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特開2023-56976下位アドレス記憶方法を用いたリング網を利用したハンドオーバー
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  • 特開-下位アドレス記憶方法を用いたリング網を利用したハンドオーバー 図1
  • 特開-下位アドレス記憶方法を用いたリング網を利用したハンドオーバー 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056976
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】下位アドレス記憶方法を用いたリング網を利用したハンドオーバー
(51)【国際特許分類】
   H04L 61/103 20220101AFI20230413BHJP
【FI】
H04L61/103
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166525
(22)【出願日】2021-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】512243225
【氏名又は名称】龍野 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】龍野 秀雄
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線システムのハンドオーバーを低コストで高速に実現するパケット転送システム及び方法を提供する。
【解決手段】サーバからの右回りリングを転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップ及び通過の装置に到着した場合、宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過用架け橋下位アドレスメモリに記憶して、パケットをリング外に送出し、リング外から装置にパケットが到着し、パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合で、送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過用架け橋下位アドレスメモリに記憶されている場合には、パケットの通過用架け橋下位アドレスメモリの前記アドレス位置に通過禁止ビットを記憶する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末から基地局、リング網またはツリー状リング網を介してサーバに向かうパケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスをルータまたはゲートウェイのパケット待機手段のメモリに記憶して、サーバ宛てのIPパケットを送出し、または、前記サーバに向かう前記パケットの送信元MACアドレスをIPパケットのIPヘッダのオプション領域にいれてサーバに送出し、
移動端末からの通過する基地局を変え、アッドするリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた直後のパケットである旨の信号を持つパケットが前記パケット待機手段に到着した場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを下位アドレスとして持つMACアドレスが前記パケット待機手段の第1のメモリに記憶されている場合、その第1のメモリに記憶されているそのMACアドレスとそのMACアドレスに対応するIPアドレスをパケット待機手段の第2のメモリに記憶し、
または、パケット待機手段の第1のメモリを使用しない場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット待機手段の第2のメモリに記憶し、
前記パケット待機手段の第1のメモリを使用しない方式では、前記パケット待機手段の第2のメモリに記憶されている宛先MACアドレスの下位アドレスと同じ下位アドレスを、サーバから到着するIPパケットのIPヘッダのオプション領域のMACアドレスが持つ場合には、そのパケットの宛先MACアドレスを前記メモリに記憶し、そのパケットを、そのパケットのMACアドレスを送信元MACアドレスとする移動端末からの再送パケットが到着するまで待機させ、前記再送パケットが到着した時、前記再送パケットの送信元MACアドレスを前記パケット待機手段の第2メモリから消去し、前記第2メモリに記憶した下位アドレスとその下位アドレスに関連する全記憶アドレスを前記下位アドレスの記憶時から一定時間後に全て消去する、
一方、前記パケット待機手段の第1のメモリを使用する方式では、前記パケット待機手段の第2のメモリに記憶されているIPアドレスの宛先IPアドレスを持つパケットがサーバから到着した場合には、そのパケットを、そのパケットの宛先IPアドレスに対応するMACアドレスを送信元MACアドレスとするTCP移動端末からの再送パケットが到着するまでTCPパケットは待機させ、UDPパケットは待機させず、前記ACKパケットまたは再送パケットが到着した時、前記ACKパケットまたは再送パケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを前記パケット待機手段の第2のメモリから消去する、
ことを
特徴とするパケッ待機手段を用いた
リング網またはツリー状リング網の最下位リングに基地局を収容し、前記基地局配下の移動端末が前記リング網または前記ツリー状リングの頂点装置に接続された、ルータを介してサーバと通信する、移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システムであって、
右回りリングからパケットがリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合の、前記パケットの宛先MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、上記以外で、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、上記以外は、前記パケットの宛先MACアドレスをパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶し、前記パケットをリング外に送出する手段と、
左回りリングからパケットがリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合の、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスに記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶し、上記以外は、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出する手段と、
リング外からパケットがリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合の、
そのパケットが、前記移動端末が通過する基地局を変え、リング外からアッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた直後のパケットでない場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合で、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、その記憶アドレスを消去し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットを左回りリング前方に送出し、
リング外からパケットがリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合の、
そのパケットが、前記移動端末が通過する基地局を変え、リング外からアッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた直後のパケットの場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合で、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、その通過禁止動作停止ビットを削除し、前記パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、その記憶アドレスを消去し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶する手段と
を備えたことを特徴とする移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システム。
【請求項2】
左回りリングからパケットが到着した場合の、
そのパケットが、前記移動端末が通過する基地局を変え、リング外からアッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた直後のパケットの場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスに記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから削除し、上記以外は、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出する手段
をさらに含む請求項1に記載の移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システム。
【請求項3】
前記移動端末は通信中に前記サーバから一定時間以上パケットが到着しない場合には、前記サーバに再送パケットまたは再送要求パケットを送出する手段を
さらに備えた請求項1または請求項2のいずれかに記載の移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システム。
【請求項4】
前記移動端末は、送信元MACアドレスを持つ位置登録パケットをパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のメモリのタイマー値以下の周期で前記リング網またはツリー状リング網を左回りでサーバに向けて送出し、前記サーバは前記パケット情報によりホームメモリに前記移動端末の位置登録をする手段をさらに備える請求項1に記載の移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システム。
【請求項5】
前記移動端末は、送信元MACアドレスを持つ片経路設定パケットをパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に周期的に前記リング網またはツリー状リング網を左回りでサーバに向けて送出する手段をさらに備える請求項1または請求項2のいずれかに記載の移動端末の基地局間移動を可能とするパケット転送システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載したパケット転送システムにおける移動端末の基地局間移動方法に使用する基地局と移動端末間のハンドオーバーを含む無線区間の通信方法であって、
前記移動端末の基地局間移動の場合は、移動先の基地局からの電波が現在パケット受信中の基地局からの電波より強くなった場合、移動先の基地局へのCSMA/CAで前記移動端末が使用する指定周波数の指定タイムスロット位置を確保し、またはCDMAのコードまたはOFDMのシンボルコードを確保し、その確保した指定周波数のタイムスロットまたはそのコードのCDMAまたはそのコードのOFDMで移動先基地局と通信開始することを特徴とする基地局と移動端末間のハンドオーバーを含む無線区間の通信方法。
【請求項7】
請求項1に記載のパケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリであって、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットとの論理和の並列データのラッチ信号をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリまたはパケットの通過を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することにより送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードのビット1の位置のビット1を下位アドレス記憶を意味するビット1として挿入記憶するメモリであり、
リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから送信元MACアドレスの下位アドレスを削除する場合は、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位部分でアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードした並列データの各ビットのビット反転ビットとの論理積の並列データのラッチ信号をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することにより送信元MACアドレスの下位アドレスの下位部分をデコードのビット1の位置にビット0を下位アドレス記憶無を意味するビット0として挿入記憶することを特徴とするパケット転送システムのリング網またはツリー状リング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ。
【請求項8】
リング網またはツリー状リング網の最下位リングに基地局を収容し、前記基地局配下の移動端末が前記リング網または前記ツリー状リングの頂点装置に接続された、ルータを介してサーバと通信する、移動端末の基地局間移動を可能とするリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置であって、
右回りリングからパケットが到着した場合の、前記パケットの宛先MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、上記以外で、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、上記以外は、前記パケットの宛先MACアドレスをパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶し、前記パケットをリング外に送出する手段と、
左回りリングからパケットが到着した場合の、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスに記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶し、上記以外は、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出する手段と、
リング外からパケットが到着した場合の、
そのパケットが、前記移動端末が通過する基地局を変え、リング外からアッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた直後のパケットでない場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合で、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、その記憶アドレスを消去し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットを左回りリング前方に送出し、
リング外からパケットが到着した場合の、
そのパケットが、前記移動端末が通過する基地局を変え、リング外からアッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた直後のパケットの場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合で、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、その通過禁止動作停止ビットを削除し、前記パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、その記憶アドレスを消去し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶する手段と
を備えたことを特徴とするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置。
【請求項9】
左回りリングからパケットが到着した場合の、
そのパケットが、前記移動端末が通過する基地局を変え、リング外からアッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた直後のパケットの場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスに記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから削除し、上記以外は、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出する手段
をさらに含む請求項7に記載のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置。
【請求項10】
リング網またはツリー状リング網の最下位リングに基地局を収容し、前記基地局配下の移動端末が前記リング網または前記ツリー状リングの頂点装置に接続された、ルータを介してサーバと通信する、移動端末の基地局間移動を可能とするリング網のパケット転送方法であって、
頂点装置からの右回りリングを転送されるパケットがリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合の、前記パケットの宛先MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを右回りリング前方に送出し、上記以外で、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出し、上記以外は、前記パケットの宛先MACアドレスをパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶し、前記パケットをリング外に送出するステップと、
左回りリングからパケットがリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合の、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスに記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶し、上記以外は、そのまま、前記パケットを左回りリング前方に送出するステップと、
リング外からパケットがリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合の、
そのパケットが、前記移動端末が通過する基地局を変え、リング外からアッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた直後のパケットでない場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合で、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、その記憶アドレスを消去し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットを左回りリング前方に送出し、
リング外からパケットがリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合の、
そのパケットが、前記移動端末が通過する基地局を変え、リング外からアッドするパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を変えた直後のパケットの場合、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合で、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、その通過禁止動作停止ビットを削除し、前記パケットの送信元MACアドレスがパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されている場合には、その記憶アドレスを消去し、かつ、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶するステップと
を有することを特徴とするパケット転送方法。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MACアドレスの下位アドレス記憶方法を用いたイーサネットパケットを転送するリング網を利用したハンドオーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
アドレス記憶方法の従来例としては、特許文献1の特開2000-151617「テーブル作成検索装置」がある。この従来例は、MACアドレスの記憶回路に関するもので、行列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第1のテーブルと行列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第2のテーブルからなる。この従来例は、下位ビット列(例えば16ビット)で第1のテーブルのメモリを指定した位置AにMACアドレス48ビット全体を記憶する。その位置Aに既に他のMACアドレスが記憶されている場合には、、第2のテーブルのメモリの空きアドレス位置Bに記録し、その記録したアドレス位置Bを前記第1テーブルのアドレス位置Aのインデックスエリアに記憶する。これは記録エリアをネスティングで指定する方法である。
【0003】
また、アドレス記憶方法の従来技術としては、特許文献2の特開2004-15592「MACアドレスポインタ構造、MACアドレスの並べ替え方法」がある。この従来例は、下位ビット列で指定されるエントリーテーブルの同じアドレス位置に複数のMACアドレスを記憶する方法である。もし、空きエリアが無ければ、MACアドレスの前記下位ビット列と違う下位ビット列で指定されるエントリーテーブルにMACアドレスを記憶する。
【0004】
リング形ネットワークの従来例としては特許文献3のようにマスタスイッチとスレーブスイッチを用いたリングネットワークが一般的である。このリングネットワークはマスタスイッチの一方のリングポートがフレームを通過させないブロックポートになっていて、フラッディングによる輻輳を防止している。リングネットワークに障害が発生した場合には、マスタスイッチから出てマスタスイッチに戻る監視フレームが届かなくなり、代わりに障害点のスレーブスイッチから障害通知フレームがマスタスイッチに届くので、マスタスイッチは、マスタスイッチのブロックポートのブロックを解除してフレームを通過させる。また、障害点の一方のスレーブスイッチの障害伝送路側にブロックポートを設定し、リングネットワークの障害回復後もリングネットワークの動作を維持する。
【0005】
また、無線ネットワークにおけるハンドオーバーの従来例としては、特許文献4がある。この先行技術は、ATMセルを転送する制御局から基地局を介して移動端末と通信するネットワークのハンドオーバーを、制御局から移動元の基地局を経由した移動端末までの遅延D1と移動先の基地局を介して移動端末までの遅延D2の差(D1-D2>0)の場合間、制御局から移動端末への送出ATMセルの基地局切り換え場合にATMセルを制御局で遅延させて、切り換えることで実行して、ATMセルの順序逆転を防止する方法である。
【0006】
また、別のハンドオーバー方法の例として、特許文献5がある。この先行技術は、移動端末とサーバ間にある基地局、ゲートウェイ経由の切り換え前の基地局経由のコネクションと切り換え先基地局経由のコネクションを持ち、コネクション経由のパケットがコネクション切り換え時に断時間を少なくする方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-151617 号公報
【特許文献2】特開2004-15592 号公報
【特許文献3】再表2008-068813 号公報
【特許文献4】特開2001-128212 号公報
【特許文献5】再表2017-195497 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のアドレス記憶法としての従来例特開2000-151617はネスティングでMACアドレスを記憶しているため、記憶アドレス先をたどるのに場合間がかかる問題がある。また、本質的MACアドレス48ビット全体を記憶しているので記憶エリアが大きくなる問題がある。
【0009】
また、従来アドレス記憶方法としての従来例特開2004-15592は、下位ビット列で指定されるMACアドレスのエントリーテーブル位置に空きが無ければ違う下位ビット列のエントリーテーブル位置にMACアドレスを記憶すると記載されているが、その場合には、MACアドレスを記憶する位置を選択する場合に、2つの下位ビット列で指定されるエントリーテーブル位置を検索しなければならないこと、および、同じエントリーテーブルの同じアドレス位置に、複数の記憶アドレスがあるので、それら複数のアドレス比較をする必要があり、検索に場合間がかかる問題がある。
下位ビット列によるMACアドレスの検索は高速になるが、基本的に下位ビット列位置にMACアドレス全体を記憶する方法は、正確記憶であるが、48ビット全体を記憶しなければならないので、記憶アドレス数が少ない問題がある。
従来のリングネットワークである特許文献3は、MACアドレス48ビットを用いるMACアドレステーブルを使用するため、記憶できるMACアドレス数が少ない欠点がある。
【0010】
従来のハンドオーバーの特許文献4は、制御局から移動端末までの切り換え前の経路と切り換え後の経路の遅延場合間差を求める必要があり、制御が複雑である上に遅延場合間は制御局から移動端末までの往復場合間の半分としてしか測定できないので遅延場合間測定の正確性に欠ける問題がある。
【0011】
また、従来のハンドオーバーの特許文献5は、サーバと移動端末間に2つのコネクションを設けて切り換えているので、2つのコネクションの識別が必要になり、ハンドオーバー制御が複雑になる欠点がある。
【0012】
本発明の目的は、従来のMACアドレステーブルを用いないアドレス記憶方法を示し、それを用いたリング網を利用した手軽なハンドオーバーおよび携帯端末の近距離移動を実現する方法を示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みて成されたもので、本発明の第1の観点は、TCP移動端末とサーバがリング網を介して通信する場合の、前記サーバからの右回りリングを転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスをパケットの通過用架け橋下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットをリング外に送出し、リング外からパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置にパケットが到着し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合で、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過用架け橋下位アドレスメモリに記憶されている場合には、そのパケットの通過用架け橋下位アドレスメモリの前記アドレス位置に通過禁止ビットを記憶する方法である。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、本発明は、記憶ビット長が短く、記憶アドレス数の多く、記憶アドレス抜けの無い下位アドレス記憶法をイーサーネットパケットを転送するリング網に適用し、それを用いてリング網、リング網によるハンドオーバーおよび近距離端末移動を実現する方法なので、従来の記憶アドレス抜けのあるMACアドレステーブル使用によるunknownパケットのフラッディングのような問題が無く、従来のブロックポートが不要になるので、消費電力およびシステムコストが抑えられ、かつ、高速に通信できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施例のイーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したリング網を移動端末とサーバ間通信で利用するネットワークのハンドオーバーの動作を説明するための図
図2】本発明の第2実施例のイーサーネットパケットを転送する、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリとリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を光伝送路で接続したリング網を移動端末とサーバ間通信で利用するネットワークのハンドオーバーの動作を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1実施例を図1により説明する。本実施例は、リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバがルータを介して接続された頂点装置からなるイーサーネットパケットを転送するリング網を利用したハンドオーバーの動作例である。前記サーバはコンテンツサーバである。
【0017】
図1において、1は左回り光リング、2は右回り光リング、3は加入者系リング、4は上位リング、13-1,13-2,13-4は移動端末、であり、5は頂点装置、6-1,6-2,6-3はパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置、7はリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ、9-1はパケットの通過禁止下位アドレスメモリ、9-2はパケットの通過用架け橋アドレステーブル、11はリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル、12-1,12-2,12-3,12-4,12-5は基地局、13-1,13-2,13-3は移動端末、14は移動端末の移動方向、20はサーバ、22はルータである。また、(1)~(39)はパケット、I0,I1,I2,I3,I4,I6はサービスプロバイダーの国内または地域IPアドレスである。またはIPv6アドレスである。
なお、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2とリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11は従来のMACアドレステーブルと異なり、ポート番号を記憶しない、記憶MACアドレス数の少ないアドレステーブルである。
【0018】
以下に、図1の動作を説明する。最初に、TCP移動端末13-1,13-2,13-3は、サーバ20配下に移動して来たときまたは、サーバ20に向かう通信開始パケットがサーバ20前のルータに到着し、端末認証された後に、ルータ22のARPテーブルに端末のIPアドレスとMACアドレスが記憶され、端末のARPテーブルにルータ22のIPアドレスI1とリング伝送路インタフェースのMACアドレスr1r2が既に記憶されているものとする。TCP移動端末13-1がパケット(1)Mr1r2a1a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a1a2はTCP移動端末13-1のMACアドレスである上位MACアドレスa1と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出した例を示す。前記パケットがTCP移動端末13-1から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(2)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。
【0019】
前記パケット(2)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にこの時点で記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(3)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0020】
前記パケット(3)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(4)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到着する。そのパケットはリング外に送出され、上位リング4を介して、ルータ22に到達する。上位リング4は左回りリング1と右回りリング2の2重リングである加入者系リング、加入者系リング3と同様な構成であり、同様に動作する。
【0021】
前記パケット(5)Mr1r2a1a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートを求め、そのポートに送出する。そのパケットは(6)IPI2I0(IPはIPアドレスであることを示し、I2は送信元端末13-1のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。そのパケットのIPヘッダのオプション領域には元のパケットの送信元MACアドレスが記入されている。
【0022】
次に、TCP移動端末13-2がパケット(7)Mr1r2a3a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a3a2は端末13-2のMACアドレスである上位MACアドレスa3と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出する。前記パケットがTCP移動端末13-2から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(8)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0023】
前記パケット(8)Mr1r2a3a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(9)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到達する。
【0024】
頂点装置5に到着した前記パケットはリング外に送出され、上位リング4を介して、(10)Mr1r2a3a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到達する。
【0025】
前記パケット(10)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先ドメインに対応する出力ポートを読み出し、そのポートに送出する。そのパケットは(11)IPI3I0(IPはIPアドレスであることを示し、I3は送信元端末13-2のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。そのパケットのIPヘッダのオプション領域には元のパケットの送信元MACアドレスが記入されている。
【0026】
サーバ20は前記ダウンロード要求等のパケット(11)IPI3I0が到着した場合、前に端末13-1から到着したパケットの応答パケット(12)IPI0I2をルータ22に送出する。そのパケットのIPヘッダのオプション領域には元のパケットの送信元MACアドレスが記入されている。ルータ22はそのパケットのIPヘッダのオプション領域に記入されているMACアドレスa1a2を宛先MACアドレスとし、ルータ22のインタフェースのMACアドレスr1r2を送信元MACアドレスとして、前記IPパケットに付けたパケット(13)Ma1a2r1r2(I2)を図に示されるように右回りリング2に転送する。そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着し、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されておらず、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2にこの時点で記憶されておらず、かつ、そのパケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されているので、そのパケットの宛て先MACアドレスa1a2をパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶して、そのパケットをリング外に、(16)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように基地局12-2に送出する。そのパケットの宛先移動端末は基地局12-2配下には無いので、そのパケットの応答パケットはパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着しない。
【0027】
サーバ20は前記パケット(12)IPI0I2のACKパケットが到着しないので、再送パケット(17)IPI0I2をルータ22に送出する。そのパケットのIPヘッダのオプション領域には元のパケットの送信元MACアドレスが記入されている。ルータ22はそのパケットのIPヘッダのオプション領域に記入されているMACアドレスa1a2を宛先MACアドレスとし、ルータ22のインタフェースのMACアドレスr1r2を送信元MACアドレスとして、前記IPパケットに付けた、または、ルータ22はそのパケットの宛先IPアドレスI2から前記図に記してないARPテーブルにより宛先MACアドレスa1a2を得た、パケット(18)Ma1a2r1r2(I2)を図に示されるように右回りリング2に転送する。そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に(20)Ma1a2r1r2(I2)として到着した場合、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶されているので、そのパケットを右回りリング2の前方に(21)Ma1a2r1r2(I2)により図に示すように送出する。
【0028】
そのパケットは(21)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように右回りリング2を転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到着する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1は、上記と同様にして、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に前記パケットの宛先MACアドレスa1a2を記憶し、そのパケットをリング外に送出し、端末13-1に(22)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように到着させる。
【0029】
端末13-1に前記パケット(22)Ma1a2r1r2(I2)が到着した場合、ACKパケット(23)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出される。
パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に前記パケットが到着した場合、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されており、かつ、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に前記パケットの送信元MACアドレスa1a2が記憶されているので、そのアドレスa1a2を消去し、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2を記憶し、そのパケットを左回りリング1によりパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に向けて(24)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように送出する。前記アドレスa1a2の消去は図ではa1a2の上に横線をひいて示してある。
【0030】
前記パケット(24)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がこの時点で記憶されていないので、そのパケットを左回りリング1により(25)Mr1r2a1a2(I0)により図に示されるように転送する。
【0031】
そのパケットが(27)Mr1r2a1a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をメモリに記憶し、そのメモリに記憶されているMACアドレスの下位アドレスa2をサーバから到着するIPパケットのIPヘッダのオプション領域に記されているMACアドレス(a3a2)の下位アドレスに含む場合には、そのMACアドレスを前記IPパケットに付けたMACパケットを、そのMACアドレスを送信元MACアドレスとして持つ移動端末からの再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)が到着するまで待機させる。
【0032】
その再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)は、TCP移動端末13-2からパケット(29)Mr1r2a3a2(I0)としてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2でそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されており、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2がこの時点でパケットの通過用架け橋アドレステーブルに記憶されていないので、そのまま、ルータ22に到着したパケットである。
【0033】
再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、待機してあったパケット(33)Ma3a2r1r2(I3)を上位リング4、加入者リングの頂点装置5を介して右回りリング2に送出する。そのパケットは(35)Ma3a2r1r2(I3)により図に示されるように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した前記パケットの宛先MACアドレスa3a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されておらず、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されており、前記パケットの宛先MACアドレスa3a2がこの時点でパケットの通過架け橋アドレステーブル9-2に記憶されていないので、前記パケットの宛先MACアドレスa3a2をパケットの通過架け橋アドレステーブル9-2に記憶し、そのパケットをリング外に(36)Ma3a2r1r2(I3)により図に示されるように送出する。
【0034】
次に、TCP移動端末13-2が基地局12-2配下から基地局12-1配下に移動して、パケット(37)Mr1r2a3a2(I0)が基地局12-1に到着した場合、そのパケットを、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出する。TCP移動端末13-2からの前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到達した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリに記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビット(S)を記憶するが、下位アドレスa2がこの時点で記憶されていないので、そのまま、そのパケットは左回り光リング1で(39)Mr1r2a3a2g(I0)により図に示すように転送され、ルータ22に向かう。
【0035】
前記パケットがルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを図に記してないメモリに記憶後、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先ドメインに対応する出力ポートを読み出し、そのポートに、送出すると共に、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2と同じ下位アドレスのMACアドレス対応のIPアドレスを前記図に記してないメモリの記憶アドレスから読み取り、そのIPアドレスの宛先IPアドレスのパケットがサーバ20から到着した場合に、前記IPアドレスのサーバからのパケットを上記と同じように待機させる。
【0036】
以上の述べた実施例1ではTCP移動端末13-2がリング網をサーバから離れる方向の通過基地局移動の例であるが、逆にサーバ方向への通過基地局移動の場合には、移動先基地局12-2を経由した基地局移動直後のパケットにより、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶し、仮にパケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2にそのパケットの送信元MACアドレスa3a2が記憶されている場合には、そのアドレスa3a2を消去し、かつ、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2を記憶し、また、仮にパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されており、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、その通過禁止動作ビットを削除する。前記基地局移動直後のTCP移動端末13-2からのパケットがルータ22に到着した場合、実施例1と同じ動作をルータ22が行った場合、基地局12-1配下からのTCP移動端末から再送パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に左回りリングから到着した場合に、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリから削除する。この状態のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2にリング外から基地局を移動した直後のパケットでないパケットが到着した場合で、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがa2である場合には、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されておらず、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されており、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビット(S)が記憶されているので、そのパケットの送信元MACアドレスをリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶する。
【0037】
上記実施例1では、ルータからサーバに向かうIPヘッダのオプション領域に送信元端末のMACアドレスを入れて送出するので、ルータのセッションレイヤで送信元端末情報を記憶するとと共に、サーバ側で上記パケット待機手段を実行してもよい。なお、ルータ22のIPアドレスから宛先移動端末MACアドレスへの変換はSSDで行ってもよい。またはIPv6の下位アドレスから宛先移動端末MACアドレスを生成してもよい。
【0038】
上記実施例1では移動端末の認証を、移動端末からサーバ20に通信開始パケットが到着した場合に、サーバ20が、その移動端末のホームのIPアドレスをキーとしてホームメモリにルータ22のIPアドレスでアクセスして行う。従ってサーバまで気付けアドレスを用いない。TCP3ウェイ(syn)の中にはデータ通信開始に必要な情報が含まれているので、認証もその中で行われる。
【0039】
次に、本発明の第2実施例を図2により説明する。本実施例は、リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケットの通過用架け橋アドレステーブルとパケットの通過禁止下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバがルータを介して接続された頂点装置からなるイーサーネットパケットを転送するリング網を利用したハンドオーバーの動作例である。前記サーバはコンテンツサーバである。本実施例は移動端末側からの通過する基地局を移動した直後のパケットである旨の信号gとリングのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のパケットの通過禁止下位アドレスメモリに通過禁止動作停止ビットを記憶した旨の信号gをルータが受信した場合のみ、ルータのパケット待機手段を動作させる点である。
【0040】
以下に、図2の動作を説明する。最初に、TCP移動端末13-1,13-2,13-3,13-4はARPテーブルにルータ22のIPアドレスI1とリング伝送路インタフェースのMACアドレスr1r2が既に記憶されているものとする。TCP移動端末13-1がパケット(1)Mr1r2a1a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a1a2はTCP移動端末13-1のMACアドレスである上位MACアドレスa1と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出した例を示す。前記パケットがTCP移動端末13-1から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(2)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。
【0041】
前記パケット(2)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にこの時点で記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(3)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0042】
前記パケット(3)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(4)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到着する。そのパケットはリング外に送出され、上位リング4を介して、ルータ22に到達する。上位リング4は左回りリング1と右回りリング2の2重リングである加入者系リング、加入者系リング3と同様な構成であり、同様に動作する。
【0043】
前記パケット(5)Mr1r2a1a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa1a2および送信元IPアドレスI2を図に記してないメモリ1に記憶する。そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートを求め、そのポートに送出する。そのパケットは(6)IPI2I0(IPはIPアドレスであることを示し、I2は送信元端末13-1のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。
【0044】
次に、TCP移動端末13-2がパケット(7)Mr1r2a3a2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、r1はルータ22のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ22のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a3a2は端末13-2のMACアドレスである上位MACアドレスa3と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出する。
前記パケットがTCP移動端末13-2から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到達した場合、前記パケットの送信元MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2にこの時点で記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(8)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0045】
前記パケット(8)Mr1r2a3a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されていないので、そのパケットは左回り光リング1で(9)Mr1r2a3a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置5に到達する。
【0046】
頂点装置5に到着した前記パケットはリング外に送出され、上位リング4を介して、(10)Mr1r2a3a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到達する。
【0047】
前記パケット(10)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2と送信元IPアドレスI3を図に記してないメモリ1に記憶後、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先ドメインに対応する出力ポートを読み出し、そのポートに送出する。そのパケットは(11)IPI3I0(IPはIPアドレスであることを示し、I3は送信元端末13-2のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。
【0048】
サーバ20は前記ダウンロード要求等のパケット(11)IPI3I0が到着した場合、前に端末13-1から到着したパケットの応答パケット(12)IPI0I2をルータ22に送出する。ルータ22はそのパケットの宛先IPアドレスI2から前記図に記してないメモリ1またはARPテーブルにより宛先MACアドレスa1a2を得たパケット(13)Ma1a2r1r2(I2)を図に示されるように右回りリング2に(14)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように転送する。そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に(15)Ma1a2r1r2(I2)として到着し、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されておらず、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2にこの時点で記憶されておらず、かつ、そのパケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されているので、そのパケットの宛て先MACアドレスa1a2をパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶して、そのパケットをリング外に、(16)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように送出する。
【0049】
サーバ20は前記パケット(12)IPI0I2のACKパケットが到着しないので、再送パケット(17)IPI0I2をルータ22に送出する。ルータ22はそのパケットの宛先IPアドレスI2から前記図に記してないメモリ1またはARPテーブルにより宛先MACアドレスa1a2を得たパケット(18)Ma1a2r1r2(I2)を図に示されるように右回りリング2に転送する。
そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に(20)Ma1a2r1r2(I2)として到着し、そのパケットの宛先MACアドレスa1a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶されているので、そのパケットを右回りリング2の前方に(21)Ma1a2r1r2(I2)により図に示すように送出する。
【0050】
そのパケットは(21)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように右回りリング2を転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到着する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1は、そのパケットが到着した場合、上記と同様にして、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に前記パケットの宛先MACアドレスa1a2を記憶し、そのパケットをリング外に送出し、端末13-1に(22)Ma1a2r1r2(I2)により図に示されるように到着させる。
【0051】
端末13-1に前記パケット(22)Ma1a2r1r2(I2)が到着した場合、ACKパケット(23)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出される。
パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に前記パケットが到着した場合、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されており、かつ、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2に前記パケットの送信元MACアドレスa1a2が記憶されているので、そのアドレスa1a2を消去し、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2を記憶し、そのパケットを左回りリング1によりパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に向けて(24)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように送出する。前記アドレスa1a2の消去は図ではa1a2の上に横線をひいて示してある。
【0052】
前記パケット(24)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されていないので、そのパケットを左回りリング1により(25)Mr1r2a1a2(I0)により図に示されるように転送する。
【0053】
そのパケットが(27)Mr1r2a1a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2と同じ下位アドレスの送信元MACアドレスa3a2対応のIPアドレスを宛先IPアドレスとして持つサーバからのIPパケット(28)IPI0I3を、そのパケット対応の移動端末からの再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)が到着するまで待機させる。
【0054】
その再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)は、TCP移動端末13-2からパケット(29)Mr1r2a3a2(I0)としてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2でそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されており、かつ、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2にこの時点で記憶されていないので、そのまま、ルータ22に到着したパケットである。
【0055】
再送パケット(32)Mr1r2a3a2(I0)がルータ22に到着した場合、待機してあったパケット(28))IPI0I3の宛先IPアドレスI2対応の宛先MACアドレスを付加したパケット(33)Ma3a2r1r2(I3)を上位リング4、加入者リングの頂点装置5を介して右回りリング2に送出する。そのパケットは(35)Ma3a2r1r2(I3)により図に示されるように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した前記パケットの宛先MACアドレスa3a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11にこの時点で記憶されておらず、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されており、前記パケットの宛先MACアドレスa3a2がこの時点でパケットの通過架け橋アドレステーブル9-2に記憶されていないので、前記パケットの宛先MACアドレスa3a2をパケットの通過架け橋アドレステーブル9-2に記憶し、そのパケットをリング外に(36)Ma3a2r1r2(I3)により図に示されるように送出する。
前記パケット(36)Ma3a2r1r2(I3)はTCP移動端末13-2に到達する。
【0056】
前記パケット(36)Ma3a2r1r2(I3)がTCP移動端末13-2に到達した場合、TCP移動端末13-2はACKパケット(37)Mr1r2a3a2(I0)を基地局12-2を介してパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出する。そのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶されているので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶する。そのパケットは左回りリング1により転送され、(40)Mr1r2a3a2(I0)により図に示されるようにルータ22に到着する。
【0057】
次に、TCP移動端末13-2が基地局12-2配下から基地局12-1配下に移動して、パケット(41)Mr1r2a3a2(I0)が基地局12-1に到着した場合、そのパケットのIPヘッダのオプション領域に基地局移動の旨の信号gを入れ、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出する。TCP移動端末13-2からの前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した場合、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2がパケットの通過用架け橋アドレステーブル9-2に記憶されていないので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到達した場合、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に記憶されているので、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットS(STOPの意味)を記憶する。そのパケットは左回り光リング1で(43)Mr1r2a3a2g(I0)により図に示すように転送され、ルータ22に向かう。
【0058】
前記パケットがルータ22に到着した場合、そのパケットの送信元MACアドレスと送信元IPアドレスを図に記してないメモリ1に記憶後、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先ドメインに対応する出力ポートを読み出し、そのポートに、送出すると共に、前記パケットに基地局を移動した直後のパケットである旨の表示gが付与されているので、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2と同じ下位アドレスのMACアドレスが前記図に記してないメモリ1に記憶されている場合、そのMACアドレスとそれに対応のIPアドレスを前記図に記してないメモリ2に記憶する。サーバ20から到着したパケットの宛先IPアドレスが前記図に記してないメモリ2に記憶されている場合には、そのパケットを、そのパケットの宛先IPアドレス対応のMACアドレスを前記メモリ2から読み取り、そのMACアドレスを送信元MACアドレスとする移動端末からの再送パケットが到着するまで、図に記してないバッファで待機される。
【0059】
以上の述べた実施例2ではTCP移動端末13-2がリング網をサーバから離れる方向の通過基地局移動の例であるが、逆にサーバ方向への通過基地局移動の場合には、基地局移動直後のパケットがリング外からパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶することになるが、パケットの通過用架け橋アドレステーブル9―2にそのパケットの送信元MACアドレスa3a2が記憶されている場合には、そのアドレスa3a2を消去し、かつ、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2を記憶し、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1にそのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2が記憶されており、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットが記憶されている場合には、そのパケットの送信元MACアドレスa3a2をリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶する。前記基地局移動直後のTCP移動端末13-2からのパケットがルータ22に到着した場合、実施例3と同じ動作をルータ22が行った場合、基地局12-1配下からのTCP移動端末からACKパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に左回りリングから到着した場合に、パケットの通過禁止下位アドレスメモリ9-1に前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが記憶されている場合には、その下位アドレス記憶位置に通過禁止動作停止ビットを記憶する。
【0060】
なお、実施例2のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6にパケットの通過を指定する下位アドレスメモリを加えた構成とすることもできる。
その場合の動作は実施例2において、左回りリング1を転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6に到着した場合には、必ず、パケットの通過を指定する下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶し、さらに、サーバ20からの右回りリングを転送されるパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されておらず、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケットの通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを廃棄する動作が加わる。
【0061】
上記動作では、サーバに向かう端末パケットがリングの全てのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のパケットの通過を指定下位アドレスメモリに前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶することは無く、1ビット記憶下位アドレスメモリを用いているので、下位アドレスの記憶漏れはなくなり、unknownパケットのフラッディングの問題が無いので、多周回ビット付与装置は不要にできる。
【符号の説明】
【0062】
1 加入者系の左回り光リング
2 加入者系の右回り光リング
3 加入者系リング
4 上位リング
5 頂点装置
6-1,6-2,6-3 パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置
7 リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ
9-1パケットの通過禁止下位アドレスメモリ
9-2パケットの通過用架け橋アドレステーブル
11 リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル
12-1,12-2,12-3,12-4,12-5 基地局
13-1,13-2,13-3,13-4 TCP移動端末
14 移動端末の移動
20 サーバ
22 ルータ
















図1
図2