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特開2023-56339リフレッシュシステム、及び制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056339
(43)【公開日】2023-04-19
(54)【発明の名称】リフレッシュシステム、及び制御システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 21/02 20060101AFI20230412BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20230412BHJP
   H05B 47/125 20200101ALI20230412BHJP
   H05B 47/13 20200101ALI20230412BHJP
【FI】
A61M21/02 H
H05B47/16
H05B47/125
H05B47/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021165633
(22)【出願日】2021-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 ゆり
(72)【発明者】
【氏名】池淵 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊靖
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA07
3K273QA13
3K273RA02
3K273SA02
3K273SA04
3K273SA21
3K273SA24
3K273SA38
3K273SA46
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA11
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA45
3K273UA17
3K273UA21
3K273UA22
3K273UA23
(57)【要約】
【課題】 人に瞑想による心の落ち着きを維持させながら、瞑想状態から通常の活動状態にスムーズに移行させることができるリフレッシュシステム、及び制御システムを提供する。
【解決手段】 リフレッシュシステム1は、利用者H1の顔面F1に直接的又は間接的に光L1を照射する光源3と、光源3の光出力を調整する光制御部22と、を備える。リフレッシュシステム1は、利用者H1を瞑想状態に導くための瞑想フェーズ、及び利用者H1を瞑想状態から通常状態に移行させるためのリカバーフェーズを含む複数のフェーズのそれぞれに対応して動作する。光制御部22は、リカバーフェーズにおいて、光出力を2秒以上、かつ、90秒以下の漸増期間に亘って漸増させ、漸増期間の完了時点における顔面の照度を2lx以上、かつ、100lx未満とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の顔面に直接的又は間接的に光を照射する光源と、
前記光源の光出力を調整する光制御部と、を備え、
前記利用者を瞑想状態に導くための瞑想フェーズ、及び前記利用者を前記瞑想状態から通常状態に移行させるためのリカバーフェーズを含む複数のフェーズのそれぞれに対応して動作し、
前記光制御部は、前記リカバーフェーズにおいて、前記光出力を2秒以上、かつ、90秒以下の漸増期間に亘って漸増させ、前記漸増期間の完了時点における前記顔面の照度を2lx以上、かつ、100lx未満とする
リフレッシュシステム。
【請求項2】
前記光制御部は、前記漸増期間以前のゆらぎ期間において、前記光出力の増加と減少とを20秒以上に亘って繰り返させる
請求項1のリフレッシュシステム。
【請求項3】
前記光制御部は、前記ゆらぎ期間において、前記光出力の変動周期を7秒以上とし、前記顔面の照度のピーク値を100lx未満とする
請求項2のリフレッシュシステム。
【請求項4】
前記光制御部は、前記ゆらぎ期間の少なくとも一部において、前記光源の光出力を前記瞑想フェーズに対応する光出力に調整する
請求項2又は3のリフレッシュシステム。
【請求項5】
前記瞑想フェーズは、前記光出力の波形が互いに異なる複数のサブフェーズを含む
請求項4のリフレッシュシステム。
【請求項6】
前記複数のフェーズは、前記利用者をリラックス状態にするためのリラックスフェーズを更に含み、
前記光制御部は、
前記ゆらぎ期間において、前記光源の光出力を前記リラックスフェーズに対応する光出力に調整した後に、前記光源の光出力を前記瞑想フェーズに対応する光出力に調整し、
前記光出力の大きさのピーク値及び前記光出力の変動周期の少なくとも一方を、前記リラックスフェーズと前記瞑想フェーズとで異ならせる
請求項4又は5のリフレッシュシステム。
【請求項7】
前記瞑想フェーズは、少なくとも1つの定常サブフェーズを含み、
前記光制御部は、
前記少なくとも1つの定常サブフェーズにおける前記光出力を一定の周期で変動させ、
前記少なくとも1つの定常サブフェーズにおける前記光出力の変動周期を、前記リラックスフェーズにおける前記光出力の変動周期より長くし、
前記少なくとも1つの定常サブフェーズにおける前記光出力の大きさのピーク値を、前記リラックスフェーズにおける前記光出力の大きさのピーク値より小さくする
請求項6のリフレッシュシステム。
【請求項8】
前記光制御部は、前記リラックスフェーズにおいて、前記光出力の変動周期を7秒以上、かつ、14秒以下とし、前記顔面の照度のピーク値を100lx未満とする
請求項6又は7のリフレッシュシステム。
【請求項9】
前記瞑想フェーズは、少なくとも1つの非定常サブフェーズを含み、
前記光制御部は、前記少なくとも1つの非定常サブフェーズにおける前記光出力を不定の周期で変動させる
請求項4乃至8のいずれか1つのリフレッシュシステム。
【請求項10】
前記瞑想フェーズは、前記少なくとも1つの定常サブフェーズと、少なくとも1つの非定常サブフェーズと、を含み、
前記光制御部は、前記少なくとも1つの非定常サブフェーズにおける前記光出力を不定の周期で変動させる
請求項7又は8のリフレッシュシステム。
【請求項11】
利用者の顔面に直接的又は間接的に光を照射する光源と、
前記光源の光出力を調整する光制御部と、を備え、
前記利用者を瞑想状態に導くための瞑想フェーズを含む複数のフェーズのそれぞれに対応して動作し、
前記瞑想フェーズは、少なくとも1つの非定常サブフェーズを含み、
前記光制御部は、前記少なくとも1つの非定常サブフェーズにおける前記光出力を不定の周期で変動させる
リフレッシュシステム。
【請求項12】
前記複数のフェーズは、前記利用者をリラックス状態にするためのリラックスフェーズを更に含み、
前記光制御部は、
前記光源の光出力を前記リラックスフェーズに対応する光出力に調整した後に、前記光源の光出力を前記瞑想フェーズに対応する光出力に調整し、
前記光出力の大きさのピーク値及び前記光出力の変動周期の少なくとも一方を、前記リラックスフェーズと前記瞑想フェーズとで異ならせる
請求項11のリフレッシュシステム。
【請求項13】
前記光制御部は、前記リラックスフェーズ及び前記瞑想フェーズにおいて、前記光出力の変動周期を7秒以上とし、前記顔面の照度のピーク値を100lx未満とする
請求項12のリフレッシュシステム。
【請求項14】
前記光制御部は、前記リラックスフェーズにおいて、前記光出力の変動周期を7秒以上、かつ、14秒以下とし、前記顔面の照度のピーク値を100lx未満とする
請求項12又は13のリフレッシュシステム。
【請求項15】
前記瞑想フェーズは、少なくとも1つの定常サブフェーズを更に含み、
前記光制御部は、
前記少なくとも1つの定常サブフェーズにおける前記光出力を一定の周期で変動させ、
前記少なくとも1つの定常サブフェーズにおける前記光出力の変動周期を、前記リラックスフェーズにおける前記光出力の変動周期より長くし、
前記少なくとも1つの定常サブフェーズにおける前記光出力の大きさのピーク値を、前記リラックスフェーズにおける前記光出力の大きさのピーク値より小さくする
請求項12乃至14のいずれか1つのリフレッシュシステム。
【請求項16】
前記複数のフェーズの少なくとも1つにおいて音を発する音出力装置を更に備える
請求項1のリフレッシュシステム。
【請求項17】
前記音出力装置は、前記音として、前記利用者に呼吸のタイミングを教示する音を発する
請求項16のリフレッシュシステム。
【請求項18】
利用者を瞑想状態に導く瞑想フェーズ、及び前記利用者を前記瞑想状態から通常状態に移行させるリカバーフェーズを含む複数のフェーズのそれぞれに対応して動作するリフレッシュシステムに用いられる制御システムであって、
前記利用者の顔面に直接的又は間接的に光を照射する光源の光出力を調整する光制御部を備え、
前記光制御部は、前記リカバーフェーズにおいて、前記光出力を2秒以上、かつ、90秒以下の漸増期間に亘って漸増させ、前記漸増期間の完了時点における前記顔面の照度を2lx以上、かつ、100lx未満とする
制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リフレッシュシステム、及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の照明システムは、光療法用の照明システムである。特許文献1の照明システムが備える光源は、通常照明光、及び通常照明光よりも高照度又は低照度の生体リズム調整光を照射可能な光源である。生体リズム調整光は、体内時計を調節して生活リズムを整える効果がある光である。生体リズム調整光としては、通常照明光よりも高照度の照明光である生体活性光、及び通常照明光よりも低照度の照明光である沈静光がある。
【0003】
特許文献1の照明システムは、通常照明光による照度を例えば100lx(ルクス)~700lx、好ましくは300lx~700lxとしている。また、生体活性光による照度を、例えば約1000lx以上、好ましくは2500lx程度としている。また、沈静光による照度は、例えば50lx未満、好ましくは1lx~30lxとしている。
【0004】
そして、特許文献1の照明システムは、増大モード、定常モード、減少モード、通常照明モード、沈静光導入モード、及び沈静光定常モードを順次実行して、光療法対象者に光を照射する。
【0005】
増大モードでは、照明システムによる照度は、生体活性光による照度まで経時的に漸増する。定常モードでは、照度は、生体活性光による照度を一定に維持する。減少モードでは、照度は、生体活性光による照度から通常照明光による照度まで経時的に漸減する。通常照明モードでは、照度は、通常照明光による照度を一定に維持する。沈静光導入モードでは、照度は、通常照明光による照度から経時的に漸減して、沈静光による照度になる。沈静光定常モードでは、照度は、沈静光による照度を所定時間維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-206476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のような従来のリフレッシュシステムでは、人に瞑想による心の落ち着きを維持させながら、瞑想状態から通常の活動状態にスムーズに移行させることは困難であった。
【0008】
そこで、本開示の目的は、人に瞑想による心の落ち着きを維持させながら、瞑想状態から通常の活動状態にスムーズに移行させることができるリフレッシュシステム、及び制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係るリフレッシュシステムは、利用者の顔面に直接的又は間接的に光を照射する光源と、前記光源の光出力を調整する光制御部と、を備える。前記リフレッシュシステムは、前記利用者を瞑想状態に導くための瞑想フェーズ、及び前記利用者を前記瞑想状態から通常状態に移行させるためのリカバーフェーズを含む複数のフェーズのそれぞれに対応して動作する。前記光制御部は、前記リカバーフェーズにおいて、前記光出力を2秒以上、かつ、90秒以下の漸増期間に亘って漸増させ、前記漸増期間の完了時点における前記顔面の照度を2lx以上、かつ、100lx未満とする。
【0010】
本開示の一態様に係るリフレッシュシステムは、利用者の顔面に直接的又は間接的に光を照射する光源と、前記光源の光出力を調整する光制御部と、を備える。前記リフレッシュシステムは、前記利用者を瞑想状態に導くための瞑想フェーズを含む複数のフェーズのそれぞれに対応して動作する。前記瞑想フェーズは、少なくとも1つの非定常サブフェーズを含む。前記光制御部は、前記少なくとも1つの非定常サブフェーズにおける前記光出力を不定の周期で変動させる。
【0011】
本開示の一態様に係る制御システムは、利用者を瞑想状態に導く瞑想フェーズ、及び前記利用者を前記瞑想状態から通常状態に移行させるリカバーフェーズを含む複数のフェーズのそれぞれに対応して動作するリフレッシュシステムに用いられる。前記制御システムは、前記利用者の顔面に直接的又は間接的に光を照射する光源の光出力を調整する光制御部を備える。前記光制御部は、前記リカバーフェーズにおいて、前記光出力を2秒以上、かつ、90秒以下の漸増期間に亘って漸増させ、前記漸増期間の完了時点における前記顔面の照度を2lx以上、かつ、100lx未満とする。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本開示では、人に瞑想による心の落ち着きを維持させながら、瞑想状態から通常の活動状態にスムーズに移行させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態の制御システムを備えるリフレッシュシステムを示すブロック図である。
図2図2は、同上のリフレッシュシステムの使用例を示す図である。
図3図3は、同上のリフレッシュシステムにおける光出力の時間変化を示す波形図である。
図4図4A及び図4Bは、実施形態の第1変形例における光出力の時間変化を示す波形図である。
図5図5は、実施形態の第2変形例における光出力の時間変化を示す波形図である。
図6図6は、実施形態の第3変形例における光出力の時間変化を示す波形図である。
図7図7は、実施形態の第4変形例における光出力の時間変化を示す波形図である。
図8図8は、実施形態の第5変形例のリフレッシュシステムを示すブロック図である。
図9図9は、同上の光出力及び音出力の時間変化を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の実施形態は、リフレッシュシステム、及び制御システムに関する。より詳細には、利用者をリフレッシュさせるリフレッシュシステム、及び制御システムに関する。
【0015】
なお、以下に説明する実施形態は、本開示の実施形態の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0016】
(実施形態)
(1)リフレッシュシステムの概略
リフレッシュシステムは、利用者(人)を瞑想状態に導くことで、利用者の疲労、緊張、及びストレスなどを低減させて、利用者の身体及び精神の少なくとも一方をリフレッシュさせる。このようなリフレッシュシステムは、例えば、頭脳労働、肉体労働、単純作業、創作活動、又は運動などの各種活動を行う利用者が使用することを想定している。したがって、リフレッシュシステムには、利用者に瞑想による心の落ち着きを維持させながら、瞑想状態から通常の活動状態にスムーズに移行させることが求められる。
【0017】
以下、瞑想による心の落ち着きを維持させながら、瞑想状態から通常の活動状態にスムーズに移行させることを可能にしたリフレッシュシステムについて説明する。
【0018】
図1は、実施形態のリフレッシュシステム1の構成を示す。
【0019】
リフレッシュシステム1は、制御システム2、及び光源3を備えて、瞑想フェーズP2(図3参照)及びリカバーフェーズP3(図3参照)を含む複数のフェーズのそれぞれに対応して動作する。瞑想フェーズP2は、利用者H1を瞑想状態に導くためのフェーズである。リカバーフェーズP3は、利用者H1を瞑想状態から通常状態に移行させるためのフェーズである。そして、光源3は、利用者H1の顔面F1に直接的又は間接的に光L1を照射する。制御システム2は、光制御部22を備えており、光制御部22は、光源3の光出力を調整する。光制御部22は、リカバーフェーズP3において、光出力を2秒以上、かつ、90秒以下の漸増期間T2(図3参照)に亘って漸増させ、漸増期間の完了時点t10(図3参照)における顔面F1の照度Y3(図3参照)を2lx(ルクス)以上、かつ、100lx未満とする。
【0020】
上記構成を備えるリフレッシュシステム1は、利用者H1を瞑想状態から通常状態に移行させるためのリカバーフェーズP3において、光出力を2秒以上、かつ、90秒以下の漸増期間T2に亘って漸増させ、漸増期間T2の完了時点t10における顔面F1の照度Y3を2lx以上、かつ、100lx未満とする。この結果、リフレッシュシステム1は、利用者H1に瞑想による心の落ち着きを維持させながら、瞑想状態から通常の活動状態にスムーズに移行させることができる。
【0021】
(2)詳細
図1に示すように、リフレッシュシステム1は、制御システム2、及び光源3を備える。
【0022】
(2.1)光源
光源3は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Organic Electro Luminescence、OEL)、又はレーザダイオード(Laser Diode)などの固体発光素子を備えて、所定の光色の光L1を発する。光L1の光色は、例えば白、黄、青、赤、又は2色以上の混色である。また、光源3は、調色可能な光源であってもよい。光源3は、スタンド又はブラケットなどによって支持されている。そして、利用者H1の顔面F1に対する光源3の位置(距離、方向)は調整可能であり、光源3は、利用者H1の顔面F1に直接的又は間接的に光L1を照射する。
【0023】
例えば、光源3は、利用者H1の前方に配置されて、利用者H1の顔面F1に光L1を直接照射してもよい。また、光源3は、壁、パネル、及び反射物などの構造体に光L1を照射し、構造体で反射した光L1を利用者H1の顔面F1に間接照射してもよい。すなわち、光源3は、利用者H1の顔面F1に直接的又は間接的に光L1を照射可能な構成であればよく、利用者H1に対する光源3の位置は、特定の位置に限定されない。
【0024】
光源3は、外光を抑えた薄暗いスペース、又は外光を遮断した暗いスペースに存在する利用者H1の顔面F1に直接的又は間接的に光L1を照射する。顔面F1の照度は、光源3の光L1に主に依存する。
【0025】
一例として、図2に示すように、光源3は、リクライニングチェアG1に座っている利用者H1の顔面F1に光L1を照射する。この場合、光源3とリクライニングチェアG1との相対位置は調整可能であり、利用者H1の顔面F1に対する光源3の位置を所定位置に調整することができる。
【0026】
また、光源3は、ベッドに寝ている利用者H1の顔面F1、又は仕事用の椅子に座っている利用者H1の顔面F1に光L1を照射してもよい。
【0027】
(2.2)制御システム
制御システム2は、図1に示すように、トリガ発生部21、及び光制御部22を備える。
【0028】
制御システム2は、コンピュータシステムを備えることが好ましい。すなわち、制御システム2では、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することによって、制御システム2の一部又は全部の機能が実現される。制御システム2は、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは集約して配置されてもよいし、分散して配置されてもよい。
【0029】
(2.2.1)トリガ発生部
トリガ発生部21は、開始信号を発生する。
【0030】
例えば、トリガ発生部21は、人の操作を受け付ける操作部を備えて、操作部が人の操作を受け付けると、開始信号を発生する。操作部は、スイッチ、ボタン、又はリモートコントローラなどを有する。
【0031】
また、トリガ発生部21は、利用者H1の存在を検出する人センサを備えて、人センサが利用者H1の存在を検出すると、開始信号を発生してもよい。人センサは、焦電センサ、圧力センサ、又はカメラなどを有する。
【0032】
また、トリガ発生部21は、時計機能を備えて、現在時刻が所定時刻になると、開始信号を発生してもよい。あるいは、トリガ発生部21は、計時機能を備えて、計時時間が所定時間に達すると、開始信号を発生してもよい。
【0033】
(2.2.2)光制御部
光制御部22は、光源3の光出力を調整する。すなわち、光制御部22は、光源3が発する光L1の強度を調整(調光)することで、利用者H1の顔面F1の照度を調整する。光制御部22は、光源3に供給する電流、及び光源3に印加する電圧の少なくとも一方を制御することで、光源3の光出力を調整する。
【0034】
また、光制御部22は、利用者H1の顔面F1の照度が目標照度になるように、光源3の光出力をフィードバック制御してもよい。
【0035】
(2.3)リフレッシュ動作
以下、リフレッシュシステム1の動作について説明する。
【0036】
図3は、リフレッシュシステム1が利用者H1をリフレッシュさせるときに、利用者H1の顔面F1に直接的又は間接的に照射する光L1の強度の時間変化、すなわち光源3の光出力の時間変化の一例を示す。リフレッシュシステム1は、複数のフェーズのそれぞれに対応して動作する。光制御部22は、計時機能を有しており、トリガ発生部21が開始信号を発生してからの経過時間に応じて、複数のフェーズのそれぞれに対応する動作を順次実行する。
【0037】
図3では、複数のフェーズとして、リラックスフェーズ(第1フェーズ)P1、瞑想フェーズ(第2フェーズ)P2、及びリカバーフェーズ(第3フェーズ)P3を備える。本実施形態では、リラックスフェーズP1及び瞑想フェーズP2で動作する期間が、ゆらぎ期間T1に相当する。ゆらぎ期間T1は、漸増期間T2より前の期間である。そして、光制御部22は、ゆらぎ期間T1において、光出力の増加と減少とを20秒以上に亘って繰り返させる。光制御部22は、ゆらぎ期間T1において、光出力の変動周期を7秒以上とし、顔面F1の照度のピーク値を100lx未満とすることが好ましい。
【0038】
光制御部22は、ゆらぎ期間T1が始まると、光源3の光出力をリラックスフェーズP1に対応する光出力に調整し、その後、光源3の光出力を瞑想フェーズP2に対応する光出力に調整する。本実施形態では、ゆらぎ期間T1の時間長さを、例えば6分とする。
【0039】
(2.3.1)リラックスフェーズ
リラックスフェーズP1は、利用者H1をリラックス状態にするためのフェーズであり、利用者H1自身のペースでの深呼吸を促す。リラックスフェーズP1の時間長さは20秒以上であることが好ましく、本実施形態では例えば1分とする。なお、リラックス状態とは、利用者H1がゆったりとした気分になっている状態である。
【0040】
時間t0において、トリガ発生部21が開始信号を発生すると、リフレッシュシステム1はリラックスフェーズP1に対応する動作を開始する。リラックスフェーズP1では、光制御部22は、光源3の光出力の増加と減少とを変動周期C1で繰り返す。図3では、光源3の光出力の大きさは、変動周期C1毎にピーク値(最大値)Y1となる。光制御部22は、変動周期C1を、7秒以上、かつ、14秒以下の範囲内の値とする。すなわち、リラックスフェーズP1において、光制御部22は、光源3の光出力の増加と減少とを変動周期C1で繰り返すことで、利用者H1に呼吸のタイミングを教示して、利用者H1自身のペースでの深呼吸を促す。
【0041】
また、光制御部22は、リラックスフェーズP1において、利用者H1の顔面F1の照度のピーク値を100lx未満とする。このとき、光制御部22は、利用者H1の顔面F1の照度のピーク値が100lx未満となるように、光源3の光出力をフィードバック制御することが好ましい。
【0042】
また、リラックスフェーズP1において、利用者H1の顔面F1の照度の最大値と最小値の差は、0.5lx以下であることが好ましい。
【0043】
(2.3.2)瞑想フェーズ
瞑想フェーズP2は、利用者H1を瞑想状態に導くためのフェーズである。本実施形態では、瞑想フェーズP2は、利用者H1をリラックス状態から瞑想状態に移行させる。
【0044】
光制御部22は、リラックスフェーズP1が終了すると、瞑想フェーズP2に対応する動作を開始する。すなわち、光制御部22は、光源3の光出力をリラックスフェーズP1に対応する光出力に調整した後に、光源3の光出力を瞑想フェーズP2に対応する光出力に調整する。瞑想フェーズP2の時間長さは20秒以上であることが好ましく、本実施形態では例えば5分とする。
【0045】
瞑想フェーズP2は定常サブフェーズP21を含む。定常サブフェーズP21では、光制御部22は、光源3の光出力の増加と減少とを一定の周期である変動周期C2で繰り返す。すなわち、光制御部22は、定常サブフェーズP21における光源3の光出力を一定の周期である変動周期C2で変動させ、光源3の光出力の波形は、変動周期C2毎に同じ波形を繰り返す。図3では、光源3の光出力の大きさは、変動周期C2毎にピーク値(最大値)Y2となる。光制御部22は、変動周期C2を、7秒以上、かつ、60秒以下の範囲内の値とする。本実施形態では変動周期C2を例えば10秒とする。
【0046】
すなわち、瞑想フェーズP2において、光制御部22は、光源3の光出力の増加と減少とを変動周期C2で繰り返すことで、利用者H1に瞑想状態への移行を促す。
【0047】
また、光制御部22は、定常サブフェーズP21において、利用者H1の顔面F1の照度のピーク値を100lx未満とする。このとき、光制御部22は、利用者H1の顔面F1の照度のピーク値が100lx未満となるように、光源3の光出力をフィードバック制御することが好ましい。
【0048】
そして、光制御部22は、光出力の大きさのピーク値及び光出力の変動周期の少なくとも一方を、リラックスフェーズP1と瞑想フェーズP2とで異ならせている。本実施形態では、光制御部22は、光出力の大きさのピーク値及び光出力の変動周期の両方を、リラックスフェーズP1と瞑想フェーズP2とで異ならせている。
【0049】
具体的に、定常サブフェーズP21の変動周期C2は、リラックスフェーズP1の変動周期C1より長い。定常サブフェーズP21のピーク値Y2は、リラックスフェーズP1のピーク値Y1より小さい。変動周期C1、C2、及びピーク値Y1、Y2を上記のように設定することで、利用者H1をリラックス状態から瞑想状態にスムーズに移行させることができる。
【0050】
本実施形態の定常サブフェーズP21では、光源3が発する光L1は、光出力の大きさが変動周期C2毎にピーク値Y2にまで増加する定常ゆらぎ光となる。定常ゆらぎ光は、変動周期C2が一定であり、ピーク値Y2も一定となる光であり、利用者H1に集中瞑想を促す作用を有して、利用者H1の集中瞑想をサポートする。すなわち、利用者H1の注意を単調で刺激の少ない定常ゆらぎ光に向けさせることで、利用者H1に集中瞑想を促す。集中瞑想とは、利用者H1が一点に集中している状態であり、例えば「無になる」、又は「頭を空っぽにする」などと表現される状態である。
【0051】
また、定常サブフェーズP21において、利用者H1の顔面F1の照度の最大値と最小値の差は、0.5lx以下であることが好ましい。
【0052】
(2.3.3)リカバーフェーズ
リカバーフェーズP3は、利用者H1を瞑想状態から通常状態に移行させるためのフェーズである。利用者H1の通常状態とは、リラックス状態を維持しながら瞑想状態から覚めた状態である。
【0053】
光制御部22は、瞑想フェーズP2が終了すると、リカバーフェーズP3に対応する動作を開始する。すなわち、光制御部22は、光源3の光出力を瞑想フェーズP2に対応する光出力に調整した後に、光源3の光出力をリカバーフェーズP3に対応する光出力に調整する。
【0054】
光制御部22は、リカバーフェーズP3において、光出力を2秒以上、かつ、90秒以下の漸増期間T2に亘って漸増させ、漸増期間T2の完了時点t10における顔面F1の照度Y3(以降、復帰照度Y3と呼ぶ)を2lx以上、かつ、100lx未満とする。このとき、光制御部22は、復帰照度Y3が2lx以上、かつ、100lx未満となるように、光源3の光出力をフィードバック制御することが好ましい。なお、復帰照度Y3は、リラックスフェーズP1のピーク値Y1より小さく、定常サブフェーズP21のピーク値Y2より大きい。
【0055】
好ましくは、漸増期間T2の時間長さは5~25秒の範囲内の値に設定され、復帰照度Y3は20~40lxの範囲内の値に設定される。本実施形態では、漸増期間T2の時間長さは15秒であり、復帰照度Y3は30lxである。
【0056】
そして、光制御部22は、漸増期間T2に光源3の光出力を漸増させて、利用者H1の顔面F1の照度を復帰照度Y3にまで漸増させる。光制御部22は、利用者H1の顔面F1の照度が復帰照度Y3に達した後、利用者H1の顔面F1の照度を維持期間T3に亘って復帰照度Y3に維持する。
【0057】
リフレッシュシステム1は、リカバーフェーズP3の漸増期間T2において光源3の光出力が復帰照度Y3まで漸増することで、利用者H1に瞑想による心の落ち着きを維持させながら、瞑想状態から通常の活動状態にスムーズに移行させることができる。すなわち、漸増期間T2における光源3の光L1は、利用者H1を瞑想状態から通常状態に戻す(誘導する)作用を有しており、利用者H1が通常の活動状態に戻ることをサポートする。
【0058】
(3)第1変形例
図4A及び図4Bは、リフレッシュシステム1の動作の第1変形例を示す。
【0059】
リフレッシュシステム1は、例えば図4Aに示すように、複数のフェーズとして、リラックスフェーズP1を備えることなく、瞑想フェーズP2、及びリカバーフェーズP3のみを備えていてもよい。この場合、リフレッシュシステム1が瞑想フェーズP2で動作する期間がゆらぎ期間T1となる。光制御部22は、ゆらぎ期間T1において、光出力の増加と減少とを20秒以上に亘って繰り返させる。
【0060】
図4Aでは、瞑想フェーズP2において、光源3が発する光L1は、光出力の大きさが変動周期C2毎にピーク値Y2まで増加する定常ゆらぎ光となる。定常ゆらぎ光は、利用者H1に集中瞑想を促す作用を有して、利用者H1の集中瞑想をサポートする。
【0061】
また、利用者H1によっては、図4Bに示すように、瞑想フェーズP2において、光源3が発する光L1は、光出力の大きさが変動周期C2a毎にピーク値Y2aまで増加する定常ゆらぎ光であってもよい。変動周期C2aは変動周期C2より短く、ピーク値Y2aはピーク値Y2より大きくなる。但し、変動周期C2aは、変動周期C2と同様に、7秒以上、かつ、60秒以下の範囲内の値であり、利用者H1の深呼吸の周期とほぼ同じ値に設定されることが好ましい。また、ピーク値Y2aは、ピーク値Y2と同様に、100lx未満となることが好ましい。
【0062】
(4)第2変形例
図5は、リフレッシュシステム1の動作の第2変形例を示し、瞑想フェーズP2に対応する動作が、上述の実施形態の図3に示す動作と異なる。第2変形例では、瞑想フェーズP2は、光出力の波形が互いに異なる複数(図5では2つ)のサブフェーズP21、P22を含む。本変形例では、2つのサブフェーズとして、定常サブフェーズP21、及び非定常サブフェーズP22を用いる。この結果、リフレッシュシステム1は、瞑想フェーズP2において、利用者H1の瞑想状態を調整できる。
【0063】
具体的に、光制御部22は、瞑想フェーズP2に、少なくとも1つの定常サブフェーズP21と、少なくとも1つの非定常サブフェーズP22とを含める。光制御部22は、定常サブフェーズP21における光出力を一定の周期である変動周期C2で変動させ、非定常サブフェーズP22における光出力を不定の周期で変動させる。図5では、瞑想フェーズP2を、1つの定常サブフェーズP21と、連続する5つの非定常サブフェーズP22とで構成しており、定常サブフェーズP21の後に5つの非定常サブフェーズP22が順次続く。
【0064】
光制御部22は、定常サブフェーズP21では、光源3の光出力の増加と減少と一定の変動周期C2で繰り返す。図5では、光源3の光出力の大きさは、変動周期C2毎にピーク値Y2となる。すなわち、定常サブフェーズP21では、光源3が発する光L1は、光出力の大きさが変動周期C2毎にピーク値Y2まで増加する定常ゆらぎ光となる。定常ゆらぎ光は、変動周期C2が一定であり、ピーク値Y2も一定となる光であり、利用者H1に集中瞑想を促す作用を有して、利用者H1の集中瞑想をサポートする。
【0065】
光制御部22は、非定常サブフェーズP22では、光源3の光出力が不定の周期で変動する所定の波形W1(以降、単位波形W1と称す)となるように、光源3の光出力を調整する。不定の周期とは、光出力の増加タイミング及び減少タイミングが一定の周期で発生せず、光出力の増加タイミング及び減少タイミングが周期的に発生していない、ことをいう。単位波形W1は、不定の周期で変動する光出力の波形であり、予め決められた波形パターンである。不定の周期の単位波形W1で変動する光出力は、非定常ゆらぎ光となる。例えば、単位波形W1は1/fゆらぎの波形である。非定常ゆらぎ光は、利用者H1に洞察瞑想(観察瞑想)を促す作用を有して、利用者H1の洞察瞑想をサポートする。洞察瞑想は、利用者H1が集中瞑想から脱して、現実そのものを等身大に捉えている状態である。
【0066】
本変形例では、光源3の光出力は、瞑想フェーズP2の前半において一定の変動周期C2で変動し、瞑想フェーズP2の後半において不定の周期で変動している。したがって、リフレッシュシステム1は、瞑想フェーズP2の前半では、利用者H1に集中瞑想を促して、利用者H1の集中瞑想をサポートし、瞑想フェーズP2の後半では、利用者H1に洞察瞑想を促して、利用者H1の洞察瞑想をサポートする。
【0067】
(5)第3変形例
図6は、リフレッシュシステム1の動作の第3変形例を示し、瞑想フェーズP2に対応する動作が、上述の実施形態の図3に示す動作と異なる。第3変形例では、光制御部22は、瞑想フェーズP2に、少なくとも1つの非定常サブフェーズP22を含める。図6では、瞑想フェーズP2を、連続する8つの非定常サブフェーズP22で構成している。すなわち、瞑想フェーズP2は、定常サブフェーズP21を含まず、非定常サブフェーズP22のみを含んでいる。
【0068】
上述のように光源3の光出力は、瞑想フェーズP2の全期間に亘って単位波形W1を繰り返している。したがって、リフレッシュシステム1は、瞑想フェーズP2の全期間に亘って利用者H1に洞察瞑想を促して、利用者H1の洞察瞑想をサポートする。
【0069】
(6)第4変形例
図7は、リフレッシュシステム1の動作の第4変形例を示し、瞑想フェーズP2に対応する動作が、上述の実施形態の図3に示す動作と異なる。第4変形例では、光制御部22は、瞑想フェーズP2に、少なくとも1つの定常サブフェーズP21と、少なくとも1つの非定常サブフェーズP22とを含める。光制御部22は、定常サブフェーズP21における光出力を一定の周期である変動周期C2で変動させ、非定常サブフェーズP22における光出力を不定の周期で変動させる。図7の瞑想フェーズP2では、1つの定常サブフェーズP21と2つの非定常サブフェーズP22とを交互に発生させている。
【0070】
上述のように光源3の光出力は、瞑想フェーズP2において、定常サブフェーズP21と非定常サブフェーズP22とを交互に繰り返している。したがって、リフレッシュシステム1は、瞑想フェーズP2において、利用者H1に集中瞑想と洞察瞑想とを交互に促す。
【0071】
(7)第5変形例
図8は、リフレッシュシステム1の変形例として、リフレッシュシステム1Aを示す。
【0072】
リフレッシュシステム1Aは、制御システム2A、及び光源3に加えて、音出力装置4を更に備える。制御システム2Aは、トリガ発生部21、及び光制御部22に加えて、音制御部23を更に備える。なお、リフレッシュシステム1と同様の構成には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0073】
音出力装置4は、スピーカ、及び増幅器などを備えて、利用者H1に向かって音を出力する。
【0074】
音制御部23は、音出力装置4に音信号を出力して、音出力装置4から音を出力させる。音制御部23は、音出力装置4が出力する音の大きさ、周波数、及び音色などを調整できる。
【0075】
以下、リフレッシュシステム1Aの動作について説明する。
【0076】
図9は、リフレッシュシステム1が利用者H1をリフレッシュさせるときに、光源3の光出力の時間変化、及び音出力装置4の音出力の時間変化の一例を示す。音出力装置4の音出力の時間変化は、音出力装置4が出力する音の大きさの時間変化を表す。
【0077】
時間t0において、トリガ発生部21が開始信号を発生すると、リフレッシュシステム1はリラックスフェーズP1に対応する動作を開始する。リラックスフェーズP1では、光制御部22は、光源3の光出力を0(ゼロ)に維持する。リラックスフェーズP1において、音制御部23は、音出力装置4の音出力の増加と減少とを変動周期C1で繰り返すことで、利用者H1に呼吸のタイミングを教示して、利用者H1自身のペースでの深呼吸を促す。図9では、音出力装置4の音出力の大きさは、変動周期C1毎にピーク値(最大値)Y11となる。
【0078】
音制御部23は、リラックスフェーズP1が終了すると、瞑想フェーズP2に対応する動作を開始する。音制御部23は、音出力装置4の音出力をリラックスフェーズP1に対応する音出力に調整した後に、音出力装置4の音出力を瞑想フェーズP2に対応する音出力に調整する。瞑想フェーズP2においても、光制御部22は、光源3の光出力を0(ゼロ)に維持する。
【0079】
瞑想フェーズP2において、音制御部23は、音出力装置4の音出力の増加と減少とを一定の周期である変動周期C2で繰り返す。すなわち、音制御部23は、瞑想フェーズP2における音出力装置4の音出力を一定の周期である変動周期C2で変動させ、音出力装置4の音出力の波形は、変動周期C2毎に同じ波形を繰り返す。図9では、音出力装置4の音出力の大きさは、変動周期C2毎にピーク値(最大値)Y12となる。すなわち、瞑想フェーズP2において、音制御部23は、音出力装置4の音出力の増加と減少とを変動周期C2で繰り返すことで、利用者H1に瞑想状態への移行を促す。
【0080】
本変形例の瞑想フェーズP2では、音出力装置4が発する音は、音出力の大きさが変動周期C2毎にピーク値Y12にまで増加する定常ゆらぎ音となる。定常ゆらぎ音は、変動周期C2が一定であり、ピーク値Y12も一定となる音であり、利用者H1に集中瞑想を促す作用を有して、利用者H1の集中瞑想をサポートする。
【0081】
そして、光制御部22は、音出力の大きさのピーク値及び音出力の変動周期の少なくとも一方を、リラックスフェーズP1と瞑想フェーズP2とで異ならせている。本実施形態では、音制御部23は、音出力の大きさのピーク値及び音出力の変動周期の両方を、リラックスフェーズP1と瞑想フェーズP2とで異ならせている。
【0082】
具体的に、定常サブフェーズP21の変動周期C2は、リラックスフェーズP1の変動周期C1より長い。定常サブフェーズP21のピーク値Y12は、リラックスフェーズP1のピーク値Y11より小さい。変動周期C1、C2、及びピーク値Y11、Y12を上記のように設定することで、利用者H1をリラックス状態から瞑想状態にスムーズに移行させることができる。
【0083】
光制御部22は、瞑想フェーズP2が終了すると、リカバーフェーズP3に対応する動作を開始する。光制御部22は、リカバーフェーズP3において、上述の実施形態と同様に、光出力を2秒以上、かつ、90秒以下の漸増期間T2に亘って漸増させ、漸増期間T2の完了時点t10における復帰照度Y3を2lx以上、かつ、100lx未満とする。光制御部22は、利用者H1の顔面F1の照度が復帰照度Y3に達した後、利用者H1の顔面F1の照度を維持期間T3に亘って復帰照度Y3に維持する。
【0084】
リフレッシュシステム1Aは、リカバーフェーズP3の漸増期間T2において光源3の光出力が漸増することで、利用者H1に瞑想による心の落ち着きを維持させながら、瞑想状態から通常の活動状態にスムーズに移行させることができる。すなわち、漸増期間T2における光源3の光L1は、利用者H1を瞑想状態から通常状態に戻す(誘導する)作用を有しており、利用者H1が通常の活動状態に戻ることをサポートする。
【0085】
音制御部23は、リカバーフェーズP3では、音出力装置4の音出力を0(ゼロ)に維持する。
【0086】
(8)第6変形例
瞑想フェーズP2における定常サブフェーズP21と非定常サブフェーズP22との両方を用いた光出力の波形は、図5及び図7に示す波形に限定されない。瞑想フェーズP2では、定常サブフェーズP21と非定常サブフェーズP22とを混在させた様々な波形の光出力を用いることができる。
【0087】
非定常サブフェーズP22の単位波形W1は、図5図7に示す波形に限定されない。
【0088】
瞑想フェーズP2では、非定常サブフェーズP22として、単位波形が異なる2つ以上の非定常サブフェーズが混在していてもよい。
【0089】
音出力装置4の音出力の波形は、図9に示す波形に限定されない。音出力の波形は、例えば間欠的に発生する複数のパルスで構成されてもよい。また、音出力装置4の音出力は、音楽、ナレーション、環境音(風音、雨音、波音など)などであってもよい。
【0090】
ゆらぎ期間T1は、リラックスフェーズP1及び瞑想フェーズP2の少なくとも一方を備えていればよい。
【0091】
(9)まとめ
実施形態に係る第1の態様のリフレッシュシステム(1、1A)は、利用者(H1)の顔面(F1)に直接的又は間接的に光(L1)を照射する光源(3)と、光源(3)の光出力を調整する光制御部(22)と、を備える。リフレッシュシステム(1、1A)は、利用者(H1)を瞑想状態に導くための瞑想フェーズ(P2)、及び利用者(H1)を瞑想状態から通常状態に移行させるためのリカバーフェーズ(P3)を含む複数のフェーズのそれぞれに対応して動作する。光制御部(22)は、リカバーフェーズ(P3)において、光出力を2秒以上、かつ、90秒以下の漸増期間(T2)に亘って漸増させ、漸増期間(T2)の完了時点(t10)における顔面(F1)の照度を2lx以上、かつ、100lx未満とする。
【0092】
上述のリフレッシュシステム(1、1A)は、人(H1)に瞑想による心の落ち着きを維持させながら、瞑想状態から通常の活動状態にスムーズに移行させることができる。
【0093】
実施形態に係る第2の態様のリフレッシュシステム(1)では、第1の態様において、光制御部(22)は、漸増期間(T2)以前のゆらぎ期間(T1)において、光出力の増加と減少とを20秒以上に亘って繰り返させることが好ましい。
【0094】
上述のリフレッシュシステム(1)は、ゆらぎ期間(T1)において、人(H1)を瞑想状態又はリラックス状態とすることができる。
【0095】
実施形態に係る第3の態様のリフレッシュシステム(1)では、第2の態様において、光制御部(22)は、ゆらぎ期間(T1)において、光出力の変動周期(C1、C2)を7秒以上とし、顔面(F1)の照度のピーク値を100lx未満とすることが好ましい。
【0096】
上述のリフレッシュシステム(1)は、ゆらぎ期間(T1)において、人(H1)を瞑想状態又はリラックス状態とすることができる。
【0097】
実施形態に係る第4の態様のリフレッシュシステム(1)では、第2又は第3の態様において、光制御部(22)は、ゆらぎ期間(T1)の少なくとも一部において、光源(3)の光出力を瞑想フェーズ(P2)に対応する光出力に調整することが好ましい。
【0098】
上述のリフレッシュシステム(1)は、ゆらぎ期間(T1)において、人(H1)を瞑想状態とすることができる。
【0099】
実施形態に係る第5の態様のリフレッシュシステム(1)では、第4の態様において、瞑想フェーズ(P2)は、光出力の波形が互いに異なる複数のサブフェーズ(P21、P22)を含むことが好ましい。
【0100】
上述のリフレッシュシステム(1)は、瞑想フェーズ(P2)において、人(H1)の瞑想状態を調整できる。
【0101】
実施形態に係る第6の態様のリフレッシュシステム(1)では、第4又は第5の態様において、複数のフェーズは、利用者(H1)をリラックス状態にするためのリラックスフェーズ(P1)を更に含むことが好ましい。光制御部(22)は、ゆらぎ期間(T1)において、光源(3)の光出力をリラックスフェーズ(P1)に対応する光出力に調整した後に、光源(3)の光出力を瞑想フェーズ(P2)に対応する光出力に調整する。光制御部(22)は、光出力の大きさのピーク値及び光出力の変動周期の少なくとも一方を、リラックスフェーズ(P1)と瞑想フェーズ(P2)とで異ならせる。
【0102】
上述のリフレッシュシステム(1)は、人(H1)をリラックス状態から瞑想状態にスムーズに移行させることができる。
【0103】
実施形態に係る第7の態様のリフレッシュシステム(1)では、第6の態様において、瞑想フェーズ(P2)は、少なくとも1つの定常サブフェーズ(P21)を含むことが好ましい。光制御部(22)は、少なくとも1つの定常サブフェーズ(P21)における光出力を一定の周期で変動させる。光制御部(22)は、少なくとも1つの定常サブフェーズ(P21)における光出力の変動周期(C2)を、リラックスフェーズ(P1)における光出力の変動周期(C1)より長くする。光制御部(22)は、少なくとも1つの定常サブフェーズ(P21)における光出力の大きさのピーク値(Y2)を、リラックスフェーズ(P1)における光出力の大きさのピーク値(Y1)より小さくする。
【0104】
上述のリフレッシュシステム(1)は、人(H1)をリラックス状態から瞑想状態にスムーズに移行させることができる。また、リフレッシュシステム(1)は、瞑想フェーズ(P2)において、人(H1)の集中瞑想をサポートすることができる。
【0105】
実施形態に係る第8の態様のリフレッシュシステム(1)では、第6又は第7の態様において、光制御部(22)は、リラックスフェーズ(P1)において、光出力の変動周期(C1)を7秒以上、かつ、14秒以下とし、顔面(F1)の照度のピーク値を100lx未満とすることが好ましい。
【0106】
上述のリフレッシュシステム(1)は、人(H1)をリラックス状態とすることができる。
【0107】
実施形態に係る第9の態様のリフレッシュシステム(1)では、第4乃至第8の態様のいずれか1つにおいて、瞑想フェーズ(P2)は、少なくとも1つの非定常サブフェーズ(P22)を含むことが好ましい。光制御部(22)は、少なくとも1つの非定常サブフェーズ(P22)における光出力を不定の周期で変動させる。
【0108】
上述のリフレッシュシステム(1)は、瞑想フェーズ(P2)において、人(H1)の洞察瞑想をサポートすることができる。
【0109】
実施形態に係る第10の態様のリフレッシュシステム(1)では、第7又は第8の態様において、瞑想フェーズ(P2)は、少なくとも1つの定常サブフェーズ(P21)と、少なくとも1つの非定常サブフェーズ(P22)と、を含むことが好ましい。光制御部(22)は、少なくとも1つの非定常サブフェーズ(P22)における光出力を不定の周期で変動させる。
【0110】
上述のリフレッシュシステム(1)は、瞑想フェーズ(P2)において、人(H1)の集中瞑想及び察瞑想をサポートすることができる。
【0111】
実施形態に係る第11の態様のリフレッシュシステム(1)は、利用者(H1)の顔面(F1)に直接的又は間接的に光を照射する光源(3)と、光源(3)の光出力を調整する光制御部(22)と、を備える。リフレッシュシステム(1)は、利用者(H1)を瞑想状態に導くための瞑想フェーズ(P2)を含む複数のフェーズのそれぞれに対応して動作する。瞑想フェーズ(P2)は、少なくとも1つの非定常サブフェーズ(P22)を含む。光制御部(22)は、少なくとも1つの非定常サブフェーズ(P22)における光出力を不定の周期で変動させる。
【0112】
上述のリフレッシュシステム(1)は、瞑想フェーズ(P2)において、人(H1)の洞察瞑想をサポートすることができる。
【0113】
実施形態に係る第12の態様のリフレッシュシステム(1)では、第11の態様において、複数のフェーズは、利用者(H1)をリラックス状態にするためのリラックスフェーズ(P1)を更に含むことが好ましい。光制御部(22)は、光源(3)の光出力をリラックスフェーズ(P1)に対応する光出力に調整した後に、光源(3)の光出力を瞑想フェーズ(P2)に対応する光出力に調整する。光制御部(22)は、光出力の大きさのピーク値及び光出力の変動周期の少なくとも一方を、リラックスフェーズ(P1)と瞑想フェーズ(P2)とで異ならせる。
【0114】
上述のリフレッシュシステム(1)は、人(H1)をリラックス状態から瞑想状態にスムーズに移行させることができる。
【0115】
実施形態に係る第13の態様のリフレッシュシステム(1)では、第12の態様において、光制御部(22)は、リラックスフェーズ(P1)及び瞑想フェーズ(P2)において、光出力の変動周期(C1、C2)を7秒以上とし、顔面(F1)の照度のピーク値を100lx未満とすることが好ましい。
【0116】
上述のリフレッシュシステム(1)は、人(H1)を瞑想状態及びリラックス状態とすることができる。
【0117】
実施形態に係る第14の態様のリフレッシュシステム(1)では、第12又は第13の態様において、光制御部(22)は、リラックスフェーズ(P1)において、光出力の変動周期(C1)を7秒以上、かつ、14秒以下とし、顔面の照度のピーク値を100lx未満とすることが好ましい。
【0118】
上述のリフレッシュシステム(1)は、人(H1)をリラックス状態とすることができる。
【0119】
実施形態に係る第15の態様のリフレッシュシステム(1)では、第12乃至第14の態様のいずれか1つにおいて、瞑想フェーズ(P2)は、少なくとも1つの定常サブフェーズ(P21)を更に含むことが好ましい。光制御部(22)は、少なくとも1つの定常サブフェーズ(P21)における光出力を一定の周期で変動させる。光制御部(22)は、少なくとも1つの定常サブフェーズ(P21)における光出力の変動周期(C2)を、リラックスフェーズ(P1)における光出力の変動周期(C1)より長くする。光制御部(22)は、少なくとも1つの定常サブフェーズ(P21)における光出力の大きさのピーク値(Y2)を、リラックスフェーズ(P1)における光出力の大きさのピーク値(Y1)より小さくする。
【0120】
上述のリフレッシュシステム(1)は、人(H1)をリラックス状態から瞑想状態にスムーズに移行させることができる。また、リフレッシュシステム(1)は、瞑想フェーズ(P2)において、人(H1)の集中瞑想をサポートすることができる。
【0121】
実施形態に係る第16の態様のリフレッシュシステム(1A)は、第1の態様において、複数のフェーズの少なくとも1つにおいて音を発する音出力装置(4)を更に備えることが好ましい。
【0122】
上述のリフレッシュシステム(1A)は、音によって、人(H1)のリフレッシュをサポートできる。
【0123】
実施形態に係る第17の態様のリフレッシュシステム(1A)では、第16の態様において、音出力装置(4)は、音として、利用者(H1)に呼吸のタイミングを教示する音を発することが好ましい。
【0124】
上述のリフレッシュシステム(1A)は、音によって人(H1)を瞑想状態に導くことができる。
【0125】
実施形態に係る第18の態様の制御システム(2)は、利用者(H1)を瞑想状態に導く瞑想フェーズ(P2)、及び利用者(H1)を瞑想状態から通常状態に移行させるリカバーフェーズ(P3)を含む複数のフェーズのそれぞれに対応して動作するリフレッシュシステム(1)に用いられる。制御システム(2)は、利用者(H1)の顔面(F1)に直接的又は間接的に光を照射する光源(3)の光出力を調整する光制御部(22)を備える。光制御部(22)は、リカバーフェーズ(P3)において、光出力を2秒以上、かつ、90秒以下の漸増期間(T2)に亘って漸増させ、漸増期間(T2)の完了時点(t10)における顔面(F1)の照度を2lx以上、かつ、100lx未満とする。
【0126】
上述の制御システム(2)は、人(H1)に瞑想による心の落ち着きを維持させながら、瞑想状態から通常の活動状態にスムーズに移行させることができる。
【符号の説明】
【0127】
1、1A リフレッシュシステム
2 制御システム
22 光制御部
3 光源
4 音出力装置
P1 リラックスフェーズ
P2 瞑想フェーズ
P21 定常サブフェーズ
P22 非定常サブフェーズ
P3 リカバーフェーズ
T1 ゆらぎ期間
T2 漸増期間
C1、C2 変動周期
Y1、Y2 光出力の大きさのピーク値
H1 利用者(人)
F1 顔面
L1 光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9