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特開2023-56984パネルコミュニケーション製本システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023056984
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】パネルコミュニケーション製本システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230413BHJP
   H04L 51/04 20220101ALI20230413BHJP
【FI】
G06F3/12 372
G06F3/12 371
G06F3/12 387
G06F3/12 304
H04L51/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166538
(22)【出願日】2021-10-09
(71)【出願人】
【識別番号】518074753
【氏名又は名称】mui Lab株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000822
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル知財
(72)【発明者】
【氏名】大木 和典
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宗彦
(72)【発明者】
【氏名】久保田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】廣部 延安
(72)【発明者】
【氏名】中村 日乃季
(57)【要約】
【課題】複数ユーザが利用する端末を介して行ったコミュニケーションを蓄積し、所定のタイミングでコミュニケーションの履歴を書籍化できるシステムを提供する。
【解決手段】サービス提供者2により使用されるサービス提供サーバ20と、ユーザ1が使用するコミュニケーションパネル端末10がインターネット4を介して、データを送受信する。コミュニケーションパネル端末10は、ユーザ情報登録手段11、端末設定手段12、コンテンツ入力手段13、データ送受信手段14及びコンテンツ表示手段15を備える。サービス提供サーバ20は、記憶手段21、印刷データ生成手段22、データ手動編集手段23、製本手段24及び送付手段25を備える。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供サーバと、コミュニケーションパネル端末がネットワークを介して、データを送受信するシステムであって、
コミュニケーションパネル端末は、端末毎又は同一グループの端末毎に、サービス提供サーバからサービスを受けられるユニークなアカウントが割り当てられ、サービス提供サーバが、一乃至複数のユーザによる同一のコミュニケーションパネル端末又は同一グループのコミュニケーションパネル端末に対するメッセージコンテンツを日時情報と共に記憶し、所定期間の経過、所定期日又は前記メッセージコンテンツの蓄積量を基準として、一連の前記メッセージコンテンツを含む印刷データを生成することを特徴とするパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項2】
前記コミュニケーションパネル端末は、
予め登録されたユーザが、同一の前記コミュニケーションパネル端末又は同一グループの前記コミュニケーションパネル端末を通して行ったコミュニケーションの前記メッセージコンテンツに対して、前記アカウントが紐づけされることを特徴とする請求項1に記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項3】
前記サービス提供サーバは、前記アカウントに関連付けられたイベント通知情報に応じて、前記アカウントが割り当てられた前記コミュニケーションパネル端末に対して、イベントメッセージデータを送信することを特徴とする請求項1又は2に記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項4】
前記コミュニケーションパネル端末は、
複数のユーザによる利用登録ができ、登録されたユーザ間で同一の前記コミュニケーションパネル端末を通してコミュニケーションが可能となるユーザ情報登録手段と、
前記コミュニケーションパネル端末の端末設定データを入力する端末設定手段と、
前記メッセージコンテンツを入力するコンテンツ入力手段と、
登録されたユーザ情報と、前記端末設定データと、前記メッセージコンテンツとを、前記サービス提供サーバへ送信し、前記サービス提供サーバから受信メッセージコンテンツを受信するデータ送受信手段、
前記メッセージコンテンツ及び前記受信メッセージコンテンツをパネル面に表示するコンテンツ表示手段、
を備え、
前記サービス提供サーバは、前記アカウント毎に、
前記ユーザ情報と、前記端末設定データと、前記メッセージコンテンツと、前記受信メッセージコンテンツとを日時情報と共に記憶する記憶手段と、
所定期間の経過、所定期日又は前記コンテンツの蓄積量を基準として、記憶された前記メッセージコンテンツ及び前記受信メッセージコンテンツを自動編集して、前記印刷データを生成する印刷データ生成手段、
を備えることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項5】
前記サービス提供サーバは、自動編集された印刷データを手動で編集できるデータ手動編集手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項6】
前記印刷データ生成手段は、更に前記端末設定データを編集し、前記印刷データを生成することを特徴とする請求項4又は5に記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項7】
前記コミュニケーションパネル端末は、登録されたユーザの属するグループを設定するグループ設定手段と、
前記コミュニケーションパネル端末を利用するユーザに合わせたグループ設定に切り替えるグループ切替手段を更に備え、
前記サービス提供サーバと前記コミュニケーションパネル端末とが送受信するデータに、グループ識別情報が付されることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項8】
前記サービス提供サーバとネットワークを介してデータを送受信するクライアント端末を更に備え、
前記クライアント端末は、前記サービス提供サーバを介して前記コミュニケーションパネル端末を遠隔で操作する遠隔操作手段を備えることを特徴とする請求項1~7の何れかに記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項9】
前記サービス提供サーバは、前記印刷データに基づいて、データの書籍化を行う製本手段を更に備えることを特徴とする請求項1~8の何れかに記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項10】
前記サービス提供サーバは、前記製本手段により製本された書籍を、前記アカウントに関連付けされた書籍送付先に送付する手段を更に備えることを特徴とする請求項9に記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項11】
前記印刷データの生成において、生成データに、紙種又は装丁に関するデータが含まれることを特徴とする請求項1~10の何れかに記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項12】
前記メッセージコンテンツは、前記コミュニケーションパネル端末のパネル面に表示された文字や絵柄を選択することにより入力された文字データもしくは絵文字データ、前記コミュニケーションパネル端末のパネル面をタッチして描画入力された手書きデータ、該手書きデータが文字認識によりテキストデータ化された文字データもしくは絵文字データ、又は、前記コミュニケーションパネル端末に搭載されたマイク手段により入力された音声データが含まれることを特徴とする請求項1~11の何れかに記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項13】
前記コミュニケーションパネル端末は、前記メッセージコンテンツをタッチで入力するユーザを、当該メッセージコンテンツから判別することを特徴とする請求項1~12の何れかに記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項14】
前記コミュニケーションパネル端末は、前記メッセージコンテンツをペンで入力する当該ペンに関連付けされた識別IDを用いて、前記メッセージコンテンツを入力したユーザを特定することを特徴とする請求項1~12の何れかに記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【請求項15】
前記印刷データは、ページレイアウト、フォント、文字サイズ又は各メッセージ間の間隔に関するデータが含まれることを特徴とする請求項5に記載のパネルコミュニケーション製本システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数ユーザが利用する端末において、蓄積されたコミュニケーションの履歴を書籍化する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介してやり取りされるメールを纏めて本にして出版し、或いは一定期間内にやり取りされるメールを纏めて定期的に出版できるシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。しかし、特許文献1に開示されたメール出版システムは、利用者毎にデータを蓄積するものである。
また、ブログ等のウェブデータを出版するに当たり、レイアウト作業を支援する装置が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
しかしながら、例えば、電子白板のように特定の場所に設置され、複数のユーザによって共同で利用される端末において、そのユーザ間でのコミュニケーションを蓄積し、自動的に製本するといったシステムはこれまで見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-25520号公報
【特許文献2】特開2011-150447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる状況に鑑みて、本発明は、複数ユーザが利用する端末を介して行ったコミュニケーションを蓄積し、所定のタイミングでコミュニケーションの履歴を書籍化できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべく、本発明のパネルコミュニケーション製本システムは、サービス提供サーバと、コミュニケーションパネル端末がネットワークを介して、データを送受信するシステムであって、コミュニケーションパネル端末は、端末毎又は同一グループの端末毎に、サービス提供サーバからサービスを受けられるユニークなアカウントが割り当てられ、サービス提供サーバが、一乃至複数のユーザによる同一のコミュニケーションパネル端末又は同一グループのコミュニケーションパネル端末に対するメッセージコンテンツを日時情報と共に記憶し、所定期間の経過、所定期日又はメッセージコンテンツの蓄積量を基準として、一連のメッセージコンテンツを含む印刷データを生成する。
コミュニケーションパネル端末に対するメッセージコンテンツを含む印刷データが生成されることにより、同一のコミュニケーションパネル端末を利用するユーザ間のコミュニケーションの履歴が印刷データに基づく製本により物質化され、ユーザ間のコミュニケーションを活性化することができる。ここで、印刷データには、メッセージコンテンツだけではなく、本発明のコミュニケーションパネル端末にネットワークを介して接続される他のIoT(Internet of Things)デバイスやIoTセンサの情報を含めることができる。例えば、IoT錠前のロック、解錠情報や、共有情報(ホームパーティのために、ゲストの友人に一度解錠権を付与したこと等)、又は、気温や湿度が非常に高い日であったこと、又は、二酸化炭素濃度が非常に高かった等を、IoTデバイスやIoTセンサから、本発明のコミュニケーションパネル端末がデータ受信し、それらのデータをメッセージコンテンツと同様に、日時情報と共に記憶し、印刷データに含めることができる。なお、これら情報は、文字などなくても、例えば背景色を変化させる等の印刷が可能である。また、IoTセンサの情報から、外部機器の使用回数や使用時間などを集計し印刷データとしてもよい。
コミュニケーションパネル端末は、室内の壁面等に固定して設置され、タッチ操作や音声等の幅広い操作によりコミュニケーション可能な端末であることが好ましいが、持ち運び可能な端末でもよい。
【0006】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムにおいて、コミュニケーションパネル端末は、予め登録されたユーザが、同一のコミュニケーションパネル端末又は同一グループのコミュニケーションパネル端末を通して行ったコミュニケーションのメッセージコンテンツに対して、アカウントが紐づけされることが好ましい。
予め登録されたユーザが行ったコミュニケーションのメッセージコンテンツに対して、アカウントが紐づけされることにより、サービス提供サーバから割り当てられた端末のアカウント毎にメッセージコンテンツを管理することが可能となる。
【0007】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムにおいて、サービス提供サーバは、アカウントに関連付けられたイベント通知情報に応じて、コミュニケーションパネル端末に対して、イベントメッセージデータを送信することが好ましい。
イベントメッセージデータとは、サービス提供サーバから受信した受信メッセージコンテンツの内、「春分」、「秋分」、「夏至」、「冬至」などの二十四節気や、エイプリルフール、祝祭日、ユーザの誕生日や端末の初期稼働日、ユーザ、サービス管理者、又はサービス提供者等が予め登録した記念日などのイベント通知情報に応じて、「誕生日おめでとう!」などのイベントの特性に応じたメッセージを端末に送信し、コミュニケーションパネル端末のパネル面に表示させるものをいう。
【0008】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムは、コミュニケーションパネル端末が1A)~1E)の手段、サービス提供サーバが2A),2B)の手段をそれぞれ備えることが好ましい。
1)コミュニケーションパネル端末
1A)複数のユーザによる利用登録ができ、登録されたユーザ間で同一のコミュニケーションパネル端末を通してコミュニケーションが可能となるユーザ情報登録手段。
1B)コミュニケーションパネル端末の端末設定データを入力する端末設定手段。
1C)メッセージコンテンツを入力するコンテンツ入力手段。
1D)登録されたユーザ情報と、端末設定データと、メッセージコンテンツとを、サービス提供サーバへ送信し、サービス提供サーバから受信メッセージコンテンツを受信するデータ送受信手段。
1E)メッセージコンテンツ及び受信メッセージコンテンツをパネル面に表示するコンテンツ表示手段。
2)サービス提供サーバ
2A)アカウント毎に、ユーザ情報と、端末設定データと、メッセージコンテンツと、受信メッセージコンテンツとを日時情報と共に記憶する記憶手段。
2B)アカウント毎に、所定期間の経過、所定期日又はコンテンツの蓄積量を基準として、記憶されたメッセージコンテンツ及び受信メッセージコンテンツを自動編集して、印刷データを生成する印刷データ生成手段。
【0009】
上記構成とされることにより、無意識の内に、ユーザ同士のコミュニケーションが物質化され、想い出を共有でき、コミュニケーションをより深めることが可能となる。
端末設定データとは、端末に割り当てられたユニークなアカウントとは別に、ユーザが使用するパネル端末のアカウント名(ユニークなアカウントと関連付けされるもの)、端末のネットワーク情報(無線通信環境のアドレス情報)、コミュニケーションパネル端末が設置される住所情報(天気情報は、登録された住所に基づく情報をパネルに表示)などである。コミュニケーションパネル端末が設置される住所情報については、ユーザによる手動での登録の他、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)などを用いた緯度経度情報、IPアドレスやWi-Fi(登録商標)アクセスポイント名によるネットワーク上の位置及び建物などでの物理的な位置を手がかりとして登録することでもよい。
メッセージコンテンツとは、コミュニケーションパネル端末を操作して入力したメッセージコンテンツのことであり、受信メッセージコンテンツとは、スマートフォン等のコミュニケーションパネル端末以外の端末や、サービス提供サーバから受信したメッセージコンテンツのことである。
所定期間の経過とは、例えば、コミュニケーションパネル端末の使用開始から1年後などのことであり、所定期日とは、例えば、ユーザの誕生日や記念日などのことである。また、コンテンツの蓄積量とは、コンテンツのデータ蓄積量であってもよいし、書籍化した際のページ数の蓄積量であってもよい。
印刷データ生成手段により生成される印刷データは、コンテンツの集計結果を表やグラフ、マップ等で表示するものを含むものでもよい。これにより、例えば、家族で1年間に話した言葉を集計し、よく使われる言葉などを分かりやすく図として表示し、本に載せることができる。
【0010】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムにおいて、サービス提供サーバは、自動編集された印刷データを手動で編集できるデータ手動編集手段を更に備えることが好ましい。
ユーザは、例えば、手持ちのPCやスマートフォン、タブレット端末などを用いて、サービス提供サーバにアクセスし、データ手動編集手段を用いて、自動編集された印刷データを手動で編集できる。なお上記端末以外に、印刷データ編集用専用端末を使用する構成でもよい。
手動編集は、一度に限られるものではない。すなわち、自動編集された印刷データを手動で編集した後、更に手動で編集することも可能である。
書籍に記載される情報をユーザがカスタマイズできることで、ユーザにとって余分な情報がなく、よりオリジナリティ性の溢れる書籍が出来上がる。
【0011】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムにおいて、印刷データ生成手段は、更に端末設定データを編集し、印刷データを生成することが好ましい。印刷データの生成に当たり、メッセージコンテンツや受信メッセージコンテンツだけでなく、端末設定データを用いて編集することにより、例えば、コミュニケーションパネル端末の位置情報等を印刷データに含めることが可能となる。
【0012】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムにおいて、コミュニケーションパネル端末は、登録されたユーザの属するグループを設定するグループ設定手段と、コミュニケーションパネル端末を利用するユーザに合わせたグループ設定に切り替えるグループ切替手段を更に備え、サービス提供サーバとコミュニケーションパネル端末とが送受信するデータに、グループ識別情報が付されることが好ましい。
上記構成とされることにより、一台のコミュニケーションパネル端末を、複数のグループが共同で利用した上で、それぞれのコミュニケーションの履歴を印刷データとして出力することができ、グループ内のコミュニケーションを活性化できる。
サービス提供サーバとコミュニケーションパネル端末とが送受信するデータにグループ識別情報が付されることにより、2A)記憶手段は各情報をグループ毎に記憶でき、2B)印刷データ生成手段はグループ毎に印刷データを生成することが可能となる。
【0013】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムは、サービス提供サーバとネットワークを介してデータを送受信するクライアント端末を更に備え、クライアント端末は、サービス提供サーバを介してコミュニケーションパネル端末を遠隔で操作する遠隔操作手段を備えることが好ましい。
クライアント端末が備える遠隔操作手段によりコミュニケーションパネル端末を遠隔で操作することで、より利便性の高い利用が可能である。具体的には、スマートフォンやタブレット端末などにアプリケーションをインストールすることにより、遠隔操作手段を用いることができる。遠隔操作の具体的内容としては、ユーザ情報の登録などコミュニケーションパネル端末において行われる操作を広く含む。
【0014】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムにおいて、サービス提供サーバは、印刷データに基づいて、データの書籍化を行う製本手段を更に備えることが好ましい。
製本手段を備えることにより、印刷データだけでなく、印刷データ以外のデータを用いて製本を行うことが可能となる。上述の印刷データは、利用するユーザやグループ毎に異なるものが生成されるが、例えば、製本される書籍のサイズが一定である等、製本に当たっては当該サービスを利用する全ユーザ共通の仕様が適用される場合がある。このように、既定のデータが適用される場合に、製本手段は、印刷データだけでなく、かかる印刷データ以外のデータを用いて製本を行うことができる。
【0015】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムにおいて、サービス提供サーバは、製本手段により製本された書籍を、アカウントに関連付けされた書籍送付先に送付する手段を更に備えることが好ましい。ここで書籍送付先とは、宛名や住所に関する情報のことである。
書籍送付先に送付する手段を備えることにより、例えば、サービス提供者とユーザの間で、一定期間の利用権として料金を支払うサブスクリプション方式の契約を締結し、登録されたユーザの住所に書籍が自動で送付されるといったサービスの提供が容易となる。また、例えば、書籍送付先を祖父母に設定することで、1年間、1ヶ月単位でユーザが設定した時期に書籍が祖父母の家に届き、思い出の記録の本をプレゼントすることができる。
また、送付手段は、端末設定手段における端末設定データを利用して書籍送付先を特定することでもよい。これにより、ユーザは書籍送付先を別途登録することなく、コミュニケーションパネル端末の設置場所において、書籍の送付を受けることができ、ユーザが無意識の内に製本され、書籍の送付を受けるといったことが可能となる。さらに、書籍がコミュニケーションパネル端末の設置場所に送付されることにより、書籍の閲覧を望むユーザが当該設置場所に集まることが期待でき、ユーザ間におけるコミュニケーションがより活性化する。このような、端末の設置場所と書籍の送付先を同一のものとすることにより、ユーザ同士のコミュニケーションを活性化するといった効果は、特許文献1のメール出版システム等は有していないものである。
【0016】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムは、印刷データの生成において、生成データに、紙種又は装丁に関するデータが含まれることが好ましい。
生成データに、紙種又は装丁に関するデータが含まれることにより、デザイン性の高い書籍を作製できる。なお、本明細書において、書籍とは、複数枚の紙が束ねられたものに限られず、例えば、大きな1枚の紙に印刷されるものでもよい。
【0017】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムにおいて、メッセージコンテンツは、コミュニケーションパネル端末のパネル面に表示された文字や絵柄を選択することにより入力された文字データもしくは絵文字データ、コミュニケーションパネル端末のパネル面をタッチして描画入力された手書きデータ、該手書きデータが文字認識によりテキストデータ化された文字データもしくは絵文字データ、又は、コミュニケーションパネル端末に搭載されたマイク手段により入力された音声データが含まれることが好ましい。また、メッセージコンテンツには、静止画像や動画像が含まれることでもよい。
音声データや動画データについては、例えば、書籍中に二次元コードを表示し、スマートフォン用アプリケーションを用いて、スマートフォンが備えるカメラ手段で2次元コードを読み取り、再生する方式を用いてもよい。
手書きデータについては、文字や筆跡認識に関するプラットフォームを利用する構成としてもよい。
【0018】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムにおいて、コミュニケーションパネル端末に入力するメッセージコンテンツは、パネル面のタッチ入力の場合には、コンテンツ入力前に入力ユーザを特定するための操作入力が促されることでもよく、或いは、タッチで入力するユーザを、当該メッセージコンテンツから判別することでもよい。また、パネル面のペン入力の場合には、ペンに関連付けされた識別IDを用いて、コンテンツを入力したユーザを特定することもできる。
上記構成とされることにより、誰が書いたメッセージかを、容易に判別し印刷データに反映することが可能となる。特に、デジタルスタイラスペンに関連付けされた識別IDを用いる場合には、グループ利用に当たり、ペンの識別IDが鍵の役割も担うことができ、一台のコミュニケーションパネル端末上での、グループ設定やグループ切替操作がより容易となる。
コンテンツを入力したユーザを特定する方法としては、入力の前後又は入力中に、ユーザの使用するデジタルスタイラスペンやスマートフォン等のクライアント端末につき、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、又はWi-Fiを用いた通信により、ユーザの識別がなされることでもよい。また、GPSを用いた位置情報によるユーザの特定により、ユーザの識別がなされることでもよい。
【0019】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムにおいて、印刷データは、ページレイアウト、フォント、文字サイズ又は各メッセージ間の間隔に関するデータが含まれることが好ましい。印刷データにページレイアウト等に関するデータが含まれることにより、例えば、メッセージの量などに合わせて、レイアウトを自動で調整し、またはユーザの好みに合わせて手動で調整することができ、デザイン性が高く、かつユーザのニーズに適合した印刷データの生成が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のパネルコミュニケーション製本システムによれば、例えば、電子白板のように特定の場所に設置され、複数のユーザによって共同で利用される端末において、そのユーザ間でのコミュニケーションを蓄積し、自動的に書籍化できるといった効果がある。デジタル化が進んだ社会において、書籍というアナログな形でコミュニケーションの履歴を物質化することにより、ユーザ同士が意識していなかった想い出等を共に振り返ることができるといった効果がある。デジタルに分散している家族の情報を1つに集約できるといった効果も有する。また、デジタル情報では家族との時間や思い出の量を感じることはできないが、本となり積み重なることで視覚的に家族との思い出を感じることができる。さらに、書籍の送付先をコミュニケーションパネル端末の設置場所とした場合には、書籍を閲覧する場合には、設置場所まで赴かなければならないため、ユーザ同士の再会を促し、その結果、よりコミュニケーションが深まることが期待できるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施例1のパネルコミュニケーション製本システムの機能ブロック図
図2】実施例1のパネルコミュニケーション製本システムのシステム構成図
図3】実施例1のパネルコミュニケーション製本システムの概略フロー図
図4】コミュニケーションパネル端末の手書きメッセージ入力画面イメージ図
図5】実施例1の書籍内容イメージ図
図6】実施例2のパネルコミュニケーション製本システムの機能ブロック図
図7】グループ切り替えイメージ図
図8】実施例3のパネルコミュニケーション製本システムの機能ブロック図
図9】実施例3のパネルコミュニケーション製本システムのシステム構成図
図10】スマートフォンでのメッセージ表示イメージ図
図11】実施例3の書籍内容イメージ図
図12】実施例4の書籍内容イメージ図
図13】実施例5の年表イメージ図
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【実施例0023】
図1は、実施例1のパネルコミュニケーション製本システムの機能ブロック図を示している。図1に示すように、パネルコミュニケーション製本システム100は、サービス提供者2により使用されるサービス提供サーバ20と、ユーザ1が使用するコミュニケーションパネル端末10がインターネット4を介して、データを送受信するシステムである。
【0024】
コミュニケーションパネル端末10は、ユーザ情報登録手段11、端末設定手段12、コンテンツ入力手段13、データ送受信手段14及びコンテンツ表示手段15を備える。ユーザ情報登録手段11は、複数のユーザによる利用登録ができるものであり、登録されたユーザ間で同一のコミュニケーションパネル端末10を通してコミュニケーションが可能となる。端末設定手段12は、コミュニケーションパネル端末10の端末設定データを入力するものであり、コンテンツ入力手段13は、操作メッセージコンテンツを入力するものである。データ送受信手段14は、登録されたユーザ情報と、端末設定データと、操作メッセージコンテンツとを、サービス提供サーバ20へ送信し、サービス提供サーバ20から受信メッセージコンテンツを受信するものである。また、コンテンツ表示手段15は、操作メッセージコンテンツ及び受信メッセージコンテンツをパネル面に表示するものである。
【0025】
サービス提供サーバ20は、記憶手段21、印刷データ生成手段22、データ手動編集手段23、製本手段24及び送付手段25を備える。記憶手段21は、アカウント毎に、ユーザ情報と、端末設定データと、操作メッセージコンテンツと、受信メッセージコンテンツとを日時情報と共に記憶するものである。印刷データ生成手段22は、所定期間の経過、所定期日又はコンテンツの蓄積量を基準として、記憶された操作メッセージコンテンツ及び受信メッセージコンテンツを自動編集して、印刷データを生成するものである。データ手動編集手段23は、自動編集された印刷データを手動で編集できるものである。ユーザがデータ手動編集手段23を用いて印刷データの手動編集を行う場合には、手持ちのPC等を用いてサービス提供サーバ20にアクセスして編集を行う。製本手段24は、印刷データに基づいて、データの書籍化を行うものである。また、送付手段25は、製本手段により製本された書籍を、アカウントに関連付けされた書籍送付先に送付するものである。
【0026】
図2は、実施例1のパネルコミュニケーション製本システムのシステム構成図を示している。図2に示すように、パネルコミュニケーション製本システム100は、サービス提供サーバ20と、コミュニケーションパネル端末(10a,10b)がインターネット4を介して、データを送受信するシステムである。コミュニケーションパネル端末(10a,10b)は、室内の壁面等に設置して、家族や仲間同士が共同で利用でき、コミュニケーションのやり取りも可能な端末である。なお、ここではコミュニケーションパネル端末としてコミュニケーションパネル端末(10a,10b)を例示しているが、例えば、端末が壁面内に埋め込まれ建物等と一体化したものでもよい。また、台数についても実際にはより多数の端末が接続可能である。本実施例ではコミュニケーションパネル端末10aはユーザ(1a~1c)により使用され、コミュニケーションパネル端末10bはユーザ(1a,1b)により使用されている。
コミュニケーションパネル端末(10a,10b)は、端末毎に、サービス提供サーバ20からサービスを受けられるユニークなアカウントが割り当てられている。サービス提供サーバ20は、一乃至複数のユーザによる同一のコミュニケーションパネル端末に対するメッセージコンテンツを日時情報と共に記憶手段21に記憶し、所定期間の経過、所定期日又はメッセージコンテンツの蓄積量を基準として、一連のメッセージコンテンツを含む印刷データを生成する。
サービス提供者2は、印刷データに基づいて、図1に示す製本手段24を用いてデータの書籍化を行い、製本手段により製本された書籍を、送付手段25を用いて、アカウントに関連付けされた書籍送付先に送付する。
【0027】
図3は、実施例1のパネルコミュニケーション製本システムの概略フロー図を示している。図3に示すように、まず、使用するコミュニケーションパネル端末10に対して、ユーザ登録と端末設定を行う(ステップS01,S02)。ここで、ユーザ登録は、コミュニケーションパネル端末を使用するユーザに関する情報を登録することであり、かかるユーザ情報とは、自宅で家族間のコミュニケーションに利用するのか、仕事のオフィスでチーム内のコミュニケーションに利用するのかといった情報、ユーザの誕生日や記念日に関する情報(これらの情報はイベント期日に利用され、自動的にパネルにメッセージを表示するために利用)などである。また、端末設定とは、コミュニケーションパネル端末の端末設定データを入力することであり、端末設定データとは、端末に割り当てられたユニークなアカウントとは別に、ユーザが使用するパネル端末のアカウント名(ユニークなアカウントと関連付けされるもの)、端末のネットワーク情報(無線通信環境のアドレス情報)、コミュニケーションパネル端末が設置される住所情報(天気情報は、登録された住所に基づく情報をパネルに表示)などである。
その後、操作メッセージコンテンツを入力、又は受信メッセージコンテンツを受信する(ステップS03)。ここで、所定期間が経過したかどうかの判定がなされ(ステップS04)、所定期間が経過していない場合には、さらに操作メッセージコンテンツを入力し、又は受信メッセージコンテンツを受信する。これに対して、所定期間が経過した場合には、印刷データが自動で生成される(ステップS05)。自動生成された印刷データにつき、手動編集の必要がない場合(ステップS06)には、製本が行われ(ステップS08)、ユーザへ送付される(ステップS09)。自動生成された印刷データにつき、手動編集の必要がある場合(ステップS06)には、手動での編集を行う(ステップS07)。
【0028】
図4は、コミュニケーションパネル端末の手書きメッセージ入力画面イメージ図であり、(1)はアイコン選択画面、(2)はメッセージ入力前の入力画面、(3)はメッセージ入力後の入力画面、(4)はメッセージ入力完了画面を示している。図4(1)に示すように、コミュニケーションパネル端末10のディスプレイ6には、複数の操作アイコンが表示されている。ここでディスプレイ6の右端に表示されたアイコン61を選択することで、図4(2)に示す入力画面へと遷移する。図4(2)に示すメッセージ入力前の入力画面には、手書きメッセージ入力部62が表示されている。図4(3)に示すように、ユーザは、手書きメッセージ入力部62にタッチ入力又はペン入力により、メッセージを書き込むことができる。手書きメッセージ63の入力の入力が完了すると、入力完了を知らせる表示が現れる。ここでは図4(4)に示すように、“あなたの想いが届きました。”と表示され、入力完了が示されている。
【0029】
図5は、実施例1の書籍内容イメージ図であり、(1)はメッセージ有り、(2)はメッセージ無しの場合を示している。
書籍8の図5(1)に示すページでは、日時情報81a、日時関連情報(82a,82b)、手書きメッセージ83a、打込みメッセージ(84a,84b)及び絵文字85が表示されている。
日時情報81aは、メッセージが入力された日時を表示したものであり、ここでは2020年4月4日に入力された内容を表示することを示している。日時関連情報(82a,82b)はイベントメッセージデータとして表示されたものであり、具体的に、日時関連情報82aは二十四節気の“清明(せいめい)”を表示したものである。また、日時関連情報82bは、日時に関連する詩を画像表示したものである。
【0030】
手書きメッセージ83aは、コミュニケーションパネル端末10において、上述した手書きメッセージ入力により入力された内容が書籍上に表示されたものである。打込みメッセージ(84a,84b)及び絵文字85は、キーボード入力により入力されたものである。具体的には、打込みメッセージ84aとして、“もうすぐ帰るから散歩行こう。”と表示されている。次に、“いいね3時に”との手書きメッセージ83a、“公園まで”との打込みメッセージ84bと自転車を示す絵文字85が表示されている。このように、打込みメッセージだけでなく、手書きのメッセージについてもそのまま書籍上に表示することにより、家族等のグループ内で交わされた温かみのあるやり取りを当時のまま正確に再現できる。レイアウトとしては、1日におけるメッセージのやり取りを見開きの2ページで表示することが可能である。表示するメッセージが多い場合には、表示を縮小する等のレイアウト編集を自動で行うこととしてもよいし、次ページに亘って表示することでもよい。なお、打込みメッセージについては、後述する実施例3のスマートフォンによるキーボード入力やフリック入力により入力することでもよい。
【0031】
書籍8の図5(2)に示すページでは、日時情報81b及び補足情報86が表示されている。日時情報81bは、2020年4月5日に入力された内容を表示することを示している。また、補足情報86は、2020年4月5日に入力された内容が存在しないことを説明するために、自動表示されたものであり、“そのままの日”と記載されている。
このように、見開き2ページに日毎のメッセージを表示することで、図5(1)に示すページでは、2020年4月4日には多くのメッセージのやり取りがなされていたことや、季節等の情報を一目で確認できる。また、図5(2)に示すページのように、ユーザ間でのメッセージのやり取りがない日も容易に確認できる。このような書籍をユーザ同士で閲覧し合うことで、ユーザ間のコミュニケーションを活性化できる。
【実施例0032】
図6は、実施例2のパネルコミュニケーション製本システムの機能ブロック図を示している。図6に示すように、パネルコミュニケーション製本システム101は、実施例1のパネルコミュニケーション製本システム100と同様に、サービス提供者2により使用されるサービス提供サーバ20と、ユーザ1が使用するコミュニケーションパネル端末10がインターネット4を介して、データを送受信するシステムである。
コミュニケーションパネル端末10は、ユーザ情報登録手段11、端末設定手段12、コンテンツ入力手段13、データ送受信手段14、コンテンツ表示手段15、グループ設定手段16及びグループ切替手段17を備える。サービス提供サーバ20は、記憶手段21、印刷データ生成手段22、データ手動編集手段23、製本手段24及び送付手段25を備える。
【0033】
すなわち、パネルコミュニケーション製本システム101は、コミュニケーションパネル端末10において、グループ設定手段16及びグループ切替手段17を備える点において、実施例1のパネルコミュニケーション製本システム100と異なる。グループ設定手段16は、登録されたユーザ1の属するグループを設定するものであり、グループ切替手段17は、コミュニケーションパネル端末10を利用するユーザ1に合わせたグループ設定に切り替えるものである。グループ設定手段16によるグループ設定や、グループ切替手段17によるグループ切り替えは、データ送受信手段14によりインターネット4を介してサービス提供サーバ20へ送信され、記憶手段21に記憶される。
【0034】
ここで、グループ切り替えのイメージについて説明する。図7は、グループ切り替えイメージ図を示している。図7に示すように、コミュニケーションパネル端末10のディスプレイ6には、グループ(5a~5c)が表示されている。グループ5aにはユーザ(1a~1c)が属しており、グループ5bにはユーザ(1d~1h)が属している。また、グループ5cにはユーザ(1i,1j)が属している。ユーザ(1a~1j)は表示されたグループ(5a~5c)の内、自身の属するグループを選択して切り替えを行う。ここでは図示しないが、グループを選択する際には、ユーザの認証が行われる。
なお、コミュニケーションパネル端末10は、より多数のグループを設定することも可能であり、そのような場合にグループの切り替えを行う場合には、画面をスクロールして切り替えたいグループを選択する。
このように、一台のコミュニケーションパネル端末10を複数のグループで利用できることにより、学校や職場など幅広い場所でコミュニケーションパネル端末10を利用可能となる。そして、グループ毎に異なる印刷データが生成されることにより、各グループに適した製本が可能であり、コミュニケーションパネル端末10の利用の幅が広がる。
【実施例0035】
図8は、実施例3のパネルコミュニケーション製本システムの機能ブロック図を示している。図8に示すように、パネルコミュニケーション製本システム102は、サービス提供者2により使用されるサービス提供サーバ20と、ユーザ1が使用するコミュニケーションパネル端末10及びクライアント端末30が、インターネット4を介してデータを送受信するシステムである。
コミュニケーションパネル端末10は、ユーザ情報登録手段11、端末設定手段12、コンテンツ入力手段13、データ送受信手段14、コンテンツ表示手段15、グループ設定手段16及びグループ切替手段17を備える。サービス提供サーバ20は、記憶手段21、印刷データ生成手段22、データ手動編集手段23、製本手段24及び送付手段25を備える。また、クライアント端末30は、遠隔操作手段31を備える。遠隔操作手段31は、サービス提供サーバを介してコミュニケーションパネル端末を遠隔で操作するものである。具体的に、クライアント端末30は、遠隔操作手段31により、コミュニケーションパネル端末10におけるユーザ情報登録手段11、端末設定手段12、コンテンツ入力手段13、コンテンツ表示手段15、グループ設定手段16及びグループ切替手段17を用いることが可能である。また、クライアント端末30は、サービス提供サーバ20が備えるデータ手動編集手段23を用いることも可能である。なお、遠隔操作手段31によりコンテンツ入力手段13を用いた場合には、コミュニケーションパネル端末10は、入力されたメッセージコンテンツを受信メッセージコンテンツとして受信することとなる。
【0036】
図9は、実施例3のパネルコミュニケーション製本システムのシステム構成図を示している。図9に示すように、パネルコミュニケーション製本システム102は、サービス提供サーバ20と、コミュニケーションパネル端末10がインターネット4を介して、データを送受信するシステムである。なお、ここではコミュニケーションパネル端末としてコミュニケーションパネル端末10を例示しているが、実際にはより多数の端末が接続可能である。
コミュニケーションパネル端末10はグループ5aに属するユーザ(1a~1c)により使用されている。ユーザ1aはスマートフォン3a、ユーザ1bはスマートフォン3b、またユーザ1cはタブレット端末3cを所持し使用しているものとする。ユーザ(1a~1c)は、それぞれ所持するスマートフォン(3a,3b)及びタブレット端末3cに専用のアプリケーションをインストールすることで遠隔操作手段31を利用することができる。すなわちスマートフォン(3a,3b)又はタブレット端末3cは、インターネット4を介してサービス提供サーバ20にアクセスすることで、コミュニケーションパネル端末10に関する種々の操作を行うことが可能となる。
【0037】
図10は、スマートフォンでのメッセージ表示イメージ図を示している。図10に示すディスプレイ7は、ユーザ1aが使用するスマートフォン3aのディスプレイの表示イメージである。図10に示すように、ディスプレイ7には、手書きメッセージ(71a~71e)が表示され、それぞれのメッセージには、ユーザ1aのアイコン72aとユーザ名72bが表示されている。手書きメッセージ(71a~71e)は、何れもユーザ1aが、コミュニケーションパネル端末10のディスプレイ6上に、タッチ入力による手書きで描画したものである。
【0038】
図11は、実施例3の書籍内容イメージ図を示している。書籍8の図11に示すページでは、日時情報81c、日時関連情報82c及び手書きメッセージ83bが表示されている。
日時情報81cとしては、2020年3月5日に入力された内容を表示することを示している。日時関連情報82cは、当日の天気を表示したものであり、“雹が降りました”と表示されている。
【0039】
手書きメッセージ83bは、コミュニケーションパネル端末10において、手書きメッセージ入力により入力された内容が書籍上に表示されたものである。手書きメッセージ83bは、図10に示す手書きメッセージ71cと同内容であり、スマートフォン3aのディスプレイ7に表示されていた内容が書籍化されたことが分かる。
このように、コミュニケーションパネル端末だけでなく、スマートフォン等のクライアント端末を併用することにより、より利便性の高いシステムとすることができる。
【実施例0040】
本実施例では、一年間のコミュニケーションパネル端末の利用結果を書籍に掲載する例について説明する。図12は、実施例4の書籍内容イメージ図を示している。
図12に示す書籍8では、左ページに使用頻度イメージ87が表示されている。ここでは、“今日は”や、“ママ”、“パパ”といった言葉が大きな楕円形で表示されており、一定期間においてより多く使用された言葉が何であるかを容易に把握できる。このように、コミュニケーションパネル端末を使って、家族で1年間に話した言葉を集計し、視覚的な図として本に載せることが可能である。
また、図12に示す書籍8の右ページには、外部デバイス利用イメージ88が表示されている。ここでは、エアコンや、音楽機器、ライトといった外部機器の使用回数や使用時間などが掲載されている。具体的には、エアコンは一年間に250回使用され、最も多く利用された時間帯が12時から15時の間であることが分かる。また、音楽機器は一年間に100回使用され、ライトは一年間に150回使用され、22時頃に点灯にすることが多いことが分かる。このように、外部デバイス利用状態を確認できることで、普段気づかない生活スタイル等に気づくことができ、1年間を振り返る際の家族の話題作りに効果的である。
【実施例0041】
本実施例では、一年間のコミュニケーションパネル端末の利用結果を一枚の紙の年表とする例について説明する。図13は、実施例5の年表イメージ図を示している。図13に示す年表9は、一枚の大きな紙に巻物のようにコミュニケーションの結果が印刷されている。ここでは、“〇〇家”の“2021年”の年表であることが表示されている。年表9には、タイムライン89が表示され、タイムライン89の時系列に沿ってイベント90が各アイコンと共に表示されている。これにより、何時どのようなイベントがあったのかを一目で確認できる。また、各イベント90の下方には、その時にやり取りされたメッセージ91aや、画像91b、絵文字91cなどが表示される。これにより、イベントだけでなくどのようなメッセージのやり取りがなされたのかについても容易に確認できる。
このように、年表9は、書籍8のような複数枚の紙が束ねられたものでは無いが、一枚の大きな紙として、家族のイベントや言葉の年表のように印刷することで、カレンダーとは違い、時系列のイベントにその時の気持ちや言葉がプラスされた記録になる。
【0042】
(その他の実施例)
上述の実施例では、複数人によるコミュニケーション結果を書籍化する例を示したが、一言日記のように日々の気持ちを残すといった利用も可能である。手間をかけず、日記として本が出来上がることで、飽きずに記録として残すことができる。個人では、一言日記のような使い方ができ、家族では家族の交換日記のような残り方となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、複数ユーザが利用する端末において、蓄積されたコミュニケーションの履歴を書籍化する技術として有用である。
【符号の説明】
【0044】
1a~1j ユーザ
2 サービス提供者
3a,3b スマートフォン
3c タブレット端末
4 インターネット
5a~5c グループ
6,7 ディスプレイ
8 書籍
9 年表
10,10a,10b コミュニケーションパネル端末
11 ユーザ情報登録手段
12 端末設定手段
13 コンテンツ入力手段
14 データ送受信手段
15 コンテンツ表示手段
16 グループ設定手段
17 グループ切替手段
20 サービス提供サーバ
21 記憶手段
22 印刷データ生成手段
23 データ手動編集手段
24 製本手段
25 送付手段
30 クライアント端末
31 遠隔操作手段
61 アイコン
62 手書きメッセージ入力部
63,71a~71e,83a,83b 手書きメッセージ
72a ユーザアイコン
72b ユーザ名
81a~81c 日時情報
82a~82c 日時関連情報
84a,84b 打込みメッセージ
85,91c 絵文字
86 補足情報
87 使用頻度イメージ
88 外部デバイス利用イメージ
89 タイムライン
90 イベント
91a メッセージ
91b 画像
100~102 パネルコミュニケーション製本システム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13