(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056667
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】油性毛髪化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/86 20060101AFI20230413BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20230413BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
A61K8/86
A61K8/92
A61Q5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166015
(22)【出願日】2021-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(72)【発明者】
【氏名】紺本 香織
(72)【発明者】
【氏名】藤田 範子
(72)【発明者】
【氏名】中野 涼
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA122
4C083AA162
4C083AB171
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC102
4C083AC422
4C083AC902
4C083AD022
4C083AD041
4C083AD092
4C083AD662
4C083BB04
4C083BB12
4C083CC32
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】本発明は、固形ワックスを含む油性毛髪化粧料であるにもかかわらず、洗い落ちに特に優れた油性毛髪化粧料を提供する。
【解決手段】本発明の油性毛髪化粧料は、成分A:ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸及びその塩、並びにポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸及びその塩からなる群より選択される1以上の化合物、成分B:HLB値が12.0以下であるノニオン界面活性剤、成分C:25℃で固形又は半固形のワックスを含有する。本発明の油性毛髪化粧料は、さらに、成分D:25℃で液状の油を含むことが好ましい。本発明の油性毛髪化粧料は、さらに、成分E:粉体を含むことが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分A、下記成分B、及び下記成分Cを含有する油性毛髪化粧料。
成分A:ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸及びその塩、並びにポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸及びその塩からなる群より選択される1以上の化合物
成分B:HLB値が12.0以下であるノニオン界面活性剤
成分C:25℃で固形又は半固形のワックス
【請求項2】
さらに、下記成分Dを含む、請求項1に記載の油性毛髪化粧料。
成分D:25℃で液状の油
【請求項3】
前記成分Dに対する前記成分Cの質量割合[成分C/成分D]が1.5~12.0である、請求項2に記載の油性毛髪化粧料。
【請求項4】
さらに、下記成分Eを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の油性毛髪化粧料。
成分E:粉体
【請求項5】
前記成分Eが下記成分E1を含む、請求項4に記載の油性毛髪化粧料。
成分E1:微粒子シリカ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪を整えるために、液状、ジェル状、クリーム状及び固形状などの種々の性状の整髪剤組成物が用いられている。整髪剤組成物の中には、毛髪を立ち上げる整髪力や、整髪した髪型を長時間保持できる特性(整髪保持力)を高めるなどの目的で、固形のワックスを含むものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-001887号公報
【特許文献2】特開2000-143454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの固形のワックスを含む整髪剤組成物は、洗髪時の洗い落ちが悪いという問題があった。中でも、固形のワックスを含む、油性の整髪剤組成物は、特に洗い落ちが悪いのが現状であった。
【0005】
本発明の目的は、固形ワックスを含む油性毛髪化粧料であるにもかかわらず、洗い落ちに特に優れた油性毛髪化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記成分(A)、下記成分(B)、及び下記成分(C)を含有する油性毛髪化粧料を提供する。
成分(A):ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸及びその塩、並びにポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸及びその塩からなる群より選択される1以上の化合物
成分(B):HLB値が12.0以下であるノニオン界面活性剤
成分(C):25℃で固形又は半固形のワックス
【0007】
上記油性毛髪化粧料は、さらに、下記成分(D)を含むことが好ましい。
成分(D):25℃で液状の油
【0008】
成分(D)に対する成分(C)の質量割合[成分(C)/成分(D)]は1.5~12.0であることが好ましい。
【0009】
上記油性毛髪化粧料は、さらに、下記成分(E)を含むことが好ましい。
成分(E):粉体
【0010】
上記成分(E)は下記成分(E1)を含むことが好ましい。
成分(E1):微粒子シリカ
【発明の効果】
【0011】
本発明の油性毛髪化粧料は、固形ワックスを含む油性毛髪化粧料であるにもかかわらず、洗い落ちに優れる。このため、高い毛髪を立ち上げる整髪力(「立ち上げ力」と称する場合がある)と、優れた洗い落ち性を両立しうる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明の油性毛髪化粧料は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸及びその塩、並びにポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸及びその塩からなる群より選択される1以上の化合物;HLB値が12.0以下であるノニオン界面活性剤;並びに、25℃で固形又は半固形のワックスを少なくとも含む。本発明の油性毛髪化粧料は、25℃で液状の油を含むことが好ましい。また、本発明の油性毛髪化粧料は、粉体を含むことが好ましい。上記粉体は、微粒子シリカを含むことが好ましい。また、本発明の油性毛髪化粧料は、皮膜形成ポリマーを含んでもよい。
【0014】
なお、本明細書においては、上記「ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸及びその塩、並びにポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸及びその塩からなる群より選択される1以上の化合物」を「成分(A)」;上記「HLB値が12.0以下であるノニオン界面活性剤」を「成分(B)」;上記「25℃で固形又は半固形のワックス」を「成分(C)」;上記「25℃で液状の油」を「成分(D)」;上記「粉体」を「成分(E)」;上記「微粒子シリカ」を「成分(E1)」;上記「皮膜形成ポリマー」を「成分(F)」とそれぞれ称する場合がある。
【0015】
本発明の油性毛髪化粧料は、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含む。本発明の油性毛髪化粧料は、成分(D)を含むことが好ましい。本発明の油性毛髪化粧料は、成分(E)を含むことが好ましい。成分(E)は、成分(E1)を含むことが好ましい。本明の油性毛髪化粧料は、成分(F)を含んでいてもよい。本発明の油性毛髪化粧料は、上記成分(A)~成分(F)以外の成分(その他の成分)を含んでもよい。また、本発明の油性毛髪化粧料に含まれる成分(例えば、成分(A)~成分(F)やその他の成分)は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0016】
[成分(A):ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸及びその塩、並びにポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸及びその塩からなる群より選択される1以上の化合物]
成分(A)は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸及びその塩、並びにポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸及びその塩からなる群より選択される1以上の化合物(ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸(塩)及び/又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸(塩))である。すなわち、成分(A)は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸、及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である。成分(A)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0017】
本発明の油性毛髪化粧料においては、成分(A)と成分(B)と成分(C)を備えることで、立ち上げ力に優れる油性毛髪化粧料とすることが出来る。さらに、本発明の油性毛髪化粧料は、洗い落ち性に優れる。
【0018】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸は、ポリオキシアルキレン残基と1価の飽和脂肪族アルコール残基とから構成されるエーテル(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)のリン酸エステルである。ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸は、ポリオキシアルキレン残基と1価の不飽和脂肪族アルコール残基とから構成されるエーテル(ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル)のリン酸エステルである。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテルにおけるポリオキシアルキレン残基を構成するオキシアルキレンとしては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン等の炭素数2~4のオキシアルキレン等が挙げられる。ポリオキシアルキレンとしては、中でも、ポリオキシエチレンが好ましい。上記ポリオキシアルキレンは、1種のみのオキシアルキレンを含んでいてもよいし、2種以上のオキシアルキレンを含んでいてもよい。また、ポリオキシアルキレンにおけるオキシアルキレンの平均付加モル数は、例えば2~25、好ましくは2~20である。
【0019】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを構成する1価の飽和脂肪族アルコール残基は、1価の飽和脂肪族炭化水素基を含む。1価の飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、ラウリル基、セチル基、ステアリル基等の炭素数10~36(好ましくは炭素数12~18)の飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。上記1価の飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状であってもよく分岐鎖状であってもよい。
【0020】
ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルを構成する1価の不飽和脂肪族アルコール残基は、1価の不飽和脂肪族炭化水素基を含む。1価の不飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、オレイル基等の炭素数10~36(好ましくは炭素数12~18)の不飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。上記1価の不飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状であってもよく分岐鎖状であってもよい。
【0021】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸は、モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体のいずれであってもよく、これらのうちの2以上の混合物であってもよい。
【0022】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸塩としては、例えば、無機塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。無機塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;アルミニウム塩;亜鉛塩等が挙げられる。有機アミン塩としては、例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。塩基性アミノ酸塩としては、例えば、アルギニン塩、リジン塩等が挙げられる。
【0023】
成分(A)としては、例えば、ラウレス-2リン酸、ラウレス-4リン酸、ジラウレス-10リン酸、トリラウレス-4リン酸等のポリオキシアルキレンラウリルエーテルリン酸;イソラウレス-4リン酸等のポリオキシアルキレンイソラウリルエーテルリン酸;セテス-10リン酸、セテス-20リン酸等のポリオキシアルキレンセチルエーテルリン酸; ステアレス-2リン酸、ステアレス-3リン酸等のポリオキシアルキレンステアリルエーテルリン酸;トリセテアレス-4リン酸等のポリオキシアルキレンセテアリルエーテルリン酸;オレス-3リン酸、オレス-4リン酸、オレス-5リン酸、オレス-7リン酸、オレス-8リン酸、オレス-10リン酸、オレス-20リン酸、ジオレス-8リン酸等のポリオキシアルキレンオレイルエーテルリン酸;(C12-15)パレス-3リン酸、(C12-15)パレス-6リン酸、(C12-15)パレス-9リン酸、ジ(C12-15)パレス-2リン酸、ジ(C12-15)パレス-4リン酸、ジ(C12-15)パレス-6リン酸、ジ(C12-15)パレス-6リン酸、ジ(C12-15)パレス-8リン酸、ジ(C12-15)パレス-10リン酸等のポリオキシアルキレンアルキル(C12-15)エーテルリン酸;及びこれらの塩等が挙げられる。なお、中でも、ポリオキシアルキレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシアルキレンアルキル(C12-15)エーテルリン酸、ポリオキシアルキレンセテアリルエーテルリン酸、ポリオキシアルキレンオレイルエーテルリン酸、及びこれらの塩が好ましく、より好ましくは、ラウレス-4リン酸、トリラウレス-4リン酸、(C12-15)パレス-3リン酸、トリセテアレス-4リン酸、オレス-3リン酸、オレス-5リン酸、オレス-7リン酸、オレス-10リン酸、オレス-20リン酸、及びこれらの塩である。
【0024】
本発明の油性毛髪化粧料100質量%中、成分(A)の含有量は、洗い落ち性をより一層向上する観点から、3.0質量%以上が好ましく、より好ましくは5.0質量%以上、更に好ましくは7.0質量%以上、べたつきをより一層抑制する観点から、20.0質量%以下が好ましく、より好ましくは15.0質量%以下、更に好ましくは10.0質量%以下である。上記成分(A)の含有量は、本発明の油性毛髪化粧料中の全ての成分(A)の含有量の合計量である。
【0025】
[成分(B):HLB値が12.0以下であるノニオン界面活性剤]
成分(B)は、HLB((Hydrophile-Lipophile Balance)の値が12.0以下であるノニオン界面活性剤である。成分(B)は、成分(A)と併用することにより、油性毛髪化粧料の立ち上げ力を低下させずに、洗い落ち性を向上させる効果を発揮する。成分(B)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0026】
成分(B)の、HLB値は、12.0以下であり、3.0~12.0が好ましく、より好ましくは5.0~10.0である。なお、上記HLB値は、グリフィン(Griffin)法により算出することができる。
【0027】
成分(B)としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンラノリン等が挙げられる。中でも、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルが好ましく、特にポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(グリセリン脂肪酸エステルのポリエチレングリコール付加物)が好ましい。
【0028】
より具体的には、成分(B)としては、例えば、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、デカステアリン酸デカグリセリル、ポリリシノレイン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6~10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸ポリ(10)グリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル;モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル;モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0029】
本発明の油性毛髪化粧料100質量%中、成分(B)の含有量は、洗い落ち性をより一層向上する観点から、3.0質量%以上が好ましく、より好ましくは5.0質量%以上、更に好ましくは7.0質量%以上、べたつきをより一層抑制する観点から、30.0質量%以下が好ましく、より好ましくは20.0質量%以下、更に好ましくは15.0質量%以下である。上記成分(B)の含有量は、本発明の油性毛髪化粧料中の全ての成分(B)の含有量の合計量である。
【0030】
[成分(C):25℃で固形又は半固形のワックス]
成分(C)は、25℃で固形又は半固形のワックスである。成分(C)を用いることにより、毛髪を立ち上げる整髪力(立ち上げ力)を高めることができる。成分(C)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0031】
成分(C)としては、動植物ロウ等のワックスエステル、鉱物ワックス、及び炭化水素ワックス等が挙げられる。
【0032】
上記動植物ロウとしては、カルナウバロウ、ヒマワリ種子ロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、コメヌカロウ、ウルシ果皮ロウ、セラックロウ及び鯨ロウ等が挙げられる。
【0033】
上記鉱物ワックスとしては、モンタンワックス等が挙げられる。
【0034】
上記炭化水素ワックスは、石油由来のワックスであってもよく、合成ワックスであってもよい。上記炭化水素ワックスとしては、例えば、ワセリン、セレシン、オゾケライト、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス及びフィッシャー・トロプシュワックス(合成ワックス)等が挙げられる。
【0035】
立ち上げ力をより一層高める観点から、成分(C)は、炭化水素ワックスを含むことが好ましい。
【0036】
本発明の油性毛髪化粧料100質量%中、成分(C)の含有量は、立ち上げ力の観点から、10.0質量%以上が好ましく、より好ましくは20.0質量%以上、更に好ましくは30.0質量%以上、整髪時ののびを良好にする観点から、70.0質量%以下が好ましく、より好ましくは60.0質量%以下、更に好ましくは55.0質量%以下である。上記成分(C)の含有量は、本発明の油性毛髪化粧料中の全ての成分(C)の含有量の合計量である。
【0037】
[成分(D):25℃で液状の油]
成分(D)は、25℃で液状の油(油剤)である。成分(D)としては、25℃で揮発性を有する油(揮発性油)と25℃で揮発性を有しない油(不揮発性油)が挙げられる。上記揮発性油としては、炭化水素油(揮発性炭化水素油)、シリコーン油(揮発性シリコーン油)などが挙げられる。上記不揮発性油としては、炭化水素油(不揮発性炭化水素油)、シリコーン油(不揮発性シリコーン油)、エステル油、植物油、高級アルコールなどが挙げられる。
【0038】
上記揮発性炭化水素油は、25℃で揮発性を有する炭化水素油である。上記揮発性炭化水素油としては、α-オレフィンオリゴマー、(C13-15)アルカン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、軽質イソパラフィン、イソドデカン、軽質流動イソパラフィン、及び流動イソパラフィン等が挙げられる。
【0039】
上記揮発性シリコーン油は、25℃で揮発性を有するシリコーン油である。上記揮発性シリコーン油としては、環状シリコーン油、メチルトリメチコン、エチルトリシロキサン、トリシロキサン、カプリリルメチコン、25℃における粘度が0.1~2.0mm2/sであるジメチルポリシロキサン等が挙げられる。上記環状シリコーン油としては、例えば、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。
【0040】
上記不揮発性炭化水素油は、25℃で揮発性を有さない(即ち、25℃で不揮発性の)炭化水素油である。上記不揮発性炭化水素油としては、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン(合成スクワラン、植物性スクワラン)、スクワレン、流動イソパラフィン及び流動パラフィン(ミネラルオイル)等が挙げられる。
【0041】
上記不揮発性シリコーン油は、25℃で揮発性を有さない(即ち、25℃で不揮発性の)シリコーン油である。上記不揮発性シリコーン油としては、25℃における粘度が5.0~10000mm2/sであるジメチルポリシロキサン;メチルフェニルポリシロキサン等のメチルフェニルシリコーン油;アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等のアミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の変性シリコーン;メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチコノール等が挙げられる。
【0042】
上記植物油としては、アボカド油、アルガンオイル、オリーブ油、コメヌカ油、ダイズ油、トウモロコシ油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ブドウ種子油、ククイナッツ油、マカデミアナッツ油、クランベアビシニカ種子油、メドウフォーム油、ヒマワリ種子油及びヒマワリ油等が挙げられる。
【0043】
上記エステル油としては、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソアミル、アジピン酸ジイソブチル、イソノナン酸エチルヘキシル(イソノナン酸オクチル)、イソノナン酸イソデシルミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、コハク酸ジエチルヘキシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、セバシン酸ジエチルヘキシル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、及びテトライソステアリン酸ペンタエリトリット等が挙げられる。
【0044】
上記高級アルコールとしては、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
【0045】
本発明の油性毛髪化粧料100質量%中、成分(D)の含有量は、掌での伸びや、整髪時ののびを良好にする観点から、1.0質量%以上が好ましく、より好ましくは3.0質量%以上、更に好ましくは5.0質量%以上、立ち上げ力を向上する観点から、20.0質量%以下が好ましく、より好ましくは18.0質量%以下、更に好ましくは15.0質量%以下である。
【0046】
立ち上げ力を向上する観点から、成分(D)に対する成分(C)の質量割合[成分(C)/成分(D)]は1.5~12.0であることが好ましく、より好ましくは3.0~9.0である。
【0047】
立ち上げ力をより一層向上する観点から、成分(D)は、揮発性油を含むことが好ましい。本発明の油性毛髪化粧料100質量%中、揮発性油の含有量は、0.5質量%以上が好ましく、より好ましくは3.0質量%以上、20.0質量%以下が好ましく、より好ましくは15.0質量%以下である。
【0048】
[成分(E):粉体]
成分(E)は、粉体である。成分(E)としては、シリカ(無水ケイ酸)、ケイソウ土、セルロース末、カオリン、マイカ、トウモロコシデンプン、タルク、パーライト等が挙げられる。中でも、シリカ、カオリン、が好ましい。また、成分(E)は、賦形性を高め、製剤を安定化させる観点から、微粒子シリカ[成分(E1)]を含むことが好ましい。
【0049】
成分(E1)は、微粒子シリカである。成分(E1)は、乾式法又は湿式法で製造されたシリカであることが好ましい。成分(E1)としては、例えば、1次粒子が凝集した凝集シリカが挙げられる。成分(E1)は、市販品を用いることができる。成分(E1)の市販品としては、例えば、無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL 50」、商品名「AEROSIL 90G」、商品名「AEROSIL 130」、商品名「AEROSIL 150」、商品名「AEROSIL 200」、商品名「AEROSIL 300」、商品名「AEROSIL 380」、商品名「AEROSIL 200V」及び商品名「AEROSIL OX50」;無水ケイ酸である富士シリシア化学社製、商品名「サイリシア 320」、商品名「サイリシア 310P」、商品名「サイリシア 250」、商品名「サイリシア 250N」、商品名「サイリシア 350」、商品名「サイリシア 370」、商品名「サイリシア 380」、商品名「サイリシア 420」、商品名「サイリシア 430」、商品名「サイリシア 440」、商品名「サイリシア 450」及び商品名「サイリシア 470」;ジメチルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL R972」、商品名「AEROSIL R974」及び商品名「AEROSIL R9200」;トリメチルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL RX200」、商品名「AEROSIL R8200」、商品名「AEROSIL RX300」及び商品名「AEROSIL R812S」;オクチルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL R805」;シリコーンオイル処理無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL R202」、商品名「AEROSIL RY200」、商品名「AEROSIL RY200S」及び商品名「AEROSIL RY300」;メタクリルシロキシル化無水ケイ酸である日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL R711」等が挙げられる。
【0050】
成分(E1)の平均粒径(平均1次粒径)は、0.1nm以上が好ましく、より好ましくは5nm以上、1μm以下が好ましく、より好ましくは500nm以下である。上記平均粒径(平均1次粒径)は、体積平均粒径である。上記平均粒径は、レーザー光回折による粒度分布測定装置を用いて測定可能である。上記粒度分布測定装置としては、堀場製作所社製「LA-920」等が挙げられる。
【0051】
本発明の油性毛髪化粧料100質量%中、成分(E)の含有量は、整髪保持力を向上させ、マットな質感を付与する観点から、5.0質量%以上が好ましく、より好ましくは10.0質量%以上、更に好ましくは15.0質量%以上、掌での伸びや整髪時ののびを良好にする観点から、40.0質量%以下が好ましく、より好ましくは35.0質量%以下、更に好ましくは30.0質量%以下である。上記成分(E)の含有量は、本発明の油性毛髪化粧料中の全ての成分(E)の含有量の合計量である。
【0052】
本発明の油性毛髪化粧料100質量%中、成分(E1)の含有量は、賦形性を高め、製剤を安定化させる観点から、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、製造時の取り扱いの観点から、3.0質量%以下が好ましく、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。上記成分(E1)の含有量は、本発明の油性毛髪化粧料中の全ての成分(E1)の含有量の合計量である。
【0053】
[成分(F):皮膜形成ポリマー]
成分(F)は、皮膜形成ポリマーである。成分(F)は、毛髪表面に皮膜を形成し、立ち上げ力をより一層向上する効果を発揮する。成分(F)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0054】
成分(F)としては、アニオン性皮膜形成ポリマー、カチオン性皮膜形成ポリマー、両性皮膜形成ポリマー、及びノニオン性皮膜形成ポリマー等が挙げられる。
【0055】
上記アニオン性皮膜形成ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン、メチルビニルエーテル/マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/マレイン酸モノブチルエステル/イソボロリルアクリレート共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/アルキルアクリルアミド共重合体、ポリビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、(スチレン/アクリル酸アルキル)共重合体、(スチレン/アクリル酸アミド)共重合体、ウレタン-アクリル系共重合体、及びポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」と「メタクリル」との双方を意味する。
【0056】
上記カチオン性皮膜形成ポリマーとしては、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、塩化メチルビニルイミダゾリウム・ビニルピロリドン共重合体、及び(ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)共重合体等が挙げられる。
【0057】
上記両性皮膜形成ポリマーとしては、N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、N,Nジメチル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)アミン=N-オキシド・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体、ジアルキルアミノエチルメタクリレート/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のモノクロル酢酸両性化物、及び(イソブチレン/ジエチルアミノプロピルマレイミド/マレイン酸)共重合体等が挙げられる。
【0058】
上記ノニオン性皮膜形成ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体等が挙げられる。
【0059】
成分(F)は、整髪保持力を向上させる観点から、アルキルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシアルキル、及びアクリル酸メトキシアルキルからなる群より選ばれたモノマーを必須のモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマーを含むことが好ましい。本明細書では、上記「アルキルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシアルキル、及びアクリル酸メトキシアルキルからなる群より選ばれたモノマーを必須のモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマー」を「成分(F1)」と称する場合がある。
【0060】
成分(F1)は、アルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須のモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマー、アクリル酸ヒドロキシアルキルとアクリル酸メトキシアルキルとを必須のモノマー成分として用いて得られるアクリルポリマーであることが好ましい。すなわち、成分(F1)は、アルキルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシアルキル、及びアクリル酸メトキシアルキルからなる群より選ばれたモノマーに由来する構成単位を含むポリマーであり、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位、並びにアルキルアクリルアミド及び/又はジアセトンアクリルアミドに由来する構成単位を含むポリマー、アクリル酸ヒドロキシアルキルに由来する構成単位とアクリル酸メトキシアルキルに由来する構成単位と含むポリマーである。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の内、一方又は両方を意味する。
【0061】
本発明においては、成分(F1)は、成分(F1)のナトリウム塩(以下、Naと略す)、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩(以下、AMPと略す)、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩(以下、AMPDと略す)であってもよい。
【0062】
成分(F1)としては、例えば、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー[INCI名:ACRYLATES/DIACETONEACRYLAMIDE COPOLYMER]、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーAMP[INCI名:AMP-ACRYLATES/C1-18 ALKYL ACRYLATE/C1-8 ALKYL ACRYLAMIDE COPOLYMER]、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP[INCI名:AMP-ACRYLATES/DIACETONEACRYLAMIDE COPOLYMER]、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル)コポリマーAMP[INCI名:AMP-ACRYLATES/C1-18 ALKYL ACRYLATE/C1-8 ALKYL ACRYLAMIDE/HYDROXYETHYLACRYLATE COPOLYMER]、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー[INCI名:Hydroxyethyl Acrylate/Methoxyethyl Acrylate Copolymer]等が挙げられる。
【0063】
成分(F1)は、市販品を用いることもできる。(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーの市販品としては、例えば、商品名「プラスサイズL-6345U」、商品名「プラスサイズL-53」、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーAMPの市販品としては、例えば、商品名「プラスサイズL-9909U」、「プラスサイズL-9909B」、商品名「プラスサイズL-9715」、商品名「プラスサイズL-6740B」、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMPの市販品としては、例えば、商品名「プラスサイズL-6330」、商品名「プラスサイズL-6466」、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル)コポリマーAMPの市販品としては、例えば、商品名「プラスサイズL-9700」(いずれも互応化学工業(株)製)等、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマーの市販品としては、例えば、商品名「プラスサイズL-222」、商品名「プラスサイズL-2200」(いずれも互応化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0064】
本発明の油性毛髪化粧料100質量%中、成分(F)の含有量は、整髪保持力をより一層向上する観点から、0.3質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、べたつきをより一層低減する観点から、10.0質量%以下が好ましく、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。上記成分(F)の含有量は、本発明の油性毛髪化粧料中の全ての成分(F)の含有量の合計量である。
【0065】
本発明の油性毛髪化粧料100質量%中、成分(F1)の含有量は、整髪保持力をより一層向上する観点から、0.3質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、べたつきをより一層低減する観点から、10.0質量%以下が好ましく、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。上記成分(F1)の含有量は、本発明の油性毛髪化粧料中の全ての成分(F1)の含有量の合計量である。
【0066】
[他の成分]
本発明の整髪剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、成分(A)~(F)以外の成分を含んでいてもよい。上記成分(A)~(F)以外の成分は、それぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0067】
上記成分(A)~(F)以外の成分としては、例えば、低級アルコール;多価アルコール;成分(A)以外のアニオン界面活性剤;成分(B)以外のノニオン界面活性剤;カチオン界面活性剤;両性界面活性剤;カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘剤;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等の炭素数12~18の高級アルコール;高級脂肪酸;油脂;ソルビトール、マルチトール、及びトレハロース等の糖アルコール;金属イオン封鎖剤;酸化防止剤;植物抽出エキス;染料;顔料;pH調整剤;香料;フェノキシエタノール等の防腐剤等が挙げられる。
【0068】
本発明の油性毛髪化粧料は、水を含まないか、又は、少量の水を含むことが好ましい。
本発明の油性毛髪化粧料100質量%中、水の含有量は、1.0質量%以下(0~1.0質量%)が好ましく、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下である。水の含有量は0質量%であってもよい。
【0069】
(整髪剤組成物の他の詳細)
本発明の油性毛髪化粧料の性状は、特に限定されず、液状、ジェル状、クリーム状及び固形状のいずれであってもよい。本発明の整髪剤組成物は、整髪力をより一層向上させる観点から、より好ましくは固形状である。本発明の油性毛髪化粧料は、所謂ヘアクレイであることが好ましい。
【0070】
本発明の油性毛髪化粧料の製造方法は特に限定されず、本発明の油性毛髪化粧料の製造方法として、公知の油性毛髪化粧料の製造方法を用いることができる。本発明の油性毛髪化粧料の製造方法としては、例えば、各成分をディスパーミキサーで攪拌後、パドルミキサーに交換して攪拌しながら他の成分を配合及び均一化する方法が挙げられる。
【0071】
本発明の整髪剤組成物は、特に限定されないが、例えば、容器に充填された形態で用いることができる。上記容器としては、ボトル容器、ジャー容器及びチューブ容器等が挙げられる。上記容器は、ジャー容器であることが好ましい。
【実施例0072】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0073】
実施例及び比較例では、下記の成分を用いた。
【0074】
(成分(A))
ジオレス‐8リン酸Na:ジオレス‐8リン酸ナトリウム
オレス‐7リン酸Na:オレス‐7リン酸ナトリウム
ラウレス‐4リン酸
(C12-15)パレス‐3リン酸
オレス‐20リン酸
(成分(B))
トリイソステアリン酸PEG‐20グリセリル:HLB値=8.0
イソステアリン酸PEG‐8グリセリル:HLB値=11.5
セスキイソステアリン酸ソルビタン:HLB値=4.0
イソステアリン酸ポリグリセリル‐2:HLB値=4.7
ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル‐10:HLB値=5.4
ポリリシノレイン酸ポリグリセリル‐6:HLB値=3.3
ペンタステアリン酸ポリグリセリル‐6:HLB値=4.5
デカステアリン酸ポリグリセリル‐10:HLB値=3.8
(成分(C))
ワセリン:白色ワセリン
マイクロクリスタリンワックス1:融点53℃
マイクロクリスタリンワックス2:融点88℃
パラフィン1:融点58℃
パラフィン2:融点74℃
キャンデリラロウ
カルナウバロウ
ミツロウ
ウルシ果皮ロウ
(成分(D))
水添ポリイソブテン:引火点140℃、日油社製、商品名「パームリールEX」
(C13-15)アルカン:引火点101℃、SEPPIC社製、商品名「EMOSMART L15」
ミネラルオイル1:引火点252℃、三光化学工業社製、商品名「流動パラフィンNo.380-SP」
ミネラルオイル2:引火点185℃、Sonneborn社製、商品名「CARNATION」
ヒマシ油
(成分(E))
微粒子シリカ1:日本アエロジル社製、商品名「AEROSIL 200」、成分(E1)
微粒子シリカ2:富士シリシア化学社製、商品名「サイリシア 320」、成分(E1)
カオリン
ケイソウ土
タルク
パーライト
(成分(F))
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー:成分(F1)
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーAMP:成分(F1)
(その他)
アストロカリウムムルムル種子脂
水添ロジン酸グリセリル
フェノキシエタノール:防腐剤
酢酸トコフェロール:酸化防止剤
エタノール
香料
【0075】
(実施例1~31及び比較例1~3)
下記の表に示す配合成分を配合(配合単位は質量%)し、下記の表に示す組成を有する固形状の油性毛髪化粧料(ヘアクレイ)を調製した。表中の配合量は、純分の配合量(単位:質量%)で示した。
【0076】
(評価)
以下のとおり評価を行った。評価は、いずれも専門パネル3名により行った。
【0077】
(試験例1:立ち上げ力)
実施例及び比較例で得られた油性毛髪化粧料1.5gを掌に取り、掌上でのばした後、ショートヘアのヘアウィッグ(レッスンマネキン、ユーカリジャパン社製)の毛髪上に均一に塗布し、毛髪の根元から上向きに髪を立ち上げて整髪を施した。整髪直後のヘアウィッグの頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度を目視観察した。毛髪の立ち上がりの角度より、立ち上げ力を下記評価基準に従い評価した。なお、上記角度は水平方向を0°、垂直方向を90°とした。
<立ち上げ力の評価基準>
○(良好):頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度が45°以上であった。
×(不良):頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度が45°未満であった。
【0078】
(試験例2:洗い落ち性)
試験例1で整髪した後のヘアウィッグを6時間静置した。静置後のヘアウィッグを市販のシャンプーで洗髪した後、流水(約40℃の温水)で洗い流した。その後、ヘアウィッグの毛髪をタオルドライし、さらにドライヤーで乾燥した。乾燥後の毛髪を手で触り、洗い落ち性を下記評価基準に従い評価した。
<洗い落ち性の評価基準>
○(良好):油性毛髪化粧料の塗布前と比較して、毛髪のごわつきが感じられない、または、わずかに毛髪のごわつきが感じられる。
×(不良):油性毛髪化粧料の塗布前と比較して、明らかに毛髪のごわつきが感じられる。
【0079】
結果を下記の表に示す。
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
表に示す通り、実施例の油性毛髪化粧料は、立ち上げ力に優れ、なおかつ、洗い落ち性に優れたものであった。
また、実施例では、試験例1で整髪したヘアウィッグを目視観察したところ、毛髪に艶がなく、マットな外観(艶消しされた外観)を有しており、上記実施例の油性毛髪化粧料は、毛髪にマットな外観を付与する機能にも優れていた。
さらに、実施例1~18、20~22、25、27~31では、試験例1で整髪したヘアウィッグを6時間静置した後のヘアウィッグの頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度が45°以上であり、上記実施例の油性毛髪化粧料は、整髪した髪型を保持する機能(整髪保持力)にも優れていた。