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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057039
(43)【公開日】2023-04-20
(54)【発明の名称】器具接続デバイスおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/04 20060101AFI20230413BHJP
【FI】
A61B18/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022152150
(22)【出願日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】21201714
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】592245823
【氏名又は名称】エルベ エレクトロメディジン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Erbe Elektromedizin GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・ハイム
(72)【発明者】
【氏名】エルマー・アールブルク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK70
4C160MM32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガス供給および電流供給を必要とする器具のための器具接続デバイスおよび、その製造方法を提供する。
【解決手段】器具接続デバイス11は、器具の一部であるか、または器具まで通じるホース12の近位端24が挿入される可撓性壁20を有する可撓性ホース状本体19を備える。ホースは、ホースを通って長手方向に延びる管腔を備える。加えて、ホースの内側、例えば管腔の内側に、ワイヤ26が配置される。ワイヤは、可撓性壁の貫通中にワイヤそれ自体が生み出す穿刺穴27を通って案内される。穿刺穴は、好ましくは直線状であり、可撓性壁を通って斜めに、すなわち半径方向ならびに長手方向中心軸線に対しても傾けられて案内する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にガス供給および電流供給を必要とする器具(10)用の器具接続デバイス(11)であって、
貫通路(21)を制限する可撓性壁(20)であって、穿刺穴(27)を備える可撓性壁(20)を有する中空円筒本体(19)を備えるガス接合部(18)を有し、
1つの端部(24)が近位方向に本体(19)内に延びており、少なくとも1つの管腔(25)を備え、前記本体(19)の内側の前記壁(20)に当接して配置されたホース(12)を有し、
前記ホース(12)の内側に前記ホースから近位方向に突出しながら配置され、前記穿刺穴(27)を通って延びるワイヤ(26)を有する、器具接続デバイス。
【請求項2】
前記穿刺穴(27)が、前記ワイヤ(26)によって弾性的に広げられることを特徴とする、請求項1に記載の器具接続デバイス。
【請求項3】
前記可撓性壁(20)が、前記穿刺穴(27)において前記ワイヤ(26)に対して弾性的に引っ張られるように当接することを特徴とする、請求項2に記載の器具接続デバイス。
【請求項4】
前記ワイヤ(26)が、ガスケット無しで前記穿刺穴(27)を通って案内されることを特徴とする、請求項2に記載の器具接続デバイス。
【請求項5】
前記穿刺穴(27)が、前記壁(20)に対して直角に配向されているか、または傾けられていることを特徴とする、請求項2に記載の器具接続デバイス。
【請求項6】
前記穿刺穴(27)が、前記貫通路(21)によって画定される長手方向(22)に対して90°、80°、70°未満もしくは60°未満の角度で配置され、および/または前記穿刺穴(27)が、前記長手方向(22)に対して、10°、20°、30°より大きい、もしくは40°より大きい角度で配置されることを特徴とする、請求項2に記載の器具接続デバイス。
【請求項7】
前記本体(19)が、前記ホース(12)の可撓性よりも大きい可撓性を含むことを特徴とする、請求項1に記載の器具接続デバイス。
【請求項8】
前記ホース(12)が、摩擦嵌合式に前記本体(19)の内側に保持されることを特徴とする、請求項1に記載の器具接続デバイス。
【請求項9】
前記本体(19)が、シリコーンプラスチックからなることを特徴とする、請求項1に記載の器具接続デバイス。
【請求項10】
前記ホース(12)が、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、TPA、ペバックス、ポリプロピレンまたはポリエチレンからなることを特徴とする、請求項1に記載の器具接続デバイス。
【請求項11】
前記ワイヤ(26)が、前記ホース(12)の内側に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の器具接続デバイス。
【請求項12】
前記ワイヤ(26)が、弾力性ワイヤ、特に鋼ワイヤであることを特徴とする、請求項1に記載の器具接続デバイス。
【請求項13】
前記ワイヤ(26)が、弾力性の耐屈曲性材料からなることを特徴とする、請求項1に記載の器具接続デバイス。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の器具接続デバイス(11)を有する器具(10)。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の器具接続デバイス(11)を製造するための方法であって、最初に、ワイヤ(26)がその近位端(24)から突出するホース(12)および中空円筒本体(19)が、提供され、
その後、前記中空円筒本体(19)が部位(29)において弾性的に曲げられ、それによって本体(19)の少なくとも1つの直線セクション(30)が、前記位置(29)から延び、
その後、前記ワイヤ(26)の前記近位端(28)が前記直線セクション(30)に挿入され、それによって前記ワイヤ(26)は、前記屈曲部位(29)において本体(19)を貫通し、
その後、前記本体(19)は、解放された伸張形状に戻されることを特徴とする、器具接続デバイスを製造するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にガス供給および電流供給を必要とする器具のための器具接続デバイスに関する。さらに、本発明は、そのような器具接続デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動作のためにガス供給および電流供給を必要とする、人体または動物の体を治療するための外科用器具が知られている。例えば、米国特許第7717911号明細書は、この目的のために、実質的にワイヤが通って延びる管腔を有する長いホースからなる、可撓性プローブとして構成された器具を開示している。ホースの遠位端では、ワイヤの端部がホースのほぼ中央に保持され、このようにして電極を画定する。動作中、高周波交流電圧がワイヤに印加され、アルゴンがホースの管腔を通って流れる。プローブの遠位端にプラズマジェットが生成される。
【0003】
そのような器具を供給装置に接続するために、欧州特許第1515659号明細書は、プローブの近位端が内部に配置されるハウジングを有するコネクタを説明している。そこで、ハウジングは、ホースをフィルタに接続するガス路管腔を備えるガス接合部に接続される。さらに、ガス接合部は、ホースの管腔の外に電線を案内し、それによってホースの管腔を外部に対して封止する。
【0004】
この器具接続デバイスは一般に証明されているが、顕著な製造努力を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、簡単に製造することができるが、長期的に信頼できる器具接続デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の器具接続デバイスによって解決される。さらに、請求項15に記載の方法は、信頼できる器具接続デバイスを製造するための簡単な方法を示す限りにおいて、本発明の解決に寄与する。
【0007】
本発明による器具接続デバイスは、可撓性壁がその一部である中空円筒本体を有するガス接合部を備える。壁は、長手方向または軸方向に対して同心円状に画定された貫通路を制限する。この長手方向軸は、中空円筒本体の中心軸である。中空円筒本体の壁内には、穿刺穴が設けられ、これを通ってワイヤが延びる。このワイヤは、その後、器具の接続ホースとすることができるか、あるいは器具の一部とすることもできるホースの内側を通って延びる。これにより、ワイヤは、ホースの管腔を通って延びることができ、またはホース材料内に完全にまたは部分的に、例えばセクション内に埋め込むことができる。さらに、ワイヤは、軸方向に(長手方向に)配置することができ、所望であれば、ホースの管腔内で横方向に移動可能であることができ、あるいはホースの内側で軸方向に不動に配置することができる。
【0008】
ホースは、可撓性中空円筒本体の貫通路の内側でその壁に当接して配置され、それにより、中空円筒本体とホースとの間の気密接続が生成される。好ましくは、本体の壁は、予張力を受けてホースに当接する。特に、少なくとも500mbarの圧力差において、ホース壁を通ってワイヤに沿ってガス流が発生しない場合、接続部は気密であると考えられる。好ましくは、本体の壁厚およびその材料特性は、材料選択および弾性に関して、特に、例えば1、2、3または4バールのより高い圧力差でもガス流がワイヤに沿ってホース壁を通らないようなものである。
【0009】
穿刺穴は、材料の変位によって生成される穴である。好ましくは、穿刺穴は、専ら、材料を除去せずに材料を変位させることによって形成される。これは、材料のアブレーションまたは除去によって生成される孔または穿孔穴とは大きく区別される。これに対して、本発明によって可撓性壁内に形成された穿刺穴は、ワイヤによって弾性的に広げられ、それにより、ガス接合部の可撓性壁は、ワイヤと封止式に密着する。好ましくは、可撓性壁は、穿刺穴において弾性的に予張力をかけられてワイヤに当接する。換言すれば、可撓性壁は、穿刺穴において弾性的な予張力を受けている。ワイヤが取り外されると、穿刺穴は閉じる傾向がある。このため、ワイヤをガスケット無しで穿刺穴に通して案内することができる。貫通路の内側または弾性本体の外側にも、ワイヤ上のシーリング材料は必要ではない。弾性本体自体が金属ワイヤを封止する。しかし、ワイヤ上およびワイヤが弾性本体から離れる弾性本体の外側に、封止材料を、例えば接着剤などの形態で取り付けることができる。しかし、これは選択肢にすぎず、多くの場合必要ではない。
【0010】
ワイヤは、好ましくは、金属むき出しであり、すなわち非金属表面コーティングを有さない。しかし、例えば、その表面にしっかりと接着するプラスチック製のコーティングを設けることもできる。それとは無関係に、ワイヤを壁に溶融するために、壁を貫通した後にワイヤを加熱することが可能である。非金属の溶融可能なコーティングがワイヤ上に設けられる場合、このコーティングは、壁の材料との追加の封止作用および/または接着結合を生成するために、例えばエネルギーの影響を用いて、放射、熱、超音波などによって少なくとも局所的に溶融することができる。
【0011】
好ましくは、穿刺穴は、壁に対して斜めに配向される。そうすることで、ワイヤはまた、壁に対して斜めに、したがって壁を通って弾性本体の長手方向軸に対しても斜めに延びる。これらの手段によって、すなわち、穿刺穴の拡張および径方向から逸脱するワイヤによって、ワイヤと弾性本体の壁との間の接触面は、最大化され、これが封止効果を支援する。
【0012】
しかし、貫通路の長手方向と、穿刺穴または穿刺穴を通って案内されるワイヤとの間の角度は、好ましくは、10°より大きく、20°より大きく、30°より大きく、またはさらに40°より大きい。しかし、いずれの場合も、この角度は、90°以下、より良好には80°未満、または70°未満であることが好ましい。角度が60°未満である場合が特に好ましい。これにより、簡単に製造することができ、長期的に信頼できる気密ワイヤ通路が得られる。
【0013】
好ましくは、本体は、ホースの可撓性よりも高い可撓性を有する。そうすることで、可撓体は、ホースと封止式に密着する。ホースは、その低い可撓性のためにわずかに耐屈曲性となるため、可撓性本体の貫通路に挿入することができる。このようにして、貫通路の内径は、ホースの外径より(わずかに)小さくすることができる。ホースは、挿入後に貫通路内に摩擦嵌合によって保持される。漏れ防止および摩擦嵌合を支持するために、弾性本体を半径方向内側に局所的に付勢し、それによって弾性本体とホースとの間の押圧を増加させるクランプデバイスを器具接続デバイス内に設けることができる。
【0014】
弾性本体は、シリコーンプラスチックからなることができる。ホースは、異なるプラスチック、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、TPA、ペバックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、または別の適切なプラスチックからなることができる。
【0015】
ワイヤがホースの内側に軸方向に固定されている場合、器具接続デバイスの製造中にワイヤをホースと共に本体に挿入することができる。これは、ワイヤが耐屈曲性である場合、例えば鋼ワイヤなどの弾力性のある耐屈曲性材料からなるという点で特に当てはまる。耐屈曲性は、弾性本体の壁を貫通するために針のように使用される場合、貫通抵抗を参照して、すなわちワイヤに加えられる長手方向の力に関連して提供される。それにより、少なくとも1cm~2cmの長さに沿って耐屈曲性であることが好ましい。好ましくは、ワイヤは、少なくとも3cm、少なくとも4cm、または少なくとも5cmの自由カンチレバー長さの場合でも、屈曲せずに本体の壁を貫通することができるように、さらに高い耐屈曲性を含む。したがって、ガスブッシングの製造中に、ワイヤを、穿刺穴を生成するためのツールとして使用することができる。好ましくは、それにより、ワイヤは、1回だけ壁に穿刺され、その後再度取り外されることなく穿刺穴の内部に留まる。
【0016】
ワイヤがホースの内側に軸方向に固定されていない場合、ワイヤは、最初にホース無しで、器具接続デバイスの製造中に本体に挿入することができる。ワイヤは、本体の壁を貫通した後、ホースをワイヤに通し、本体に挿入することができる。むき出しのワイヤ、すなわちホース無しでワイヤが壁に貫通される場合、このワイヤが、壁を貫通するように、本体の外側のワイヤに加えられる押圧力がワイヤ先端に加えられるほど高い耐屈曲性を有すると有利である。しかし、ワイヤがより低い耐圧性または耐屈曲性を有する場合、ワイヤを、その近位端から距離を離して保持する工具によって、壁を貫通するための近位方向に自由なカンチレバー(十分な短さの)セクションのみを残しながら、本体に挿入することができる。
【0017】
器具接続デバイスを製造するための方法は、中空円筒本体がある部位において少なくとも約30°屈曲されるように中空円筒本体を配置することを提供し、それによって本体の直線セクション(脚部)が屈曲部位から延びる。次いで、ワイヤ端部が突出したホースが本体の直線セクションに押し込まれ、それによってワイヤは、屈曲部位で中空円筒本体の壁を貫通する。所望の場合、ワイヤは、その貫通端部で尖ることができ、または鋭利であることができ、すなわち、針先端またはカッティングエッジを設けることができる。中空円筒本体の貫通後、本体は解放され、それによって本体はその伸長位置に跳ね戻る。これにより、器具接続デバイス用のガス接合部は完成する。本方法は、本体が30°を超える、例えば40°、60°、90°、100°、110°、120°またはそれ以上を超えて貫通するように傾斜されている場合にも特に実施することができる。
【0018】
可撓性中空円筒本体の壁を貫通した後、例えば中空円筒本体の材料とワイヤの表面との間の穿刺穴において接着結合を生成するために、ワイヤをわずかに加熱することができる。しかし、これは任意選択であり、中空円筒本体の材料特性に依存する。
【0019】
本発明の有利な詳細に関するさらなる詳細が、特許請求の範囲、ならびに本明細書の一部を形成する以下の図面から導きだされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】器具接続デバイスを有する器具の概略斜視図である。
図2図1による器具接続デバイスの開かれた部分断面図である。
図3図2による器具接続デバイスのガス接合部の開かれた部分的切断図である。
図4】穿刺穴を有するガス接合部の中空円筒本体の壁の一部を示す図である。
図5】ワイヤが挿入される穿刺穴を有する、図4による壁の断面図である。
図6】穿刺穴の生成中の器具接続デバイスの部分的に長手方向に切断された概略図である。
図7】ワイヤ用のワイヤ通路を生成した後の図6による器具接続デバイスを示す図である。
図8】ガスフィルタを有する、図2と同様の器具接続デバイスの改変された実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、例えば、人または動物の患者の内視鏡治療に適しているような、可撓性プローブの形態の器具10を示す。この器具10は、例として本発明を示しているにすぎない。本発明は、異なる構成の器具、例えば直視下手術用の器具または腹腔鏡器具で同様に使用することができる。しかし、ホース12が器具接続デバイス11から遠位方向に延び、ホースが器具10自体のための供給ホースであるか、または図1に示すように、器具自体の一部であることは、すべてのそのような器具に共通である。図1による例では、ホース12は、器具の近位端を形成する。他の器具では、ホース12は、器具の一部と必ずしも見なされなくてよい供給ホースである。
【0022】
器具接続デバイス11は、アルゴン、別の不活性ガス、反応性ガス、または液体などのガス状媒体、ならびに電圧および/または電流を器具10に供給する役割を果たす。例として図1に示す装置は、動作ためにアルゴンおよび交流電流が供給されなければならないアルゴンプラズマプローブである。しかし、器具接続デバイス11は、電線を介して電力が供給されなければならない、またはホース管腔を介してガス(または液体)が供給されなければならない他の器具にも適している。本発明は、電線がホース12の内側に配置されるそのような器具に特に適している。
【0023】
器具接続デバイス11は、例えば、電流または電圧供給のための少なくとも1つのピン形状または他の様態で構成された電気接点13と、必要に応じて1つまたは複数の追加の電気接点14とを備える。電気接点13、14は、コネクタハウジング15内に互いに平行に保持されたピン接点とすることができる。
【0024】
器具接続デバイス11はまた、ガス接続コネクタ16を備え、ガス接続コネクタは、例えば、接点ピン13、14の近傍に、例えばそれらの間にある可撓性ホース状コネクタピースによって構成することができる。
【0025】
図2は、コネクタハウジング15が開かれた器具接続デバイス11の構成を示す。コネクタハウジング15の図示するハウジングシェルは、ここではピン形状である電気接点13、14と、ガス接続ピース16とを備え、これらはすべて、コネクタハウジング15内またはその上に不動に保持されている。ガス接続ピース16は、可撓性スリーブとして構成することができる。コネクタハウジング15は、加えて、ガス接合部18が配置された内部17を囲む。このガス接合部18は、器具10の電流供給とガス供給とを接合する役割を果たす。この目的のために、ガス接合部18は、可撓性壁20を有する中空円筒形ホース状本体19を備える。本体19は、好ましくは直線状に(伸張して)延びる長手方向中心軸22を有する貫通路21を取り囲む。
【0026】
壁20は、可撓性のばね弾性プラスチック、好ましくはシリコーンプラスチックからなる。ガス接合部18の近位端は、ガス接続ピース16と流体接続している。この目的のために、それぞれのハウジング構造を設けることができる(例えば、プラグ継手のタイプで構成された流体コネクタ31)。
【0027】
本体20の遠位端23内には、ホース12の近位端24が挿入される。ホースは、少なくとも1つの管腔25を取り囲み、この管腔は、特に図3から明らかなように、好ましくはホース12の近位端24からホース12の遠位端まで、または器具10の遠位端まで延びる。ホース12はまた、ホースの長さにわたって互いに平行に延びる複数の管腔を有することもできる。
【0028】
ホース12の近位端24は、遊びのない状態で挿入され、したがって、貫通路21の内側で可撓性本体19の壁20に隙間なくしっかりと当接する。これにより、貫通路21と管腔25との間の気密接続が生成される。
【0029】
管腔25の内側には、ホース12の近位端24から突出し、穿刺穴27において壁20と交差するワイヤ26が、配置される。あるいは、ワイヤは、ホース12のプラスチック材料に埋め込むことができる。ホース12が複数の管腔を有する場合、ワイヤ26は、管腔の1つを通って、またはホース12の材料を通って延びるように配置することもできる。
【0030】
ワイヤ26は、好ましくは、例えばばね鋼ワイヤまたは別の弾力性の耐屈曲性材料で作られたワイヤのような耐屈曲性ワイヤである。ワイヤ26の耐屈曲性は、1cm~2cmの自由カンチレバー長さを有するワイヤ26が壁に向かって移動する場合に、壁20を貫通することができるほど高いことが好ましい。これは、好ましくは、ワイヤ26の面端部が特に鋭利にされておらず、せん断または破断表面のみを含む場合にも当てはまる。したがって、耐屈曲性の表現は、壁20の貫通強度、したがって壁20の材料特性、それらの厚さ、ならびにワイヤ26の選択された自由カンチレバー長さに依存することも明らかである。しかし、0.1mm~0.2mmの直径を有するばね鋼ワイヤは、通常の可撓性シリコーン材料、および最大2cm以上のカンチレバー長さの場合に最大数ミリメートルの壁厚で十分な耐屈曲性を有する。本発明による方法は、少なくとも3cm、少なくとも4cm、または少なくとも5cmの自由カンチレバー長さも可能にするほど耐傾斜性および耐屈曲性であるワイヤによって特に容易に実施することができる。
【0031】
ワイヤ26は、管腔25を通って延びるその全長にわたって均一に構成することができ、またはガス接合部18の内側または外側に接合部を有することができ、したがってセクションごとに異なる材料からなることができる。加えて、ワイヤ26は、表面コーティングすることができ、例えば、完全にまたは部分的に銀コーティングまたは別の金属コーティング、例えば銅コーティングを含むことができる。その表面に不動に接着する非金属コーティング、特に熱可塑性コーティングに加えて、ワイヤ(例えば、むき出しの鋼ワイヤまたは金属コーティングされた鋼ワイヤ)を提供することも可能である。非金属コーティングは、ワイヤの全長にわたって、あるいはその長さの一セクション、例えばホース12から突出する部分にわたってのみ延びることができる。
【0032】
穿刺穴27は、ワイヤ26自体によって穿刺されることが好ましく、したがって材料を除去することなく生成される。ワイヤ26が穿刺穴27から取り外される場合、穿刺穴は、図4に示すように、壁20の弾性解放下で少なくともほぼまたは完全に再度閉じる。しかし、図5に示すように、ワイヤ26が穿刺穴27内に存在する場合、壁20は、予張力を受けてワイヤ26に当接し、したがってそこで封止する。そうすることで、穿刺穴27の壁は、ワイヤ26と気密なワイヤ通路を形成する。
【0033】
好ましくは、穿刺穴27は、貫通路21の長手方向軸22に対して鋭角に配置される。それにより、穿刺穴27と長手方向軸22との間に制限される角度は、90°以下、好ましくは80°未満、さらに好ましくは70°未満、最良には60°未満である。他方では、角度は、10°より大きく、好ましくは20°より大きく、より良好には30°より大きく、好ましくは40°より大きい。この寸法設定により、簡単な生産性と同時にワイヤ通路の良好な密封性が達成される。
【0034】
ワイヤ36は、ワイヤ26とホース12との間に軸方向に堅固な接続が存在しないように、管腔25の内側に緩く配置することができる。しかし、ワイヤ26は、例えば、それぞれ配置されたホルダによって、または管腔25の内側のホース12の構造によって、ホース12と軸方向に不動に接続することもできる。
【0035】
本発明をさらに説明するために、図6および図7は、ガス接合部18の本質的な製造ステップを示す。
【0036】
ガス接合部18を製造するには、まず、中空円筒本体19およびワイヤ26が提供される。ワイヤ26は、むき出しのワイヤとして提供することができ、またはホース12に接続されている場合にはホース12と共に提供することができるが、それによって、ワイヤ26の近位端28は、ホース12の近位端24から、例えば1cm~2cm、または数センチメートルの所望の量だけ突出する。
【0037】
本体19は、ここで、ホース状本体19が約30°以上傾斜している屈曲部位29を有する、図6に示す傾斜した形状にされる。90°を超える角度が好ましい。ホース12の近位端24をその中に配置するために設けられた少なくとも1つの直線状脚部30が、屈曲位置29から延びる。
【0038】
ここで、ワイヤ26は、その近位端28が壁20のこの位置に、好ましくはほぼ直角に当たるように、脚部30に挿入される。ワイヤ26のさらなる前進は、ワイヤ26が穿刺穴27を生成しながら壁20を貫通するという効果を有する。同時にまたは続いて、ホース12は、その近位端24が脚部30に挿入される。
【0039】
この手順を実行した後、この程度まで完成したガス接合部18は、屈曲部位29が再び解放および伸張することができるように保持デバイスから取り外される。次いで、ガス接合部18は、ほぼ図7に示す形状をとる。ワイヤ26および壁20のばね定数に応じて、壁は、再度完全に中空の円筒状に直線状であるか、または図7に示すように、依然としてわずかに傾斜されている。ただし、ワイヤ26は、穿刺穴27に液密に挿入されている。
【0040】
次のステップでは、ガス接合部18をコネクタハウジング15に設置することができる。この目的のために、図2から明らかなように、本体19は、その近位端が流体コネクタ31上に押し込まれ、流体コネクタは、ハウジング構造として構成することができ、ガス接続ピース16との流体接続を確立する。さらに、ワイヤ26の近位端28は、接点13または14(またはその両方)と電気的および機械的に接続することができ、例えば、はんだ付け、溶接、圧着、または他の方法で接続することができる。さらに、ガス接合部18は、クランプ構造体32に挿入され、少なくともここでは、本体19はホース12の近位端24を含んでいる。クランプ構造体32は、コネクタハウジング15のハウジングシェルの分離不可能な部分とすることができ、U字形の切り欠きをそれぞれ備えることができる1つまたは複数の壁セクション33、34、35、36から構成することができ、そのクリアランスは、本体19の外径よりわずかに小さい。本体は、ホース12の近位端24が本体19の内側のクランプデバイス32内にクランプされるように、壁セクション33から36によって半径方向内側に変形される。同時に、本体19は、耐引張式にハウジング15内側に固定される。好ましくは、クランプ構造体は、軸方向に弾性的に移動可能である。壁セクション33、34、35、36のウエブ幅は、可撓性本体の外径の1/5、1/7または1/10未満である。そうすることで、半体シェル内側のガス接合部の固定が改善される。
【0041】
図2には、下側ハウジングシェルのみが示されている。取り外された上側ハウジングシェルは、図2に示す壁セクション33から36の間を延び、したがってガス接合部18の内側のホース12のクランプを補完するクランプ構造体としての壁セクションを備えることができる。
【0042】
図8は、流体コネクタ31が、内部にガスフィルタ38が設けられたフィルタハウジングの一部である、本発明の拡張実施形態を示す。ガスフィルタ38は、供給装置から器具10への汚染物質の移送、ならびに器具10から供給装置への汚染物質の再移送を阻止する細孔体とすることができる。それ以外、上記の図1図7を参照して与えられた説明は、同じ参照符号に基づいてそれに応じて適用される。
【0043】
本発明による器具接続デバイス11は、器具10の一部であるか、または器具に通じるホース12の近位端24が挿入される可撓性壁20を有する可撓性ホース状本体19を備える。ホース12は、ホース12を通って長手方向に延びる管腔25を備える。加えて、ホース12の内側、例えば管腔25の内側に、ワイヤ26が配置される。ワイヤは、壁20の貫通中にワイヤ26それ自体が生み出す穿刺穴27を通って案内される。穿刺穴27は、好ましくは直線状であり、壁20を通って斜めに、すなわち半径方向ならびに長手方向中心軸線に対しても傾けられて案内する。
【符号の説明】
【0044】
10 器具
11 器具接続デバイス
12 ホース
13、14 電気接点
15 コネクタハウジング
16 ガス接続ピース
17 内部
18 ガス接合部
19 本体
20 壁
21 貫通路
22 長手方向中心軸
23 本体19の遠位端
24 ホース12の近位端
25 ホース12の管腔
26 ワイヤ
27 穿刺穴
28 ワイヤ26の近位端
29 屈曲部位
30 脚部
31 流体コネクタ
32 クランプ構造体
33-36 壁セクション
37 フィルタハウジング
38 ガスフィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】
図1
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