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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056733
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】点呼支援装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20230413BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166117
(22)【出願日】2021-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】504103984
【氏名又は名称】ウイングアーク1st株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】加藤 由貢
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 誉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効果的に点呼を行うことができる点呼支援装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】運行管理システム1において、点呼支援装置の一種であるサーバー装置100は、運転手情報を取得し、その運転手情報から所定の定義に基づき、疲れの度合をスコア化した疲れスコア及び事故のリスクの度合をスコア化した事故スコアを求める。そして、求めた疲れスコア、事故スコアに基づいたメッセージを決定する。また、これら点呼にかかる情報を記録するとともに、点呼対象運転手に決定したメッセージを送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転手の運転の履歴についての情報である運転情報を用いて、前記運転手の精神的な疲れ度合を求める疲れ算出部を備える点呼支援装置。
【請求項2】
運転手の運転の履歴についての情報であり、配車表から取得される運転情報を用いて、前記運転手の疲れ度合を求める疲れ算出部を備える点呼支援装置。
【請求項3】
前記疲れ算出部は、前記運転情報と、前記運転手の身体測定値及び前記運転手の健康情報の少なくともいずれかと、を用いて前記疲れ度合を求める、請求項1又は請求項2に記載の点呼支援装置。
【請求項4】
前記疲れ算出部は、機械学習の結果を用いて前記疲れ度合を求める、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の点呼支援装置。
【請求項5】
前記運転情報を用いて事故の発生リスクの度合を求める事故リスク算出部をさらに備える、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の点呼支援装置。
【請求項6】
運転手の運転の履歴についての情報である運転情報を用いて、報知するメッセージを決定するメッセージ決定部を備える点呼支援装置。
【請求項7】
点呼支援装置が備えるプロセッサーを、
運転手の運転の履歴についての情報である運転情報を用いて、前記運転手の疲れ度合を求める疲れ算出部として機能させるプログラム。
【請求項8】
点呼支援装置が備えるプロセッサーを、
運転手の運転の履歴についての情報である運転情報を用いて、報知するメッセージを決定するメッセージ決定部として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点呼支援装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
貨物又は旅客を自動車で運送する自動車運送事業者などは、運行管理の一環として運転手(運転者)などに対して点呼を行っている。点呼を適切に行うことで、事故の発生の予防などの効果が得られる。しかしながら、点呼が形骸化している場合などもあり問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6449401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、効果的に点呼を行うことができる点呼支援装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の点呼支援装置は、疲れ算出部を備える。疲れ算出部は、運転手の運転の履歴についての情報である運転情報を用いて、前記運転手の精神的な疲れ度合を求める。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、効果的に点呼を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る運行管理システム及び当該運行管理システムに含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図。
図2図1中の端末装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図3図1中のサーバー装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図4図1中の端末装置の表示デバイスに表示される点呼画面の一例を示す図。
図5図1中の端末装置の表示デバイスに表示される結果画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態に係る運行管理システムについて図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
図1は、実施形態に係る運行管理システム1及び運行管理システム1に含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図である。運行管理システム1は、運行管理を支援するシステムである。運行管理システム1は、運行管理のうち特に点呼を支援する。運行管理システム1は、一例として、サーバー装置100、端末装置200及び端末装置300を含む。
【0009】
サーバー装置100、端末装置200及び端末装置300は、ネットワークNWに接続する。ネットワークNWは、例えば、インターネットを含む通信網である。ネットワークNWは、例えば、WAN(wide area network)を含む通信網である。ネットワークNWは、例えば、イントラネットなどのプライベートネットワークを含む通信網である。ネットワークNWは、例えば、LAN(local area network)を含む通信網である。
【0010】
サーバー装置100は、運行管理を支援する運行管理サービスを提供するサーバーなどの装置である。サーバー装置100は、例えば、運行管理サービスの制御及び運行管理サービスに関するデータの管理などを行う。サーバー装置100は、一例として、プロセッサー110、ROM(read-only memory)120、RAM(random-access memory)130、補助記憶装置140及び通信インターフェース150を含む。そして、バス160などが、これら各部を接続する。なお、サーバー装置100は、点呼支援装置の一例である。
【0011】
プロセッサー110は、サーバー装置100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー110は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー110は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー110は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー110は、ROM120又は補助記憶装置140などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、サーバー装置100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー110は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー110の回路内に組み込まれていても良い。
【0012】
ROM120及びRAM130は、プロセッサー110を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM120は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM120は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM120は、プロセッサー110が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM130は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM130は、プロセッサー110が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM130は、典型的には揮発性メモリである。
【0013】
補助記憶装置140は、プロセッサー110を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置140は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置140は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置140は、プロセッサー110が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー110での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0014】
また、補助記憶装置140に記憶されるアプリケーションソフトウェアは、例えば、運行管理サービスを提供するためのソフトウェア(以下、「サーバー用ソフト」という。)を含む。
【0015】
また、補助記憶装置140は、運行管理DB(database)141を記憶する。運行管理DB141は、例えば、運行管理サービスに関するデータなどを管理及び記憶するデータベースである。なお、サーバー用ソフトは、運行管理DB141を含んでも良い。
【0016】
運行管理DB141は、例えば、運転手についての情報(以下「運転手情報」という。)を、運転手IDと関連付け(紐付け)て記憶する。運転手IDは、運転手ごとにユニークに付与される識別情報である。運転手情報は、例えば、個人を特定可能な情報、基礎情報、健康情報、運行情報、及び研修情報などを含む。
個人を特定可能な情報は、例えば、運転手の氏名などの名前、社員番号及びデジタコIDなどである。デジタコIDは、自動車に搭載される運行記録用計器を使用する運転手ごとにユニークな識別情報である。当該運行記録用計器は、例えばデジタルタコグラフなどである。デジタコIDは、運行記録用計器を使用する際のログインなどに用いられる。なお、社員番号とデジタコIDは同一であっても良い。また、運転手IDとデジタコIDは同一であっても良い。また、運転手IDと社員番号は同一であっても良い。
【0017】
基礎情報は、例えば、運転手の年齢、身体測定値及び従業員台帳情報を含む。
身体測定値は、例えば、運転手の身長、体重、BMI(body mass index)などの体格指数、及び体脂肪率などである。
従業員台帳情報は、例えば、運転手の勤務年数並びに賞罰の有無及び内容についての情報を含む。
【0018】
健康情報は、例えば、血圧、心拍数、脈拍数及び体温などのバイタルサイン、並びに疾病に関する情報などである。バイタルサインについては、例えば、日毎の値など、過去の値を含む。疾病に関する情報は、疾病の有無、特定の疾病の有無、疾病が有る場合には疾病の病名、運転手が医者などから受けた疾病に関する注意事項、運転手と会社との間の疾病に関する取り決めなどを含む。特定の疾病は、例えば、心疾患、糖尿病、高血圧性疾患及び脳血管疾患などである。
【0019】
運行情報は、例えば、デジタコ情報、配車情報、出退勤情報、事故履歴情報及びクレーム情報を含む。
デジタコ情報は、例えば、運行記録用計器から取得可能な情報及び当該情報から分かる情報である。デジタコ情報は、例えば、運転手の運転時間、拘束時間、労働時間、休憩時間、待機時間、作業時間、荷積み時間、荷下ろし時間、などの運転手の行動を表す時間を含む。運転手の行動を表す時間のそれぞれは、例えば開始日時及び終了日時によって表される。また、デジタコ情報は、走行距離、日当たりの走行時間、危険運転情報、積卸回数、渋滞走行実績及びヒヤリハット情報などを含む。危険運転情報は、運転の癖についての情報及び危険な運転の履歴などについての情報である。積卸回数は、荷物の積卸の回数である。渋滞走行実績は、渋滞時の走行内容についての情報である。ヒヤリハット情報は、ヒヤリハットとなるような運転の発生の履歴についての情報である。
なお、プロセッサー210は、デジタコ情報を、例えば、ネットワークNW及び通信インターフェース150を介して運行記録用計器から取得する。あるいは、プロセッサー210は、デジタコ情報を、リムーバブルな記憶媒体などを介して運行記録用計器から取得しても良い。また、プロセッサー210は、係員などによる手入力によって入力されたデジタコ情報を取得しても良い。プロセッサー210は、取得したデジタコ情報を運行管理DB141に記憶する。
【0020】
配車情報は、例えば、配車表などの、配車を記録したデータから取得可能な情報である。配車情報は、例えば、各案件についての情報、運行状況及び積載重量などについての情報を含む。配車情報は、運転手が行く予定の場所及び通行する予定のルートについての情報を含む。配車情報は、各案件について、運転手が何回行っているかを示す情報を含む。配車情報は、各案件の荷主についての情報を含む。
なお、運行管理DB141は、例えば、配車表を含む。
【0021】
出退勤情報は、例えば、出退勤に関する情報である。出退勤情報は、運転手の拘束時間、労働時間、連続勤務日数及び出退勤予定時刻などを含む。
事故履歴情報は、運転手の事故履歴などについての情報である。事故履歴情報は、例えば、荷主毎及び案件毎に事故の履歴を記録している。
クレーム情報は、例えば、運転手に対するクレームの履歴についての情報である。
なお、運行情報は、運転手の運転の履歴についての情報の例である。
【0022】
研修情報は、例えば、運転手の研修の受講状況などを示す情報である。当該研修は、安全講習及び作業講習などである。
【0023】
個人を特定できる情報は、例えば、運転手を運転管理DB141に登録する際に、端末装置200の操作者(以下、単に「操作者」という。)などによって端末装置200に入力される。身体測定値及び健康情報は、例えば、操作者などによって端末装置200に入力される。操作者は、運転手自身又は運行管理者などである。端末装置200は、端末装置200に入力されたこれらの情報をサーバー装置100に送信する。サーバー装置100は、当該情報を受信する。
プロセッサー110は、受信された当該情報を運行管理DB141に記憶する。プロセッサー110は、デジタコ情報を、運行記録用計器などから取得して運行管理DB141に記憶する。プロセッサー110は、配車情報を、配車を管理するシステム、ファイル、ソフトウェア又はデータベースなどから取得して運行管理DB141に記憶する。プロセッサー110は、出退勤情報を、出退勤を管理するシステム、ファイル、ソフトウェア又はデータベースなどから取得して運行管理DB141に記憶する。ただし、プロセッサー110は、各種の情報について、ここで示した以外の方法で取得しても良い。
【0024】
また、運行管理DB141は、集団IDに、当該集団IDで特定される集団に所属する運転手の運転手IDを関連付けて記憶する。これにより、運行管理DB141は、運転手がどの集団に含まれるかを記憶する。なお、集団IDは、集団ごとにユニークに付与される識別情報である。集団は、0、1又は複数人の運転手が集まったものであればよく、どのような集団であっても良い。集団は、例えば、営業所、事業所、支店、部署、会社、団体又は企業グループなどである。また、集団は、例えば、運行管理サービスを利用するユーザーが、運転手を管理するために設定した集団などであっても良い。例えば、1つの集団は、1人の運行管理者が担当する運転手を集めたグループなどであっても良い。
【0025】
運行管理サービスを利用するユーザーは、例えば、端末装置200を操作して各運転手及び集団についての情報を入力することで、当該情報を運行管理DB141に登録する。
端末装置200は、入力された当該情報をサーバー装置100に送信する。そして、サーバー装置100は、当該情報を運行管理DB141に記憶する。これにより、当該情報が運行管理DB141に登録される。
【0026】
通信インターフェース150は、サーバー装置100がネットワークNWなどを介して通信するためのインターフェースである。サーバー装置100は、通信インターフェース150を介して端末装置200などと通信する。
【0027】
バス160は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、サーバー装置100の各部で授受される信号を伝送する。
【0028】
端末装置200は、例えば、PC(personal computer)、タブレット端末、又はスマートフォンなどの汎用の装置である。あるいは、端末装置200は、運行管理システム1専用の装置であっても良い。操作者は、例えば運行管理者などである。端末装置200は、一例として、プロセッサー210、ROM220、RAM230、補助記憶装置240、通信インターフェース250、入力デバイス260、表示デバイス270及びスピーカー280を含む。そして、バス290などが、これら各部を接続する。
【0029】
プロセッサー210は、端末装置200の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー210は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー210は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー210は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー210は、ROM220又は補助記憶装置240などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、端末装置200の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー210は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー210の回路内に組み込まれていても良い。
【0030】
ROM220及びRAM230は、プロセッサー210を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM220は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM220は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM220は、プロセッサー210が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM230は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM230は、プロセッサー210が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM230は、典型的には揮発性メモリである。
【0031】
補助記憶装置240は、プロセッサー210を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置240は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置240は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置240は、プロセッサー210が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー210での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0032】
補助記憶装置240が記憶するアプリケーションソフトウェアは、例えば、運行管理サービスを利用するためのアプリケーションソフトウェアを含む。当該アプリケーションソフトウェアは、例えば、ウェブブラウザーである。あるいは、当該アプリケーションソフトウェアは、運行管理サービスを利用するための専用のソフトウェア(以下「端末用ソフト」という。)である。
【0033】
通信インターフェース250は、端末装置200がネットワークNWなどを介して通信するためのインターフェースである。端末装置200は、通信インターフェース250を介してサーバー装置100などと通信する。
【0034】
入力デバイス260は、操作者による操作を受け付ける。入力デバイス260は、例えば、キーボード、キーパッド、タッチパッド、マウス又はコントローラーなどである。また、入力デバイス260は、音声入力用のデバイスであっても良い。
【0035】
表示デバイス270は、操作者などに各種情報を通知するための画面を表示する。表示デバイス270は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイである。また、入力デバイス260及び表示デバイス270としては、タッチパネルを用いることもできる。すなわち、タッチパネルが備える表示パネルを表示デバイス270として、タッチパネルが備えるタッチパッドを入力デバイス260として用いることができる。
【0036】
スピーカー280は、入力される音声信号を音波として出力する。
バス290は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、端末装置200の各部で授受される信号を伝送する。
【0037】
端末装置300は、運転手が使用するPC、タブレット端末、又はスマートフォンなどの汎用の装置である。あるいは、端末装置200は、運行管理システム1専用の装置であっても良い。
【0038】
端末装置300のハードウェア構成は、例えば、端末装置200と同様であるので説明を省略する。すなわち、プロセッサー310、ROM320、RAM330、補助記憶装置340、通信インターフェース350、入力デバイス360、表示デバイス370、スピーカー380及びバス390は、プロセッサー210、ROM220、RAM230、補助記憶装置240、通信インターフェース250、入力デバイス260、表示デバイス270、スピーカー280及びバス290と同様のハードウェアである。
なお、補助記憶装置340は、端末装置300を使用する運転手の運転手IDを記憶する。
【0039】
以下、実施形態に係る運行管理システム1の動作を図2及び図3などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。図2は、端末装置200のプロセッサー210による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー210は、例えば、ROM220又は補助記憶装置240などに記憶されたプログラムに基づいて図2の処理を実行する。図3は、サーバー装置100のプロセッサー110による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー110は、例えば、ROM120又は補助記憶装置140などに記憶されたプログラムに基づいて図3の処理を実行する。
【0040】
操作者は、運転手に対して点呼を行う場合、例えば、端末用ソフトを起動する操作を行う。あるいは、操作者は、運転手に対して点呼を行う場合、ウェブブラウザーを用いて運行管理サービスを利用するためのウェブページにアクセスする操作を行う。
端末装置200のプロセッサー210は、例えば、端末用ソフトの起動にともない図2に示す処理を開始する。あるいは、プロセッサー210は、ウェブブラウザーで運行管理サービスを利用するためのウェブページにアクセスしたことに応じて図2に示す処理を開始する。
【0041】
サーバー装置100のプロセッサー110は、例えば、サーバー用ソフトの起動にともない図3に示す処理を開始する。
【0042】
図2のステップST11においてプロセッサー210は、開始情報を生成する。開始情報は、運行管理サービスの利用を開始することを示す情報である。開始情報は、例えば、点呼対象の運転手が所属する集団の集団IDを含む。開始情報に含まれる当該集団IDは、例えば、操作者によって入力される。開始情報に含まれる当該集団IDは、例えば、予め補助記憶装置240などに記憶されたものである。プロセッサー210は、開始情報を生成した後、当該開始情報をサーバー装置100に送信するように通信インターフェース250に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース250は、当該開始情報をサーバー装置100に送信する。送信された当該開始情報は、サーバー装置100の通信インターフェース150によって受信される。
【0043】
一方、図3のステップST31においてサーバー装置100のプロセッサー110は、通信インターフェース150によって開始情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー110は、開始情報が受信されないならば、ステップST31においてNoと判定してステップST32へと進む。
【0044】
ステップST32においてプロセッサー110は、通信インターフェース150によって選択情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー110は、選択情報が受信されないならば、ステップST32においてNoと判定してステップST33へと進む。
【0045】
ステップST33においてプロセッサー110は、通信インターフェース150によって点呼情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー110は、点呼情報が受信されないならば、ステップST33においてNoと判定してステップST31へと戻る。かくして、プロセッサー110は、開始情報、選択情報又は点呼情報が受信されるまでステップST31~ステップST33を繰り返す待受状態(ループ)となる。なお、選択情報及び点呼情報については後述する。
【0046】
プロセッサー110は、ステップST31~ステップST33の待受状態にあるときに開始情報が受信されたならば、ステップST31においてYesと判定してステップST34へと進む。
【0047】
ステップST34においてプロセッサー110は、ステップST31で受信された開始情報に含まれる集団IDで特定される集団に所属する運転手の一覧を取得する。例えば、プロセッサー110は、運行管理DB141を参照して、当該集団IDに関連付けられた運転手IDを取得する。また、プロセッサー110は、運行管理DB141を参照して、取得した各運転手IDそれぞれに関連付けられた運転手情報を取得する。さらに、プロセッサー110は、当該運転手情報それぞれから個人を特定可能な情報を取得する。
【0048】
ステップST35においてプロセッサー110は、一覧情報を生成する。一覧情報は、ステップST34で取得した運転手の一覧及び各運転手についての個人を特定可能な情報を送信するための情報である。一覧情報は、ステップST34で取得された各運転手の運転手IDと、個人を特定可能な情報を含む。また、一覧情報は、後述の選択画面の表示に必要なその他のデータを含んでも良い。プロセッサー110は、一覧情報を生成した後、当該一覧情報を端末装置200に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該一覧情報を端末装置200に送信する。送信された当該一覧情報は、端末装置200の通信インターフェース250によって受信される。プロセッサー110は、ステップST35の処理の後、ステップST31へと戻る。
【0049】
一方、図2のステップST12において端末装置200のプロセッサー210は、通信インターフェース150によって一覧情報が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー210は、一覧情報が受信されたならば、ステップST12においてYesと判定してステップST13へと進む。
【0050】
ステップST13においてプロセッサー210は、選択画面に対応した画像を生成する。そして、プロセッサー210は、生成したこの画像を表示するように表示デバイス270に対して指示する。表示の指示を受けて表示デバイス270は、選択画面を表示する。
【0051】
選択画面は、どの運転手を対象に点呼を行うかを、操作者などが選択するための画面である。選択画面は、一例として、ステップST12で受信された一覧情報に含まれる運転手の一覧及び決定ボタンを含む。
【0052】
選択画面中の運転手の一覧は、例えば、ステップST12で受信された一覧情報に含まれる運転手の名前、社員番号及びデジタコIDなどの個人を特定可能な情報を並べたものである。選択画面中の運転手の一覧は、各運転手を選択状態にすることが可能となっている。プロセッサー210は、どの運転手が選択状態となっているかわかるように選択画面の表示を変える。
【0053】
例えば、運転手の名前などが表示された領域それぞれは、ボタンとなっている。各ボタンは、各運転手と1対1で対応する。プロセッサー210は、運転手の名前などが表示されたボタンがクリック又はタップされた場合、対応する運転手を選択状態とする。プロセッサー210は、例えば、当該ボタンの色を変えるなどして選択状態であることが分かるようにする。また、選択画面は、名前、社員番号又はデジタコIDなどを用いて運転手を検索可能な機能を備えていても良い。
【0054】
また、端末装置200はカードリーダーなどを備えていても良い。当該カードリーダーは、社員番号などの運転手を特定可能な情報を、IC(integrated circuit)カードなどの情報を記憶したカード、及びICチップなどから読み取る。そして、プロセッサー210は、カードリーダーによって読み取られた当該情報で特定される運転手を選択状態にする。なお、カードリーダーが読み取るカードは、運転免許証などであっても良い。
【0055】
決定ボタンは、運転手の選択を決定する場合に操作するためのボタンである。また、決定ボタンは、選択された運転手に対する点呼を開始する場合に操作するためのボタンである。
【0056】
操作者は、例えば、選択画面に表示された運転手の名前及び社員番号などを見て、選択画面中の一覧から、点呼対象の運転手を選択する操作を行う。その後、操作者は、例えば、決定ボタンを操作する。
【0057】
ステップST14においてプロセッサー210は、決定ボタンが操作されるのを待ち受ける。プロセッサー210は、決定ボタンが操作されたならば、ステップST14においてYesと判定してステップST15へと進む。
【0058】
ステップST15においてプロセッサー210は、選択情報を生成する。選択情報は、例えば、選択画面において選択されている運転手の運転手IDを含む。選択情報は、例えば、当該運転手に対する点呼を開始することを示す情報である。また、選択情報は、当該運転手の点呼に必要な情報を送信するように要求する情報である。プロセッサー210は、選択情報を生成した後、当該選択情報をサーバー装置100に送信するように通信インターフェース250に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース250は、当該選択情報をサーバー装置100に送信する。送信された当該選択情報は、サーバー装置100の通信インターフェース150によって受信される。
【0059】
一方、サーバー装置100のプロセッサー110は、図3のステップST31~ステップST33の待受状態にあるときに選択情報が受信されたならば、ステップST32においてYesと判定してステップST35へと進む。
【0060】
ステップST36においてプロセッサー110は、ステップST35で受信された選択情報に含まれる運転手IDに関連付けられた運転手情報を取得する。
【0061】
ステップST37においてプロセッサー110は、点呼用情報を生成する。点呼用情報は、例えば、ステップST35で受信された選択情報に含まれる運転手ID、ステップST36で取得された運転手情報、又は当該運転手情報のうち点呼に必要な情報を含む。点呼用情報は、運転手の点呼に必要な情報を送信するための情報である。また、点呼用情報は、後述の点呼画面の表示に必要なその他のデータを含んでも良い。プロセッサー110は、点呼用情報を生成した後、当該点呼用情報を端末装置200に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該点呼用情報を端末装置200に送信する。送信された当該点呼用情報は、端末装置200の通信インターフェース250によって受信される。プロセッサー110は、ステップST37の処理の後、ステップST31へと戻る。
【0062】
一方、図2のステップST16において端末装置200のプロセッサー210は、通信インターフェース250によって点呼用情報が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー210は、点呼用情報が受信されたならば、ステップST16においてYesと判定してステップST17へと進む。
【0063】
ステップST17においてプロセッサー210は、図4に示すような点呼画面SC1に対応した画像を生成する。そして、プロセッサー210は、生成したこの画像を表示するように表示デバイス270に対して指示する。表示の指示を受けて表示デバイス270は、点呼画面SC1を表示する。
【0064】
図4は、点呼画面SC1の一例を示す図である。点呼画面SC1は、点呼に必要な情報及び点呼に関する情報を入力する入力欄などを含む。点呼画面SC1は、一例として、領域AR101~領域AR120並びに次へボタンB11及び終了ボタンB12を含む。なお、各領域に表示される運転手についての情報は、点呼対象の運転手についての情報である。
【0065】
領域AR101及び領域AR102は、例えば、運転手の個人を特定できる情報を表示する領域である。領域AR101は、例えば、運転手の名前などを表示する領域である。領域AR102は、運転手の社員番号などを表示する領域である。
【0066】
領域AR103は、運転手が運転する自動車の車両番号を示す領域である。車両番号は、自動車の運用者などが独自に付与した番号であっても良いし、自動車登録番号などの公的機関によって付与された番号であっても良い。なお、プロセッサー210は、当該車両番号を、例えば、配車を管理するシステム、ファイル、ソフトウェア又はデータベースなどから取得する。配車を管理するシステム、ファイル、ソフトウェア又はデータベースなどは、運転手ごとに、いつからいつまでどの自動車を運転するかを記憶している。
【0067】
領域AR104及び領域AR105は、例えば、点呼を行う者(以下「点呼者」という。)の個人を特定できる情報を表示する領域である。領域AR104は、例えば、点呼者の名前を表示する領域である。領域AR105は、点呼者の社員番号などを表示する領域である。
【0068】
領域AR106は、点呼を行った日時を表示する領域である。領域AR106は、例えば、点呼画面SC1が生成される時点における現在日時、又は点呼画面SC1の表示が開始された日時を表示する。
【0069】
領域AR107は、点呼の方法を入力するための入力欄を含む領域である。図4では、当該入力欄は、対面及びその他の方法のいずれかを選択するためのラジオボタンを含む。また、当該入力欄は、その他の方法がどのような方法であるかを入力するためのテキストボックスを含む。なお、プロセッサー210は、領域AR107に、点呼の方法を自動的入力しても良い。
【0070】
領域AR108は、運転手の体温を入力するためのテキストボックスなどの入力欄を含む領域である。
領域AR109及び領域AR110は、運転手の血圧を入力するための入力欄を含む領域である。領域AR109は、運転手の最高血圧を入力するためのテキストボックスなどの入力欄を含む領域である。領域AR109は、運転手の最低血圧を入力するためのテキストボックスなどの入力欄を含む領域である。
領域AR111は、運転手の脈拍数又は心拍数などを入力するためのテキストボックスなどの入力欄を含む領域である。
【0071】
領域AR112は、運転手の酒気帯びの有無を入力するための入力欄を含む領域である。図4では、当該入力欄は、ラジオボタンである。
領域AR113は、運転手の酒気帯びの検査にアルコール検知器を使用したか否かを入力するための入力欄を含む領域である。図4では、当該入力欄は、ラジオボタンである。
【0072】
領域AR114は、点呼におけるその他必要な事項を入力するためのテキストボックスなどの入力欄を含む領域である。
【0073】
領域AR115及び領域AR116は、運転手の身体測定値を表示する領域である。領域AR115は、運転手の体格指数を表示する領域である。領域AR116は、運転手の体脂肪率を表示する領域である。
【0074】
領域AR117は、運転手の疾病に関する情報を表示する領域である。したがって、領域AR117は、例えば、病名、運転手が医者などから受けた疾病に関する注意事項、運転手と会社との間の疾病に関する取り決めなどを含む。
【0075】
領域AR118及び領域AR119は、過去の運行記録及び勤務記録に関する情報を表示する領域である。領域AR118は、運転手の1日の平均走行時間を表示する領域である。領域AR119は、運転手の連続勤務日数を表示する領域である。
【0076】
領域AR120は、運転手の過去及び現在の各種情報を表示する領域である。図4では、領域AR120は、運転手の過去及び現在の各日の運転時間、休憩時間、荷積み時間、荷下ろし時間、拘束時間、労働時間、走行距離、体温、血圧、脈拍、及び酒気帯びの有無を含む。
なお、領域AR120に表示された各情報は、変更が可能であっても良い。このために、操作者は、変更したい情報を書き換える入力を行う。プロセッサー210は、ここで入力された情報を、通信インターフェース250を介してサーバー装置100に送信する。これに応じてサーバー装置100は、変更内容を反映するべく運行管理DB141に記憶された情報を書き換える。
【0077】
次へボタンB11は、例えば、結果画面SC1の各入力欄に必要な事項を入力し終わった場合に操作するボタンである。また、次へボタンB11は、当該各入力欄に入力された情報をサーバー装置100に送信するように指示する場合に操作するためのボタンである。
【0078】
終了ボタンB12は、例えば、点呼を中止する場合などにおいて、点呼画面SC1の表示を終了する場合に操作者が操作するためのボタンである。
【0079】
なお、点呼画面は、図4に示す以外の項目を入力するための入力欄があっても良い。図2に示す以外の項目としては、例えば、睡眠時間、睡眠不足の有無、見た目の疲労度、見た目の健康度、異常な感情の高ぶりの有無、服装及び身だしなみについての情報、並びに運転手がトラブル又は悩みなどを抱えているか否かなどを挙げることができる。点呼者は、これらの各情報を、例えば、運転手を目視すること及び運転手に対してヒアリングすることなどにより得られる。
また、入力欄の種類は、テキストボックス及びラジオボタンに限らない。また、点呼画面は、図4に示す以外の運転手情報を表示するための領域があっても良い。
【0080】
また、点呼画面は、運転手の乗務開始時の点呼、乗務終了時の点呼、及びその他のタイミングの点呼のそれぞれで表示される内容が異なっていても良い。なお、プロセッサー210は、乗務開始時用、乗務終了時、及びその他のタイミング用のいずれの点呼画面を表示するかは、例えば、操作者の操作に基づく。あるいは、サーバー装置100のプロセッサー110又は端末装置200のプロセッサー210は、点呼対象の運転手の運転手情報に基づきいずれの点呼画面を表示するか決定する。
【0081】
プロセッサー210は、点呼画面SC1において入力される情報の一部、例えば体温、血圧、及び心拍数など(以下「体温等情報」)について、予め運転手自身などによって入力された値などを各入力欄に入力しても良い。この場合、例えば、運転手は、点呼より前に端末装置300を用いて体温等情報を入力する。また、端末装置300は、体温等情報のうちの一部又は全部を計測可能な計測機器から体温等情報の入力を受けても良い。この場合、運転手は、当該計測機器を用いて体温等情報を計測する。当該計測機器は、計測した体温等情報を端末装置300に入力する。なお、当該計測機器は、端末装置300に内蔵されていても良いし端末装置300に接続するものでも良い。また、端末装置300が当該計測機器の機能を備えていても良い。当該計測機器は、例えば、体温計、血圧計、心拍計、及びアルコールチェッカーなどである。
端末装置300は、入力された体温等情報を、補助記憶装置340に記憶された運転手IDとともにサーバー装置100に送信する。体温等情報を受信したサーバー装置100のプロセッサー110は、当該体温等情報を、当該運転手IDと関連付けて、運行管理DB141に記憶する。これにより、当該運転手IDに関連付けられた運転手情報は、当該体温等情報を含むこととなる。したがって、点呼用情報も当該体温等情報を含むこととなる。プロセッサー210は、点呼用情報に含まれる当該体温等情報を用いて各入力欄に体温等情報を入力する。
【0082】
また、端末装置200が体温等情報を計測可能な計測機器を備えていても良い。この場合、プロセッサー210は、当該計測機器によって計測された値を点呼画面SC1の入力欄に入力する。
【0083】
ステップST18においてプロセッサー210は、結果画面SC1の各入力欄に入力された情報をサーバー装置100に送信するように指示する操作が行われたか否かを判定する。すなわちプロセッサー210は、次へボタンB11を操作するなどの予め定められた操作が行われたか否かを判定する。プロセッサー210は、結果画面SC1の各入力欄に入力された情報をサーバー装置100に送信するように指示する操作が行われないならば、ステップST18においてNoと判定してステップST19へと進む。
【0084】
ステップST19においてプロセッサー210は、点呼画面SC1の表示を終了する操作が行われたか否かを判定する。すなわちプロセッサー210は、終了ボタンB12を操作するなどの予め定められた操作が行われたか否かを判定する。プロセッサー210は、点呼画面SC1の表示を終了する操作が行われないならば、ステップST19においてNoと判定してステップST18へと戻る。かくして、プロセッサー210は、結果画面SC1の各入力欄に入力された情報をサーバー装置100に送信するように指示する操作が行われるか、点呼画面SC1の表示を終了する操作が行われるまでステップST18及びステップST19を繰り返す待受状態となる。
【0085】
プロセッサー210は、ステップST18及びステップST19の待受状態にあるときに点呼画面SC1の表示を終了する操作が行われたならば、ステップST19においてYesと判定してステップST11へと戻る。
【0086】
プロセッサー210は、ステップST18及びステップST19の待受状態にあるときに結果画面SC1の各入力欄に入力された情報をサーバー装置100に送信するように指示する操作が行われたならば、ステップST18においてYesと判定してステップST20へと進む。
ステップST20においてプロセッサー210は、点呼情報を生成する。点呼情報は、点呼画面SC1において入力された各情報を含む。また、点呼情報は、点呼対象の運転手の運転手IDを含む。点呼情報は、点呼画面SC1において入力された各情報などをサーバー装置100に通知するための情報である。プロセッサー210は、点呼情報を生成した後、当該点呼情報をサーバー装置100に送信するように通信インターフェース250に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース250は、当該点呼情報をサーバー装置100に送信する。送信された当該点呼情報は、サーバー装置100の通信インターフェース150によって受信される。
【0087】
一方、サーバー装置100のプロセッサー110は、図3のステップST31~ステップST33の待受状態にあるときに点呼情報が受信されたならば、ステップST33においてYesと判定してステップST38へと進む。
ステップST38においてプロセッサー110は、ステップST33において受信された点呼情報に含まれる運転手IDで特定される運転手の運転手情報を取得する。すなわち、プロセッサー110は、例えば、運行管理DB141を参照して、当該運転手IDに関連付けられた運転手情報を取得する。
【0088】
ステップST39においてプロセッサー110は、ステップST33において受信された点呼情報、ステップST38で取得した運転手情報及び天候情報に基づき、当該点呼情報に含まれる運転手IDで特定される運転手の疲れの度合を表す疲れ度及び事故の発生のリスクの度合を表す事故リスク度を求める。なお、天候情報は、過去の天候の実績及び天気予報についての情報である。プロセッサー110は、天候情報を、例えば、天候に関する情報を配信するサービスなどから取得する。
疲れ度及び事故リスク度を求めるために、プロセッサー110は、例えば、疲れの度合をスコア化した疲れスコア及び事故のリスクの度合をスコア化した事故スコアを求める。なお、疲れスコアは、例えば、身体疲労スコア、精神疲労スコア及び総合疲労スコアの3種類がある。身体疲労スコアは、身体的な疲れをスコア化したものである。精神疲労スコアは、精神的な疲れをスコア化したものである。総合疲労スコアは、身体疲労スコア及び精神疲労スコアを総合したものである。総合疲労スコアは、身体疲労スコアが高いほど高い。総合疲労スコアは、精神疲労スコアが高いほど高い。疲れスコアは、一例として数値が高いほど疲れていることを示す。事故スコアは、一例として数値が高いほど事故リスクが高いことを示す。なお、事故スコアは、精神疲労スコアが高いほど高くなるスコアであっても良い。また、事故スコアは、身体疲労スコアが高いほど高くなるスコアであっても良い。
【0089】
プロセッサー110は、例えば、以下に示す(A1)~(A46)に示すような定義に基づき疲れスコア及び事故スコアを求める。ただし、以下に示す各定義は例である。
(A1)運転手の年齢は、高いほど身体疲労スコア及び事故スコアが高くなる。
(A2)運転手の身長は、所定の範囲を外れるほど身体疲労スコアが高くなる。
(A3)運転手の体重は、所定の範囲を外れるほど身体疲労スコアが高くなる。
(A4)運転手の体格指数は、標準値を示す所定の範囲を外れるほど身体疲労スコアが高くなる。
(A5)運転手のバイタルサインは、正常な範囲を外れ、数値に異常があるほど、身体疲労スコアが高くなる。
(A6)運転手に疾病が有る場合、病気の種類によっては、疾病が無い場合よりも身体疲労スコア及び精神疲労スコアの少なくともいずれかが高くなる。なお、病気の種類によって身体疲労スコア及び精神疲労スコアの増加量が異なっていても良い。
(A7)運転手の勤務年数は、長いほど事故スコアが低くなる。
(A8)運転手に賞罰がある場合、賞罰が無い場合と比べて事故スコアが増減する。運転手に賞がある場合、賞が無い場合と比べて事故スコアが低くなる。運転手に罰がある場合、罰が無い場合と比べて事故スコアが高くなる。
(A9)運転手の運転時間は、長いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A10)運転手の拘束時間は、長いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A11)運転手の労働時間は、長いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A12)運転手の休憩時間は、短いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A13)運転手の待機時間は、短いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A14)運転手の作業時間は、長いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A15)運転手の荷積み時間は、長いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A16)運転手の荷下ろし時間は、長いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A17)運転手の連続勤務日数は、長いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A18)運転手の走行距離は、長いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A19)運転手の前回の勤務からの経過時間が短いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A20)運転手の日当たりの走行時間が長いほど、身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A21)積卸回数は、多いほど、身体疲労スコア、精神疲労スコア及び事故スコアが高くなる。
(A22)運転手の渋滞時の走行がストレスを感じているような走行である場合、身体疲労スコア、精神疲労スコア及び事故スコアが高くなる。
(A23)運転手が走行する予定のルートで過去にヒヤリハットがあった場合、事故スコアが高くなる。
(A24)運転手が走行する予定のルートで過去に事故があった場合、事故スコアが高くなる。
(A25)運転手が交通事故の当事者である場合、当該交通事故の発生日時からの経過時間が短いほど精神疲労スコアが高くなる。また、当該交通事故が重大事故であるほど精神疲労スコアの数値が高くなる。
(A26)運転手による事故の回数が多いほど、事故スコアが高くなる。また、事故が重大事故であるほど事故スコアが高くなる。
(A27)運転手の危険な運転の頻度又は回数が多いほど、事故スコアが高くなる。
(A28)運転手が行った運送案件の内容が未経験の内容であるほど身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A29)運転手の行う予定の運送案件の内容が未経験の内容であるほど精神疲労スコア及び事故スコアが高くなる。
(A30)運転手の行う予定の運送案件について、時間的余裕が少ないほど精神疲労スコア及び事故スコアが高くなる。
(A31)運転手の行う予定の運送案件について、過去に事故が起きている事故と荷主が同じ場合、事故スコアが高くなる。
(A32)運転手の行う予定の運送案件について、過去に事故が起きている案件と同じ場合、事故スコアが高くなる。
(A33)運転手の行う予定の運送案件について、積載重量が重いほど精神疲労スコア及び事故スコアが高くなる。
(A34)運転手が行く予定の場所が、運転手が今まで行った回数が少ないほど事故スコアが高くなる。
(A35)運転手に対するクレームの頻度が所定より多い場合、事故スコアが高くなる。
(A36)運転手が行く予定の場所及び通行する予定のルートの天気予報について、天候が悪いほど、精神疲労スコア及び事故スコアが高くなる。
(A37)運転手が行く予定の場所及び通行する予定のルートの過去の天気について、天候が悪いほど、精神疲労スコア及び事故スコアが高くなる。
(A38)運転手が受講済みの研修の受講時間又は受講数が多いほど事故スコアが低くなる。
(A39)運転手の睡眠時間は、短いほど身体疲労スコア、精神疲労スコア及び事故スコアが高くなる。
(A40)運転手が睡眠不足である場合、睡眠不足でない場合と比べて、短いほど身体疲労スコア、精神疲労スコア及び事故スコアが高くなる。
(A41)運転手の見た目の疲労度が高いほど身体疲労スコア及び精神疲労スコアが高くなる。
(A42)運転手の見た目の健康度が良いほど身体疲労スコア及び精神疲労スコアが低くなる。
(A43)運転手に異常な感情の高ぶりがある場合、無い場合と比べて精神疲労スコアが高くなる。
(A44)運転手の服装及び身だしなみがよくない場合、事故スコアが高くなる。
(A45)運転手がトラブルを抱えている場合、精神疲労スコアが高くなる。
(A46)運転手が悩みを抱えている場合、精神疲労スコアが高くなる。
【0090】
なお、プロセッサー110は、以上に示す定義のうちの一部のみを用いて疲れスコアを求めても良い。また、プロセッサー110は、以上に示す定義以外の定義も用いて疲れスコアを求めても良い。また、プロセッサー110は、運転手情報に含まれるその他の情報を用いて疲れスコアを求めても良い。なお、プロセッサー110は、疲れスコア及び事故スコアの算出にAI(artificial intelligence)を用いても良い。例えば、プロセッサー110は、機械学習の結果を用いて疲れスコアを求める。
【0091】
機械学習の方法の例について説明する。例えば、点呼画面は、点呼対象の疲れの度合を入力するための入力欄を含んでいても良い。当該入力欄に入力する疲れの度合を、以下「推定疲れ度」というものとする。推定疲れ度は、例えば数値などで示す。推定疲れ度の入力欄は、テキストボックスに数字などを入力する形式の入力欄であっても良いし、ラジオボタン又はプルダウンメニューなどの選択式の入力欄であっても良い。操作者が点呼対象の運転手とは異なる場合、操作者は、例えば、点呼対象の運転手の推定疲れ度を、当該運転手を目視すること及び当該運転手の会話などにより決定する。操作者が点呼対象の運転手自身である場合には、操作者は、例えば、点呼対象の運転手の推定疲れ度を、自身の体調に応じて決定する。そして、操作者は、決定した推定疲れ度を入力欄に入力する。推定疲れ度は、肉体的疲労を示す推定疲れ度及び精神的疲労を示す推定疲れ度の2種類に分かれていても良い。
【0092】
端末情報200のプロセッサー210は、例えば、推定疲れ度を含む点呼情報を送信する。サーバー装置100のプロセッサー110は、例えば、ステップST41において当該推定疲れ度を運転手ID及び点呼日時と関連付けて運行管理DB141に記憶する。
その後、プロセッサー110は、所定のタイミングで、運行管理DB141に記憶された各運転手の各日の推定疲れ度及び運転手情報を用いて機械学習を行う。プロセッサー110は、例えば、運転手情報を説明変数、推定疲れ度を目的変数として学習を行う。ただし、プロセッサー110は、例えば、各推定疲れ度について、推定疲れ度が決定された日時、すなわち推定疲れ度に関連付けられた点呼日時以前の、運転手情報を当該推定疲れ度の説明変数とする。また、プロセッサー110は、例えば、各推定疲れ度について、当該推定疲れ度に関連付けられた運転手IDと同じ運転手IDが関連付けられた運転手情報を当該推定疲れ度の説明変数とする。
【0093】
そして、プロセッサー110は、疲れスコアを疲れ度に変換し、事故スコアを事故リスク度に変換する。疲れ度は、例えば、所定の範囲内の数値である。一例として、疲れ度は、0[%]~100[%]の範囲の数値である。なお、疲れスコアと疲れ度は同じものであっても良い。この場合、プロセッサー110は、疲れスコアを疲れ度に変換するには及ばない。
疲れ度は、例えば、肉体疲れ度、精神疲れ度及び総合疲れ度の3種類がある。肉体疲れ度は、肉体疲労スコアを、疲れスコアから疲れ度に変換したものである。精神疲れ度は、精神疲労スコアを、疲れスコアから疲れ度に変換したものである。総合疲れ度は、総合疲労スコアを、疲れスコアから疲れ度に変換したものである。
【0094】
あるいは、疲れ度は、疲れの度合を数値以外で示したものであっても良い。例えば、疲れ度は、疲れの度合を言葉で示したものである。一例として、言葉で示す疲れ度は、疲れの度合に応じて「非常に疲れています。」、「とても疲れています。」、「疲れています。」、「少し疲れています。」、及び「疲れていません。」などのうちから1つが選択されるようなものである。
【0095】
また、事故リスク度は、例えば、所定の範囲内の数値である。一例として、事故リスク度は、0[%]~100[%]の範囲の数値である。なお、事故スコアと事故リスク度は同じものであっても良い。この場合、プロセッサー110は、事故スコアを事故リスク度に変換するには及ばない。
【0096】
あるいは、事故リスク度は、事故のリスクの度合を数値以外で示したものであっても良い。例えば、事故リスク度は、事故のリスクの度の度合を言葉で示したものである。一例として、言葉で示す事故リスク度は、疲れの度合に応じて「非常に事故が起きやすい状態です。」、「とても事故が起きやすい状態です。」、「事故が起きやすい状態です。」、「少し事故が起きやすい状態です。」、及び「事故が起きやすい状態ではありません。」などのうちから1つが選択されるようなものである。
【0097】
疲れスコアは、疲れ度合の一例である。また、疲れ度は、疲れ度合の一例である。したがって、プロセッサー110は、疲れスコア又は疲れ度を求める処理を行うことで、疲れ度合を求める疲れ算出部の一例として機能する。
また、精神疲労スコアは、精神的な疲れ度合の一例である。また、精神疲れ度は、精神的な疲れ度合の一例である。したがって、プロセッサー110は、精神疲労スコア又は精神疲れ度を求める処理を行うことで、精神的な疲れ度合を求める疲れ算出部の一例として機能する。
また、事故スコアは、事故の発生リスクの度合の一例である。また、事故リスク度は、事故の発生リスクの度合の一例である。したがって、プロセッサー110は、事故スコア又は事故リスク度を求める処理を行うことで、事故の発生リスクの度合を求める事故リスク算出部の一例として機能する。
【0098】
ステップST40においてプロセッサー110は、端末装置200に送信するメッセージを決定する。当該メッセージは、例えば、点呼対象の運転手に伝えるためのものである。あるいは、当該メッセージは、操作者である運行管理者などに伝えるためのものであっても良い。プロセッサー110は、例えば、ステップST33で受信された点呼情報、ステップST38で取得した運転手情報、並びにステップST39で求めた疲れスコア又は疲れ度及び事故スコア又は事故リスク度などに基づき、どのようなメッセージを送信するか決定する。なお、プロセッサー110は、例えば、予め作成されて補助記憶装置240などに記憶されたメッセージを送信するメッセージとして取得する。なお、プロセッサー110は、取得したメッセージの一部を変更して用いても良い。あるいは、プロセッサー110は、送信するメッセージを、AIなどを用いて生成しても良い。
【0099】
プロセッサー110は、例えば、ある条件を満たしている場合にあるメッセージを送信する。条件の例、メッセージの内容の例及びメッセージの一例として(1)~(9)を以下に示す。
(1)
・条件:点呼対象の運転手の1日前の退勤時間が所定の範囲内。
・メッセージの内容:点呼対象の運転手が所属する営業所などの所定の場所にいつまでに戻るべきかを示す。
・メッセージの一例:「今日は、HH時MM分までに帰ってきてください。」
なお、プロセッサー110は、HH時MM分を、例えば、当日の退勤予定時刻とする。あるいは、プロセッサー110は、HH時MM分を、1日前の退勤時間などによって決定する。なお、当日は、点呼の当日を示す。
【0100】
(2)
・条件:点呼対象の運転手の昨日の違反回数が所定の閾値以上。
・メッセージの内容:点呼対象の運転手の違反回数、違反内容及び違反内容ごとの回数。
・メッセージの一例:「昨日の違反回数は、N回。(違反内容)をM回です。」
なお、違反回数とは、例えば、運転手の雇い主などが定めたルール及び交通法規などを違反した回数である。プロセッサー110は、例えば、N回を、点呼対象の運転手の昨日の違反回数とする。プロセッサー110は、例えば、(違反内容)に、運転手の違反の内容を代入する。プロセッサー110は、例えば、M回を(違反内容)の回数とする。
【0101】
(3)
・条件:点呼対象の運転手の当日の可能労働時間が所定の閾値以下。
・メッセージの内容:点呼対象の運転手が所属する営業所などの所定の場所に、可能労働時間を超過しないようにいつまでに戻るべきかを示す。
・メッセージの一例:「本日は、HH時間MM分以内で帰ってきてください。」
なお、プロセッサー110は、HH時間MM分を、運転手の当日の可能労働時間とする。可能労働時間は、運転手が1日に労働可能な時間の上限である。プロセッサー110は、可能労働時間を、例えば、運転手の昨日までの労働時間などと、法令などにより定められた労働時間の上限のルールを用いて求める。
【0102】
(4)
・条件:点呼対象の運転手の疲れスコアが所定の閾値以上、所定の期間における時間外労働の回数が所定の閾値以上、所定の期間における時間外労働の時間の合計が所定の閾値以上、又は昨日まで何日間連続で時間外労働が行われたかを示す日数が所定の閾値以上。
・メッセージの内容:点呼対象の運転手が疲れていることを示す。
・メッセージの一例:「時間外労働がD日間続いています。気を付けてください。」
なお、プロセッサー110は、D日を、運転手の昨日まで何日間連続で時間外労働が行われたかを示す日数とする。
【0103】
(5)
・条件:点呼対象の運転手に疾病がある。
・メッセージの内容:点呼対象の運転手の疾病の状態などについて確認する。
・メッセージ:「(疾病)は大丈夫ですか?気を付けてください。」
プロセッサー110は、(疾病)に運転手の疾病の病名を代入する。あるいは、(疾病)は、「病気」又は「疾病」などの病名を特定しない表現であっても良い。
【0104】
(6)
・条件:点呼対象の運転手が当日に行く積地又は卸地が所定の条件を満たす。所定の条件は、例えば、積地又は卸地が変更されたこと、積地又は卸地の入場方法などのルールが変更されたこと、積地又は卸地が所定の場所であることなどである。
・メッセージの内容:積地又は卸地が所定の条件を満たしていることを示す。
・メッセージの一例:「積地の入場方法が変更になりました。」
【0105】
(7)
・条件:所定の範囲内で事故が発生した。所定の範囲は、例えば、点呼対象の運転手が当日に通る予定の場所及び行く予定の場所である。
・メッセージの内容:事故が発生したこと、当該事故がいつ発生したか、当該事故がどこで発生したか、及び当該事故の内容。なお、事故は交通事故に限らず商品事故であっても良い。
・メッセージの一例:「(いつ)、(どこ)で(事故内容)事故が発生しました。」
なお、プロセッサー110は、例えば、(いつ)にいつ事故が発生したのかを示す文字列を代入する。また、プロセッサー110は、例えば、(どこ)に事故がどこで発生したのかを示す文字列を代入する。また、プロセッサー110は、例えば、(事故内容)に事故の内容を示す文字列を代入する。
【0106】
(8)
・条件:点呼対象の運転手が当日に通る予定の場所及び行く予定の場所が、荷崩れの起きやすい荷崩れポイントである。
・メッセージの内容:荷崩れポイントを通る予定であること。
・メッセージの一例:「(どこ)は、(荷崩れ原因)のため、荷崩れに注意してください。」
なお、プロセッサー110は、例えば、(どこ)に荷崩れポイントの位置を示す文字列を代入する。また、プロセッサー110は、例えば、(荷崩れ原因)に荷崩れポイントである理由を示す文字列を代入する。荷崩れポイントである理由は、例えば、所定以上に急なカーブであること、所定の高低差以上に高低差がある場所であること、又は所定以上に急な坂道であることなどである。
【0107】
(9)
・条件:点呼対象の運転手が運転を行う運行に変更があった。
・メッセージの内容:運行の変更内容、変更理由及びいつの運行である。
・メッセージの一例:「(運行日)の運行は、(理由)なので変更です。(変更内容)。」
なお、プロセッサー110は、例えば、(運行日)に変更対象の運行がいつ行われるものであったかを示す文字列を代入する。また、プロセッサー110は、例えば、(理由)に運行が変更される理由を示す文字列を代入する。
また、プロセッサー110は、例えば、(変更内容)に変更内容を示す文字列を代入する。
【0108】
以上より、プロセッサー110は、ステップST40の処理を行うことで、報知するメッセージを決定するメッセージ決定部の一例として機能する。
【0109】
ステップST41においてプロセッサー110は、ステップST33で受信された点呼情報に含まれる各情報、並びにステップST39で求めた疲れスコア及び疲れ度並びに事故スコア及び事故リスク度を運行管理DB141に記憶する。なお、プロセッサー110は、当該点呼情報に含まれる各情報、並びに疲れスコア、疲れ度、事故スコア及び事故リスク度を、当該点呼情報に含まれる運転手ID及び点呼日時と関連付けて、運転手情報として運行管理DB141に記憶する。
【0110】
ステップST42においてプロセッサー110は、結果情報を生成する。結果情報は、ステップST39で求めた疲れ度及び事故リスク度並びにステップST40で決定したメッセージを含む。結果情報は、ステップST39及びステップST40の処理結果を送信するための情報である。プロセッサー110は、結果情報を生成した後、当該結果情報を端末装置200に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該結果情報を端末装置200に送信する。送信された当該結果情報は、端末装置200の通信インターフェース250によって受信される。プロセッサー110は、ステップST42の処理の後、ステップST31へと戻る。
【0111】
一方、図2のステップST21において端末装置200のプロセッサー210は、通信インターフェース250によって結果情報が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー210は、結果情報が受信されたならば、ステップST21においてYesと判定してステップST22へと進む。
【0112】
ステップST22においてプロセッサー210は、結果画面SC2に対応した画像を生成する。そして、プロセッサー210は、生成したこの画像を表示するように表示デバイス270に対して指示する。表示の指示を受けて表示デバイス270は、結果画面SC2を表示する。
【0113】
図5は、結果画面SC2の一例を示す図である。結果画面SC2は、一例として、領域AR210を含む。結果画面SC2は、例えば、点呼画面SC1上に領域AR210をオーバーレイ表示した画面である。これにより、操作者は、結果画面SC2を見ることで点呼画面SC1に表示された内容も見ることができる。
【0114】
領域AR210は、一例として、領域AR211~領域AR215並びに終了ボタンB21を含む。領域AR210は、移動可能であっても良い。
領域AR211は、例えば、受信された結果情報に含まれる総合疲れ度を表示する領域である。
領域AR212は、例えば、受信された結果情報に含まれる肉体疲れ度を表示する領域である。
領域AR213は、例えば、受信された結果情報に含まれる精神疲れ度を表示する領域である。
領域AR214は、例えば、受信された結果情報に含まれる事故リスク度を表示する領域である。
【0115】
領域AR215は、例えば、受信された結果情報に含まれるメッセージを表示する領域である。
終了ボタンB21は、結果画面SC2の表示を終了する場合に操作者が操作するためのボタンである。
【0116】
ステップST23においてプロセッサー210は、結果画面SC2の表示を終了する操作が行われるのを待ち受ける。すなわちプロセッサー210は、終了ボタンB21を操作するなどの予め定められた操作が行われるのを待ち受ける。プロセッサー210は、結果画面SC2の表示を終了する操作が行われたならば、ステップST23においてYesと判定してステップST11へと戻る。あるいは、プロセッサー210は、ステップST13へと戻っても良い。
【0117】
実施形態の運行管理システム1によれば、サーバー装置100は、デジタコ情報、配車情報及び出退勤情報などの、運転の履歴についての情報を用いて運転手の疲れ度合を求める。運行管理者などは、疲れ度を確認することで、運転手がどの程度疲れているかを推測することができる。このため、運行管理者などは、点呼対象の運転手に対して、疲れ度に応じて運転手の運転をとりやめさせたり、休息をよくとるようになどの助言をしたりすることができる。また、疲れ度を用いることで、通常の点呼ではわかりにくい疲労又は分からない疲労も発見することが可能であると考えられる。また、これにより事故の発生を未然に防ぐことができると考えられる。以上より、実施形態のサーバー装置100は、疲れ度を求めることで点呼をより効果的なものとすることができる。
【0118】
また、実施形態の運行管理システム1によれば、サーバー装置100は、精神的な疲れ度合を求める。これにより、通常の点呼ではわかりにくい精神的な疲労も発見しやすくなると考えられる。
【0119】
また、実施形態の運行管理システム1によれば、サーバー装置100は、運転手の身体測定値及び健康情報の少なくともいずれかなどを用いて疲れ度を求める。これにより、サーバー装置100は、より正確に疲れ度を求めることができる。
【0120】
また、実施形態の運行管理システム1によれば、サーバー装置100は、機械学習の結果を用いて疲れ度を求める。これにより、サーバー装置100は、より正確に疲れ度を求めることができる。
【0121】
また、実施形態の運行管理システム1によれば、サーバー装置100は、運転の履歴についての情報を用いて運転手などに通知するメッセージの内容を決定する。これにより、実施形態のサーバー装置100は、運行管理者などが運転手に対して注意事項などを伝えることを防ぐことができる。また、実施形態のサーバー装置100は、人間では見落とされるような内容又は見つけられないような内容を、運転手などに通知するメッセージの内容として決定することができる。これにより、実施形態のサーバー装置100は、運転手などの事故の発生をおさえることなどが可能である。
【0122】
また、実施形態の運行管理システム1によれば、サーバー装置100は、事故の発生リスクを示す事故リスク度を求める。事故リスク度は、事故の発生を未然に防ぐために利用可能であると考えられる。
【0123】
上記の実施形態は、以下のような変形も可能である。
上記の実施形態では、プロセッサー210は、表示デバイス270に点呼画面SC1及び結果画面SC2を表示させることなどによって情報を報知した。しかしながら、プロセッサー210は、表示させる外の方法で情報を報知しても良い。例えば、プロセッサー210は、スピーカー280から点呼画面SC1及び結果画面SC2に表示されるのと同様の内容の音声を出力することで情報を報知する。
【0124】
点呼対象の運転手は、自動車以外の機械の運転手であっても良い。自動車以外の機械は、例えば、鉄道車両、航空機、船舶及び宇宙機などである。運転手が運転する機械は、有人機に限らない。遠隔操縦による無人機であっても良い。
また、点呼対象者は、運転手ではなくても良い。
【0125】
サーバー装置100は、上記の実施形態において端末装置200が実行する処理の一部又は全部を実行しても良い。
端末装置200は、上記の実施形態においてサーバー装置100が実行する処理の一部又は全部を実行しても良い。
【0126】
運行管理システム1は、サーバー装置100又は端末装置200のいずれかだけを含んでも良い。この場合、サーバー装置100又は端末装置200のいずれかが、上記の実施形態においてサーバー装置100が実行する処理及び端末装置200が実行する処理を実行する。
【0127】
プロセッサー110又はプロセッサー210は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0128】
実施形態の処理を実現するプログラムは、例えば装置に記憶された状態で譲渡される。しかしながら、当該装置は、当該プログラムが記憶されない状態で譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に譲渡され、当該装置へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、リムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはインターネット又はLANなどのネットワークを介したダウンロードによって実現できる。
【0129】
以上、本発明の実施形態を説明したが、例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施可能である。
【符号の説明】
【0130】
1 運行管理システム
100 サーバー装置
110,210 プロセッサー
120,220 ROM
130,230 RAM
140,240 補助記憶装置
141 運行管理DB
150,250 通信インターフェース
160,290 バス
200 端末装置
260 入力デバイス
270 表示デバイス
280 スピーカー
図1
図2
図3
図4
図5