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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056852
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】可動ディスプレイスタンド
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20230413BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
G09F9/00 351
H04N5/64 581Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166310
(22)【出願日】2021-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】521445591
【氏名又は名称】株式会社14za
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英敏
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435EE13
5G435EE15
5G435EE16
5G435EE17
5G435EE18
5G435EE19
5G435LL12
(57)【要約】
【課題】
本発明は、特に介護施設や病院などにおいてベッドに寝たままの利用者であっても快適なオンライン面会を行うことを可能とするための可動式ディスプレイスタンドを提供することを課題とする。
【解決手段】
この課題は、フロア上に載置されるベース部、このベース部上に設けられる収納部、ベース部、又は収納部から延びる支柱と、当該支柱に対してディスプレイを取り付けるためのブラケット機構を有するディスプレイスタンドであって、支柱とブラケット取付け機構の間に、ディスプレイの位置の調整を可能とする位置調整手段と、ディスプレイの向きを調整するための角度調整手段が設けられていることを特徴とするディスプレイスタンドによって解決される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロア上に載置されるベース部、このベース部上に設けられる収納部、ベース部、又は収納部から延びる支柱と、当該支柱に対してディスプレイを取り付けるためのブラケット機構を有するディスプレイスタンドであって、
支柱とブラケット取付け機構の間に、ディスプレイの位置の調整を可能とする位置調整手段と、ディスプレイの向きを調整するための角度調整手段が設けられていることを特徴とするディスプレイスタンド。
【請求項2】
位置調整手段が、少なくとも2つの部分アームからなるアーム部であり、角度調整手段が、当該アーム部とブラケット機構の間に設けられるボールジョイント機構であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイスタンド。
【請求項3】
収納部が、収納部内にオンライン会議に必要な機器とポータブル電源を収納することを可能とするよう構成されており、及び収納部上にオンライン会議に必要な音声入出力機構を載置可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイスタンド。
【請求項4】
ベース部に移動手段が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のディスプレイスタンド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロア上に載置されるベース部、このベース部上に設けられる収納部、ベース部、又は収納部から延びる支柱と、当該支柱に対してディスプレイを取り付けるためのブラケット機構を有するディスプレイスタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、新型コロナウイルスの流行にともなうリモートワーク・テレワークの浸透をきっかけとして、ウェブ会議システム等を用いたオンラインでの遠隔コミュニケーションが急速に広まっている。
【0003】
このような遠隔コミュニケーションに対しては、年齢層・世代にかかわらずニーズが存在する。例えば、介護施設や病院等に滞在している老人・患者等との面会のためにこのような遠隔コミュニケーションツール(Web会議システム)を用いることが考えられる。
【0004】
しかしながら、介護施設や病院等に滞在している老人・患者のなかには身体的理由から自らの身体・姿勢をコントロールすることが難しく、ベッドに寝たままの姿勢を維持せざるを得ない者も存在する。しかしベッド上に寝たままの姿勢では、遠隔コミュニケーションツール(Web会議システム)の画面を表示するディスプレイを視聴することが困難である。
【0005】
そこでディスプレイを台(スタンド・什器)等の上に載せ、そのような老人・患者などに視聴させる方法が考えられる。
【0006】
たとえば特許文献1は、ディスプレイ支持什器を開示している。特許文献1のディスプレイ支持装置は、脚体2上に立てられた支柱3にブラケット7を介してディスプレイが固定された構造となっている。このような構造の支持什器では、ベッドに寝たままの老人や患者にディスプレイを視聴させることは困難である。
【0007】
また特許文献2は、手術中にモニターだけを前後に移動させることができるモニタースタンドを開示している。このようなモニタースタンドであれば、ディスプレイを前後に移動させることが可能ではある。しかしながらこのディスプレイスタンドによっても、ディスプレイをベッドに寝たままの者に視聴させるには、補助者の助けが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2016―90653号公報
【特許文献2】特開2021―40857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、特に介護施設や病院などにおいてベッドに寝たままの利用者であっても快適なオンライン面会を行うことを可能とするための可動式ディスプレイスタンドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、フロア上に載置されるベース部、このベース部上に設けられる収納部、ベース部、又は収納部から延びる支柱と、当該支柱に対してディスプレイを取り付けるためのブラケット機構を有するディスプレイスタンドであって、支柱とブラケット取付け機構の間に、ディスプレイの位置の調整を可能とする位置調整手段と、ディスプレイの向きを調整するための角度調整手段が設けられていることを特徴とするディスプレイスタンドによって解決される。
【0011】
有利には、位置調整手段が、少なくとも2つの部分アームからなるアーム部であり、角度調整手段が、当該アーム部とブラケット機構の間に設けられるボールジョイント機構であることが可能である。
【0012】
別の実施形では、収納部が、収納部内にオンライン会議に必要な機器とポータブル電源を収納することを可能とするよう構成されており、及び収納部上にオンライン会議に必要な音声入出力機構を載置可能に構成されていることが考えられる。
【0013】
更に有利には、ベース部に移動手段が設けられていることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明にかかる可動ディスプレイスタンドの全体図(側面図及び正面図)
図2】本発明にかかる可動ディスプレイスタンドの背面図及びその部分拡大図
図3】位置調整手段の図
図4】角度調整手段の図
図5】角度調整手段を別の角度から見た図
図6】本発明にかかる可動ディスプレイスタンドを前方延伸させた状態の図
図7】本発明にかかる可動ディスプレイスタンドの使用状態の図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明を添付の図面に基づき例示的に説明する。この説明はあくまで例示的なものであり、本発明の範囲は以下の実施例に限定されない。
【0016】
図1は、本発明にかかる可動ディスプレイスタンドの全体図を示す。図1の左側(図1a)には側面図、右側(図1b)には正面図があらわされている。図1から見て取れるように、本発明にかかる可動ディスプレイスタンドは、この図で見て下から順番に、ベース部1、収納部2、支柱3、位置調整手段4、角度調整手段5、ブラケット機構6を有している。ブラケット機構6には、ディスプレイ7が取付けられているのが図1aに見て取れる。
【0017】
ベース部1には移動手段8又はキャスターが設けられており、これを介してフロアに載置されている。ベース部1の上には収納部2が設けられている。収納部2内には、遠隔コミュニケーションを実現するのに必要な機器・ツール類(PC、電源など)が収納されているがこの点については後述する。収納部2上には、音声入出力装置8が設けられている。音声入試出力装置8は、収納部2内のPCと有線、又は無線によって接続されていることが可能である。
【0018】
図1には、収納部2上に支柱3が設けられているのが見て取れる。この実施例では、支柱3は収納2部の上面から鉛直上方にむかって突き出すように設けられている(図1a)。
【0019】
支柱2とブラケット機構6の間には、位置調整手段4と角度調整手段5が設けられている。位置調整手段4はディスプレイ7の位置を調整するためのものであり、角度調整手段5はディスプレイ7の角度(向き)を調整するためのものである。
【0020】
この実施例(図1a)では、支柱3に位置調整手段4が接続され、この位置調整手段4に角度調整手段5が接続されている。更に角度調整手段5にはブラケット機構6が接続され、このブラケット機構6を介してディスプレー7が取付けられている。
【0021】
図2は、本発明にかかる可動ディスプレイスタンドの背面図(図2a)とその部分拡大図(図2b)を示す。部分拡大図には特に収納部2とその内部が表されている。この実施例では収納部2は箱状に形成されており、その背面を開放しそこから内部にアクセス可能に構成されている。収納部2内には、パソコン・ビデオレコーダー10などと、ポータブル電源11等が収納されることが可能である。
【0022】
収納部2はベース部1上に載置・固定されている。この実施例ではベース部に支柱3が複数の固定ブラケットを介して取付けられ、支柱3はベース部1から起立する構成となっている。この支柱3は収納部2の内部を貫通し、収納部2上部に設けられた貫通孔12を貫通し収納部2の外部へと延びている。
【0023】
収納部2から突き出した支柱3には、固定手段13を介して位置調整手段4が接続されている(図3)。固定手段13は、ボルト等であることが可能である。この実施例では位置調整手段4は、3つの部分アーム4a、4b、4cからなるアーム部として構成されている。各部分アームは、ジョイント接続されており、ジョイント部14にて多方向に折り曲げることが可能(回転可能)に構成されている。この実施例では第一のジョイント部14aは水平方向にのみ折り曲げ可能に、第二のジョイント部14bは水平方向及び鉛直方向に折り曲げ可能(回転可能)に、そして第3のジョイント部14cは水平方向に折り曲げ可能(回転可能)に構成されている。
【0024】
第3のジョイント部14cに接続される第3の部分アーム4cには、角度調整手段5が接続されている(図4)。この実施例では角度調整手段5は、ボールジョイントとして構成されている。図5に見て取れるように、角度調整手段としてのボールジョイントのボール部分5aが第3のアーム部4cの中に収納されている様子が見て取れる。この角度調整手段5の他端(ボール部分と逆の端部)には、ブラケット機構6が接続されている(図4図5)。このブラケット機構6を介してディスプレイ7が取付けられている。
【0025】
ブラケット機構6は、汎用規格のものが用いられることが可能である。これにより汎用規格の取り付け部分を有するあらゆるディスプレイ7をこのブラケット機構6に取り付けることが可能となる。
【0026】
収納部2内に収納されるパソコン・ビデオレコーダー10、ポータブル電源11等の重量は、支柱3から水平方向に延びる位置調整手段4、角度調整手段5、ブラケット機構6、ディスプレイ7の重量とバランスするよう考慮されている(図6)。これによって、位置調整手段4を最大まで水平方向に延伸した場合であっても、本発明にかかる可動ディスプレイ装置は起立状態を保つことが可能となる(図6)。
【0027】
ディスプレイスタンドに取付けたディスプレイ7の位置を前後・左右に変更した場合であっても、ディスプレイスタンド全体としてバランスを保つことができるよう、支柱3は、ベース部1に設けられる移動手段又はキャスター8よりも内側に配置されている(図2bなど)。更に収納部2に収納される重量物(パソコン、ビデオレコーダー、ポータブル電源等)は、できる限りベース部1の近くに収納される。これにより重心が下がり、全体のバランスがさらに良好となる。
【0028】
本発明にかかる可動ディスプレイスタンドのこのようなバランス設計により、より大型のディスプレイ7を使用することが可能となる。これにより特に老人など視覚面で困難を有する利用者にとっての利用環境が大幅に改善される。
【0029】
図6に見て取れるようにベース部1には複数の移動手段8が設けられている。この実施例では移動手段は、キャスターとして構成されている。当該キャスターは車輪の回転により、ベース部と、ひいてはその上に設けられるディスプレイスタンド全体を容易に移動させることを可能とする。
【0030】
また収納部2には、ポータブル電源11が収納されているので、オンライン会議に必要なパソコン、ディズプレイ等の電源を外部の電源(コンセント電源)から取得する必要がなく、ディスプレイスタンド全体を自由に移動させることが可能となる。他方、求められる使用方法によっては、このようなポータブル電源11を収容せず、単なる重量物を収納部に収納することも考えられる。
【0031】
収納部2には任意の機器を収納できるため、本発明にかかるディスプレイスタンドは、オンラインワークやオンライン会議・面会、テレビやビデオの視聴、デジタルサイネージ、介護施設からのオンライン診療等、様々な用途へ汎用的に使用可能である。
【0032】
最後に図7に本発明にかかる可動ディスプレイスタンドの使用状態の図を示す。図7に示すように本発明にかかる可動ディスプレイスタンドは、位置調整手段4によりディスプレイ7の位置を任意・多様に変化させることが可能である。ディスプレイ7の角度は、角度調整手段5により変更可能であるので、図7に示されるようにベッド上に寝たままの利用者(又はベッド自体)に対して多様な角度設定を行うことができる。これにより、ベッドに寝たままであっても、ディスプレイを顔の位置に合わせることが可能となる。移動手段8が設けられていることによりベッドサイドへの移動は、上述したとおり自由に可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 ベース部
2 収納部
3 支柱
4 位置調整手段
5 角度調整手段
6 ブラケット機構
7 ディスプレイ
8 移動手段
9 音声入出力装置
10 パソコン・ビデオレコーダー等
11 ポータブル電源
12 貫通孔
13 固定手段
14 ジョイント部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロア上に載置されるベース部、このベース部上に設けられる収納部、ベース部、又は収納部から延びる支柱と、当該支柱に対してディスプレイを取り付けるためのブラケット機構を有する大画面ディスプレイ用ディスプレイスタンドであって、
支柱とブラケット取付け機構の間に、ディスプレイの位置の調整を可能とする位置調整手段と、ディスプレイの向きを調整するための角度調整手段が設けられていること
位置調整手段が、少なくとも2つの部分アームからなるアーム部であり、これら部分アーム間に設けられるジョイントが主として水平方向のみに折り曲げ可能なジョイントであることを特徴とするディスプレイスタンド。
【請求項2】
度調整手段が、当該アーム部とブラケット機構の間に設けられるボールジョイント機構であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイスタンド。
【請求項3】
収納部が、収納部内にオンライン会議に必要な機器とポータブル電源を収納することを可能とするよう構成されており、及び収納部上にオンライン会議に必要な音声入出力機構を載置可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイスタンド。
【請求項4】
ベース部に移動手段が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のディスプレイスタンド。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロア上に載置されるベース部、このベース部上に設けられる収納部、ベース部、又は収納部から延びる支柱と、当該支柱に対してディスプレイを取り付けるためのブラケット機構を有する大画面ディスプレイ用ディスプレイスタンドであって、
支柱とブラケット取付け機構の間に、ディスプレイの位置の調整を可能とする位置調整手段と、ディスプレイの向きを調整するための角度調整手段が設けられていること、
位置調整手段が、少なくとも2つの部分アームからなるアーム部であり、これら部分アーム間に設けられるジョイントが主として水平方向のみに折り曲げ可能なジョイントであり、収納部が、収納部内にオンライン会議に必要な機器とポータブル電源を収納することを可能とするよう構成されていることを特徴とするディスプレイスタンド。
【請求項2】
角度調整手段が、当該アーム部とブラケット機構の間に設けられるボールジョイント機構であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイスタンド。
【請求項3】
納部上にオンライン会議に必要な音声入出力機構を載置可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイスタンド。
【請求項4】
ベース部に移動手段が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のディスプレイスタンド。