(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056724
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】スマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20230413BHJP
E05B 41/00 20060101ALI20230413BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20230413BHJP
G08B 13/06 20060101ALI20230413BHJP
E05G 1/00 20060101ALI20230413BHJP
E05B 65/52 20060101ALI20230413BHJP
E05B 65/02 20060101ALI20230413BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
E05B49/00 K
E05B41/00 F
E05B65/00 E
G08B13/06
E05G1/00 Z
E05B65/52 B
E05B65/02 B
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166106
(22)【出願日】2021-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】515303067
【氏名又は名称】株式会社システムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100080528
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 冨士男
(74)【代理人】
【識別番号】100073601
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 和男
(72)【発明者】
【氏名】梶野 義幸
【テーマコード(参考)】
2E250
5C084
5K201
【Fターム(参考)】
2E250AA14
2E250AA17
2E250AA18
2E250AA19
2E250AA24
2E250AA25
2E250BB04
2E250BB55
2E250DD02
5C084AA10
5C084BB31
5C084CC16
5C084DD07
5C084EE01
5C084EE08
5C084FF04
5C084GG03
5C084HH12
5C084HH13
5K201AA07
5K201BA01
5K201BA02
5K201CB12
5K201CC04
5K201CC09
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED09
5K201EF10
5K201FA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】セキュリティ性を確保しつつ施解錠制御、現在状態の把握を簡略に実現できる施解錠応答システムを提供する。
【解決手段】入力された個別認識情報と、パスワード情報とにより起動して、施解錠操作により施解錠対象物である宝石箱3の施解錠を行う施解錠信号を出力するとともに、施解錠状態の確認信号の表示機能を備えるスマートフォン11と、スマートフォン11からの個別認識情報とパスワード情報とにより使用者の個人認証を行う認証手段4と、宝石箱3の開口部に配置され、開口部の施錠又は解錠を行う電子錠と、宝石箱3内に配置され、スマートフォン11から出力され個人認証された施解錠信号に応じて電子錠の施解錠駆動を行うとともに、電子錠の施解錠状態の確認信号を出力する施解錠制御ユニット6と、スマートフォン11、認証手段4、施解錠制御ユニット6間の信号送受信を行う通信網10とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムであって、
スマートフォンに搭載した施解錠アプリに入力された前記スマートフォンの個別認識情報と、パスワード情報とにより起動して、施解錠操作により施解錠対象物の施解錠を行う施解錠信号を出力するとともに、前記施解錠アプリは施解錠対象物の施解錠状態の確認信号の表示機能を備える前記スマートフォンと、
前記スマートフォンからの前記個別認識情報とパスワード情報とによりスマートフォン使用者の個人認証を行う認証手段と、
前記施解錠対象物の開口部に配置され、開口部の施錠又は解錠を行う電子錠と、
前記施解錠対象物内に配置され、前記スマートフォンから出力され個人認証された施解錠信号に応じて前記電子錠の施解錠駆動を行うとともに、前記電子錠の施解錠状態の確認信号を出力する施解錠制御ユニットと、
前記スマートフォン、認証手段、施解錠制御ユニット間の信号送受信を行う通信網と、
を含むことを特徴とするスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システム。
【請求項2】
スマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムであって、
スマートフォンに搭載した施解錠アプリに入力された前記スマートフォンの個別認識情報と、パスワード情報とにより起動して、施解錠操作により施解錠対象物である物品収納具の施解錠を行う施解錠信号を出力するとともに、前記施解錠アプリは前記物品収納具の施解錠状態の確認信号の表示機能及び物品収納具の位置測位情報表示機能を備える前記スマートフォンと、
前記スマートフォンからの前記個別認識情報とパスワード情報とによりスマートフォン使用者の個人認証を行う認証手段と、
前記物品収納具の開口部に配置され、前記開口部の施錠又は解錠を行う電子錠と、
前記物品収納具内に配置され、前記スマートフォンから出力され個人認証された施解錠信号に応じて前記電子錠の施解錠駆動を行うとともに、前記電子錠の施解錠状態の確認信号を出力する施解錠制御ユニットと、
前記施解錠制御ユニットに組み込んだGPSによる位置測位の機能を有する位置測位信号処理部と、
前記スマートフォン、認証手段、施解錠制御ユニット間の信号送受信を行う通信網と、
を含むことを特徴とするスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システム。
【請求項3】
スマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムであって、
前記スマートフォンに搭載した施解錠アプリに入力された前記スマートフォンの個別認識情報と、パスワード情報とにより起動して、施解錠操作により施解錠対象物である宅配ボックスの施解錠を行う施解錠信号を出力するとともに、前記施解錠アプリは前記宅配ボックスの施解錠状態の確認信号の表示機能及び前記宅配ボックスの位置測位情報表示機能を備える前記スマートフォンと、
前記スマートフォンからの前記個別認識情報とパスワード情報とによりスマートフォン使用者の個人認証を行う認証手段と、
前記宅配ボックスの開口部に配置され、前記開口部の施錠又は解錠を行う電子錠と、
前記宅配ボックス内に配置され、前記スマートフォンから出力され個人認証された施解錠信号に応じて前記電子錠の施解錠駆動を行うとともに、前記電子錠の施解錠状態の確認信号を出力する施解錠制御ユニットと、
前記施解錠制御ユニットに組み込んだGPSによる位置測位の機能を有する位置測位信号処理部と、
前記スマートフォン、認証手段、施解錠制御ユニット間の信号送受信を行う通信網と、
を含むことを特徴とするスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システム。
【請求項4】
前記施解錠制御ユニットは、前記施解錠信号に応じて前記電子錠に設けた施錠片用のロックピンを電磁駆動により変位させて、前記電子錠を施錠状態又は施錠解除状態とするとともに、前記電子錠の施錠状態又は施錠解除状態に応じて施解錠状態の確認信号を出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システム。
【請求項5】
前記施解錠対象物は、宝石箱やケース等の容器類、バッグ、スーツケース、書庫、ロッカー、金庫、倉庫、物置から選定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システム。
【請求項6】
前記スマートフォンは、前記施解錠アプリに基づき施解錠対象物の位置測位情報に変動が生じたとき警報を発する機能も有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムに関し、詳しくは、セキュリティ性を確保しつつ施解錠対象物の施解錠制御、現在状態の把握を簡略に実現できるとともに、施解錠対象物である宝石箱等の位置情報も取得可能なスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンを利用し、施解錠対象物である各種の物品収納具や宅配ボックス等の施解錠管理を行うに際しては、セキュリティ性の確保、スマートフォン操作の簡略性向上が要請される。
【0003】
この種の施解錠応答システムに関しては、従来から種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、スマートフォンの個別認識情報とスマートフォンアプリに入力されたパスワード情報により起動し、両情報の入力により扉の施錠及び開錠を行う機能を備えると共に、施開錠に使用した前記スマートフォンの個別識別情報と前記スマートフォンアプリの情報からスマートフォンを特定し、施開錠の操作がされた日時を記録することが可能な機能部を有する構成の防災金庫が提案されている。
【0005】
また、特許文献2には、屋外の任意の位置に設置可能であって、被検知対象を監視可能な監視装置において、上下方向に延びる本体の上部に設けられ、前記被検知対象を撮影可能な監視カメラと、前記監視カメラの向きを変更させるカメラ駆動部と、前記本体における前記監視カメラの近傍に設けられ、所定検知範囲内の前記被検知対象の有無を検知する検知センサと、前記本体に少なくとも1つ設けられ、自らの現在位置座標値を取得するGPSセンサと、前記本体の下部に設けられたバッテリーと、前記本体の頂部に設けられ、発電された電力を前記バッテリーに蓄電する太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの上部に設けられ、周囲の光量に基づいて前記太陽電池パネルの最適な向きを検出する照度センサと、前記照度センサによって検出された情報に基づいて、前記太陽電池パネルの向きを変更させるパネル駆動部と、前記本体に設けられる警報装置と、前記被検知対象の有無を検知した前記検知センサからの検知信号、前記GPSセンサからの現在位置座標値信号、及び前記照度センサによって検出された情報を受信して処理を行い、前記監視カメラ、前記カメラ駆動部、及び前記パネル駆動部に、前記監視カメラ前記カメラ駆動部、及び前記パネル駆動部を制御するための第1の制御信号を送信する制御ユニットと、を備える監視装置が開示されている。
【0006】
しかし、特許文献1の防災金庫の場合、施開錠の操作がされた日時を記録することを主体としており、施開錠対象物の現在の施錠、解錠の状態を把握する機能は有しないものである。
【0007】
また、特許文献2の監視装置の場合、監視カメラ、前記監視カメラ駆動部、及び太陽電池パネルの駆動部に、前記監視カメラのカメラ駆動部、及び前記太陽電池パネルの駆動部を制御するための制御部を有する煩雑な構成であり、また、特許文献1の場合と同様、監視対象物の現在の施錠、解錠の状態を把握する機能は有しないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2017-155508号公報
【特許文献2】特許第6419997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みて、スマートフォン利用者のセキュリティ性を確保しつつ施解錠対象物の施解錠制御、現在状態の把握を簡略に実現できるとともに、施解錠対象物である宝石箱等の位置情報も取得可能なスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、スマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムであって、スマートフォンに搭載した施解錠アプリに入力された前記スマートフォンの個別認識情報と、パスワード情報とにより起動して、施解錠操作により施解錠対象物の施解錠を行う施解錠信号を出力するとともに、前記施解錠アプリは施解錠対象物の施解錠状態の確認信号の表示機能を備える前記スマートフォンと、前記スマートフォンからの前記個別認識情報とパスワード情報とによりスマートフォン使用者の個人認証を行う認証手段と、前記施解錠対象物の開口部に配置され、開口部の施錠又は解錠を行う電子錠と、前記施解錠対象物内に配置され、前記スマートフォンから出力され個人認証された施解錠信号に応じて前記電子錠の施解錠駆動を行うとともに、前記電子錠の施解錠状態の確認信号を出力する施解錠制御ユニットと、前記スマートフォン、認証手段、施解錠制御ユニット間の信号送受信を行う通信網と、を含むことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、スマートフォンを利用した簡略操作により、各種施解錠対象物の施解錠操作や施解錠対象物の施解錠状態の確認を随時実行できるスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムを実現し提供することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、スマートフォンを利用した簡略操作により、各種施解錠対象物である宝石箱の施解錠操作や宝石箱の現在の状態(施解錠状態、所在地)を視覚により簡略容易に確認することができるスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムを実現し提供することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、スマートフォンを利用した簡略操作により、各種施解錠対象物である宅配ボックスの施解錠操作や宅配ボックスの現在の状態(施解錠状態、所在地)を視覚により簡略容易に確認することができるスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムを実現し提供することができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記施解錠制御ユニットを施解錠信号に応じて電子錠に設けた施錠片用のロックピンを電磁駆動により変位させ、前記電子錠を施錠状態又は施錠解除状態とするとともに、前記電子錠の施錠状態又は施錠解除状態に応じて施解錠状態の確認信号を出力する構成として、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果を奏するスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムを実現し提供することができる。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記施解錠対象物を、宝石箱の他ケース等の容器類、バッグ、スーツケース、書庫、ロッカー、金庫、倉庫、物置から選定する構成としてこれら各前記施解錠対象物に関して請求項1又は2記載の発明と同様な効果を発揮させることができるスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムを実現し提供することができる。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記スマートフォンは、前記施解錠アプリに基づき施解錠対象物の位置測位情報に変動が生じたとき警報を発する機能も有することから、前記スマートフォンの所有者は自己の施解錠対象物に関する盗難状態の発生を直ちに把握できるスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムを実現し提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は本発明の実施例1に係るスマートフォンを利用した施解錠対象物である宝石箱に関する施解錠応答システムを示す全体構成図である。
【
図2】
図2は本実施例1に係る施解錠対象物である宝石箱の外観を示す概略斜視図である。
【
図3】
図3は本実施例1に係るスマートフォンの概略平面図である。
【
図4】
図4は本実施例1に係る施解錠制御ユニット及びマグネットスイッチの構成を示す概略接続構成図である。
【
図5】
図5は本実施例1に係る宝石箱に設けた電子錠の施錠、解錠状態を概念的に示す概略説明図である。
【
図6】
図6は本実施例1に係るスマートフォンに搭載した施解錠アプリに入力される個別認識情報、パスワード情報の入力画面を示す概略説明図である。
【
図7】
図7は本実施例1に係るスマートフォンに搭載した施解錠アプリに基づく施解錠操作、電子錠の施解錠状態、位置測位情報の表示の各画面表示態様を示す概略説明図である。
【
図8】
図8は本実施例1に係るスマートフォンを利用した施解錠対象物である宝石箱に関する施解錠応答システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は本発明の実施例2に係るスマートフォンを利用した施解錠対象物である宅配ボックスに関する施解錠応答システムを示す全体構成図である。
【
図10】
図10は本実施例2に係るスマートフォンを利用した施解錠対象物である宅配ボックスに関する施解錠応答システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、スマートフォン利用者のセキュリティ性を確保しつつ施解錠対象物の施解錠制御、現在状態の把握を簡略に実現できるとともに、施解錠対象物である宝石箱等の位置情報も取得可能なスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムを実現し提供するという目的を、スマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムであって、スマートフォンに搭載した施解錠アプリに入力された前記スマートフォンの個別認識情報と、パスワード情報とにより起動して、施解錠操作により施解錠対象物である物品収納具の施解錠を行う施解錠信号を出力するとともに、前記施解錠アプリは前記物品収納具の施解錠状態の確認信号の表示機能及び物品収納具の位置測位情報表示機能を備える前記スマートフォンと、前記スマートフォンからの前記個別認識情報とパスワード情報とによりスマートフォン使用者の個人認証を行う認証手段と、前記物品収納具の開口部に配置され、前記開口部の施錠又は解錠を行う電子錠と、前記物品収納具内に配置され、前記スマートフォンから出力され個人認証された施解錠信号に応じて前記電子錠の施解錠駆動を行うとともに、前記電子錠の施解錠状態の確認信号を出力する施解錠制御ユニットと、前記施解錠制御ユニットに組み込んだGPSによる位置測位の機能を有する位置測位信号処理部と、前記スマートフォン、認証手段、施解錠制御ユニット間の信号送受信を行う通信網と、を含む構成により実現した。
【実施例0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係るスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムについて詳細に説明する。
【0020】
(実施例1)
図1乃至
図8は本発明の実施例1に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物の施解錠応答システム1を示すものであり、施解錠対象物2として例えば物品収納具の一種である宝石箱3を採用した例を示すものである。
【0021】
本実施例1に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物の施解錠応答システム1は、予めに搭載した施解錠アプリに入力される前記スマートフォン11の個別認識情報、パスワード情報により起動して、施解錠操作により施解錠対象物である宝石箱3の施解錠を行う施解錠信号を出力するとともに、前記施解錠アプリは前記宝石箱3の施解錠状態の確認信号の表示機能及び宝石箱3の位置測位情報表示機能を備える前記スマートフォン11と、前記スマートフォン11からの前記個別認識情報とパスワード情報とによりスマートフォン使用者の個人認証を行うシステム管理主体側の認証手段(例えば認証サーバ)4と、 前記宝石箱3の開口部に配置され、前記開口部の施錠又は解錠を行う電子錠5と、を具備している。
【0022】
更に、本実施例1に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物の施解錠応答システム1は、前記宝石箱3に搭載されるとともに、前記スマートフォン11から出力され個人認証された施解錠信号に応じて前記電子錠5の施解錠駆動を行うとともに、前記電子錠5の施解錠状態の確認信号を出力する施解錠制御ユニット6と、前記施解錠制御ユニット6に組み込んだGPS衛星7からのGPS信号に基づきGPSによる宝石箱3の位置測位の機能を有する位置測位信号処理部15と、を具備している。
【0023】
更に、本実施例1に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物の施解錠応答システム1は、前記スマートフォン11、認証手段4、施解錠制御ユニット6間の信号送受信を行う通信網10と、を含んで構成している。
【0024】
前記通信網10は公知のインターネット8、例えば宝石箱3、インターネット8間の交信を行うWi-fi(登録商標)等の無線通信9により構成している。
【0025】
図2は本実施例1に係る施解錠対象物である宝石箱3の外観を示すものであり、この宝石箱3に対しては、開口部の施錠又は解錠を行う電子錠5を配置している。
【0026】
また、前記宝石箱3の内部には詳細は後述する前記施解錠制御ユニット6を配置している。
【0027】
図3は本実施例1に係るスマートフォン11の概略平面を示すものであり、このスマートフォン11には、予め後述するような機能を発揮する施解錠アプリを搭載している。
【0028】
次に、
図4を参照して前記電子錠5、施解錠制御ユニット6について詳述する。
【0029】
前記施解錠制御ユニット6は、前記位置測位信号処理部15と、各要素に所要の電力供給を行うバッテリー12と、前記施解錠制御ユニット6全体の制御を行う制御部13と、制御部13により制御されるリレー14と、このリレー14のリレー動作に連動して前記電子錠5の施解錠駆動を行うアクチュエター16と、前記リレー14のリレー動作に連動して前記電子錠5の施解錠状態を示す確認信号を生成するマグネットスイッチ部17と、を具備している。
【0030】
前記施解錠制御ユニット6は、前記スマートフォン11からインターネット8、Wi-Fi等の無線通信9を経て送信される施解錠信号を前記制御部13の施解錠電極S1に入力し、前記位置測位信号処理部15により処理した位置測位信号をWi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に向けて送信し、更に、前記制御部13の確認信号電極S2に入力される確認信号をWi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に向けて送信する入出力インターフェース18と、を具備している。
【0031】
前記マグネットスイッチ部17は、前記リレー14のリレー動作に連動してリレーオン動作にリレー14から電力供給を受ける陽電極21と前記バッテリー12の陰電極に接続した陰電極22とを並列配置するとともに、前記制御部13の確認信号電極S2に一端を接続した確認信号伝送線23の他端側に接続したマグネットスイッチ部17側の確認信号電極S2と、図示しないが例えば前記前記リレー14のリレー動作に連動して励磁又は励磁解除されるように構成した電磁石により前記陽電極21、陰電極22に対して変位駆動され、前記陽電極21、陰電極22に接触したときにはこれら陽電極21、陰電極22を導通させ、このとき確認信号伝送線23の電位を状態「1」とし(施錠状態)(リレー接点オン)、前記陽電極21、陰電極22から離れる側に変位駆動されたときには確認信号伝送線23の電位を状態「0」(解錠状態)(リレー接点オフ)に転じるマグネットスイッチ本体19と、を具備している。
【0032】
この結果、リレー接点オン時には、前記制御部13の確認信号電極S2から(施錠状態)を意味する確認信号が入出力インターフェース18に伝送され、リレー接点オフ時には前記制御部13の確認信号電極S2から解錠状態を意味する確認信号が入出力インターフェース18に伝送されるように構成している。
【0033】
図5は本実施例1に係る宝石箱3に設けた電子錠5の施錠、解錠状態を概念的に示すものである。
【0034】
すなわち、前記リレー14のリレー動作に連動して前記電子錠5の施解錠駆動を行うアクチュエター16により、ロックピン20を変位させ電子錠5に設けた施錠片5aを施錠状態又は解錠とするものである。
【0035】
図6は本実施例1に係るスマートフォン11に搭載した施解錠アプリに入力される個別認識情報、パスワード情報の入力画面を示すものであり、個別認識情報として例えば「AAAA」のような情報が入力され、また、パスワード情報として例えば「1234」のような情報が入力される。
【0036】
図7は本実施例1に係るスマートフォン11に搭載した施解錠アプリに基づく施解錠操作、電子錠5の施解錠状態、位置測位情報の表示態様を示すものであり、例えば施解錠操作としては施錠ボタン又は解錠ボタンの操作、施解錠状態としては例えば「施錠」の表示、位置測位情報としては「東京都 区 町 丁目 番」のような表示の例を挙げることができる。
【0037】
次に、本実施例1に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物である宝石箱3の施解錠応答システム1の動作を
図8に示すフローチャートをも参照して説明する。
【0038】
前記スマートフォン11の所持者は、まず
図6に示すような当該スマートフォン11における個別認識情報、パスワード情報の入力画面を表示し、個別認識情報として例えば「AAAA」のような情報を、パスワード情報として例えば「1234」のような情報を入力する。
【0039】
これらの情報は前記スマートフォン11からインターネット8を経てシステム管理主体側の認証手段4に送信され認証終了後前記施解錠アプリによる宝石箱3の施解錠応答システム1の動作が本格的に開始し前記スマートフォン11の画面は
図7に示すような施解錠アプリに基づく施解錠操作、宝石箱3の電子錠5の施解錠状態、位置測位情報の表示内容となる.
【0040】
本実施例1に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物である宝石箱3の施解錠応答システム1において、前記所持者が宝石箱3の施錠を実行する場合の処理は以下のようである。
【0041】
図7に示すような画面表示から、施錠ボタンを操作(タップ)する。
【0042】
そして、前記スマートフォン11からインターネット8、Wi-Fi等の無線通信9を経て前記宝石箱3内の施解錠制御ユニット6の入出力インターフェース18に施錠を意味する施解錠信号が送信され、この施錠を意味する施解錠信号は前記制御部13の施解錠電極S1に入力され、更に、リレー14の施解錠電極S1、リレー14に伝送されて、リレー14がリレー動作してリレー接点部14aはオンとなる。
【0043】
これにより前記アクチュエター16が動作して電子錠5は施錠状態になるとともに、リレー接点オン時には前記制御部13の確認信号電極S2から(施錠状態)を意味する確認信号が入出力インターフェース18、Wi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に伝送される。
【0044】
また、前記位置測位信号処理部15からの位置測位信号も、入出力インターフェース18、Wi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に伝送される。
【0045】
この結果、前記スマートフォン11における電子錠5の施解錠状態、位置測位情報の表示態様は
図7に示すようになる。
【0046】
また、前記所持者が宝石箱3の解錠を実行する場合の処理は以下のようである。
【0047】
図7に示すような画面表示から、解錠ボタンを操作(タップ)する。
【0048】
そして、前記スマートフォン11からインターネット8、Wi-Fi等の無線通信9を経て前記宝石箱3内の施解錠制御ユニット6の入出力インターフェース18に解錠を意味する施解錠信号が送信され、この解錠を意味する施解錠信号は前記制御部13の施解錠電極S1に入力され、更に、リレー14の施解錠電極S1、リレー14に伝送されるが、リレー14がリレー動作してリレー接点部14aはオフとなる。
【0049】
これにより前記アクチュエター16は初期位置に戻り、電子錠5も解錠状態に戻る。
【0050】
また、リレー接点オフ時には前記制御部13の確認信号電極S2から(解錠状態)を意味する確認信号が入出力インターフェース18、Wi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に伝送される。
【0051】
更に、前記位置測位信号処理部15からの位置測位信号も、入出力インターフェース18、Wi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に伝送される。
【0052】
この結果、前記スマートフォン11の画面における電子錠5の施解錠状態は「解錠」となり、位置測位情報の表示態様は宝石箱3の位置の変更が生じていない場合には
図7に示すようになる。
【0053】
次に、盗難等により前記宝石箱3の位置変更が生じた場合には、前記位置測位信号処理部15からの位置測位信号も変更となる。
【0054】
すなわち、変更後の位置測位信号も既述した場合と同様に、入出力インターフェース18、Wi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に伝送され。例えば画面表示される変更後の位置測位情報は、「神奈川県 市 町 丁目 番」のような表示に変更となる。
【0055】
また、前記位置測位情報の変更が生じた場合、施解錠アプリによりブザー音など警報を発するようにすることも可能である。
【0056】
これにより、前記所持者は、前記スマートフォン11の画面のみで自己の宝石箱3の盗難状態を直ちに把握し現在の所在地を視覚により直ちに確認することができ、次なる対策を講じることが可能となる。
【0057】
以上説明した本実施例1に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物である宝石箱3の施解錠応答システム1によれば、前記スマートフォン11の所持者は、前記スマートフォン11の画面操作のみで自己の宝石箱3の施錠解錠を随時実行できるとともに、自己の宝石箱3の現在の状態(施解錠状態、所在地)を視覚により簡略容易に確認することができる。
【0058】
なお、本実施例1における施解錠対象物2としては、上述した場合の他、例えば、各種ケース等の容器類、バッグ、スーツケース、書庫、ロッカー、金庫、倉庫、物置等々から選定することができる,
【0059】
(実施例2)
次に、
図9、
図10を参照して本発明の実施例2に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物の施解錠応答システム1Aについて説明する。
【0060】
図9は本発明の実施例2に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物の施解錠応答システム1Aを示すものであり、施解錠対象物2として例えば物品収納具の一種である宅配ボックス31を採用し、この宅配ボックス31を例えば玄関横の壁面等に設置した例を示すものである。
【0061】
本実施例2に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物の施解錠応答システム1Aは、基本的には実施例1の場合と同様な構成であり同一の機能を有する要素には同一の符号を付して示す。
【0062】
すなわち、本実施例2に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物の施解錠応答システム1Aは、予めに搭載した施解錠アプリに入力される前記スマートフォン11の個別認識情報、パスワード情報により起動して、施解錠操作により施解錠対象物である宅配ボックス31の施解錠を行う施解錠信号を出力するとともに、前記施解錠アプリは前記宅配ボックス31の施解錠状態の確認信号の表示機能及び宅配ボックス31の位置測位情報表示機能を備える前記スマートフォン11と、前記スマートフォン11からの前記個別認識情報とパスワード情報とによりスマートフォン使用者の個人認証を行うシステム管理主体側の認証手段(例えば認証サーバ)4と、前記宅配ボックス31の開口部に配置され、前記開口部の施錠又は解錠を行う電子錠5と、前記宅配ボックス31に搭載されるとともに、前記スマートフォン11から出力され個人認証された施解錠信号に応じて前記電子錠5の施解錠駆動を行うとともに、前記電子錠5の施解錠状態の確認信号を出力する施解錠制御ユニット6と、前記施解錠制御ユニット6に組み込んだGPS衛星7からのGPS信号に基づきGPSによる宅配ボックス31の位置測位の機能を有する実施例1の場合と同様な位置測位信号処理部15と、前記スマートフォン11、認証手段4、施解錠制御ユニット6間の信号送受信を行う通信網10と、を含んで構成している。
【0063】
前記通信網10は公知のインターネット8と、宅配ボックス31、インターネット8間の交信を行うWi-Fi等の無線通信9とにより構成している。
【0064】
また、前記施解錠制御ユニット6、位置測位信号処理部15の具体的構成は既述した実施例1の場合と同様である。
【0065】
更に、前記スマートフォン11における施解錠アプリに入力される個別認識情報、パスワード情報の入力画面や、施解錠アプリに基づく施解錠操作、電子錠5の施解錠状態、位置測位情報の表示態様も実施例1の場合と同様である。
【0066】
次に、本実施例2に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物である宅配ボックス31の施解錠応答システム1Aの動作を
図10に示すフローチャートをも参照して説明する。
【0067】
本実施例2に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物である宅配ボックス31の施解錠応答システム1Aにおいて、前記所持者が例えば宅配業者からの荷物収納済の電話連絡を受けて宅配ボックス31の施錠を実行する場合の処理は以下のようである。
【0068】
図7に示す場合と同様な画面表示から、施錠ボタンを操作(タップ)する。
【0069】
そして、前記スマートフォン11からインターネット8、Wi-Fi等の無線通信9を経て前記宝石箱3内の施解錠制御ユニット6の入出力インターフェース18に施錠を意味する施解錠信号が送信され、この施錠を意味する施解錠信号は前記制御部13の施解錠電極S1に入力され、更に、リレー14の施解錠電極S1、リレー14に伝送されて、リレー14がリレー動作してリレー接点部14aはオンとなる。
【0070】
これにより前記アクチュエター16が動作して電子錠5は施錠状態になるとともに、リレー接点オン時には前記制御部13の確認信号電極S2から(施錠状態)を意味する確認信号が入出力インターフェース18、Wi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に伝送される。
【0071】
また、前記位置測位信号処理部15からの位置測位信号も、入出力インターフェース18、Wi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に伝送される。
【0072】
この結果、前記スマートフォン11における電子錠5の施解錠状態、位置測位情報の表示態様は
図7に示す場合と同様になる。
【0073】
更に、前記所持者が例えば宅配業者からの荷物到着の電話連絡を受けて宅配ボックス31の解錠を実行する場合の処理は以下のようである。
【0074】
図7に示す場合と同様な画面表示から、解錠ボタンを操作(タップ)する。
【0075】
そして、前記スマートフォン11からインターネット8、Wi-Fi等の無線通信9を経て前記宅配ボックス31内の施解錠制御ユニット6の入出力インターフェース18に解錠を意味する施解錠信号が送信され、この解錠を意味する施解錠信号は前記制御部13の施解錠電極S1に入力され、更に、リレー14の施解錠電極S1、リレー14に伝送されるが、リレー14がリレー動作してリレー接点部14aはオフとなる。
【0076】
これにより前記アクチュエター16は初期位置に戻り、電子錠5も解錠状態に戻る。
【0077】
また、リレー接点オフ時には前記制御部13の確認信号電極S2から(解錠状態)を意味する確認信号が入出力インターフェース18、Wi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に伝送される。
【0078】
更に、前記位置測位信号処理部15からの位置測位信号も、入出力インターフェース18、Wi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に伝送される。
【0079】
この結果、前記スマートフォン11の画面における電子錠5の施解錠状態は「解錠」となり、位置測位情報の表示態様は宅配ボックス31の位置の変更が生じていない場合には
図7に示す場合と同様になる。
【0080】
この後、前記所持者は、既述したような宅配ボックス31の施錠操作を実行する。
【0081】
次に、盗難等により前記宅配ボックス31の位置変更が生じた場合には、前記位置測位信号処理部15からの位置測位信号も変更となる。
【0082】
すなわち、変更後の位置測位信号も既述した場合と同様に、入出力インターフェース18、Wi-Fi等の無線通信9、インターネット8を経て前記スマートフォン11に伝送され。例えば画面表示される変更後の位置測位情報は、「神奈川県 市 町 丁目 番」のような表示に変更となる。
【0083】
また、前記位置測位情報の変更が生じた場合、施解錠アプリによりブザー音など警報を発するようにすることも可能である。
【0084】
これにより、前記所持者は、前記スマートフォン11の画面のみで自己の宅配ボックス31の盗難状態を直ちに把握し現在の所在地を視覚により直ちに確認することができ、次なる対策を講じることが可能となる。
【0085】
以上説明した本実施例2に係るスマートフォン11を利用した施解錠対象物である宅配ボックス31の施解錠応答システム1Aによれば、スマートフォン11の所持者は、前記スマートフォン11の画面操作のみで自己の宅配ボックス31の施錠解錠を随時実行できるとともに、自己の宅配ボックス31の現在の状態(施解錠状態、所在地)を視覚により簡略容易に確認することができる。
本発明のスマートフォンを利用した施解錠対象物の施解錠応答システムは、上述した場合の他、例えば、各種ケース等の容器類、バッグ、スーツケース、書庫、ロッカー、金庫、倉庫、物置等々から選定される各種施解錠対象物の施解錠管理用として広範に利用可能である。