(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056808
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】コードリール
(51)【国際特許分類】
B65H 75/44 20060101AFI20230413BHJP
【FI】
B65H75/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166236
(22)【出願日】2021-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】000153786
【氏名又は名称】株式会社畑屋製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】足立 憲泰
【テーマコード(参考)】
3F068
【Fターム(参考)】
3F068AA12
3F068CA03
3F068DA01
3F068FA02
3F068HA08
3F068HB18
3F068JB06
(57)【要約】
【課題】回転支持部の移動操作又は回動操作によって、回転ドラムの着脱を可能にすることができ、回転ドラムの着脱構造を簡単にすることができるコードリールを提供する。
【解決手段】コードリール1は、回転ドラム2及びドラム支持体3を備える。回転ドラム2は、電気ケーブル24が巻き付けられる外周円筒部21と、外周円筒部21の軸線方向Lの端部に配置され、コンセント口が設けられたパネル部22と、外周円筒部21の内周側に設けられた回転受部23とを有する。ドラム支持体3は、回転受部23内に挿通されて回転ドラム2の回転を支持する回転支持部4と、回転支持部4が取り付けられたフレーム部31とを有する。回転支持部4は、回転受部23が回転支持部4から外れないようにする係合状態と、回転受部23が回転支持部4から外れるようにする係合解除状態とに、移動操作が可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気ケーブルが巻き付けられる外周円筒部、前記外周円筒部の軸線方向の端部に配置され、コンセント口が設けられたパネル部、及び前記外周円筒部の内周側に設けられた回転受部を有する回転ドラムと、
前記回転受部内に挿通されて前記回転ドラムの回転を支持する回転支持部、及び前記回転支持部が取り付けられたフレーム部を有するドラム支持体と、を備え、
前記回転支持部は、前記回転受部が前記回転支持部から外れないようにする係合状態と、前記回転受部が前記回転支持部から外れるようにする係合解除状態とに、移動操作又は回動操作が可能である、コードリール。
【請求項2】
前記回転支持部は、円筒部と、前記円筒部内に同心状に挿入された操作軸部とを有し、
前記操作軸部は、前記回転支持部の前記係合状態を形成する係合位置と、前記回転支持部の前記係合解除状態を形成する係合解除位置とに、前記軸線方向に対して移動操作が可能であり、
前記円筒部には、前記円筒部の内周面と外周面とを貫通する1つ又は複数の貫通孔が形成されており、
前記貫通孔には、前記操作軸部の外周面に対向する状態で複数のボールが配置されており、
前記操作軸部が前記係合位置にあるときには、前記ボールの一部が前記貫通孔を介して前記円筒部の外周面から外周側に突出していることにより、前記ボールの一部によって前記回転受部が係止され、一方、前記操作軸部が前記係合解除位置に移動操作されたときには、前記ボールが前記円筒部の外周面から内周側に退避することにより、前記ボールの一部による前記回転受部の係止が解除されるよう構成されている、請求項1に記載のコードリール。
【請求項3】
前記円筒部の前記軸線方向の基端部には、前記フレーム部の外方に向けて開口する開口部が形成されており、
前記円筒部内には、ストッパー部が設けられており、
前記操作軸部の前記軸線方向の先端部には、小径部と、前記小径部よりも前記軸線方向の先端側に形成されて前記小径部よりも大きな外径の大径部と、前記小径部と前記大径部との間に形成されたテーパ部とが設けられており、
前記操作軸部の前記軸線方向の基端部には、前記開口部を介して押し込み操作が可能な円板部が設けられており、
前記ストッパー部と前記円板部との間には、スプリングが配置されており、
前記操作軸部が前記係合位置にあるときには、前記操作軸部が前記スプリングによって前記係合位置に付勢されるとともに、前記ボールが前記大径部に押されることによって、前記ボールの一部が前記貫通孔を介して前記円筒部の外周面から外周側に突出した状態が維持され、一方、前記操作軸部が前記係合解除位置に移動操作されたときには、前記ボールが、前記テーパ部に対向する位置を経由して前記小径部に対向する位置に移動するとともに、前記回転受部の外周面よりも内周側に移動するよう構成されている、請求項2に記載のコードリール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コードリールに関する。
【背景技術】
【0002】
コードリールは、商用電源等に接続される電気ケーブルを、ドラム支持体に回転可能に支持された回転ドラムに巻き取るよう構成されている。コードリールを使用するときには、回転ドラムから電気ケーブルを引き出し、電気ケーブルの先端部に設けられた差込プラグを商用電源等のコンセント口に差し込む。そして、回転ドラムに設けられたコンセント口から、種々の電気機器等に電力を供給する。
【0003】
また、電動式巻取機においては、電動式のモータ等を用いて、回転ドラムに電気ケーブルを巻き取り可能にしている。例えば、特許文献1のドラム交換式電線巻取機においては、基台部に対して、ドラムを保持可能なドラム取付部を着脱可能にする構造について記載されている。そして、基台部に対してドラム取付部を回動させたときに、ドラム取付部に保持するドラムを交換可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の一般的なコードリールは、ドラム支持体の中心軸が回転ドラムの中心穴に挿入され、中心軸の端部にロックナット、埋め栓等が取り付けられることによって、中心軸から回転ドラムが外れない構造を有している。また、一般的なコードリールは、回転ドラムの一方のパネル部としてのコンセント取付盤、及び回転ドラムの他方のパネル部としての側板を外さなければ、ドラム支持体から回転ドラムが分離されない構造を有している。そのため、コードリールの修理等を行う場合には、その分解に大変手間が掛かっている。従って、ドラム支持体に対する回転ドラムの着脱を簡単な構造によって実現するためには、回転ドラムの着脱構造に更なる工夫が必要となる。
【0006】
特許文献1の電動式巻取機においては、ドラムを交換する際には、ロック金具を操作して、基台部の支持板部に対するドラム取付部の固定軸のロックを解除し、基台部に対して水平方向に配置されたドラム取付部を垂直方向に起立させる必要がある。このドラム取付部を起立させる構造が簡単ではなく、特許文献1の電動式巻取機の構造には、改善の余地がある。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、回転支持部の移動操作又は回動操作によって、回転ドラムの着脱を可能にすることができ、回転ドラムの着脱構造を簡単にすることができるコードリールを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
電気ケーブルが巻き付けられる外周円筒部、前記外周円筒部の軸線方向の端部に配置され、コンセント口が設けられたパネル部、及び前記外周円筒部の内周側に設けられた回転受部を有する回転ドラムと、
前記回転受部内に挿通されて前記回転ドラムの回転を支持する回転支持部、及び前記回転支持部が取り付けられたフレーム部を有するドラム支持体と、を備え、
前記回転支持部は、前記回転受部が前記回転支持部から外れないようにする係合状態と、前記回転受部が前記回転支持部から外れるようにする係合解除状態とに、移動操作又は回動操作が可能である、コードリールにある。
【発明の効果】
【0009】
前記一態様のコードリールにおいては、回転ドラムを支持する、ドラム支持体の回転支持部の構造に工夫をしている。具体的には、ドラム支持体の回転支持部は、移動操作又は回動操作が可能である。そして、回転支持部が係合状態にあるときには、回転ドラムの回転受部が回転支持部から外れない。これにより、回転ドラムに電気ケーブルを巻き付けるとき、又は回転ドラムから電気ケーブルを引き出すときには、回転支持部に支持された回転ドラムを安定して回転させることができる。
【0010】
一方、回転支持部を移動操作又は回動操作したときには、回転ドラムの回転受部を回転支持部から外すことができる。これにより、回転ドラムの交換、メンテナンス等を行うときには、回転ドラムを回転支持部から容易に取り外すことができる。また、再度、回転ドラムを回転支持部に取り付けることも容易である。
【0011】
それ故、前記一態様のコードリールによれば、回転支持部の移動操作又は回動操作によって、回転ドラムの着脱を可能にすることができ、回転ドラムの着脱構造を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態にかかる、コードリールの表側を示す斜視図。
【
図2】実施形態にかかる、コードリールの裏側を示す斜視図。
【
図3】実施形態にかかる、コードリールを、部分的に断面にして示す説明図。
【
図4】実施形態にかかる、コードリールの裏側を示す説明図。
【
図5】実施形態にかかる、係合状態にある回転支持部の周辺を示す断面図。
【
図6】実施形態にかかる、係合解除状態にある回転支持部の周辺を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
前述したコードリールにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態>
本形態のコードリール1は、
図1~
図4に示すように、回転ドラム2及びドラム支持体3を備える。回転ドラム2は、電気ケーブル24が巻き付けられる外周円筒部21と、外周円筒部21の軸線方向Lの端部に配置され、コンセント口221が設けられたパネル部22と、外周円筒部21の内周側に設けられた回転受部23とを有する。ドラム支持体3は、回転受部23内に挿通されて回転ドラム2の回転を支持する回転支持部4と、回転支持部4が取り付けられたフレーム部31とを有する。なお、回転支持部4及び回転ドラム2の中心軸線に沿った方向を軸線方向Lという。回転支持部4は、
図5に示すように、回転受部23が回転支持部4から外れないようにする係合状態Aと、
図6に示すように、回転受部23が回転支持部4から外れるようにする係合解除状態Bとに、移動操作が可能である。
【0014】
以下に、本形態のコードリール1について詳説する。
コードリール1は、商用電源、発電機等の電源と、電源による電力を消費する各種電気機器等とを接続するために使用される。コードリール1は、屋外用又は屋内用のいずれであってもよい。電気ケーブル24及び電気ケーブル24の先端に設けられた差込プラグは、屋外にて使用可能な防水性を有していてもよい。
【0015】
(ドラム支持体3)
図1及び
図2に示すように、フレーム部31は、金属製のパイプ材が屈曲されることによって形成されている。フレーム部31は、回転ドラム2の外形よりも大きな外形に形成されている。本形態のフレーム部31は、コードリール1を複数段に重ねて積載可能な四角枠形状に形成されている。フレーム部31は、回転ドラム2の回転を支持可能とする種々の形状に形成してもよい。
【0016】
図2~
図4に示すように、フレーム部31には、回転支持部4を取り付けるための被取付部材32が設けられている。被取付部材32は、フレーム部31を構成するパイプ材の間に架け渡されている。回転支持部4は、片持ちはりの状態で被取付部材32に取り付けられている。回転支持部4の円筒部41における軸線方向Lの基端側L1の端部には、回転支持部4を複数のビスによって被取付部材32に取り付けるための取付板42が設けられている。回転支持部4は、ドラム支持体3の被取付部材32に対して、複数のビスの締め付け、緩めによって着脱可能である。
図3においては、回転支持部4の周辺と、後述するハンドル223の周辺とを適宜抜き出して、断面によって示す。
【0017】
(回転支持部4)
図3、
図5及び
図6に示すように、回転支持部4は、回転ドラム2の着脱を容易にするための構造を有する。回転支持部4は、円筒部41と、円筒部41内に同心状に挿入され、円筒部41の軸線方向Lに対して移動操作が可能な操作軸部43とを有する。操作軸部43は、回転支持部4の係合状態Aを形成する係合位置401と、回転支持部4の係合解除状態Bを形成する係合解除位置402とに移動操作が可能である。円筒部41には、円筒部41の内周面411と外周面412とを貫通する複数の貫通孔413が形成されている。複数の貫通孔413は、円筒部41の軸線方向Lの同じ位置において、周方向Cに並ぶ状態で形成されている。本形態の貫通孔413は、円筒部41の周方向Cの2箇所に円形状で形成されている。
【0018】
図5に示すように、複数の貫通孔413には、操作軸部43の外周面に対向する状態でボール44がそれぞれ配置されている。貫通孔413の直径は、ボール44の直径よりも小さい。ボール44は、円筒部41の貫通孔413の形成位置において、操作軸部43の外周面に対向して配置されている。ボール44の一部は、貫通孔413から円筒部41の外周面412に突出することが可能である。
【0019】
図3~
図5に示すように、円筒部41の軸線方向Lの基端側L1の端部には、フレーム部31の外方に向けて開口する開口部414が形成されている。回転支持部4が被取付部材32に取り付けられた状態において、円筒部41の開口部414は被取付部材32の表面から外方に開口されている。
図6に示すように、操作軸部43は、開口部414を介して円筒部41内に挿入される操作用部材Sによって軸線方向Lに押し込み操作が可能である。操作用部材Sは、作業者によって操作されるものであれば特に制限はなく、例えば、ドライバーなどの工具、つつき棒等とすればよい。
図6においては、操作軸部43が係合解除位置402になり、回転支持部4から回転ドラム2が抜き出される状態を示す。
【0020】
図5及び
図6に示すように、操作軸部43の軸線方向Lの先端側L2の端部には、小径部431と、小径部431よりも軸線方向Lの先端側L2に形成されて小径部431よりも大きな外径の大径部433と、小径部431と大径部433との間に形成されたテーパ部432とが設けられている。操作軸部43の軸線方向Lの中間部としての一般部434は、操作軸部43において最も小さな外径に形成されている。小径部431の外径は、一般部434の外径よりも大きい。操作軸部43の軸線方向Lの基端側L1の端部には、開口部414を介して操作用部材Sによって押し込み操作が可能な円板部435が設けられている。
【0021】
ボール44の外径は、小径部431の外周面と円筒部41の内周面411との間の半径分の寸法よりも大きく、小径部431の外周面と円筒部41の外周面412との間の半径分の寸法よりも小さい。また、貫通孔413の直径は、ボール44の直径よりも小さい。これらの構成により、操作軸部43が係合位置401と係合解除位置402との間で軸線方向Lに移動操作されるときに、ボール44が貫通孔413から外れないようにすることができる。なお、本形態のボール44の外径は、小径部431の外周面と円筒部41の外周面412との間の半径分の寸法とほぼ同じである。
【0022】
円筒部41内には、ストッパー部415が設けられている。ストッパー部415の中心部には、操作軸部43の一般部434が挿通される挿通穴416が形成されている。ストッパー部415の軸線方向Lの基端側L1の端部と、操作軸部43の円板部435との間には、スプリング45が配置されている。スプリング45は、圧縮コイルバネによって構成されている。
図5に示すように、操作軸部43が係合位置401にあるときには、スプリング45による付勢力を受けて、操作軸部43の小径部431における軸線方向Lの基端側L1の端面が、ストッパー部415の軸線方向Lの先端側L2の端面に掛止される。
【0023】
図5に示すように、操作軸部43が係合位置401にあるときには、ボール44の一部が貫通孔413を介して円筒部41の外周面412から外周側に突出していることにより、ボール44の一部によって回転受部23が軸線方向Lにおいて係止される。これにより、回転支持部4から回転ドラム2の回転受部23が抜き出されることが防止される。通常時においては、操作軸部43が係合位置401にある。
【0024】
また、操作軸部43が係合位置401にあるときには、操作軸部43がスプリング45によって係合位置401に付勢されるとともに、ボール44が操作軸部43の大径部433に押されることによって、ボール44の一部が貫通孔413を介して円筒部41の外周面412から外周側に突出した状態が維持される。このとき、ボール44は、大径部433の外周面に接触して、貫通孔413に配置された状態が維持される。
【0025】
一方、
図6に示すように、操作軸部43が係合解除位置402に移動操作されたときには、ボール44が円筒部41の外周面412から内周側に退避することにより、ボール44の一部による回転受部23の係止が解除される。これにより、回転支持部4から回転ドラム2の回転受部23を抜き出すことが可能になる。回転ドラム2の交換時、メンテナンス時等においては、操作軸部43が係合解除位置402に移動操作される。
【0026】
また、操作軸部43が係合解除位置402に移動操作されたときには、ボール44が、テーパ部432に対向する位置を経由して小径部431に対向する位置に移動するとともに、回転受部23の外周面412よりも内周側に移動する。このとき、ボール44は、小径部431の外周面に接触して、貫通孔413の内周側に配置された状態が維持される。
【0027】
(回転ドラム2)
図1~
図3に示すように、回転ドラム2は、外周円筒部21の軸線方向Lの両端部にパネル部22を有し、外周円筒部21の内周側に回転受部23を有する。パネル部22は、外周円筒部21よりも外周側に突出する円盤形状に形成されている。電気ケーブル24は、一対のパネル部22の間において、外周円筒部21の外周に巻き付けられる。
【0028】
図1及び
図2に示すように、表側のパネル部22の外側表面には、種々の電気機器の電気ケーブルのプラグを差し込むためのコンセント口221、コンセント口221を開閉可能に覆うカバー222、及び回転ドラム2を回転させるためのハンドル223等が配置されている。裏側のパネル部22の外側表面には、電流を制限するためのブレーカ224等が配置されている。
【0029】
図3、
図5及び
図6に示すように、回転ドラム2は、回転支持部4に対して、軸線方向Lの先端側L2に抜き出し可能である。回転ドラム2の外周円筒部21、パネル部22及び回転受部23等は、樹脂によって構成されている。一方、円筒部41、取付板42、操作軸部43、ボール44等を有する回転支持部4を含むドラム支持体3は、金属によって構成されている。回転ドラム2の回転受部23における軸線方向Lの先端側L2の端部には、金属から構成された座金231と、座金231を回転受部23における軸線方向Lの先端側L2の端部に押さえ込む押さえ部材232とが配置されている。そして、金属によって構成されたボール44には、座金231が接触することによって、回転受部23の磨耗が少なくなるようにしている。
【0030】
(作用効果)
本形態のコードリール1においては、回転ドラム2を支持する、ドラム支持体3の回転支持部4の構造に工夫をしている。具体的には、ドラム支持体3の回転支持部4は、円筒部41、及び円筒部41内において移動操作可能な操作軸部43を有する。そして、操作軸部43が係合位置401にあるときには、回転ドラム2の回転受部23が回転支持部4から外れない。これにより、回転ドラム2に電気ケーブル24を巻き付けるとき、又は回転ドラム2から電気ケーブル24を引き出すときには、回転支持部4に支持された回転ドラム2を安定して回転させることができる。
【0031】
一方、円筒部41に対して操作軸部43を移動操作して、操作軸部43が係合解除位置402になったときには、回転ドラム2の回転受部23を回転支持部4から外すことができる。これにより、回転ドラム2の交換、メンテナンス等を行うときには、回転ドラム2を回転支持部4から容易に取り外すことができる。また、再度、回転ドラム2を回転支持部4に取り付けることも容易である。
【0032】
それ故、本形態のコードリール1によれば、操作軸部43の移動操作によって、回転ドラム2の着脱を可能にすることができ、回転ドラム2の着脱構造を簡単にすることができる。
【0033】
また、円筒部41、操作軸部43、ボール44、スプリング45等を用いた回転支持部4の構成により、回転ドラム2の回転を支持する構造の強度が高く、コードリール1の耐久性が優れる。また、この構成により、ドラム支持体3の回転支持部4に対して回転ドラム2を着脱可能にする構造を適切に実現することができる。
【0034】
(回転支持部4の他の構成)
また、回転支持部4は、その中心軸線の回りに回動操作することによって係合状態Aと係合解除状態Bとに切り替え可能にしてもよい。そして、回転支持部4が係合状態Aにあるときには、回転受部23が回転支持部4から外れないようにし、回転支持部4が係合解除状態Bにあるときには、回転受部23が回転支持部4から外れるようにしてもよい。
【0035】
この場合、回転支持部4の軸線方向Lの先端側L2の端部には、回転ドラム2の回転受部23の軸線方向Lの先端側L2の端部に掛止可能な掛止部を設け、回転支持部4の軸線方向Lの基端側L1の端部には、回転支持部4を回動させるための操作部を設ける。そして、回転支持部4が係合状態Aにあるときには、掛止部が回転受部23の軸線方向Lの先端部に掛止され、回転支持部4が係合解除状態Bにあるときには、掛止部による回転受部23の軸線方向Lの先端部の掛止が解除されるようにする。この場合にも、回転支持部4を移動操作可能にした場合と同様の作用効果が得られる。
【0036】
本発明は、実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。
【符号の説明】
【0037】
1 コードリール
2 回転ドラム
21 外周円筒部
22 パネル部
23 回転受部
24 電気ケーブル
3 ドラム支持体
31 フレーム部
32 被取付部材
4 回転支持部
401 係合位置
402 係合解除位置
41 円筒部
413 貫通孔
414 開口部
42 取付板
43 操作軸部
431 小径部
432 テーパ部
433 大径部
44 ボール
45 スプリング