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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056775
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】収納箱
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20230413BHJP
   A47G 29/124 20060101ALI20230413BHJP
   A47G 29/20 20060101ALI20230413BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20230413BHJP
   E05B 49/00 20060101ALN20230413BHJP
【FI】
E05B47/00 H
E05B47/00 U
A47G29/124
A47G29/20
E05B65/00 D
E05B49/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166189
(22)【出願日】2021-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】馬渡 弘友希
(72)【発明者】
【氏名】浅井 成実
(72)【発明者】
【氏名】ムスタファ アル タミミ
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 正樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 寛和
(72)【発明者】
【氏名】今井 毅
(72)【発明者】
【氏名】山中 滉輝
【テーマコード(参考)】
2E250
3K100
【Fターム(参考)】
2E250AA18
2E250BB05
2E250BB08
2E250DD01
2E250DD02
2E250FF06
2E250FF33
2E250FF36
3K100CA45
3K100CA47
(57)【要約】
【課題】簡易に省電力化を図ることができる収納箱を提供する。
【解決手段】収納箱であって、扉と、前記扉に設けられた蓋と、前記扉の電気錠と、前記電気錠の施錠および解錠を制御する制御回路と、電力を供給する電源と、前記蓋が開けられた場合に、前記制御回路が前記電源からの電力を用いて前記電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態へ切り替えるリミットスイッチと、を備える収納箱。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納箱であって、
扉と、
前記扉に設けられた蓋と、
前記扉の電気錠と、
前記電気錠の施錠および解錠を制御する制御回路と、
電力を供給する電源と、
前記蓋が開けられた場合に、前記制御回路が前記電源からの電力を用いて前記電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態へ切り替えるリミットスイッチと、
を備える収納箱。
【請求項2】
前記リミットスイッチは、前記蓋が開けられた場合に、前記制御回路に前記電源からの電力が供給される状態へ切り替えることで、前記制御回路が前記電源からの電力を用いて前記電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態へ切り替える、
請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
前記制御回路に前記電源からの電力が常時供給されており、
前記リミットスイッチは、前記蓋が開けられた場合に、前記制御回路に所定の信号を出力して前記制御回路の動作モードを切り替えることで、前記制御回路が前記電源からの電力を用いて前記電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態へ切り替える、
請求項1に記載の収納箱。
【請求項4】
前記リミットスイッチは、前記蓋が閉じられた場合に、前記制御回路が前記電源からの電力を用いて前記電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態を解除した状態へ切り替える、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の収納箱。
【請求項5】
前記リミットスイッチは、前記蓋が閉じられた場合に、前記制御回路に前記電源からの電力が供給されない状態へ切り替えることで、前記制御回路が前記電源からの電力を用いて前記電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態を解除した状態へ切り替える、
請求項4に記載の収納箱。
【請求項6】
前記リミットスイッチは、前記蓋が閉じられた場合に、前記制御回路に所定の信号を出力して前記制御回路の動作モードを切り替えることで、前記制御回路が前記電源からの電力を用いて前記電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態を解除した状態へ切り替える、
請求項4に記載の収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
宅配物等の物体を収納する収納箱における物体の出し入れを管理する技術についての研究、開発が行われている。
例えば、宅配ボックスでは、宅配業者が運んできた宅配物(荷物)を預け入れること、および、利用者(ユーザー)が当該荷物を取り出して受け取ることが可能である。
このような宅配ボックスでは、安全性のために、扉の開閉を制限する電子錠を有する場合がある。
また、このような宅配ボックスでは、電源として電池が用いられる場合がある。
【0003】
特許文献1に記載された宅配ボックスでは、宅配ボックスの扉が閉じられたときに、計測された電池の残量を示す残量報を送信する無線送信部を備える(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-49141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、宅配ボックスでは、当該宅配ボックスの扉の電気的な施錠および解錠が行われる場合、当該施錠および当該解錠の制御を行う処理部に、当該施錠および当該解錠の操作を待機するために電源を常時供給することが必要であった。
ここで、例えば、電源が商用電源等であり連続的な供給を行うことに問題が無い場合には、消費電力の量に関わらず、宅配ボックスは電源の供給を受ければよいが、電源が電池であり、特に1次電池である場合には、消費電力の量によって電池の消耗の程度が変わり、電池の交換サイクルの長さに影響してしまう。
【0006】
すなわち、宅配ボックスでは、省電力化が望まれており、特に電源が電池である場合には省電力化が強く望まれていた。
また、宅配ボックスに限られず、様々な収納箱について同様な課題があった。
【0007】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、簡易に省電力化を図ることができる収納箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、収納箱であって、扉と、前記扉に設けられた蓋と、前記扉の電気錠と、前記電気錠の施錠および解錠を制御する制御回路と、電力を供給する電源と、前記蓋が開けられた場合に、前記制御回路が前記電源からの電力を用いて前記電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態へ切り替えるリミットスイッチと、を備える収納箱である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、収納箱において、簡易に省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る宅配ボックスの概略的な構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る蓋の概略的な構成の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る蓋が開けられた状態の様子の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る蓋が閉じられた状態の様子の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る宅配ボックスの回路部の概略的な構成の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る宅配ボックスにおいて行われる処理の手順の一例を示す図である。
図7】実施形態に係る宅配ボックスの回路部の概略的な構成の一例を示す図である。
図8】実施形態に係る宅配ボックスにおいて行われる処理の手順の一例を示す図である。
図9】実施形態に係る宅配ボックスにおいて行われる処理の手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態について説明する。
以下の実施形態では、収納箱の一例として宅配ボックスが用いられる場合について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
[宅配ボックス]
図1は、実施形態に係る宅配ボックス1の概略的な構成の一例を示す図である。
図1には、説明の便宜上、三次元直交座標軸であるXYZ座標軸を示してある。
宅配ボックス1は、収納部11と、外扉12と、を備える。
本実施形態では、収納部11は、1個の面が中空である直方体の形状を有しており、5個の面を有している。そして、収納部11の中空である1個の面は、外扉12により構成される。収納部11は、5個の面により物体を収納することが可能な空間が形成されている。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、宅配ボックス1の扉を外扉12と呼んで説明するが、例えば、単に、扉と呼ばれてもよく、あるいは、他の名称で呼ばれてもよい。
【0013】
図1の例では、収納部11の5個の面は、XY平面に平行な互いに対向する2個の面と、YZ平面に平行な互いに対向する2個の面と、XZ平面に平行な1個の面(図1の例では、Y軸の正側の面)と、を有している。
収納部11におけるXZ平面に平行な1個の面に対向する1個の面(図1の例では、Y軸の負側の面)は、外扉12により構成される。
【0014】
外扉12は、収納部11の中空部を垂直な方向(図1の例では、Y軸に平行な方向)で見た場合における一つの辺(図1の例では、X軸の正側の辺であって、Z軸に平行な辺)のところで、収納部11と回転可能に接続されている。具体的には、外扉12は、当該辺に平行な軸の周りに回転可能に収納部11に取り付けられている。
【0015】
外扉12は、外側の面(図1の例では、Y軸の負側の面であって、XZ平面に平行な面)の一部に、開閉可能な蓋21を有している。
本実施形態では、蓋21は、外扉12の外側の面に向かって左側(図1の例では、X軸の負側)に設けられている。
【0016】
<蓋>
図2は、実施形態に係る蓋21の概略的な構成の一例を示す図である。
図2には、説明の便宜上、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
図2には、外扉12に対して、蓋21が開けられた状態を示してある。
ここで、図2では、図示を見易くするために、外扉12の一部である外扉部12aに対して蓋21が開けられた状態を示してある。外扉部12aは、外扉12の面のうち、蓋21の周囲の部分を表している。
また、図2に示される蓋21の内部の様子は概略である。
【0017】
本実施形態では、蓋21は、上側の一つの辺(図2の例では、Z軸の正側の辺であって、X軸に平行な辺)のところで、外扉12の本体部と回転可能に接続されている。具体的には、蓋21は、当該辺に平行な軸の周りに回転可能に外扉12に取り付けられている。
ここで、本実施形態では、外扉12の本体部は、外扉12のうち蓋21以外の部分を表す。
【0018】
外扉12の本体部に対して蓋21を回転可能にする軸の軸上に、カム31が設けられている。
蓋21は、外扉12の外側の面に垂直な方向(図2の例では、Y軸に平行な方向)で当該面を見た場合に、蓋21の下側(図2の例では、Z軸の負側)が外扉12の外側の面から手前に持ち上げられるように回転して開く。逆に、蓋21は、外扉12の外側の面に垂直な方向(図2の例では、Y軸に平行な方向)で当該面を見た場合に、蓋21の下側(図2の例では、Z軸の負側)が手前から奥に回転して閉じ、閉じられた状態では外扉12の外側の面に収められる。
外扉12に対して蓋21が回転すると、蓋21の回転度合いに応じてカム31も回転する。
【0019】
蓋21の内部には、例えば、テンキー、および、物理的な鍵部が設けられている。当該テンキーおよび当該鍵部は、蓋21が開けられた状態で操作されることが可能である。
また、本実施形態では、蓋21は、ハンドル(把手)として機能する。蓋21により構成されるハンドルは、例えば、人の手動によって外扉12を開くためのハンドルとして用いられる。つまり、蓋21が開かれた状態で、人が手で蓋21を掴みながら外扉12を開ける動作または外扉12を閉める動作を行う。
他の例として、ハンドルは、蓋21の内部に備えられていてもよい。
さらに他の例として、ハンドルは、蓋21の内部の構造により実現されてもよい。例えば、蓋21の内部に設けられた凹部などによってハンドルが構成されてもよく、この場合、当該凹部が人の手により掴まれてもよい。
【0020】
ここで、ハンドルを用いて外扉12を開閉することに関して、電気的な施錠および解錠が用いられてもよい。
本実施形態では、ハンドルを用いて開閉される外扉12は、電気的に施錠されること、および、電気的に解錠されること、が可能である。
他の例として、例えば、外扉12を開閉するためのハンドルが蓋21の内部に備えられる場合、外扉12の施錠および解錠の一態様として、ハンドルの施錠および解錠の機構が用いられてもよい。つまり、この場合、ハンドルの施錠および解錠は、外扉12の施錠および解錠と同様な効果があると考えられる。
【0021】
外扉12の施錠および解錠は、例えば、所定の装置と宅配ボックス1との通信を介して行われてもよく、あるいは、人がテンキーなどの操作部を操作することによって行われてもよい。
当該装置は、任意の装置であってもよく、例えば、スマートフォンなどの携帯装置であってもよく、または、クラウドのサーバー装置などであってもよい。
当該通信は、例えば、無線の通信であってもよく、あるいは、有線の通信であってもよい。
【0022】
図3は、実施形態に係る蓋21が開けられた状態の様子の一例を示す図である。
図4は、実施形態に係る蓋21が閉じられた状態の様子の一例を示す図である。
図3および図4には、それぞれ、説明の便宜上、図1に示されるのと同様なXYZ座標軸を示してある。
【0023】
図3および図4には、カム31と、リミットスイッチ(説明の便宜上、リミットSWとも呼ぶ。)111と、を示してある。リミットSW111は、機械的な機構によるスイッチである。
カム31は、突起部33を有している。
カム31は、蓋21の回転の中心軸となる回転軸51の周りに回転する。図3および図4には、カム31の回転方向R1を示してある。
宅配ボックス1は、外扉12の蓋21のカム31に対応する内部の位置に、リミットSW111を備えている。ここで、リミットSW111は、例えば、外扉12に備えられていてもよく、あるいは、収納部11に備えられていてもよい。
【0024】
リミットSW111は、カム31と対向する側に、移動可能(例えば、回転可能)な板部121を有している。リミットSW111は、板部121がカム31から所定の向き(図3および図4の例では、Y軸の正側に押される向き)で所定の段階以上押された状態ではオン(ON)になり、一方、板部121が当該所定の段階まで押されていない状態ではオフ(OFF)になる。
ここで、本実施形態では、蓋21が閉じられた状態から開けられると、図3の例のように、カム31の突起部33がリミットSW111の板部121を所定の向きで所定の段階以上押す状態となり、これにより、リミットSW111がオンの状態に切り替えられる。逆に、蓋21が開かれた状態から閉じられると、図4の例のように、カム31の突起部33がリミットSW111の板部121を所定の向きで所定の段階以上押す状態が解除され、これにより、リミットSW111がオフの状態に切り替えられる。
【0025】
本実施形態では、宅配ボックス1は、リミットSW111がオンの状態であるときに宅配ボックス1の電源をオンの状態にし、逆に、リミットSW111がオフの状態であるときに宅配ボックス1の電源をオフの状態にする機構を有している。なお、当該機構としては、任意の機構が用いられてもよい。
このように、本実施形態では、宅配ボックス1は、蓋21が開けられた状態では宅配ボックス1の電源がオンになる一方、蓋21が閉じられた状態では宅配ボックス1の電源がオフになる、構造を有している。
【0026】
ここで、リミットSW111としては、任意の構造のリミットSWが用いられてもよく、例えば、人の手動によって動作させられる任意の操作部(物理的な操作部)が用いられてもよい。
【0027】
また、蓋21としては、任意の蓋が用いられてもよい。
蓋21としては、例えば、蓋21の内部(本実施形態では、例えば、テンキーおよび鍵部)について防水の機能を有していてもよい。
本実施形態では、蓋21としては、外扉12に設けられた凹部(本実施形態では、例えば、テンキーおよび鍵部が設けられる部分)と同程度の大きさの蓋が用いられている。
他の例として、蓋21としては、外扉12に設けられた凹部(本実施形態では、例えば、テンキーおよび鍵部が設けられる部分)に対して、半分程度の大きさの蓋が用いられてもよく、あるいは、他の大きさの蓋が用いられてもよい。
【0028】
<回路部>
図5は、実施形態に係る宅配ボックス1の回路部の概略的な構成の一例を示す図である。
宅配ボックス1は、電源211と、リミットSW111と、アンテナ212と、無線通信部213と、電気錠214と、制御回路215と、を備える。
なお、このような回路部は、例えば、収納部11に備えられてもよく、あるいは、収納部11と外扉12に分散して備えられてもよい。
【0029】
本実施形態では、電源211は、電池である。当該電池は、1次電池であってもよく、または、2次電池であってもよく、あるいは、これらの両方であってもよい。他の例として、電源211は、商用の電源から供給される電力を用いた電源であってもよい。
電源211と制御回路215との間に、リミットSW111が備えられている。
制御回路215は、電源211から供給される電力を用いて、無線通信部213と、電気錠214などを制御する。
無線通信部213は、アンテナ212を用いて、無線通信を行う。
電気錠214は、電気的に外扉12の施錠および解錠を行う。
【0030】
本実施形態では、リミットSW111がオンの状態では、電源211から制御回路215に電力が供給される状態となり、逆に、リミットSW111がオフの状態では、電源211から制御回路215に電力が供給されない状態(電力供給が解除された状態)となる。
また、本実施形態では、無線通信部213および電気錠214において電力が必要な場合、制御回路215から無線通信部213および電気錠214に電力(電源211から供給される電力)が供給される場合を示す。
なお、例えば、電源211からの電力供給は、制御回路215以外の回路にも直接行われてもよく、例えば、無線通信部213および電気錠214などのうちの1以上の回路にも直接行われてもよい。
【0031】
<処理フロー>
図6は、実施形態に係る宅配ボックス1において行われる処理の手順の一例を示す図である。
ステップS1~ステップS7の処理を説明する。
本例では、初期状態において、宅配ボックス1のリミットSW111がオフの状態であり、制御回路215がオフの状態であるとする。
また、本例では、スマートフォン(説明の便宜上、図6においてスマホとも呼ぶ。)により宅配ボックス1が制御される場合を示す。
【0032】
本例では、利用者(ユーザー)によって、宅配ボックス1の操作、および、スマートフォンの操作が行われる場合を示す。なお、宅配ボックス1の操作を行う者、および、スマートフォンの操作を行う者は、それぞれ、任意の者であってもよい。例えば、ユーザーは、宅配ボックス1を所有して利用する者、または、宅配ボックス1に荷物を預け入れる宅配業者であってもよい。
【0033】
(ステップS1)
宅配ボックス1では、外扉12の蓋21が開けられると、リミットSW111がオフからオンに切り替えられ、制御回路215がオフからオンに切り替えられる。
宅配ボックス1では、ステップS2の処理へ移行する。
【0034】
(ステップS2)
制御回路215は、起動初期化処理を行う。
宅配ボックス1では、ステップS3の処理へ移行する。
【0035】
(ステップS3)
制御回路215は、スマートフォンとの通信が検出されたか否かを判定する。
ここで、スマートフォンから無線により送信される信号が無線通信部213により受信されると、当該信号が制御回路215により検出される。
この判定の結果、制御回路215は、スマートフォンとの通信が検出されたと判定した場合(ステップS3:YES)、ステップS4の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、制御回路215は、スマートフォンとの通信が検出されていないと判定した場合(ステップS3:NO)、ステップS3の処理を繰り返して行う。なお、この繰り返しが所定回数または所定時間継続した場合に、本フローの処理が終了する構成とされてもよい。
【0036】
(ステップS4)
制御回路215は、スマートフォンとの通信によって、スマートフォンからの解錠操作が検出されたか否かを判定する。
この判定の結果、制御回路215は、スマートフォンからの解錠操作が検出されたと判定した場合(ステップS4:YES)、ステップS5の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、制御回路215は、スマートフォンからの解錠操作が検出されていないと判定した場合(ステップS4:NO)、ステップS4の処理を繰り返して行う。なお、この繰り返しが所定回数または所定時間継続した場合に、本フローの処理が終了する構成とされてもよい。
【0037】
(ステップS5)
制御回路215は、外扉12の解錠処理を行う。
宅配ボックス1では、ステップS6の処理へ移行する。
【0038】
(ステップS6)
制御回路215は、省電力モードへ移行する。
制御回路215は、省電力モードにおいて、処理を実行してもよい。当該処理は、任意の処理であってもよい。他の例として、制御回路215によって実行すべき処理が無い場合には処理が実行されなくてもよい。
宅配ボックス1では、ステップS7の処理へ移行する。
【0039】
(ステップS7)
宅配ボックス1では、外扉12の蓋21が閉じられると、リミットSW111がオンからオフに切り替えられ、制御回路215がオンからオフに切り替えられる。
宅配ボックス1では、本フローの処理を終了する。
【0040】
なお、図6の例において、ステップS3の処理およびステップS4の処理は、スマートフォン以外の装置、または、人の手動によって、制御されてもよい。
【0041】
また、図6の例において、ステップS6の処理(省電力モード)は、行われなくてもよい。つまり、本実施形態では、宅配ボックス1において、省電力モードは、適用されてもよく、または、適用されなくてもよい。
なお、本実施形態では、通常の動作を行うモード(通常モード)が解除されたモードが、省電力モードとなっている。省電力モードでは、通常モードと比べて、省電力化が図られている。
また、このようなモード(動作モード)の切り替えは、ソフトウェアに基づく処理によって行われる。当該ソフトウェアは、例えば、制御回路215がプログラム(制御プログラム)を実行する場合における当該プログラムであってもよく、当該プログラムを実行する処理部(本実施形態では、制御回路215)によりモードの切り替えを行う機能部が構成される。
【0042】
[第1実施形態について]
以上のように、本実施形態に係る宅配ボックス1では、簡易に省電力化を図ることができる。
本実施形態では、宅配ボックス1は、制御回路215への電源211の供給を、リミットSW111で直接、オンオフすることで、電気錠214を制御する制御回路215の電源起動を制御する。
【0043】
具体的には、外扉12の蓋21が開かれると、リミットSW111がオンとなり、電源211からの電力供給がオンになることで、制御回路215および無線通信部213が動作を開始して、無線通信により信号を受信することが可能な状態となる。そして、無線通信を介して外扉12の施錠および解錠の操作が行われると、これに応じて制御回路215は電気錠214の施錠および解錠を制御する。このような操作が終わり、蓋21が閉められると、宅配ボックス1の回路部では、電源211からのすべての電力供給がオフになり、電源211の消耗はなくなる。
【0044】
具体例として、宅配ボックス1の外扉12の開閉のための操作部(例えば、ハンドルなど)および施錠部(例えば、電気的な施錠および解錠を行う機能部、および、物理的な施錠部)などを覆うように蓋21が設けられている構造では、外扉12を開閉するために蓋21を開ける操作が行われることで、施錠部を操作する電気錠214および制御回路215への電源供給がオンになり、電気錠214の施錠および解錠の操作が可能な状態となる。
【0045】
本実施形態では、宅配ボックス1において、必要な時のみ制御回路215に電源211の電力が供給されるため、電源211が電池(例えば、1次電池または2次電池)である場合においても、当該電池の消費量を最小限に抑えることができ、電池の交換のサイクルまたは電池の充電のサイクルを長くすることができる。
【0046】
本実施形態に係る宅配ボックス1では、例えば、施錠または解錠の操作が行われるときにのみ制御回路215に電源211の電力が供給されるように、防水目的等で備えられた蓋21の開閉に連動して制御回路215への電源供給がオンオフする構造としてある。これにより、ユーザーにとって、外扉12の蓋21を開く操作以外に、電源211からの電力供給をオンにするための改めての操作が不要となり、電源211の消費電力を必要最低限とすることを簡易に実現することができる。
このように、本実施形態に係る宅配ボックス1では、ユーザーが外扉12のハンドル操作を行うために蓋21を開くことで、自動的に制御回路215および無線通信部213が起動し、ユーザーにとって、このような起動を実現するために、他に特別なスイッチ等の操作を行う必要がない。
【0047】
なお、宅配ボックス1では、電池の残量が所定の値以下になったときに、所定の通知を行ってもよい。
また、宅配ボックス1では、外扉12が開けられたときと、外扉12が閉じられたときと、の一方または両方において、所定の通知を行ってもよい。
また、宅配ボックス1では、外部の装置(例えば、スマートフォンなど)と通信するときに、所定の通知を行ってもよい。
これらの所定の通知は、例えば、ユーザーに対して文字または画像などを表示する通知であってもよく、ユーザーに対して光または音を発する通知であってもよく、あるいは、外部の装置(例えば、スマートフォンなど)に所定の情報を送信する通知であってもよい。
【0048】
(第2実施形態)
[宅配ボックス]
本実施形態では、第1実施形態とは相違する点について詳しく説明し、第1実施形態と同様な点については説明を省略または簡易化する。
また、本実施形態では、説明の便宜上、図7に示される各処理部以外については、第1実施形態の場合と同じ符号を用いて説明する。
【0049】
<回路部>
図7は、実施形態に係る宅配ボックス1の回路部の概略的な構成の一例を示す図である。
宅配ボックス1は、電源411と、リミットSW311と、アンテナ412と、無線通信部413と、電気錠414と、制御回路415と、を備える。
なお、このような回路部は、例えば、収納部11に備えられてもよく、あるいは、収納部11と外扉12に分散して備えられてもよい。
【0050】
本実施形態では、電源411は、電池である。当該電池は、1次電池であってもよく、または、2次電池であってもよく、あるいは、これらの両方であってもよい。他の例として、電源411は、商用の電源から供給される電力を用いた電源であってもよい。
制御回路415に、リミットSW311が備えられている。
制御回路415は、電源411から供給される電力を用いて、無線通信部413と、電気錠414などを制御する。
無線通信部413は、アンテナ412を用いて、無線通信を行う。
電気錠414は、電気的に外扉12の施錠および解錠を行う。
【0051】
本実施形態では、常時、電源411から制御回路415に電力が供給され得る状態である。
リミットSW311がオンの状態では、オンの状態であることを示す信号が制御回路415に供給される。一方、リミットSW311がオフの状態では、オフの状態であることを示す信号が制御回路415に供給される。
【0052】
本実施形態では、制御回路415は、リミットSW311から供給(出力)される信号に基づいて、通常モードの状態と、通常モードを解除した状態(本実施形態では、省電力モードの状態)と、を切り替える。
制御回路415は、省電力モードの状態では、例えば、無線通信部413および電気錠414に関する制御を行わない。そして、制御回路415は、省電力モードの状態では、リミットSW311から供給される信号(オンの状態であることを示す信号)を待機し、当該信号を受信したことに応じて通常モードの状態へ移行する。
一方、制御回路415は、通常モードの状態では、無線通信部413および電気錠414に関する制御を行う。そして、制御回路415は、通常モードの状態では、リミットSW311から供給される信号(オフの状態であることを示す信号)を受信した場合には、当該信号を受信したことに応じて省電力モードの状態へ移行する。
【0053】
また、本実施形態では、無線通信部413および電気錠414において電力が必要な場合、制御回路415から無線通信部413および電気錠414に電力(電源411から供給される電力)が供給される場合を示す。
なお、例えば、電源411からの電力供給は、制御回路415以外の回路にも直接行われてもよく、例えば、無線通信部413および電気錠414などのうちの1以上の回路にも直接行われてもよい。
【0054】
<処理フロー>
図8は、実施形態に係る宅配ボックス1において行われる処理の手順の一例を示す図である。
ステップS11~ステップS17の処理を説明する。
本例では、初期状態において、宅配ボックス1のリミットSW311がオフの状態であり、制御回路415が既に起動初期化処理を行っており省電力モードの状態であるとする。
また、本例では、スマートフォン(説明の便宜上、図8においてスマホとも呼ぶ。)により宅配ボックス1が制御される場合を示す。
【0055】
本例では、利用者(ユーザー)によって、宅配ボックス1の操作、および、スマートフォンの操作が行われる場合を示す。なお、宅配ボックス1の操作を行う者、および、スマートフォンの操作を行う者は、それぞれ、任意の者であってもよい。例えば、ユーザーは、宅配ボックス1を所有して利用する者、または、宅配ボックス1に荷物を預け入れる宅配業者であってもよい。
【0056】
(ステップS11)
宅配ボックス1では、省電力モードの状態である。
【0057】
(ステップS12)
宅配ボックス1では、制御回路415は、リミットSW311がオンに切り替えられたことを検出したか否かを判定する。
この判定の結果、宅配ボックス1では、制御回路415は、リミットSW311がオンに切り替えられたことを検出したと判定した場合(ステップS12:YES)、ステップS13の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、宅配ボックス1では、制御回路415は、リミットSW311がオンに切り替えられたことを検出していないと判定した場合(ステップS12:NO)、ステップS12の処理を繰り返して行う。なお、この繰り返しが所定回数または所定時間継続した場合に、本フローの処理が終了する構成とされてもよい。
【0058】
ここで、宅配ボックス1では、外扉12の蓋21が開けられると、リミットSW311がオフからオンに切り替えられる。そして、制御回路415は、リミットSW311からオンに切り替えられたことを示す信号を受信することで、リミットSW311がオンに切り替えられたことを検出する。
【0059】
(ステップS13)
制御回路415は、省電力モードを解除した状態(本実施形態では、通常モードの状態)に切り替える。
宅配ボックス1では、ステップS14の処理へ移行する。
【0060】
(ステップS14)
制御回路415は、スマートフォンとの通信が検出されたか否かを判定する。
ここで、スマートフォンから無線により送信される信号が無線通信部413により受信されると、当該信号が制御回路415により検出される。
この判定の結果、制御回路415は、スマートフォンとの通信が検出されたと判定した場合(ステップS14:YES)、ステップS15の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、制御回路415は、スマートフォンとの通信が検出されていないと判定した場合(ステップS14:NO)、ステップS14の処理を繰り返して行う。なお、この繰り返しが所定回数または所定時間継続した場合に、本フローの処理が終了する構成とされてもよい。
【0061】
(ステップS15)
制御回路415は、スマートフォンとの通信によって、スマートフォンからの解錠操作が検出されたか否かを判定する。
この判定の結果、制御回路415は、スマートフォンからの解錠操作が検出されたと判定した場合(ステップS15:YES)、ステップS16の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、制御回路415は、スマートフォンからの解錠操作が検出されていないと判定した場合(ステップS15:NO)、ステップS15の処理を繰り返して行う。なお、この繰り返しが所定回数または所定時間継続した場合に、本フローの処理が終了する構成とされてもよい。
【0062】
(ステップS16)
制御回路415は、外扉12の解錠処理を行う。
宅配ボックス1では、ステップS17の処理へ移行する。
【0063】
(ステップS17)
外扉12の蓋21が閉じられると、リミットSW311がオンからオフに切り替えられる。これに応じて、制御回路415は、省電力モードへ移行する。
なお、制御回路415は、省電力モードにおいて、処理を実行してもよい。当該処理は、任意の処理であってもよい。他の例として、制御回路415によって実行すべき処理が無い場合には処理が実行されなくてもよい。
宅配ボックス1では、本フローの処理を終了する。
【0064】
なお、図8の例において、ステップS14の処理およびステップS15の処理は、スマートフォン以外の装置、または、人の手動によって、制御されてもよい。
【0065】
[第2実施形態について]
以上のように、本実施形態に係る宅配ボックス1では、簡易に省電力化を図ることができる。
本実施形態では、宅配ボックス1は、制御回路415へ電源411からの電力供給をしておき、リミットSW311で制御回路415の動作モード(本実施形態では、省電力モードと、通常モード)を切り替えることで、電気錠414を制御する制御回路415の動作起動を制御する。
【0066】
具体的には、外扉12の蓋21が閉められた状態(リミットSW311がオフである状態)では、制御回路415は省電力モードの状態であり、制御回路415はスタンバイ状態である。この状態では、制御回路415では、電源411の消耗を抑える。
また、蓋21が開けられてリミットSW311がオンの状態になることをトリガとして、制御回路415は省電力モードから起動して通常モードへ移行し、無線通信部213による無線通信により信号を受信することが可能な状態となる。そして、制御回路415は、無線通信を介して受信される施錠および解錠の操作に応じて、電気錠414の施錠および解錠を制御する。
このような操作が終了して、蓋21が閉められると、リミットSW311がオンからオフになり、これにより、制御回路415は省電力モードへ移行し、電源411の消耗を抑える状態となる。
【0067】
ここで、本実施形態に係る宅配ボックスS1の構成は、例えば、蓋21が閉められた後の処理(例えば、残処理)が必要な場合に、特に有効である。当該処理は、任意の処理であってもよく、例えば、外扉12が閉められたことを提示する(例えば、アンサーバックする)処理であってもよい。当該処理は、外扉12が閉められたことを示す信号を無線通信で所定の装置に送信する処理であってもよく、あるいは、光または音などで提示する処理であってもよい。このような場合、制御回路415は、例えば、蓋21が閉められた後に、通常モードで完了すべきすべての処理および通信動作が完了した時点で、省電力モードへ移行してスタンバイ状態となってもよい。
【0068】
このように、本実施形態に係る宅配ボックス1では、電源411からの電力が制御回路415に常時供給されている。そして、制御回路415は、省電力モードで待機中に、外扉12の蓋21が開けられることで通常モードへ移行し、所定の操作に応じて電気錠414の施錠および解錠を制御する。宅配ボックス1では、蓋21が閉じられた場合、または、一定時間操作が行われないような場合に、制御回路415は省電力モードでのスタンバイ状態へ移行する。
【0069】
なお、本実施形態では、制御回路415が動作モード(本実施形態では、省電力モードと通常モード)を切り替える場合を示したが、例えば、他の処理部についても動作モード(例えば、省電力モードと通常モード)の切り替えが行われてもよい。
【0070】
一例として、無線通信部413について動作モード(例えば、省電力モードと通常モード)の切り替えが行われてもよい。
具体例として、電源411からの電力が制御回路415および無線通信部413に常時供給されていて、リミットSW311がオンになったことに応じて制御回路415および無線通信部413が省電力モードから通常モードへ移行して動作が起動され、リミットSW311がオフになったことに応じて制御回路415および無線通信部413が通常モードから省電力モードへ移行してスタンバイ状態となる、構成が用いられてもよい。この場合、無線通信部413は、省電力モードでは無線通信を行わず、通常モードでは無線通信を行う、構成であってもよい。また、無線通信部413は、リミットSW311のオンオフの状態を、リミットSW311から直接通知されてもよく、あるいは、制御回路415から通知されてもよい。
【0071】
他の例として、電気錠414について動作モード(例えば、省電力モードと通常モード)の切り替えが行われてもよく、具体例は無線通信部413の場合と同様である。
また、無線通信部413および電気錠414の両方について動作モード(例えば、省電力モードと通常モード)の切り替えが行われてもよい。
【0072】
(第3実施形態)
[宅配ボックス]
本実施形態では、第2実施形態とは相違する点について詳しく説明し、第2実施形態と同様な点については説明を省略または簡易化する。
また、本実施形態では、説明の便宜上、第2実施形態と同様な構成部については、同じ符号を用いて説明する。
【0073】
<回路部>
本実施形態に係る宅配ボックス1の回路部の概略的な構成は、第2実施形態に係る図7に示される構成と同様である。
本実施形態では、説明の便宜上、図7に示されるのと同じ符号を用いて説明する。
【0074】
<処理フロー>
図9は、実施形態に係る宅配ボックス1において行われる処理の手順の一例を示す図である。
ステップS21~ステップS33の処理を説明する。
本例では、初期状態において、宅配ボックス1のリミットSW311がオフの状態であり、制御回路415が既に起動初期化処理を行っており、省電力モードの状態であるとする。
また、本例では、スマートフォン(説明の便宜上、図9においてスマホとも呼ぶ。)により宅配ボックス1が制御される場合を示す。
【0075】
本例では、利用者(ユーザー)によって、宅配ボックス1の操作、および、スマートフォンの操作が行われる場合を示す。なお、宅配ボックス1の操作を行う者、および、スマートフォンの操作を行う者は、それぞれ、任意の者であってもよい。例えば、ユーザーは、宅配ボックス1を所有して利用する者、または、宅配ボックス1に荷物を預け入れる宅配業者であってもよい。
【0076】
(ステップS21)
宅配ボックス1では、省電力モードの状態である。
【0077】
(ステップS22)
宅配ボックス1では、制御回路415は、リミットSW311がオンに切り替えられたことを検出したか否かを判定する。
この判定の結果、宅配ボックス1では、制御回路415は、リミットSW311がオンに切り替えられたことを検出したと判定した場合(ステップS22:YES)、ステップS23の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、宅配ボックス1では、制御回路415は、リミットSW311がオンに切り替えられたことを検出していないと判定した場合(ステップS22:NO)、ステップS22の処理を繰り返して行う。なお、この繰り返しが所定回数または所定時間継続した場合に、本フローの処理が終了する構成とされてもよい。
【0078】
ここで、宅配ボックス1では、外扉12の蓋21が開けられると、リミットSW311がオフからオンに切り替えられる。そして、制御回路415は、リミットSW311からオンに切り替えられたことを示す信号を受信することで、リミットSW311がオンに切り替えられたことを検出する。
【0079】
(ステップS23)
制御回路415は、省電力モードを解除した状態(本実施形態では、通常モードの状態)に切り替える。
宅配ボックス1では、ステップS24の処理へ移行する。
【0080】
(ステップS24)
宅配ボックス1では、収納部11に荷物が入っているか否かを判定する。
この判定の結果、宅配ボックス1では、収納部11に荷物が入っていると判定した場合(ステップS24:YES)、ステップS25の処理へ移行する。この場合、利用者(例えば、宅配ボックス1を所有するユーザー)による受け取りの処理が行われる。
一方、この判定の結果、宅配ボックス1では、収納部11に荷物が入っていないと判定した場合(ステップS24:NO)、ステップS31の処理へ移行する。この場合、利用者(例えば、宅配ボックス1に荷物を預け入れる宅配業者であるユーザー)による荷物の預け入れの処理が行われる。
【0081】
ここで、本例では、宅配ボックス1の収納部11に荷物が収納されているか否かに関わらず、施錠されていることを想定している。
また、宅配ボックス1において収納部11に荷物が入っているか否かを判定する手法としては、任意の手法が用いられてもよい。一例として、宅配ボックス1において行われた操作などの履歴を記憶しておいて、当該履歴の情報に基づいて収納部11に荷物が入っているか否かを判定する手法が用いられてもよい。このような履歴の情報は、例えば、宅配ボックス1において記憶されてもよく、あるいは、宅配ボックス1を制御するスマートフォンまたはクラウドのサーバー装置などにおいて記憶されてもよい。
【0082】
(ステップS25)
制御回路415は、スマートフォンとの通信が検出されたか否かを判定する。
ここで、スマートフォンから無線により送信される信号が無線通信部413により受信されると、当該信号が制御回路415により検出される。
この判定の結果、制御回路415は、スマートフォンとの通信が検出されたと判定した場合(ステップS25:YES)、ステップS26の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、制御回路415は、スマートフォンとの通信が検出されていないと判定した場合(ステップS25:NO)、ステップS25の処理を繰り返して行う。なお、この繰り返しが所定回数または所定時間継続した場合に、本フローの処理が終了する構成とされてもよい。
【0083】
(ステップS26)
制御回路415は、スマートフォンとの通信によって、スマートフォンからの解錠操作が検出されたか否かを判定する。
この判定の結果、制御回路415は、スマートフォンからの解錠操作が検出されたと判定した場合(ステップS26:YES)、ステップS27の処理へ移行する。
一方、この判定の結果、制御回路415は、スマートフォンからの解錠操作が検出されていないと判定した場合(ステップS26:NO)、ステップS26の処理を繰り返して行う。なお、この繰り返しが所定回数または所定時間継続した場合に、本フローの処理が終了する構成とされてもよい。
【0084】
(ステップS27)
制御回路415は、外扉12の解錠処理を行う。
宅配ボックス1では、ステップS28の処理へ移行する。
【0085】
(ステップS28)
制御回路415は、電源411(本実施形態では、電池である。)の電圧を取得する。
宅配ボックス1では、ステップS29の処理へ移行する。
【0086】
(ステップS29)
制御回路415は、取得した電源411の電圧を表す情報を、無線通信部413による無線通信により、スマートフォンに送信することで、スマートフォンに通知する。
宅配ボックス1では、ステップS30の処理へ移行する。
【0087】
(ステップS30)
外扉12の蓋21が閉じられると、リミットSW311がオンからオフに切り替えられる。これに応じて、制御回路415は、省電力モードへ移行する。
なお、制御回路415は、省電力モードにおいて、処理を実行してもよい。当該処理は、任意の処理であってもよい。他の例として、制御回路415によって実行すべき処理が無い場合には処理が実行されなくてもよい。
宅配ボックス1では、本フローの処理を終了する。
【0088】
(ステップS31)
制御回路415は、外扉12の解錠処理を行う。
宅配ボックス1では、ステップS32の処理へ移行する。
【0089】
(ステップS32)
制御回路415は、荷物の預け入れのための処理を行う。
宅配ボックス1では、ステップS33の処理へ移行する。
【0090】
(ステップS33)
制御回路415は、外扉12の施錠処理を行う。
宅配ボックス1では、ステップS30の処理へ移行する。
【0091】
なお、図9の例において、ステップS25の処理およびステップS26の処理は、スマートフォン以外の装置、または、人の手動によって、制御されてもよい。
また、図9の例において、例えば、電源411が電池以外の電源である場合には、ステップS28の処理およびステップS29の処理は、行われなくてもよく、あるいは、ステップS28の処理において電源411の電圧を取得する処理が行われ、ステップS29の処理において取得された電圧を通知する処理が行われてもよい。
【0092】
[第3実施形態について]
以上のように、本実施形態に係る宅配ボックス1では、簡易に省電力化を図ることができる。
図9の例において、宅配ボックス1では、宅配ボックス1の所有者などによる荷物の受け取り処理と、宅配業者による荷物の預け入れ処理と、を区別して処理を行うことができる。
【0093】
(以上の実施形態について)
なお、以上では、リミットスイッチがオフからオンへ切り替えられた場合に関する構成例として、電源からの電力供給をオンに切り替える構成例(第1実施形態)と、所定の信号を制御回路に送信して制御回路の動作モードを切り替える構成例(第2実施形態および第3実施形態)を示した。
また、以上では、リミットスイッチがオンからオフへ切り替えられた場合に関する構成例として、電源からの電力供給をオフに切り替える構成例(第1実施形態)と、所定の信号を制御回路に送信して制御回路の動作モードを切り替える構成例(第2実施形態および第3実施形態)を示した。
これらに関して、リミットスイッチがオフからオンへ切り替えられた場合に関する構成例と、リミットスイッチがオンからオフへ切り替えられた場合に関する構成例と、の組み合わせとしては、任意の組み合わせが用いられてもよい。
【0094】
[収納箱]
以上の実施形態では、収納箱の一例として宅配ボックスを示したが、これに限られず、収納箱としては他の種々なものに適用されてもよい。具体例として、収納箱として、荷物を入れるキャビネット、あるいは、電気機器を収容する筐体に適用されてもよい。電気機器を収容する筐体としては、例えば、キュービクル、あるいは、分電盤などであってもよい。
【0095】
<構成例>
一構成例として、収納箱であって、扉と、扉に設けられた蓋と、扉の電気錠と、電気錠の施錠および解錠を制御する制御回路と、電力を供給する電源と、蓋が開けられた場合に、制御回路が電源からの電力を用いて電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態へ切り替えるリミットスイッチと、を備える。
【0096】
ここで、第1実施形態~第3実施形態では、宅配ボックス1が収納箱の一例であり、外扉12が扉の一例であり、蓋21が蓋の一例である。
また、第1実施形態(図5の例)では、電気錠214が電気錠の一例であり、制御回路215が制御回路の一例であり、電源211が電源の一例であり、リミットSW111がリミットスイッチの一例である。
また、第2実施形態および第3実施形態(図7の例)では、電気錠414が電気錠の一例であり、制御回路415が制御回路の一例であり、電源411が電源の一例であり、リミットSW311がリミットスイッチの一例である。
【0097】
一構成例として、収納箱において、リミットスイッチは、蓋が開けられた場合に、制御回路に電源からの電力が供給される状態へ切り替えることで、制御回路が電源からの電力を用いて電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態へ切り替える。
なお、このような構成は、第1実施形態(図5の例)に係る構成例に対応している。
【0098】
一構成例として、収納箱において、制御回路に電源からの電力が常時供給されている。リミットスイッチは、蓋が開けられた場合に、制御回路に所定の信号を出力して制御回路の動作モードを切り替えることで、制御回路が電源からの電力を用いて電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態へ切り替える。
なお、このような構成は、第2実施形態および第3実施形態(図7の例)に係る構成例に対応している。
【0099】
一構成例として、収納箱において、リミットスイッチは、蓋が閉じられた場合に、制御回路が電源からの電力を用いて電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態を解除した状態(つまり、制御回路が電源からの電力を用いて電気錠の施錠および解錠を制御することが行われない状態)へ切り替える。
なお、このような構成は、第1実施形態(図5の例)に係る構成例と、第2実施形態および第3実施形態(図7の例)に係る構成例に対応している。
【0100】
一構成例として、収納箱において、リミットスイッチは、蓋が閉じられた場合に、制御回路に電源からの電力が供給されない状態へ切り替えることで、制御回路が電源からの電力を用いて電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態を解除した状態へ切り替える。
なお、このような構成は、第1実施形態(図5の例)に係る構成例に対応している。
【0101】
一構成例として、収納箱において、リミットスイッチは、蓋が閉じられた場合に、制御回路に所定の信号を出力して制御回路の動作モードを切り替えることで、制御回路が電源からの電力を用いて電気錠の施錠および解錠を制御することが可能な状態を解除した状態へ切り替える。
なお、このような構成は、第2実施形態および第3実施形態(図7の例)に係る構成例に対応している。
【0102】
なお、以上に説明した任意の装置(例えば、宅配ボックス1などの収納箱)における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。当該揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)であってもよい。記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体であってもよい。
【0103】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0104】
また、以上に説明した任意の装置(例えば、宅配ボックス1などの収納箱)における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューター読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0105】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0106】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0107】
1…宅配ボックス、11…収納部、12…外扉、12a…外扉部、21…蓋、31…カム、33…突起部、51…回転軸、111、311…リミットスイッチ(リミットSW)、121…板部、211、411…電源、212、412…アンテナ、213、413…無線通信部、214、414…電気錠、215、415…制御回路、R1…回転方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9