(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057252
(43)【公開日】2023-04-21
(54)【発明の名称】電磁機器のタンク
(51)【国際特許分類】
H01F 27/02 20060101AFI20230414BHJP
H01F 30/10 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
H01F27/02 D
H01F27/02 B
H01F30/10 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166661
(22)【出願日】2021-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】上野 寛輝
【テーマコード(参考)】
5E059
【Fターム(参考)】
5E059AA02
5E059DD05
5E059DD07
5E059KK04
(57)【要約】
【課題】電磁機器の分割可能なタンクであって、分割部の強度がより大きく、事故時などに内部から漏れる絶縁油の量をより少なくできるタンクを提供する。
【解決手段】本発明による、電磁機器のタンクは、上部タンク1と、下部タンク2と、上部タンク1と下部タンク2の間に位置する中間タンク3とに分割可能である。中間タンク3は、水平方向に分割された2つの部分タンク3a、3bを備える。部分タンク3a、3bは、外部連結部材8、補強板7、及び内部連結部材9で互いに接合されている。外部連結部材8は、中間タンク3の外部に設置され、部分タンク3a、3bが外部に備えるフランジ部を挟むU字形状の部材で構成されている。補強板7は、中間タンク3の外部に設置され、平面状の板状部材で構成されている。内部連結部材9は、中間タンク3の内部に設置され、部分タンク3a、3bが内部に備えるフランジ部を挟むU字形状の部材で構成されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部タンクと、
前記上部タンクの下方に位置する下部タンクと、
前記上部タンクと前記下部タンクの間に位置する中間タンクと、
に分割可能であり、
前記中間タンクは、水平方向に分割された2つの部分タンクを備え、
2つの前記部分タンクは、外部連結部材、補強板、及び内部連結部材で互いに接合されており、
前記外部連結部材は、前記中間タンクの外部に設置され、2つの前記部分タンクが外部に備えるフランジ部を挟むU字形状の部材で構成されており、
前記補強板は、前記中間タンクの外部に設置され、平面状の板状部材で構成されており、
前記内部連結部材は、前記中間タンクの内部に設置され、2つの前記部分タンクが内部に備えるフランジ部を挟むU字形状の部材で構成されている、
ことを特徴とする、電磁機器のタンク。
【請求項2】
前記中間タンクは、幅方向の長さが長さ方向の長さより短く、前記幅方向に分割された2つの前記部分タンクを備え、
前記幅方向に分割された前記部分タンクは、前記外部連結部材、前記補強板、及び前記内部連結部材で互いに接合されている、
請求項1に記載の電磁機器のタンク。
【請求項3】
前記中間タンクは、前記幅方向に分割された前記部分タンクのそれぞれが前記長さ方向に少なくとも2つの部分タンクに分割されており、
前記長さ方向に分割された前記部分タンクは、前記外部連結部材、前記補強板、及び前記内部連結部材で互いに接合されている、
請求項2に記載の電磁機器のタンク。
【請求項4】
前記幅方向に分割された前記部分タンクのそれぞれは、外部に突出する突起部を備え、
前記補強板は、前記部分タンクの前記突起部に前記幅方向の外側から接触する複数の突起部を備える、
請求項2に記載の電磁機器のタンク。
【請求項5】
前記長さ方向に分割された前記部分タンクのそれぞれは、外部に突出する突起部を備え、
前記長さ方向に分割された前記部分タンクを接合する前記補強板は、前記長さ方向に分割された前記部分タンクの前記突起部に前記長さ方向の外側から接触する複数の突起部を備える、
請求項3に記載の電磁機器のタンク。
【請求項6】
前記下部タンクは、前記上部タンクよりも多くの梁を備えるとともに、前記上部タンクよりも多くの折曲部を有する形状を持つ、
請求項1に記載の電磁機器のタンク。
【請求項7】
水平方向に分割された2つの前記部分タンクは、ボルトにより互いに接合されている、
請求項1に記載の電磁機器のタンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁機器のタンク、特に、電磁機器の分割可能なタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁機器は、巻線と鉄心と絶縁媒体(絶縁油)とこれらを収容するタンク(筐体)を備える機器である。電磁機器の例には、変圧器、モーター、及び発電機を含めることができる。
【0003】
変圧器などの電磁機器には、高電圧化と大容量化のために大型のものがある。大型の変圧器を都心の地下や山間部に設置するためには、輸送時の寸法と重量についての制限のために、組立てた変圧器を分割して輸送し、据付場所で再度組立てる必要がある。
【0004】
特許文献1には、分割して輸送することができる分割輸送変圧器の例が記載されている。特許文献1に記載された分割輸送変圧器では、密閉容器が上部タンクと中間タンクと下部タンクとに分割され、中間タンク側面の途中を上下方向に切断することによって中間タンクがさらに複数の単位に分割されており、密閉容器を真空引きしたときに中間タンクの側面に発生する曲げ応力の最も小さくなる位置で中間タンクが切断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、大型の変圧器を輸送するには、変圧器のタンクが分割可能であるのが好ましい。分割可能なタンクは、変圧器の製作時、使用時、及び事故発生時に生じる様々な荷重条件に耐えうる必要がある。例えば、万が一、事故時に想定外の大きな内圧がタンクに生じた場合には、絶縁油がタンクの内部から外部に大量に放出され、火災発生につながることもあり得る。
【0007】
本発明の目的は、電磁機器の分割可能なタンクであって、分割部の強度がより大きく、事故時などに内部から漏れる絶縁油の量をより少なくできるタンクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による、電磁機器のタンクは、上部タンクと、前記上部タンクの下方に位置する下部タンクと、前記上部タンクと前記下部タンクの間に位置する中間タンクとに分割可能である。前記中間タンクは、水平方向に分割された2つの部分タンクを備える。2つの前記部分タンクは、外部連結部材、補強板、及び内部連結部材で互いに接合されている。前記外部連結部材は、前記中間タンクの外部に設置され、2つの前記部分タンクが外部に備えるフランジ部を挟むU字形状の部材で構成されている。前記補強板は、前記中間タンクの外部に設置され、平面状の板状部材で構成されている。前記内部連結部材は、前記中間タンクの内部に設置され、2つの前記部分タンクが内部に備えるフランジ部を挟むU字形状の部材で構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、電磁機器の分割可能なタンクであって、分割部の強度がより大きく、事故時などに内部から漏れる絶縁油の量をより少なくできるタンクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1B】分割部で分割された中間タンクを上方から見た図。
【
図1C】分割部で分割された中間タンクを上方から見た図。
【
図10】本発明の実施例2によるタンクを上方から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によるタンクは、変圧器、モーター、及び発電機などの電磁機器に用いることができる。電磁機器は、巻線と鉄心と絶縁媒体(絶縁油)とこれらを収容するタンク(筐体)を備え、例えば、変圧器、モーター、及び発電機などに代表される機器である。以下の実施例では、一例として、電磁機器として変圧器を示し、変圧器に用いられるタンクについて説明する。
【0012】
本発明によるタンクは、上部タンクと、上部タンクの下方に位置する中間タンクと、中間タンクの下方に位置する下部タンクを備え、中間タンクが水平方向に分割可能である。中間タンクが水平方向に分割された部分(部分タンク)は、外部連結部材、補強板、及び内部連結部材という補強部材で互いに接合されている。外部連結部材は、中間タンクの外部に設置され、部分タンクのフランジ部を挟むU字形状の部材である。補強板は、中間タンクの外部に設置される板状部材である。内部連結部材は、中間タンクの内部に設置され、部分タンクのフランジ部を挟むU字形状の部材である。
【0013】
本発明によるタンクでは、補強部材により、強度が弱い中間タンクの分割部(部分タンクの接合部)の強度をより大きくすることができる。このため、事故時などで大きな内圧がタンクに生じた場合でも、圧力の上昇に十分に耐えうる強度を持ち、部分タンクが分離するのを防止でき、タンクの内部から漏れる絶縁油の量をより少なくすることができる。
【0014】
以下、本発明の実施例による、電磁機器のタンクを図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
【実施例0015】
本発明の実施例1によるタンクを、
図1Aから
図8を用いて説明する。本実施例によるタンクは、変圧器の分割可能なタンクであり、分割して輸送することができる。変圧器は、筐体であるタンクと、タンクに収容された絶縁媒体(例えば、絶縁油)と、絶縁油に浸漬されてタンクの内部に設置された鉄心と巻線を備える。
【0016】
図1Aは、本実施例によるタンク50の斜視図である。本実施例によるタンク50は、水平方向に長辺と短辺を有する形状を持つ。以下では、タンク50の長辺が延伸する方向を「長さ方向」と呼び、短辺が延伸する方向を「幅方向」と呼ぶ。すなわち、タンク50は、水平面で見ると、幅方向の長さが長さ方向の長さよりも短い。
【0017】
本実施例によるタンク50は、
図1Aの太線で示した3つの分割部4、5、6で分割可能な構成を備える。分割部4は、タンク50の上部に位置し、タンク50を上下方向(鉛直方向)に分割する。分割部6は、タンク50の下部に位置し、タンク50を上下方向に分割する。分割部5は、タンク50の上下方向の中央部に位置し、タンク50の分割部4と分割部6の間の部分を幅方向に分割する。
【0018】
本実施例によるタンク50は、分割部4、6で上下方向に3つに分割可能であり、上下方向の中央部が分割部5で幅方向に2つに分割可能である。具体的には、本実施例によるタンク50は、分割部4、6で分割される上部タンク1、下部タンク2、及び中間タンク3を備え、中間タンク3が分割部5で分割される第1部分タンク3aと第2部分タンク3bを備える。
【0019】
図2は、上部タンク1を示す図である。上部タンク1は、タンク50の上部に位置し、タンク50から分割部4で分割される構成要素である。上部タンク1の上部には、複数の上部タンク補強梁11が設置されている。上部タンク1は、折曲部(折れ曲がっている箇所)を複数備える形状を持つ。
【0020】
図3は、下部タンク2を示す図である。下部タンク2は、上部タンク1の下方、すなわちタンク50の下部に位置し、タンク50から分割部6で分割される構成要素である。下部タンク2の下部には、複数の下部タンク補強梁13が設置されている。下部タンク2は、折曲部を複数備える形状を持つ。
【0021】
中間タンク3は、
図1Aに示すように、上部タンク1と下部タンク2の間に位置し、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bに分割可能である。
【0022】
図4は、第1部分タンク3aを示す図である。
図5は、第2部分タンク3bを示す図である。第1部分タンク3aと第2部分タンク3bは、タンク50の上下方向の中央部に位置し、タンク50から分割部4、5、6で分割される構成要素である。すなわち、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bは、上部タンク1と下部タンク2の間に位置する中間タンク3が分割部5により水平方向(幅方向)に分割された構成要素である。
【0023】
図1Bは、分割部4で分割された中間タンク3を上方から見た図であり、上部タンク1と中間タンク3との接合位置を上方から見た図である。中間タンク3は、分割部5により第1部分タンク3aと第2部分タンク3bに分割されている。第1部分タンク3aと第2部分タンク3bは、フランジ部(突出部)を備え、このフランジ部を通るボルト10により互いに接合されている。ボルト10は、分割された第1部分タンク3aと第2部分タンク3bを互いに接合する際に、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bとの位置を合わせるための位置決めボルトである。
【0024】
第1部分タンク3aと第2部分タンク3bは、溶接で互いに接合されており、さらに、
図1Aと
図1Bに示すように、外部連結部材8、補強板7、及び内部連結部材9で互いに接合されている。外部連結部材8と補強板7は、タンク50の外部に設置され、内部連結部材9は、タンク50の内部に設置されて、それぞれが第1部分タンク3aと第2部分タンク3bとを接合する。
【0025】
図6は、
図1AのA部(第1部分タンク3aと第2部分タンク3bとの接合部)の拡大図であり、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bを互いに接合する外部連結部材8と補強板7を示す図である。すなわち、
図6は、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bとの接合部をタンク50の外部から見た図である。
図6には、分割部5も示している。
【0026】
図7は、
図1AのB面で切断した断面図であり、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bを互いに接合する内部連結部材9を示す図である。
図7は、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bとの接合部をタンク50の内部から見た図である。
【0027】
中間タンク3において、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bとの接合部は、タンク50の内圧に対して強度上の弱点部である。このため、本実施例によるタンク50では、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bとの接合部に、外部連結部材8、補強板7、及び内部連結部材9という補強部材を備える。外部連結部材8と補強板7は、中間タンク3の外部に設置され、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bを互いに接合する。内部連結部材9は、中間タンク3の内部に設置され、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bを互いに接合する。
【0028】
外部連結部材8は、U字形状(またはコの字形状)の板状部材で構成することができ、例えば鋼板などの金属製であるのが好ましい。第1部分タンク3aと第2部分タンク3bは、フランジ部(突出部)を外部に備え、このフランジ部が接合面となって互いに接合する。外部連結部材8は、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bのフランジ部を挟むU字形状の部材で構成されている。すなわち、外部連結部材8は、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bのフランジ部をU字部分で幅方向に挟むように、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bの外部に設けられている。
【0029】
補強板7は、平面状の板状部材で構成することができ、例えば鋼板などの金属製であるのが好ましい。補強板7は、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bの任意の位置に設けることができる。例えば、中間タンク3が外部に補強部材を備える場合には、この補強部材の上に設置することができる。
【0030】
図1Cは、
図1Bと同様に、分割部4で分割された中間タンク3を上方から見た図である。
図1Cには、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bのそれぞれが、外部に突出する突起部3a1、3b1を備え、補強板7が、突起部3a1、3b1にそれぞれ接触する複数の突起部7a、7bを備える構成を示している。突起部7a、7bは、補強板7から中間タンク3の内部に向かって突出する。なお、
図1Cには、一例として、補強板7が2つの突起部7a、7bを備える構成を示している。
【0031】
第1部分タンク3aと第2部分タンク3bは、外部に突出する突起部3a1、3b1を備えることができる。第1部分タンク3aと第2部分タンク3bがこのような突起部3a1、3b1を備える場合には、補強板7は、第1部分タンク3aの突起部3a1と第2部分タンク3bの突起部3b1にそれぞれ幅方向の外側から接触する突起部7a、7bを備えることができる。補強板7は、このような複数の突起部7a、7bにより、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bが幅方向に分離するのをより確実に防ぐことができる。
【0032】
外部連結部材8と補強板7は、上下方向に1つまたは複数設置することができる。外部連結部材8は、例えば溶接で、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bに固定される。補強板7は、例えばボルトで、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bに固定される。
【0033】
図8は、内部連結部材9を示す図である。
図8には、内部連結部材9の正面図と平面図(上面図)を示している。
【0034】
内部連結部材9は、U字形状(またはコの字形状)の板状部材で構成することができ、例えば鋼板などの金属製であるのが好ましい。第1部分タンク3aと第2部分タンク3bは、フランジ部(突出部)を内部に備え、このフランジ部が接合面となって互いに接合する。内部連結部材9は、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bのフランジ部を挟むU字形状の部材で構成されている。すなわち、内部連結部材9は、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bのフランジ部をU字部分で幅方向に挟むように、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bの内部に設けられている。
【0035】
内部連結部材9は、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bとの接合部の上部から下部まで、上下方向に連続的に設けられるのが好ましい。内部連結部材9は、上下方向に1つまたは複数設置することができる。内部連結部材9は、例えばボルトで、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bに固定される。
【0036】
なお、中間タンク3(第1部分タンク3aと第2部分タンク3b)は、上部タンク1と下部タンク2に溶接で接合される。中間タンク3と上部タンク1との接合部や中間タンク3と下部タンク2との接合部に外部連結部材8を設置すると、上部タンク1と中間タンク3と下部タンク2が互いに上下方向に分離するのをより効果的に防止することができる。
【0037】
分割可能なタンク50は、内部に大きな応力が作用すると、上下方向よりも水平方向(本実施例では幅方向)に分離しやすい。このため、少なくとも第1部分タンク3aと第2部分タンク3bとの接合部(幅方向の接合部、すなわち分割部5)に、補強部材を設置するのが好ましい。
【0038】
本実施例によるタンク50は、第1部分タンク3aと第2部分タンク3bとの接合部に外部連結部材8、補強板7、及び内部連結部材9という補強部材を備えるので、分割部5での強度が大きく、例えば、絶縁油をタンク50に封入するために真空引きをしたときや、事故時に大きな内圧がタンク50に生じた場合でも、圧力の上昇に十分に耐えうる強度を持つ。このため、本実施例によるタンク50は、例えば事故時などに、内部から漏れる絶縁油の量を少なくすることができ、火災などのリスクを減少させることができる。
本実施例によるタンク50は、第3部分タンク3cと第4部分タンク3dとの接合部、第4部分タンク3dと第5部分タンク3eとの接合部、第5部分タンク3eと第6部分タンク3fとの接合部、及び第6部分タンク3fと第3部分タンク3cとの接合部に、外部連結部材8、補強板7、及び内部連結部材9という補強部材を備える。
第4部分タンク3dと第5部分タンク3eは、外部に突出する突起部3d1、3e1を備えることができる。第4部分タンク3dと第5部分タンク3eがこのような突起部3d1、3e1を備える場合には、補強板7は、第4部分タンク3dの突起部3d1と第5部分タンク3eの突起部3e1にそれぞれ長さ方向の外側から接触する突起部7a、7bを備えることができる。補強板7は、このような複数の突起部7a、7bにより、第4部分タンク3dと第5部分タンク3eが長さ方向に分離するのをより確実に防ぐことができる。
中間タンク3の長さ方向の分割部17は、事故時に大きな内圧がタンク50に生じた場合に最も変形が大きくなる部分であり、構造上の弱点部である。本実施例によるタンク50は、分割部17(中間タンク3の長さ方向の接合部)に外部連結部材8、補強板7、及び内部連結部材9という補強部材を備えるので、分割部17での強度が大きく、例えば事故時などに内部から漏れる絶縁油の量を少なくでき、火災などのリスクを減少させることができる。
本実施例によるタンク50のように中間タンク3が長さ方向に分割された構成は、中間タンク3が長さ方向に長いために、輸送に用いるトレーラーに中間タンク3を積載できない場合や、タンク50の設置作業の実施が困難な場合などに、採用することができる。中間タンク3が長さ方向に分割されていると、輸送時や設置時などに中間タンク3の長さを短くすることができ、輸送や設置の作業が容易に実施できる。
なお、中間タンク3は、本実施例では長さ方向に2つに分割されているが、長さ方向に3つ以上に分割されてもよい。中間タンク3は、長さ方向に3つ以上に分割されていても、分割部に外部連結部材8、補強板7、及び内部連結部材9という補強部材を備えて分割部での強度を大きくすることができる。