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特開2023-56352社会参加活性化システムおよび社会参加活性化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056352
(43)【公開日】2023-04-19
(54)【発明の名称】社会参加活性化システムおよび社会参加活性化方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20230412BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230412BHJP
【FI】
G06Q50/22
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021165654
(22)【出願日】2021-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】羽渕 峻行
(72)【発明者】
【氏名】荒木 真敬
(72)【発明者】
【氏名】曽我 修治
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】従来のレコメンドシステムでは、レコメンドの精度を重視しているため、新しい発見や気付きなど、レコメンド結果の多様性に欠けるという欠点がある。
【解決手段】社会参加活性化システムであって、地域内の複数の地点に関する地域情報と、複数の利用者に関するデモグラフィック情報と、複数の利用者の複数の地点に関するサイコグラフィック情報と、を保持し、利用者情報に基づいて、レコメンドを要求した利用者と他の利用者との間のデモグラフィック情報の類似度及びサイコグラフィック情報の類似度を算出し、デモグラフィック情報の類似度の高さに応じて分類した利用者群ごとに、サイコグラフィック情報の類似度に基づいて複数の地点の評価値を算出し、利用者群ごとに、複数の地点の評価値に基づいて、1以上の地点を含むレコメンド地点情報を生成して出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
社会参加活性化システムであって、
演算装置と、記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、複数の利用者に関する利用者情報と、地域内の複数の地点に関する地域情報と、を保持し、
前記利用者情報は、前記複数の利用者のデモグラフィック情報と、前記複数の利用者の前記複数の地点に関するサイコグラフィック情報と、を含み、
前記演算装置は、
前記利用者情報に基づいて、前記複数の利用者のうちレコメンドを要求した利用者と他の利用者との間の前記デモグラフィック情報の類似度及び前記サイコグラフィック情報の類似度を算出し、
前記他の利用者を、前記デモグラフィック情報の類似度の高さに応じて複数の利用者群に分類し、
前記利用者群ごとに、前記サイコグラフィック情報の類似度に基づいて前記複数の地点の評価値を算出し、
前記利用者群ごとに、前記複数の地点の評価値に基づいて、1以上の前記地点を含むレコメンド地点情報を生成し、
前記利用者群ごとの前記レコメンド地点情報を出力することを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項2】
請求項1に記載の社会参加活性化システムであって、
前記地域情報は、前記複数の地点の位置を示す情報を含み、
前記演算装置は、前記レコメンドを要求した利用者からレコメンドの地理的範囲を示す情報を取得すると、前記複数の地点のうち前記レコメンドの地理的範囲内の地点を対象として、前記複数の地点の評価値を算出することを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項3】
請求項2に記載の社会参加活性化システムであって、
前記レコメンドの地理的範囲は、基準点の位置及び前記基準点からの距離によって指定されることを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項4】
請求項2に記載の社会参加活性化システムであって、
前記サイコグラフィック情報は、前記各利用者が前記各地点を訪れたか否かを示す情報を含み、
前記演算装置は、
前記複数の地点のうち前記レコメンドの地理的範囲内の地点を訪れたことがある利用者の前記利用者情報を抽出し、
前記抽出された前記利用者情報に基づいて、前記複数の地点の評価値を算出することを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項5】
請求項1に記載の社会参加活性化システムであって、
前記演算装置は、前記他の利用者を、少なくとも、前記デモグラフィック情報の類似度が最も高い第1の範囲内の利用者を含む第1の利用者群と、前記デモグラフィック情報の類似度が前記第1の範囲より低い第2の範囲内の利用者を含む第2の利用者群と、に分類することを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項6】
請求項5に記載の社会参加活性化システムであって、
前記第2の範囲は、前記第1の範囲より広いことを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項7】
請求項5に記載の社会参加活性化システムであって、
前記演算装置は、前記他の利用者を、前記第1の利用者群と、前記第2の利用者群と、前記デモグラフィック情報の類似度が前記第2の範囲より低い第3の範囲内の利用者を含む第3の利用者群と、に分類することを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項8】
請求項1に記載の社会参加活性化システムであって、
前記演算装置は、前記利用者群ごとに、前記評価値が上位の1以上の前記地点を含むように、前記レコメンド地点情報を生成することを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項9】
請求項1に記載の社会参加活性化システムであって、
前記地域情報は、前記複数の地点の位置を示す情報を含み、
前記演算装置は、前記利用者群ごとの前記レコメンド地点情報に含まれる地点及び当該地点に到達するための経路を地図上に表示するための情報を出力することを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項10】
請求項1に記載の社会参加活性化システムであって、
前記デモグラフィック情報は、前記各利用者の属性を示す情報を含むことを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項11】
請求項10に記載の社会参加活性化システムであって、
前記デモグラフィック情報は、前記各利用者の属性を示す情報として、前記各利用者の年齢、性別、職業及び住所の少なくともいずれかを含むことを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項12】
請求項1に記載の社会参加活性化システムであって、
前記サイコグラフィック情報は、前記各利用者が前記各地点を訪れたか否かを示す情報、及び、前記各利用者が前記各地点に付与した評価の高さを示す情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項13】
請求項12に記載の社会参加活性化システムであって、
前記サイコグラフィック情報は、前記各利用者が前記各地点に付与した評価の高さを示す情報を含み、
前記演算装置は、前記利用者群ごとに、前記レコメンドを要求した利用者との前記サイコグラフィック情報の類似度が高い利用者が付与した前記各地点への評価がより強く反映されるように、前記各地点の評価値を算出することを特徴とする社会参加活性化システム。
【請求項14】
社会参加活性化システムが実行する社会参加活性化方法であって、
前記社会参加活性化システムは、演算装置と、記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、複数の利用者に関する利用者情報と、地域内の複数の地点に関する地域情報と、を保持し、
前記利用者情報は、前記複数の利用者のデモグラフィック情報と、前記複数の利用者の前記複数の地点に関するサイコグラフィック情報と、を含み、
前記社会参加活性化方法は、
前記演算装置が、前記利用者情報に基づいて、前記複数の利用者のうちレコメンドを要求した利用者と他の利用者との間の前記デモグラフィック情報の類似度及び前記サイコグラフィック情報の類似度を算出する手順と、
前記演算装置が、前記他の利用者を、前記デモグラフィック情報の類似度の高さに応じた複数の利用者群に分類する手順と、
前記演算装置が、前記利用者群ごとに、前記サイコグラフィック情報の類似度に基づいて前記複数の地点の評価値を算出する手順と、
前記演算装置が、前記利用者群ごとに、前記複数の地点の評価値に基づいて、1以上の前記地点を含むレコメンド地点情報を生成する手順と、
前記演算装置が、前記利用者群ごとの前記レコメンド地点情報を出力する手順と、を含むことを特徴とする社会参加活性化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人の社会参加活性化に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術として、国際公開第2019/188102号(特許文献1)に記載の技術がある。特許文献1では、ユーザの属性情報を解析して、商品及び/又はサービスのレコメンドの効果を高める装置、方法、プログラムが提案されている。
【0003】
その他の背景技術として、「多様性の導入による推薦システムにおけるユーザ体験向上の試み」(非特許文献1)に記載の技術がある。非特許文献1では、ユーザ体験向上のために、レコメンドリスト内の多様性を向上させる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/188102号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】関喜史、他3名、「多様性の導入による推薦システムにおけるユーザ体験向上の試み」、自然言語処理、2017年2月、Vol.24、No.1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
日本は世界で最も高齢化が進んでおり、今後も高い高齢化率を維持していくことが見込まれており、高齢者の医療費をはじめとした社会保障費の増大が懸念されている。高齢者の健康のためには、歩行などの適度な運動、外出を伴う社会参加が重要であると言われている。しかしながら、定年前の現役世代においては、自宅と職場の往復が主な活動となり、自宅周辺のいわゆる地域とのかかわりが希薄であることが指摘されている。そのため、多くの人々が定年退職を機に、社会とのつながりがなくなる社会的離脱と、社会的離脱に伴う健康リスクに直面する。このような問題に対しては適切な外出先や社会参加先のレコメンドによって、外出や社会参加を促すことが考えられるが、従来のレコメンドシステムは、レコメンドの精度を重視しているために、新しい発見や気付きなど、レコメンド結果の多様性に欠けるという欠点がある。
【0007】
この課題に対して、利用者のデモグラフィック情報とサイコグラフィック情報を使い分けることで、利用者に新しい気付きを与えて外出を促す社会参加を活性化させるシステムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述課題の少なくとも一つを解決するために、本発明の社会参加活性化システムは、演算装置と、記憶装置と、を有し、前記記憶装置は、複数の利用者に関する利用者情報と、地域内の複数の地点に関する地域情報と、を保持し、前記利用者情報は、前記複数の利用者のデモグラフィック情報と、前記複数の利用者の前記複数の地点に関するサイコグラフィック情報と、を含み、前記演算装置は、前記利用者情報に基づいて、前記複数の利用者のうちレコメンドを要求した利用者と他の利用者との間の前記デモグラフィック情報の類似度及び前記サイコグラフィック情報の類似度を算出し、前記他の利用者を、前記デモグラフィック情報の類似度の高さに応じて複数の利用者群に分類し、前記利用者群ごとに、前記サイコグラフィック情報の類似度に基づいて前記複数の地点の評価値を算出し、前記利用者群ごとに、前記複数の地点の評価値に基づいて、1以上の前記地点を含むレコメンド地点情報を生成し、前記利用者群ごとの前記レコメンド地点情報を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、利用者本人が自身の好みによく合った地域情報を受け取ることができ、外出・社会参加のきっかけを得ることができる。また、利用者本人が普段は注目しない地域情報も合わせて受け取れるため、地域における新たな発見の機会を得ることができる。地域情報を提供する地域の事業者は、本発明によって、地域の新しい顧客を獲得することができる。上記した以外の目的、構成、効果は、以下の実施形態において明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態における社会参加活性化システムと、利用者クライアント端末と、事業者システムとを含むシステム全体のネットワーク構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態における利用者情報登録処理の一例を示すフローチャートである。
図3】本実施形態における地域情報登録処理の一例を示すフローチャートである。
図4】本実施形態における利用者情報DBに格納されるデモグラフィックテーブルの一例を示す説明図である。
図5】本実施形態における利用者情報DBに格納されるサイコグラフィックテーブルの一例を示す説明図である。
図6】本実施形態における地域情報DBに格納される地域情報テーブルの一例を示す説明図である。
図7】本実施形態におけるレコメンド生成処理の一例を示すフローチャートである。
図8】本実施形態におけるレコメンド要求時のGUIの一例を示す説明図である。
図9】本実施形態におけるデモグラフィック類似度の算出結果の一例を示す説明図である。
図10】本実施形態におけるサイコグラフィック類似度の算出結果の一例を示す説明図である。
図11】本実施形態における利用者のグループへの分割の一例を示す説明図である。
図12】本実施形態におけるレコメンドリストの一例を示す説明図である。
図13】本実施形態におけるレコメンドリストの表示の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、個人の社会参加の活性化を対象とする。
【0012】
図1は、本実施形態における社会参加活性化システム100と、利用者クライアント端末120と、事業者システム130を含むシステム全体のネットワーク構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
社会参加活性化システム100は、利用者情報と、地域情報とを管理するコンピュータシステムである。社会参加活性化システム100は、ネットワーク140を介して、利用者クライアント端末120および事業者システム130と通信可能になっている。利用者クライアント端末120は、社会参加活性化システム100に接続し、利用者が利用者情報を管理、活用する際に用いるコンピュータシステムである。事業者システム130は、社会参加活性化システム100に接続し、事業者が保有する地域情報を管理、活用する際に用いるコンピュータシステムである。
【0014】
社会参加活性化システム100、利用者クライアント端末120および事業者システム130のハードウェア構成は以下の通りである。社会参加活性化システム100、利用者クライアント端末120および事業者システム130は、ハードディスクドライブまたは組み込み用マルチメディアカードなどの不揮発性記憶装置で構成される記憶装置105、125および135と、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成されるメモリ102、122および132と、記憶装置105、125および135に保持されるプログラムをメモリ102、122および132に呼び出してシステム自体の統括制御を行うと共に各種判定、演算および制御処理を行うCPU(Central Processing Unit)104、124および134と、入力装置および出力装置と接続するためのI/O(Input/Output)インタフェース101、121および131と、ネットワーク140と接続し他装置との通信を行う通信装置103、123および133とを備える。
【0015】
社会参加活性化システム100の記憶装置105に実装される機能として、利用者ポータル機能106と、事業者ポータル機能108と、レコメンド生成機能110とがある。また、記憶装置105が保持するデータとして、利用者情報DB107と、地域情報DB109とがある。
【0016】
図2は、本実施形態における利用者情報登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0017】
本実施形態の利用者情報登録フローS200は、利用者クライアント端末120と、社会参加活性化システム100の利用者ポータル機能106とによって処理される。この処理は、利用者が社会参加活性化システム100に既に登録されていることを前提として、当該利用者が自身の情報を入力する場合に行う。以降、利用者情報登録フローS200の詳細を説明する。
【0018】
処理S201では、利用者クライアント端末120は、社会参加活性化システム100が提供する利用者ポータル機能106を介して、社会参加活性化システム100に利用者ログインの要求を送信する。この時、送信される情報は、例えば、利用者ごとに割り当てられた利用者IDと利用者ごとに予め設定された利用者パスワード、などである。
【0019】
処理S202では、社会参加活性化システム100は、利用者クライアント端末120から受け付けたログイン要求を受け、ログイン認証を実行する。ログイン認証は、例えば、利用者クライアント端末120から受信した利用者IDと利用者パスワードの対を、予め社会参加活性化システム100に登録された利用者IDと利用者パスワードの対と照合して行う。利用者ログインに成功した場合、処理S203に進み、失敗した場合にはその旨を利用者クライアント端末120に送るとともに、再度利用者ID、利用者パスワードの入力を求める。
【0020】
処理S203では、社会参加活性化システム100の利用者ポータル機能106は、ログイン認証に成功した利用者の利用者クライアント端末120に対して利用者情報を入力する画面を表示する。
【0021】
処理S204では、利用者クライアント端末120は、利用者からの利用者情報の入力を受け付ける。利用者は、氏名、住所および職歴などのデモグラフィック情報の入力を行う。利用者からの入力を受け付けた利用者クライアント端末120は、入力された内容を社会参加活性化システム100に送信する。
【0022】
処理S205では、社会参加活性化システム100は、利用者クライアント端末120から受け取った利用者情報を、利用者情報DB107のデモグラフィックテーブル400に格納する。
【0023】
図3は、本実施形態における地域情報登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0024】
本実施形態の地域情報登録フローS300は、事業者システム130と、社会参加活性化システム100の事業者ポータル機能108とによって処理される。この処理は、地域情報を提供する事業者が社会参加活性化システム100に既に登録されていることを前提として、当該事業者が自社の持つ地域利情報を入力する場合に行う。以降、地域情報登録フローS300の詳細を説明する。
【0025】
処理S301では、事業者システム130は、社会参加活性化システム100が提供する事業者ポータル機能108を介して、社会参加活性化システム100に事業者ログインの要求を送信する。この時、送信される情報は、例えば、事業者ごとに割り当てられた事業者IDと事業者ごとに予め設定された事業者パスワード、などである。
【0026】
処理S302では、社会参加活性化システム100は、事業者システム130から受け付けたログイン要求を受け、事業者ログイン認証を実行する。ログイン認証は、例えば、事業者システム130から受信した事業者IDと事業者パスワードの対を、予め社会参加活性化システム100に登録された事業者IDと事業者パスワードの対と照合して行う。事業者ログインに成功した場合、処理S303に進み、失敗した場合にはその旨を事業者システム130に送るとともに、再度事業者ID、事業者パスワードの入力を求める。
【0027】
処理S303では、社会参加活性化システム100は、ログインに成功した事業者に対して、地域情報を入力する画面を表示する。
【0028】
処理S304では、事業者システム130は、事業者からの地域情報の入力を受け付ける。事業者は、地域情報の名称、緯度経度、ジャンルなどを入力する。事業者からの入力を受け付けた事業者システム130は、入力された内容を社会参加活性化システム100に送信する。
【0029】
処理S305では、社会参加活性化システム100は、事業者システム130から受け取った地域情報を、地域情報DB109に格納する。
【0030】
図4は、本実施形態における利用者情報DB107に格納されるデモグラフィックテーブル400の一例を示す説明図である。
【0031】
デモグラフィックテーブル400は、各利用者の年齢402、性別403、職業404および住所405などのデモグラフィック情報を、各利用者を識別するユーザID401に対応づけて格納したテーブルである。年齢402、職業404および住所405については、例えば、年代、日本標準職業分類の大分類・中分類、地方・都道府県といった属性を付与しても良い。このような大分類、中分類等の情報がある方が、以降の処理で算出するデモグラフィック類似度を求める場合に有利であり、デモグラフィックテーブル400には図4に示したものに限らず可能な限りのデモグラフィック情報を格納することが望ましい。
【0032】
なお、職業404は、各利用者の現在の職業を示す情報であってもよいが、各利用者が過去に従事していた職業を示す情報(すなわち職歴を示す情報)を含んでも良い。
【0033】
図5は、本実施形態における利用者情報DB107に格納されるサイコグラフィックテーブル500の一例を示す説明図である。
【0034】
サイコグラフィックテーブル500は、利用者が訪れた、あるいは、評価した地域情報の一覧を格納したテーブルである。具体的には、サイコグラフィックテーブル500は、地域情報に対応する地点(例えば店舗または施設等の場所であり、Point of Interest(POI)と呼んでもよい)を識別する地域情報ID502、利用者が付与した評価503および利用者が訪れた日時504を、利用者を識別するユーザIDに対応付けて格納したテーブルである。
【0035】
図5に示すサイコグラフィックテーブル500は、利用者が訪れたときに評価値として「1」を付与した場合の例である。利用者が訪れた場所は、GPSまたはビーコンなどによって利用者の位置情報を利用者クライアント端末120が検知し、収集することができる。この評価値は、利用者の明示的な評価を入力させるもの、例えば、5段階の評価指標であっても良い。その場合、評価値として、利用者のその地点に対する関心の高さ、好感の程度、または訪れる頻度など、種々の基準による評価値を用いることができる。
【0036】
なお、評価503は、上記のように利用者が明示的に各地点(すなわち店舗または施設等)に付与した評価値であっても良いし、単に利用者がその地点を訪れたか否かを示す値であっても良いし、それらの両方を含んでもよい。前者の場合、評価値は、利用者の関心の程度、利用者の好みへの合致の程度などを示す値であってもよい。
【0037】
図6は、本実施形態における地域情報DB109に格納される地域情報テーブル600の一例を示す説明図である。
【0038】
地域情報テーブル600は、名称602、緯度603、経度604および業種605またはジャンルなどの情報を地域情報ID601と対応付けて格納したテーブルである。この情報は、図3に示した地域情報登録フローS300によって登録される。地域情報の登録は、利用者が利用者クライアント端末120を用いて登録できても良い。別途用意した地域情報のリストを、社会参加活性化システム100に直接入力しても良い。
【0039】
図7は、本実施形態におけるレコメンド生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0040】
本実施形態におけるレコメンド生成フローS700は、社会参加活性化システム100のレコメンド生成機能110と、利用者クライアント端末120とによって処理される。この処理は、ある利用者が利用者クライアント端末120を用いて、社会参加活性化システム100に地域情報のレコメンドを要求したときに実行される。以降、レコメンドを要求した利用者をUser_Xとし、User_Xに対して、地域情報のレコメンドを生成する処理を説明する。
【0041】
処理S701では、User_Xは、利用者クライアント端末120を用いて、社会参加活性化システム100にレコメンド要求を送信する。レコメンド要求には、ユーザID、レコメンドの基準点の緯度経度、および、レコメンドの範囲の情報を含む。レコメンドの基準点の緯度経度およびレコメンドの範囲の入力は、例えば、図8に示すようなGUI(Graphical User Interface)によって行われてもよい。
【0042】
図8は、本実施形態におけるレコメンド要求時のGUIの一例を示す説明図である。
【0043】
図8の例では、利用者クライアント端末120の表示画面800に地図が表示される。また、地図上には、レコメンドの基準点801を示すアイコンが表示される。基準点801の位置の初期値は、例えばGPSによる当該利用者クライアント端末120の現在位置であっても良い。利用者は、基準点801のアイコンをドラッグ等によって移動させることで、任意の基準点を指定することができる。
【0044】
表示画面800上には、さらに、レコメンドの対象範囲を指定するスライダー802が表示される。図8の例では、利用者がスライダー802を操作して100mから1kmまでの距離を指定することができる。基準点を中心とし、指定された距離を半径とする円がレコメンドの対象範囲803となる。図8の例では、レコメンドの対象範囲803が破線の円弧によって表示される。
【0045】
ただし、上記のようなレコメンドの基準点およびレコメンド範囲の指定方法は一例であり、任意の方法でレコメンド範囲を指定することができる。
【0046】
処理S702では、レコメンド生成機能110は、レコメンド要求で受け取ったレコメンドの基準点の緯度経度、および、レコメンドの範囲の情報から、レコメンドの対象とする地域情報を抽出する。この処理は、地域情報の位置がレコメンドの対象範囲に入っているか否か(すなわち、基準点と地域情報の位置との距離が指定された距離以内であるか否か)によって判定される。抽出した対象地域情報はメモリ102に格納される。
【0047】
処理S703では、レコメンド生成機能110は、処理S702で抽出した地域情報を利用したことがある利用者の一覧を抽出する。例えば、レコメンド生成機能110は、サイコグラフィックテーブル700を参照して、処理S702で抽出した地域情報を少なくとも一つ以上、利用したことがある利用者を抽出する。抽出した利用者一覧はメモリ102に格納される。
【0048】
上記の処理S702およびS703によって、User_Xへのレコメンドに関係する情報のみを抽出することで、データのスパース性を抑制する。
【0049】
処理S704では、レコメンド生成機能110は、User_Xと、処理S703で抽出された他の利用者とのデモグラフィック類似度を計算する。
【0050】
図9は、本実施形態におけるデモグラフィック類似度の算出結果の一例を示す説明図である。
【0051】
レコメンド生成機能110は、各利用者の年齢402、性別403、職業404および住所などのデモグラフィック情報を用いて、年代の一致、職業大分類・中分類の一致、地方・都道府県・市区町村の一致などを算出して、User_Xと他の利用者とのデモグラフィック類似度901を求める。こうして求めたデモグラフィック類似度901はメモリ102に格納される。
【0052】
処理S705では、レコメンド生成機能110は、User_Xと他の利用者とのサイコグラフィック類似度を計算する。
【0053】
図10は、本実施形態におけるサイコグラフィック類似度の算出結果の一例を示す説明図である。
【0054】
レコメンド生成機能110は、各利用者が利用したことのある地域情報の評価情報を用いて、User_Xと他の利用者の類似度を求める。図10の例では、ユーザID1001によって識別される各利用者がPOI_1で識別される場所(これを単にPOI_1とも記載する。他の場所も同様)を訪れたときに付与した評価値1002、POI_2を訪れたときに付与した評価値1003、POI_3を訪れたときに付与した評価値1004等に基づいて、それぞれの利用者の各場所に対する評価の類似性を示すサイコグラフィック類似度1005が算出される。こうして求めたサイコグラフィック類似度1005はメモリ102に格納される。
【0055】
処理S706では、レコメンド生成機能110は、デモグラフィック類似度を用いて、利用者一覧を3つのグループに分割する。
【0056】
図11は、本実施形態における利用者のグループへの分割の一例を示す説明図である。
【0057】
図11には、横軸にデモグラフィック類似度をとり、デモグラフィック類似度の四分位点を用いて、利用者を、上位25%(すなわち類似度が0.75から1までの範囲)のグループ、中位50%(すなわち類似度が0.25から0.75までの範囲)のグループ、および、下位25%(すなわち類似度が0から0.25までの範囲)のグループに分割した例を示す。
【0058】
最もデモグラフィック類似度が高いグループは、User_Xとデモグラフィック情報が類似したグループであり、レコメンドの精度が高いと期待されるグループであり、推奨ユーザ群と呼称する。類似度が中程度のグループは、User_Xとの類似性が中程度であることはもちろん、中程度のグループ内でも多様性があることが期待されるグループであり、多様性ユーザ群と呼称する。類似度が下位のグループは、User_Xと類似するデモグラフィック情報を持つ利用者を除いたグループであり、User_Xにとっての発見が期待されるグループであり、発見ユーザ群と呼称する。
【0059】
処理S706では、レコメンド生成機能110は、処理S703で抽出した利用者一覧を、デモグラフィック類似度によって3つのグループに分け、メモリ102に格納する。なお、図11の縦軸には処理S705で算出したサイコグラフィック類似度を示している。
【0060】
処理S707では、レコメンド生成機能110は、処理S706で分割した各ユーザ群に対して、地域情報の評価値を算出し、レコメンドリストを作成する。評価値の算出には、例えば、処理S705で算出したサイコグラフィック類似度1005、および、サイコグラフィックテーブル500を用いて、サイコグラフィック類似度1005と評価503の加重平均をとることで求めることができる。
【0061】
例えば、図10に示すサイコグラフィック類似度1005に基づいて、User_Xを対象とする推奨ユーザ群に基づくPOI_1の評価値を計算する場合、サイコグラフィック類似度1005が計算された全利用者のうち、デモグラフィック類似度に基づいて推奨ユーザに分類された利用者によるPOI_1の評価値1002を、各利用者のサイコグラフィック類似度1005の値によって重み付けした値の平均値を計算する。
【0062】
上記は各地点の地域情報の評価値の算出方法の一例である。本実施例では、利用者をレコメンド対象の利用者とのデモグラフィック情報の類似度に応じて複数の利用者群に分類し、利用者群ごとに、レコメンド対象の利用者とのサイコグラフィック情報の類似度が高い利用者の評価がより強く反映されるように、各地点の地域情報の評価値が算出される。
【0063】
図12は、本実施形態におけるレコメンドリストの一例を示す説明図である。
【0064】
具体的には、図12は、各ユーザ群において算出した評価値をランキングとして表したものである。この処理では、別途指定した、いくつのレコメンド候補を出すかという値に応じて、ユーザ群ごとに、評価値が上位の数件の地域情報を含むレコメンドリストを抽出する。
【0065】
また、本実施形態では、推奨ユーザ群のレコメンドリストを基準となる推奨レコメンドリストとし、推奨レコメンドリストの下位数件の地域情報を多様性ユーザ群の上位数件の地域情報と入れ替えることで多様性レコメンドリストを生成し、同様に、推奨レコメンドリストの下位数件の地域情報を発見ユーザ群の上位数件の地域情報と入れ替えることで発見レコメンドリストを生成する。
【0066】
一例として、それぞれが3件の地域情報を含むレコメンドリストを作成し、下位1件を入れ替える場合について図12を用いて説明する。図12の例では、図12(a)に示す推奨レコメンドリストとしては、POI_3、POI_32、POI_15が抽出される。これらは、全利用者のうちデモグラフィック情報がUser_Xと類似する利用者のグループにおいて、サイコグラフィック情報がUser_Xと類似する利用者の評価がより強く反映されるように算出された評価値が高い地点を示す情報である。これによって、精度の高い(言い換えると、User_Xのこれまでの行動の傾向に適合する可能性が高い)レコメンドリストを生成することができる。
【0067】
図12(b)に示す多様性レコメンドリストとしては、POI_15の代わりに、多様性ユーザ群においてランキングが上位であったPOI_13が抽出される。これは、全利用者のうち、User_Xとのデモグラフィック情報の類似度が中程度であり、かつ、その類似度の範囲が広い利用者のグループにおいて、サイコグラフィック情報がUser_Xと類似する利用者の評価がより強く反映されるように算出された評価値が高い地点を示す情報である。これによって、多様性のある(言い換えると、User_Xのこれまでの行動の傾向から外れるかもしれないが、行動の範囲を広げる契機となる可能性がある)レコメンドリストを生成することができる。
【0068】
図12(c)に示す発見レコメンドリストとしては、POI_15の代わりに、発見ユーザ群においてランキングが上位であったPOI_22が抽出される。これは、全利用者のうち、デモグラフィック情報がUser_Xと類似しない利用者のグループにおいて、サイコグラフィック情報がUser_Xと類似する利用者の評価がより強く反映されるように算出された評価値が高い地点を示す情報である。これによって、新たな発見につながる(言い換えると、User_Xのこれまでの行動の傾向から外れるかもしれないが、User_Xにとっての新たな発見の契機となる可能性がある)レコメンドリストを生成することができる。
【0069】
このようにして作成した3つのレコメンドリストはメモリ102に格納される。
【0070】
処理S708では、レコメンド生成機能110は、処理S707で作成した3つのレコメンドリストを利用者クライアント端末120に送信する。
【0071】
処理S709では、利用者クライアント端末120は、社会参加活性化システム100の利用者ポータル機能106を用いて、3つのレコメンドリストを表示する。
【0072】
図13は、本実施形態におけるレコメンドリストの表示の一例を示す説明図である。
【0073】
図13に例示するレコメンドリストの表示1300は、社会参加活性化システム100の利用者ポータル機能106を用いて、利用者クライアント端末120によって表示される。
【0074】
レコメンドリストの表示1300は、例えば、レコメンドリストに含まれる地域情報に対応する地点を地図上にマッピングして表示するのに加えて、それらの地点を回るルートを表示してもよい。推奨、多様性および発見の3つのレコメンドリストの切り替えは、例えば、タブの選択によって行ってもよい。また、他のレコメンド地域情報、ルートを小さなピンで示したり、点線で示したりしても良い。
【0075】
図13に示すレコメンドリストの表示1300は、基準点801と、それぞれがレコメンドリストに含まれる地域情報に対応する複数のマップピン1302と、それらを結ぶルート1303と、レコメンドリストの切り替えのためのタブ1304とを含む。図13には、推奨レコメンドリストが選択された例を示している。
【0076】
例えば、表示されている大きいマップピン1302A、1302B及び1302Cが、それぞれ、推奨レコメンドリストに含まれる地域情報ID「POI_3」、「POI_32」および「POI_15」に対応する地点を示す。また、小さいマップピン1302Dおよび1302Eは、それぞれ、多様性レコメンドリストに含まれる地域情報ID「POI_13」に対応する地点および発見レコメンドリストに含まれる地域情報ID「POI_22」に対応する地点を示す。また、推奨レコメンドリストに含まれる地点を通るルートが実線で、推奨レコメンドリストに含まれない地点を通るルートが点線で表示されている。
【0077】
ここで、利用者がタブ1304を操作して多様性レコメンドリストを選択した場合、多様性レコメンドリストに含まれない地域情報ID「POI_3」に対応する地点を示すマップピン1302Aが小さく変更され、その地点を通るルートが点線に変更される。一方、多様性レコメンドリストに含まれる地域情報ID「POI_13」に対応する地点を示すマップピン1302Dが大きく変更され、その地点を通るルートが実線に変更される。
【0078】
また、利用者がタブ1304を操作して発見レコメンドリストを選択した場合、発見レコメンドリストに含まれない地域情報ID「POI_15」に対応する地点を示すマップピン1302Cが小さく変更され、その地点を通るルートが点線に変更される。一方、発見レコメンドリストに含まれる地域情報ID「POI_22」に対応する地点を示すマップピン1302Eが大きく変更され、その地点を通るルートが実線に変更される。
【0079】
また、本発明の実施形態のシステムは次のように構成されてもよい。
【0080】
(1)社会参加活性化システムであって、演算装置(例えばCPU104)と、記憶装置(例えば記憶装置105)と、を有し、記憶装置は、複数の利用者に関する利用者情報(例えば利用者情報DB107)と、地域内の複数の地点に関する地域情報(例えば地域情報DB109)と、を保持し、利用者情報は、複数の利用者のデモグラフィック情報(例えばデモグラフィックテーブル400)と、複数の利用者の複数の地点に関するサイコグラフィック情報(例えばサイコグラフィックテーブル500)と、を含み、演算装置は、利用者情報に基づいて、複数の利用者のうちレコメンドを要求した利用者と他の利用者との間のデモグラフィック情報の類似度及びサイコグラフィック情報の類似度を算出し(例えばS704、S705)、他の利用者を、デモグラフィック情報の類似度の高さに応じて複数の利用者群に分類し(例えばS706)、利用者群ごとに、サイコグラフィック情報の類似度に基づいて複数の地点の評価値を算出し(例えばS707)、利用者群ごとに、複数の地点の評価値に基づいて、1以上の地点を含むレコメンド地点情報を生成し(例えばS707)、利用者群ごとのレコメンド地点情報を出力する(例えばS708)。
【0081】
すなわち、社会参加活性化システムは、利用者のデモグラフィック情報を用いて利用者によく似たユーザ群を抽出し、更に、サイコグラフィック情報を用いてよく似たユーザ群が評価している地域情報を抽出することで、レコメンドリストを作成し、利用者本人に外出のきっかけを与える。また、社会参加活性化システムは、利用者本人とは異なるデモグラフィック情報を持つユーザ群が評価している地域情報も合わせてレコメンドすることで、利用者本人に地域における新たな発見の機会を提供する。
【0082】
これによって、利用者本人が自身の好みによく合った地域情報を受け取ることができ、外出・社会参加のきっかけを得ることができる。また、利用者本人が普段は注目しない地域情報も合わせて受け取れるため、地域における新たな発見の機会を得ることができる。地域情報を提供する地域の事業者は、本発明によって、地域の新しい顧客を獲得することができる。
【0083】
(2)上記(1)において、地域情報は、複数の地点の位置を示す情報(例えば緯度603及び経度604)を含み、演算装置は、レコメンドを要求した利用者からレコメンドの地理的範囲(例えばレコメンドの対象範囲803)を示す情報を取得すると、複数の地点のうち前記レコメンドの地理的範囲内の地点を対象として、複数の地点の評価値を算出する。
【0084】
これによって、利用者の要求に応じた適切なレコメンド情報を生成することができる。
【0085】
(3)上記(2)において、レコメンドの地理的範囲は、基準点(例えば基準点801)の位置及び基準点からの距離によって指定される。
【0086】
これによって、地理的範囲を容易に指定することができる。
【0087】
(4)上記(2)において、サイコグラフィック情報は、各利用者が各地点を訪れたか否かを示す情報を含み、演算装置は、複数の地点のうち前記レコメンドの地理的範囲内の地点を訪れたことがある利用者の利用者情報を抽出し(例えばステップS703)、抽出された利用者情報に基づいて、複数の地点の評価値を算出する。
【0088】
これによって、データのスパース性が抑制される。
【0089】
(5)上記(1)において、演算装置は、他の利用者を、少なくとも、デモグラフィック情報の類似度が最も高い第1の範囲内の利用者を含む第1の利用者群(例えば図11の推奨ユーザ群)と、デモグラフィック情報の類似度が第1の範囲より低い第2の範囲内の利用者を含む第2の利用者群(例えば図11の多様性ユーザ群及び発見ユーザ群の少なくとも一方)と、に分類する。
【0090】
これによって、利用者本人の好みによく合った地域情報だけでなく、利用者本人が普段は注目しない地域情報も提供されるため、地域における新たな発見の機会が得られる。
【0091】
(6)上記(5)において、第2の範囲は、第1の範囲より広い。
【0092】
これによって、利用者本人の好みによく合った地域情報だけでなく、多様性のある地域情報提供されるため、地域における新たな発見の機会が得られる。
【0093】
(7)上記(1)において、演算装置は、他の利用者を、第1の利用者群と、第2の利用者群(例えば図11の多様性ユーザ群)と、デモグラフィック情報の類似度が第2の範囲より低い第3の範囲内の利用者を含む第3の利用者群(例えば図11の発見ユーザ群)と、に分類する。
【0094】
これによって、利用者本人の好みによく合った地域情報だけでなく、利用者本人が普段は注目しない地域情報も、利用者本人の好みからの近さの段階に応じて提供されるため、地域における新たな発見の機会が得られる。
【0095】
(8)上記(1)において、演算装置は、利用者群ごとに、評価値が上位の1以上の地点を含むように、レコメンド地点情報(例えば図12のレコメンドリスト)を生成する。
【0096】
これによって、利用者本人の好みによく合った地域情報だけでなく、多様性のある地域情報提供されるため、地域における新たな発見の機会が得られる。
【0097】
(9)上記(1)において、地域情報は、複数の地点の位置を示す情報を含み、演算装置は、利用者群ごとのレコメンド地点情報に含まれる地点及び当該地点に到達するための経路を地図上に表示するための情報を出力する(例えば図13)。
【0098】
これによって、提供された情報に基づく利用者の移動が支援され、利用者の外出及び社会参加が促進される。
【0099】
(10)上記(1)において、デモグラフィック情報は、各利用者の属性を示す情報を含む。
【0100】
これによって、利用者の属性に応じて適切な利用者群を設定することができる。
【0101】
(11)上記(10)において、デモグラフィック情報は、各利用者の属性を示す情報として、各利用者の年齢(例えば年齢402)、性別(例えば性別403)、職業(例えば職業404)及び住所(例えば住所405)の少なくともいずれかを含む。
【0102】
これによって、利用者の属性に応じて適切な利用者群を設定することができる。
【0103】
(12)上記(1)において、サイコグラフィック情報は、各利用者が各地点を訪れたか否かを示す情報、及び、各利用者が各地点に付与した評価の高さを示す情報の少なくともいずれか(例えば評価503)を含む。
【0104】
これによって、地点に関する適切なサイコグラフィック情報を利用することができる。
【0105】
(13)上記(12)において、サイコグラフィック情報は、各利用者が各地点に付与した評価の高さを示す情報を含み、演算装置は、利用者群ごとに、レコメンドを要求した利用者とのサイコグラフィック情報の類似度が高い利用者が付与した前記各地点への評価がより強く反映されるように、各地点の評価値を算出する。
【0106】
これによって、サイコグラフィック情報に応じて適切なレコメンド情報を生成することができる。
【0107】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したものであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0108】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0109】
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0110】
100 社会参加活性化システム
101、121、131 I/Oインタフェース
102、122、132 メモリ
103、123、133 通信装置
104、124、134 CPU(演算装置)
105、125、135 記憶装置
106 利用者ポータル機能
107 利用者情報DB
108 事業者ポータル機能
109 地域情報DB
110 レコメンド生成機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13