(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056512
(43)【公開日】2023-04-19
(54)【発明の名称】ベッド構造体及びそれを備えるプレス機械
(51)【国際特許分類】
B30B 15/04 20060101AFI20230412BHJP
【FI】
B30B15/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161538
(22)【出願日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2021165797
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000238946
【氏名又は名称】株式会社エイチアンドエフ
(74)【代理人】
【識別番号】100103805
【弁理士】
【氏名又は名称】白崎 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100126516
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 綽勝
(74)【代理人】
【識別番号】100132104
【弁理士】
【氏名又は名称】勝木 俊晴
(74)【代理人】
【識別番号】100211753
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 紳吾
(72)【発明者】
【氏名】上木 裕友
(72)【発明者】
【氏名】中村 一行
(72)【発明者】
【氏名】前田 昭仁
【テーマコード(参考)】
4E088
【Fターム(参考)】
4E088AA01
4E088AB05
4E088EA06
(57)【要約】
【課題】プレス荷重を大きくした場合であっても十分な剛性を有すると共に、分割することが可能なベッド構造体及びそれを備えるプレス機械を提供すること。
【解決手段】本発明は、プレス機械Aに用いられるベッド構造体1において、第1中空部10aを有する中空四角柱状の内フレーム部10と、第2中空部20aを有する中空四角柱状の外フレーム部20と、該外フレーム部20の左右の端部にそれぞれ設けられた脚部30と、を備え、内フレーム部10が第2中空部20aに配置されており、外フレーム部20が、分割可能な、内フレーム部10の前側に位置する上面視U字状の前側外フレーム部21と、内フレーム部10の後側に位置する上面視U字状の後側外フレーム部22とからなり、内フレーム部10及び外フレーム部20、並びに、外フレーム部20及び脚部30がそれぞれ互いに着脱可能となっているベッド構造体1及びそれを備えるプレス機械Aである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス機械に用いられるベッド構造体において、
第1中空部を有する中空四角柱状の内フレーム部と、
第2中空部を有する中空四角柱状の外フレーム部と、
該外フレーム部の左右の端部にそれぞれ設けられた脚部と、
を備え、
前記内フレーム部が前記第2中空部に配置されており、
前記外フレーム部が、分割可能な、前記内フレーム部の前側に位置する上面視U字状の前側外フレーム部と、前記内フレーム部の後側に位置する上面視U字状の後側外フレーム部とからなり、
前記内フレーム部及び前記外フレーム部、並びに、前記外フレーム部及び前記脚部がそれぞれ互いに着脱可能となっているベッド構造体。
【請求項2】
前記前側外フレーム部が、前壁部と、該前壁部の両端からそれぞれ後方に突出する第1側壁部とを有し、
前記後側外フレーム部が、後壁部と、該後壁部の両端からそれぞれ前方に突出する第2側壁部とを有し、
向かい合う、前記第1側壁部の後端面部と、前記第2側壁部の前端面部との間には隙間が設けられている請求項1記載のベッド構造体。
【請求項3】
前記前側外フレーム部の内壁面及び前記後側外フレーム部の内壁面には、内側に突出した支持台部がそれぞれ設けられており、
前記内フレーム部が前記支持台部に着脱可能に取り付けられており、
前記メインフレームの外壁面と、前記前側外フレーム部の内壁面及び前記後側外フレーム部の内壁面とには、互いに当接されるガイドがそれぞれ設けられている請求項1記載のベッド構造体。
【請求項4】
前記内フレーム部が、前記支持台部上に載置された状態で、前記内フレーム部の下面側から前記支持台部に着脱可能に取り付けられる請求項3記載のベッド構造体。
【請求項5】
前記第1中空部には、該第1中空部を区画する複数の区画板が取り付けられており、
複数の前記区画板が、前記内フレーム部の前側の壁部と後側の壁部とに支持されており、且つ、互いに平行となっている請求項1記載のベッド構造体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1個に記載のベッド構造体と、
該ベッド構造体に立設されるアプライト部と、
該アプライト部に支持されるクラウン部と、
クラウン部に配置される駆動機構と、
該駆動機構に吊設されるスライド部と、
前記ベッド構造体上に設置されるボルスタ部と、
前記クラウン部、前記アプライト部及び前記ベッド構造体を上下方向に貫通してこれらを締め付けるタイロッドと、
を備え、
前記駆動機構が、前記スライド部を昇降移動させ、前記スライド部と前記ボルスタ部との間に配置される金型間でワークをプレスするプレス機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド構造体及びそれを備えるプレス機械に関し、更に詳しくは、プレス荷重を大きくした場合であっても剛性が優れると共に、複数の部品に分割することが可能なベッド構造体及びそれを備えるプレス機械に関する。
【背景技術】
【0002】
プレス加工は、金型間でワークを挟み込み、金型の形に成形する、いわゆる塑性加工である。プレス加工においては、一般にプレス機械が用いられる。
プレス機械は、ベッド部、スライド部、クラウン部等を備えており、機械的且つ連続的にプレス加工を行うことで、プレス加工品の大量生産を可能としている。
【0003】
近年、プレス加工に用いられるワークにおいては、一般的な鋼材に代わる素材として、鋼材に比べ強度が優れる、いわゆるハイテン材(高張力鋼)や更にその強度を超える超ハイテン材(超高張力鋼)等の新素材が注目されている。
これらの新素材によれば、上述したように強度が優れるため、従来の鋼材と同じ厚みで更なる強度向上を図ることができ、若しくは、従来の鋼板と同じ強度で薄肉化による軽量化を図ることが可能となる。
【0004】
ところで、このような新素材を用いたワークは、強度が優れるため、一般的なプレス荷重では十分な塑性加工を行うことができず、プレス荷重を大きくする必要がある。
そして、プレス機械においては、プレス荷重を大きくするため、ベッド部を大型化すると共に、十分な剛性を付与する必要がある。
一方で、ベッド部を大型化させると、ベッド部を設置するための輸送が困難となるという欠点がある。すなわち、道路交通法施行令第22条に規定する自動車の積載制限(以下単に「道路交通法に基づく自動車の積載制限」という。)があるため、ベッド部の輸送時にはこれに適応させる必要がある。
【0005】
これに対し、ベッド部を分割する技術が知られている。
例えば、プレス機械のフレームを構成する構成部をベッド本体とベッド本体から分割される分割部とに分割可能に結合するプレス機械のフレーム構造(ベッド部の構造)であって、ベッド本体及び分割部は、互いに直接嵌合する嵌合部を備えるプレス機械のフレーム分割構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、本体とその本体の左右に設けられる分割体とに分割されるベッド(ベッド部)と、そのベッドの四隅で、かつ分割体の上面にそれぞれ配置されるコラムと、それらコラムの上部に設けられるクラウンと、分割体、コラムおよびクラウンを貫通し、それらを上下方向に締め付けるタイロッドと、本体と分割体を一体に結合する結合部材とを備えており、ベッドに、本体と各分割体との間でプレス荷重を伝播させる伝播機構が設けられており、各伝播機構が、分割体に設けられると共に、上向きの支持面を有する段状の支持部と、本体に設けられると共に、支持面に載置される被支持面を有する段状の被支持部とを備えており、その被支持面が、本体の高さ方向における中央またはそれより下に設けられているプレス機械のフレームが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、クラウンと、ベッドと、該クラウンと該ベッドとを締結するメインタイロッドとからフレームが構成されるプレス機械のベッドであって、中央上ベッドと、該中央上ベッドの下方に配置される中央下ベッドと、中央上ベッドおよび中央下ベッドを両側から挟む位置に配置され、メインタイロッドが連結される一対の側部ベッドと、を締結して構成されるプレス機械のベッド(ベッド部)が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-320500号公報
【特許文献2】特開2013-128959号公報
【特許文献3】特開2013-128971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1~3に記載のベッド部は、分割可能であるため、分割することにより、輸送することが可能となる。その結果、所望の位置に、大型のベッド部を設置することが可能となる。
ところが、特許文献1~3に記載のベッド部は、プレス荷重を大きくした場合に、十分な剛性を有するとは必ずしもいえない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、プレス荷重を大きくした場合であっても十分な剛性を有すると共に、分割することが可能なベッド構造体及びそれを備えるプレス機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、内フレーム部と外フレーム部との二重構造とし、且つ、外フレーム部を、分割可能な前側外フレーム部と後側外フレーム部とからなるものとすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、プレス機械に用いられるベッド構造体において、第1中空部を有する中空四角柱状の内フレーム部と、第2中空部を有する中空四角柱状の外フレーム部と、該外フレーム部の左右の端部にそれぞれ設けられた脚部と、を備え、内フレーム部が第2中空部に配置されており、外フレーム部が、分割可能な、内フレーム部の前側に位置する上面視U字状の前側外フレーム部と、内フレーム部の後側に位置する上面視U字状の後側外フレーム部とからなり、内フレーム部及び外フレーム部、並びに、外フレーム部及び脚部がそれぞれ互いに着脱可能となっているベッド構造体である。
【0011】
本発明のベッド構造体においては、前側外フレーム部が、前壁部と、該前壁部の両端からそれぞれ後方に突出する第1側壁部とを有し、後側外フレーム部が、後壁部と、該後壁部の両端からそれぞれ前方に突出する第2側壁部とを有し、向かい合う、第1側壁部の後端面部と、第2側壁部の前端面部との間には隙間が設けられていることが好ましい。
【0012】
本発明のベッド構造体においては、前側外フレーム部の内壁面及び後側外フレーム部の内壁面に、内側に突出した支持台部がそれぞれ設けられており、内フレーム部が支持台部に着脱可能に取り付けられており、内フレーム部の外壁面と、前側外フレーム部の内壁面及び後側外フレーム部の内壁面とには、互いに当接されるガイドがそれぞれ設けられていることが好ましい。
このとき、内フレーム部は、支持台部上に載置された状態で、内フレーム部の下面側から支持台部に着脱可能に取り付けられることが好ましい。
【0013】
本発明のベッド構造体においては、第1中空部には、該第1中空部を区画する複数の区画板が取り付けられており、複数の区画板が、内フレーム部の前側の壁部と後側の壁部とに支持されており、且つ、互いに平行となっていることが好ましい。
【0014】
本発明は、上述したベッド構造体と、該ベッド構造体に立設されるアプライト部と、該アプライト部に支持されるクラウン部と、クラウン部に配置される駆動機構と、該駆動機構に吊設されるスライド部と、ベッド構造体上に設置されるボルスタ部と、クラウン部、アプライト部及びベッド構造体を上下方向に貫通してこれらを締め付けるタイロッドと、を備え、駆動機構が、スライド部を昇降移動させ、スライド部とボルスタ部との間に配置される金型間でワークをプレスするプレス機械である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のベッド構造体は、内フレーム部と、外フレーム部との二重構造となっているので、金型から下方に伝達されるプレス荷重が、内フレーム部と外フレーム部とに分散される。これにより、プレス時におけるベッド構造体の撓みの度合いを極力小さくすることができる(撓み減少効果)。その結果、プレス荷重を大きくした場合であっても、十分な剛性を発揮することが可能となる。なお、当然、通常のプレス荷重であっても、優れた剛性を発揮することができる。
【0016】
また、ベッド構造体においては、内フレーム部及び外フレーム部、並びに、外フレーム部及び脚部がそれぞれ互いに着脱可能となっており、更に、外フレーム部が、上面視U字状の前側外フレーム部と、上面視U字状の後側外フレーム部とに分割されているので、これらを個別に分割して輸送することができる。
そうすると、大型のベッド構造体であっても、道路交通法に基づく自動車の積載制限に適応させて搬送することができるので、輸送後、これらを組み立てることにより、所望の位置に大型のベッド構造体を設置することが可能となる。
【0017】
本発明のベッド構造体においては、向かい合う、前側外フレーム部の前壁部の両端からそれぞれ後方に突出する第1側壁部の後端面部と、後側外フレーム部の後壁部の両端からそれぞれ前方に突出する第2側壁部の前端面部との間に隙間を設けることにより、隙間の分だけ自由度があるので、前側外フレーム部及び後側外フレーム部を内フレーム部に取り付け易くなるという利点がある。
また、プレス時において、プレス荷重により、前側外フレーム部又は後側外フレーム部に変形や振動が生じたとしても、前側外フレーム部の第1側壁部と、後側外フレーム部の第2側壁部との衝突を抑制することができる。
【0018】
本発明のベッド構造体においては、前側外フレーム部及び後側外フレーム部に、内側に突出する支持台部をそれぞれ設け、これらの支持台部に内フレーム部を着脱させる構成とすることにより、内フレーム部周囲の隙間を確保することができ、前側外フレーム部及び後側外フレーム部への内フレーム部の着脱もし易くなる。
また、内フレーム部を、支持台部上に載置された状態で、内フレーム部の下面側から支持台部に着脱させる構成とすることにより、前側外フレーム部及び後側外フレーム部への内フレーム部の着脱が更にし易くなる。
【0019】
本発明のベッド構造体においては、内フレーム部の外壁面と、前側外フレーム部の内壁面及び後側外フレーム部の内壁面とに、ガイドをそれぞれ設け、これらを互いに当接させた構成とすることにより、プレス荷重による内フレーム部の変形や振動を抑制することができる。
【0020】
本発明のベッド構造体においては、第1中空部を有するので、十分な軽量化が図られており、且つ、第1中空部に、互いに平行となるように、複数の区画板を取り付けることにより、剛性を十分に向上させることができる。
【0021】
本発明のプレス機械においては、上述のベッド構造体を備えるので、プレス荷重を大きくした場合であっても十分な剛性を発揮することができる。その結果、ハイテン材や超ハイテン材等の新素材を用いたワークであっても、安定した塑性加工を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明に係るベッド構造体の一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すベッド構造体を部品毎に分割した状態を示す分解図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るベッド構造体の内フレーム部を示す下面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係るベッド構造体において、内フレーム部と外フレーム部との位置関係を説明するための概略上面図である。
【
図5】
図5は、本発明に係るプレス機械の一実施形態を示す正面図である。
【
図7】
図7は、プレス荷重発生時のプレス機械の状態を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0024】
本発明に係るベッド構造体は、プレス機械に用いられる、いわゆる「ベッド」に相当し、JIS規格のプレス機械用語(JIS-B0111)において、「フレームの一部で、プレス加圧を受ける基盤となるもの。一般にボルスタや金型を載せる」と定義されるものである。
また、かかるベッド構造体を備えるプレス機械は、大型であり、ハイテン材や超ハイテン材等の新素材を用いたワークに対して安定した塑性加工を行うため、十分なプレス荷重を出力することが可能となっている。
【0025】
図1は、本発明に係るベッド構造体の一実施形態を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係るベッド構造体1は、内フレーム部10と、内フレーム部10の周囲を囲む外フレーム部20と、外フレーム部20の左右の端部にそれぞれ設けられた脚部30と、を備える。
また、外フレーム部20は、分割可能な、内フレーム部10の前側に位置する上面視U字状の前側外フレーム部21と、内フレーム部10の後側に位置する上面視U字状の後側外フレーム部22とからなる。
【0026】
ここで、本明細書においては、便宜的に、上面視矩形状の内フレーム部10の短辺方向を前後方向、長辺方向を左右方向としている。具体的には、
図1に示すベッド構造体1の紙面左下を「前」側、紙面右上を「後」側としている。また、前後方向に垂直な水平方向を左右方法としている。なお、
図5に示すプレス機械Aにおいては、紙面手前側を「前」側、紙面奥側を「後」側としている。
【0027】
ベッド構造体1において、内フレーム部10、前側外フレーム部21、後側外フレーム部22及び脚部30の素材は、特に限定されないが、例えば、一般構造用圧延鋼材、炭素鋼等を採用することが好ましい。なお、各部品の素材は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
【0028】
図2は、
図1に示すベッド構造体を部品毎に分割した状態を示す分解図である。
図2に示すように、本実施形態に係るベッド構造体1においては、内フレーム部10及び外フレーム部20、並びに、外フレーム部20及び脚部30、がそれぞれ互いに着脱可能となっている。なお、着脱の詳細については後述する。
また、後述するように、前側外フレーム部21及び後側外フレーム部22は直接的には連結されていない。
【0029】
このように、ベッド構造体1においては、分割したこれらを個別に輸送することにより、道路交通法に基づく自動車の積載制限に適応させて搬送することができる。
また、輸送後には、これらを組み立てることにより、所望の位置に大型のベッド構造体1を設置することが可能となる。
【0030】
ベッド構造体1において、内フレーム部10は、左右方向に延びる中空四角柱状となっている。
具体的には、内フレーム部10は、四方(前後左右)に設けられた壁部11を有する。なお、これらの壁部11は、ボルト等の留め具若しくは溶接等で互いに連結固定されている。
そして、壁部11に囲まれた空間が、上下方向に貫通した第1中空部10aとなっている。これにより、ベッド構造体1自体の軽量化が図られている。
【0031】
内フレーム部10においては、第1中空部10aに、当該第1中空部を区画する複数の区画板12が互いに平行となるように、等間隔で取り付けられている。
かかる区画板12は、板状であり、内フレーム部10の前側の壁部11、後側の壁部に支持される。なお、区画板12と両側の壁部11とは、ボルト等の留め具若しくは溶接等で互いに連結固定されている。
また、複数の区画板12の上端は、四方の壁部11の上端と略面一となっており、複数の区画板12の下端は、四方の壁部11の下端と略面一となっている(
図3参照)。
内フレーム部10においては、第1中空部10aに複数の区画板12を有しているので、剛性を十分に向上させることができる。
【0032】
内フレーム部10において、壁部11の厚さは、プレス荷重が大きい場合であっても十分な剛性を発揮するという観点から、50mm以上であることが好ましく、重量負荷や取り扱い性の観点から、100mm以下であることがより好ましい。
また、区画板12の厚さは、プレス荷重が大きい場合であっても十分な剛性を発揮するという観点から、70mm以上であることが好ましく、重量負荷や取り扱い性の観点から、100mm以下であることがより好ましい。
【0033】
内フレーム部10においては、四方の壁部11の外壁面に、複数のガイド13(以下「第1ガイド」ともいう。)が設けられている。
具体的には、前側の壁部11においては、外壁面の左右側の上部にそれぞれ第1ガイド13が設けられている。なお、後側の壁部についても前側の壁部11と同じである。
また、左側の壁部11においては、外壁部の上部に互いに等間隔となるように4つの第1ガイド13が設けられている。なお、右側の壁部についても左側の壁部11と同じである。
なお、第1ガイド13は、上下方向に延びる板状であり、第1ガイド13の材質は、特に限定されないが、一般構造用圧延鋼材、炭素鋼等を採用できる。
【0034】
図3は、本実施形態に係るベッド構造体の内フレーム部を示す下面図である。
図3に示すように、内フレーム部10は、後側(
図3でいう紙面下側)の壁部11の下面に、位置決めピン穴部17が2箇所に設けられている。
また、前側の壁部11及び後側の壁部11の下面に、それぞれ、複数のボルト穴部16が設けられている。
これらは、後述する外フレーム部20に連結するためのものである。
【0035】
図4は、本実施形態に係るベッド構造体において、内フレーム部と外フレーム部との位置関係を説明するための概略上面図である。
図4に示すように、ベッド構造体1において、外フレーム部20は、左右方向(
図3でいう紙面上下方向)に延びる中空四角柱状となっている。
そして、外フレーム部20は、前側外フレーム部21と、後側外フレーム部22とからなり、両者は、外フレーム部20の中心を通り、且つ左右方向に延びる中心線Xを含む鉛直面に対して、互いに面対称となっている。
【0036】
前側外フレーム部21及び後側外フレーム部22は、いずれも上面視U字状であり、互いに向かい合うように配置されている。
すなわち、前側外フレーム部21は、前壁部21aと、該前壁部21aの両端からそれぞれ後方に突出する第1側壁部21bとを有し、後側外フレーム部22が、後壁部22aと、該後壁部22aの両端からそれぞれ前方に突出する第2側壁部22bとを有している。
【0037】
外フレーム部20において、前壁部21a及び後壁部22aの厚さは、プレス荷重が大きい場合であっても十分な剛性を発揮するという観点から、140mm以上であることが好ましく、重量負荷や取り扱い性の観点から、200mm以下であることがより好ましい。
また、第1側壁部21b及び第2側壁部22bの厚さは、プレス荷重が大きい場合であっても十分な剛性を発揮するという観点から、200mm以上であることが好ましく、重量負荷や取り扱い性の観点から、250mm以下であることがより好ましい。
【0038】
前側外フレーム部21及び後側外フレーム部22においては、上述した内フレーム部10の第1ガイド13に対応する内壁面に、複数のガイド23(以下「第2ガイド」ともいう。)が設けられている。
具体的には、前側外フレーム部21の前壁部21aにおいては、内壁面の左右側の上部にそれぞれ第2ガイド23が設けられている。なお、後側外フレーム部22の後壁部22aについても前壁部21aと同じである。
また、前側外フレーム部21の左右の第1側壁部21bにおいては、それぞれ、内壁部の上部に2つの第2ガイド23が設けられている。なお、後側外フレーム部22の左右の第2側壁部22bについても第1側壁部21aと同じである。
したがって、第2ガイド23は、第1ガイド13に対応する位置に設けられている。
なお、第2ガイド23は、第1ガイド13と同様に、上下方向に延びる板状であり、第2ガイド23の材質としては、特に限定されないが、第1ガイド13と同様に、一般構造用圧延鋼材、炭素鋼等を採用できる。
【0039】
外フレーム部20において、向かい合う、第1側壁部21bの後端面部と、第2側壁部22bの前端面部との間には隙間Sが設けられている。
これにより、隙間Sの分だけ自由度があるので、前側外フレーム部21及び後側外フレーム部22を内フレーム部10に取り付け易くなるという利点がある。
また、プレス時において、プレス荷重により、前側外フレーム部21又は後側外フレーム部22に変形や振動で生じたとしても、前側外フレーム部21の第1側壁部21bと、後側外フレーム部22の第2側壁部22bとの衝突を抑制することができる。
【0040】
このとき、隙間Sにおける両者間の最短距離は、5~20mmであることが好ましい。
隙間Sが5mm未満であると、隙間Sが上記範囲内にある場合と比較して、上述した効果が十分に得られない場合があり、隙間Sが20mmを超えると、隙間Sが上記範囲内にある場合と比較して、ベッド構造体1が無駄に大きくなると共に、ベッド構造体1の形状安定性が低下するという欠点がある。
【0041】
ここで、ベッド構造体1を備えたプレス機械におけるプレス時のプレス荷重について説明する。
図7は、プレス荷重発生時のプレス機械の状態を説明するための正面図である。
通常のプレス機械Pにおいては、プレス時に、プレス荷重が発生すると、ベッドBが下方に撓むことになる。このとき、
図7に示すように、ベッドBの中央の部分が撓みの度合いが最も大きくなる。
なお、撓んだベッドBは、プレス後、振動しつつ速やかに復元する。
プレス加工においては、このことが繰り返し高速で行われている。
【0042】
ここで、ベッドBにおける撓みの度合いは、ベッドBの剛性に依存する。なお、剛性とは、プレス荷重発生時における装置自体の変形のしづらさの度合いを意味する。すなわち、剛性が高くなる程、変形し難くなる。
したがって、剛性を向上させることにより、撓みの度合いが小さくなり、それにより、耐久性が向上することになる。
【0043】
図4に戻り、内フレーム部10においては、前側外フレーム部21と後側外フレーム部22とに囲まれた空間に、上下方向(
図4でいう紙面手前から奥)に貫通する第2中空部20aを有している。
そして、かかる第2中空部20aに、上述した内フレーム部10が配置される(
図2参照)。
このように、ベッド構造体1は、内フレーム部10と、外フレーム部20との二重構造となっているので、金型から下方に伝達されるプレス荷重が、内フレーム部10と外フレーム部20とに分散される。これにより、プレス時におけるベッド構造体の撓みの度合いを極力小さくすることができる。その結果、プレス荷重を大きくした場合であっても、十分な剛性を発揮することが可能となる。なお、当然、通常のプレス荷重であっても、優れた剛性を発揮することができる。
【0044】
ベッド構造体1において、前側外フレーム部21及び後側外フレーム部22は、内フレーム部10の周囲を取り囲むように配置されている。
このとき、前側外フレーム部21及び外フレーム部22の内壁面と、内フレーム部10の外壁面とは、直接当接されておらず、第1ガイド13と第2ガイド23とが互いに当接されている。なお、第1ガイド13と第2ガイド23とは連結まではされていない。
これにより、プレス荷重による内フレーム部の変形や振動を抑制することができる。
また、仮に、内フレーム部10と外フレーム部20との間で、上下方向のズレが生じたとしても、ガイドが擦れるのみで、壁面が傷付くことを防止することができる。
【0045】
図2に戻り、外フレーム部20において、前側外フレーム部21及び後側外フレーム部22には、内側面の下部に、内側に突出する支持台部25がそれぞれ設けられている。
支持台部25は、後側外フレーム部22の両側の第2側壁部22bの幅方向及び後壁部22aの幅方向に連続的に延びた構造となっており、その上面が水平面となっている。
そして、後壁部22a側の支持台部25には、
図3に示す内フレーム部10下面の位置決めピン穴部17及びボルト穴部16に対応する位置に、位置決めピン穴部27が2箇所に設けられ、ボルト穴部26が複数設けられている。
ここで、
図2においては、前側外フレーム部21の支持台部が図示されていないが、後側外フレーム部22と同様に、支持台部が設けられており、当該支持台部には、
図3に示す内フレーム部10下面のボルト穴部16に対応する位置に、ボルト穴部26が複数設けられている。なお、前側外フレーム部21の支持台部に、位置決めピン穴は設けられていない。
【0046】
ベッド構造体1においては、内フレーム部10を、支持台部25に載置する際に、位置決めピンを、内フレーム部10の位置決めピン穴17と支持台部25の位置決めピン穴27とに取り付けることで、両者の位置決めがなされる。
そして、内フレーム部10のボルト穴部16と、支持台部25のボルト穴部27とに、ボルト等の留め具を取り付けることにより、内フレーム部10と外フレーム部20(前側外フレーム部21及び後側外フレーム部22)とが連結される。
一方、内フレーム部10と外フレーム部20とは、留め具を取り外すことにより分割可能となる。
【0047】
このように、ベッド構造体1においては、支持台部25に内フレーム部10を載置させ、内フレーム部10の下面と、支持台部25とで両者を着脱させる構成とすることにより、前側外フレーム部及び後側外フレーム部への内フレーム部の着脱がし易くなる。すなわち、下側から内フレーム部10の取り外しの作業を行うことが可能となる。
また、支持台部25が内側に突出しているので、内フレーム部10周囲の隙間を確保することができる。
【0048】
外フレーム部20において、両側の第1側壁部21b及び第2側壁部22bには、何れも、脚部30を位置決めして取り付けるための凹部Rが設けられている。
かかる凹部Rは、第1側壁部21b及び第2側壁部22bに、外側の面から内側に凹むように形成されており、第1側壁部21b及び第2側壁部22bに連続して、左右方向に延びる溝状となっている。
また、両側の第1側壁部21b及び第2側壁部22bにおいて、凹部Rの上側及び下側にはそれぞれ、一対の留め穴28が設けられ、凹部Rの上側の左右の留め穴28の中間の位置に上下方向に延びる位置決め溝29が設けられている。
【0049】
ベッド構造体1において、脚部30は、外フレーム部20の第1側壁部21b及び第2側壁部22bに取り付けられ、一方側の脚部30と他方側の脚部30とは、互いに対称構造となっている。
ベッド構造体1においては、脚部30を有することにより、ベッド構造体1の剛性を十分に担保しつつ、アプライト部等に取り付けることが可能となる。
【0050】
ベッド構造体1において、脚部30は、縦長の直方体状であり、内側面(外フレーム部20側の面)の略中央に凸部Cを有している。
また、凸部Cの脚部30の上側及び下側にはそれぞれ、一対の留め穴38が設けられ、凸部Cの上側の左右の留め穴38の中間の位置に内側に突出する位置決めピン39が設けられている。
【0051】
ベッド構造体1においては、脚部30の凸部Cを外フレーム部20の凹部Rに挿入すると同時に、脚部30の位置決めピン39を外フレーム部20の位置決め溝29に挿入する。
このとき、凹部Rのサイズが、脚部30の凸部Cのサイズよりも大きくなっているため、凸部Cを挿入すると、凹部Rに横穴が形成される。
そして、その横穴に挿入キー40を打ち込むと共に、脚部30の留め穴38と外フレーム部20の留め穴28とに、ボルト等の留め具を取り付けることにより、脚部30が位置決めされた状態で外フレーム部20に連結される。
一方、脚部30及び外フレーム部20は、挿入キー40を取り外し、且つ留め穴28,38の留め具を取り外すことにより分割可能となる。
【0052】
脚部30は、その上面の前後端それぞれに、締付穴部31が設けられている。
かかる締付穴部31には、アプライト部(図示しない)を貫通するタイロッド(図示しない)が取り付けられる。すなわち、ベッド構造体1は、脚部30に取り付けられるタイロッドを介して、クラウン部やアプライト部等に連結される。
【0053】
図5は、本発明に係るプレス機械の一実施形態を示す正面図であり、
図6は、
図5に示すプレス機械の側面図である。
図5及び
図6に示すように、本実施形態に係るプレス機械Aは、上述したベッド構造体1と、ベッド構造体1に立設されたアプライト部4と、アプライト部4に支持されるクラウン部2と、クラウン部2に配置される駆動機構Mと、駆動機構Mに吊設されるスライド部3と、ベッド構造体1上に設置されるボルスタ部6と、クラウン部2、アプライト部4及びベッド構造体1を上下方向に貫通して、これらを上下から挟持するようにネジで締め付けるタイロッド7と、を備える。
そして、スライド部3とボルスタ部6との間には、金型5が配置される。なお、金型5の内、上側の金型はスライド部3に連結され、下側の金型はボルスタ部6に固定される。
なお、クラウン部2,スライド部3、アプライト部4、ボルスタ部6及びタイロッド7は、公知のものを適宜採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0054】
プレス機械Aにおいては、駆動機構Mが、スライド部を昇降移動させ、金型間でワークをプレスする。なお、ワークのプレス機械Aへの搬入や搬出は、公知のロボットやトランスファー装置等により行われる。
ここで、駆動機構としては、公知の、クランク機構(
図5参照)、ナックル機構、リンク機構、スクリュー機構、フリクション機構、油圧機構、サーボ機構等を採用することができる。
また、駆動機構は、モータや減速機等の駆動源を備えていてもよい。なお、モータには、一般的なモータだけでなく、サーボモータも含まれる。
【0055】
プレス機械Aは、3500t以上のプレス荷重を発揮することが可能な大型のものとなっている。このため、ワークの素材として、一般的な鋼材だけでなく、ハイテン材や超ハイテン材等の新素材を用いた場合であっても、安定した塑性加工を行うことが可能となる。なお、ワークの素材としては、これらの素材に限定されず、例えば、アルミ材やFRP(繊維強化プレスチック)等であってもよい。
プレス機械Aによれば、上述したベッド構造体1を備えるので、大きなプレス荷重に対しても十分な剛性を発揮することができる。
【0056】
プレス機械Aにおいて、プレス荷重発生時(プレス時)におけるベッド構造体1の撓み剛性は、2.5×10
-4以下であることが好ましい。
たわみ剛性が2.5×10
-4を超えると、たわみ剛性が上記範囲内にある場合と比較して、金属疲労が蓄積され易いという欠点がある。
なお、たわみ剛性は、上面の最大たわみ量D(mm)を、プレス荷重が付与される幅L(mm)(
図7参照)で除した値(D/L)である。
また、上面の最大たわみ量は、撓んでいない状態のベッド構造体1の上面から撓んだ状態のベッド構造体1の上面まで距離の最大値であり、プレス荷重が付与される幅Lは、撓んだ状態のベッド構造体1のたわみが開始される両端の位置同士の間のベッド構造体1が撓んでいない状態での距離である。
【0057】
プレス機械Aにおいて、クラウン部2、駆動機構M、スライド部3、アプライト部4及びボルスタ部6は、それぞれ互いに着脱可能となっていることが好ましい。すなわち、これらは、それぞれの境界部分で分割が可能であり、ボルト等の留め具やタイロッド等で互いに連結することが可能となっていることが好ましい。
この場合、それぞれを分割して個別に輸送することが可能となる。
【0058】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0059】
本実施形態に係るベッド構造体1においては、内フレーム部10が、上下方向に貫通する第1中空部10aを有しているが、第1中空部10aは、蓋部や底部を有していてもよい。
例えば、区画板で区画された領域ごとに、着脱可能な蓋部を取り付けてもよい。この場合、内フレーム部の剛性がより向上するという利点がある。
【0060】
本実施形態に係るベッド構造体1においては、内フレーム部10の第1中空部10aに、当該第1中空部を区画する複数の区画板12が互いに平行となるように、等間隔で取り付けられているが、これに限定されない。
例えば、区画板が対角線上に配置されていてもよい。
また、複数の区画板12が互いに平行となっている場合に、等間隔で配置されていなくてもよい。
また、複数の区画板12が、左右の壁部11に支持されていてもよい。
また、複数の区画板12の上端及び下端が、対応する、四方の壁部11の上端及び下端と略面一となっているが必須ではない。
【0061】
本実施形態に係るベッド構造体1においては、内フレーム部10の外壁面に、複数の第1ガイド13が設けられているが、第1ガイド13の位置、形状は、
図2に示す位置、形状に限定されない。なお、外フレーム部20の内壁面に設けられた複数の第2ガイド23についても同様である。
また、ベッド構造体1においては、第1ガイド13及び第2ガイド23を有しているが、必須ではなく、何れか一方のみを有していてもよい。
【0062】
本実施形態に係るベッド構造体1においては、前側外フレーム部21と、後側外フレーム部22とが、外フレーム部20の中心を通り、且つ左右方向に延びる中心線Xを含む鉛直面に対して、互いに面対称となっているが、必須ではない。
【0063】
本実施形態に係るベッド構造体1においては、前側外フレーム部21の内壁面及び後側外フレーム部22の内壁面に、内側に突出した支持台部25がそれぞれ設けられているが、支持台部25の構造は、
図2に示すものに限定されない。
また、内フレーム部10を支持台部25に取り付ける際に、位置決めピン穴17,27と、ボルト穴部16.26とを利用しているが、これらの数、位置は、
図2及び
図3に示す数、位置に限定されない。
【0064】
本実施形態に係るベッド構造体1においては、外フレーム部20両側の一方側の脚部30と、他方側の脚部30とが、互いに対称構造となっているが必須ではない。
【0065】
本実施形態に係るベッド構造体1においては、脚部30と外フレーム部20とが、凸部C及び凹部R、位置決めピン39及び位置決め溝29、留め具及び留め穴28、並びに、挿入キー40を利用して連結されているが、連結構造はこれに限定されない。
【0066】
本実施形態に係るベッド構造体1においては、内フレーム部10、外フレーム部20又は脚部30に、軽量化の観点から、剛性等を著しく低下させない範囲で穴部を設けてもよい。
【0067】
本実施形態に係るベッド構造体1は、単工程のプレス機械に用いられるものであってもよく、タンデムプレスラインのプレス機械に用いられるものであってもよい。
また、その他、トランスファープレスラインのプレス機械に用いられるものであってもよい。なお、この場合、プレス機械は、複数の金型がスライド部とボルスタ部との間に並設されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明に係るベッド構造体は、プレス機械のベッドとして利用できる。
また、本発明に係るプレス機械は、ワークを所望の形状にプレス加工するための機械として利用できる。
本発明に係るベッド構造体及びそれを備えるプレス機械によれば、プレス荷重を大きくした場合であっても十分な剛性を有すると共に、分割することも可能となる。
【符号の説明】
【0069】
1・・・ベッド構造体
10・・・内フレーム部
10a・・・第1中空部
11・・・壁部
12・・・区画板
13・・・第1ガイド(ガイド)
16,26・・・ボルト穴部
17,27・・・位置決めピン穴部
2・・・クラウン部
20・・・外フレーム部
20a・・・第2中空部
21・・・前側外フレーム部
21a・・・前壁部
21b・・・第1側壁部
22・・・後側外フレーム部
22a・・・後壁部
22b・・・第2側壁部
23・・・第2ガイド(ガイド)
25・・・支持台部
28,38・・・留め穴
29・・・位置決め溝
3・・・スライド部
30・・・脚部
31・・・締付穴部
39・・・位置決めピン
4・・・アプライト部
40・・・挿入キー
5・・・金型
6・・・ボルスタ部
7・・・タイロッド
A・・・プレス機械
C・・・凸部
M・・・駆動機構
R・・・凹部
S・・・隙間