(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056770
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】自動車用サイドバイザー
(51)【国際特許分類】
B60J 3/00 20060101AFI20230413BHJP
【FI】
B60J3/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166176
(22)【出願日】2021-10-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】502402331
【氏名又は名称】株式会社 イーサム
(74)【代理人】
【識別番号】100085372
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 正義
(72)【発明者】
【氏名】三島木 和晴
(72)【発明者】
【氏名】三島木 達也
(72)【発明者】
【氏名】三島木 将也
(57)【要約】
【課題】窓ガラスの昇降時に接触音を発生せず、またサイドバイザーの下縁部に立設されたフィンが巻き込まれるおそれがなく、走行中、窓ガラスを少し下降させたときに車内の空気を車外に排出するとともに、車外からの空気の侵入を防いで、スムーズな車内換気を行う自動車用サイドバイザーを提供する。
【解決手段】自動車のサイドドアのドア窓を閉止する窓ガラスの表面に対向する自動車用サイドバイザーである。サイドバイザーの下縁部における窓ガラスの表面に対向する対向面に、この下縁部に沿って、自動車の進行方向に互いに間隔をあけて、かつフィン先端部部が窓ガラスの表面に非接触で接近して、複数のフィンが立設される。サイドバイザーと複数のフィンがプラスチックにより一体的に形成され、複数のフィンのそれぞれが、互いに平行であってかつ湾曲した板状に形成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のサイドドアのドア窓を閉止する窓ガラスの表面に対向する自動車用サイドバイザーにおいて、
前記サイドバイザーの下縁部における前記窓ガラスの表面に対向する対向面に、前記下縁部に沿って、前記自動車の進行方向に互いに間隔をあけて、かつフィン先端部部が前記窓ガラスの表面に非接触で接近して、複数のフィンが立設され、
前記サイドバイザーと前記複数のフィンがプラスチックにより一体的に形成され、
前記複数のフィンのそれぞれが、互いに平行であってかつ湾曲した板状に形成されたことを特徴とする自動車用サイドバイザー。
【請求項2】
前記サイドバイザーが前記ドア窓の外側上部に取付けられるアウトサイドバイザーであって、前記複数のフィンのそれぞれが、フィン上端部がフィン下端部よりも前方に位置しかつ湾曲した凹板状に形成された請求項1記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項3】
前記フィン先端部部と前記窓ガラスの表面との間隔(p1)が1mm~3mmの範囲にある請求項2記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項4】
前記フィン下端部から前記フィン上端部までの鉛直方向の高さ(h1)が5mm~15mmであり、前記窓ガラスの表面に対向する対向面に立設される前記フィンの幅(w1)が3mm~25mmの範囲にあり、前記フィンの厚さ(t1)が0.5mm~1.5mmの範囲にあり、前記複数のフィンの間隔(d1)が5mm~15mmの範囲にあり、前記フィンの傾斜角度(θ1)が30度~45度の範囲にある請求項2又は3記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項5】
,
前記サイドバイザーが前記ドア窓の内側上部に取付けられるインサイドバイザーであって、前記複数のフィンのそれぞれが、フィン上端部がフィン下端部よりも後方に位置しかつ湾曲した凸板状に形成された請求項1記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項6】
前記フィン先端部部と前記窓ガラスの表面との間隔(p2)が1mm~3mmの範囲にある請求項5記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項7】
前記フィン下端部から前記フィン上端部までの鉛直方向の高さ(h2)が5mm~15mmであり、前記窓ガラスの表面に対向する対向面に立設される前記フィンの幅(w2)が3mm~25mmの範囲にあり、前記フィンの厚さ(t2)が0.5mm~1.5mmの範囲にあり、前記複数のフィンの間隔(d2)が5mm~15mmの範囲にあり、前記フィンの傾斜角度(θ2)が30度~45度の範囲にある請求項5又は6記載の自動車用サイドバイザー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャブオーバ型自動車又はボンネット型自動車のサイドドアの窓枠に取付けられ、車内の換気に適した自動車用サイドバイザーに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、窓ガラスを閉止した状態で、自動車を走行すると、ダッシュボードなどに形成された給気口から取り入れた車外の空気は自動車の後部に設けられた換気口を通って車外に排出される。
【0003】
近年、感染症(例えば、新型のコロナウイルス肺炎COVID-19、重症急性呼吸器症候群SARSなど)の流行により、車内の換気をより積極的に行うことが求められているが、走行中、既存の自動車の換気口だけでは、車内の換気を十分に行うことが困難であった。
【0004】
図20に示すように、ボンネット型自動車の場合、走行中、ボンネット上を流れる気流の大半は、
図20の矢印aで示すように、フロントガラス上を真っ直ぐに駆け上がって後方へと流れる。一方、ボンネット上を流れる気流の一部は、
図20の矢印bで示すように、ボンネットの両側部からフロントガラスの両側部に流れ、フロントガラス両側の湾曲面で両側方に案内される。即ち、フロントピラー1を迂回して、自動車の側面へと流れる。このとき、この自動車の側面に流れる気流bにより、フロントピラー1の直ぐ後ろに負圧域Sが形成される。
【0005】
上記課題を解決するために、走行中、自動車のサイドドアの窓ガラスを少し下降させて、自然換気が図る試みがなされる。しかし、
図21に示すように、フロントピラー1に沿って前下がりに傾斜した窓枠3の前枠を覆う第1サイドバイザー4aと窓枠3の略水平な上枠を覆う第2サイドバイザー4bとが連続したフロントドア用サイドバイザー4をフロントドア5に装着した場合で、車内の自然換気を行うために、フロントドア5の窓ガラス5aを少し下降させて走行すると、第1サイドバイザー4aは、その前面に気流bの抵抗を強く受けて、裏面側に負圧が生じる。これにより、窓ガラス5aの隙間から車内空気cが車外に吸い出される。これに対して、第2サイドバイザー4bでは、第2サイドバイザー4bが気流bと平行になっているため、第2サイドバイザー4bの裏面側に負圧が生じない。そのため、窓の隙間から(窓ガラス5aの上端を越えて)車外の気流dが車内に侵入して車内で渦巻き、車内の空気を的確に換気することができない。
【0006】
リアドア6にリアドア用サイドバイザー7を挿着した場合で、リアドア6の窓ガラス6aを少し下降させて走行したときには、リアドア6には、フロントドア5と異なり、負圧を発生する要素がないため、車外からの気流eが車内に侵入して車内で渦巻く。車外からの気流eの車内への侵入度合いはフロントドア5における車外からの気流dの侵入度合いよりも激しくなる。その結果、リアドア6内の車内の空気は、フロントドア5内の車内の空気よりもより一層換気されない。
【0007】
このため、サイドバイザー4及び7をフロントドア5及びリアドア6に装着していても、或いは装着しなくても、感染症を予防するため或いは喫煙者の煙草の煙などを排出するために、窓ガラスを少し下げて走行した場合には、車外からの空気の侵入があり、これにより、車内の空気が渦巻いて、車内の空気がスムーズに車外に吸い出されず、効率良く換気を行うことができなかった。
【0008】
これまで、風切り音を殆ど発生させずに、車内空気を通孔から速やかに排出して車内の換気を効率良く行うことができるとともに、通孔から車外に排出された車内の空気が再び車内に侵入するのを防止する、自動車用サイドバイザーが開示されている(特許文献1(請求項1、請求項3、段落[0011]、
図1~
図6)参照。)。添付する
図16及び
図17に示すように、この特許文献1に示されるサイドバイザー111は、サイドドア113に取付けられ、第1サイドバイザー121と第2サイドバイザー122と第3サイドバイザー123とにより構成される。サイドドア113の上部には窓枠113aにより区画されるドア窓113bが形成され、ドア窓113bは窓ガラス113cが昇降することにより開閉される。サイドバイザー111は、窓枠113aの前枠部113d、上枠部113e及び後枠部113fに
図17に示す両面粘着テープ114により取付けられる。
【0009】
第1サイドバイザー121は、ドア窓113bの前部から上部にかけて覆うとともに車幅方向外方に膨出しかつ下面が開放されて構成される。第2サイドバイザー122は、ドア窓113bの上部のうち第1サイドバイザー121より下方を覆うとともにドア窓113bを開放可能に閉止する窓ガラス113cより外方であって第1サイドバイザー121の下縁端部より車幅方向内側に位置し後端から前端に向うに従って次第に窓ガラス113cに近付きかつ下縁端部が窓ガラス113cの外面に接近して設けられる。第3サイドバイザー123は、第1サイドバイザー121の下縁端部のうちドア窓113bの上部に位置する部分と第2サイドバイザー122の上縁端部とを一体的に接続することによりドア窓113bの上部の第1及び第2サイドバイザー121,122の間を覆い上方に突出するように湾曲するとともに前端から後端に向うに従って斜め上方に延びかつ車幅方向で第2サイドバイザー122の上縁端部から第1サイドバイザー121の下縁端部に向うに従って斜め上方に延びて設けられる。この第3サイドバイザー123の前部には、単一又は複数の通孔123a,123bが設けられる。
【0010】
特許文献1に示されるサイドバイザー111は、添付する
図17に示すように、第2サイドバイザー122の下縁端部に沿ってゴム製のモールディング116が接着剤により取付けられ、このモールディング116の先端が窓ガラス113cの外面に更に接近するように構成される。具体的には、添付する
図18及び
図19に示すように、モールディング116は、帯状ブレード116aと、この帯状ブレード116aの長手方向の一側縁にその側縁のほぼ全長に亘って帯状ブレード面に立設され第2サイドバイザー122の下縁端部122aの端面に当接するための帯状当接片116bとが一体的に形成される。そして帯状当接片116bの第2サイドバイザー122の下縁端部側の面に図示しない接着剤を充填した後で第2サイドバイザー122の下縁端部122aに帯状当接片116bを当接しこの接着剤を硬化させることにより、モールディング116を取付けていた。このモールディング116では、
図17に示すように、帯状ブレード116aの先端が窓ガラス113cの外面に僅かな隙間を有して接近するように構成される。
【0011】
一方、窓ガラスを少し下げて走行する際、窓枠の上枠部分周辺における風の巻込みを抑制することにより、車内に、ダッシュボード等に形成された給気口から窓の隙間に向かう安定した気流を生じさせ、車内の自然換気を良好に行わせるようにした自動車用インサイドバイザーが開示されている(例えば、特許文献2(請求項1~3、段落[0007]、
図8)参照。)。
【0012】
特許文献2に示される自動車用インサイドバイザーは、窓枠の窓ガラスよりも車内側の面に装着され、窓枠における上枠部分および後枠部分の内面と対向する止着用耳部と、この止着用耳部から外側に折れ曲がった屈曲板部と、この屈曲板部の外端から窓ガラス内面に沿わせて連設された垂下板部とを備える。そして垂下板部の下縁が窓ガラス内面に接近して配置され、垂下板部の下縁に窓ガラス内面に摺接するシール材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2011-189831号公報
【特許文献2】特開2001-328427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1に示されるサイドバイザー111は、第3サイドバイザー123の前部に設けられた複数の通孔123a,123bと、先端が窓ガラス113cの外面に接近する帯状ブレード116aを有するモールディング116とを備えることにより、車外の気流の車内への侵入をある程度は防止する効果はあるものの、モールディング116の帯状ブレード116aの先端が窓ガラス113cの外面に接しておらず、しかも先端が窓ガラス113cの外面に対して線状にほぼ真っ直ぐ自動車の進行方向に延びているだけであるため、窓ガラス113cを少し下降させて走行したときには、このモールディング116の帯状ブレード116aの先端と窓ガラス113cの外面との隙間から、矢印m及びnに示すように、車外の気流が車内に依然として侵入し、車内の空気が渦巻いて、車内の空気がスムーズに車外に吸い出されず、効率良く換気を行うことができなかった。
【0015】
この課題を解消するために、このモールディング116の帯状ブレード116aの先端を窓ガラス113cの外面に接触するように、サイドバイザーの構成を変更して、特許文献2に示されるインサイドバイザーの垂下板部の下縁に設けたシール材のように、シール材の先端を窓ガラス内面に摺接した場合には、窓ガラスの昇降時に、接触音が発生したり、或いはモールディングの帯状ブレード又はシール材の先端が窓ガラスに巻き込まれるため、まだ解決すべき課題があった。また特許文献1に示される自動車用サイドバイザー又は特許文献2に示される自動車用インサイドバイザーでは、モールディング又はシール材をバイザー本体の下縁部に取付ける作業を要していた。
【0016】
本発明の目的は、窓ガラスの昇降時に接触音を発生せず、またサイドバイザーの下縁部に立設されたフィンが巻き込まれるおそれがなく、走行中、窓ガラスを少し下降させたときに車内の空気を車外に排出するとともに、車外からの空気の侵入を防いで、スムーズな車内換気を行う自動車用サイドバイザーを提供することにある。本発明の別の目的は、モールディング又はシール材をサイドバイザーの下縁部に取付ける作業を要しない自動車用サイドバイザーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の観点は、
図1~
図15に示すように、自動車13のサイドドア14,15のドア窓14b,15bを閉止する窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する自動車用サイドバイザー11,12,31,32において、サイドバイザー11,12,31,32の下縁部11d,12d,31d,32dにおける窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する対向面11e,12eに、下縁部11d,12d,31d,32dに沿って、自動車13の進行方向に互いに間隔をあけて、かつフィン先端部20a,40aが非接触で窓ガラス14c,15cの表面に接近して、複数のフィン20,40が立設され、サイドバイザー11,12,31,32と複数のフィン20,40がプラスチックにより一体的に形成され、複数のフィン20,40のそれぞれが、互いに平行であってかつ湾曲した板状に形成されたことを特徴とする。
【0018】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、
図1~
図10に示すように、サイドバイザー11,12がドア窓14b,15bの外側上部に取付けられるアウトサイドバイザーであって、複数のフィン20,20,…のそれぞれが、フィン上端部20bがフィン下端部20cよりも前方に位置しかつ湾曲した凹板状に形成されたことを特徴とする。
【0019】
本発明の第3の観点は、第2の観点に基づく発明であって、
図9に示すように、フィン先端部20aと窓ガラス14c,15cの表面14g,15gとの間隔(p
1)が1mm~3mmの範囲にあることを特徴とする。
【0020】
本発明の第4の観点は、第2又は第3の観点に基づく発明であって、
図1に示すように、フィン下端部20cからフィン上端部20bまでの鉛直方向の高さ(h
1)が5mm~15mmであり、窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する対向面に立設されるフィン20の幅(w
1)が3mm~25mmの範囲にあり、フィン20の厚さ(t
1)がは0.5mm~1.5mmの範囲にあり、複数のフィン20,20,…の間隔(d
1)が5mm~15mmの範囲にあり、フィン20の傾斜角度(θ
1)が30度~45度の範囲にあることを特徴とする。
【0021】
本発明の第5の観点は、第1の観点に基づく発明であって、
図11~
図15に示すように、サイドバイザー31,32がドア窓14b、15bの内側上部に取付けられるインサイドバイザーであって、複数のフィン40,40,…のそれぞれが、フィン上端部40bがフィン下端部40cよりも後方に位置しかつ湾曲した凸板状に形成されたことを特徴とする。
【0022】
本発明の第6の観点は、第5の観点に基づく発明であって、
図14及び
図15に示すように、フィン先端部40aと窓ガラス14c,15cの表面14g,15gとの間隔(p
2)が1mm~3mmの範囲にあることを特徴とする。
【0023】
本発明の第7の観点は、第5又は第6の観点に基づく発明であって、
図11に示すように、フィン下端部40cからフィン上端部40bまでの鉛直方向の高さ(h
2)が5mm~15mmであり、窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する対向面31e,32eに立設されるフィン40の幅(w
2)が3mm~25mmの範囲にあり、フィン40の厚さ(t
2)がは0.5mm~1.5mmの範囲にあり、複数のフィン40,40,…の間隔(d
2)が5mm~15mmの範囲にあり、フィン40の傾斜角度(θ
2)が30度~45度の範囲にあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
図1~
図4、
図6、
図8~
図15に示すように、本発明の第1の観点のサイドバイザー11,12,31,32が自動車13のサイドドア14,15に装着されたときに、サイドバイザー11,12,31,32の下縁部11d、12d、31d、32dにおける窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する対向面11e,12eに、下縁部11d,12d,31d,32dに沿って、自動車13の進行方向に互いに間隔をあけて、かつフィン先端部20a,40aが非接触で窓ガラス14c,15cの表面に接近して、複数のフィン20,40が立設されるため、また複数のフィン20,40のそれぞれが、互いに平行であってかつ湾曲した板状に形成されているため、ドア窓14b、15bを閉止した窓ガラス14c、15cを窓ガラスの上縁部が複数のフィン20,40と重合する位置、又は複数のフィン20,40より高い位置まで下降させた状態で、自動車13を走行すると、車内から吸引された空気(以下、内気という。)を複数のフィン20,40が車外に導出案内し、この内気を車外の空気(以下、外気という。)に変える。またサイドドア14,15の外面に沿って流れる外気は複数のフィン20,40により車内に侵入することが阻止される。
【0025】
この結果、スムーズに車内の自然換気を行うことができる。またフィン先端部20a、40aが非接触で窓ガラス14c、15cの表面14g,15gに接近するため、窓ガラスの昇降時に接触音を発生せず、また巻き込まれるおそれがない。更にサイドバイザー11,12,31,32と複数のフィン20,40がプラスチックにより一体的に形成されるため、特許文献1及び2に示されるようなモールディング又はシール材をサイドバイザーの下縁部に取付ける作業を要しない。またフィン20,40が堅牢になる。
【0026】
本発明の第2の観点のサイドバイザー11,12は、アウトサイドバイザーであって、複数のフィン20,20,…のそれぞれを、フィン上端部20bがフィン下端部20cよりも前方に位置しかつ湾曲した凹板状に形成することにより、自動車13の走行時における吸引された内気の複数のフィン20,20,…による車外への導出案内効果と、車外の空気(外気)の車内への侵入防止効果を高めることができる。
【0027】
本発明の第3の観点のサイドバイザー11,12では、フィン先端部20aと窓ガラス14c,15cの表面14g,15gとの間隔(p1)が1mm~3mmの範囲にあるため、昇降時の窓ガラス14c,15cの振れによりフィン先端部20aが窓ガラス14c,15cに接触するおそれがなく、また窓ガラス14c,15cとの接触による異音を発する等のおそれがない。
【0028】
本発明の第4の観点のサイドバイザー11,12では、フィン下端部20cからフィン上端部20bまでの鉛直方向の高さ(h1)が5mm~15mmであり、フィン20の幅(w1)が3mm~25mmの範囲にあり、フィン20の厚さ(t1)がは0.5mm~1.5mmの範囲にあり、複数のフィン20,20,…の間隔(d1)が5mm~15mmの範囲にあり、フィン20の傾斜角度(θ1)が30度~45度の範囲にあるため、自動車13の走行時における吸引された内気のフィン20による車外への導出案内効果と、外気の車内への侵入防止効果をより一層高めることができる。
【0029】
本発明の第5の観点のサイドバイザー31,32は、インサイドバイザーであって、複数のフィン40,40,…のそれぞれを、フィン上端部40bがフィン下端部40cよりも後方に位置しかつ湾曲した凸板状に形成することにより、自動車13の走行時における吸引された内気の複数のフィン40,40,…による車外への導出案内効果と、車外の空気(外気)の車内への侵入防止効果を高めることができる。
【0030】
本発明の第6の観点のサイドバイザー31,32では、フィン先端部40aと窓ガラス14c,15cの表面14g,15gとの間隔(p2)が1mm~3mmの範囲にあるため、昇降時の窓ガラス14c,15cの振れによりフィン先端部40aが窓ガラス14c,15cに接触するおそれがなく、また窓ガラス14c,15cとの接触による異音を発する等のおそれがない。
【0031】
本発明の第7の観点のサイドバイザー31,32では、フィン下端部40cからフィン上端部40bまでの鉛直方向の高さ(h2)が5mm~15mmであり、窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する対向面31e,32eに立設されるフィン40の幅(w2)が3mm~25mmの範囲にあり、フィン40の厚さ(t2)がは0.5mm~1.5mmの範囲にあり、複数のフィン40,40,…の間隔(d2)が5mm~15mmの範囲にあり、フィン40の傾斜角度(θ2)が30度~45度の範囲にあるため、自動車13の走行時における吸引された内気のフィン40による車外への導出案内効果と、外気の車内への侵入防止効果をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の第1実施形態のアウトサイドバイザーの下縁部に設けられた複数のフィンを示す要部斜視図である。
【
図2】
図1に示す複数のフィンによる空気の流れを示す要部斜視図である。
【
図3】
図3(a)はアウトサイドバイザーを取付けたボンネット型自動車の左側面を車外側から見た要部模式図である。
図3(b)は
図3(a)のE-E線断面図である。
【
図4】
図3(a)のボンネット型自動車の左側面を車内側から見た要部模式図である。
【
図9】
図6及び
図8の各X部のフィンの立設箇所を拡大した断面図である。
【
図10】別のフィンの立設箇所を拡大した断面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態のインサイドバイザーの下縁部に設けられた複数のフィンを示す要部斜視図である。
【
図12】
図11に示す複数のフィンによる空気の流れを示す要部斜視図である。
【
図13】
図13(a)はインサイドバイザーを取付けたボンネット型自動車の左側面を車外側から見た要部模式図である。
図13(b)は
図13(a)のH-H線断面図である。
【
図16】従来のアウトサイドバイザーを取付けたトラック(キャブオーバ型自動車)のサイドドアの要部側面図である。
【
図18】
図17に示すアウトサイドバイザーにモールディングを取付ける状況を示す要部斜視図である。
【
図19】
図18に示すモールディングをアウトサイドバイザーに取付けた状況を示す要部斜視図である。
【
図20】従来のサイドバイザーを取付けないボンネット型自動車の概略平面図である。
【
図21】従来のサイドバイザーを取付けたボンネット型自動車の要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。最初にアウトサイドバイザーに関する第1の実施形態を説明し、次にインサイドバイザーに関する第2の実施形態を説明する。
【0034】
<第1の実施形態>
〔第1及び第2アウトサイドバイザー〕
図3及び
図4に示すように、第1の実施形態の第1アウトサイドバイザー11及び第2アウトサイドバイザー12は、ボンネット型自動車13のフロントサイドドア14及びリアサイドドア15にそれぞれ取付けられる。自動車13のフロントサイドドア14及びリアサイドドア15は左右対称であるため、そこに取付けられる第1アウトサイドバイザー11及び第2アウトサイドバイザー12も左右対称である。そのため自動車進行方向左側のフロントサイドドア14及びリアサイドドア15にそれぞれ取付けられた第1アウトサイドバイザー11及び第2アウトサイドバイザー12を代表して説明し、図示しない自動車進行方向右側のフロントサイドドア及びリアサイドドアにそれぞれ取付けられた第1アウトサイドバイザー及び第2アウトサイドバイザーの説明を省略する。
【0035】
〔第1アウトサイドバイザー〕
先ず、フロントサイドドア14に取付けられる第1アウトサイドバイザー11について説明する。
図3~
図6に示すように、フロントサイドドア14の上部には窓枠14aにより区画されるドア窓14bが形成され、このドア窓14bは窓ガラス14cが昇降することにより開閉される。窓枠14aは、後方に傾斜する前枠部14dと、自動車13の進行方向に延びる上枠部14eと、フロントサイドドア14の後側に略鉛直方向に起立する後枠部14fとを有する。また窓ガラス14cが上昇することによりドア窓14bが窓ガラス14cにより閉止され、窓ガラス14cが下降することによりドア窓14bが開放されるように構成される。
【0036】
第1アウトサイドバイザー11は窓枠14aの前枠部14d、上枠部14e及び後枠部14fに両面テープ16(
図4、
図5、
図6)等により取付けられ、ドア窓14bの前部及び上部を外方から覆うように構成される(
図3、
図4)。第1アウトサイドバイザー11は、ドア窓14bの前部を覆う前方のバイザー11aと、ドア窓14bの上部を覆う後方のバイザー11bとを有する(
図3、
図4)。前方のバイザー11a及び後方のバイザー11bは、透明プラスチック、半透明プラスチック又は不透明プラスチックの射出成型により一体的に形成される。このプラスチックとしては、アクリル、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、ポリプロピレン等が例示される。
【0037】
第1アウトサイドバイザー11のうち前方のバイザー11aは、車幅方向外方に膨出し、その下縁部11cが窓ガラス14cの表面から開放されるように形成される(
図3(b)、
図5)。また第1アウトサイドバイザー11のうち後方のバイザー11bは、ドア窓14bを閉止した窓ガラス14cより外方であって、その下縁部11dが窓ガラス14cの表面14gの近くに延びかつ窓ガラス14cの上縁部に相応する形状に形成される(
図3(a)、
図3(b)、
図6)。第1の実施形態では、窓ガラス14cの上縁部は水平であるため、後方のバイザー11bの下縁部11dも水平に形成される。
【0038】
〔後方のバイザーの下縁部に立設される複数のフィン〕
図1、
図2及び
図6に示すように、この第1アウトサイドバイザー11の後方のバイザー11bの下縁部11dにおける窓ガラス14cの表面14gに対向する対向面11eには、この下縁部11dに沿って、複数のフィン20,20,…が立設される。具体的には、複数のフィン20,20,…は、後方のバイザー11bの下縁部11dの長手方向のほぼ全長に亘ってバイザー下縁部11dに立設される。
【0039】
前方のバイザー11a及び後方のバイザー11bが射出成型により一体的に形成される際に、
図1及び
図2に示すように、複数のフィン20,20,…は後方のバイザー11bとプラスチックにより一体的に形成される。この第1の実施形態では前方のバイザー11a、後方のバイザー11b及び複数のフィン20,20,…はアクリル樹脂の成形体である。
【0040】
図1、
図2、
図6及び
図9に示すように、複数のフィン20,20,…は、窓ガラス14cの表面14gに対向する後方のバイザー11bの下縁部11dの対向面11eに、自動車の進行方向に互いに間隔をあけてかつフィン先端部20aが非接触で窓ガラス14cの表面14gに接近して立設される。
図9に示すように、フィン先端部20aと窓ガラス14cの表面14gとの間隔p
1は1mm~3mmの範囲にあることが好ましい。この下限値未満では、窓ガラス14cの昇降時の窓ガラス14cの振れによりフィン先端部20aが窓ガラス14cに接触して異音を発する等のおそれがあり、上限値を超えると車外の空気が車に侵入するおそれがある。
【0041】
図1に示すように、複数のフィン20,20,…のそれぞれが互いに平行であってかつ湾曲した板状に形成される。この第1の実施形態では、複数のフィン20,20,…のそれぞれが、フィン上端部20bがフィン下端部20cよりも前方に位置しかつ湾曲した凹板状に形成される。フィン下端部20cの下面は後方のバイザー11bの下縁部11dの下端面に一致する(
図1)。フィン下端部20cからフィン上端部20bまでの鉛直方向の高さh
1は5mm~15mmであることが好ましく、フィン20の幅w
1は3mm~25mmの範囲にあることが好ましく、フィン20の厚さt
1は0.5mm~1.5mmの範囲にあることが好ましい。また複数のフィン20,20,…の間隔d
1は5mm~15mmの範囲にあることが好ましく、フィン20の傾斜角度θ
1は30度~45度の範囲にあることが好ましい。幅w
1、厚さt
1、間隔d
1及び傾斜角度θ
1を上記範囲内にそれぞれ設定すると、複数のフィン20,20,…による外気の車内への侵入防止効果をより一層高めることができ、好ましい。しかし、第1の実施形態のフィン下端部20cからフィン上端部20bまでの鉛直方向の高さh
1、フィンの幅w
1、フィンの厚さt
1、フィンの間隔d
1及びフィンの傾斜角度θ
1の上記各範囲は好ましい範囲であって、本発明は上記範囲に限るものではない。
【0042】
〔第2アウトサイドバイザー〕
次に、リアサイドドア15に取付けられる第2アウトサイドバイザー12について説明する。
図3、
図4、
図7、
図8に示すように、リアサイドドア15の上部には窓枠15aにより区画されるドア窓15bが形成され、このドア窓15bは窓ガラス15cが昇降することにより開閉される。窓枠15aは、フロントサイドドア14の後側に略鉛直方向に起立する前枠部15dと、自動車13の進行方向に延びる上枠部15eと、略鉛直方向に起立する後枠部15fとを有する。また窓ガラス15cが上昇することによりドア窓15bが窓ガラス15cにより閉止され、窓ガラス15cが下降することによりドア窓15bが開放されるように構成される。
【0043】
第2アウトサイドバイザー12は窓枠15aの前枠部15d、上枠部15e及び後枠部15fに両面テープ17(
図4、
図7、
図8)等により取付けられ、ドア窓15bの上部を窓ガラス15cの外方から覆うように構成される(
図3,
図4)。第2アウトサイドバイザー12は、ドア窓15bの前部を覆う前方のバイザー12aと、ドア窓15bの上部を覆う後方のバイザー12bとを有する(
図3,
図4)。前方のバイザー12a及び後方のバイザー12bは、第1アウトサイドバイザーと同様に、透明プラスチック、半透明プラスチック又は不透明プラスチックの射出成型により一体的に形成される。
【0044】
第2アウトサイドバイザー12のうち前方のバイザー12aは、車幅方向外方に膨出し、その下縁部12cが窓ガラス15cの表面から開放されるように形成される(
図3(b)、
図7)。また第2アウトサイドバイザー12のうち後方のバイザー12bは、ドア窓15bを閉止した窓ガラス15cより外方であって、その下縁端部12dが窓ガラス15cの表面近くに延びかつ窓ガラス15cの上縁部に相応する形状に形成される(
図3、
図8)。
【0045】
〔後方のバイザーの下縁部に立設される複数のフィン〕
図8に示すように、この第2アウトサイドバイザー12の後方のバイザー12bの下縁部12dにおける窓ガラス15cの表面15gに対向する対向面12eには、この下縁部12dに沿って、複数のフィン20,20,…が立設される。具体的には、複数のフィン20,20,…は、第1アウトサイドバイザー11の後方のバイザー11bの下縁部11dに立設される複数のフィンと同一構成を有するため、繰り返しの説明を省略する。
【0046】
図9は、第1アウトサイドバイザー11のうち、後方のバイザー11bの下縁部11d及び第2アウトサイドバイザー12のうち、後方のバイザー12bの下縁部12dにフィン20が立設された状況を示す
図6及び
図8のX部拡大断面図である。
図9に示すように、下縁部11d又は12dは窓ガラス14c又は15cに対してほぼ平行に配置され、これによりフィン20のフィン先端部22aと窓ガラス14c又は15cは、所定の間隔p
1をあけて互いに平行に配置される。しかし、下縁端部11d又は12dが窓ガラス14c又は15cに対して、
図10に示すように、下縁端部11d又は12dが窓ガラス14c又は15cに平行でない場合でも、フィン20の形状を変形して、フィン20のフィン先端部22aと窓ガラス14c又は15cの表面14g,15gが、所定の間隔p
1をあけて互いに平行になるように、フィン20を後方のバイザー11b又は12bの下縁部11d又は12dに立設することができる。
【0047】
〔フィンによる外気の車内への侵入防止効果〕
このように構成されたボンネット型自動車13のフロントサイドドア14及びリアサイドドア15にそれぞれ取付けられた第1アウトサイドバイザー11及び第2アウトサイドバイザー12の各動作を説明する。自動車13の走行中に、車内の換気を行うときには、窓ガラス14c又は15cの上縁部が第1アウトサイドバイザー11の後方のバイザー11b又は第2アウトサイドバイザー12の後方のバイザー12bの下縁部11d又は12dより僅かに上方に位置するように窓ガラス14c又は15cを下降させる、即ち下縁部11d又は12dに立設されたフィン20が窓ガラス14c又は15cの上端より僅かに下方の外面14g,15gに向って突出するように窓ガラス14c又は15cを下降させる(
図6又は
図8)。この状態では、前方のバイザー11a又は12aの下縁部11c又は12cは窓ガラス14c又は15cの表面から開放される(
図5又は
図7)。
【0048】
図3(a)に示すように、自動車13の走行により、前部から後部に外気が、フロントサイドドア14及びリアサイドドア15の各外面及び第1アウトサイドバイザー11の前方のバイザー11a又は第2アウトサイドバイザー12の前方のバイザー12aの各外面を流れる。この外気の流れは、車幅方向外方に膨出する前方のバイザー11a又は12aの各外面を通ることにより速くなり、負圧域を作り出す。この結果、車内の空気(以下、内気という。)が車内から吸い出される。内気の殆どはフロントサイドドア14及びリアサイドドア15の各外面に流れ、内気の一部は後方のバイザー11b又は12bの車内側を通過する。
【0049】
図2及び
図3に示すように、フロントサイドドア14及びリアサイドドア15の各外面を流れる外気がフィン20の下方から到来して凹板状の複数のフィン20,20,…に当たっても、複数のフィン20,20,…が湾曲した板状になっているため、特に、フィン上端部20bがフィン下端部20cよりも前方に位置しかつ湾曲した凹板状に形成されるため、サイドドア14及び15の各外面を流れる外気はフィン20の下方に追いやられる。また、後方のバイザー11b又は12bの車内側を通過した内気の一部は、フィン20とフィン20の間を通って、車外に流れる。このため、第1の実施形態のフィン20によれば、
図16に示される従来のモールディング116のように、車外の気流mが気流nとなって車内に侵入しない。この結果、車内の空気(内気)を車外に排出するとともに、車外からの空気(外気)が車内に入ることを防いで、スムーズな車内換気を行うことができる。
【0050】
<第2の実施形態>
〔第1及び第2インサイドバイザー〕
図13に示すように、第2の実施形態の第1インサイドバイザー31及び第2インサイドバイザー32は、ボンネット型自動車13のフロントサイドドア14及びリアサイドドア15にそれぞれ取付けられる。自動車13のフロントサイドドア14及びリアサイドドア15は左右対称であるため、そこに取付けられる第1インサイドバイザー31及び第2インサイドバイザー32も左右対称である。そのため自動車進行方向左側のフロントサイドドア14及びリアサイドドア15にそれぞれ取付けられた第1インサイドバイザー31及び第2インサイドバイザー32を代表して説明し、図示しない自動車進行方向右側のフロントサイドドア及びリアサイドドアにそれぞれ取付けられた第1インサイドバイザー及び第2インサイドバイザーの説明を省略する。
【0051】
〔第1インサイドバイザー〕
先ず、フロントサイドドア14に取付けられる第1インサイドバイザー31について説明する。
図13に示されるフロントサイドドア14は、
図3に示したフロントサイドドア14と同一の構成であるため、繰り返しの説明を省略する。
【0052】
第1インサイドバイザー31は窓枠14aの前枠部14dの一部、上枠部14e及び後枠部14fに両面テープ18(
図13、
図14)等により取付けられ、ドア窓14bの上部を外方から覆うように構成される(
図13(a))。第1インサイドバイザー31は窓枠14aの前枠部14dの殆どの部分を覆わず、このバイザーが存在しない部分は、車内と車外が直接通じる(
図13)。第1インサイドバイザー31は、ドア窓14bの前枠部14dの一部を覆う前方のバイザー31aと、ドア窓14bの上部を覆う後方のバイザー31bとを有する(
図13)。前方のバイザー31a及び後方のバイザー31bは、第1の実施形態で説明したアウトサイドバイザー11及び12と同様に、透明プラスチック、半透明プラスチック又は不透明プラスチックの射出成型により一体的に形成される。
【0053】
前方のバイザー31aは、ドア窓14bを閉止した窓ガラス14cより内方に位置し、前枠部14d、上枠部14e及びドア窓14bに取付けられる部分を除いて、昇降する窓ガラス14cに平行な平板状に形成される(
図13(a))。また、後方のバイザー31bも、ドア窓14bを閉止した窓ガラス14cより内方に位置し、上枠部14e及びドア窓14bに取付けられる部分を除いて、昇降する窓ガラス14cに平行な平板状に形成される(
図13(b)、
図14)。後方のバイザー31bは、その下縁部31dが窓ガラス14cの表面14gの近くに延びかつ窓ガラス14cの上縁部に相応する形状に形成される(
図13(a)、
図13(b)、
図14)。第2の実施形態では、窓ガラス14cの上端部は水平であるため、下縁部31dも水平に形成される。
【0054】
〔後方のバイザーの下縁部に立設される複数のフィン〕
図14に示すように、この第1インサイドバイザー31の後方のバイザー31bの下縁部31dにおける窓ガラス14cの表面14gに対向する対向面31eには、この下縁部31dに沿って、複数のフィン40,40,…が立設される。
図11及び
図12に示すように、これらのフィン40,40,…は、第1の実施形態で説明したフィン20,20,…と同様に、後部のバイザー31と複数のフィン40,40,…とが一体的にプラスチックにより形成される。
【0055】
図11,
図12及び
図14に示すように、複数のフィン40,40,…は、窓ガラス14cの表面14gに対向する後方のバイザー31bの下縁部31dの対向面31eに、自動車の進行方向に互いに間隔をあけてかつフィン先端部40aが非接触で窓ガラス14cの表面14gに接近して立設される。
図14の拡大図に示すように、フィン先端部40aと窓ガラス14cの表面との間隔p
2は、第1の実施形態における間隔p
1(
図9)と同じ1mm~3mmの範囲にあることが好ましい。この下限値未満では、窓ガラス14cの昇降時の窓ガラス14cの振れによりフィン先端部40aが窓ガラス14cに接触して異音を発する等のおそれがあり、上限値を超えると車外の空気が車に侵入するおそれがある。
【0056】
図11に示すように、複数のフィン40,40,…のそれぞれが互いに平行であってかつ湾曲した板状に形成される。この第2の実施形態では、複数のフィン40,40,…のそれぞれが、フィン上端部40bがフィン下端部40cよりも後方に位置しかつ湾曲した凸板状に形成される。フィン下端部40cの下面は後方のバイザー31bの下縁部31dの下端面に一致する(
図11)。フィン下端部40cからフィン上端部40bまでの鉛直方向の高さh
2は5mm~15mmの範囲にあることが好ましく、フィン40の幅w
2は3mm~25mmの範囲にあることが好ましく、フィン40の厚さt
2は0.5mm~1.5mmの範囲にあることが好ましい。また複数のフィン40,40,…の間隔d
2は5mm~15mmの範囲にあることが好ましく、フィン40の傾斜角度θ
2は30度~45度の範囲にあることが好ましい。高さh
2、幅w
2、厚さt
2、間隔d
2及び傾斜角度θ
2を上記範囲内にそれぞれ設定すると、複数のフィン40,40,…による外気の車内への侵入防止効果をより一層高めることができ、好ましい。しかし、第2の実施形態のフィン下端部40cからフィン上端部40bまでの鉛直方向の高さh
2、フィンの幅w
2、フィンの厚さt
2、フィンの間隔d
2及びフィンの傾斜角度θ
2の上記各範囲は好ましい範囲であって、本発明は上記範囲に限るものではない。
【0057】
〔第2インサイドバイザー〕
次に、リアサイドドア15に取付けられる第2インサイドバイザー32について説明する。
図13、
図15に示すように、リアサイドドア15の上部には窓枠15aにより区画されるドア窓15bが形成され、このドア窓15bは窓ガラス15cが昇降することにより開閉される。窓枠15aは、フロントサイドドア14の後側に略鉛直方向に起立する前枠部15dと、自動車13の進行方向に延びる上枠部15eと、略鉛直方向に起立する後枠部15fとを有する。また窓ガラス15cが上昇することによりドア窓15bが窓ガラス15cにより閉止され、窓ガラス15cが下降することによりドア窓15bが開放されるように構成される。
【0058】
第2インサイドバイザー32は窓枠15aの上枠部15eの中央及び後半分及び後枠部15fに両面テープ19(
図13(a)、
図15)等により取付けられ、ドア窓15bの上部を窓ガラス15cの内方から覆うように構成される(
図13(a)、
図15)。窓枠15aの上枠部15eの前半分は第2インサイドバイザー32は設けられない。
【0059】
第2インサイドバイザー32は、ドア窓15bの上部の中央を覆う前方のバイザー32aと、ドア窓15bの上部の後半分を覆う後方のバイザー32bとを有する(
図13)。前方のバイザー32a及び後方のバイザー32bは、第1の実施形態で説明したアウトサイドバイザー11及び12と同様に、透明プラスチック、半透明プラスチック又は不透明プラスチックの射出成型により一体的に形成される。なお、第2の実施形態の第2インサイドバイザーは、前方のバイザー32aを有することなく、後方のバイザー32bのみのもので構成してもよい。
【0060】
第2インサイドバイザー32の前方は、バイザーが存在しないため、窓ガラス15cを下降させると、車内と車外が直接通じる(
図13)。これにより、後述するように、自動車13の走行時に、バイザーが存在しない部分から、内気が吸い出されるようになっている。
【0061】
また第2インサイドバイザー32のうち後方のバイザー32bは、ドア窓15bを閉止した窓ガラス15cより内方であって、その下縁部32dが窓ガラス15cの表面15gの近くに延びかつ窓ガラス15cの上縁部に相応する形状に形成される(
図13(a)、
図15)。
【0062】
〔後方のバイザーの下縁部に立設される複数のフィン〕
図15に示すように、この第2インサイドバイザー32の後方のバイザー32bの下縁部32dにおける窓ガラス15cの表面15gに対向する対向面32eには、この下縁部32dに沿って、複数のフィン40,40,…が立設される。これらのフィン40,40,…は、第1インサイドバイザー31の後方のバイザー31bの下縁部31dに立設されたフィンと同一構成を有するため、繰り返しの説明を省略する。
【0063】
図14及び
図15のY部分の拡大図に示すように、下縁部31d又は32dは窓ガラス14c又は15cに対してほぼ平行に配置され、これによりフィン40のフィン先端部40aと窓ガラス14c、15cは、所定の間隔p
2をあけて互いに平行に配置される。
【0064】
〔フィンによる外気の車内への侵入防止効果〕
このように構成されたボンネット型自動車13のフロントサイドドア14及びリアサイドドア15にそれぞれ取付けられた第1インサイドバイザー31及び第2インサイドバイザー32の各動作を説明する。自動車13の走行中に、車内の換気を行うときには、窓ガラス14c又は15cの上縁部が第1インサイドバイザー31の後方のバイザー31b又は第2インサイドバイザー32の後方のバイザー32bの下縁部31d又は32dより僅かに上方に位置するように窓ガラス14c又は15cを下降させる、即ち下縁部31d又は32dに立設されたフィン40が窓ガラス14c又は15cの上端より僅かに下方の内面14g,15gに向って突出するように窓ガラス14c又は15cを下降させる(
図14又は
図15)。この状態では、前方のバイザー31a又は32aの更に前方部分はバイザーが存在せずに、車内と車外が直接通じる(
図13)。
【0065】
図13(a)に示すように、自動車13の走行により、前部から後部に外気が、フロントサイドドア14及びリアサイドドア15の各外面及び第1インサイドバイザー31の前方のバイザー31aの更に前方の部分又は第2インサイドバイザー32の前方のバイザー32aの更に前方の部分に各外面を流れる。このバイザーが存在しない前方の部分に流れる外気により、車内の空気(以下、内気という。)が車内から吸い出される。内気の殆どはフロントサイドドア14及びリアサイドドア15の各外面に流れ、内気の一部は後方のバイザー31b又は32bの車内側を通過する。
【0066】
図12に示すように、フロントサイドドア14及びリアサイドドア15の各外面を流れる外気のうち、第1インサイドバイザー31又は32の各外面を流れる外気がフィン40の上方から車内に侵入しようとしても、複数のフィン40,40,…が湾曲した板状になっているため、特に、フィン上端部40bがフィン下端部40cよりも後方に位置しかつ湾曲した凸板状に形成されるため、第1インサイドバイザー31又は32の各外面を流れる外気はフィン40の上方に追いやられる。また、後方のバイザー31b又は32bより下方の車内の空気(内気)の一部は、第1インサイドバイザー31又は32の各外面を流れる外気に随伴して、フィン40とフィン40の間を通って、車外に流れる。このため、第2の実施形態のフィン40によれば、車内の空気(内気)を車外に排出するとともに、車外からの空気(外気)が車内に入ることを防いで、スムーズな車内換気を行うことができる。
【符号の説明】
【0067】
11,12 アウトサイドバイザー
11d,12d バイザーの下端部
11e,12e バイザーの下端部における窓ガラス対向面
13 ボンネット型自動車
14,15 サイドドア
14a,15a 窓枠
14b,15b ドア窓
14c,15c 窓ガラス
14g,15g 窓ガラスの表面
20,40 フィン
20a,40a フィン先端部部
20b,40b フィン上端部
20c,40c フィン下端部
31,32 インサイドバイザー
31d,32d バイザーの下端部
31e,32e バイザーの下端部における窓ガラス対向面
【手続補正書】
【提出日】2022-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のサイドドアのドア窓を閉止する窓ガラスの表面に対向する自動車用サイドバイザーにおいて、
前記サイドバイザーの下縁部における前記窓ガラスの表面に対向する対向面に、前記下縁部に沿って、前記自動車の進行方向に互いに間隔をあけて、かつフィン先端部部が前記窓ガラスの表面に非接触で接近して、複数のフィンが立設され、
前記サイドバイザーと前記複数のフィンがプラスチックにより一体的に形成され、
前記複数のフィンのそれぞれが、互いに平行な四角形の板状に形成され、
前記サイドバイザーが前記ドア窓の外側上部に取付けられるアウトサイドバイザーであって、前記複数のフィンのそれぞれが、フィン上端部がフィン下端部よりも前方に位置しかつ前記四角形の板状のフィンが前記自動車の進行方向に膨らむように湾曲して凹板状に形成されたことを特徴とする自動車用サイドバイザー。
【請求項2】
前記フィン先端部と前記窓ガラスの表面との間隔(p1)が1mm~3mmの範囲にある請求項1記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項3】
前記フィン下端部から前記フィン上端部までの鉛直方向の高さ(h1)が5mm~15mmであり、前記窓ガラスの表面に対向する対向面に立設される前記フィンの幅(w1)が3mm~25mmの範囲にあり、前記フィンの厚さ(t1)が0.5mm~1.5mmの範囲にあり、前記複数のフィンの間隔(d1)が5mm~15mmの範囲にあり、前記フィンの傾斜角度(θ1)が30度~45度の範囲にある請求項1又は2記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項4】
自動車のサイドドアのドア窓を閉止する窓ガラスの表面に対向する自動車用サイドバイザーにおいて、
前記サイドバイザーの下縁部における前記窓ガラスの表面に対向する対向面に、前記下縁部に沿って、前記自動車の進行方向に互いに間隔をあけて、かつフィン先端部部が前記窓ガラスの表面に非接触で接近して、複数のフィンが立設され、
前記サイドバイザーと前記複数のフィンがプラスチックにより一体的に形成され、
前記複数のフィンのそれぞれが、互いに平行な四角形の板状に形成され、
前記サイドバイザーが前記ドア窓の内側上部に取付けられるインサイドバイザーであって、前記複数のフィンのそれぞれが、フィン上端部がフィン下端部よりも後方に位置しかつ前記四角形の板状のフィンが前記自動車の進行方向に膨らむよう湾曲して凸板状に形成されたことを特徴とする自動車用サイドバイザー。
【請求項5】
前記フィン先端部部と前記窓ガラスの表面との間隔(p2)が1mm~3mmの範囲にある請求項4記載の自動車用サイドバイザー。
【請求項6】
前記フィン下端部から前記フィン上端部までの鉛直方向の高さ(h2)が5mm~15mmであり、前記窓ガラスの表面に対向する対向面に立設される前記フィンの幅(w2)が3mm~25mmの範囲にあり、前記フィンの厚さ(t2)が0.5mm~1.5mmの範囲にあり、前記複数のフィンの間隔(d2)が5mm~15mmの範囲にあり、前記フィンの傾斜角度(θ2)が30度~45度の範囲にある請求項4又は5記載の自動車用サイドバイザー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明の第1
及び第4の観点は、
図1~
図15に示すように、自動車13のサイドドア14,15のドア窓14b,15bを閉止する窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する自動車用サイドバイザー11,12,31,32において、サイドバイザー11,12,31,32の下縁部11d,12d,31d,32dにおける窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する対向面11e,12eに、下縁部11d,12d,31d,32dに沿って、自動車13の進行方向に互いに間隔をあけて、かつフィン先端部20a,40aが非接触で窓ガラス14c,15cの表面に接近して、複数のフィン20,40が立設され、サイドバイザー11,12,31,32と複数のフィン20,40がプラスチックにより一体的に形成され、複数のフィン20,40のそれぞれが、互いに平行
な四角形の板状に形成されたことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、本発明の第
1の観点は
、図1~
図10に示すように、サイドバイザー11,12がドア窓14b,15bの外側上部に取付けられるアウトサイドバイザーであって、複数のフィン20,20,…のそれぞれが、フィン上端部20bがフィン下端部20cよりも前方に位置しかつ
四角形の板状のフィン20が自動車13の進行方向に膨らむように湾曲して凹板状に形成されたことを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明の第
2の観点は、第
1の観点に基づく発明であって、
図9に示すように、フィン先端部20aと窓ガラス14c,15cの表面14g,15gとの間隔(p
1)が1mm~3mmの範囲にあることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本発明の第
3の観点は、第
1又は第
2の観点に基づく発明であって、
図1に示すように、フィン下端部20cからフィン上端部20bまでの鉛直方向の高さ(h
1)が5mm~15mmであり、窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する対向面に立設されるフィン20の幅(w
1)が3mm~25mmの範囲にあり、フィン20の厚さ(t
1)がは0.5mm~1.5mmの範囲にあり、複数のフィン20,20,…の間隔(d
1)が5mm~15mmの範囲にあり、フィン20の傾斜角度(θ
1)が30度~45度の範囲にあることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
また、本発明の第4の観点は
、図11~
図15に示すように、サイドバイザー31,32がドア窓14b、15bの内側上部に取付けられるインサイドバイザーであって、複数のフィン40,40,…のそれぞれが、フィン上端部40bがフィン下端部40cよりも後方に位置しかつ
四角形の板状のフィン40が自動車13の進行方向に膨らむように湾曲して凸板状に形成されたことを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明の第
5の観点は、第
4の観点に基づく発明であって、
図14及び
図15に示すように、フィン先端部40aと窓ガラス14c,15cの表面14g,15gとの間隔(p
2)が1mm~3mmの範囲にあることを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本発明の第
6の観点は、第
4又は第
5の観点に基づく発明であって、
図11に示すように、フィン下端部40cからフィン上端部40bまでの鉛直方向の高さ(h
2)が5mm~15mmであり、窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する対向面31e,32eに立設されるフィン40の幅(w
2)が3mm~25mmの範囲にあり、フィン40の厚さ(t
2)がは0.5mm~1.5mmの範囲にあり、複数のフィン40,40,…の間隔(d
2)が5mm~15mmの範囲にあり、フィン40の傾斜角度(θ
2)が30度~45度の範囲にあることを特徴とする。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
図1~
図4、
図6、
図8~
図15に示すように、本発明の第1
及び第4の観点のサイドバイザー11,12,31,32が自動車13のサイドドア14,15に装着されたときに、サイドバイザー11,12,31,32の下縁部11d、12d、31d、32dにおける窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する対向面11e,12eに、下縁部11d,12d,31d,32dに沿って、自動車13の進行方向に互いに間隔をあけて、かつフィン先端部20a,40aが非接触で窓ガラス14c,15cの表面に接近して、複数のフィン20,40が立設されるため、また複数のフィン20,40のそれぞれが、互いに平行であってかつ湾曲した板状に形成されているため、ドア窓14b、15bを閉止した窓ガラス14c、15cを窓ガラスの上縁部が複数のフィン20,40と重合する位置、又は複数のフィン20,40より高い位置まで下降させた状態で、自動車13を走行すると、車内から吸引された空気(以下、内気という。)を複数のフィン20,40が車外に導出案内し、この内気を車外の空気(以下、外気という。)に変える。またサイドドア14,15の外面に沿って流れる外気は複数のフィン20,40により車内に侵入することが阻止される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
また、本発明の第1の観点のサイドバイザー11,12は、アウトサイドバイザーであって、複数のフィン20,20,…のそれぞれを、フィン上端部20bがフィン下端部20cよりも前方に位置しかつ四角形の板状のフィン20が自動車13の進行方向に膨らむように湾曲して凹板状に形成されることにより、自動車13の走行時における吸引された内気の複数のフィン20,20,…による車外への導出案内効果と、車外の空気(外気)の車内への侵入防止効果を高めることができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
本発明の第2の観点のサイドバイザー11,12では、フィン先端部20aと窓ガラス14c,15cの表面14g,15gとの間隔(p1)が1mm~3mmの範囲にあるため、昇降時の窓ガラス14c,15cの振れによりフィン先端部20aが窓ガラス14c,15cに接触するおそれがなく、また窓ガラス14c,15cとの接触による異音を発する等のおそれがない。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
本発明の第3の観点のサイドバイザー11,12では、フィン下端部20cからフィン上端部20bまでの鉛直方向の高さ(h1)が5mm~15mmであり、フィン20の幅(w1)が3mm~25mmの範囲にあり、フィン20の厚さ(t1)がは0.5mm~1.5mmの範囲にあり、複数のフィン20,20,…の間隔(d1)が5mm~15mmの範囲にあり、フィン20の傾斜角度(θ1)が30度~45度の範囲にあるため、自動車13の走行時における吸引された内気のフィン20による車外への導出案内効果と、外気の車内への侵入防止効果をより一層高めることができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
本発明の第4の観点のサイドバイザー31,32は、インサイドバイザーであって、複数のフィン40,40,…のそれぞれを、フィン上端部40bがフィン下端部40cよりも後方に位置しかつ四角形の板状のフィン40が自動車13の進行方向に膨らむように湾曲して凸板状に形成されることにより、自動車13の走行時における吸引された内気の複数のフィン40,40,…による車外への導出案内効果と、車外の空気(外気)の車内への侵入防止効果を高めることができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
本発明の第5の観点のサイドバイザー31,32では、フィン先端部40aと窓ガラス14c,15cの表面14g,15gとの間隔(p2)が1mm~3mmの範囲にあるため、昇降時の窓ガラス14c,15cの振れによりフィン先端部40aが窓ガラス14c,15cに接触するおそれがなく、また窓ガラス14c,15cとの接触による異音を発する等のおそれがない。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
本発明の第6の観点のサイドバイザー31,32では、フィン下端部40cからフィン上端部40bまでの鉛直方向の高さ(h2)が5mm~15mmであり、窓ガラス14c,15cの表面14g,15gに対向する対向面31e,32eに立設されるフィン40の幅(w2)が3mm~25mmの範囲にあり、フィン40の厚さ(t2)がは0.5mm~1.5mmの範囲にあり、複数のフィン40,40,…の間隔(d2)が5mm~15mmの範囲にあり、フィン40の傾斜角度(θ2)が30度~45度の範囲にあるため、自動車13の走行時における吸引された内気のフィン40による車外への導出案内効果と、外気の車内への侵入防止効果をより一層高めることができる。