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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056659
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】固体酸化物形燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04746 20160101AFI20230413BHJP
   H01M 8/0612 20160101ALI20230413BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20230413BHJP
   H01M 8/04791 20160101ALI20230413BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20230413BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20230413BHJP
【FI】
H01M8/04746
H01M8/0612
H01M8/04 J
H01M8/04791
H01M8/00 Z
H01M8/04 N
H01M8/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166005
(22)【出願日】2021-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 稔
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA07
5H127AB23
5H127AC07
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA06
5H127BA12
5H127BA18
5H127BA33
5H127BA34
5H127BA37
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB25
5H127BB27
5H127BB37
5H127DB78
5H127DC83
5H127GG04
5H127GG09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】比較的小規模な設計変更でもって二酸化炭素回収機能付きのものとすることができる固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムを提供すること。
【解決手段】原燃料ガスを改質する改質器(4)と、改質燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行うセルスタック(6)と、セルスタック(6)からのアノードオフガスを燃焼させる燃焼器(44)と、燃焼器(44)に酸素を供給する酸素供給源と、酸素の供給量を制御するためのマスフローコントローラ(52)とを備えたSOFCシステム。コントローラは、アノードオフガスを酸素余剰なく完全酸化させるのに必要な必要酸素演算量を演算し、この必要酸素演算量よりも少ない酸素演算供給量の酸素を燃焼器(44)に供給するように制御し、更に酸素センサ(82)の検知信号に基づいて、アノードオフガスを酸素余剰なく完全酸化させるように補正制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素系の原燃料ガスを改質して改質燃料ガスを生成する改質器と、前記改質器に原燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、前記改質器に改質水を供給するための水供給手段と、酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給手段と、前記改質器からの改質燃料ガスと前記酸化剤ガス供給手段からの酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行うセルスタックと、前記セルスタックのアノードからのアノードオフガスを燃焼させる燃焼器と、前記燃焼器に酸素を供給するための酸素供給源と、前記酸素供給源から前記燃焼器に供給される酸素の供給量を制御するための酸素供給制御手段と、前記燃料ガス供給手段、前記酸化剤ガス供給手段及び水供給手段及び前記酸素供給制御手段を制御するためのコントローラとを備えており、
前記燃焼器からの燃焼排気ガスは、燃焼排気ガス排出ラインを通して排気ガス回収・精製ラインに送給されるように構成され、前記燃焼排気ガス排出ラインには、燃焼排気ガス中に含まれる水分を凝縮する凝縮器及び前記凝縮器にて凝縮された凝縮水を分離する気液分離装置が配設されており、
前記燃焼器に関連して、更に、燃焼排気ガス中の酸素濃度を検知するための酸素濃度検知手段が設けられ、前記コントローラは、前記酸素濃度検知手段の酸素濃度検知信号に基づいて前記酸素供給制御手段を制御し、前記酸素供給制御手段は、前記燃焼器に送給される酸素が前記セルスタックからのアノードオフガスを酸素余剰なく完全酸化させる送給量となるように制御することを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記セルスタックからのアノードオフガスを酸素余剰なく完全酸化させるのに必要な必要酸素演算量を演算する必要酸素量演算手段と、前記必要酸素演算手段による前記必要酸素演算量よりも少ない酸素演算供給量を設定する酸素演算供給量設定手段と、前記酸素の供給量を補正する酸素供給量補正手段とを含み、前記酸素供給制御手段は、酸素の送給量が前記酸素演算供給量設定手段により設定された前記酸素演算供給量となるように制御し、前記酸素供給量補正手段は、前記酸素濃度検知手段の酸素濃度検知信号に基づいて、アノードオフガスを酸素余剰なく完全酸化させるように前記酸素供給制御手段を補正制御することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
【請求項3】
前記コントローラは、更に、前記燃焼器に供給される酸素を補正制御する際の上限補正値に達したかを判定するための上限補正値判定手段を含み、前記上限補正値判定手段が前記上限補正値に達したと判定したときには、前記酸素濃度検知手段の酸素濃度検知信号に基づく前記上限補正値を超える補正を禁止することを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
【請求項4】
前記燃焼排気ガス排出ラインには、前記排気ガス回収・精製ラインとの接続部に排気ガス処理ラインが分岐接続され、前記排気ガス回収・精製ライン及び前記排気ガス処理ラインの分岐部に流路切替手段が配設されており、前記コントローラの前記上限供給量判定手段が前記上限供給量に達したと判定したときには、前記流路切替手段は、前記燃焼排気ガス排出ラインと前記排気ガス回収・精製ラインとを連通する第1の接続状態から前記燃焼排気ガス排出ラインと前記排気ガス処理ラインとを連通する第2の接続状態に切り替えられることを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
【請求項5】
前記セルスタックの前記アノードからのアノードオフガスを前記燃焼器に送給するアノードオフガス送給ラインには、アノードオフガスを収容するバッファータンクが設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。
【請求項6】
前記燃焼器に供給される酸素は、水を電気分解して水素と酸素とを生成する水電解水素生成装置において水の電気分解により生成された酸素であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。





















【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスを改質した改質燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応(燃料電池反応)により発電を行うセルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
酸化物イオンを伝導する膜として固体電解質を用いた固体酸化物形のセルスタックを収納容器内に収納した固体酸化物形燃料電池システム(以下、「SOFCシステム」とも称する。)が知られている。この固体酸化物形燃料電池システムにおいては、セルスタックは複数の燃料電池セルを積層して構成され、各燃料電池セルにおける固体電解質の片面側に燃料極(アノード)が設けられ、その他面側に酸素極(カソード)が設けられている。この固体酸化物形燃料電池システムにおけるセルスタックの作動温度は約700~900℃と高く、このような高温下において、燃料ガス(改質燃料ガス)中の水素や一酸化炭素、炭化水素と空気中の酸素とが電気化学反応を起こすことによって電池発電が行われる。
【0003】
このようなSOFCシステムにおいては、天然ガスやバイオ燃料ガス(メタンと二酸化炭素とが混合した組成の燃料ガス)などの炭化水素系燃料ガスが原燃料ガスとして用いられている。このSOFCシステムは、炭化水素系燃料ガスを例えば水蒸気改質するための改質器と、改質器に燃料ガス(原燃料ガス)を供給するための燃料ガス供給手段と、酸化剤ガスとしての空気を供給するための空気供給手段と、燃料極(アノード)及び酸素極(カソード)を有するセルスタックとを備え、改質器からの改質燃料ガスがセルスタックの燃料極に送給され、空気供給手段からの空気がその酸素極に送給され、セルスタックでの改質燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応によって発電が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このSOFCシステムでは、セルスタック及び改質器が高温空間に収容され、セルスタックの燃料極(アノード)からのアノードオフガスを燃焼させて高温状態を維持するようになっている。例えば、セルスタックの上側に燃焼域が設けられ、この燃焼域の上方に改質器が配設されている。セルスタックの燃料極(アノード)側からのアノードオフガス及び酸素極(カソード)側からのカソードオフガスが燃焼域に送られ、この燃焼域にてカソードオフガス中の酸素によりアノードオフガス中に残留する燃料ガスが燃焼され、この燃焼熱を利用して改質器が加熱されるとともに、高温空間が高温状態に保たれる。
【0005】
このようなSOFCシステムにおいては、セルスタックの上側に燃焼域を設けることに代えて、燃焼器を備えたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。このSOFCシステムでは、セルスタックの燃料極(アノード)側からのアノードオフガスがアノードオフガス送給流路を通して燃焼器に送給され、またセルスタックの酸素極(カソード)側からのカソードオフガスがカソードオフガス送給流路を通して燃焼器に送給され、この燃焼器にてカソードオフガス中の酸素によりアノードオフガス中に残留する燃料ガスが燃焼される。
【0006】
これらのSOFCシステムにおいては、セルスタックからのアノードオフガスがカソードオフガスを利用して燃焼されるので、この燃焼排気ガスは、水及び二酸化炭素に加えて窒素及び酸素を含んだものとなり、このような燃焼排気ガスから二酸化炭素を回収しようとすると、この二酸化炭素をアルカリ性吸収液に溶解させ、その後熱を加えて二酸化炭素を離脱させる(吸収液の再生)が必要となり、この離脱に熱エネルギーを必要とし、それ故に、このようなSOFCシステムでは、燃焼排気ガスから二酸化炭素を回収するのは現実的ではない。
【0007】
そこで、SOFCシステムから排出される燃焼排気ガスに含まれる二酸化炭素を回収する方法として、SOFCシステムが高温動作であることを利用した方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、酸素イオン伝導体、又は酸素イオンと電子伝導の混合伝導体を用い、セルスタックからのアノードオフガスに窒素が混じることなく、アノードオフガスとカソードオフガスとの酸素活量の違いにより、カソードオフガス中の酸素をアノードオフガス中の残余の水素及び一酸化炭素に反応させてほぼ完全酸化させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005-285340号公報
【特許文献2】特開2008-21596号公報
【特許文献3】特開2000-3719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の選択透過膜を用いる方法では、SOFCシステムの高温作動という特徴を活用でき、またアノードオフガスとカソードオフガスとの酸素活量の違いを駆動としているため、過剰に進行しないという特徴があるが、しかし、選択透過膜に関する技術的成熟度が低く、このことは、コストが高く、信頼性も低いという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、比較的小規模な設計変更でもって二酸化炭素回収機能付きのものとすることができる固体酸化物形燃料電池システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムは、炭化水素系の原燃料ガスを改質して改質燃料ガスを生成する改質器と、前記改質器に原燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、前記改質器に改質水を供給するための水供給手段と、酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給手段と、前記改質器からの改質燃料ガスと前記酸化剤ガス供給手段からの酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行うセルスタックと、前記セルスタックのアノードからのアノードオフガスを燃焼させる燃焼器と、前記燃焼器に酸素を供給するための酸素供給源と、前記酸素供給源から前記燃焼器に供給される酸素の供給量を制御するための酸素供給制御手段と、前記燃料ガス供給手段、前記酸化剤ガス供給手段及び水供給手段及び前記酸素供給制御手段を制御するためのコントローラとを備えており、
前記燃焼器からの燃焼排気ガスは、燃焼排気ガス排出ラインを通して排気ガス回収・精製ラインに送給されるように構成され、前記燃焼排気ガス排出ラインには、燃焼排気ガス中に含まれる水分を凝縮する凝縮器及び前記凝縮器にて凝縮された凝縮水を分離する気液分離装置が配設されており、
前記燃焼器に関連して、更に、燃焼排気ガス中の酸素濃度を検知するための酸素濃度検知手段が設けられ、前記コントローラは、前記酸素濃度検知手段の酸素濃度検知信号に基づいて前記酸素供給制御手段を制御し、前記酸素供給制御手段は、前記燃焼器に送給される酸素が前記セルスタックからのアノードオフガスを酸素余剰なく完全酸化させる送給量となるように制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記コントローラは、前記セルスタックからのアノードオフガスを酸素余剰なく完全酸化させるのに必要な必要酸素演算量を演算する必要酸素量演算手段と、前記必要酸素演算手段による前記必要酸素演算量よりも少ない酸素演算供給量を設定する酸素演算供給量設定手段と、前記酸素の供給量を補正する酸素供給量補正手段とを含み、前記酸素供給制御手段は、酸素の送給量が前記酸素演算供給量設定手段により設定された前記酸素演算供給量となるように制御し、前記酸素供給量補正手段は、前記酸素濃度検知手段の酸素濃度検知信号に基づいて、アノードオフガスを酸素余剰なく完全酸化させるように前記酸素供給制御手段を補正制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記コントローラは、更に、前記燃焼器に供給される酸素を補正制御する際の上限値である上限補正値に達したかを判定するための上限補正値判定手段を含み、前記上限補正値判定手段が前記上限補正値に達したと判定したときには、前記酸素濃度検知手段の酸素濃度検知信号に基づく前記上限補正値を超える補正を禁止することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記燃焼排気ガス排出ラインには、前記排気ガス回収・精製ラインとの接続部に排気ガス処理ラインが分岐接続され、前記排気ガス回収・精製ライン及び前記排気ガス処理ラインの分岐部に流路切替手段が配設されており、前記コントローラの前記上限供給量判定手段が前記上限供給量に達したと判定したときには、前記流路切替手段は、前記燃焼排気ガス排出ラインと前記排気ガス回収・精製ラインとを連通する第1の接続状態から前記燃焼排気ガス排出ラインと前記排気ガス処理ラインとを連通する第2の接続状態に切り替えられることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記セルスタックの前記アノードからのアノードオフガスを前記燃焼器に送給するアノードオフガス送給ラインには、アノードオフガスを収容するバッファータンクが設けられていることを特徴とする。
【0016】
更に、本発明の請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記燃焼器に供給される酸素は、水を電気分解して水素と酸素とを生成する水電解水素生成装置において水の電気分解により生成された酸素であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、セルスタックは、燃料ガス供給手段からの原燃料ガスを改質器にて改質した改質燃料ガスと酸化剤ガス供給手段からの酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行い、このセルスタックからのアノードオフガスは燃焼器に送給され、また燃焼器には酸素供給源からの酸素が送給され、この燃焼器にてアノードオフガスが燃焼される。このとき、コントローラは、酸素濃度検知手段の酸素濃度検知信号に基づいて酸素供給制御手段を制御し、酸素供給制御手段は、燃焼器に送給される酸素がセルスタックからのアノードオフガスを酸素余剰なく完全酸化させる送給量となるように制御するので、セルスタックからのアノードオフガスはこの燃焼器にて完全酸化され、燃焼器からの燃焼排気ガスの組成を水と二酸化炭素にすることができる。
【0018】
また、燃焼器からのこのような組成(水と二酸化炭素)の燃焼排気ガスが流れる燃焼排気ガス排出ラインには、凝縮器及び気液分離装置が配設されているので、燃焼排気ガス中の水分が凝縮器にて凝縮され、またこの凝縮水が気液分離装置にて分離され、このようにして、水分が除去された燃焼排気ガス、即ち二酸化炭素を排気ガス回収・精製ラインを通して回収・精製することができる。
【0019】
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、必要酸素量演算手段は、セルスタックからのアノードオフガスを酸素余剰なく完全酸化させるのに必要な必要酸素演算量を演算し、酸素演算供給量設定手段は、この必要酸素演算量よりも少ない酸素演算供給量を設定するので、酸素供給制御手段は、この酸素演算供給量を送給するように制御され、この送給状態においては、酸素の供給量が不足傾向となる。
【0020】
そして、このような送給状態において、酸素供給量補正手段は、酸素演算供給量となるように制御された酸素供給制御手段を、酸素濃度検知手段の酸素濃度検知信号に基づいて補正制御するので、酸素供給制御手段を通して供給される酸素は、アノードオフガスを酸素余剰なく完全酸化させるのに必要な正確な供給量となり、アノードオフガスを酸素余剰なく完全に完全酸化させることができる。
【0021】
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、コントローラは、更に、酸素の供給制御の補正量が上限補正値に達したかを判定するための上限補正値判定手段を含んでいるので、上限補正値判定手段が上限補正値に達したと判定したときには、酸素濃度検知手段の酸素濃度検知信号に基づく上限補正値を超える補正が禁止される。このような制御は、部分負荷運転において燃料利用率が通常(例えば、80%程度)よりも大きく低くなったとき適用され、燃焼器にてアノードオフガスが過剰燃焼し、この燃焼器が過熱することを回避することができる。
【0022】
また、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、燃焼排気ガス排出ラインには、排気ガス回収・精製ラインとの接続部に排気ガス処理ラインが分岐接続され、この分岐部に流路切替手段が配設されているので、上限供給量判定手段が上限供給量に達したと判定したときには、流路切替手段は、燃焼排気ガス排出ラインと排気ガス処理ラインとを連通する第2の接続状態に切り替えられ、これによって、完全燃焼していない燃焼排気ガス(即ち、水素及び一酸化炭素を含む燃焼排気ガス)が排気ガス回収・精製ラインに流れるのを防止することができる。
【0023】
また、本発明の請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、セルスタックのアノードオフガスが流れるアノードオフガス送給ラインにバッファータンクが設けられているので、燃焼器に送給されるアノードオフガスの流量変動、組成変動などを緩和させることができる。
【0024】
更に、本発明の請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、燃焼器に供給される酸素として、水電解水素生成装置において水の電気分解により生成された酸素を用いているので、水の電気分解の副生物を有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第1の実施形態を簡略的に示す全体図。
図2図1の固体酸化物形燃料電池システムの制御系を簡略的に示すブロック図。
図3図2の固体酸化物形燃料電池システムの制御系による制御の流れを示すフローチャート。
図4】本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第2の実施形態の制御系を簡略的に示すブロック図。
図5図4の固体酸化物形燃料電池システムの制御系による制御の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムについて説明する。まず、図1を参照して、固体酸化物形燃料電池システムの第1の実施形態について説明する。
【0027】
図1において、図示の固体酸化物形燃料電池システム2(SOFCシステム)は、原燃料ガスとして炭化水素系燃料ガス(例えば、都市ガス、LPガス、バイオガスなど)を消費して発電を行うものであり、燃料ガスを改質するための改質器4と、この改質器4にて改質された改質燃料ガス及び酸化剤ガスとしての空気との電気化学反応(燃料電池反応)によって発電を行う固体酸化物形のセルスタック6とを備えている。
【0028】
セルスタック6は、電気化学反応によって発電を行うための複数の固体酸化物形の燃料電池セルをインターコネクタプレートを介して積層して構成され、酸素イオンを伝導する固体電解質8と、この固体電解質8の片側に設けられた燃料極10(アノード)と、固体電解質8の他側に設けられた酸素極12(カソード)とを備え、固体電解質8として例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。
【0029】
このセルスタック6の燃料極10側は、改質燃料ガス送給ライン14を介して改質器4に接続され、この形態では、改質器4は、改質水を気化するための気化器16と一体的にユニットとして構成されている。尚、気化器16は、改質器4と別体に構成し、気化器16にて気化された水蒸気を水蒸気送給ライン(図示せず)を介して改質器4に送給するようにしてもよい。
【0030】
この気化器16は、水供給ライン18を介して水供給源(図示せず)(例えば、水タンクや水回収タンクなどから構成される)に接続され、水供給源からの改質水が水供給ライン18を通して気化器16に供給される。改質器4には改質触媒が収容され、改質触媒として例えばアルミナにルテニウムを担持させたものが用いられ、この改質触媒によって、燃料ガス供給ライン20を通して供給される原燃料ガスが気化器16にて気化された水蒸気でもって水蒸気改質される。
【0031】
この燃料ガス供給ライン20には、気化器16から上流側に向けて順に、燃料供給ポンプ22(燃料ガス供給手段を構成する)、燃料流量計24(燃料ガス流量センサ)、脱硫器26及び遮断電磁弁28が配設されている。脱硫器26は、原燃料ガスに含まれる硫黄成分(付臭剤中の硫黄成分)を除去し、遮断電磁弁28は、原燃料ガスの供給を停止させるときに閉状態となって燃料ガス供給ライン20を遮断する。
【0032】
また、燃料供給ポンプ22(燃料ガス供給手段)は、燃料ガス供給ライン20を流れる原燃料ガスを昇圧して気化器16に供給し、燃料流量計24は、燃料ガス供給ライン20を流れる原燃料ガスの流量を計測し、SOFCシステム2のコントローラ32(図2参照)は、原燃料ガスの設定流量値と燃料流量計24の計測流量値を比較し、この計測流量値が設定流量値よりも小さい(又は大きい)ときに燃料供給ポンプ22の回転数が上昇(又は減少)するように制御し、このようにして原燃料ガスの供給流量がSOFCシステム2の設定流量値となるように調整される。
【0033】
また、水供給ライン18には水ポンプ34(水供給手段を構成する)及び水流量計36(水流量センサ)が配設され、この水ポンプ34によって、水供給源(図示せず)からの改質水が水供給ライン18を通して気化器16に供給され、水流量計36は、この水供給ライン18を通して流れる改質水の供給流量を計測する。
【0034】
SOFCシステム6のコントローラ32(図2)は、改質水の設定流量値と水流量計36の計測流量値を比較し、この計測流量値が設定流量値よりも小さい(又は大きい)ときに水ポンプ34の回転数が上昇(又は減少)するように制御し、このようにして改質水の供給流量がSOFCシステム2の設定流量値となるように調整される。
【0035】
更に、このセルスタック6の酸素極12側は、空気供給ライン38が接続され、この空気供給ライン38に空気ブロア40(酸化剤ガス供給手段を構成する)及び空気流量計42(空気流量センサ)が配設されている。空気ブロア40は、酸化剤ガスとしての空気を空気供給ライン38を通してセルスタック6の酸素極12側に供給し、空気流量計42は、空気供給ライン38を流れる空気の供給流量を計測する。
【0036】
SOFCシステム2のコントローラ32(図2)は、空気の設定流量値と空気流量計42の計測流量値を比較し、この計測流量値が設定流量値よりも小さい(又は大きい)ときに空気ブロア40の回転数が上昇(又は減少)するように制御し、このようにして空気の供給流量がSOFCシステム2の設定流量値となるように調整される。
【0037】
このSOFCシステム2では、セルスタック6の燃料極10(アノード)からのアノードオフガスを燃焼させるための燃焼器44が設けられている。更に説明すると、セルスタック6の燃料極10の排出側はアノードオフガス送給ライン46を介して燃焼器44に接続され、セルスタック6からのアノードオフガスは、このアノードオフガス送給ライン46を通して燃焼器44に送給される。
【0038】
また、この燃焼器44には、酸素供給源(図示せず)からの酸素を送給する酸素送給ライン48が接続され、この酸素送給ライン48に電磁遮断弁50及びマスフローコントローラ52(酸素流量制御手段を構成する)が配設されている。マスフローコントローラ52は、酸素送給ライン48を流れる酸素の送給流量を後述するように制御して下流側に燃焼器44に送給し、電磁遮断弁50は、酸素の供給を停止するときに閉状態となって酸素送給ライン48を遮断する。
【0039】
この実施形態では、酸素は所定圧力(例えば、200kPa程度の圧力)でもって酸素送給ライン48を通して送給されるように構成されており、SOFCシステム2のコントローラ32(図2)は、後述するように、酸素の設定流量値とマスフローコントローラ52の計測流量値を比較し、この計測流量値が設定流量値よりも小さい(又は大きい)ときにマスフローコントローラ52の開度を大きく(又は小さく)するように制御し、このようにして酸素の送給流量がSOFCシステム2の設定流量値となるように調整され、このように調整することによって、この燃焼器44においてセルスタック6からのアノードオフガスが酸素余剰なく完全燃焼される。尚、この酸素の供給量の制御については、後に詳述する。
【0040】
酸素供給源(図示せず)としては、酸素が充填された酸素タンクなどでよく、或いは水を電気分解して水素と酸素を生成する水電解水素生成装置などから構成するようにしてもよく、この場合、水電解水素生成装置により生成される水素が目的生成物となり、このときに副生物として生成される酸素が酸素送給ライン48を通して燃焼器44に送給され、水電解水素生成装置の副生物である酸素の有効利用を図ることができる。
【0041】
水電解水素生成装置の目的生成物である水素は、例えば水素タンク(図示せず)などに貯蔵されたり、或いは下流側の水素使用設備などに送給されて消費される。また、生成された水素は、例えば燃料電池自動車、工業用又は家庭用燃料電池などの燃料ガスとして利用することができる。
【0042】
このSOFCシステム2においては、セルスタック6の酸素極12(カソード)から排出されるカソードオフガスと空気供給ライン38を流れる空気との間で熱交換が行われるように第1熱交換器54が設けられている。セルスタック6の酸素極12の排出側にはカソードオフガス排出ライン56が設けられ、このカソードオフガス排出ライン54に第1熱交換器54が配設され、この第1熱交換器54にて、カソードオフガス排出ライン56を流れるカソードオフガスと空気供給ライン38を流れる空気との間で熱交換され、この熱交換により加温された空気がセルスタック6の酸素極12側に送給される。
【0043】
更に、燃焼器44から排出される燃焼排気ガスと空気供給ライン38を流れる空気との間で熱交換が行われるように第2熱交換器58が設けられている。燃焼器44の排出側には燃焼排気ガス排出ライン60が設けられ、この燃焼排気ガス排出ライン60に第2熱交換器58が配設され、この第2熱交換器58にて、燃焼排気ガス排出ライン60を流れる燃焼排気ガスと空気供給ライン38を流れる空気との間で熱交換が行われる。
【0044】
このように構成されているので、空気ブロア40からの空気は、第1熱交換器54にてカソードオフガスとの間で熱交換されて加温され、更に第2熱交換器58にて燃焼排気ガスとの間で熱交換されて加温され、このように2段階でもって加温された空気がセルスタック6の酸素極12側に送給される。
【0045】
このSOFCシステム2では、燃焼器44に接触乃至近接して改質器4及び気化器16が配設され、この燃焼器44でのアノードオフガスの燃焼による燃焼熱によって、改質器4及び気化器16が加熱されて所定の温度状態に保たれる。また、セルスタック6、燃焼器44、改質器4、気化器16、第1熱交換器54及び第2熱交換器58が断熱材(図示せず)で囲まれた高温空間62に収容され、燃焼器44からの燃焼熱によってこの高温空間62内が高温状態に維持される。
【0046】
このSOFCシステム2では、二酸化炭素の排出量を少なく抑えるために、更に次のように構成されている。燃焼排気ガス排出ライン60に第3熱交換器62及び気液分離装置64が下流側に向けてこの順に配設されている。第3熱交換器62は、燃焼排気ガス中の水分を凝縮するための凝縮器として機能し、例えば燃焼排気ガスの熱エネルギーを貯湯装置の貯湯タンク(図示せず)に温水として貯えるために適用される熱交換器などでよく、この第3熱交換器62にて、貯湯装置の貯湯タンク(図示せず)からの水(冷却水)と燃焼排気ガス排出ライン60を流れる燃焼排気ガスとの間で熱交換が行われ、この熱交換により、燃焼器44からの燃焼排気ガスが冷却されてそれに含まれる水分が凝縮される一方、熱交換により加温された温水が貯湯タンクに貯えられる。
【0047】
尚、凝縮器としては、このような貯湯装置からの水と熱交換を行う第3熱交換器62でなくてもよく、例えば冷却水との間で熱交換するものでもよく、或いは空気との間で熱交換するものでもよく、燃焼排気ガスを熱交換により冷却させてそれに含まれる水分を凝縮させるものであればよい。
【0048】
一方、熱交換により冷却された燃焼排気ガスは、燃焼排気ガス排出ライン60を更に下流側に流れ、第3熱交換器62にて凝縮された凝縮水が気液分離装置64により分離される。気液分離装置64は、例えばドレインセパレータなどから構成され、燃焼排気ガスに含まれる水分は、第3熱交換器62での熱交換により冷却されて凝縮され、凝縮された水がこの気液分離装置64にて分離され、水分が分離された燃焼排気ガスが更に下流側に流れる。尚、トレインセパレータにて分離された凝縮水は、例えば水回収タンク(図示せず)に回収して改質水として再利用するようにしてもよい。
【0049】
燃焼排気ガス排出ライン60の下流側には排気ガス回収・精製ライン66(具体的には、二酸化炭素回収・精製ライン)及び排気ガス処理ライン68が分岐接続され、この分岐接続部に三方切替弁70(流路切替手段を構成する)が配設されている。三方切替弁70の一方の排出側に排気ガス回収・精製ライン66が接続され、その他方の排出側に排気ガス処理ライン68が接続されている。
【0050】
この三方切替弁70(流路切替手段)は、第1切替状態にあるときには燃焼排気ガス排出ライン60と排気ガス回収・精製ライン66とを連通し、燃焼排気ガス排出ライン60からの燃焼排気ガスは、排気ガス回収・精製ライン66に流れて回収・精製され、また第2切替状態にあるときには燃焼排気ガス排出ライン60と排気ガス処理ライン68とを連通し、燃焼排気ガス排出ライン60からの燃焼排気ガスは、排気ガス処理ライン68に流れて所要の通りに処理される。
【0051】
燃焼排気ガスの流れを切り替える流路切替手段として、三方切替弁70に代えて、二つの開閉弁、即ち第1及び第2開閉弁(図示せず)から構成するようにしてもよい。この場合、例えば、排気ガス回収・精製ライン66に第1開閉弁が配設され、また排気ガス処理ライン68に第2開閉弁が配設され、燃焼排気ガス排出ライン60からの燃焼排気ガスを排気ガス回収・精製ライン66に流すときには、第1開閉弁が開状態に、第2開閉弁が閉状態に切り替えられ、またこの燃焼排気ガスを排気ガス処理ライン68に流すときには、第1開閉弁が閉状態に、第2開閉弁が開状態に切り替えられる。
【0052】
後に説明するように、セルスタック6からのアノードオフガスを燃焼器44で後述するように完全燃焼させることができるときには、三方切替弁70は第1切替状態に保持され、燃焼排気ガスとしての二酸化炭素は、排気ガス回収・精製ライン66を通して回収・精製される。一方、このアノードオフガスを燃焼器44で後述するように完全燃焼させることが難しいときには、三方切替弁70は第2切替状態に切り替えられ、燃焼排気ガスは、排気ガス処理ライン68を通して流れ、所要の通りに処理された後に例えば大気中に排出される。
【0053】
この排気ガス回収・精製ライン66を通して回収された燃焼排気ガス(CO2)は、合成燃料(ジェット燃料、メタノールなどの液体燃料、メタン、プロパンなどのガス燃料)の製造に用いることができ、またオレフィン、ウレタンなどの化学品の合成などに用いることができる。
【0054】
このSOFCシステム2においては、セルスタック6の燃料極10側からのアノードオフガスは、燃焼器44で完全燃焼(完全酸化)された後に二酸化炭素(CO2)として回収・精製されるように構成されている。図1とともに図2を参照して、この実施形態では、更に、燃焼器44に関連して、酸素濃度を検知するための酸素濃度検知手段が設けられている。この酸素濃度検知手段としては、ジルコニア固体電解質を用いたセンサ、即ち酸素センサ82、A/Fセンサ(Air-Fuel ratio センサ)などを好適に用いることができ、燃焼器44の流出部又は燃焼排気ガス排出ライン60の流入部に配設され、このような燃焼器44の排出側は、酸素センサ82(又はA/Fセンサ)の作動する温度環境として好都合な設置箇所である。
酸素センサ82及びA/Fセンサの検知部では、ジルコニア固体電解質の両側に白金電極が設けられている。A/Fセンサでは、更に、排気側電極上に気体分子の拡散を制限する多孔質のセラミック(例えば、アルミナ)からなる拡散律速層を設けた構造となっており、このような構造を有するA/Fセンサは、起電力だけを計測する酸素センサ82に比べて高応答速度であるという特徴を有している。
【0055】
また、この実施形態では、セルスタック6に関連して、その発電出力を計測するための発電電力計測装置としての発電出力センサ84が設けられており、この発電出力センサ84からの計測信号に基づいて、セルスタック6の発電出力が定格発電状態であるかを計測する。
【0056】
この実施形態では、SOFCシステム2は、図2に示す制御系により作動制御される。図2を参照して更に説明すると、このSOFCシステム2は、システム全体を作動制御するためのコントローラ32を備え、このコントローラ32は、CPU、メモリ、タイマなどを一つの集積回路に実装したマイクロコントローラなどから構成され、燃料流量計24、空気流量計42、水流量計36、酸素センサ82及び発電出力センサ84などからの計測信号がコントローラ32に送給され、コントローラ32は、これらの検知信号(計測信号)に基づいて、燃料供給ポンプ22,空気ブロア40、水ポンプ34、マスフローコントローラ52及び三方切替弁70を後述する如く制御する。
【0057】
この実施形態のコントローラ32は、発電電力設定手段92、燃料利用率設定手段94、定格出力判定手段96、燃料供給量演算手段98、空気供給量演算手段100、水供給量演算手段102及び作動制御手段104を備えている。発電出力設定手段92は、セルスタック6の発電出力を設定し、燃料利用率設定手段94は、セルスタック6での燃料利用率、即ちセルスタック6での発電で消費される燃料ガスの割合を設定する。また、発電出力設定手段98による設定発電出力及び燃料利用率設定手段94による設定燃料利用率に基づいて、燃料供給量演算手段98は、セルスタック6の燃料極10側に供給すべき原燃料ガスの供給量を演算し、空気供給量演算手段100は、セルスタック6の酸素極12側に供給すべき空気の供給量を演算し、水供給量演算手段102は、気化器16に供給すべき改質水の供給量を演算する。そして、作動制御手段104は、燃料供給量演算手段98により演算された供給量となるように燃料供給ポンプ22を制御し、空気供給量演算手段100により演算された供給量となるように空気ブロアを制御し、水供給量演算手段102により演算された供給量となるように水ポンプ34を制御する。
【0058】
このコントローラ32は、更に、必要酸素量演算手段106を備え、作動制御手段104は、酸素演算供給量設定手段108及び酸素供給量補正手段110を含んでいる。必要酸素量演算手段106は、セルスタック6の燃料極10側からのアノードオフガスを燃焼器44にて酸素余剰なく完全燃焼(完全酸化)させるのに必要な必要酸素演算量を演算し、酸素演算供給量設定手段108は、この必要酸素演算量よりも少ない酸素演算供給量を設定し、この酸素演算供給量は、必要酸素量演算手段106により演算された必要酸素演算量よりも例えば2~5%程度小さい値に設定され、作動制御手段104は、燃焼器44に送給される酸素がこの酸素演算供給量となるようにマスフローコントローラ52を制御する。この酸素演算供給量の酸素を燃焼器44に供給する状態ではアノードオフガスを完全燃焼させるには幾分酸素が不足するようになるため、酸素供給量補正手段110は、酸素センサ82からの検知信号(即ち、酸素濃度検知信号)に基づいて酸素供給量を補正し、このように酸素供給量を補正することによって、アノードオフガスを酸素余剰なく完全燃焼させるのに必要な量の酸素を燃焼器44に供給することができ、これによって、アノードオフガスを完全燃焼させて二酸化炭素と水にすることができる。
【0059】
このことを更に具体的に説明すると、SOFCシステム6の動作条件で燃料利用率が例えば80%である場合、原燃料ガスの80%が電気化学反応するように、セルスタック6の酸素極10側からの空気中の酸素が電解質8を通して燃料極10側に供給される。その結果、燃料極10の排出側出口のガス組成は、改質燃料ガスが純酸素で例えば80%部分酸化した状態となり、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)及び水(H2O)を含んだ状態となる。SOFCシステム6におけるセルスタック6の一般的な動作温度が700℃以上であり、また多量の水が存在していることから、メタンは0.1%未満と非常に少ない状態となっている。
【0060】
このガスを完全に酸化してCO2とH2Oにするために、セルスタック6からのアノードオフガスを燃焼器44に送給し、また酸素供給源(図示せず)(例えば、酸素タンク、水電解水素生成装置)から供給される酸素を燃焼器44に送給し、この燃焼器44にてアノードオフガスを酸素により燃焼させるものである。セルスタック6の燃料利用率燃料が例えば80%である場合、原燃料ガスの20%を燃焼させるのに必要な酸素量を酸素供給源(図示せず)から酸素送給ライン48を通してSOFCシステム6の燃焼器44に送給するようになり、酸素供給源からの酸素供給量をこのようにコントロールすることにより、セルスタック22からのアノードオフガスを完全に酸化させてCO2とH2Oにすることができる。
【0061】
酸素供給源(図示せず)からの酸素(所謂、純酸素)をSOFCシステム6の高温空間62内の燃焼器44に供給するにあたっては、セルスタック6が純酸素、高濃度酸素に触れることによる酸化劣化速度が、空気が触れることによる酸化劣化速度よりも大きくなることから、純酸素の接触は、燃焼器44自体とそれへの送給管(酸素送給ライン48)だけとなるようにするのが望ましい。また、燃焼器54でのアノードオフガスの燃焼条件は、燃焼後の組成がH2OとCO2だけになるストイキ(化学量論)燃焼にするのが望ましい。このようなことから、酸素供給源からの酸素の供給量は、アノードオフガスが酸素余剰なく完全燃焼するようにするのが好ましく、このようにすることにより、燃焼後の燃焼排気ガスを冷却して凝縮水を分離し、残ったCO2を排気ガス回収ライン76を通して回収することが可能となる。
【0062】
次に、図1図3を参照して、上述したSOFCシステム2の運転について説明する。主として図2及び図3を参照して、このSOFCシステム2の運転を行うと、起動運転が
行われる(ステップS1)。この起動運転においては、セルスタック6の作動温度が低く、稼働が安定してなく、燃焼器44においてセルスタック6からのアノードオフガスを酸素過剰でなく完全燃焼(完全酸化)させるのは難しく、それ故に、三方切替弁70(流路切替弁)が第2切替状態に保持される(ステップS2)。
【0063】
この起動運転においては、燃料供給量演算手段98は起動運転時の原燃料ガスの供給量を演算し、空気供給量演算手段100は起動運転時の空気の供給量を演算し、水供給量演算手段102は起動運転時の改質水の供給量を演算し、必要酸素量演算手段106は起動運転時のアノードオフガスを燃焼させるのに必要な必要酸素量を演算し、これら演算された供給量が設定され(ステップS3)、作動制御手段104は、これら供給量を供給するように燃料供給ポンプ22、空気ブロア40、水ポンプ34及びマスフローコントローラ52を制御し、このようにして起動運転が行われる。
【0064】
この起動運転時には、三方切替弁70が第2切替状態に保持されているので、セルスタック6からのアノードオフガスは、燃焼器44にて酸素(酸素送給ライン48を通して供給される)により燃焼された後に、燃焼排気ガス排出ライン60及び三方切替弁70を通して排気ガス処理ライン68に流れる。この起動運転において、セルスタック6の作動温度が上昇して発電可能になると、発電出力設定手段92は起動運転時の発電出力の設定を行い、この設定出力でもって出力される(ステップS4)。
【0065】
そして、セルスタック6の発電出力が定格出力まで上昇し、定格出力判定手段96が定格出力に達したと判定すると、ステップS5からステップS6に移り、SOFCシステム2の定格運転が行われる。この定格運転においては、セルスタック6の作動温度が高くなって稼働状態が安定し、次のようにして燃焼器44においてセルスタック6からのアノードオフガスを酸素過剰でなく完全燃焼させることが可能となり、それ故に、三方切替弁70(流路切替弁)が第2切替状態から第1切替状態に切り替えられる(ステップS7)。
【0066】
この定格運転においては、発電出力設定手段92はセルスタック6の発電出力が定格出力となるように設定し(ステップS8)、また燃料供給量演算手段98は定格運転時の原燃料ガスの供給量を演算し、空気供給量演算手段100は定格運転時の空気の供給量を演算し、水供給量演算手段102は定格運転時の改質水の供給量を演算し、これら演算された供給量が設定され(ステップS9)、作動制御手段104は、これら供給量を供給するように燃料供給ポンプ22、空気ブロア40及び水ポンプ34を制御し、このようにして定格運転が行われる。
【0067】
この定格運転では、酸素送給ライン48を通して送給される酸素の供給量については、酸素演算供給量が設定される(ステップS10)。即ち、必要酸素量演算手段106は、セルスタック6からのアノードオフガスを完全燃焼(完全酸化)させるのに必要な必要酸素演算量を上述したようにして演算し、酸素演算供給量設定手段108は、この必要酸素演算量よりも少ない酸素演算供給量を設定し、燃焼器44への酸素の供給量については、酸素センサ82からの検知信号(測定信号)に基づいて補正制御される。
【0068】
具体的には、酸素センサ82からの検知信号がコントローラ32に送給され(ステップ11)、酸素供給量補正手段110は、この検知信号に基づいて酸素余剰状態か、酸素不足状態かの判定をして酸素供給量の補正を行う。燃焼器44の燃焼排気ガス中に酸素が残存していて酸素余剰状態のときには、送給された酸素がセルスタック6の燃料極10側に流れるおそれがあるために、ステップS12からステップS13に進み、酸素供給量補正手段110は酸素供給の減補正を行い、作動制御手段104は、この減補正に基づきマスフローコントローラ52(酸素供給制御手段)を制御して酸素供給量を減少させる。
【0069】
また、燃焼器44の燃焼排気ガス中に酸素が存在しない酸素不足状態のときには、燃焼器44にてアノードオフガスを完全燃焼(完全酸化)させることができないために、ステップS12からステップS14を経てステップS15に移り、酸素供給量補正手段110は酸素供給の増補正を行い、作動制御手段104は、この増補正に基づきマスフローコントローラ52(酸素供給制御手段)を制御して酸素供給量を増大させる。
【0070】
酸素送給ライン48を通して供給される酸素の供給量をこのように制御することによって、燃焼器44においてアノードオフガスを酸素余剰なく完全燃焼(完全酸化)させることができ、アノードオフガスは水と二酸化炭素とからなるものとなる。酸素センサ82の検知信号を利用したこのような酸素の供給制御は、SOFCシステム2の定格運転中にわたって継続して行われる。
【0071】
この定格運転中においては、三方切替弁70が第1切替状態に保持されており、燃焼器44からの燃焼排気ガスは、第3熱交換器62(凝縮器)にて冷却されて水分が凝縮され、更に気液分離装置64にて凝縮水が除去された後に、この三方切替弁70を通して排気ガス回収・精製ライン66に流れる。この排気ガス回収・精製ライン66を流れる燃焼排気ガスは、水分が除去されて二酸化炭素となっているので、この排気ガス回収・精製ライン66を通して二酸化炭素を回収・精製することができる。
【0072】
この定格運転を終了するときには、ステップS16を経てステップS17に移り、SOFCシステム2の終了運転が行われ、この終了運転においては三方切替弁70は第2切替状態に切り替えられ(ステップS18)、燃焼器44からの燃焼排気ガスは、燃焼排気ガス排出ライン60及び三方切替弁70を通して排気ガス処理ライン68に流れる。
【0073】
上述した実施形態では、SOFCシステム2が定格運転のときに酸素センサ82からの検知信号を利用して酸素の供給制御をしているが、次の第2の実施形態のように構成することによって、定格運転後の部分負荷運転のときにおいても酸素センサ82を利用した酸素の供給制御を行う(換言すると、二酸化炭素の回収・精製を行う)ことができる。尚、第2の実施形態においては、第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0074】
第2の実施形態のSOFCシステムの制御系を示す図4を参照して、このコントローラ32Aは、第1の実施形態と同様に、発電電力設定手段92A、燃料利用率設定手段94A、定格出力判定手段96A、燃料供給量演算手段98A、空気供給量演算手段100A、水供給量演算手段102A、必要酸素量演算手段106A及び作動制御手段104Aを備えている。また、作動制御手段104Aは、酸素演算供給量設定手段108A及び酸素供給量補正手段110Aに加えて、更に上限補正値判定手段122及び増量補正禁止信号生成手段124を含み、メモリ手段126には、酸素センサ82の検知信号を利用して酸素の供給量を補正制御するときの上限値である上限補正値が登録される。上限補正値判定手段122は、酸素送給ラインを通しての酸素の補正制御が上限補正値に達したかを判定し、増量補正禁止信号生成手段124は、上限補正値判定手段122による上限補正判定に基づき、増量補正禁止信号を生成する。この第2の実施形態のSOFCシステムのその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0075】
このSOFCシステムの定格運転について説明すると、セルスタック6が定格出力(定格負荷状態)になる(即ち、定格出力判定手段96Aが定格出力に達したと判定する)と、三方切替弁70(流路切替弁)が第1切替状態に切り替えられる(ステップS21)。また発電出力設定手段92Aはセルスタックの発電出力が定格出力となるように設定し(ステップS22)、また燃料供給量演算手段98Aは定格運転時の原燃料ガスの供給量を演算し、空気供給量演算手段100Aは定格運転時の空気の供給量を演算し、水供給量演算手段102Aは定格運転時の改質水の供給量を演算し、これら演算された供給量が設定され(ステップS23)、作動制御手段104Aは、これら供給量を供給するように燃料供給ポンプ22、空気ブロア40及び水ポンプ34を制御する。
【0076】
この定格運転では、酸素センサ82(酸素濃度検知手段)が燃焼器から燃焼排気ガス排出ライン60を流れる燃焼排気ガスの酸素濃度を検知し(ステップS24)、この酸素センサ82の検知信号(酸素濃度検知信号)を利用して、酸素送給ライン48を通して送給される酸素の供給量が上述したと同様にして補正制御される。
【0077】
即ち、必要酸素量演算手段106Aは、セルスタック6からのアノードオフガスを完全燃焼させるのに必要な必要酸素演算量を演算し、酸素演算供給量設定手段108Aは、この必要酸素演算量よりも少ない酸素演算供給量を設定し、作動制御手段104Aは、この酸素演算供給量の酸素が燃焼器へ供給されるようにマスフローコントローラ52(酸素流量制御手段)を制御する。そして、このような酸素供給状態では、燃焼器でのアノードオフガスの燃焼において酸素が不足傾向となるために、酸素センサ82からの検知信号に基づいて酸素の供給量の補正制御が行われる。
【0078】
酸素供給量補正手段110Aは、この検知信号に基づいて酸素余剰状態か、酸素不足状態かの判定をし、燃焼排気ガスが酸素余剰状態となっているときには、ステップS25からステップS26に進み、酸素供給量補正手段110Aは酸素供給の減補正を行い、作動制御手段104Aは、この減補正に基づきマスフローコントローラ52(酸素供給制御手段)を制御して酸素供給量を減少させる。このとき、後述する上限補正値からの酸素供給量の減少のときには、燃焼器でアノードオフガスを完全燃焼させることができるとして、ステップS25に続いてステップS27を経てステップS28に進み、三方切替弁70が第1切替状態に切り替えられ、燃焼器からの燃焼排気ガスは排気ガス回収・精製ライン66に流れる。
【0079】
また、燃焼排気ガスが酸素不足状態になっているときには、ステップS25からステップS29を経てステップS30に移り、酸素供給量補正手段110Aは酸素供給の増補正を行い、作動制御手段104Aは、この増補正に基づきマスフローコントローラ52(酸素供給制御手段)を制御して酸素供給量を増大させる。このとき、酸素供給量補正手段110Aによる酸素供給の増補正において、その補正量が上限補正値を超えると、ステップS30に続いてステップ31を経てステップS32に進み、更なる酸素の増大補正はなく、この上限補正値でもって供給され、このように酸素の送給を制限することによって、燃焼器が過剰に加熱されることが回避される。この場合、燃焼器への酸素の供給不足が発生し、燃焼器からの燃焼排気ガスに水素、一酸化炭素が一部残存した状態となるために、三方切替弁70は第2切替状態に切り替えられ、燃焼器からの燃焼排気ガスは排気ガス処理ライン68に流れる。
【0080】
このような定格運転(定格負荷運転)から発電出力が低下して部分負荷運転になると、ステップS34からステップS35に移り、部分負荷運転が行われる。この部分負荷運転においては、発電出力設定手段92Aはセルスタックの発電出力が部分負荷出力となるように設定し(ステップS36)、燃料供給量演算手段98Aは部分負荷運転時の原燃料ガスの供給量を演算し、空気供給量演算手段100Aは部分負荷運転時の空気の供給量を演算し、水供給量演算手段102Aは定部分負荷運転時の改質水の供給量を演算し、これら演算された供給量が設定され(ステップS37)、作動制御手段104Aは、これら供給量を供給するように燃料供給ポンプ22、空気ブロア40及び水ポンプ34を制御する。
【0081】
この部分負荷運転においても、酸素センサ82(酸素濃度検知手段)が燃焼器から燃焼排気ガス排出ライン60を流れる燃焼排気ガスの酸素濃度を検知し(ステップS38)、この酸素センサ82の検知信号(酸素濃度検知信号)を利用して、酸素送給ライン48を通して送給される酸素の供給量が上述したと同様にして補正制御される。
【0082】
必要酸素量演算手段106Aは、定格運転時と同様に、部分負荷運転におけるセルスタック6からのアノードオフガスを完全燃焼させるのに必要な必要酸素演算量を演算し、酸素演算供給量設定手段108Aは、この必要酸素演算量よりも少ない酸素演算供給量を設定し、作動制御手段104Aは、この酸素演算供給量の酸素が燃焼器へ供給されるようにマスフローコントローラ52(酸素流量制御手段)を制御する。
【0083】
酸素供給量補正手段110Aは、この検知信号に基づいて酸素余剰状態か、酸素不足状態かの判定をし、燃焼排気ガスが酸素余剰状態となっているときには、ステップS39からステップS40に進み、酸素供給量補正手段110Aは酸素供給の減補正を行い、作動制御手段104Aは、マスフローコントローラ52(酸素供給制御手段)を制御して酸素供給量を減少させる。このとき、上限補正値からの酸素供給量の減少のときには、ステップS41を経てステップS42に進み、三方切替弁70が第1切替状態に切り替えられる。
【0084】
また、燃焼排気ガスが酸素不足状態になっているときには、ステップS39からステップS43を経てステップS44に移り、酸素供給量補正手段110Aは酸素供給の増補正を行い、作動制御手段104Aは、マスフローコントローラ52(酸素供給制御手段)を制御して酸素供給量を増大させる。このとき、この補正量が上限補正値を超えると、ステップS45に続いてステップ46を経てステップS47に進み、更なる酸素の増大補正はなく、この上限補正値でもって供給される。この場合、三方切替弁70は第2切替状態に切り替えられ、燃焼器からの燃焼排気ガスは排気ガス処理ライン68に流れる。
【0085】
このような定格運転(定格負荷運転)から発電出力が低下して部分負荷運転になると、ステップS34からステップS35に移り、部分負荷運転が行われる。
【0086】
この部分負荷運転が終了して定常運転に戻るときには、ステップS48及びステップS49を経てステップS21に戻る。また、部分負荷運転の後に運転を終了するときには、ステップS49からステップS50を経て運転が終了する(図3に示すフローチャートにおけるステップS17に移って終了運転が行われる)。
【0087】
以上、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システム(SOFCシステム)の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0088】
上述した実施形態では、必要酸素量演算手段106(106A)が必要酸素量を演算し、酸素演算供給量設定手段108(108A)がこの必要酸素量に基づいて酸素演算供給量を設定し、この酸素演算供給量の供給状態において、酸素供給量補正手段110(110A)が酸素センサ82(酸素濃度検知手段)の検知信号に基づきマスフローコントローラ52(酸素流量制御手段)を補正制御しているが、このような構成に代えて、必要酸素量演算手段106(106A)により演算した必要酸素量を用い、この必要酸素量の供給状態において、酸素供給量補正手段110(110A)が酸素センサ82(酸素濃度検知手段)の検知信号に基づきマスフローコントローラ52(酸素流量制御手段)を補正制御するようにしてもよい。
【0089】
また、セルスタック6の燃料極10側からのアノードオフガスを燃焼器44に送給するアノードオフガス送給ライン46にバッファータンク(図示せず)を設けるようにしてもよく、このように構成することにより、燃焼器44に送給されるアノードオフガスの流量変動、組成変動を緩和させることができる。
【符号の説明】
【0090】
2 固体酸化物形燃焼電池システム
4 改質器
6 セルスタック
22 燃料供給ポンプ(燃料ガス供給手段)
32,32A コントローラ
34 水ポンプ(水供給手段)
40空気ブロア(酸化剤ガス供給手段)
44 燃焼器
46 燃焼排気ガス送給ライン
52 マスフローコントローラ(酸素流量制御手段)
62 第3熱交換器(凝縮器)
64 気液分離装置
66 排気ガス回収・精製ライン
70 三方切替弁
82 酸素センサ(酸素濃度検知手段)
106,106A 必要酸素量演算手段
108,108A 酸素演算供給量設定手段
110,110A 酸素供給量補正手段
122 上限補正値判定手段
図1
図2
図3
図4
図5