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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056712
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】認証装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20230413BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230413BHJP
【FI】
G06F21/32
G06T7/00 510A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166084
(22)【出願日】2021-10-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】向地 賢記
【テーマコード(参考)】
5B043
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043FA07
5B043GA03
(57)【要約】
【課題】認証精度を向上することができる認証装置を得る。
【解決手段】認証装置は、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、生体情報取得部による生体情報の取得の際の対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、生体情報取得部によって取得された生体情報および角度情報取得部によって取得された角度情報に基づいて、認証を行う認証部と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象装置のログインについての認証を行う認証装置であって、
利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報に基づいて、前記認証を行う認証部と、
を備えた認証装置。
【請求項2】
前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の幅方向に沿う軸回りの角度である、請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の厚さ方向に沿う軸回りの角度である、請求項1に記載の認証装置。
【請求項4】
前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の上下方向に沿う軸回りの角度である、請求項1に記載の認証装置。
【請求項5】
前記認証部は、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、記憶部に識別情報に対して関連付けて予め記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行い、
前記記憶部は、一つの識別情報に対して、一つの前記生体情報と一つの前記角度情報とを記憶した、請求項1~4のうちいずれか一つに記載の認証装置。
【請求項6】
前記認証部は、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、記憶部に識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行い、
前記記憶部は、一つの識別情報に対して、複数の前記生体情報と各前記生体情報ごとに一つずつの前記角度情報とを記憶した、請求項1~4のうちいずれか一つに記載の認証装置。
【請求項7】
識別情報に対して前記生体情報および前記角度情報を関連付けて記憶部に記憶させる登録部を備え、
前記認証部は、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、前記記憶部に前記識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行い、
前記登録部は、前記生体情報の取得と前記角度情報の取得を時間をあけて行う、請求項1~4のうちいずれか一つに記載の認証装置。
【請求項8】
前記認証部は、前記生体情報および前記角度情報を識別情報に関連付けして予め記憶した記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が、前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報が示す前記角度に設定される許容値以内である前記識別情報、が有る場合には、当該識別情報に関連付けされた前記生体情報だけを前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較し、前記記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が前記許容値以内である前記識別情報が無い場合には、各前記識別情報に関連付けされた前記生体情報を前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較する、請求項1~4のうちいずれか一つに記載の認証装置。
【請求項9】
対象装置のログインについての認証を行う認証装置のコンピュータを、
利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報に基づいて、前記認証を行う認証部と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、利用者の生体情報に基づいて対象装置のログインについて認証を行う認証装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-122368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の認証装置では、対象装置のセキュリティをより一層高くすることができれば有益である。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、認証精度を向上することができる認証装置およびプログラムを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る認証装置は、対象装置のログインについての認証を行う認証装置であって、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報に基づいて、前記認証を行う認証部と、を備える。
【0007】
前記認証装置では、例えば、前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の幅方向に沿う軸回りの角度である。
【0008】
前記認証装置では、例えば、前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の厚さ方向に沿う軸回りの角度である。
【0009】
前記認証装置では、例えば、前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の上下方向に沿う軸回りの角度である。
【0010】
前記認証装置では、例えば、前記認証部は、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、記憶部に識別情報に対して関連付けて予め記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行い、前記記憶部は、一つの識別情報に対して、一つの前記生体情報と一つの前記角度情報とを記憶する。
【0011】
前記認証装置では、例えば、前記認証部は、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、記憶部に識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行い、前記記憶部は、一つの識別情報に対して、複数の前記生体情報と各前記生体情報ごとに一つずつの前記角度情報とを記憶する。
【0012】
前記認証装置は、例えば、識別情報に対して前記生体情報および前記角度情報を関連付けて記憶部に記憶させる登録部を備え、前記認証部は、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、前記記憶部に前記識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行い、前記登録部は、前記生体情報の取得と前記角度情報の取得を時間をあけて行う。
【0013】
前記認証装置は、例えば、前記認証部は、前記生体情報および前記角度情報を識別情報に関連付けして予め記憶した記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が、前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報が示す前記角度に設定される許容値以内である前記識別情報、が有る場合には、当該識別情報に関連付けされた前記生体情報だけを前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較し、前記記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が前記許容値以内である前記識別情報が無い場合には、各前記識別情報に関連付けされた前記生体情報を前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較する。
【0014】
本発明の第2の態様に係るプログラムは、例えば、対象装置のログインについての認証を行う認証装置のコンピュータを、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報に基づいて、前記認証を行う認証部と、として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の上記態様によれば、例えば、認証精度を向上することができる認証装置およびプログラムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、第1の実施形態の情報処理装置の一例を示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態の情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態の登録ファイルの一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態の角度情報を説明するための図である。
図5図5は、第1の実施形態の角度情報を説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態の情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、第1の実施形態の情報処理装置の制御装置が実行する登録処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第1の実施形態の情報処理装置の制御装置が実行する生体認証処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第1の実施形態の認証処理において取得された生体情報および角度情報の一例を示す図である。
図10図10は、第1の実施形態の認証処理において抽出された生体情報および角度情報の一例を示す図である。
図11図11は、第2の実施形態の登録ファイルの一例を示す図である。
図12図12は、第2の実施形態の角度情報を説明するための図である。
図13図13は、第2の実施形態の角度情報を説明するための図である。
図14図14は、第2の実施形態の情報処理装置の制御装置が実行する登録処理の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、第2の実施形態の情報処理装置の制御装置が実行する情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、第2の実施形態の制御装置によって取得された生体情報および角度情報の一例を示す図である。
図17図17は、第2の実施形態の制御装置によって抽出された生体情報および角度情報の一例を示す図である。
図18図18は、第3の実施形態の情報処理装置の制御装置が実行する登録処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0018】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の情報処理装置1の一例を示す斜視図である。図1に示されるように、情報処理装置1は、例えば、スレート型(タブレット型)のパーソナルコンピュータとして構成され、筐体2と、出入力装置3と、生体センサ4と、を備える。情報処理装置1は、利用者100(図3)による把持が可能である。なお、情報処理装置1は、上記例には限定されず、例えば、ノートブック型(クラムシェル型)のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、ゲーム機等であってもよい。また、情報処理装置1は、利用者100による把持が可能でなくてもよい。
【0019】
情報処理装置1は、直方体状の外観を有する。なお、図1では、情報処理装置1の厚さの表現は省略されている。情報処理装置1は、前面1aと、後面1bと、上端部1cと、下端部1dと、左端部1eと、右端部1fと、を有する。
【0020】
筐体2は、直方体状に形成されている。筐体2は、前面1aの一部と、後面1bと、上端部1cと、下端部1dと、左端部1eと、右端部1fと、を含む。
【0021】
出入力装置3は、画像を表示する機能と、利用者100からの操作指示を受付ける入力機能と、を有する。具体的には、出入力装置3は、表示装置3aと、タッチパネル3bと、を有する。すなわち、出入力装置3は、タッチパネル付きディスプレイである。表示装置3aは、表示画面3cが筐体2の開口から露出した状態で、筐体2に収容されている。表示画面3cは、長方形に形成されている。タッチパネル3bは、表示画面3c上に重ねられている。
【0022】
生体センサ4は、利用者100の生体情報を取得可能(検出可能)である。生体センサ4は、例えば、被写体の撮像によってカラーまたは白黒の2次元画像を出力可能なエリアカメラ(エリアセンサ)として構成されている。本実施形態では、被写体は、例えば利用者100の目100e(図3)であり、生体センサ4は、目100eの虹彩を撮像可能である。生体センサ4は、情報処理装置1の上端部1cに配置されている。生体センサ4は、情報処理装置1の前方の被写体を撮像可能である。
【0023】
図2は、第1の実施形態の情報処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、角度センサ6と、制御装置10と、ストレージ11と、をさらに備える。
【0024】
角度センサ6は、情報処理装置1の角度を検出する。角度センサ6は、所定の軸回りの情報処理装置1の角度を検出可能である。所定の軸は、情報処理装置1に対して設定された軸である。図1に示されるように、例えば、所定の軸は、幅方向軸Ax1、上下方向軸Ax2、および厚さ方向軸Ax3である。幅方向軸Ax1は、筐体2の中心C1を通り、筐体2の幅方向(情報処理装置1および表示装置3aの幅方向)に沿う。幅方向は、左右方向とも称される。上下方向軸Ax2は、筐体2の中心C1を通り、筐体2の上下方向(情報処理装置1および表示装置3aの上下方向)に沿う。厚さ方向軸Ax3は、筐体2の中心C1を通り、筐体2の厚さ方向(情報処理装置1および表示装置3aの厚さ方向)に沿う。角度センサ6は、所定の基準である基準線L1(図4)に対する各軸(幅方向軸Ax1、上下方向軸Ax2、および厚さ方向軸Ax3)の角度を検出可能である。このような角度センサ6は、情報処理装置1の姿勢に応じた情報処理装置1の角度を検出可能である。基準線L1は、筐体2の中心C1を通り、鉛直方向に沿う線(軸)である。幅方向軸Ax1回りの角度は、ピッチ角とも称され、上下方向軸Ax2回りの角度は、ヨー角と称され、厚さ方向軸Ax3回りの角度は、ロール角とも称される。基準線L1は、基準軸とも称される。なお、上記の中心C1は、情報処理装置1の中心や表示画面3cの中心であってもよい。また、角度の基準は、基準線L1以外であってもよい。
【0025】
図2に示される制御装置10は、CPU12(Central Processing Unit)と、ROM13(Read Only Memory)と、RAM14(Random Access Memory)と、を有する。すなわち、制御装置10は、一般的なコンピュータのハードウェア構成となっている。CPU12は、ROM13やストレージ11等に記憶されたプログラムを読み出して実行する。また、CPU12は、各種演算処理を並列処理可能に構成されている。RAM14は、CPU12がプログラムを実行して種々の演算処理を実行する際に用いられる各種データを一時的に記憶する。制御装置10には、出入力装置3、生体センサ4、ストレージ11、および角度センサ6が接続されている。
【0026】
制御装置10は、ストレージ11とともに認証装置20を構成している。認証装置20は、情報処理装置1のログインについての認証を行う。すなわち、認証装置20は、情報処理装置1への利用者100のログインの許可および不許可を決定する。なお、認証装置20は、出入力装置3、生体センサ4、および角度センサ6を含むものであってもよい。また、認証装置20は、制御装置10だけで構成されていてもよい。情報処理装置1は、対象装置の一例である。
【0027】
ストレージ11は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等である。ストレージ11は、OS(Operating System)、プログラム、各種ファイル等を記憶している。ストレージ11に記憶された各種ファイルは、登録ファイルF1(図3)を含む。ストレージ11は、記憶部およびプログラムを記録した記録媒体の一例である。
【0028】
図3は、第1の実施形態の登録ファイルF1の一例を示す図である。図4は、第1の実施形態の角度情報を説明するための図である。図5は、第1の実施形態の角度情報を説明するための図である。
【0029】
図3に示されるように、登録ファイルF1には、利用者100のIDが登録されている。登録ファイルF1は、識別情報であるIDごとに、生体情報と、角度情報と、を記憶している。すなわち、登録ファイルF1は、IDと、生体情報と、角度情報と、を関連付けて記憶している。別の言い方をすると、登録ファイルF1には、IDごとに、生体情報と、角度情報と、が登録されている。以後、登録ファイルF1に登録されている生体情報および角度情報を登録生体情報および登録角度情報とも称する。
【0030】
登録生体情報は、予め取得された利用者100の生体情報(一例として虹彩)である。角度情報は、予め取得された情報処理装置1の角度(以後、装置角度とも称する)である。装置角度は、一例として、図4および図5に示されるように、基準線L1に対する、幅方向軸Ax1回りの上下方向軸Ax2の角度αである。図4および図5から分かるように、角度αは、情報処理装置1の姿勢に応じて異なるものとなる。
【0031】
次に、制御装置10が行なう各種処理のうち登録処理および生体認証処理について説明する。
【0032】
図6は、第1の実施形態の情報処理装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示されるように、制御装置10は、機能的構成として、登録処理を実行する登録処理部15と、生体認証処理を実行する生体認証処理部16と、を備える。登録処理部15は、情報取得部15aと、角度情報取得部15dと、を含む。また、生体認証処理部16は、情報取得部16aと、認証部16bと、を含む。また、情報取得部16aは、生体情報取得部16cと、角度情報取得部16dと、を含む。これらの各機能的構成は、CPU12がROM13やストレージ11等の記憶部にされたプログラムを実行した結果として実現される。なお、上記の機能的構成の一部または全部が専用のハードウェア(回路)によって実現されてもよい。
【0033】
生体情報取得部16cは、利用者100の生体情報を取得する。角度情報取得部16dは、生体情報取得部16cによる生体情報の取得の際の情報処理装置1の角度を示す角度情報を取得する。認証部16bは、生体情報取得部16cによって取得された生体情報および角度情報取得部16dによって取得された角度情報に基づいて、認証を行う。
【0034】
図7は、第1の実施形態の情報処理装置1の制御装置10が実行する登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0035】
まずは、登録処理部15が、生体センサ4を起動する(S101)。なお、既に生体センサ4が起動している場合には、S101の処理は省略される。
【0036】
次に、情報取得部15aが、生体情報と角度情報とを取得する(S102)。詳細には、生体情報取得部15cが、生体センサ4によって撮像された生体情報の撮像画像を生体センサ4から受信する。撮像画像には生体情報である目100eの虹彩が含まれうる。また、角度情報取得部15dが、角度センサ6によって検出された装置角度を角度センサ6から受信する。生体情報の取得と角度情報の取得とは同時(並行して)行われる。すなわち、生体情報の取得の際に角度情報の取得が行われる。
【0037】
次に、生体情報取得部15cが、撮像画像中の生体情報の位置は適切か否かを判定する(S103)。生体情報取得部15cは、撮像画像中の生体情報の位置は適切でないと判定した場合には(S103:No)、生体情報の位置についてのガイドを表示画面3cに表示する(S109)。上記ガイドは、例えば、生体センサ4に対する生体情報の上下方向の位置や奥行(厚さ方向)の位置が適切な位置となるようにガイドするものである。ガイドの表示は、フィードバック表示とも称される。S109の処理の後は、再びS102の処理が行われる。
【0038】
生体情報取得部15cが、撮像画像中の生体情報の位置は適切であると判定した場合(S103:Yes)には、生体情報取得部15cと角度情報取得部15dとが、取得された生体情報と角度情報とをRAM14の所定の記憶領域に保存する(S104)。また、このとき、情報取得部15aは、RAM14の所定のカウンター領域に記憶された取得回数に「1」を加算する。なお、カウンター領域は、当該登録処理の開始時点では、「0」が記憶されている。
【0039】
次に、情報取得部15aは、RAM14のカウンター領域に記憶された取得回数に基づき、生体情報と角度情報とを規定の回数取得したかを判定する(S105)。情報取得部15aは、カウンター領域に記憶された回数が規定の回数に達していない場合には、生体情報と角度情報とを規定の回数取得していないと判定し(S105:No)、S102の処理を再び行う。情報取得部15aは、カウンター領域に記憶された回数が規定の回数に達している場合には、生体情報と角度情報とを規定の回数取得したと判定し(S105:Yes)、S106に進む。
【0040】
S106では、情報取得部15aの生体情報取得部15cが、RAM14の所定の記憶領域に保存された生体情報から登録用のテンプレートデータを抽出する(S106)。すなわち、生体情報取得部15cは、生体情報をテンプレート化する。
【0041】
次に、角度情報取得部15dが、RAM14の所定の記憶領域に保存された複数の角度情報が示す装置角度の平均値を算出する(S107)。
【0042】
次に、登録部15bが、テンプレート化された生体情報と角度情報(装置角度の平均値)とを登録ファイルF1に保存する(S108)。このとき、登録部15bは、IDに関連付けて、生体情報および角度情報を登録ファイルF1に保存する。
【0043】
次に、生体認証処理について説明する。図8は、第1の実施形態の情報処理装置1の制御装置10が実行する生体認証処理の一例を示すフローチャートである。図9は、第1の実施形態の認証処理において取得された生体情報および角度情報の一例を示す図である。図10は、第1の実施形態の認証処理において抽出された生体情報および角度情報の一例を示す図である。
【0044】
図8に示されるように、まず、生体認証処理部16が、装置角度の許容値を設定する(S201)。装置角度の許容値は、例えば、予めストレージ11に記憶されていてよい。許容値は、角度情報取得部16dによって取得される角度情報が示す角度に対して設定される。具体的には、許容値は、角度情報取得部16dによって取得される角度情報が示す角度を基準として上限値(許容上限値)および下限値(許容下限値)が設定される。許容値は、例えば、±5度などであってよい。+5は、許容上限値の一例であり、-5は、許容下限値の一例である。なお、許容値は、上記に限定されない。許容値は、許容範囲とも称される。
【0045】
次に、生体認証処理部16は、生体センサ4を起動する(S202)。なお、既に生体センサ4が起動している場合には、S202の処理は省略される。
【0046】
次に、情報取得部16aが、生体情報と角度情報とを取得する(S203)。詳細には、生体情報取得部16cが、生体センサ4によって撮像された生体情報の撮像画像を生体センサ4から受信する。撮像画像には生体情報である目100eの虹彩が含まれうる。また、角度情報取得部16dが、角度センサ6によって検出された装置角度を角度センサ6から受信する。生体情報の取得と角度情報の取得とは同時(並行して)行われる。すなわち、生体情報の取得の際に角度情報の取得が行われる。
【0047】
次に、生体情報取得部16cおよび角度情報取得部16dが、取得された生体情報と角度情報とをRAM14の第1認証用領域R1(図9)に保存する(S204)。
【0048】
次に、認証部16bが、登録ファイルF1から装置角度が許容値以内のIDを抽出する(S205)。具体的には、認証部16bは、登録ファイルF1のIDから、S203で取得され第1認証用領域R1に保存された角度情報が示す装置角度に対して許容値以内の装置角度のIDを抽出する。認証部16bは、抽出されたIDをRAM14の抽出用領域R2(図10)に保存する。
【0049】
次に、認証部16bが、登録ファイルF1から抽出されたIDが有るか否かを判定する(S206)。認証部16bは、抽出用領域R2にIDが有る場合には、登録ファイルF1から抽出されたIDが有ると判定し(S206:Yes)、抽出用領域R2にIDが無い場合には、登録ファイルF1から抽出されたIDが無いと判定する(S206:No)。
【0050】
認証部16bは、登録ファイルF1から抽出されたIDが有ると判定した場合には(S206:Yes)、S203で取得した生体情報と、S205で抽出したとIDの登録生体情報とを比較(照合)する(S207)。認証部16bは、S207の比較で生体情報に対する類似度が高い登録生体情報をRAM14の第2認証用領域(不図示)に保存する(S208)。具体的には、認証部16bは、生体情報に対する類似度が規定値以上の登録生体情報をRAM14の第2認証用領域(不図示)に保存する。
【0051】
次に、認証部16bは、許容値以内のIDをすべて比較したか、具体的には、抽出用領域R2のすべてのIDの登録生体情報をS205において生体情報と比較したかを判定する(S209)。認証部16bは、許容値以内のIDをすべて比較していないと判定した場合には(S209:No)、S207に戻る。
【0052】
認証部16bは、許容値以内のIDをすべて比較したと判定した場合には(S209:Yes)、認証部16bは、S207の比較結果(照合結果)に基づいて認証を行なう。例えば、認証部16bは、第2認証用領域にIDが保存されている場合には、認証する、すなわち認証成功とし(S210:Yes)、第2認証用領域にIDが保存されていない場合には、認証しない、すなわち認証失敗とする(S210:No)。
【0053】
また、認証部16bは、S206において、抽出されたIDが無いと判定した場合には(S206:Yes)、認証しない、すなわち認証失敗とする。
【0054】
以上のとおり、認証部16bは、ストレージ11に、角度情報が示す角度が、角度情報取得部16dによって取得された角度情報が示す角度に設定される許容値以内であるID、が有る場合には、当該IDに関連付けされた生体情報だけを生体情報取得部16cによって取得された生体情報と比較する。認証部16bは、ストレージ11に、角度情報が示す角度が許容値以内であるIDが無い場合には、IDに関連付けされた生体情報と生体情報取得部16cによって取得された生体情報との比較を行わない。
【0055】
以上のように、本実施形態では、認証装置20は、情報処理装置1(対象装置)のログインについての認証を行う。認証装置20は、生体情報取得部16cと、角度情報取得部16dと、認証部16bと、を備える。生体情報取得部16cは、利用者100の生体情報を取得する。角度情報取得部16dは、生体情報取得部16cによる生体情報の取得の際の情報処理装置1の角度を示す角度情報を取得する。認証部16bは、生体情報取得部16cによって取得された生体情報および角度情報取得部16dによって取得された角度情報に基づいて、認証を行う。
【0056】
このような構成によれば、認証部16bが、生体情報および角度情報に基づいて、認証を行うので、生体情報だけで認証を行う構成に比べて、認証精度を向上することができる。
【0057】
また、情報処理装置1の角度は、情報処理装置1に含まれた表示装置3aの幅方向に沿う幅方向軸Ax1(軸)回りの角度である。なお、情報処理装置1の角度は、表示装置3aの厚さ方向に沿う厚さ方向軸Ax3(軸)回りの角度であってもよいし、表示装置3aの上下方向に沿う上下方向軸Ax2(軸)回りの角度であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
【0058】
このような構成によれば、比較的容易に角度を検出しやすい。
【0059】
また、認証部16bは、生体情報取得部16cによって取得された生体情報および角度情報取得部16dによって取得された前記角度情報と、ストレージ11(記憶部)にID(識別情報)に対して関連付けて予め記憶された生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う。ストレージ11は、一つの識別情報に対して、一つの生体情報と一つの角度情報とを記憶している。
【0060】
このような構成によれば、認証部16bの処理の増大の抑制とストレージ11の記憶容量の増大を抑制することができる。
【0061】
以下に、本実施形態の変形例を説明する。本変形例では、認証部16bは、ストレージ11に、角度情報が示す角度が許容値以内であるIDが有る場合には、上記認証処理と同様に、当該IDに関連付けされた生体情報だけを生体情報取得部16cによって取得された生体情報と比較する。ただし、本変形例では、認証部16bは、ストレージ11に、角度情報が示す角度が許容値以内であるIDが無い場合には、各IDに関連付けされた生体情報を生体情報取得部16cによって取得された生体情報と比較する。すなわち、認証部16bは、角度情報での認証が失敗したID、すなわち角度が許容値以内でないIDであっても、生体情報での認証処理(追加認証)を時間をかけて行う。
【0062】
<第2の実施形態>
図11は、第2の実施形態の登録ファイルF1の一例を示す図である。図12は、第2の実施形態の角度情報を説明するための図である。図13は、第2の実施形態の角度情報を説明するための図である。
【0063】
図11に示されるように、本実施形態は、登録ファイルF1が第1の実施形態に対して異なる。本実施形態の登録ファイルF1は、一つのIDに対して、複数(一例として2つ)の生体情報と各生体情報ごとに一つずつの角度情報とが保存されている。二つの生体情報の一方は、図12に示されるように利用者100が左手100lで情報処理装置1を持った状態で登録されたものであり、二つの生体情報の他方は、図13に示されるように利用者100が右手100rで情報処理装置1を持った状態で登録されたものである。また、角度情報は、基準線L1に対する、厚さ方向軸Ax3回りの上下方向軸Ax2の角度である。また、生体情報は、目100eの虹彩であってもよいし、指紋や静脈であってもよい。生体センサ4は、指紋や静脈を検出可能(取得可能)である。なお、装置角度は、ピッチ角、ロール角またはヨー角であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
【0064】
次に、制御装置10が行なう各種処理のうち登録処理および生体認証処理について説明する。
【0065】
図14は、第2の実施形態の情報処理装置1の制御装置10が実行する登録処理の一例を示すフローチャートである。図15は、第2の実施形態の情報処理装置1の制御装置10が実行する情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
まずは、登録処理部15が、生体センサ4を起動する(S301)。なお、既に生体センサ4が起動している場合には、S301の処理は省略される。
【0067】
次に、登録処理部15が、右手100rの生体情報の登録を開始すると(S302)、情報取得部15aが、情報取得処理を行う(S303)。情報取得処理は、図15に示されるS401~S406の処理である。S401~S406の処理は、図7のS102~S107、S109と同様であるので、説明を省略する。ただし、この処理は、利用者100が右手100rで情報処理装置1を持った状態で行われる。
【0068】
次に、登録部15bが、テンプレート化された生体情報と角度情報(装置角度の平均値)とを登録ファイルF1に保存する(S304)。このとき、登録部15bは、IDに関連付けて、生体情報および角度情報を登録ファイルF1に保存する。
【0069】
次に、登録処理部15が、左手100lの生体情報の登録を開始すると(S305)、情報取得部15aが、情報取得処理を行う(S306)。情報取得処理は、図15に示されるS401~S406の処理である。すなわち、S401~S406の処理は、図7のS102~S107、S109と同様である。ただし、この処理は、利用者100が左手100lで情報処理装置1を持った状態で行われる。
【0070】
次に、登録部15bが、テンプレート化された生体情報と角度情報(装置角度の平均値)とを登録ファイルF1に保存する(S307)。このとき、登録部15bは、IDに関連付けて、生体情報および角度情報を登録ファイルF1に保存する。このときのIDは、S304のIDと同じである。
【0071】
図16は、第2の実施形態の制御装置10によって取得された生体情報および角度情報の一例を示す図である。図17は、第2の実施形態の制御装置10によって抽出された生体情報および角度情報の一例を示す図である。
【0072】
本実施形態の生体認証処理において、例えば、図16に示される生体情報および角度情報が取得された場合には、登録ファイルF1から図17に示される角度情報のIDが抽出される。
【0073】
以上のように、本実施形態では、ストレージ11は、一つの識別情報に対して、複数の生体情報と各生体情報ごとに一つずつの角度情報とを記憶している。
【0074】
このような構成によれば、一つのIDにつき生体情報および角度情報が複数登録されているので、比較照合する対象が1/2になり認証精度と認証速度の向上を図ることができる。なお、二つの生体情報は、利用者100の左右の手の指紋や静脈を登録してもよい。また、照合にあたっては第1実施形態のピッチ角を併用してさらに絞り込みをかけても良い。
【0075】
<第3の実施形態>
図18は、第3の実施形態の情報処理装置1の制御装置10が実行する登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0076】
図18に示されるように、本実施形態は、登録処理が第1の実施形態と異なる。また、本実施形態では、生体情報は、指紋であり、生体センサ4は、指紋を検出可能(取得可能)である。なお、装置角度は、ピッチ角、ロール角またはヨー角であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
【0077】
まずは、登録処理部15が、生体センサ4を起動する(S501)。なお、既に生体センサ4が起動している場合には、S501の処理は省略される。
【0078】
次に、情報取得部15aの生体情報取得部15cが、生体情報を取得する(S502)。詳細には、生体情報取得部15cが、生体センサ4によって検出された生体情報(指紋)を生体センサ4から受信する。
【0079】
次に、生体情報取得部15cが、生体情報が使用可能か否かを判定する(S503)。使用可能とは指紋の判別が可能であることである。別の言い方をすると、使用可能とは、正しく指紋を判別することができることである。生体情報取得部15cは、生体情報の使用が可能でないと判定した場合(S503:No)には、生体情報の位置についてのガイドを表示画面3cに表示する(S510)。上記ガイドは、例えば、生体センサ4に対する生体情報の上下方向の位置や奥行(厚さ方向)の位置が適切な位置となるようにガイドするものである。ガイドの表示は、フィードバック表示とも称される。S510の処理の後は、再びS502の処理が行われる。
【0080】
生体情報取得部15cが、生体情報は使用可能である切であると判定した場合(S503:Yes)には、生体情報取得部15cとが、取得された生体情報とをRAM14の所定の記憶領域に保存する(S504)。また、このとき、生体情報取得部15cは、RAM14の所定のカウンター領域に記憶された取得回数に「1」を加算する。なお、カウンター領域は、当該登録処理の開始時点では、「0」が記憶されている。
【0081】
次に、生体情報取得部15cは、RAM14のカウンター領域に記憶された取得回数に基づき、生体情報を規定の回数取得したかを判定する(S505)。生体情報取得部15cは、カウンター領域に記憶された回数が規定の回数に達していない場合には、生体情報を規定の回数取得していないと判定し(S505:No)、S502の処理を再び行う。生体情報取得部15cは、カウンター領域に記憶された回数が規定の回数に達している場合には、生体情報とを規定の回数取得したと判定し(S505:Yes)、S506に進む。
【0082】
S506では、生体情報取得部15cが、RAM14の所定の記憶領域に保存された生体情報から登録用のテンプレートデータを抽出する。すなわち、生体情報取得部15cは、生体情報をテンプレート化する。
【0083】
次に、角度情報取得部15dが、角度情報を取得する(S507)。具体的には、角度情報取得部15dは、角度センサ6によって検出された装置角度を角度センサ6から受信する。このように、本実施形態では、生体情報の取得と角度情報の取得とは、別々に行われる。具体的には、生体情報の取得のステップの規定時間後に角度情報の取得のステップが行われる。
【0084】
次に、角度情報取得部15dが、生体センサ4が操作されたか否かを判定する(S508)。生体センサ4の操作は、例えば、生体センサ4へのタッチ操作である。角度情報取得部15dが、生体センサ4が操作されていないと判定した場合に(S508:No)、S507の処理が再び行われる。一方、角度情報取得部15dが、生体センサ4が操作されたと判定した場合には(S508:Yes)、登録部15bが、テンプレート化された生体情報と角度情報とを登録ファイルF1に保存する(S509)。このとき、登録部15bは、IDに関連付けて、生体情報および角度情報を登録ファイルF1に保存する。
【0085】
ここで、生体情報が指紋等の場合は、目視による登録/認証の必要が無い。そこで、本実施形態では、上記のように、登録時に生体情報の登録のみを行い、角度は生体情報登録後の別ステップで情報を登録するようにしている。角度の登録は、角度設定開始から一定時間後(例えば数秒後)の角度(位置)を登録する。なお、角度設定時に生体センサ4の入力を角度設定のトリガとしてのみ使用する(上記S508)。
【0086】
以上のように、本実施形態では、認証装置20は、IDに対して生体情報および角度情報を関連付けてストレージ11に記憶させる登録部15bを備える。認証部16bは、生体情報取得部16cによって取得された生体情報および角度情報取得部16dによって取得された角度情報と、ストレージ11に識別情報に対して関連付けて記憶された生体情報および角度情報と、に基づいて、認証を行う。登録部15bは、生体情報の取得と角度情報の取得とを時間をあけて行う。
【0087】
このような構成によれば、例えばポケットやカバンの中で生体センサ4(指紋センサ)を操作する状態で登録を行うことができる。これにより、ポケットやカバンの中に情報処理装置1を入れた状態での認証が可能となる。
【0088】
手持ちで使用するモバイル装置は屋外で使用する場合が多く、盗難の危険性も高い。装置が盗難され悪意のある第三者が生体認証を試みようとする場合、認証結果を確認するため装置が見える状態で認証を試みると考えられる。この場合、ポケットやカバンの中で認証を行う事を想定して角度登録を行えば、第三者による認証は角度不一致ですべて除外できる可能性が高くなる。
【0089】
なお、認証装置20は、サーバであってもよい。また、IDは、複数でなく、一つであってもよい。
【0090】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0091】
1…情報処理装置(対象装置)、11…ストレージ(記憶部)、16b…認証部、16c…生体情報取得部、16d…角度情報取得部、20…認証装置、Ax1…幅方向軸(軸)、Ax2…上下方向軸(軸)、Ax3…厚さ方向軸(軸)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象装置のログインについての認証を行う認証装置であって、
利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、記憶部に識別情報に対して関連付けて予め記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、
を備え
前記記憶部は、一つの識別情報に対して、一つの前記生体情報と一つの前記角度情報とを記憶した認証装置。
【請求項2】
対象装置のログインについての認証を行う認証装置であって、
利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、記憶部に識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、
を備え、
前記記憶部は、一つの識別情報に対して、複数の前記生体情報と各前記角度情報ごとに一つずつの前記角度情報とを記憶した認証装置。
【請求項3】
対象装置のログインについての認証を行う認証装置であって、
利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、
識別情報に対して前記生体情報および前記角度情報を関連付けて記憶部に記憶させる登録部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、前記記憶部に前記識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、
を備え、
前記登録部は、前記生体情報の取得と前記角度情報の取得を時間をあけて行う認証装置。
【請求項4】
対象装置のログインについての認証を行う認証装置であって、
利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報に基づいて、前記認証を行う認証部と、
を備え、
前記認証部は、前記生体情報および前記角度情報を識別情報に関連付けして予め記憶した記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が、前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報が示す前記角度に設定される許容値以内である前記識別情報、が有る場合には、当該識別情報に関連付けされた前記生体情報だけを前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較し、前記記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が前記許容値以内である前記識別情報が無い場合には、各前記識別情報に関連付けされた前記生体情報を前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較する認証装置。
【請求項5】
前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の幅方向に沿う軸回りの角度である、請求項1~4のうちいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項6】
前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の厚さ方向に沿う軸回りの角度である、請求項1~4のうちいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項7】
前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の上下方向に沿う軸回りの角度である、請求項1~4のうちいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項8】
対象装置のログインについての認証を行う認証装置のコンピュータを、
利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、一つの識別情報に対して、一つの前記生体情報と一つの前記角度情報とを記憶した記憶部に識別情報に対して関連付けて予め記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、
として機能させるプログラム。
【請求項9】
対象装置のログインについての認証を行う認証装置のコンピュータを、
利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、一つの識別情報に対して、複数の前記生体情報と各前記角度情報ごとに一つずつの前記角度情報とを記憶した記憶部に識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、
として機能させるプログラム。
【請求項10】
対象装置のログインについての認証を行う認証装置のコンピュータを、
利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、
識別情報に対して前記生体情報および前記角度情報を関連付けて記憶部に記憶させ、前記生体情報の取得と前記角度情報の取得を時間をあけて行う登録部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、前記記憶部に前記識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、
として機能させるプログラム。
【請求項11】
対象装置のログインについての認証を行う認証装置のコンピュータを、
利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、
前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報に基づいて、前記認証を行い、前記生体情報および前記角度情報を識別情報に関連付けして予め記憶した記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が、前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報が示す前記角度に設定される許容値以内である前記識別情報、が有る場合には、当該識別情報に関連付けされた前記生体情報だけを前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較し、前記記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が前記許容値以内である前記識別情報が無い場合には、各前記識別情報に関連付けされた前記生体情報を前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較する認証部と、
として機能させるプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の第1の態様に係る認証装置は、対象装置のログインについての認証を行う認証装置であって、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、記憶部に識別情報に対して関連付けて予め記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、を備え、前記記憶部は、一つの識別情報に対して、一つの前記生体情報と一つの前記角度情報とを記憶する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、本発明の第1の態様に係る認証装置は、対象装置のログインについての認証を行う認証装置であって、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、記憶部に識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、を備え、前記記憶部は、一つの識別情報に対して、複数の前記生体情報と各前記角度情報ごとに一つずつの前記角度情報とを記憶する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明の第1の態様に係る認証装置は、対象装置のログインについての認証を行う認証装置であって、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、識別情報に対して前記生体情報および前記角度情報を関連付けて記憶部に記憶させる登録部と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、前記記憶部に前記識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、を備え、前記登録部は、前記生体情報の取得と前記角度情報の取得を時間をあけて行う。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、本発明の第1の態様に係る認証装置は、対象装置のログインについての認証を行う認証装置であって、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報に基づいて、前記認証を行う認証部と、を備え、前記認証部は、前記生体情報および前記角度情報を識別情報に関連付けして予め記憶した記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が、前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報が示す前記角度に設定される許容値以内である前記識別情報、が有る場合には、当該識別情報に関連付けされた前記生体情報だけを前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較し、前記記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が前記許容値以内である前記識別情報が無い場合には、各前記識別情報に関連付けされた前記生体情報を前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
前記認証装置では、例えば、前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の幅方向に沿う軸回りの角度である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
前記認証装置では、例えば、前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の厚さ方向に沿う軸回りの角度である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
前記認証装置では、例えば、前記対象装置の前記角度は、前記対象装置に含まれた表示装置の上下方向に沿う軸回りの角度である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明の第2の態様に係るプログラムは、例えば、対象装置のログインについての認証を行う認証装置のコンピュータを、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、一つの識別情報に対して、一つの前記生体情報と一つの前記角度情報とを記憶した記憶部に識別情報に対して関連付けて予め記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、として機能させる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、本発明の第2の態様に係るプログラムは、例えば、対象装置のログインについての認証を行う認証装置のコンピュータを、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、一つの識別情報に対して、複数の前記生体情報と各前記角度情報ごとに一つずつの前記角度情報とを記憶した記憶部に識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、として機能させる。
また、本発明の第2の態様に係るプログラムは、例えば、対象装置のログインについての認証を行う認証装置のコンピュータを、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、識別情報に対して前記生体情報および前記角度情報を関連付けて記憶部に記憶させ、前記生体情報の取得と前記角度情報の取得を時間をあけて行う登録部と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報と、前記記憶部に前記識別情報に対して関連付けて記憶された前記生体情報および前記角度情報と、に基づいて、前記認証を行う認証部と、として機能させる。
また、本発明の第2の態様に係るプログラムは、例えば、対象装置のログインについての認証を行う認証装置のコンピュータを、利用者の生体情報を取得する生体情報取得部と、前記生体情報取得部による前記生体情報の取得の際の前記対象装置の角度を示す角度情報を取得する角度情報取得部と、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報および前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報に基づいて、前記認証を行い、前記生体情報および前記角度情報を識別情報に関連付けして予め記憶した記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が、前記角度情報取得部によって取得された前記角度情報が示す前記角度に設定される許容値以内である前記識別情報、が有る場合には、当該識別情報に関連付けされた前記生体情報だけを前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較し、前記記憶部に、前記角度情報が示す前記角度が前記許容値以内である前記識別情報が無い場合には、各前記識別情報に関連付けされた前記生体情報を前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報と比較する認証部と、として機能させる。