部に、内周側面部7a,7a,7b,7bの溶着部(縁部10,10)と、交差する側壁4,5上における側壁上面部8a,8a,8b,8bの重合部(一方側端部11及び他方側端部12)と、外周側面部9a,9a,9b,9bの折り重ね部(一方側端部13及び他方側端部14)と、折り込み部37を残して切欠き39を設ける。切欠き39は、大きさの異なる2つの四角形40a,40bを斜めにずらして繋げた形状となっており、内側の小さい方の四角形40bは、一辺の長さがプール本体2の側壁4,4,5,5の内周側面4a,4a,5a,5aの高さと同じ寸法の正方形になっている。
その後、内周側面部7a,7a,7b,7bの長手方向の側壁4,4の内周側面4a,4aを覆う部分7a,7aの縁部10aと短手方向の側壁5,5の内周側面5a,5aを覆う部分7b,7bの縁部10bとを溶着する。なお、
図1中に表された点線は、シートの構成を説明するために便宜上付したものであり、実際のシートには折り曲げ線等の線は付されていない。
【0015】
次に、植物栽培プール用シート1をプール本体2に取付ける際の手順を説明する。まず、
図5-1(a),(b)に示すように、植物栽培プール用シート1の溶着部15をプール本体2の入隅コーナー部16に収めるようにして、植物栽培プール用シート1をプール本体2に上から被せる。これにより、プール本体2の内側(底面3a、側壁4,4,5,5の内周側面4a,4a,5a,5a)に植物栽培プール用シート1が重ならずに密着する。
次に、
図5-2(d)に示すように、植物栽培プール用シート1の側壁上面部8a,8a,8b,8bのうち長手方向の側壁4,4の上面4b,4bを覆う部分8a,8aを、同側壁4,4の内周側面4a,4aと上面4b,4bとの間の稜線34に沿って外側に折り曲げ、次いで
図5-2(e)に示すように、植物栽培プール用シート1の側壁上面部8a,8a,8b,8bのうち短手方向の側壁5,5の上面5b,5bを覆う部分8b,8bを、同側壁5,5の内周側面5a,5aと上面5b,5bとの間の稜線34に沿って外側に折り曲げる。すると、側壁上面部8a,8a,8b,8bの長手方向の側壁4,4の上面4b,4bを覆う部分8a,8aの一方側端部11と、側壁上面部8a,8a,8b,8bの短手方向の側壁5,5の上面5b,5bを覆う部分8b,8bの他方側端部12とが交差する側壁4,5上で重合する。
次に、
図5-2(e)に示すように、植物栽培プール用シート1の外周側面部9a,9a,9b,9bのうち長手方向の側壁4,4の外周側面4c,4cを覆う部分9a,9aを、同側壁4,4の上面4b,4bと外周側面4c,4cとの間の稜線35に沿って下側に折り曲げ、ついで同部分9a,9aの一方側端部13を、長手方向の側壁4,4の外周側面4c,4cと短手方向の側壁5,5の外周側面5c,5cとの間の稜線36に沿って折り曲げる。その際、折り込み部37を対角線38に沿って折り曲げて、一方側端部13の内側に折り込む。これによりプール本体2上部の外周側の角部41がシートで覆われる。
次に、
図5-3(g)に示すように、植物栽培プール用シート1の外周側面部9a,9a,9b,9bのうち短手方向の側壁5,5の外周側面5c,5cを覆う部分9b,9bを、同側壁5,5の上面5b,5bと外周側面5c,5cとの間の稜線35に沿って下側に折り曲げる。すると、先に折り曲げておいた外周側面部9a,9a,9b,9bのうちの長手方向の側壁4,4の外周側面4c,4cを覆う部分9a,9aの一方側端部13と、外周側面部9a,9a,9b,9bのうちの短手方向の側壁5,5の外周側面5c,5cを覆う部分9b,9bの他方側端部14とが重合する。なお、外周側面部9a,9aの一方側端部13を他方側端部14の外側に重合するようにしてもよい。
最後に、
図5-3(h)に示すように、植物栽培プール用シート1の外周側面部9a,9a,9b,9bの長手方向の側壁4,4の外周側面4c,4cを覆う部分9a,9aと短手方向の側壁5,5の外周側面5c,5cを覆う部分9b,9bとに跨って粘着テープ42を貼り、植物栽培プール用シート1を固定する。
【0016】
以上に述べたように本植物栽培プール用シート1は、プール本体2の底面3aに重合する底面部6と、プール本体2の側壁4,4,5,5の内周側面4a,4a,5a,5aに重合する内周側面部7a,7a,7b,7bと、プール本体2の側壁4,4,5,5の上面4b,4b,5b,5bに重合する側壁上面部8a,8a,8b,8bと、プール本体2の側壁4,4,5,5の外周側面4c,4c,5c,5cに重合する外周側面部9a,9a,9b,9bとを有し、内周側面部7a,7a,7b,7bは、交差する一方の側壁4,4の内周側面4a,4aを覆う部分7a,7aの縁部10aと他方の側壁5,5の内周側面5a,5aを覆う部分7b,7bの縁部10bとを溶着してあり、溶着部15をプール本体2の入隅コーナー部16に収めることにより、プール本体2の内側(底面3a、側壁4,4,5,5の内周側面4a,4a,5a,5a)にシートが重ならずに密着し、側壁上面部8a,8a,8b,8bを外側に折り曲げることで、側壁上面部8a,8a,8b,8bが交差する一方及び他方の側壁4,4,5,5の上面4b,4b,5b,5bを密着して覆い、且つ一方の側壁4,4の上面4b,4bを覆う部分8a,8aの一方側端部11と他方の側壁5,5の上面5b,5bを覆う部分8b,8bの他方側端部12とが交差する側壁4,5上で重合し、外周側面部9a,9a,9b,9bを下側に折り曲げることで、外周側面部9a,9a,9b,9bが交差する一方及び他方の側壁4,4,5,5の外周側面4c,4c,5c,5cを密着して覆い、且つ一方の側壁4,4の外周側面4c,4cを覆う部分9a,9aの一方側端部13が他方の側壁5,5の外周側面5c,5cを覆う部分9b,9bの他方側端部14に折り重なるので、プール本体1にシート1を短時間で、しかも皺等の発生を防いできれいに取付けることができ、施工性が良い。
本植物栽培プール用シート1は、折り曲げ線が形成されておらず、プール本体2の稜線に34,35,36沿って折り曲げて取付けるものなので、サイズの異なるプール本体2にも柔軟に対応することができる。
また本植物栽培プール用シート1は、コーナー部に内周側面部7a,7a,7b,7bの溶着部(縁部10,10)と、交差する側壁4,5上における側壁上面部8a,8a,8b,8bの重合部(一方側端部11及び他方側端部12)と、外周側面部9a,9a,9b,9bの折り重ね部(一方側端部13及び他方側端部14)を残して切欠き39を設けることで、容易に製作することができる。
さらに本植物栽培プール用シート1は、側壁上面部8a,8aの一方側端部11と外周側面部9a,9aの一方側端部13とを折り込み部37を介して連続させてあることで、プール本体2上部の外周側の角部41をシート1で覆い、角部41を保護できる。
【0017】
本植物栽培プール17は、プール本体2と、請求項1記載の植物栽培プール用シート1を備えることで、プール本体2にシート1を短時間で、しかも皺等の発生を防いできれいに取付けることができ、施工性が良い。
【0018】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。植物栽培プール用シートの材質、厚み、形状は、適宜変更することができる。プール本体の材質、形状、大きさは、適宜変更することができる。栽培する植物の種類は問わない。
【符号の説明】
【0019】
1 植物栽培プール用シート
2 プール本体
3 プール本体の底壁
3a プール本体の底面
4,5 プール本体の側壁
4a,5a 側壁の内周側面
4b,4b 側壁の上面
4c,5c 側壁の外周側面
6 底面部
7a,7b 内周側面部
8a,8b 側壁上面部
9a,9b 外周側面部
10a,10b 内周側面部の縁部
11 側壁上面部の一方側端部
12 側壁上面部の他方側端部
13 外周側面部の一方側端部
14 外周側面部の他方側端部
15 溶着部
16 入隅コーナー部
17 植物栽培プール