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特開2023-57023ドット照明モジュールとフラッド照明モジュールを組み合わせた共有光学アセンブリ
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  • 特開-ドット照明モジュールとフラッド照明モジュールを組み合わせた共有光学アセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057023
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】ドット照明モジュールとフラッド照明モジュールを組み合わせた共有光学アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20230413BHJP
   H01S 5/0225 20210101ALI20230413BHJP
   H01S 5/42 20060101ALI20230413BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
G01S7/481 A
H01S5/0225
H01S5/42
G02B5/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022129880
(22)【出願日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】17/450,368
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519146787
【氏名又は名称】ツー-シックス デラウェア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】II-VI Delaware,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン,オダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ペイ-ソン,カイ
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ,シャトーン
【テーマコード(参考)】
2H249
5F173
5J084
【Fターム(参考)】
2H249AA02
2H249AA12
2H249AA50
2H249AA55
5F173MA10
5F173MC01
5F173MC15
5F173ME22
5F173ME32
5F173ME44
5F173MF03
5F173MF40
5J084AA05
5J084BA04
5J084BA07
5J084BB01
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】フラッド及びドット照明モジュールを組み合わせた共有光学アセンブリが開示されている。共有光学アセンブリは、フラッドビームを提供するための第1の高出力VCSEL素子と、ドットビームを提供するための第2の高出力VCSEL素子とを含み、第1及び第2のVCSEL素子の両方が同じ光学系を共有し、スペース節約のために同じモジュールに組み込まれる。
【効果】フラッドモジュールとドットモジュールは同じ光学系を共有するため、大幅なコストとスペースの節約が実現される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドットビームを生成するための第1のVCSELアレイと、
フラッドビームを生成するための、前記第1のVCSELアレイに隣接する第2のVCSELアレイと、
前記第1及び第2のVCSELアレイからの発光を受信するために、前記第1及び第2のVCSELアレイによって共有されるディフューザ光学系と、
を含む、VCSEL照明器アセンブリ。
【請求項2】
前記第1のVCSELアレイは、前記共有ディフューザ光学系から第1の距離に配置され、前記第2のVCSELアレイは、前記第1の距離とは異なる、前記共有ディフューザ光学系から第2の距離に配置される、請求項1に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の距離は約2.3mmであり、前記第2の距離は約2mmである、請求項2に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項4】
前記第2のVCSELアレイの下の基板は、前記第1のVCSELアレイの下の基板よりも300um厚い、請求項3に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項5】
前記第2のVCSELアレイが300umの厚さのCuWスペーサに取り付けられている、請求項4に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項6】
前記第1のVCSELアレイのピッチが、前記共有ディフューザ光学系のピッチの整数倍である、請求項1に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項7】
前記第1のVCSELアレイの前記ピッチが、前記共有ディフューザ光学系の前記ピッチの1倍であるか、前記第1のVCSELアレイの前記ピッチが、前記共有ディフューザ光学系の前記ピッチの2倍であるか、または、前記第1のVCSELアレイの前記ピッチが、前記共有ディフューザ光学系の前記ピッチの3倍である、請求項6に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項8】
前記第1のVCSELアレイのピッチが、前記共有ディフューザ光学系のピッチの整数分の1である、請求項1に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項9】
前記第1のVCSELアレイの前記ピッチが、前記共有ディフューザ光学系の前記ピッチの1/2であるか、または、前記第1のVCSELアレイの前記ピッチが前記共有ディフューザ光学系の前記ピッチの1/3である、請求項7に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項10】
X及びYデルタが、前記第2のVCSELアレイの各エミッタと、前記共有ディフューザ光学系の最も近いレンズレット中心との間に存在する、請求項8に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項11】
前記X及びYデルタの両方が最大+/-16.5ミクロンである、請求項13に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項12】
前記第1及び第2のVCSELアレイからの前記発光が同じ波長を有し、前記第1及び第2のVCSELアレイからの前記発光は940nmの波長を有するか、または、前記第1及び第2のVCSELアレイからの前記発光は850nmの波長を有する、請求項1に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項13】
前記第1のVCSELアレイからの前記発光の波長が、前記第2のVCSELアレイからの前記発光の波長とは異なる、請求項1に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項14】
第1の発光を生成するための第1のVCSELアレイと、
第2の発光を生成するための、前記第1のVCSELアレイに隣接する第2のVCSELアレイと、
前記第1及び第2の発光を受信するために前記第1及び第2のVCSELアレイによって共有されるディフューザ光学系と、
を含み、
前記第1のVCSELアレイは、前記共有ディフューザ光学系で回折効果が生じるように構成されており、前記第2のVCSELアレイは、前記共有ディフューザ光学系で回折効果が生じることがないように構成されている、
VCSEL照明器アセンブリ。
【請求項15】
前記第1及び第2の発光の波長が同じであり、前記第1及び第2の発光の前記波長は940nmであるか、または、前記第1及び第2の発光の前記波長は850nmである、請求項19に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項16】
前記第1の発光の前記波長が前記第2の発光の前記波長とは異なる、請求項19に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項17】
前記第1のVCSELアレイは、前記共有ディフューザ光学系から第1の距離に配置され、前記第2のVCSELアレイは、前記第1の距離とは異なる、前記共有ディフューザ光学系から第2の距離に配置される、請求項19に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項18】
前記第1の距離が約2.3mmであり、前記第2の距離が約2mmである、請求項24に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項19】
前記第1のVCSELアレイのピッチが前記共有ディフューザ光学系のピッチの整数倍である、請求項19に記載のVCSEL照明器アセンブリ。
【請求項20】
前記第1のVCSELアレイの前記ピッチが、前記共有ディフューザ光学系の前記ピッチの1倍である、請求項26に記載のVCSEL照明器アセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フラッド照明器は、例えば、モバイルデバイス及び他のアプリケーションなどの様々な製品に組み込まれ、3D感知機能、ロボット工学における3Dマッピング、顔検出などを提供する。例えば、図1を参照すると、フラッド照明器を含む、例えばモバイルデバイス内に組み込まれた光学アセンブリ100は、垂直共振器面発光レーザー(vertical-cavity surface-emitting laser、VCSEL)102を使用して、フラッドビーム104を光学系106に提供し、これにより、出力108から対象物または関心のある人(図示せず)への赤外線(IR)光の均一な照明フィールドが生成される。図2は、図1に示されるような既知の光学アセンブリを使用して生成されたフラッドビームの例を示す。
【0002】
ドットプロジェクタも、フラッド照明器と組み合わせて使用されることがある。ドットプロジェクタは、第2のVCSEL103を使用して、光学系107へのドットビーム105を生成し、次に、出力108から多数のIR光のドットを生成して、領域及び深さ決定のために関心のある照明された対象の3次元マップを作成する。赤外線カメラ(図示せず)は、変調されたIRフラッドライトから、及び使用される場合は、関心のある照明された対象から反射されたドットパターンからも、深度シグネチャの画像をキャプチャする。次に、キャプチャされたデータの処理は、例えば、顔認識などの所望の目的に使用できる。従来のフラッド照明器に関連する1つの欠点は、その範囲が約1.5mに制限されていることである。この比較的短い範囲が、このテクノロジーを使用できるアプリケーションの種類を大幅に制限する。
【0003】
本開示の主題は、上記の1つまたは複数の問題を克服するか、またはその影響を少なくとも低減することを目的としている。
【発明の概要】
【0004】
フラッド及びドット照明モジュールを組み合わせた共有光学アセンブリが開示されている。共有光学アセンブリは、フラッドビームを提供するための第1の高出力VCSEL素子と、ドットビームを提供するための第2の高出力VCSEL素子とを含み、第1及び第2のVCSEL素子の両方が同じ光学系を共有する。ドットビームは、フラッドビームと同じレベルの光出力を使用して生成されるが、ドットビームはドットに凝縮される。その結果、戻り信号は、フラッドビームのみで達成されるよりも長い距離で検出するのに十分な高さである。トレードオフは、ドットが配置されている場所の情報しか赤外線カメラに反射されないため、受信した情報の解像度が低くなることである。システム全体では、ドット機能とフラッド機能の両方に同じ赤外線カメラを使用するが、フラッドビームを使用した高解像度の短距離検出と、ドットビームを使用した低解像度の長距離検出を実現する。本発明の使用により、有効範囲は約1.5mから約6mに増加する。さらに、フラッドモジュールとドットモジュールは同じ光学系を共有するため、大幅なコストとスペースの節約が実現される。
【0005】
前述の概要は、本開示の各潜在的な実施形態または全ての態様を要約することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】当技術分野で知られているような、別個のドット及びフラッド照明モジュールを備えた光学アセンブリを示す。
図2】当技術分野で知られているような、標準的なランダム化ディフューザを使用して生成されたフラッドビームを示す。
図3】本発明の例示的な実施形態による、ドット及びフラッド照明モジュールと共有光学系とを組み合わせた共有光学アセンブリを示す。
図4A】本発明の例示的な実施形態に従って生成されたドットプロジェクタパターンを示す。
図4B】本発明の例示的な実施形態に従って生成されたフラッドビームを示す。
図5】本発明の例示的な実施形態による、作動距離に基づいて予想されるスペース節約を示す。
図6】本発明の例示的な実施形態による、共有光学系の構成を示す。
図7】本発明の例示的な実施形態による、ドットVCSELレイアウトを示す。
図8】本発明の例示的な実施形態による、フラッドVCSELレイアウトを示す。
図9】本発明の例示的な実施形態による、(図8の)個々のフラッドVCSELエミッタと(図6の)最も近いディフューザレンズレット中心との間の、X軸及びY軸の差の分布を示す。
図10】本発明の例示的な実施形態を使用して生成されたドットフィールドを示す。
図11】本発明の例示的な実施形態を使用して生成されたフラッドフィールドを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図3を参照すると、高出力VCSEL照明器アセンブリ300は、ドット照明モジュールとフラッド照明モジュールを組み合わせたものを含む。組み合わされたモジュールは、フラッドビーム305を提供するように構成された第1のVCSEL素子303と、ドットビーム304を提供するように構成された第2のVCSEL素子302とを含む。2つのVCSEL素子302、303は、基板301に取り付けられ、アセンブリ300は、基板301に隣接して配置された共有光学系306を含む。アセンブリ300は、例えば、モバイルデバイスの顔認識ユニットなどのシステム全体の構成要素として使用されることを意図している。
【0008】
ドットビームVCSEL素子302は、定義された構成で、共有光学系306に対して定義された距離(作動距離(「WD」)と呼ばれる)で基板301に取り付けられる。フラッドビームVCSEL素子303はまた、定義された構成で、共有光学系306に対して定義された距離で基板301に取り付けられ、ここで、定義された距離は、作動距離からオフセットされている。ドットビーム及びフラッドビームは、共有光学系306によって画像化されて、出力307を生成する。
【0009】
例示的な実施形態に関連して以下でより詳細に説明するように、共有光学系306は、互いに比較的近接した2つの別個のVCSEL303、302の発光を使用することによってドットフィールド及びフラッド照明フィールドの両方を生成する周期的ディフューザ光学素子を含む。組み合わされたビームは、フラッドビームを使用した高解像度の短距離検出と、ドットビームを使用した低解像度の長距離検出をもたらす。ドットビームはVCSEL発光を強度の増大した小さなスポットに集中させるため、システム全体の範囲が広がる。ドットビームのみが物体から検出器に反射して戻るため、より広い範囲では解像度がいくらか低下する。システム全体の有効範囲は、フラッドビームのみを使用した場合の約1.5mから、ドットビームを使用した場合の約6mに拡大される。
【0010】
本発明の用途の一例では、IRセンサーは、フラッドビームから深度情報を抽出し、次にドットビームから深度情報を切り替えて抽出し、2つのモードの深度情報を組み合わせることができる。ドットモードは、例えば、家具を視覚化するために部屋の寸法をスキャンするときに使用できる。フラッドは、例えば、顔のマッピングやオブジェクトのクローズアップをマッピングするときに使用できる。さらに、ドットVCSELとフラッドVCSELは共通の光学系を共有しているため、両方が同じモジュールに組み込まれ、光学系が共有されていないモジュールよりもサイズを大幅に節約できる。
【0011】
引き続き全般的に図3を参照すると、ドットフィールドVCSEL302は、共有光学系306から所定の作動距離で動作するように構成され、共有光学系306での回折効果がドットフィールドを生成するようにエミッタ間に定義されたピッチを有する。フラッドフィールドVCSEL303と共有光学系306との間の距離は、そのような回折効果を回避するために、この作動距離からオフセットされている。例えば、ドットフィールドVCSEL302と比較して、より厚いVCSEL基板303または取り付け基板301からの追加の高さを使用して、必要なオフセット距離を生成することができる。オフセット距離は、高コントラストの回折効果を有するのを回避し、これは、ドットイメージャには望ましいものの、フラッドイメージャには望ましくない。
【0012】
引き続き全般的に図3を参照すると、小さな光源からの周期的ディフューザアレイの自己画像化による回折効果により、個々のエミッタは、ディフューザの出力プロファイルのエンベロープ内で再画像化される。エミッタは、全ての単一エミッタアレイ画像が互いに整列するように適切なピッチにされる。この現象は理論的にはLau効果に似ており、照明された第1の格子の代わりにレーザーのアレイが使用される。例えば、Sudol,R.(1981),Lau Effect:An Interference Phenomenon in Partially Coherent Light[Thesis],The University of Rochester,Rochester,New Yorkを参照されたい。この理論は、高コントラストの画像が距離Z=np/2λで達成できるということを提供し、ここで、nは正の整数、pはディフューザアレイのピッチ、λは光の波長である。
【0013】
この高コントラスト現象は特定の距離でのみ発生するため、VCSELレーザーアレイと周期的ディフューザアレイの間のオフセットまたは焦点ずれにより、コントラストが低下する可能性がある。第2のVCSELエミッタ(つまり、フラッドVCSEL303)レイアウトが、レーザーと最も近いディフューザフリーフォームレンズレット光学中心との間のXとYの差が、単一のディフューザフリーフォームレンズレット面の領域全体にいくらか均等に分散されるように設計されている場合、回折効果はほとんど取り去られる。
【0014】
これは、簡単な構成で実行できる。例えば、35umピッチの正方形のディフューザアレイは、n=4とλ=940nmに対して2606umの距離で高いコントラストを有することができる。正方形ピッチ35*(1+1/20)で20x20エミッタレイアウトの2400umで動作するVCSELは、非常に均一なXとYの差の分布を提供できる。均一なX及びYの差の分布は、特定の回転角度を持つ様々なピッチのVCSELの長方形、正方形、または六角形のアレイや、特別に設計された疑似ランダムVCSELアレイなどを含む、様々な方法で実現できる。940nmの波長は、3Dセンシング用途に一般的に使用される波長であるため、この例ではドット及びフラッドVCSELエミッタの両方に使用されるが、本発明は特定のエミッタ波長または特定の用途に限定されないことに留意されたい。例えば、別の一般的に使用されるVCSEL波長である850nmの波長を有するVCSELエミッタを使用することができる。より長いまたはより短い波長も使用することができる。さらに、ドット及びフラッドVCSELエミッタの波長は同じである必要はない。例えば、ドットエミッタの波長は940nmであり得、一方、フラッドエミッタの波長は850nmであり得るか、またはその逆であり得る。エミッタに2つの異なる波長を使用するには、両方のアレイから同じ波長を放射する場合よりも、レシーバ側に幅の広いフィルタが必要である。あるいは、エミッタの波長が異なる場合は、レシーバ側で複数の通過帯域を持つフィルタを使用することもできる。
【0015】
図4Aは、共有光学系306と適切に一致し、適切な作動距離にある、ドットVCSEL302の投影パターンの画像を示している。
【0016】
図4Bは、共有光学系306と不一致であるか、150umのオフセットであるか、または焦点ずれである、フラッドVCSEL303の投影パターンの画像を示している。
【0017】
ここで図5を参照すると、本発明で達成可能なVCSEL照明器アセンブリのサイズの縮小のいくつかの例が示されている。図5の左側にあるのは、従来技術のVCSEL照明器アセンブリ100であり、右側は、本発明の例示的な実施形態による、VCSEL照明器アセンブリ300(図3に記載されている)である。図示の例では、表(中央の行)を参照すると、作動距離が2.3mmの場合、アセンブリ300の共有光学系のビーム幅は2.7mmであるが、個別の光学系を備えたアセンブリ100のビーム幅は3.9mmである。したがって、この例では、本発明の結果として達成された約24%のサイズ縮小がある。
【0018】
1.7mmのより小さい作動距離の場合、アセンブリ300の共有光学系のビーム幅は2.4mmであるが、個別の光学系を備えたアセンブリ100のビーム幅は3.2mmである。この例では、本発明の結果として達成された約19%のサイズ縮小がある。最後に、2.8mmのより大きい作動距離の場合、アセンブリ300の共有光学系のビーム幅は3mmであるが、個別の光学系を備えたアセンブリ100のビーム幅は4.6mmである。この例では、本発明の結果として達成された約28%のサイズ縮小がある。したがって、作動距離が大きくなると、サイズ縮小の割合が大きくなる。
【0019】
ここで図6を参照すると、共有光学系306(図3)のディフューザは、入射光を所望の照明または拡散プロファイルに成形する同一の自由形状表面の周期的アレイを含む。この例示的な実施形態では、周期的ディフューザは、33ミクロンのX及びYピッチを有する正方形のレイアウト601を有する。各レンズレット602は同じであり、入射光を特定の照明フィールドに広げるように設計されている。この例では、作動距離(「WD」)、つまりドットフィールドVCSEL302と共有光学系306の間の距離は、2.32mm(つまり、np/2λ=4*33/(2*0.94)=2.32mm)である。
【0020】
ここで図7を参照すると、本発明の例示的な実施形態による、ドットVCSEL302(図3)のアレイが示されている。ドットVCSEL302のアレイは、X及びYピッチが33ミクロン(532エミッタ/8um酸化物アパーチャ)の正方形レイアウトの周期的アレイである。特に、ドットVCSEL302のアレイは、何らかの方法でディフューザ光学系と一致している必要がある。
【0021】
ドットVCSEL302のアレイのピッチは、光学ピッチの整数倍または整数分の1(つまり、3、2、1、1/2、1/3)である必要がある。1xが良好に機能することが分かった。あるいは、はるかに大きな光学系ピッチ及び整数分の1のVCSELピッチを使用することができるが、これにより、ドットフィールド内のドットの数が多くなり、各ドットのピーク強度が低下する。光学系ピッチと整数分の1が大きくなると、作動距離が長くなりすぎる可能性もある。また、VCSELピッチの2倍と一緒により小さい光学系ピッチを使用することもできるが、この配置では光学系の製造上の問題が発生する可能性があることにも留意されたい。
【0022】
図8に目を向けると、本発明の例示的な実施形態による、フラッドVCSEL303(図3)アレイが示されている。フラッドVCSEL303アレイは、24.5度で回転した40ミクロン(327エミッタ/10um酸化物アパーチャ)のピッチを有する六角形レイアウトの周期的アレイである。特に、フラッドVCSEL303の場合、最も近いレンズレット602(図6)の中心に対するVCSELエミッタの差に比較的よく広がった分布をもたらす任意のレイアウトは、適切な性能をもたらす。この例示的な実施形態では、フラッドVCSEL303は、必要な焦点ずれを提供するために、300umの厚さのCuWスペーサに取り付けられた。この場合、1.738mm(つまり、3*33/(2*0.94))の作動距離は、別の高コントラスト距離にあるため、約2mmの距離となるn=3及びn=4に対応する距離の約半分は、良好に機能することが分かった。
【0023】
ここで図9を参照すると、図8に関連して説明されるように、個々のフラッドVCSEL303エミッタと最も近いディフューザレンズレット602の中心との間のX及びYの差の分布が示されている。散布プロットの各点は、単一のVCSELエミッタと最も近いディフューザレンズレットの中心との間のX及びYデルタを表す。図6及び図8に示される例では、レンズレット602のサイズは33umであるため、デルタの範囲は両方の大きさで+/-16.5umである。基本的に、VCSELエミッタは周りに散布されているため、ディフューザレンズレットの周期性と一致することはない。この配置は、あらゆる残存回折効果を取り去るのに役立つ。
【0024】
ここで、図10及び図11を参照すると、ドットフィールド及びフラッドフィールドは、図6~9に関連して説明された構成で生成されたものとして、それぞれ示されている。本明細書に記載された原理及び特定の配置を使用して、約1.5mの範囲が、図11のフラッドフィールドで達成され、図10のドットフィールドで、約6mの範囲が達成された。
【0025】
好ましい実施形態及び他の実施形態の前述の説明は、出願人によって考案された本発明の概念の範囲または適用可能性を制限または制約することを意図するものではない。本開示の利点により、開示された主題の任意の実施形態または態様による上記の特徴は、開示された主題の他の任意の実施形態または態様において、単独で、または他の任意の説明された特徴と組み合わせて利用できることが理解されよう。
【0026】
本明細書に含まれる本発明の概念を開示することと引き換えに、本出願人は、添付の特許請求の範囲によって与えられる全ての特許権を要望する。したがって、添付の特許請求の範囲は、以下の特許請求の範囲またはその同等物の範囲内に入る全ての修正及び変更を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】