(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023005725
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】接合体の製造方法及び接合体の製造装置
(51)【国際特許分類】
C03C 27/04 20060101AFI20230111BHJP
H01L 23/02 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
C03C27/04 B
H01L23/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021107851
(22)【出願日】2021-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100129148
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 淳也
(72)【発明者】
【氏名】白神 徹
【テーマコード(参考)】
4G061
【Fターム(参考)】
4G061AA13
4G061BA03
4G061CA01
4G061CA03
4G061CB07
4G061CB13
4G061CC03
4G061CD02
4G061CD14
4G061CD16
4G061DA23
4G061DA35
(57)【要約】
【課題】接合体を支持する支持部材の位置ずれを防止する。
【解決手段】接合体の製造方法における接合工程は、積層体を支持装置に装着する支持工程を備える。支持装置は、積層体を押圧する押圧部材と、押圧部材を支持するベース部材と、積層体を支持する支持部材と、支持部材をベース部材に固定する固定機構と、を備える。支持工程では、固定機構によって支持部材をベース部材に固定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一基板と、第二基板と、前記第一基板と前記第二基板とを接合する封着層と、を備える接合体を製造する方法であって、
前記第一基板と前記第二基板との間に封着材料を介在させるとともに、前記第一基板と前記第二基板とを重ね合わせることにより積層体を形成する積層工程と、前記積層体における前記封着材料にレーザ光を照射することにより前記封着層を形成する接合工程と、を備え、
前記接合工程は、前記積層体を支持装置に装着する支持工程と、前記積層体を押圧する押圧工程と、前記封着材料に前記レーザ光を照射することにより前記封着層を形成するレーザ照射工程と、を備え、
前記支持装置は、前記積層体を押圧する押圧部材と、前記押圧部材を支持するベース部材と、前記積層体を支持する支持部材と、前記支持部材を前記ベース部材に固定する固定機構と、を備え、
前記支持工程では、前記固定機構によって前記支持部材を前記ベース部材に固定することを特徴とする接合体の製造方法。
【請求項2】
前記固定機構は、頭部及び軸部を有する固定部材と、前記支持部材に形成されるとともに前記軸部を挿通可能な孔とを含む請求項1に記載の接合体の製造方法。
【請求項3】
前記固定機構は、頭部及び軸部を有する固定部材と、前記支持部材に形成されるとともに前記頭部及び前記軸部を挿通可能な孔と、前記支持部材に形成されるとともに前記頭部を係止する凹部と、前記支持部材に形成されるとともに前記軸部を前記孔と前記凹部との間で相対的に移動させる案内溝と、を含む請求項1に記載の接合体の製造方法。
【請求項4】
前記固定部材の前記軸部は、雄ねじ部を有し、
前記ベース部材は、前記雄ねじ部に係合するねじ穴を有する請求項2又は3に記載の接合体の製造方法。
【請求項5】
前記ベース部材は、前記支持部材を支持する弾性部材を備え、
前記支持工程において、前記固定部材は、前記弾性部材を弾性変形させた状態で、前記支持部材を前記ベース部材に固定する請求項1から4のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
【請求項6】
前記支持部材は、前記積層体を収容する収容部を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
【請求項7】
第一基板と、第二基板と、前記第一基板と前記第二基板とを接合する封着層と、を備える接合体を製造する装置であって、
前記第一基板と前記第二基板との間に封着材料を介在させるとともに、前記第一基板と前記第二基板とを重ね合わせることにより構成される積層体を支持する支持装置と、前記積層体における前記封着材料にレーザ光を照射することにより前記封着層を形成するレーザ照射装置と、を備え、
前記支持装置は、前記積層体を押圧する押圧部材と、前記押圧部材を支持するベース部材と、前記積層体を支持する支持部材と、前記支持部材を前記ベース部材に固定する固定機構と、を備え、
前記固定機構によって前記支持部材を前記ベース部材に固定するように構成されることを特徴とする接合体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を接合することによって接合体を製造する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、LED素子その他の電子素子は、劣化防止のために気密パッケージ内に収容される。気密パッケージは、例えば基材である第一基板と、ガラス基板からなる第二基板とを接合することで、接合体として構成される。
【0003】
例えば特許文献1には、基材(接合対象部材)である第一基板と、ガラス部材からなる第二基板との間に封着材料(接合材)を介在させ、封着材料を加熱することで接合体を製造する方法が開示されている。
【0004】
この製造方法では、第一基板と第二基板との間に封着材料を配置した積層体を準備し、この積層体を治具に装着し、治具の内部の気圧を調整することで積層体を押圧する。さらに、積層体を押圧した状態で、封着材料にレーザ光を照射し、封着材料から接合部を形成することで、接合体が製造される(同文献の段落0036~0046参照)。
【0005】
この製造方法に使用される治具は、積層体を支持する治具本体と、積層体を押圧する治具本体用蓋体とを備える。
【0006】
治具本体は、治具本体の凹部内に配置された積層体を治具本体用蓋体に向けて付勢する付勢部をさらに備えている。付勢部は、圧縮力に抗する付勢部本体と、付勢部本体と積層体との間に配置される付勢板と、を備える。
【0007】
付勢部本体は、複数のプランジャと、複数のプランジャが装着される基台と、を備える。付勢板は、付勢部本体のプランジャに支持されており、付勢部本体による付勢力を積層体に対してより均一に伝達することができる。積層体は、治具本体の凹部に収容される際に、付勢板に載置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような従来の接合体の製造方法では、付勢部の付勢板は、付勢部本体のプランジャに接触した状態で支持されていることから、積層体が載置される際に位置ずれを生じ易く、付勢板の位置がずれると、付勢板に載置された積層体の位置も変わることから、積層体に対するレーザ光の照射位置の調整が必要となり、作業が煩雑になるおそれがあった。
【0010】
本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、接合体を支持する支持部材の位置ずれを防止することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、第一基板と、第二基板と、前記第一基板と前記第二基板とを接合する封着層と、を備える接合体を製造する方法であって、前記第一基板と前記第二基板との間に封着材料を介在させるとともに、前記第一基板と前記第二基板とを重ね合わせることにより積層体を形成する積層工程と、前記積層体における前記封着材料にレーザ光を照射することにより前記封着層を形成する接合工程と、を備え、前記接合工程は、前記積層体を支持装置に装着する支持工程と、前記積層体を押圧する押圧工程と、前記封着材料に前記レーザ光を照射することにより前記封着層を形成するレーザ照射工程と、を備え、前記支持装置は、前記積層体を押圧する押圧部材と、前記押圧部材を支持するベース部材と、前記積層体を支持する支持部材と、前記支持部材を前記ベース部材に固定する固定機構と、を備え、前記支持工程では、前記固定機構によって前記支持部材を前記ベース部材に固定することを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、固定機構によって支持部材をベース部材に固定することで、支持工程における支持部材の位置ずれを確実に防止することができる。
【0013】
前記固定機構は、頭部及び軸部を有する固定部材と、前記支持部材に形成されるとともに前記軸部を挿通可能な孔とを含んでもよい。これにより、支持部材をベース部材に好適に固定することができる。
【0014】
前記固定機構は、頭部及び軸部を有する固定部材と、前記支持部材に形成されるとともに前記頭部及び前記軸部を挿通可能な孔と、前記支持部材に形成されるとともに前記頭部を係止する凹部と、前記支持部材に形成されるとともに前記軸部を前記孔と前記凹部との間で相対的に移動させる案内溝と、を含んでもよい。
【0015】
かかる構成によれば、ベース部材に対する支持部材の取り付け、取り外しを容易に行うことができる。
【0016】
前記固定部材の前記軸部は、雄ねじ部を有し、前記ベース部材は、前記雄ねじ部に係合するねじ穴を有してもよい。かかる構成によれば、ベース部材のねじ穴に係合させた固定部材の軸部の位置を変更することで、支持部材の位置を調整することが可能となる。
【0017】
前記ベース部材は、前記支持部材を支持する弾性部材を備え、前記支持工程において、前記固定部材は、前記弾性部材を弾性変形させた状態で、前記支持部材を前記ベース部材に固定してもよい。これにより、積層体を押圧する際に、弾性部材の弾性復元力によって支持部材を付勢することができる。
【0018】
前記支持部材は、前記積層体を収容する収容部を有してもよい。収容部に積層体を収容することで、支持部材に対する積層体の位置ずれを防止することができる。
【0019】
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、第一基板と、第二基板と、前記第一基板と前記第二基板とを接合する封着層と、を備える接合体を製造する装置であって、前記第一基板と前記第二基板との間に封着材料を介在させるとともに、前記第一基板と前記第二基板とを重ね合わせることにより構成される積層体を支持する支持装置と、前記積層体における前記封着材料にレーザ光を照射することにより前記封着層を形成するレーザ照射装置と、を備え、前記支持装置は、前記積層体を押圧する押圧部材と、前記押圧部材を支持するベース部材と、前記積層体を支持する支持部材と、前記支持部材を前記ベース部材に固定する固定機構と、を備え、前記固定機構によって前記支持部材を前記ベース部材に固定するように構成されることを特徴とする。
【0020】
かかる構成によれば、固定機構によって支持部材をベース部材に固定することで、積層体を支持部材に支持させる際における支持部材の位置ずれを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、接合体を支持する支持部材の位置ずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】
図1のII-II矢視線に係る断面図である。
【
図6】
図5のVI-VI矢視線に係る断面図である。
【
図10】支持部材をベース部材に取り付ける方法を示す断面図である。
【
図11】支持部材をベース部材に取り付ける方法を示す平面図である。
【
図13】接合体の製造方法を示すフローチャートである。
【
図18】第二実施形態に係る接合体の製造装置を示す平面図である。
【
図20】支持部材をベース部材に取り付ける方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1乃至
図17は、本発明に係る接合体の製造方法及び製造装置の第一実施形態を示す。
【0024】
図1及び
図2は、本発明によって製造される接合体として、気密パッケージを例示する。接合体1は、基材となる第一基板2と、第一基板2に重ねられる第二基板3と、第一基板2と第二基板3とを接合する複数の封着層4と、第一基板2と第二基板3との間であって封着層4の内側に収容される素子5と、を備える。
【0025】
第一基板2は、例えば矩形状に構成されるが、この形状に限定されるものではない。第一基板2は、素子5が設置される第一主面2aと、第一主面2aの反対側に位置する第二主面2bとを有する。第一主面2aは、素子5を収容可能な凹部を有していてもよい。
【0026】
第一基板2は、高熱伝導性基板、例えばシリコン基板により構成されるが、これらに限定されず、他の金属基板、セラミックス基板、半導体基板その他の各種基板により構成されてもよい。なお、第一基板2の厚さは、0.1~5.0mmの範囲内であるが、この範囲に限定されない。
【0027】
第一基板2の熱伝導率は、第二基板3の熱伝導率よりも高くてもよい。第一基板2の20℃における熱伝導率は、好ましくは10~500W/m・K、より好ましくは30~300W/m・K、更に好ましくは70~250W/m・K、特に好ましくは100~200W/m・Kであるが、この範囲に限定されるものではない。
【0028】
第二基板3は、例えば矩形状の透明なガラス基板により構成されるが、この形状に限定されるものではない。第二基板3は、第一主面3aと、第一主面3aの反対側に位置する第二主面3bとを有する。
【0029】
第二基板3を構成するガラスとしては、例えば、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、低熱膨張係数を有する結晶化ガラスなどを用いることができる。第二基板3の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.01~2.0mmの範囲内のものが用いられる。第二基板3の20℃における熱伝導率は、好ましくは0.5~5W/m・Kであるが、この範囲に限定されない。
【0030】
複数の封着層4は、所定の配列パターンによって接合体1に形成されている。封着層4は、複数の封着材料を第一基板2と第二基板3との間に介在させ、当該封着材料にレーザ光を照射し、加熱により軟化流動させることによって形成される。
【0031】
図3は、第一基板2に接合される前の第二基板3の底面図を示す。第一基板2と第二基板3との間に封着材料を介在させる場合において、例えば第二基板3の第一主面3aに封着材料6を予め固着してもよい。これに限らず、封着材料は、第一基板2に予め固着されてもよく、シート状の封着材料を第一基板2と第二基板3との間に介在させてもよい。
【0032】
封着材料として、種々の材料が使用可能である。その中でも、封着強度を高める観点から、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合材料(ガラスフリット)を用いることが好ましい。ビスマス系ガラスだけでなく、銀リン酸系ガラス、テルル系ガラス等のガラス粉末を封着材料として使用することもできる。
【0033】
耐火性フィラー粉末としては、種々の材料が使用可能であるが、その中でも、コーディライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム系セラミック、ウイレマイト、β-ユークリプタイト、β-石英固溶体から選ばれる一種又は二種以上の材料により構成されることが好ましい。
【0034】
図1に示すように、封着層4は、素子5を収容する空間を接合するように、閉曲線状に構成されている。本発明において、「閉曲線」の用語は、曲線のみによって構成される形状のみならず、曲線と直線との組み合わせにより構成される形状、直線のみによって構成される形状(例えば四角形状その他の多角形状)を含む。
【0035】
封着層4の厚さは、1μm~20μmであることが好ましく、より好ましくは、3~8μmである。封着層4の幅寸法Wは、50~2000μmであることが好ましく、より好ましく100~1000μmである。
【0036】
素子5は、第一基板2の第一主面2aに搭載される。また、素子5は、第一基板2の第一主面2a、第二基板3の第一主面3a及び封着層4によって区画される空間(キャビティ)に配置される。素子5としては、深紫外LED(Light Emitting Diode)等の発光素子、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子、CCD(Charge Coupled Device)素子などの各種素子が使用され得る。
【0037】
図4乃至
図12は、接合体1の製造装置7を示す。
図4に示すように、製造装置7は、封着材料6を介して第一基板2と第二基板3をと積層することにより構成される積層体LMを支持する支持装置8と、積層体LMの封着材料6にレーザ光Lを照射することにより封着層4を形成するレーザ照射装置9と、を備える。
【0038】
図4乃至
図9に示すように、支持装置8は、積層体LMを支持する支持部材10と、積層体LMを押圧する押圧部材11と、押圧部材11を支持するベース部材12と、支持部材10をベース部材12に固定する固定機構13と、押圧部材11をベース部材12に固定する枠体14と、押圧部材11とベース部材12との間に配されるシール部材15と、押圧部材11とベース部材12との間に形成される、積層体LMの収容空間16と、収容空間16の気圧を調整する気圧調整装置17と、を備える。
【0039】
支持部材10は、積層体LMとともに収容空間16に配される。支持部材10は、例えば金属(ステンレス鋼等)により、円形状の板部材により構成される(
図7参照)。支持部材10の材質及び形状は本実施形態に限定されない。支持部材10は、第一面10aと、第一面10aの反対側に位置する第二面10bとを有する。第一面10aは、積層体LMを収容する収容部18を有する。本実施形態において、収容部18は、積層体LMを収容可能な凹部により構成されるが、収容部18の構成は、積層体LMを位置決めできる形態であれば特に制限はなく、例えば支持部材10の第一面10aに位置決め用突出部を複数設け、その内側の空間を収容部18としてもよい。
【0040】
図8に示すように、押圧部材11は、例えば円形に構成される透明なガラス板である。押圧部材11の厚さは、例えば3~10mmとされることが好ましい。押圧部材11のヤング率は、好ましくは50~80GPa、より好ましくは60~70GPaである。押圧部材11は、シール部材15及び積層体LMに接触する第一面11aと、枠体14に接触する第二面11bとを有する。
【0041】
ベース部材12は、金属(例えばステンレス鋼)により構成されるが、他の材料により構成されてもよい。ベース部材12は、収容空間16を形成するための壁部19及び底部20を有する。
【0042】
図5は、固定機構13によって支持部材10が固定されたベース部材12の平面図を示す。ベース部材12の壁部19は、円筒状に構成されるが、この形状に限定されない。壁部19の内側の中途部には、シール部材15が取り付けられる支持座部21が形成されている。支持座部21は、ベース部材12に取り付けられる押圧部材11と対向する面である。この支持座部21には、シール部材15が取り付けられる平面視円環状の溝部21aが形成されている。
【0043】
図4及び
図5に示すように、壁部19は、端面19a(上面)と、内周面19b,19cと、外周面19dとを有する。
【0044】
壁部19の端面19aには、固定部材22を介して枠体14が固定される。固定部材22は、例えばボルト、ねじ部材により構成され、頭部22a及び軸部22bを有する。この端面19aには、固定部材22の軸部22bが係合する複数のねじ穴23が形成されている。
【0045】
壁部19の内周面19b,19cは、押圧部材11を支持座部21に案内するガイド面として機能する第一内周面19bと、支持部材10を挿通可能な第二内周面19cとを含む。第一内周面19bの直径は、押圧部材11の直径よりも大きい。第二内周面19cの直径は、支持部材10の直径よりも大きい。
【0046】
ベース部材12の底部20は、円筒状の壁部19の内側に形成されている。底部20は平面視円形の面により構成される。
【0047】
図4乃至
図6に示すように、固定機構13は、支持部材10を支持する弾性部材24と、支持部材10をベース部材12に固定する固定部材25と、支持部材10に形成されるとともに固定部材25の一部を挿通可能な挿通孔26と、支持部材10に形成されるとともに固定部材25の一部を係止する係止凹部27と、支持部材10に形成されるとともに固定部材25を挿通孔26と係止凹部27との間で相対的に移動させる案内溝28と、を含む。
【0048】
弾性部材24は、ベース部材12の底部20に取り付けられている。底部20には、複数の弾性部材24が配される。弾性部材24は、例えば圧縮コイルばねにより構成されるが、これに限らず、他のばねや、ゴムその他の材料により構成されてもよい。底部20には、弾性部材24の一部を収容する複数の取付凹部29が形成されている。弾性部材24は、一端部が取付凹部29に挿入され、他端部が底部20から突出している。この弾性部材24は、その弾性復元力により、支持部材10を付勢する機能を有する。
【0049】
固定部材25は、例えばボルト、ねじ部材により構成され、頭部25a及び軸部25bを有する。頭部25aは、軸部25bの直径よりも大きな寸法(直径)を有する。軸部25bは、雄ねじ部30を有する。軸部25bは、ベース部材12の底部20に固定される。ベース部材12の底部20には、この軸部25bが嵌まるねじ穴31が形成されている。
【0050】
図7に示すように、挿通孔26は、平面視において円形状に構成されるが、この形状に限定されない。挿通孔26は、固定部材25の頭部25a及び軸部25bを挿通することができるように、頭部25aの寸法(直径)よりも大きな直径を有する。
【0051】
係止凹部27は、固定部材25の頭部25aを挿入することが可能な側壁面27aと、この頭部25aを係止する底面27bとを有する。側壁面27aは、平面視において円形に構成されるが、この形状に限定されない。側壁面27aは、固定部材25の頭部25aに接触しないように、頭部25aの寸法よりも大きな直径を有する。底面27bは、頭部25aに接触するように構成される。
【0052】
案内溝28は、固定部材25の軸部25bが挿通されるように、支持部材10をその厚さ方向に貫通している。案内溝28は、固定部材25の軸部25bを挿通孔26と係止凹部27との間で相対的に移動させるように、固定部材25の挿通孔26と係止凹部27の底面27bとに繋がっている。具体的には、案内溝28の一端部は、挿通孔26の内周面と連通している。案内溝28の他端部は、係止凹部27の底面27bの中心に位置する。
【0053】
案内溝28は、平面視において円弧状又は直線状に構成される。案内溝28は、支持部材10をその中心まわりに回転させることにより、固定部材25の軸部25bを、挿通孔26と係止凹部27との間で相対的に移動させることができる。
【0054】
図9に示すように、枠体14は、平面視円環状に構成される板状部材である。枠体14は、固定部材22によってベース部材12の壁部19の端面19aに固定される。枠体14は、固定部材22の軸部22bが挿通される挿通孔32と、固定部材22の頭部22aを収容する係止凹部33と、筒部34と、開口部35と、を備える。
【0055】
図4及び
図9に示すように、挿通孔32及び係止凹部33は、平面視において同心状に形成される。枠体14には、複数の挿通孔32及び係止凹部33が形成されている。筒部34は、ベース部材12の壁部19に形状に対応するように、円筒状に構成される。筒部34の内周面の直径は、ベース部材12の壁部19における外周面19dの直径よりも大きい。開口部35は、平面視において円形に構成されている。開口部35の直径は、押圧部材11の直径よりも小さい。
【0056】
シール部材15は、ゴム等の弾性部材(例えばOリング)により構成される。
図4及び
図5に示すように、シール部材15は、ベース部材12の支持座部21に形成される円環状の溝部21aに配される。シール部材15は、押圧部材11と密着することにより、収容空間16を密閉する。
【0057】
図8に示すように、シール部材15は、押圧部材11とベース部材12との間で、積層体LMを円形に囲むように構成される。シール部材15の円形状におけるその直径は、押圧部材11の直径よりも小さく、支持部材10の直径よりも大きい。
【0058】
積層体LMの収容空間16は、押圧部材11と、ベース部材12と、シール部材15とによって形成される空間である。収容空間16は、ベース部材12の支持座部21に取り付けられたシール部材15に押圧部材11を密着させることにより、気密な状態となる。収容空間16には、積層体LM、支持部材10及び固定機構13が収容され得る。
【0059】
図4に示すように、気圧調整装置17は、ベース部材12に形成されるとともに、収容空間16内の気体を流出させる流路36と、この流路36に接続される配管37と、配管37の中途部に設けられる調整弁38と、ポンプ39とを主に備える。流路36は、ベース部材12の底部20に形成される吸引口36aと、ベース部材12の外面に形成される排気口36bとを含む。気圧調整装置17は、ポンプ39により収容空間16内の空気を吸引することで、収容空間16内の気圧を低下させ、収容空間16を大気に対し負圧にすることができる。
【0060】
レーザ照射装置9としては、半導体レーザを照射するものが好適に使用されるが、これに限らず、YAGレーザ、グリーンレーザ、超短パルスレーザ等の各種レーザを照射する装置を使用してもよい。
【0061】
以下、固定機構13によって支持部材10をベース部材12に固定する方法について説明する。まず、
図10に示すように、固定部材25の軸部25bをベース部材12のねじ穴31に取り付けた状態で、支持部材10をベース部材12に対し、その上方から接近させる。その後、支持部材10を下降させつつ、
図11及び
図12に示すように、挿通孔26を固定部材25の頭部25a及び軸部25bに挿通する。この場合において、ベース部材12に取り付けられている弾性部材24の上端部が支持部材10の第二面10bに接触する。
【0062】
その後、固定部材25の頭部25aが
図12に示すように支持部材10の第一面10aから突出するように、支持部材10を弾性部材24に押し付ける。弾性部材24は、弾性変形しながら収縮する。これにより、弾性部材24は、支持部材10を押し付ける力に抗する弾性復元力が生じる。
【0063】
次に、頭部25aが突出した状態を維持しつつ、
図11において矢印で示すように、支持部材10を平面視において反時計回りに回転させる。これにより、挿通孔26に挿通されていた軸部25bは、案内溝28を通じて係止凹部27に向かって相対的に移動する。
図12において二点鎖線で示すように、案内溝28によって係止凹部27に向かって相対的に移動した固定部材25は、頭部25aが係止凹部27の上方に位置することとなる。
【0064】
その後、支持部材10を弾性部材24に押し付ける力を解除すると、弾性部材24の付勢力によって、支持部材10が押し上げられる。これにより、固定部材25の頭部25aが係止凹部27に入る。係止凹部27は、底面27bがこの頭部25aに接触することで固定部材25に係止される。この状態において、弾性部材24は自由長まで戻らず、弾性復元力により支持部材10を付勢し続けることが望ましい。
【0065】
弾性部材24が支持部材10を付勢する力は、固定部材25を軸心まわりに回転させ、軸心方向における頭部25aの位置を変更することで、調整することが可能である。この位置調整が可能となるように、固定部材25の軸部25bの端部は、ベース部材12に形成されるねじ穴31に底部に位置することなく、ねじ穴31の中途部に位置することが好ましい。
【0066】
支持部材10をベース部材12から取り外す際には、支持部材10を弾性部材24に対して押し付け、弾性部材24を収縮させるとともに、固定部材25の頭部25aが係止凹部27から出るように支持部材10を下方に移動させる。その後、支持部材10を平面視において時計回りに回転させる。これにより、固定部材25の軸部25bが案内溝28に係合する。その後、支持部材10と固定部材25の相対的な移動により、軸部25bは、挿通孔26に配置される。
【0067】
次に、第一面10a側から第二面10b側に向かって固定部材25の頭部25aが挿通孔26を通過するように、支持部材10を持ち上げる。これにより、支持部材10は、ベース部材12から取り外される。
【0068】
上記のように、固定機構13によって、支持部材10をベース部材12に対する取り付け、又は取り外しを容易に行うことが可能となる。また、ねじ穴31に対する固定部材25の位置を調節することで、積層体LMの厚さに応じて、支持部材10の固定位置を調整することが可能となる。
【0069】
以下、上記構成の製造装置7を使用して接合体1を製造する方法について、
図13乃至
図17を参照しながら説明する。
図13に示すように、本方法は、積層工程S1と、接合工程S2とを備える。
【0070】
図14に示すように、積層工程S1では、まず、第一基板2の第一主面2aと、第二基板3の第一主面3aとが対向するように、第一基板2と第二基板3とを重ね合わせる。なお、第一基板2の第一主面2aには、予め素子5が設置されている。素子5が封着材料6の内側に位置するように、第一基板2と第二基板3とが積層されることで、積層体LMが形成される。
【0071】
図15に示すように、接合工程S2は、支持工程S21と、押圧工程S22と、レーザ照射工程S23とを備える。
【0072】
支持工程S21では、積層工程S1によって形成された積層体LMを支持装置8に装着する。すなわち、
図16に示すように、まず、固定機構13によってベース部材12に取り付けられている支持部材10の収容部18に積層体LMを収容する。
【0073】
図17に示すように、積層体LMの厚さ寸法TLMは、収容部18の深さ寸法Dよりも大きいことが好ましい。積層体LMは、第二基板3の厚さ方向の一部が収容部18から押圧部材11に向かって食み出るように収容部18に収容される。第二基板3の厚さ方向の一部が凹部から食み出る寸法PD1は、第二基板3の厚さ寸法Tの0.05~0.95倍(0.05T≦PD1≦0.95T)とされることが好ましい。
【0074】
次に、押圧部材11をベース部材12の支持座部21に取り付けられているシール部材15に載置する。これにより、押圧部材11の第一面11aがシール部材15に接触する。この場合において、押圧部材11と、シール部材15と、積層体LMとが同心状になるように配されることが好ましい。また、この状態において、押圧部材11の第一面11aが積層体LMにおける第二基板3の第二主面3bに接触してもよい。
【0075】
その後、ベース部材12における壁部19の端面19aに枠体14を載せ、固定部材22によって枠体14を壁部19に固定する。すなわち、枠体14の挿通孔32をベース部材12の壁部19のねじ穴23に一致させ、固定部材22の軸部22bを挿通孔32に挿通した後にねじ穴23に係合させ、固定部材22を締め付ける。この状態において、枠体14は、シール部材15とともに押圧部材11を挟持する。また、枠体14の開口部35は、押圧部材11の第二面11bの一部をレーザ照射装置9に向かって露出させる。これにより、積層体LMの支持装置8への装着が完了する。これにより、積層体LMは、支持部材10とともに収容空間16内に収容された状態となる。
【0076】
なお、支持工程S21において、収容空間16内には、例えばドライエアが充填されてもよい。これにより、製造される積層体LMに形成されるキャビティ内を水分の少ない状態にすることができ、気密パッケージ内の素子5の性能が劣化することを回避することができる。ここで、ドライエアとは、乾燥処理により水分が除去された気体をいい、圧力が変動しても水が生じない気体を意味する。ドライエアとしては、例えば、製造装置7が配された環境の気体を乾燥したものや高純度の窒素ガス等を使用することができる。
【0077】
例えばドライエアが満たされた作業空間に支持装置8を配置し、この作業空間内で上記の支持工程S21を行うことで、収容空間16内に充填されることが好ましい。これにより収容空間16内だけでなく、積層体LMにおける第一基板2と第二基板3との間であって、封着材料6の内側の空間(素子5の収容空間)にもドライエアが充填されることになる。
【0078】
その後の押圧工程S22では、収容空間16内の気体を、気圧調整装置17の流路36を通じてポンプ39により吸引し、外部に排出する。これにより、収容空間16の気圧が低下し、大気に対し負圧となる。この負圧の作用により、押圧部材11の第一面11aは、シール部材15に密着するとともに積層体LMの第二基板3を押圧する。なお、押圧工程S22では、調整弁38を操作することにより、収容空間16内の圧力を調整することができる。収容空間16の気圧は、好ましくは100~95,000Pa、より好ましくは1,000~85,000Paである。
【0079】
押圧工程S22において、押圧部材11は、収容空間16の負圧の作用により、積層体LMを押圧するように撓むことが好ましい。
【0080】
図4に示すように、レーザ照射工程S23では、レーザ照射装置9からレーザ光Lを積層体LMの封着材料6に照射することにより、この封着材料6を加熱する(加熱工程)。レーザ光Lは、押圧部材11及び第二基板3を透過して封着材料6に照射される。接合工程S2では、レーザ光Lの照射により封着材料6の軟化点以上の温度又は封着材料6が軟化流動する温度で封着材料6を加熱する。レーザ光Lは、封着材料6の閉曲線に沿って周回するように照射される。
【0081】
レーザ光Lの波長は、600~1600nmであることが好ましい。使用されるレーザとしては、半導体レーザが好適に使用されるが、これに限らず、YAGレーザ、グリーンレーザ、超短パルスレーザ等の各種レーザを使用してもよい。
【0082】
レーザ光Lにより加熱されることで、封着材料6は、軟化流動し、その後に固化する。これにより、第一基板2と第二基板3とを気密に接合する封着層4が形成される。以上により、第一基板2、第二基板3及び封着層4を備える接合体1が製造される。接合体1は、枠体14及び押圧部材11がベース部材12から取り外された後に、支持部材10から取り外される。
【0083】
以上説明した本実施形態に係る接合体1の製造方法及び製造装置7によれば、固定機構13によって支持部材10をベース部材12に固定することで、支持工程S21において、積層体LMを支持部材10の収容部18に収容させる際に、支持部材10の位置ずれを確実に防止することができる。
【0084】
図18乃至
図22は、本発明の第二実施形態を示す。本実施形態では、積層体LMの構成、及び製造装置7の支持装置8の構成が第一実施形態と異なる。
【0085】
図18に示すように、支持装置8の押圧部材11は、支持部材10の収容部18に挿入される凸部40を有する。凸部40は、押圧部材11の第一面11aに形成されている。凸部40は円柱状に構成されるが、この形状に限定されない。凸部40の突出寸法PD2は、収容部18の深さ寸法Dよりも小さい(
図21参照)。凸部40は、積層体LMの第二基板3の第二主面3bに面接触する押圧面41を有する。
【0086】
図19に示すように、支持装置8の支持部材10は、平面視円形状の収容部18を有する。積層体LMは、この収容部18に係合するように、平面視円形状に構成される(図示省略)。すなわち、積層体LMの第一基板2及び第二基板3は、円板状に構成される。
【0087】
図18乃至
図22に示すように、固定機構13は、第一実施形態と同じ弾性部材24及び固定部材25の他、支持部材10に形成される、挿通孔26及び係止凹部27を有する。なお、本実施形態に係る支持部材10には、第一実施形態における案内溝28が形成されていない。
【0088】
挿通孔26の直径は、固定部材25の軸部25bの直径よりも大きく、頭部25aの直径よりも小さい。したがって、挿通孔26は、固定部材25の軸部25bを挿通させることはできるが、頭部25aを通過させることができない。
【0089】
係止凹部27は、第一実施形態と同様に、平面視円形の側壁面27aと、固定部材25の頭部25aを係止する底面27bとを有する。係止凹部27は、平面視において挿通孔26と同心状に形成される。
【0090】
本実施形態に係る支持部材10は、以下のようにしてベース部材12に取り付けられる。まず、
図20に示すように、固定機構13の固定部材25をベース部材12のねじ穴31から取り外した状態で、支持部材10をベース部材12に取り付けられている弾性部材24に載置する。
【0091】
次に、平面視において、支持部材10の挿通孔26と、ベース部材12のねじ穴31と一致させ、挿通孔26に固定部材25の軸部25bを挿通する。その後、この軸部25bをねじ穴31に係合させる。これにより、固定部材25の頭部25aは、係止凹部27の底面27bに接触し、支持部材10を係止する。以上により、支持部材10は、固定機構13によってベース部材12に固定される。
【0092】
図18、
図21及び
図22に示すように、支持装置8は、収容部18に係合する調整板42を備える。本実施形態では、一枚の調整板42を例示するが、複数の調整板42を使用してもよい。調整板42は、例えば円形のガラス板又は金属板により構成される。調整板42は、収容部18の底部に載置されることにより、収容部18の深さを調整する。この使用態様に限らず、調整板42を透明なガラス板とし、収容部18に収容された積層体LMにおける第二基板3の第二主面3bにこの調整板42を重ねて使用してもよい。
【0093】
本実施形態に係る固定機構13及び調整板42は、第一実施形態の支持装置8に使用してもよい。
【0094】
以下、本実施形態に係る接合体の製造方法において、第一実施形態と異なる点について説明する。
図21に示すように、本実施形態に係る接合体の製造方法では、支持工程S21において、支持部材10の収容部18に調整板42と収容し、その後、積層体LMをこの収容部18に収容する。
【0095】
図22に示すように、本実施形態に係る収容部18の深さ寸法Dは、積層体LMの厚さ寸法TLMよりも大きい。このため、積層体LMは、第二基板3の一部が収容部18から食み出ることもなく、その全てが収容部18に収容される。
【0096】
次に、押圧部材11をベース部材12に取り付けられたシール部材15に載置する。このとき、押圧部材11の凸部40は、支持部材10の収容部18に挿入される。凸部40の押圧面41は、収容部18に収容された積層体LMにおける第二基板3の第二主面3bに接触する。
【0097】
押圧工程S22において、この押圧面41は、積層体LMの第二基板3を押圧する。その後のレーザ照射工程S23において、レーザ光Lは、押圧部材11の凸部40及び積層体LMの第二基板3を透過して、封着材料6に照射される。
【0098】
本実施形態におけるその他の構成は、第一実施形態と同じである。本実施形態において第一実施形態と同じ構成要素には、共通の符号を付している。
【0099】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 接合体
2 第一基板
3 第二基板
4 封着層
6 封着材料
8 支持装置
10 支持部材
11 押圧部材
12 ベース部材
13 固定機構
18 収容部
24 弾性部材
25 固定機構の固定部材
26 挿通孔
27 係止凹部
28 案内溝
30 雄ねじ部
31 ねじ穴
L レーザ光
LM 積層体
S1 積層工程
S2 接合工程
S21 支持工程
S22 押圧工程
S23 レーザ照射工程