IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-空調監視システム 図1
  • 特開-空調監視システム 図2
  • 特開-空調監視システム 図3
  • 特開-空調監視システム 図4
  • 特開-空調監視システム 図5
  • 特開-空調監視システム 図6
  • 特開-空調監視システム 図7
  • 特開-空調監視システム 図8
  • 特開-空調監視システム 図9
  • 特開-空調監視システム 図10
  • 特開-空調監視システム 図11
  • 特開-空調監視システム 図12
  • 特開-空調監視システム 図13
  • 特開-空調監視システム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056801
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】空調監視システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/58 20180101AFI20230413BHJP
   F24F 11/54 20180101ALI20230413BHJP
【FI】
F24F11/58
F24F11/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166229
(22)【出願日】2021-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 篤
(72)【発明者】
【氏名】船倉 正三
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA04
3L260AB02
3L260BA64
3L260CB01
3L260DA01
3L260GA17
3L260JA12
3L260JA13
(57)【要約】
【課題】空気調和装置の状態を詳細に監視することができ、空気調和装置を遠隔監視する場合の通信負荷を抑えることが可能な空調監視システムを提供する。
【解決手段】空調監視システムは、空気調和装置と、空気調和装置から空気調和装置の運転データを取得し、運転データをサーバへ送信する通信装置と、を備え、空気調和装置の監視モードとして、第1時間毎に取得した前記運転データを通信装置からサーバへを送信し、サーバで空気調和装置の動作状態を判定する第1監視モードと、第1監視モードの実行中における使用者の操作に基づき実行され、第1時間よりも短い第2時間毎に取得した前記運転データを通信装置からサーバへ送信し、サーバで空気調和装置の動作状態を判定する第2監視モードと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和装置と、
前記空気調和装置から前記空気調和装置の運転データを取得し、前記運転データをサーバへ送信する通信装置と、を備え、
前記空気調和装置の監視モードとして、
第1時間毎に取得した前記運転データを前記通信装置から前記サーバへ送信し、前記サーバで前記空気調和装置の動作状態を判定する第1監視モードと、
前記第1監視モードの実行中における使用者の操作に基づき実行され、前記第1時間よりも短い第2時間毎に取得した前記運転データを前記通信装置から前記サーバへ送信し、前記サーバで前記空気調和装置の動作状態を判定する第2監視モードと、を備える空調監視システム。
【請求項2】
前記第1監視モードと前記第2監視モードと、は切り替えて実行される、請求項1に記載の空調監視システム。
【請求項3】
前記第1監視モードよりも前記第2監視モードの方が、前記通信装置から前記サーバへ送信される前記運転データに含まれるデータの種類が多い、請求項1または請求項2に記載の空調監視システム。
【請求項4】
前記サーバと通信する端末通信部と、各種情報を入力する端末入力部と、を有する端末装置をさらに備え、
前記端末入力部による操作に基づき前記第2監視モードが実行される、請求項1から請求項3の少なくともいずれか1項に記載の空調監視システム。
【請求項5】
前記第1監視モードが実行された場合、前記空気調和装置による運転状態の異常有無が前記端末装置に表示され、
前記第2監視モードが実行された場合、前記空気調和装置による運転状態の異常有無、および、前記空気調和装置の異常要因の推定結果が前記端末装置に表示される、請求項4に記載の空調監視システム。
【請求項6】
前記第1監視モードの判定結果に基づき、前記第2監視モードの実行を推奨するか否かを判定し、前記第2監視モードの実行を推奨すると判定された場合、その旨を前記端末装置に表示する、請求項4または請求項5に記載の空調監視システム。
【請求項7】
前記端末入力部による入力に基づき、前記第2監視モードにおける前記第2時間、及び、前記第2監視モードの実行時間が設定される、請求項4から請求項6の少なくともいずれか1項に記載の空調監視システム。
【請求項8】
前記端末入力部による入力に基づき、前記第2監視モードの開始時期が設定される、請求項4から請求項7の少なくともいずれか1項に記載の空調監視システム。
【請求項9】
前記端末入力部による入力に基づき、前記第2監視モードにおける前記空気調和装置の運転内容が設定され、
前記運転内容として、前記空気調和装置の試運転を実行する試運転モードと、前記空気調和装置に指示されている設定に基づく空調運転を実行する通常運転モードと、が設定可能である、請求項4から請求項8の少なくともいずれか1項に記載の空調監視システム。
【請求項10】
前記運転内容として、前記通常運転モードを選択した場合よりも、前記試運転モードを選択した場合の方が、前記第2監視モードの実行時間が短い、請求項9に記載の空調監視システム。
【請求項11】
前記端末入力部による入力に基づき前記第2監視モードの実行時間を設定でき、
前記運転内容として、前記通常運転モードを選択した場合よりも、前記試運転モードを選択した場合の方が、前記端末入力部で設定可能な前記第2監視モードの実行時間が短い、請求項10に記載の空調監視システム。
【請求項12】
前記第2監視モードにおける前記空気調和装置の運転内容として前記試運転モードが設定された場合、前記空気調和装置は、前記第2監視モードの実行を開始してから予め指定された上限時間まで前記試運転モードを実行し、前記上限時間の経過後は前記通常運転モードを実行する、請求項9から請求項11の少なくともいずれか1項に記載の空調監視システム。
【請求項13】
前記通信装置は記憶部を備え、
前記端末装置は、前記第2監視モードを実行している間に前記空気調和装置から取得した前記運転データを前記記憶部に記憶させ、前記第2監視モードの実行が終了した後、前記記憶部に記憶された前記運転データを前記サーバに送信する、請求項4から請求項6の少なくともいずれか1項に記載の空調監視システム。
【請求項14】
前記空気調和装置は記憶部を備え、
前記空気調和装置は、前記第2監視モードを実行している間の前記空気調和装置の運転データを前記記憶部に記憶させ、前記第2監視モードの実行が終了した後、前記記憶部に記憶された前記運転データを前記通信装置へ送信し、
前記通信装置は、受信した前記運転データを前記サーバへ送信する、請求項1から請求項12の少なくともいずれか1項に記載の空調監視システム。
【請求項15】
前記空気調和装置は第1の空気調和装置と第2の空気調和装置とを含み、
前記通信装置は、前記第1の空気調和装置及び前記第2の空気調和装置に接続され、前記第1の空気調和装置と前記第2の空気調和装置のそれぞれからデータを取得し、
前記第1の空気調和装置が前記第2監視モードを実行している間は、前記第2の空気調和装置は前記第2監視モードを実行できない、請求項4から請求項6の少なくともいずれか1項に記載の空調監視システム。
【請求項16】
前記第1の空気調和装置が前記第2監視モードを実行している場合、前記端末装置は、前記第1の空気調和装置による前記第2監視モードの実行が終了する時期に、前記第2の空気調和装置が第2監視モードの実行が可能な旨を表示する、請求項15に記載の空調監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、空気調和機の試運転データをサーバに送信し、サーバによって空気調和機の異常を判定するシステムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2018/083710号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、空気調和装置の状態を詳細に監視することができ、空気調和装置を遠隔監視する場合の通信負荷を抑えることが可能な空調監視システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における空調監視システムは、空気調和装置と、前記空気調和装置から前記空気調和装置の運転データを取得し、前記運転データをサーバへ送信する通信装置と、を備え、前記空気調和装置の監視モードとして、第1時間毎に取得した前記運転データを前記通信装置から前記サーバへ送信し、前記サーバで前記空気調和装置の動作状態を判定する第1監視モードと、前記第1監視モードの実行中における使用者の操作に基づき実行され、前記第1時間よりも短い第2時間毎に取得した前記運転データを前記通信装置から前記サーバへ送信し、前記サーバで前記空気調和装置の動作状態を判定する第2監視モードと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示における空調監視システムは、空気調和装置の運転状態を監視する場合に、空気調和装置の運転データをサーバに送信して運転状態を判定する第1監視モードと、第1監視モードより短い時間毎の空気調和装置の運転データをサーバに送信して運転状態を判定する第2監視モードとを実行する。そのため、第1監視モードを利用することによって通信負荷を抑えて空気調和装置の運転状態を監視し、例えば、状況に応じて、或いは必要に応じて、第2監視モードを利用して空気調和装置の詳細な監視を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】空調監視システムの構成を示す図
図2】空調監視システムを構成する装置のブロック図
図3】空気調和装置の構成を示す模式図
図4】空気調和装置の構成を示す模式図
図5】判定ルールの一例を示す図
図6】サーバの動作を示すフローチャート
図7】サーバの動作を示すフローチャート
図8】空調監視システムの動作を示すシーケンス図
図9】空調監視システムの動作を示すシーケンス図
図10】端末装置に表示される画面の遷移を示す遷移図
図11】端末装置に表示されるホーム画面の例を示す図
図12】端末装置に表示される詳細確認設定画面の例を示す図
図13】端末装置に表示される2Dグラフ表示画面の例を示す図
図14】端末装置に表示されるメンテナンス設定画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、複数の空気調和装置を備える空調システムを監視制御システムによって監視制御する技術があった。これにより、空調システムの運転データが正常であるか、正常でないかを判断することが可能となる。
しかしながら、空気調和装置の運転データを取得する頻度が高くなるほど、運転データを送受信する通信負荷が過大となるため、空気調和装置の運転データを取得する時間間隔を長くする必要があった。この制約から、運転データを取得する時間間隔を短くして空調システムの状態を詳細に判断することが難しい、と言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、空気調和装置を遠隔監視する場合の通信負荷を抑えながら、空気調和装置の状態を詳細に監視できる空調監視システムを提供する。
【0009】
以下、図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明を省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0010】
[1.空調監視システムの構成]
図1は、空調監視システム1000の構成を示す図である。
空調監視システム1000は、複数の空気調和装置1A、1B、1C、1Dに通信可能に接続されるサーバ2を備え、サーバ2によって空気調和装置1A、1B、1C、1Dの動作状態を監視するシステムである。サーバ2は、監視装置の一例に対応する。
【0011】
以下の説明では、空気調和装置1A、1B、1C、1Dを特に区別しない場合に空気調和装置1と表記する。後述する通信装置4A、4B、端末装置5A、5B等についても同様である。
【0012】
空調監視システム1000は、サーバ2に加え、通信装置4を含む。また、空調監視システム1000は、後述するようにGUI(Graphical User Interface)を構成する端末装置として、端末装置3及び端末装置5の少なくともいずれかを含む。サーバ2、端末装置3、通信装置4、及び端末装置5は、通信ネットワークNを通じて相互にデータ通信可能に接続される。端末装置3を操作するユーザ、及び、後述するように端末装置5を操作する管理者は、空調監視システム1000の使用者の一例に対応する。
【0013】
通信ネットワークNは、専用回線、公衆回線網、インターネット等を含んで構成される通信回線である。通信ネットワークNは、WiFi(登録商標)ルータ、スイッチ、ルータ、ゲートウェイ、各種のサーバ装置等の不図示のネットワーク装置を含んでもよい。また、通信ネットワークNは、通信事業者が設置する無線基地局を含んでもよい。
【0014】
端末装置3は、サーバ2を操作するユーザが使用する装置であり、サーバ管理用端末と呼ぶことができる。端末装置3は、通信ネットワークNを介して、或いは直接サーバ2に接続されて、サーバ2と通信する機能を有する。端末装置3の具体的な構成は制限されず、PC(Personal Computer)やスマートフォン、タブレット型コンピュータ、スマートウォッチ等のウェアラブル端末であってもよい。
【0015】
端末装置3は、ディスプレイ35、及び、入力装置36を備える。ディスプレイ35は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル、有機EL(Electro-Luminescence)パネル等の表示パネルを有する。入力装置36は、ユーザが端末装置3に対する入力を行うための装置である。入力装置36は、例えば、キーボードを含む。入力装置36はポインティングデバイスを備える。ポインティングデバイスは、マウス、ディスプレイ35に重畳配置されるタッチセンサ、或いは、その他のデバイスが挙げられる。ディスプレイ35は端末表示部ということができる。端末装置3がGUIを構成する場合、入力装置36は端末入力部の一例に対応する。
【0016】
端末装置3は、サーバ2が送信するデータに基づき、各種画面をディスプレイ35に表示する。ディスプレイ35に表示される画面は、サーバ2を操作するためのGUIを構成する。端末装置3は、ディスプレイ35にGUIが表示された状態で入力装置36による入力を受け付けて、入力内容をサーバ2に送信する。これにより、端末装置3は、サーバ2を遠隔地からユーザが操作するリモートコンソール装置として機能する。
【0017】
端末装置5は、空気調和装置1の保守管理を行うメンテナンス事業者に属する管理者が使用する装置であり、管理者端末と呼ぶことができる。
【0018】
空調監視システム1000は、複数の端末装置5を含むことができる。各々の端末装置5は、いずれか1以上の空気調和装置1、或いは、いずれか1以上の空気調和システム10に対応付けられる。図1には、端末装置5の具体的な構成例として、空気調和システム10Aの保守及び管理を行う管理者が使用する端末装置5Aと、空気調和システム10Bの保守及び管理を行う管理者が使用する端末装置5Bとを示す。端末装置5は、端末装置5A、5Bの例に限定されず、タブレット型コンピュータや、スマートウォッチ等のウェアラブル端末であってもよい。
【0019】
端末装置5Aは、例えばスマートフォンであり、表示画面とタッチセンサとを含むタッチパネル59を有する。端末装置5Aは、通知機能により、サーバ2から送信される通知の内容をタッチパネル59に表示する。端末装置5Bは、例えばラップトップ型PCであり、ディスプレイ55及び入力装置56を備える。ディスプレイ55はLCDパネルや有機ELパネル等を有する表示装置である。入力装置56は、端末装置5Bを使用する管理者が端末装置5に対する入力を行うための装置である。入力装置56は、例えば、キーボードや、ポインティングデバイスを備える。ポインティングデバイスとしては、マウス、ディスプレイ55に重畳配置されるタッチセンサ、或いは、その他のデバイスが挙げられる。タッチパネル59は、表示部および入力部の機能を兼ね備える構成に相当する。ディスプレイ55は端末表示部ということができる。端末装置5がGUIを構成する場合、入力装置56は端末入力部の一例に対応する。
【0020】
以下の説明では、端末装置5Bのように、ディスプレイ55と入力装置56とが互いに独立して設けられた構成を、端末装置5の構成として例示する。端末装置5A、及び、端末装置5Bは、いずれもGUIを構成する端末装置として動作することができる。従って、以下の説明における端末装置5の動作は、端末装置5A、及び、端末装置5Bのいずれも実行可能である。また、端末装置5の具体的な態様は端末装置5A及び端末装置5Bの構成に制限されず、サーバ2と通信する通信装置と、表示部と、入力部とに相当する構成を具備する装置であればよい。
【0021】
端末装置5は、通信ネットワークNを介してサーバ2と通信を行う通信機能、及び、端末装置5を使用する管理者に対して通知を行う通知機能を有する。端末装置5は、有線または無線の通信回線を介して通信ネットワークNに接続され、サーバ2との間でデータ通信を実行する。端末装置5は、通知機能により、サーバ2から送信される通知の内容をディスプレイ55に表示する。端末装置5の構成についての詳細は後述する。
【0022】
サーバ2は、1つのサーバコンピュータで構成されてもよいし、複数のサーバコンピュータがサーバ2として機能する構成であってもよい。サーバ2は、いわゆるクラウドサーバーであってもよい。また、空調監視システム1000が含む端末装置3、及び端末装置5の数に制限はない。例えば、複数の端末装置3や端末装置5が同時に、或いは交互にサーバ2に接続する構成であってもよい。また、端末装置3の設置場所に制限はなく、通信ネットワークNに端末装置3が接続可能であればよい。端末装置5の設置場所も同様である。
【0023】
空調監視システム1000が監視対象とする空気調和装置1の数および設置位置に制限はない。図1には、空調監視システム1000の監視対象として空気調和装置1A、1B、1C、1Dを示すが、これは一例である。また、空気調和装置1の具体的な構成についても制限はない。本実施形態では一例として、空気調和装置1Aを、VRF(Variable Refrigerant Flow:可変冷媒流量)型の装置として説明する。また、空気調和装置1BをPAC(パッケージエアコン)として説明する。なお、空調監視システム1000が監視対象とする空気調和装置1は電力で稼働する構成に限定されない。例えば、ガスエネルギーで稼働するGHP(ガスヒートポンプ)式の空気調和装置であってもよい。
【0024】
通信装置4は、監視対象の単数あるいは複数の空気調和装置1に接続される。図1に示す空調監視システム1000は通信装置4A及び通信装置4Bを含む。通信装置4Aは空気調和装置1A及び空気調和装置1Bに接続され、通信装置4Bは空気調和装置1C及び空気調和装置1Dに接続される。通信装置4は、例えば、空気調和装置1が設置される地域毎に設けられる。1つの通信装置4に接続される単数あるいは複数の空気調和装置1は、空気調和システム10を構成する。例えば、通信装置4Aに接続される空気調和装置1A、1Bは、空気調和システム10Aを構成する。空気調和装置1A、1Bは通信装置4Aと通信可能に接続されるが、空気調和装置1Aと空気調和装置1Bとは相互に通信しない構成であってもよい。1つの通信装置4に接続される空気調和装置1、及び、空気調和システム10に含まれる空気調和装置1の数や種類についても制限はない。
【0025】
通信装置4は、通信ネットワークNを介してサーバ2と通信を実行することにより、サーバ2から制御データD1を受信する。制御データD1は、通信装置4に対して空気調和装置1の運転状況を示すデータの取得の指示、データの取得周期を指定する情報、及び、データをサーバ2に送信する周期を指定する情報等を含む。
【0026】
通信装置4は、空気調和装置1と通信を実行し、空気調和装置1の運転状態に関するデータを、制御データD1によって指示された周期で取得する。空気調和装置1の運転状態に関するデータとは、空気調和装置1に設置された各種センサの検出値や、空気調和装置1が備える圧縮機の運転状態、空気調和装置1が備える四方弁の切り替え状態、膨張弁の開度、ファンの風量等を示すデータである。具体的には、通信装置4Aは、空気調和装置1Aが備える制御装置11Aと通信を実行し、運転状態に関するデータを制御装置11Aから取得する。同様に、通信装置4Aは、空気調和装置1Bが備える制御装置11Bと通信を実行し、空気調和装置1Bの運転状態に関するデータを制御装置11Bから取得する。通信装置4Bも同様に、空気調和装置1C、1Dと通信を実行し、空気調和装置1C、1Dの運転状態に関するデータ等を取得する。通信装置4が空気調和装置1から取得する、運転状態に関するデータは、運転データと呼ぶことができる。この運転データは、運転データ44及び運転データD2と同一であってもよいし、異なるデータであってもよい。
【0027】
通信装置4は、空気調和装置1から取得した運転状態に関するデータを含む運転データD2を、サーバ2に送信する。運転データD2は、空気調和装置1の運転状態を示すデータと言うことができる。運転データD2は、の運転状態に関するデータ、データを取得した時刻、データを取得した空気調和装置1を示す情報等を含む。運転データD2は、検出値を取得したセンサや、室外機12或いは室内機13を示す情報を含んでもよい。また、通信装置4がサーバ2に送信する運転データD2に含まれるデータの種類や項目は、後述する定期実行モードと詳細確認モードとで異なっていてもよい。例えば、詳細確認モードで通信装置4が送信する運転データD2は、定期実行モードで通信装置4が送信する運転データD2よりも、多くの種類のデータを含んでもよい。具体的には、詳細確認モードにおける運転データD2は、定期実行モードよりも多くのセンサの検出値、センサの検出値から算出されるデータ等を、多く含むデータであってもよい。
【0028】
空気調和装置1Aは、制御装置11A、複数の室外機12、及び、複数の室内機13を備える。空気調和装置1Aが備える室外機12は、室外機12A、12Bを含む。空気調和装置1Aが備える室内機13は、室内機13A、13B、13C、13Dを含む。室外機12A、12B、及び、室内機13A、13B、13C、13Dは、通信線20Aにより制御装置11Aに接続される。制御装置11Aは、不図示のリモコンの操作により設定された目標温度等に従って、室外機12A、12B、室内機13A、13B、13C、13Dを制御し、被調和室の空調を実行する。被調和室の空調とは、例えば、暖房、冷房、除湿、送風、換気等の少なくともいずれかを含む。
【0029】
空気調和装置1Aの室外機12A、12B、室内機13A、13B、13C、13D、及び、これらを接続する冷媒配管には、各種センサが設置される。制御装置11Aは、各センサの検出値等を通信装置4Aに送信する。
【0030】
空気調和装置1Bは、制御装置11B、室外機12F及び室内機13Fを備える。室外機12F及び室内機13Fは、制御装置11Bに通信線20Bにより接続される。制御装置11Bは、不図示のリモコンの操作により設定された目標温度等に従って、室外機12F及び室内機13Fを制御し、室内機13Fが設置された被調和室の空調を行う。
【0031】
空気調和装置1Bの室外機12F、室内機13F、及び、これらを接続する冷媒配管には、各種センサが設置される。制御装置11Bは、各センサの検出値等を通信装置4Aに送信する。
【0032】
サーバ2は、通信装置4から送信される運転データD2を受信する。サーバ2は、運転データD2に基づいて、空気調和装置1の運転状態を判定する。サーバ2は、空調監視システム1000の監視対象である各々の空気調和装置1について、運転状態が正常か、正常でない状態かを判定する。
【0033】
以下の説明では、空気調和装置1の運転状態が正常でない状態であることを、異常と呼ぶ。ここで、異常とは、必ずしも、空気調和装置1の異常が空気調和装置1の故障や不良を意味するものではない。例えば、サーバ2が判定する「異常」とは、空気調和装置1の運転状態が一時的に正常な範囲を逸脱することを含む。すなわち、空気調和装置1が正常な状態であって、外的要因によって一時的に正常な範囲から逸脱する状態となった場合も、サーバ2が、空気調和装置1の動作状態を「異常」と判定することがある。また、サーバ2は、空気調和装置1の運転状態を、判定不能と判定することがある。
サーバ2は、後述する設定に従って、空気調和装置1の運転状態を端末装置5に通知する。
【0034】
[2.サーバの構成]
図2は、空調監視システム1000を構成する装置のブロック図であり、サーバ2、端末装置3、通信装置4、及び端末装置5の機能的構成を示す。
【0035】
サーバ2は、プロセッサ201を備える。サーバ2は、記憶部210を備える。記憶部210は、不揮発性の記憶媒体を有する。記憶部210は、揮発性の記憶領域を備え、プロセッサ201のワークエリアを構成してもよい。
【0036】
記憶部210は、プロセッサ201により実行されるプログラム、及び、プロセッサ201により処理される各種のデータを記憶する。記憶部210は、制御プログラム211、設定データ212、第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、第2正常判定ルール216、判定結果データ217、及び、診断結果データ218を記憶する。
【0037】
プロセッサ201は、制御プログラム211を実行することにより、サーバ2の各部を制御する。プロセッサ201は、機能部として、ユーザインタフェース制御部202、監視部203、及び、設定部204を備える。ユーザインタフェース制御部202は、以下、UI制御部202と表記する。これらの各機能部は、プロセッサ201が制御プログラム211を実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現される。
【0038】
サーバ2は、通信部220を備える。通信部220は、通信ネットワークNに接続される通信装置である。通信部220は、例えば、通信ケーブルを接続するコネクタと、コネクタを通じて信号を入出力するインターフェイス回路とを備える。また、例えば、通信部220は、アンテナ及び無線回路を備え、無線通信回線を介して通信ネットワークNに接続する無線通信装置であってもよい。
【0039】
UI制御部202は、GUIを構成する端末装置として機能する装置に対するデータの送信、及び、データの取得を実行する。GUIを構成する端末装置は、端末装置3及び端末装置5のいずれかである。本実施形態では、GUIを構成する端末装置として端末装置5が動作する場合を例として説明する。以下の説明において端末装置5を対象とするサーバ2の動作は、端末装置3を対象とする場合も同様に実行される。
【0040】
UI制御部202は、サーバ2の操作や設定を行うためのGUIのデータを生成して、通信部220によって端末装置5に送信する。UI制御部202は、端末装置5が、GUIを構成する画面をディスプレイ55に表示した状態で、入力装置56によって入力されたデータを取得する。
【0041】
また、UI制御部202は、監視部203の動作に関する設定を行うためのGUIのデータを生成して、端末装置5に送信する。
また、UI制御部202は、監視部203が実行する定期実行モード及び詳細確認モードの判定結果等を確認するためのGUIのデータを生成して端末装置5に送信する。
【0042】
監視部203は、空気調和装置1の運転状態を判定する動作として、定期実行モードと、詳細確認モードと、を実行する。定期実行モードは第1監視モードの一例に対応し、詳細確認モードは、第2監視モードの一例に対応する。
【0043】
定期実行モードは、空調監視システム1000が空気調和装置1の運転状態を監視するために通常実行する動作モードである。定期実行モードでは、通信装置4は、空気調和装置1の運転状態に関するデータを第1時間毎に取得し、取得したデータに基づく運転データD2をサーバ2に送信する。定期実行モードにおける空気調和装置1及び通信装置4の動作は、監視部203が指示を行わなくても定常的に実行される。
【0044】
詳細確認モードは、空調監視システム1000が空気調和装置1の運転状態を、定期実行モードよりも詳細なデータに基づいて監視する動作モードである。具体的には、通信装置4が空気調和装置1の運転に関するデータを取得する時間間隔が第2時間毎であり、第2時間は第1時間よりも短い。例えば、定期実行モードにおいて通信装置4が空気調和装置1の運転状態に関するデータを15分間隔で取得するのに対し、詳細確認モードでは、30秒間隔や1分間隔で通信装置4が空気調和装置1の運転状態に関するデータを取得する。そして、通信装置4は、第2時間毎に取得したデータに基づく運転データD2をサーバ2に送信する。これにより、サーバ2が空気調和装置1の状態を詳細に確認できる。詳細確認モードは、後述するように管理者が端末装置5を操作して手動で設定および開始を指示するので、手動実行モードと呼ぶことができる。
【0045】
監視部203は、サーバ2に接続された通信装置4により管理される全ての空気調和装置1から、監視対象の空気調和装置1を選択して、詳細確認モードを実行できる。詳細確認モードでは、空調監視システム1000の通信負荷が定期実行モードより大きい。この要因としては、第2時間が第1時間よりも短いために空気調和装置1と通信装置4との間の通信が定期実行モードに比べて高頻度で行われること、及び、通信装置4がサーバ2に送信する単位時間あたりのデータ量が定期実行モードより多いことがある。つまり、詳細確認モードでは、空気調和装置1と通信装置4との間の通信負荷、及び、通信装置4とサーバ2との間の通信負荷がいずれも定期実行モードより高負荷である。このため、監視部203は、通信装置4Aに接続される空気調和装置1A、1B、および、通信装置4Bに接続される空気調和装置1C、1Dの中から、管理者が端末装置5を操作して指定した空気調和装置1を対象として、詳細確認モードを実行する。
【0046】
監視部203は、空気調和装置1に対する定期実行モードと詳細確認モードとを切り替えて実行する。例えば、監視部203は、空気調和装置1Aを対象として詳細確認モードを実行する間は、空気調和装置1Aを対象とする定期実行モードを実行しない。
【0047】
一方、監視部203は、複数の空気調和装置1のうち一部に対して詳細確認モードを実行し、他の空気調和装置1に対して定期実行モードを実行する。例えば、空気調和装置1Aに対する詳細確認モードを実行中に、詳細確認モードの対象でない空気調和装置1B、1C、1Dに対しては定期実行モードを実行する。
【0048】
詳細確認モードでは、上述のように空調監視システム1000における通信負荷が増大するので、複数の空気調和装置1に対する詳細確認モードの実行を制限してもよい。例えば、空調監視システム1000において、1つの通信装置4に接続された複数の空気調和装置1のうち、同時に詳細確認モードを実行できる空気調和装置1の数を制限してもよい。具体的には、監視部203が空気調和装置1Aに対して詳細確認モードを実行中は、空気調和装置1Aと同じ通信装置4Aに接続された空気調和装置1Bに対して、詳細確認モードを実行しないよう制限してもよい。換言すれば、同一の空気調和システム10に属する複数の空気調和装置1の中で、詳細確認モードを同時に実行できる空気調和装置1の数に上限が設けられてもよい。
【0049】
監視部203は、制御データD1を通信装置4に送信することによって詳細確認モードを実行する。制御データD1は、詳細確認モードの対象の空気調和装置1を指定する情報と、詳細確認モードの実行指示と、詳細確認モードの実行に関する条件とを含む。対象の空気調和装置1を指定する情報は、例えば、空調監視システム1000において各々の空気調和装置1に付与される固有の識別情報、空気調和装置1のアドレス、装置名称、空気調和装置1の製造時のシリアル番号等が挙げられる。詳細確認モードの実行に関する条件は、例えば、詳細確認モードの開始タイミング、詳細確認モードにおいて通信装置4が空気調和装置1の運転状態に関するデータを取得する時間間隔、詳細確認モードの実行時間、詳細確認モードの対象の空気調和装置1を試運転させるか否か等を含む。
【0050】
定期実行モードにおいて、監視部203は、通信装置4が所定時間周期で送信する運転データD2を取得して、記憶部210に一時的に記憶させる。監視部203は、定期実行モードについて予め設定された周期で、記憶部210に記憶させた運転データD2を解析し、運転データD2に正常でない状態を示すデータがあるか否かを判定する。監視部203は、解析対象の空気調和装置1について、正常、異常、及び、判定不能のいずれかの判定結果を決定し、判定結果を判定結果データ217として記憶部210に記憶させる。
【0051】
詳細確認モードにおいて、監視部203は、詳細確認モードの実行が完了した後に通信装置4が送信する運転データD2を取得する。監視部203は、取得した運転データD2を解析し、運転データD2に正常でない状態を示すデータがあるか否かを判定する。監視部203は、解析対象の空気調和装置1について、正常、異常、及び、判定不能のいずれかの判定結果を決定し、判定結果を判定結果データ217として記憶部210に記憶させる。さらに、監視部203は、運転データD2に基づき空気調和装置1が異常と判定した場合、空気調和装置1の故障診断を実行する。故障診断において、監視部203は、空気調和装置1を構成する室外機12、室内機13、及びその他の機器のうち、異常が生じている可能性がある構成部を特定し、異常の種類や異常要因を推定する処理である。監視部203は、故障診断を実行した場合、診断結果を診断結果データ218として記憶部210に記憶させる。
【0052】
例えば、空調監視システム1000の定期実行モードにおいて、通信装置4は、例えば、15分単位で空気調和装置1の運転に関するデータを取得し、1時間毎に運転データD2をサーバ2に送信する。監視部203は、午前0時を境として24時間分の運転データD2を対象として、予め設定された時刻に解析を行う。また、空調監視システム1000の詳細確認モードにおいて、監視部203は、1回の詳細確認モードの実行中における全ての運転データD2を対象として、通信装置4が詳細確認モードを終えた後、速やかに解析を行う。
通信装置4が動作する時刻、及び、運転データD2に含まれる時刻は、例えば、空気調和システム10が設置された場所が属するタイムゾーンの時刻であり、現地時間とすることができる。
【0053】
監視部203は、運転データD2に正常でない状態を示すデータがあるか否かを判定する処理において、記憶部210が記憶する第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、及び、第2正常判定ルール216を利用する。第1安定判定ルール213は、定期実行モードにおいて、運転データD2が安定しているか否かを判定するための条件を含む。第1正常判定ルール214は、定期実行モードにおいて、運転データD2が正常であるか否かを判定するための条件を含む。第2安定判定ルール215は、詳細確認モードにおいて、運転データD2が安定しているか否かを判定するための条件を含む。第2正常判定ルール216は、詳細確認モードにおいて、運転データD2が正常であるか否かを判定するための条件を含む。
【0054】
設定部204は、監視部203の動作に関する設定を行う。設定部204は、端末装置5が設定用のGUIをディスプレイ55に表示した状態で、設定用のGUIを利用して入力装置56により入力されたデータに基づき、設定を行う。設定部204は、入力装置56により入力されたデータに基づき、例えば、詳細確認モードの実行に関する実行条件を設定する。この条件は、例えば、詳細確認モードの開始タイミング、詳細確認モードにおいて通信装置4が空気調和装置1の運転状態に関するデータを取得する時間間隔、詳細確認モードの実行時間、詳細確認モードの対象の空気調和装置1を試運転させるか否か等を含む。設定部204は、設定内容を設定データ212として記憶部210に記憶させ、或いは、設定データ212を更新する。
【0055】
[3.端末装置の構成]
端末装置3は、プロセッサ31を備える。端末装置3は、記憶部32を備える。記憶部32は、不揮発性の記憶媒体を有する。記憶部32は、揮発性の記憶領域を備え、プロセッサ31のワークエリアを構成してもよい。
【0056】
記憶部32は、プロセッサ31により実行されるプログラム、及び、プロセッサ31により処理される各種のデータを記憶する。例えば、記憶部32は、制御プログラム33及びGUIデータ34を記憶する。
【0057】
端末装置3は、通信部37を備える。通信部37は、通信ネットワークNに接続される通信装置である。通信部37は、例えば、通信ケーブルを接続するコネクタと、コネクタを通じて信号を入出力するインターフェイス回路とを備える。また、例えば、通信部37は、アンテナ及び無線回路を備え、無線通信回線を介して通信ネットワークNに接続する無線通信装置であってもよい。端末装置3がGUIを構成する場合、通信部37は端末通信部の一例に対応する。
【0058】
プロセッサ31は、制御プログラム33を実行することにより、端末装置3の各部を制御する。
プロセッサ31は、サーバ2が送信するGUIのデータを通信部37によって受信し、記憶部32にGUIデータ34として記憶させる。プロセッサ31は、GUIデータ34に基づきディスプレイ35に各種画面を表示させることによって、ユーザに対しGUIを提供する。プロセッサ31は、ユーザがGUIを利用して入力装置36によって入力した内容を取得し、入力内容を示すデータを通信部37によってサーバ2に送信する。
【0059】
端末装置5は、プロセッサ51を備える。端末装置5は、記憶部52を備える。記憶部52は、不揮発性の記憶媒体を有する。記憶部52は、揮発性の記憶領域を備え、プロセッサ51のワークエリアを構成してもよい。
【0060】
記憶部52は、プロセッサ51により実行されるプログラム、及び、プロセッサ51により処理される各種のデータを記憶する。例えば、記憶部52は、制御プログラム53及びGUIデータ54を記憶する。
【0061】
端末装置5は、通信部57を備える。通信部57は、通信ネットワークNに接続される通信装置である。通信部57は、例えば、通信ケーブルを接続するコネクタと、コネクタを通じて信号を入出力するインターフェイス回路とを備える。また、例えば、通信部57は、アンテナ及び無線回路を備え、無線通信回線を介して通信ネットワークNに接続する無線通信装置であってもよい。端末装置5がGUIを構成する場合、通信部57は端末通信部の一例に対応する。
【0062】
プロセッサ51は、制御プログラム53を実行することにより、端末装置5の各部を制御する。
プロセッサ51は、サーバ2が送信するGUIのデータを通信部57によって受信し、記憶部52にGUIデータ54として記憶させる。プロセッサ51は、GUIデータ54に基づきディスプレイ55に各種画面を表示させることによって、管理者に対しGUIを提供する。プロセッサ51は、管理者がGUIを利用して入力装置56によって入力した内容を取得し、入力内容を示すデータを通信部57によってサーバ2に送信する。
【0063】
[4.通信装置の構成]
図2に示す通信装置4の構成は、通信装置4A、4Bにおいて共通である。通信装置4は、プロセッサ41を備える。通信装置4は、記憶部42を備える。記憶部42は、不揮発性の記憶媒体を有する。記憶部42は、揮発性の記憶領域を備え、プロセッサ41のワークエリアを構成してもよい。
【0064】
記憶部42は、プロセッサ41により実行されるプログラム、及び、プロセッサ41により処理される各種のデータを記憶する。例えば、記憶部42は、制御プログラム43及び運転データ44を記憶する。
【0065】
通信装置4は、通信部45を備える。通信部45は、通信ネットワークNに接続される通信装置である。通信部45は、例えば、通信ケーブルを接続するコネクタと、コネクタを通じて信号を入出力するインターフェイス回路とを備える。また、例えば、通信部45は、アンテナ及び無線回路を備え、無線通信回線を介して通信ネットワークNに接続する無線通信装置であってもよい。また、通信部45は、空気調和装置1に接続され、空気調和装置1との間でデータ通信を実行する。例えば、通信部45は、プロセッサ41の制御に従って、空気調和装置1に対して試運転の実行の指示、空気調和装置1が備える各種センサの検出値を送信することの指示を送信する。通信部45が送信する指示に応じて、空気調和装置1は、試運転を実行する。また、空気調和装置1が、通信部45が送信する指示に応じて、センサの検出値を取得して送信する場合、通信部45は、空気調和装置1が送信する検出値を取得する。
【0066】
プロセッサ41は、制御プログラム43を実行することにより、通信装置4の各部を制御する。
プロセッサ41は、通信部45によって空気調和装置1と通信を実行し、空気調和装置1の運転状態に関するデータを取得する。プロセッサ41は、通常時は定期実行モードを実行し、監視対象の空気調和装置1から、定期実行モードの周期として設定された時間間隔で運転状態に関するデータを取得する。プロセッサ41は、取得した検出値等を運転データ44として記憶部42に記憶する。運転データ44は、通信装置4に接続された空気調和装置1毎の運転状態に関するデータを含む。
【0067】
プロセッサ41は、予め設定された周期で、運転データ44をもとに送信用の運転データD2を生成し、サーバ2に送信する。プロセッサ41が運転データD2を送信する周期は、プロセッサ41が空気調和装置1の運転状態に関するデータを取得する周期と同じか、それより長い。例えば、プロセッサ41は、定期実行モードにおいて15分間隔で運転状態に関するデータを取得し、サーバ2に対して1時間間隔で運転データD2を送信する。
【0068】
プロセッサ41は、サーバ2から制御データD1を受信した場合、制御データD1により指定された空気調和装置1に対し、詳細確認モードを実行する。詳細確認モードにおいて、プロセッサ41は、制御データD1により指定された時間間隔で、運転状態に関するデータを取得する。プロセッサ41が詳細確認モードを実行する時間は、制御データD1により指定される。プロセッサ41は、詳細確認モードの実行時間が経過するまで、空気調和装置1から取得した運転状態に関するデータを運転データ44として記憶部42に蓄積する。プロセッサ41は、詳細確認モードの実行時間が経過した後、記憶部42に蓄積した運転データ44をまとめて運転データD2を生成し、サーバ2に送信する。
【0069】
[5.空気調和装置におけるセンサの配置例]
図3は、空気調和装置1Aの構成を示す模式図であり、空気調和装置1Aにおけるセンサの配置例を示す。空気調和装置1Aは、図1に示したように複数の室外機12A、12B、及び複数の室内機13A、13B、13C、13Dを備えるが、図3には理解の便宜のため、1台の室外機12Aと室内機13Aとを接続して構成される系統101を示して説明する。
【0070】
室外機12Aは、並列に接続される2台の圧縮機102と、2台の室外熱交換器103と、各々の室外熱交換器103に接続される2つの膨張弁104と、四方弁121と、を備える。四方弁121は圧縮機102の吐出側に接続され、圧縮機102から吐出される冷媒の方向を室外熱交換器103と室内機13Aとに切り替える。四方弁121には冷媒管120が接続される。冷媒管120には過冷却膨張弁106が設置され、過冷却熱交換器107を構成する。
【0071】
四方弁121は、暖房運転時と冷房運転時とで冷媒の流れを切り替える。図3には、空気調和装置1Aの冷房運転中における冷媒の流れを符号Cの矢印で示し、暖房運転中における冷媒の流れを符号Hの矢印で示す。
【0072】
室内機13Aは、室内熱交換器111及び膨張弁112を備え、冷媒配管により室外機12Aに接続される。
【0073】
室外機12A及び室内機13Aには、温度センサ15A、15B、15C、15D、15F、15G、15H、15I、15J、15K、15L、15Mが配置される。また、圧力センサ16A、16Bが配置される。
【0074】
温度センサ15Aは、圧縮機102の吸入側の冷媒配管に設置され、圧縮機102が吸い込む冷媒の温度を検出する。温度センサ15Aの検出値は圧縮機吸入温度を示す。
温度センサ15B、15Cは、圧縮機102の吐出側の冷媒配管に設置され、圧縮機102が吐出する冷媒の温度を検出する。温度センサ15B、15Cの検出値は圧縮機吐出温度を示す。
温度センサ15D、15Eは、室外熱交換器103において液冷媒が流れる冷媒配管に設置され、冷媒の温度を検出する。温度センサ15D、15Eの検出値は室外熱交液側温度を示す。
温度センサ15F、15Gは、室外熱交換器103において気化した冷媒が流れる冷媒配管に設置され、冷媒の温度を検出する。温度センサ15F、15Gの検出値は室外熱交ガス側温度を示す。
【0075】
温度センサ15Hは、四方弁121と過冷却膨張弁106との間の冷媒管120に配置され、冷媒の温度を検出する。温度センサ15Hの検出値は過冷却回路ガス温度を示す。
温度センサ15Iは、室外熱交換器103に近接して設けられ、室外熱交換器103に向けて不図示の室外ファンが送風する空気の温度を検出する。温度センサ15Iの検出値は外気温度を示す。
【0076】
温度センサ15Jは室内熱交換器111において気化した冷媒が流れる冷媒配管に設置され、冷媒の温度を検出する。温度センサ15Jの検出値は室内熱交ガス側温度を示す。
温度センサ15Kは、室内熱交換器111において液冷媒が流れる冷媒配管に設置され、冷媒の温度を検出する。温度センサ15Kの検出値は室内熱交液側温度を示す。
【0077】
温度センサ15Mは、不図示の室内ファンが室内熱交換器111を通じて被調和室に吹き出す空気の温度を検出する。温度センサ15Mの検出値は室内吹出温度を示す。
温度センサ15Lは、不図示の室内ファンが被調和室から吸い込む空気の温度を検出する。温度センサ15Lの検出値は室内温度を示す。
【0078】
圧力センサ16Aは、圧縮機102の吸入側の冷媒配管における冷媒の圧力を検出する。圧力センサ16Bは圧縮機102の吐出側の冷媒配管における冷媒の圧力を検出する。圧力センサ16Aは低圧センサ、圧力センサ16Bは高圧センサと呼ぶことができる。
【0079】
図4は、空気調和装置1Bの構成を示す模式図であり、空気調和装置1Bにおけるセンサの配置例を示す。空気調和装置1Bは、1つの室外機12Fと室内機13Fとを接続した系統151を有する。
【0080】
室外機12Fは、圧縮機152、室外熱交換器153、膨張弁154、及び、四方弁161を備える。四方弁161は圧縮機152の吐出側に接続され、圧縮機152から吐出される冷媒を室外熱交換器153と室内機13Fとに切り替える。四方弁161には冷媒管160が接続される。四方弁161は、暖房運転時と冷房運転時とで冷媒の流れを切り替える。図4には、空気調和装置1Bの冷房運転中における冷媒の流れを符号Cの矢印で示し、暖房運転中における冷媒の流れを符号Hの矢印で示す。
【0081】
室内機13Fは、室内熱交換器156を備え、冷媒配管により室外機12Fに接続される。
室外機12F及び室内機13Fには、温度センサ17A、17B、17C、17D、17F、17G、17H、17Iが配置される。
【0082】
温度センサ17Aは、圧縮機152の吸入側の冷媒配管に設置され、圧縮機152が吸い込む冷媒の温度を検出する。温度センサ17Aの検出値は圧縮機吸入温度を示す。
温度センサ17Bは、圧縮機152の吐出側の冷媒配管に設置され、圧縮機152が吐出する冷媒の温度を検出する。温度センサ17Bの検出値は圧縮機吐出温度を示す。
温度センサ17Cは、室外熱交換器153において液冷媒が流れる冷媒配管に設置され、冷媒の温度を検出する。温度センサ17Cの検出値は室外熱交液側温度を示す。
温度センサ17Dは、室外熱交換器153に設置される。温度センサ17Dの検出値は室外熱交温度を示す。
【0083】
温度センサ17Eは、室外熱交換器153に近接して設けられ、室外熱交換器153に向けて不図示の室外ファンが送風する空気の温度を検出する。温度センサ17Eの検出値は外気温度を示す。
【0084】
温度センサ17Fは室内熱交換器111において液冷媒が流れる冷媒配管に設置され、冷媒の温度を検出する。温度センサ17Fの検出値は室内熱交液側温度を示す。
【0085】
温度センサ17Gは、室内熱交換器156に設置される。温度センサ17Gの検出値は室内熱交温度を示す。
温度センサ17Hは、不図示の室内ファンが室内熱交換器156を通じて被調和室に吹き出す空気の温度を検出する。温度センサ17Hの検出値は室内吹出温度を示す。
温度センサ17Iは、不図示の室内ファンが被調和室から吸い込む空気の温度を検出する。温度センサ17Iの検出値は室内温度を示す。
【0086】
通信装置4は、空気調和装置1Aが備える温度センサ15A~15M、温度センサ17A~17I、及び、圧力センサ16A、16Bの検出値を取得する。通信装置4が取得する検出値は、例えば、空気調和装置1Aが備える温度センサ15A~15M、温度センサ17A~17I、及び、圧力センサ16A、16Bの検出値を制御装置11が取得する時点における瞬時値である。
【0087】
通信装置4は、各センサの検出値そのものを含む運転データD2をサーバ2に送信してもよい。また、通信装置4は、各センサの検出値が示すデータの種類や名称と、データの値とを含む運転データD2を生成し、サーバ2に送信してもよい。データの種類や名称は、例えば、圧縮機吸入温度、圧縮機吐出温度、室外熱交液側温度、室外熱交ガス側温度、過冷却回路ガス温度、外気温度、室内熱交ガス側温度、室内熱交液側温度、室内吹出温度、室内温度、室外熱交温度、室内熱交温度、低圧側圧力、高圧側圧力が挙げられる。通信装置4は、上述した各センサの検出値からデータの値を求め、運転データD2を生成する。
【0088】
また、通信装置4は、各センサの検出値を用いた演算処理によって、データを生成してもよい。例えば、通信装置4は、高圧側圧力から飽和温度(HP_TEMP)を算出し、低圧側圧力から飽和温度(LP_TEMP)を算出し、圧縮機吸入温度と飽和温度(LP_TEMP)との差から圧縮機吸入過熱度を求めてもよい。通信装置4は、飽和温度(HP_TEMP)と室外熱交液側温度との差から、凝縮器出口過冷却度を求めてもよい。通信装置4は、室内温度と室内熱交温度との差から室温熱交温度差を求めてもよい。通信装置4は、飽和温度(HP_TEMP)及び飽和温度(LP_TEMP)から、凝縮温度及び蒸発温度を求めてもよい。通信装置4は、圧縮機吐出温度と飽和温度(HP_TEMP)との差から圧縮機吐出過熱度を求めてもよい。通信装置4は、過冷却回路ガス温度と飽和温度(LP_TEMP)との差から過冷却回路ガス過熱度を求めてもよい。
【0089】
通信装置4は、上記のように算出した圧縮機吸入過熱度、凝縮器出口過冷却度、室温熱交温度差、凝縮温度、凝縮温度、圧縮機吐出過熱度、過冷却回路ガス過熱度を含む運転データD2を生成してもよい。
【0090】
また、圧縮機102、152が回転数可変である場合、運転データD2は圧縮機102、152の回転数を含んでもよい。圧縮機102、152が回転数一定の定速圧縮機である場合、運転データD2は圧縮機102、152のON/OFF状態を含んでもよい。運転データD2は、四方弁121、161の切り替え状態を示すデータを含んでもよい。運転データD2は、膨張弁104、106、112、154の開度を示すデータを含んでもよい。
【0091】
[6.空気調和装置に関する判定]
図5は、監視部203が参照する判定ルールの一例を示す図である。例えば、図5の判定ルールは、第1安定判定ルール213の一部であり、空気調和装置1がPACである場合に適用されるルールの一部である。
【0092】
監視部203は、運転データD2に含まれる各項目のデータを時系列順に整列させ、予め設定された時間毎に区間に区切る。監視部203は、区間毎に、第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、及び第2正常判定ルール216を満たすか否かに基づき、判定を行う。
【0093】
例えば、図5に示す判定ルールは、定期実行モードにおいて空気調和装置1の動作が安定しているか否かを判定するためのルールである。この判定ルールは、判定項目と、安定条件と、継続時間とを含む。
【0094】
図5の判定ルールは、空気調和装置1の運転状態が安定しているか否かを判定する判定項目として、圧縮機回転数、凝縮温度及び蒸発温度の変動幅、室内熱交液側温度の変動幅、室外熱交液側温度の変動幅、圧縮機吸入温度の変動幅、圧縮機吐出温度の変動幅、膨張弁開度の変動幅を含む。ここで、凝縮温度は冷房運転時の室外熱交温度であり、暖房運転時の室内熱交温度である。蒸発温度は冷房運転時における室内熱交温度であり、暖房運転時の室外熱交温度である。また、各センサの「変動幅」とは、後述する継続時間における各センサの検出値の最大値と最小値の差分値である。
【0095】
安定条件は、空気調和装置1の運転状態が安定しているか否かを判定する閾値である。上述した各判定項目に対応づけて、空気調和装置1の運転状態が安定していると見なす閾値、及び、範囲が定められている。継続時間は、時間的な閾値である。各判定項目の値が安定条件を満たす状態が、設定された継続時間以上、継続した場合に、空気調和装置1の運転状態が安定していると判定される。
【0096】
このように、第1安定判定ルール213は、空気調和装置1の運転状態が安定しているか否かを判定する閾値を、判定項目毎に含んでいる。閾値は、データの値と比較される量的閾値、及び、時間の閾値を含んでもよい。詳細確認モードで適用される第2安定判定ルール215も同様であるが、第1安定判定ルール213の判定項目と異なる判定項目を含むものであってもよい。また、第1正常判定ルール214及び第2正常判定ルール216は、空気調和装置1の運転状態が正常であるか否かを判定する閾値を、判定項目毎に含んでいる。閾値は、データの値と比較される量的閾値を含むが、時間の閾値を含んでもよい。また、第1正常判定ルール214と第2正常判定ルールは異なる判定項目を含んでもよい。運転データD2に含まれるデータの種類は、例えば、第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、第2正常判定ルール216の判定項目に対応してもよい。例えば、定期実行モードでサーバ2に送信される運転データD2に含まれるデータの種類は、第1安定判定ルール213及び第1正常判定ルール214に対応し、詳細確認モードでサーバ2に送信される運転データD2に含まれるデータの種類は、第2安定判定ルール215及び第2正常判定ルール216に対応する態様が挙げられる。
【0097】
第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、及び、第2正常判定ルール216は、空気調和装置1の構成や形式や用途に対応させて、複数あってもよい。例えば、記憶部210は、空気調和装置1がVRF型の装置である場合と、空気調和装置1がPACである場合との各々に対応する第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、及び、第2正常判定ルール216を記憶してもよい。また、これらのルールは、圧縮機、熱交換器、膨張弁等の仕様に合わせて、複数の閾値を含んでもよい。また、例えば、サーバルームの空調に用いられる空気調和装置1と、事務作業等が行われる一般的なオフィススペースの空調に用いられる空気調和装置1との各々に対応する第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、及び、第2正常判定ルール216を記憶してもよい。この場合、サーバ2は、空気調和装置1の構成や形式や用途に合わせてルールを選択し、選択したルールを利用して、以下に説明する判定や要因推定を行う。
【0098】
[7.空調監視システムの動作]
[7-1.空気調和装置の動作状態の判定]
図6及び図7は、サーバ2の動作を示すフローチャートであり、空気調和装置1の動作状態が正常であるか否かを判定する処理を示す。図6及び図7に示す処理は、サーバ2の監視部203によって実行される。
【0099】
サーバ2は、通信装置4を介してサーバ2に接続される空気調和装置1の中から、判定対象の空気調和装置1を選択する(ステップS11)。サーバ2は、選択した空気調和装置1に含まれる室外機12及び室内機13を特定し、1台の室外機12と1台の室内機13との組合せを選択する(ステップS12)。
【0100】
ステップS12では、仮想的に1台の室外機12と1台の室内機13との組合せを作成し、1組の組合せを処理対象として選択する。例えば、図1に示す空気調和装置1Aは、2台の室外機12A、12Bと4台の室内機13A、13B、13C、13Dを備える。空気調和装置1Aにおいて1台の室外機12と1台の室内機13との組合せは、8通り存在する。ステップS11で空気調和装置1Aを判定対象として選択した場合、サーバ2は、ステップS12で、空気調和装置1Aについて存在する8通りの組合せの中から、1つの組合せを選択する。
【0101】
サーバ2は、ステップS12で選択した組合せを構成する室外機12と室内機13の運転データD2を取得する(ステップS13)。サーバ2は、ステップS13で取得した運転データD2を、上述したように所定時間毎に区間に区切り、各区間の運転データD2が第1安定判定ルール213に含まれる閾値を満たすか否かに基づいて、区間毎に安定状態か否かを判定する(ステップS14)。ステップS14の判定は、室外機12と室内機13の組合せの運転データD2に含まれる判定項目毎に行われる。すなわち、サーバ2は、運転データD2に含まれる1つの判定項目のデータが、その判定項目に関する第1安定判定ルール213の閾値に該当するか否かに基づき、判定項目について安定しているか否かを判定する。サーバ2は、この判定を、全ての判定項目のそれぞれについて実行する。そして、全ての判定項目が、安定していると判定された場合に、その区間が安定状態と判定される。一方、安定していないと判定された判定項目が1以上ある場合、その区間は安定状態でないと判定される。
【0102】
サーバ2は、ステップS13で取得した運転データD2の全区間を対象として、空気調和装置1が安定状態と判定された区間があるか否かを判定する(ステップS15)。安定状態と判定された区間がない場合(ステップS15;NO)、サーバ2は、ステップS12で選択した組合せについて、判定不能との判定結果を決定する(ステップS16)。
【0103】
空気調和装置1が安定状態と判定された区間がある場合(ステップS15;YES)、サーバ2は、安定状態と判定された区間について第1正常判定ルール214に基づく判定を行う(ステップS17)。ステップS17で、サーバ2は、安定状態と判定された区間の運転データD2が第1正常判定ルール214に含まれる閾値を満たすか否かに基づいて、空気調和装置1の動作状態が正常であるか否かを判定する。ここで、空気調和装置1の動作状態が正常でない区間を、異常区間と呼ぶ。サーバ2は、ステップS14において安定状態と判定された全ての区間に対し、ステップS17の判定を行う。
【0104】
ステップS17の判定は、ステップS14と同様に、室外機12と室内機13の組合せの運転データD2に含まれる判定項目毎に行われる。すなわち、サーバ2は、運転データD2に含まれる1つの判定項目のデータが、その判定項目に関する第1正常判定ルール214の閾値に該当するか否かに基づき、判定項目について正常か否かを判定する。サーバ2は、この判定を、全ての判定項目のそれぞれについて実行する。そして、全ての判定項目が正常であると判定された場合に、その区間が正常と判定される。また、1以上の判定項目について正常でないと判定された場合、その区間が異常と判定される。
【0105】
サーバ2は、ステップS17の判定の結果、異常区間があるか否かを判定する(ステップS18)。サーバ2は、ステップS17で異常区間と判定された区間が1つでもある場合(ステップS18;YES)、ステップS12で選択した組合せについて、動作状態が異常との判定結果を決定する(ステップS19)。
【0106】
サーバ2は、ステップS17で異常区間と判定された区間がない場合(ステップS18;NO)、ステップS12で選択した組合せについて、動作状態が正常との判定結果を決定する(ステップS20)。
【0107】
ステップS16、S19、S20で判定結果を決定した後、サーバ2は、ステップS11で選択した空気調和装置1における全ての組合せについての判定が完了したか否かを判定する(ステップS21)。全ての組合せについての判定が完了していない場合(ステップS21;NO)、サーバ2は、ステップS12に戻る。全ての組合せについての判定が完了した場合(ステップS21;YES)、サーバ2は、図7のステップS22に移行する。
【0108】
サーバ2は、ステップS11で選択した空気調和装置1において判定対象のユニットを選択する(ステップS22)。判定対象のユニットとは、ステップS11で選択した空気調和装置1が備える室外機12及び室内機13のいずれか1台である。
【0109】
サーバ2は、ステップS22で選択したユニットを含む全ての組合せについての判定結果を取得する(ステップS23)。ここで、判定結果とは、ステップS16、S19、S20の判定結果である。
【0110】
サーバ2は、ステップS23で取得した判定結果に、異常と判定された結果があるか否かを判定する(ステップS24)。異常とする判定結果が全く無い場合(ステップS24;NO)、サーバ2は、正常とする判定結果があるか否かを判定する(ステップS25)。正常とする判定結果がある場合(ステップS25;YES)、サーバ2は、ステップS22で選択したユニットの運転状態が正常であると判定する(ステップS26)。
【0111】
サーバ2は、対象のユニットについて正常とする判定結果がない場合(ステップS25;NO)、ステップS22で選択したユニットの運転状態が判定不能であると決定する(ステップS27)。
サーバ2は、対象のユニットについて異常とする判定結果が1つでもある場合(ステップS24;YES)、ステップS22で選択したユニットの運転状態が異常であると判定する(ステップS28)。
【0112】
サーバ2は、ステップS26、S27、S28の判定結果を、判定結果データ217として記憶部210に記憶させる(ステップS29)。サーバ2は、判定対象の空気調和装置1に含まれる全てのユニットについての判定が完了したか否かを判定する(ステップS30)。全てのユニットについての判定が完了していない場合(ステップS30;NO)、サーバ2は、ステップS22に戻る。全てのユニットについての判定が完了した場合(ステップS30;YES)、サーバ2は、本処理を終了する。
【0113】
サーバ2は、図6及び図7に示す動作を、各々の空気調和装置1について実行する。また、サーバ2は、定期実行モード及び詳細確認モードのいずれにおいても、図6及び図7に示した手順で判定を行うことができる。
上記の説明では、定期実行モードにおけるサーバ2の動作として、ステップS13で第1安定判定ルール213に基づく判定を行い、ステップS17で第1正常判定ルール214に基づく判定を行う例を説明した。詳細確認モードを実行する場合、サーバ2は、ステップS13で第2安定判定ルール215に基づく判定を行い、ステップS17で第2正常判定ルール216に基づく判定を行えばよい。
【0114】
サーバ2が定期実行モードで判定を行う場合、ステップS13において、例えば1日分の運転データD2を取得する。詳細確認モードで判定を行う場合、サーバ2は、ステップS13において、詳細確認モードを実行中の全ての運転データD2を取得する。
【0115】
このように、サーバ2は、定期実行モード及び詳細確認モードにおいて、運転データD2に基づき空気調和装置1の動作状態が正常であるか否かを判定する。
図7では、サーバ2は、1台の室外機12と1台の室内機13との組合せを仮想的に構築して、室外機12及び室内機13の動作が安定しているか否かを判定する例を説明した。これは一例であり、組合せを構成する室外機12及び室内機13の数は適宜に変更可能である。
【0116】
[7-2.定期実行モードにおける空調監視システムの動作]
図8は、空調監視システム1000の動作を示すシーケンス図であり、定期実行モードにおける動作を示す。図8において、ステップSA11-SA16は、サーバ2の監視部203の動作を示す。ステップSB11-SB13は、通信装置4のプロセッサ41の動作を示す。
【0117】
通信装置4は、定期実行モードで設定された時間間隔で、通信装置4に接続された1または複数の空気調和装置1の運転状態に関するデータを取得する(ステップSB11)。通信装置4は、取得したデータを記憶部42に蓄積し、サーバ2への送信周期が経過したか否かを判定する(ステップSB12)。サーバ2への送信周期に達していない場合(ステップSB12;NO)、通信装置4はステップSB11の動作を繰り返す。
【0118】
サーバ2への送信周期が経過した場合(ステップSB12;YES)、通信装置4は、記憶部42に蓄積したデータから運転データD2を生成して、運転データD2をサーバ2に送信する(ステップSB13)。図8では通信装置4が動作を終了するよう記載しているが、実際には、通信装置4は、定期実行モードを実行中にステップSB11-SB13の動作を繰り返し行う。
【0119】
サーバ2は、通信装置4から運転データD2を受信し(ステップSA11)、記憶部210に一時的に記憶する(ステップSA12)。サーバ2は、定期実行モードで判定を行う周期が経過したか否かを判定する(ステップSA13)。定期実行モードで判定を行う周期が経過していない場合(ステップSA13;NO)、サーバ2はステップSA11に戻って待機する。
【0120】
定期実行モードで判定を行う周期が経過した場合(ステップSA13;YES)、サーバ2は、判定周期分の運転データD2に基づき、判定を実行する(ステップSA14)。ステップSA14で、サーバ2は、例えば図6図7で説明した動作を実行する。
【0121】
サーバ2は、ステップSA14で異常と判定された空気調和装置1があるか否かを判定する(ステップSA15)。異常と判定された空気調和装置1がない場合(ステップSA15;NO)、サーバ2は、本処理を終了する。
【0122】
図8ではサーバ2が動作を終了するよう記載しているが、実際には、サーバ2は、定期実行モードを実行中にステップSA11-SB16の動作を、空調監視システム1000の管理対象である全ての空気調和装置1を対象として、繰り返し行う。
【0123】
サーバ2は、異常と判定された空気調和装置1がある場合(ステップSA15;YES)、設定データ212を参照して、通知設定に従って通知を実行し(ステップSA16)、本処理を終了する。通知設定は、空気調和装置1の動作状態が異常であると判定された場合にサーバ2から通知を行う通知先、及び、通知方法の設定である。通知先としては、例えば、動作状態が異常であると判定された空気調和装置1に対応付けられた端末装置5が挙げられる。通知方法としては、端末装置5を宛先とする電子メールや、端末装置5にインストールされプロセッサ51が実行するアプリケーションプログラムに対するプッシュ通知が挙げられるが、端末装置5のディスプレイ55に表示されるGUIを利用してもよい。すなわち、ステップSA16の通知の内容が、ディスプレイ55に表示されてもよい。
【0124】
ステップSA16の通知は、定期実行モードで空気調和装置1の動作状態が異常であると判定された空気調和装置1について、詳細確認モードを実行することを推奨する内容を含む通知であってもよい。さらに、ステップSA16の通知は、詳細確認モードにおいて空気調和装置1に試運転を実行させることを推奨する内容を含む通知であってもよい。この場合、端末装置5を使用する管理者に対し、詳細確認モードを実行させ、詳細に空気調和装置1の運転状態を監視させることができる。
さらに、サーバ2は、ステップSA15で運転状態が異常と判定された空気調和装置1に対し、ステップSA14の判定結果に基づき、詳細確認モードの実行を推奨するか否かを判定してもよい。そして、詳細確認モードの実行を推奨すると判定した場合に、ステップSA16において、詳細確認モードの実行を推奨することを通知してもよい。
【0125】
[7-3.詳細確認モードにおける空調監視システムの動作]
図9は、空調監視システム1000の動作を示すシーケンス図であり、詳細確認モードにおける動作を示す。図9において、ステップSA21-SA28は、サーバ2の監視部203の動作を示す。ステップSB21-SB26は、通信装置4のプロセッサ41の動作を示す。
【0126】
サーバ2は、後述するようにGUIにより詳細確認モードの実行が指示された場合に、詳細確認モードの実行条件を含む制御データD1を生成する(ステップSA21)。実行条件は、詳細確認モードの対象とする空気調和装置1、詳細確認モードの開始タイミング、詳細確認モードにおいて通信装置4が空気調和装置1の運転状態に関するデータを取得する時間間隔、詳細確認モードの実行時間、詳細確認モードの対象の空気調和装置1を試運転させるか否か等を含む。空調監視システム1000は、上述したように、通常時は定期実行モードを実行しており、定期実行モードの実行中における端末装置3の操作または端末装置5の操作に基づき、詳細確認モードの実行の指示が行われる。つまり、定期実行モードの実行中におけるユーザまたは管理者の操作に基づき、詳細確認モードの実行の指示がなされ、詳細確認モードが実行される。ここで、定期実行モードの実行中とは、サーバ2がステップSA11~SA13の動作を実行中、及び、サーバ2がステップSA14~SA16を実行中のいずれも含む。
【0127】
サーバ2は、詳細確認モードの対象である空気調和装置1が接続された通信装置4に対し、制御データD1を送信する(ステップSA22)。
通信装置4は、サーバ2から制御データD1を受信する(ステップSB21)。通信装置4は、制御データD1で指定されたタイミングで、詳細確認モードの対象である空気調和装置1に対する定期実行モードを停止して、詳細確認モードを開始する(ステップSB22)。
【0128】
通信装置4は、制御データD1の実行条件に従って、指定された時間間隔で、詳細確認モードの対象の空気調和装置1の運転状態に関するデータを取得する(ステップSB23)。通信装置4は、取得したデータを記憶部42に蓄積し、詳細確認モードを終了するタイミングであるか否かを判定する(ステップSB24)。詳細確認モードを終了するタイミングに達していない場合(ステップSB24;NO)、通信装置4はステップSB23の動作を繰り返す。
【0129】
詳細確認モードを終了するタイミングに達した場合(ステップSB24;YES)、通信装置4は、記憶部42に蓄積したデータをもとに運転データD2を生成して、運転データD2をサーバ2に送信する(ステップSB25)。その後、通信装置4は、詳細確認モードの対象の空気調和装置1に対する定期実行モードを再開する(ステップSB26)。
【0130】
サーバ2は、通信装置4から運転データD2を受信し(ステップSA23)、記憶部210に運転データD2を一時的に記憶する(ステップSA24)。サーバ2は、受信した運転データD2に基づき、判定を実行する(ステップSA25)。ステップSA25で、サーバ2は、例えば図6図7で説明した動作を、第2安定判定ルール215及び第2正常判定ルール216を利用して実行する。
【0131】
サーバ2は、詳細確認モードの対象の空気調和装置1において、ステップSA25で異常と判定されたユニットがあるか否かを判定する(ステップSA26)。ここで、ユニットとは、室外機12及び室内機13のいずれかに該当する装置を指す。異常と判定されたユニットがある場合(ステップSA26;YES)、サーバ2は、故障診断処理を実行する(ステップSA27)。
【0132】
ステップSA27の故障診断処理は、異常と判定されたユニットにおいて、異常要因を特定する処理である。サーバ2は、故障診断処理において、異常と判定されたユニットの運転データD2のうち第2正常判定ルール216の閾値を満たさない判定項目を特定する。サーバ2は、特定した判定項目の異常を招いた要因を、異常要因として推定する。サーバ2は、判定項目の異常と異常要因とを対応付けるデータベースを、記憶部210に保持していてもよい。例えば、サーバ2は、室外機12が備える複数の室外熱交換器103の一部のみについて、温度センサ15F、15Gの検出値から求められる室外熱交ガス側温度と、温度センサ15D、15Eの検出値から求められる室外熱交液側温度との差が閾値を超えた異常値であった場合に、一部の室外熱交換器103あるいは一部の膨張弁104の故障を推定する。また、例えば、サーバ2は、室内熱交換器111について、温度センサ15Lの検出値から求められる室内温度と、温度センサ15Mの検出値から求められる室内吹出温度との差が閾値以下である場合に、室内機13Aのフィルタの詰まりを、異常要因として推定する。
【0133】
ステップSA27の故障診断処理において、サーバ2は、既に発生していると推定される故障や、異常要因を特定するだけでなく、発生する見込みの高い故障や異常を推定する故障予知を行ってもよい。
【0134】
サーバ2は、ステップSA25の判定結果を判定結果データ217として記憶部210に記憶させ、ステップSA27の診断処理の結果を診断結果データ218として記憶部210に記憶させて(ステップSA28)、本処理を終了する。また、ステップSA25で異常と判定されたユニットがない場合(ステップSA26;NO)、サーバ2は、ステップSA25の判定結果を判定結果データ217として記憶部210に記憶させ(ステップSA28)、本処理を終了する。
【0135】
ステップSA28の処理の後、サーバ2は、ステップSA16と同様に、設定データ212を参照して、通知設定に従って通知を実行してもよい。
【0136】
図9に示した動作において、空調監視システム1000は、通信装置4がステップSB25でサーバ2に送信する運転データD2のデータ量を削減する処理を行ってもよい。例えば、サーバ2が、定期実行モードにおいて異常と判定された空気調和装置1を対象として詳細確認モードを実行する場合、詳細確認モードで取得するデータの項目を選択してもよい。この場合、サーバ2は、選択したデータの項目を指定する情報を制御データD1に含める。通信装置4は、制御データD1により指定された項目のデータをステップSB23で空気調和装置1から取得する。これにより、空気調和装置1と通信装置4との間で送受信されるデータの量、及び、運転データD2のデータ量を抑制できるので、空調監視システム1000における通信負荷を、より一層軽減できる。
【0137】
また、通信装置4は、ステップSB13、SB25で運転データD2をサーバ2に送信するタイミングを、通信負荷に応じて変更してもよい。例えば、通信装置4Aは、通信装置4Bがサーバ2に運転データD2を送信している間は運転データD2を送信せず待機してもよい。また、例えば、通信装置4は、複数の空気調和装置1に関する運転データD2をサーバ2に送信する場合、空気調和装置1毎に、運転データD2をサーバ2に送信してもよい。これらの動作を行う場合、空調監視システム1000における通信負荷を軽減できる。
【0138】
[8.ユーザインタフェースの構成]
図10は、端末装置5に表示される画面の遷移を示す遷移図である。端末装置5は、UI制御部202が送信するデータに基づいてディスプレイ55に画面を表示することによって、空調監視システム1000のユーザに対し、ユーザインタフェースを提供する。図10はユーザインタフェースの遷移を示す図に相当する。空調監視システム1000のユーザとは、端末装置5を使用する管理者を含む。
【0139】
図11は、端末装置5に表示されるホーム画面302の例を示す図であり、図12は、端末装置5に表示される詳細確認設定画面305の例を示す図である。図13は、端末装置5に表示される2Dグラフ表示画面306の例を示す図であり、図14は端末装置5に表示されるメンテナンス設定画面307の例を示す図である。
【0140】
以下、図10図14を参照して、空調監視システム1000のユーザインタフェースについて説明する。
【0141】
端末装置5は、管理者の操作に従ってサーバ2にアクセスし、ログイン画面301をディスプレイ55に表示する。ログイン画面301が表示された状態で、管理者によってログイン操作SC1が行われると、端末装置5はホーム画面302を表示する。
【0142】
図11に示すホーム画面302は、タブ311、312、313、314を含む。タブ311、312、313、314は、ホーム画面302、2Dグラフ表示画面306、メンテナンス設定画面307、及び、システム設定画面308を表示させる操作部である。図11に示す状態ではホーム画面302が表示中であるため、ホーム画面302に対応するタブ311はハイライト表示されている。ホーム画面302、2Dグラフ表示画面306、メンテナンス設定画面307、及びシステム設定画面308の表示中は、タブ311、312、313、314による操作が可能である。
【0143】
入力装置56によってタブ312を選択する操作SC5が行われると、図10に示すように、端末装置5は、ディスプレイ55の表示を2Dグラフ表示画面306に切り替える。また、入力装置56によってタブ313を選択する操作SC6が行われると、端末装置5は、ディスプレイ55の表示をメンテナンス設定画面307に切り替える。入力装置56によってタブ314を選択する操作SC7が行われると、端末装置5は、ディスプレイ55の表示をシステム設定画面308に切り替える。このように、タブ311、312、313、314の操作により、ホーム画面302、2Dグラフ表示画面306、メンテナンス設定画面307、及びシステム設定画面308の表示を任意に管理者が切り替え可能である。
【0144】
ホーム画面302には、情報表示部321、及び、地図表示部330が配置される。情報表示部321には、空調監視システム1000の管理対象の空気調和装置1のうち、端末装置5によりログインした管理者に対応付けられた空気調和装置1に関する情報が表示される。
【0145】
情報表示部321には、空気調和装置1の名称を示す物件名に対応付けて、通信状態、警報、稼働時間確認、異常値検出の各情報が表示される。通信状態は、サーバ2と空気調和装置1との間の通信状態を示す。詳細には、サーバ2と通信装置4との間の通信または空気調和装置1と通信装置4との通信のいずれかに支障がある場合、情報表示部321に、通信状態がオフラインであることが表示される。
【0146】
地図表示部330には、空気調和装置1が設置されている場所を含む地図が表示される。地図表示部330には、地図に重ねて、空気調和装置1が設置されている場所を示す位置アイコン331が表示されてもよい。
【0147】
情報表示部321に表示される「警報」欄には空気調和装置1が発報した警報情報(エラーコード)が表示される。図11の例では、「警報」欄に警報アイコン322が表示されている。「稼働時間確認」欄には、空気調和装置1の稼働時間について確認を要するか否かが表示され、「異常値検出(定期)」欄には、サーバ2が図6図7に示す判定を実行した結果が表示される。図11の例では、定期実行モードで正常または判定不能と判定された空気調和装置1について「異常値検出(定期)」欄には何も表示されず、定期実行モードで異常と判定された空気調和装置1については「異常値検出(定期)」欄に異常値検出アイコン323が表示される。「異常値検出(詳細)」の表示は、実行済みの詳細確認モードの判定結果であり、判定結果データ217に基づきUI制御部202が生成する。図11の例では、詳細確認モードで正常または判定不能と判定された空気調和装置1について「異常値検出(詳細)」欄には何も表示されず、詳細確認モードで異常と判定された空気調和装置1については異常値検出アイコン324が表示される。このように、情報表示部321には、定期実行モードにより検知された空気調和装置1の運転状態の異常有無が表示される。
【0148】
入力装置56によって、異常値検出アイコン323を選択する操作SC2が行われると、端末装置5は、ディスプレイ55の表示を詳細表示画面303に切り替える。詳細表示画面303には、例えば、定期実行モードにおいて第1正常判定ルール214の閾値に適合しないデータが検知された空気調和装置1、閾値に適合しないデータの判定項目、閾値に適合しないデータの値、閾値に適合しないデータが検知された時刻等が表示される。また、異常値検出アイコン324を選択する操作が行われた場合、図示はしないが、端末装置5は、ディスプレイ55の表示を、詳細確認モードの結果を示す詳細表示画面に切り替える。この場合に表示される詳細表示画面は、詳細確認モードで検知された空気調和装置1の運転状態の異常有無、及び、ステップSA27で実行された診断の結果が表示される。具体的には、空気調和装置1による運転状態の異常有無、および、空気調和装置1の異常要因の推定結果が表示される。
【0149】
詳細表示画面303の表示中に、管理者が詳細確認モードの実行を指示する操作SC4を行うと、端末装置5は、ディスプレイ55の表示を詳細確認設定画面305に切り替える。操作SC4は、例えば、詳細表示画面303に配置される不図示の「詳細確認ボタン」を選択する操作である。
【0150】
図12に例示する詳細確認設定画面305は、ホーム画面302に重ねてポップアップ表示される。詳細確認設定画面305の表示中、端末装置5は、ホーム画面302の視認性を低下させた表示態様で、ホーム画面302を表示させてもよい。詳細確認設定画面305は、設定画面の一例に対応する。
【0151】
図12に示すように、詳細確認設定画面305には、検知周期指定部342、計測期間指定部343、開始時刻指定部344、及び、試運転指定部345が配置される。検知周期指定部342は、詳細確認モードにおいて通信装置4が空気調和装置1の運転状態に関するデータを取得する周期を指定する入力操作部である。計測期間指定部343は、詳細確認モードの実行時間を指定する入力操作部である。開始時刻指定部344は、詳細確認モードの開始時刻を指定する入力操作部であり、図12の例では、詳細確認モードの開始時刻までの時間を指定する形態となっている。試運転指定部345は、詳細確認モードにおいて空気調和装置1を試運転させるか否かを指定する入力操作部である。なお、試運転とは、室内温度に関わらず空気調和装置を所定の条件で稼働させる運転である。例えば、空気調和装置1は、通常運転時は目標温度等の設定に基づき被調和室の空調を実行し、試運転の実行中は、目標温度等の設定にかかわらず圧縮機等を通常運転時よりも高出力で稼働させる。
【0152】
検知周期指定部342、計測期間指定部343、開始時刻指定部344、及び、試運転指定部345は、いずれも、詳細確認設定画面305に表示された候補のいずれかをラジオボタンにより選択する形式の入力操作部である。管理者は入力装置56を操作して、ラジオボタンを選択することによって、入力を行う。
【0153】
詳細確認設定画面305には、確定指示ボタン346が配置される。入力装置56によって確定指示ボタン346を選択する操作が行われた場合、端末装置5は、確定指示ボタン346の操作と、検知周期指定部342、計測期間指定部343、開始時刻指定部344、及び試運転指定部345における入力内容とを示すデータを、サーバ2に送信する。設定部204は、端末装置5が送信したデータを受信し、詳細確認モードの実行条件を設定する。詳細確認モードの実行条件は、例えば、設定データ212に含まれて記憶部210に記憶される。監視部203は、設定部204の設定に従って制御データD1を生成し、図9に示した動作を実行する。
【0154】
UI制御部202は、詳細確認設定画面305のデータを生成する処理において、選択可能な候補のみを含む詳細確認設定画面305のデータを生成してもよい。例えば、計測期間指定部343に表示される候補を、定期実行モードの実行に支障を来さない時間内の候補のみとすることが可能である。
【0155】
空調監視システム1000は、例えば、定期実行モードを24時間周期で実行する場合、17時間分の空気調和装置1の運転状態に関するデータを通信装置4によって取得し、サーバ2が、17時間分の空気調和装置1の運転状態に関する運転データD2を7時間かけて解析する。この場合、詳細確認モードの実行時間が7時間以内であれば、定期実行モードのデータを収集しない時間帯に、通信装置4が詳細確認モードを実行できる。この例では、計測期間指定部343に7時間を超える候補を表示しないように、UI制御部202が詳細確認設定画面305のデータを生成することができる。
【0156】
また、UI制御部202は、空調監視システム1000における通信負荷が許容可能な範囲に収まるように、検知周期指定部342、計測期間指定部343及び試運転指定部345に表示する候補を制限してもよい。例えば、検知周期指定部342で指定される周期(第2時間に相当)が短いほど、空気調和装置1と通信装置4との間の通信負荷が増大する。また、例えば、検知周期指定部342で指定される周期が短く、計測期間指定部343で指定される実行時間が長いほど、通信装置4とサーバ2との間の通信負荷が増大する。従って、UI制御部202が、検知周期指定部342及び計測期間指定部343に表示する候補を制限することによって、通信負荷を許容可能な範囲に抑制できる。また、UI制御部202が、開始時刻指定部344によって指定される時間の範囲を制限することによって、複数の空気調和装置1を対象とする詳細確認モードが重複して実行されないようにしてもよい。この場合、例えば、確定指示ボタン346が操作された時点において、詳細確認設定画面305の表示が変更されてもよい。
【0157】
また、確定指示ボタン346が操作されたときに、空気調和装置1の詳細確認モードを実行できない状態である場合には、詳細確認設定画面305に、詳細確認モードを実行できないことや、その理由を表示してもよい。詳細確認モードを実行できない理由としては、例えば、詳細確認設定画面305による入力の対象となっている空気調和装置1とは異なる空気調和装置1が詳細確認モードを実行中であることが挙げられる。上述のように、空調監視システム1000の負荷を抑制するため、1つの通信装置4に接続された複数の空気調和装置1が同時に詳細確認モードを実行することが制限される場合がある。この場合、詳細確認設定画面305に、詳細確認モードの実行タイミングを変更するよう、管理者に通知するメッセージを表示してもよい。また、詳細確認設定画面305に、他の空気調和装置1が詳細確認モードを実行中であることを表示してもよい。
【0158】
また、UI制御部202は、試運転指定部345で空気調和装置1の試運転を行うことが指定された場合に、計測期間指定部343に表示される候補が制限されるように、詳細確認設定画面305のデータを生成してもよい。空気調和装置1の試運転は、被調和室の空調設定温度等にかかわらず、圧縮機等を高出力で動作させる運転状態である。このため、空気調和装置1の試運転を長時間、継続することは適切でない場合が多い。試運転指定部345で空気調和装置1の試運転を行うことが指定された場合に、計測期間指定部343に表示される候補が、許容される時間内の候補に制限されるようにすれば、空気調和装置1の試運転を行う時間を適切な範囲内に抑えることができる。
【0159】
また、設定部204は、試運転指定部345で空気調和装置1の試運転を行うことが指定された場合に、空気調和装置1の試運転を、予め設定された時間のみ実行させ、その後は詳細確認モードの終了まで通常運転を行うように、設定を行ってもよい。例えば、空調監視システム1000では、空気調和装置1の試運転を実行する時間の上限は、1時間に設定される。ここで、計測期間指定部343により1時間を超える実行時間が指定された場合、設定部204は、空気調和装置1を1時間のみ試運転させ、その後は通常運転を行わせて、詳細確認モードを実行するように、詳細確認モードの実行条件を設定してもよい。
また、UI制御部202は、計測期間指定部343において詳細確認モードの実行時間を指定しない入力を受け付けてもよい。この場合、設定部204は、詳細確認モードの実行時間を、定期実行モードの実行時間よりも短い時間となるように自動的に設定してもよい。
【0160】
図10に戻り、詳細確認設定画面305の表示中に確定指示ボタン346が操作されると、端末装置5は、ディスプレイ55の表示をホーム画面302に遷移させる。
また、詳細表示画面303の表示中に、空気調和装置1の詳細な情報を表示させる操作SC3が行われると、端末装置5は、ディスプレイ55の表示を詳細表示画面303から機器情報画面304に切り替える。機器情報画面304は、詳細表示画面303に表示された空気調和装置1の仕様や構造に関するデータを表示する。
【0161】
図13に示す2Dグラフ表示画面306は、機器情報表示部351、及び、グラフ表示部352を含む。グラフ表示部352には、時間軸を横軸とし、運転データD2に含まれるデータの値を縦軸とする2Dグラフにより表示される。グラフ表示部352のグラフには、第1正常判定ルール214または第2正常判定ルール216に設定される閾値が、運転データD2に含まれるデータの値とともに表示されてもよい。機器情報表示部351には、グラフ表示部352に表示されたグラフについて、空気調和装置1を特定する情報や、データの種類、判定項目等の情報が表示される。
【0162】
図14に示すメンテナンス設定画面307は、情報表示部361、及び、設定部362を含む。設定部362は、ルール名表示部363、運転種別表示部364、閾値種別365、初期値表示部366、有効設定部367、設定値入力部368、及び、メール送信設定部369を含む。設定部362は、第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、及び、第2正常判定ルール216に含まれる閾値を変更する入力を受け付ける入力操作部である。
【0163】
情報表示部361は、閾値が変更される空気調和装置1を指定する情報を表示する。この例では、空気調和装置1毎に、空気調和装置1に適用される第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、及び、第2正常判定ルール216が異なる場合も対応できる。サーバ2は、全ての空気調和装置1に共通の第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、及び、第2正常判定ルール216を適用する構成であってもよいし、空気調和装置1の仕様や構造により異なるルールを適用してもよい。
【0164】
ルール名表示部363は、閾値の変更の対象となるルール名を表示する。ルール名とは、閾値により判定されるデータの判定項目である。運転種別表示部364は、変更対象が冷房運転時の閾値であるか暖房運転時の閾値であるかを表示する。閾値種別365は、変更対象の閾値が上限値であるか、下限値であるか、継続時間であるかを表示する。初期値表示部366は、空調監視システム1000において設定される初期値を表示する。空調監視システム1000は、第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、及び、第2正常判定ルール216を初期値の状態で運用しても支障のない構成となっている。メンテナンス設定画面307は、管理者の要望によって、閾値を初期値とは異なる値に変更する場合に利用される。
【0165】
有効設定部367は、閾値を有効とするか無効とするかを選択入力する入力操作部である。設定値入力部368は、閾値を入力する入力操作部である。設定値入力部368は、任意の数値を入力可能な入力ボックスであってもよいが、図14に例示するように、予め用意された候補から値を選択する形態であることが、不適切な値を入力する誤操作を防止できるので、好ましい。
【0166】
メール送信設定部369は、空気調和装置1の異常が判定された場合に通知を行うか否かを設定する入力操作部である。メール送信設定部369によってメールを送信することが設定された場合、設定部362の設定対象のルールを利用して空気調和装置1の運転状態が異常と判定された場合に、サーバ2が端末装置5に電子メールを送信して、通知を行う。この通知は、例えば、ステップSA16(図8)で実行される。
【0167】
端末装置5は、メンテナンス設定画面307の表示中に入力装置56によって入力された内容を示すデータを、サーバ2に送信する。設定部204は、端末装置5が送信したデータを受信する。設定部204は、有効設定部367及び設定値入力部368に対して入力されたデータに基づき、第1安定判定ルール213、第1正常判定ルール214、第2安定判定ルール215、及び第2正常判定ルール216を更新する。また、設定部204は、メール送信設定部369に対して入力されたデータに基づき、電子メールによる通知に関する設定を変更し、設定データ212を更新する。
【0168】
[9.効果等]
以上のように、本実施形態において、空調監視システム1000は、空気調和装置1と、空気調和装置1から空気調和装置1の運転データを取得し、運転データをサーバ2へ送信する通信装置4と、を備え、空気調和装置1の監視モードとして、第1時間毎に取得した運転データを通信装置4からサーバ2へ運転データを送信し、サーバ2で空気調和装置1の動作状態を判定する定期実行モードと、定期実行モードの実行中における管理者の操作に基づき実行され、第1時間よりも短い第2時間毎に取得した運転データを通信装置4からサーバ2へ運転データを送信し、サーバ2で空気調和装置1の動作状態を判定する詳細確認モードと、を備える。
これにより、通信装置4が第1時間毎に取得した運転データをサーバ2に送信することにより空気調和装置1を監視する定期実行モードと、定期実行モードより短い時間毎に取得した運転データをサーバ2に送信することにより空気調和装置1を監視する詳細確認モードとを利用できる。例えば、通信装置4は、定期実行モードにおいて第1時間毎の運転状態に関するデータを空気調和装置1から取得し、取得したデータを運転データ44として記憶部42に記憶し、運転データ44に基づく運転データD2をサーバ2に送信する。また、詳細確認モードで、通信装置4は、第2時間毎の運転状態に関するデータを空気調和装置1から取得し、取得したデータを運転データ44として記憶部42に記憶し、運転データ44に基づく運転データD2をサーバ2に送信する。そのため、定期実行モードを利用することによって、空気調和装置1と通信装置4との間の通信負荷を抑えて空気調和装置1の運転状態を監視し、例えば、状況に応じて、或いは必要に応じて、詳細確認モードを利用して空気調和装置1の運転状況に関するデータを第2時間毎に取得することにより、詳細な監視を行うことができる。
【0169】
本実施形態のように、空調監視システム1000において、定期実行モードと詳細確認モードと、は切り替えて実行されるようにしてもよい。
これにより、定期実行モードと詳細確認モードとを切り替えて、通信負荷が過大とならないように、空気調和装置1の運転状態を詳細に監視できる。
【0170】
本実施形態のように、空調監視システム1000において、定期実行モードよりも詳細確認モードの方が、通信装置4からサーバ2へ送信される運転データに含まれるデータの種類が多い構成としてもよい。
これにより、定期実行モードの実行中に通信装置4からサーバ2に送信される運転データD2のデータ量を、詳細確認モードよりも少なくすることができる。そのため、定期実行モードにおける通信装置4とサーバ2との間の通信負荷を、詳細確認モードよりも抑えることができる。また、定期実行モードにおける空気調和装置1と通信装置4との間で送受信されるデータ量を、詳細確認モードよりも抑えることにより、通信負荷を抑制できる。従って、定期実行モードを利用して空調監視システム1000の通信負荷を抑えながら空気調和装置1の運転状態を監視することができ、詳細確認モードの実行中には、空気調和装置1の運転状態をより詳細に監視できる。
【0171】
本実施形態のように、空調監視システム1000は、サーバ2と通信する通信部57と、各種情報を入力する入力装置56と、を有する端末装置5をさらに備え、入力装置56による操作に基づき詳細確認モードが実行されるようにしてもよい。
これにより、管理者が入力装置56を操作することによって詳細確認モードを実行させることが可能となる。そのため、空気調和装置1の運転状態を詳細に監視する必要がある場合に、容易に詳細確認モードを行える。
ここで、入力装置56による操作に基づき詳細確認モードが実行される例に限らず、入力装置36による操作に基づき詳細確認モードが実行されてもよく、この場合も同様の効果が得られる。
【0172】
本実施形態のように、空調監視システム1000は、定期実行モードが実行された場合、空気調和装置1による運転状態の異常有無が端末装置5に表示され、詳細確認モードが実行された場合、空気調和装置1による運転状態の異常有無、および、空気調和装置1の異常要因の推定結果が端末装置5に表示されるようにしてもよい。
これにより、通信負荷の軽い定期実行モードによって、空気調和装置1の運転状態の異常有無を判定でき、詳細確認モードにより、空気調和装置1の運転状態の異常有無、及び、異常要因の推定を行える。そのため、空気調和装置1の状態をより適切に監視できる。
【0173】
本実施形態のように、空調監視システム1000は、定期実行モードの判定結果に基づき、詳細確認モードの実行を推奨するか否かを判定し、詳細確認モードの実行を推奨すると判定された場合、その旨を端末装置5に表示してもよい。
これにより、定期実行モードの判定結果から空気調和装置1の運転状態を詳細に監視する必要がある場合に、詳細確認モードを実行するよう管理者を促すことができる。そのため、必要に応じて速やかに詳細確認モードを実行し、空気調和装置1を適切に管理できる。
【0174】
本実施形態のように、入力装置56による入力に基づき、詳細確認モードにおける第2時間、及び、詳細確認モードの実行時間が設定されるようにしてもよい。
これにより、管理者が入力装置56を操作することによって詳細確認モードにおける第2時間、及び、詳細確認モードの実行時間を設定できる。そのため、管理者の考えに沿った条件で、詳細確認モードを実行させることが可能となる。
【0175】
本実施形態のように、入力装置56による入力に基づき、詳細確認モードの開始時期が設定されるようにしてもよい。
これにより、管理者が入力装置56を操作することによって詳細確認モードの開始時期を設定できる。そのため、管理者の考えに沿ったタイミングで詳細確認モードを実行させることが可能となる。
【0176】
本実施形態のように、入力装置56による入力に基づき、詳細確認モードにおける空気調和装置1の運転内容が設定され、運転内容として、空気調和装置1の試運転を実行する試運転モードと、空気調和装置1に指示されている設定に基づく空調運転を実行する通常運転モードと、が設定可能である構成としてもよい。
これにより、管理者が入力装置56を操作することによって、詳細確認モードで空気調和装置1の試運転を実行させるか否かを設定できる。そのため、管理者の考えに条件で空気調和装置1を運転させながら、詳細確認モードを実行させることが可能となる。
【0177】
本実施形態のように、運転内容として、通常運転モードを選択した場合よりも、試運転モードを選択した場合の方が、詳細確認モードの実行時間が短い構成としてもよい。
これにより、空気調和装置1の負荷が高い試運転モードを実行する時間を抑制ができる。そのため、詳細確認モードにおける空気調和装置1の運転効率の低下を抑制でき、空気調和装置1に過大な負荷を与えることなく、空気調和装置1の運転状態を詳細に監視できる。
【0178】
本実施形態のように、入力装置56による入力に基づき詳細確認モードの実行時間を設定でき、運転内容として、通常運転モードを選択した場合よりも、試運転モードを選択した場合の方が、入力装置56で設定可能な詳細確認モードの実行時間が短い構成としてもよい。
これにより、管理者が入力装置56を操作して詳細確認モードの実行時間を設定する場合に、空気調和装置1の負荷が高い試運転モードを実行する時間を抑制できる。そのため、詳細確認モードにおける空気調和装置1の運転効率の低下を抑制でき、空気調和装置1に過大な負荷を与えることなく、空気調和装置1の運転状態を詳細に監視できる。
【0179】
本実施形態のように、詳細確認モードにおける空気調和装置1の運転内容として試運転モードが設定された場合、空気調和装置1は、詳細確認モードの実行を開始してから予め指定された上限時間まで試運転モードを実行し、上限時間の経過後は通常運転モードを実行してもよい。
これにより、空気調和装置1の負荷が高い試運転モードを実行する時間を抑制し、かつ、空気調和装置1を試運転させない状態における詳細確認モードを実行できる。そのため、詳細確認モードにおける空気調和装置1の運転効率の低下を抑制し、空気調和装置1に負荷を抑制することができ、かつ、より長時間の詳細確認モードを行うことができる。
【0180】
本実施形態のように、通信装置4は記憶部42を備え、端末装置5は、詳細確認モードを実行している間に空気調和装置1から取得した運転データ44を記憶部42に記憶させ、詳細確認モードの実行が終了した後、記憶部42に記憶された運転データD2をサーバ2に送信してもよい。
これにより、通信装置4からサーバ2に運転データD2を送信する頻度を抑制できる。そのため、詳細確認モードの実行時における空調監視システム1000の通信負荷を抑制できる。
【0181】
本実施形態のように、空気調和装置1は記憶部を備え、空気調和装置1は、詳細確認モードを実行している間の空気調和装置1の運転データを記憶部に記憶させ、詳細確認モードの実行が終了した後、記憶部に記憶された運転データを通信装置4へ送信し、通信装置4は、受信した運転データをサーバ2へ送信してもよい。
これにより、空気調和装置1から通信装置4に運転データを送信する頻度を抑制できる。そのため、詳細確認モードの実行時における空気調和装置1と通信装置4の間の通信負荷を抑制できる。
【0182】
本実施形態のように、空気調和装置1は第1の空気調和装置1と第2の空気調和装置1とを含む構成であってもよい。例えば、第1の空気調和装置1を空気調和装置1Aとし、第2の空気調和装置1を空気調和装置1Bとすることができる。通信装置4は、例えば、空気調和装置1A及び空気調和装置1Bに接続され、空気調和装置1Aと空気調和装置1Bのそれぞれからデータを取得し、空気調和装置1Aが詳細確認モードを実行している間は、空気調和装置1Bは詳細確認モードを実行できない構成としてもよい。
これにより、空気調和装置1と通信装置4との間における通信の負荷、及び、通信装置4とサーバ2との間における通信の負荷が過大とならないように抑制しながら、空気調和装置1を適切に監視できる。
【0183】
本実施形態のように、第1の空気調和装置1が詳細確認モードを実行している場合、端末装置5は、第1の空気調和装置1による詳細確認モードの実行が終了する時期に、第2の空気調和装置1が詳細確認モードの実行が可能な旨を表示してもよい。例えば、空気調和装置1Aが詳細確認モードを実行している場合、端末装置5は、空気調和装置1Aによる詳細確認モードの実行が終了する時期に、空気調和装置1Bが詳細確認モードの実行が可能な旨を表示してもよい。
これにより、空気調和装置1Aが詳細確認モードを実行していることにより空気調和装置1Bの詳細確認モードが制限された場合に、制限が解除されたことを管理者に通知できる。そのため、管理者は、複数の空気調和装置1を効率よく管理できる。
【0184】
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する例示として、上記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施形態を例示する。
【0185】
上述した実施形態では、空気調和装置1が通信装置4に接続され、通信装置4が通信ネットワークNを介してサーバ2に接続された構成を例示したが、1または複数の通信装置4が、他の中継装置を経由してサーバ2に接続される構成であってもよい。
また、上述した実施形態において通信装置4が空気調和装置1から運転状態に関するデータを取得して運転データ44として記憶部42に記憶し、運転データ44に基づく運転データD2をサーバ2に送信する構成を説明した。この構成において、例えば、空気調和装置1の制御装置11にも記憶部を備え、空気調和装置1の運転状態に関するデータを制御装置11の記憶部に一時的に記憶し、第1時間または第2時間に対応するタイミングまたは周期で運転状態に関するデータを通信装置4に送信する構成としてもよい。この動作は、詳細確認モードの実行中に行ってもよい。この場合、通信装置4と空気調和装置1との間の通信の集中を回避し、より一層の負荷抑制が期待できる。そのため、例えば、空気調和システム10Aにおいて空気調和装置1Aの詳細確認モードを実行中に、通信装置4Aの負荷が軽いことから、空気調和装置1Bの定期実行モードを並行して実行することも、より容易に実現可能できる。
【0186】
また、上述した実施形態では、サーバ2に接続された端末装置5が表示部としてのディスプレイ55及び入力部としての入力装置56を備える構成を説明したが、サーバ2に表示部および入力部を設けた構成とすることも可能である。
また、上述した実施形態では、端末装置5または端末装置3に表示される詳細確認設定画面305を利用し、ユーザまたは管理者が入力装置56または入力装置36を操作することによって、詳細確認モードの実行が指示される構成を説明した。これは一例であり、例えば、制御装置11に接続される不図示のリモコン装置の操作によって、詳細確認モードの実行を指示することが可能な構成であってもよい。換言すれば、詳細確認モードの実行の指示等を行う端末装置は、端末装置3及び端末装置5に限定されず、空気調和装置1のリモコン装置やウェアラブル端末、モバイル端末等を用いることができる。
【0187】
本開示における各プロセッサは、本開示における装置を制御できるものであればよい。発明の主題を表現する際に、本開示の装置を制御するものとして、プロセッサの他にも制御手段または制御部またはそれらに類似する文言で表記する場合がある。プロセッサは様々な態様で実現可能である。プロセッサ21、プロセッサ31、プロセッサ41、及びプロセッサ51は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、及び、MPU(Micro-Processing Unit)などがある。また、記憶部210、記憶部32、記憶部42、及び記憶部52が備える記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、及び、光ディスクなどがある。また、コントローラとしてプログラムの書き換えが不可能なワイヤードロジックを用いてもよい。コントローラとしてワイヤードロジックを用いれば、処理速度の向上に有効である。ワイヤードロジックとしては、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などがある。
【0188】
本実施形態では、プロセッサ21、プロセッサ31、プロセッサ41及びプロセッサ51がプログラムを実行する構成とすることによって、各種処理を実行することが可能となる。このため、記憶媒体に格納されたプログラムを変更することで処理内容を変更できるので、制御内容の変更の自由度を高めることができる。また、サーバ2、端末装置3、通信装置4、及び端末装置5のコントローラとして、プロセッサ21、31、41、51とワイヤードロジックとを組み合わせて実現してもよい。コントローラを、プロセッサとワイヤードロジックとを組み合わせて実現すれば、ソフトウェア設計の自由度を高めつつ、処理速度を向上することができる。また、コントローラと、コントローラと別の機能を有する回路とを、1つの半導体素子で構成してもよい。別の機能を有する回路としては、例えば、A/D・D/A変換回路などがある。また、コントローラは、1つの半導体素子で構成してもよいし、複数の半導体素子で構成してもよい。複数の半導体素子で構成する場合、特許請求の範囲に記載の各制御を、互いに異なる半導体素子で実現してもよい。さらに、半導体素子と抵抗またはコンデンサなどの受動部品とを含む構成によってコントローラを構成してもよい。
【0189】
本開示における通信部の構成は、本開示の装置と外部機器との通信を可能にするものであればよい。発明の主題を表現する際に、本開示の装置と外部機器との通信を可能にするものとして、コミュニケータの他にも通信手段または通信部または送受信手段または送受信部またはそれらに類似する文言で表記する場合がある。通信部220、通信部37、通信部45、及び通信部57を構成するコミュニケータは、様々な態様で実現可能である。例えば、コミュニケータは、外部機器と有線で接続する態様であってもよいし、外部機器と無線で通信接続する態様であってもよい。本開示の装置と外部機器とを有線で接続するコミュニケータであれば、通信のセキュリティ性、及び、通信の安定性において有効である。有線接続のコミュニケータとしては、例えば、Ethernet(登録商標)規格に基づく有線LAN、または、光ファイバーケーブルを用いた有線接続などがある。無線接続のコミュニケータとしては、基地局等を介しての外部機器との無線接続、または、外部機器との直接無線接続などがある。基地局等を介しての外部機器との無線接続としては、例えば、WiFiルータと無線通信するIEEE802.11対応の無線LAN、第3世代移動通信システム(通称3G)、第4世代移動通信システム(通称4G)、IEEE 802.16対応のWiMax(登録商標)、または、LPWA(Low Power Wide Area)などがある。本開示の装置と外部機器とを直接無線接続するコミュニケータを用いれば、通信のセキュリティ性の向上に有効であるとともに、WiFi(ワイファイ:登録商標)ルータなどの中継機器が存在しない場所でも、本開示の装置は外部機器と通信できる。本開示の装置と外部機器とを直接無線接続するコミュニケータとしては、例えば、Bluetooth(登録商標)による通信、ループアンテナを介したNFC(Near Field Communication)による通信、または、赤外線通信などがある。
【0190】
図1図2図3、及び図4に示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、空気調和装置1、サーバ2、端末装置3、通信装置4、及び端末装置5の他の各部の具体的な細部構成についても、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0191】
また、例えば、図6図7図8図9に示す動作のステップ単位は、空調監視システム1000の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本開示が限定されることはない。
【0192】
なお、上述の実施形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0193】
以上のように、本開示に係る空調監視システムは、空気調和装置の管理およびメンテナンスを行う用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0194】
1、1A、1B、1C、1D 空気調和装置
2 サーバ
3 端末装置
4、4A、4B 通信装置
5、5A、5B 端末装置
10、10A、10B 空気調和システム
11、11A、11B 制御装置
12、12A、12B、12F 室外機
13、13A、13B、13C、13D、13F 室内機
20A、20B 通信線
31 プロセッサ
32 記憶部
33 制御プログラム
34 GUIデータ
35 ディスプレイ(表示部)
36 入力装置(端末入力部)
37 通信部(端末通信部)
41 プロセッサ
42 記憶部
43 制御プログラム
44 運転データ
45 通信部
51 プロセッサ
52 記憶部
53 制御プログラム
54 GUIデータ
55 ディスプレイ(表示部)
56 入力装置(端末入力部)
57 通信部(端末通信部)
59 タッチパネル
201 プロセッサ
202 UI制御部
203 監視部
204 設定部
210 記憶部
211 制御プログラム
212 設定データ
213 第1安定判定ルール
214 第1正常判定ルール
215 第2安定判定ルール
216 第2正常判定ルール
217 判定結果データ
218 診断結果データ
220 通信部
302 ホーム画面
305 詳細確認設定画面(設定画面)
306 2Dグラフ表示画面
307 メンテナンス設定画面
1000 空調監視システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14