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特開2023-57273水中回転機械の製造方法および水中電動ポンプの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023057273
(43)【公開日】2023-04-21
(54)【発明の名称】水中回転機械の製造方法および水中電動ポンプの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/02 20060101AFI20230414BHJP
   H02K 15/14 20060101ALI20230414BHJP
   H02K 5/08 20060101ALI20230414BHJP
   H02K 5/18 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
H02K15/02 A
H02K15/14 Z
H02K5/08 A
H02K5/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166701
(22)【出願日】2021-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】松川 涼
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 義昭
【テーマコード(参考)】
5H605
5H615
【Fターム(参考)】
5H605AA07
5H605AA08
5H605BB06
5H605BB07
5H605BB14
5H605BB17
5H605CC01
5H605CC02
5H605DD09
5H605DD12
5H605GG18
5H605GG20
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB14
5H615PP01
5H615PP28
5H615SS09
5H615SS10
5H615SS13
5H615SS15
5H615SS44
5H615TT26
(57)【要約】
【課題】寸法精度を確保しつつ、製造工程を簡素化することが可能な水中回転機械の製造方法を提供する。
【解決手段】水中電動ポンプの製造方法では、金型を用いて樹脂製のモータフレーム11を樹脂成形する工程と、樹脂成形後の樹脂製のモータフレーム11にステータ13を挿入する工程と、樹脂製のモータフレーム11の収縮により樹脂製のモータフレーム11にステータ13を固定する工程と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと前記ステータの外周を囲むモータフレームとを含むモータを備える水中回転機械の製造方法であって、
金型を用いて樹脂製の前記モータフレームを樹脂成形する工程と、
樹脂成形後の前記樹脂製のモータフレームに前記ステータを挿入する工程と、
前記樹脂製のモータフレームの収縮により前記樹脂製のモータフレームに前記ステータを固定する工程と、を備える、水中回転機械の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂製のモータフレームに前記ステータを挿入する工程は、樹脂成形された前記樹脂製のモータフレームの収縮が完了する前に前記ステータを前記樹脂製のモータフレームに挿入する工程を含む、請求項1に記載の水中回転機械の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、前記樹脂製のモータフレームの内面として、前記ステータを挿入する方向に直交する方向の大きさが前記ステータを挿入するための挿入開口に向かって大きくなるように前記ステータの挿入する方向に対して傾斜する勾配面と、前記ステータの挿入方向に延びる非勾配面とを形成する工程を含む、請求項1または2に記載の水中回転機械の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、周方向において、前記勾配面と前記非勾配面とが交互に略等間隔で配置されるように前記樹脂製のモータフレームを形成する工程を含む、請求項3に記載の水中回転機械の製造方法。
【請求項5】
前記樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、前記ステータを挿入する方向に沿って前記勾配面と前記非勾配面とが連続して形成されるように、前記樹脂製のモータフレームの内面として、周方向全体に亘って前記勾配面と、前記非勾配面とを形成する工程を含み、
前記樹脂製のモータフレームに前記ステータを挿入する工程は、周方向の全体に亘って形成された前記非勾配面と前記ステータの外周面とが接触するように前記ステータを前記樹脂製のモータフレームに挿入する工程を含む、請求項3に記載の水中回転機械の製造方法。
【請求項6】
前記樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、前記樹脂製のモータフレームと、ロータの軸受け部を支持する前記樹脂製のモータブラケットとを一体成形する工程を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の水中回転機械の製造方法。
【請求項7】
前記樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、前記樹脂製のモータフレームが前記ステータの外周を囲むとともに前記樹脂製のモータブラケットが前記ステータの底面側に位置する円筒形状を有するように、前記樹脂製のモータフレームと前記樹脂製のモータブラケットとを一体成形する工程を含む、請求項6に記載の水中回転機械の製造方法。
【請求項8】
前記樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、熱伝導率が1.0W/mK以上である高熱伝導樹脂を用いて前記樹脂製のモータフレームを成形する工程を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の水中回転機械の製造方法。
【請求項9】
前記樹脂製のモータフレームを成形する工程は、前記樹脂製のモータフレームの外周面にフィン部を一体成形する工程を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の水中回転機械の製造方法。
【請求項10】
前記樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、前記樹脂製のモータフレームの内周面に内側に突出するとともに、前記ステータを挿入するための挿入開口側の面が前記ステータに接触する段差部を形成する工程を含み、
前記樹脂製のモータフレームに前記ステータを挿入する工程は、前記ステータを挿入する際に、前記ステータに前記樹脂製のモータフレームの前記段差部を接触させて、前記樹脂製のモータフレームに対する前記ステータの位置を位置決めする工程を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の水中回転機械の製造方法。
【請求項11】
前記ステータを挿入する方向に見て、前記位置決めする工程における樹脂成形後の前記段差部に囲まれる部分の内径の大きさは、前記ステータの外径の大きさより小さい、請求項10に記載の水中回転機械の製造方法。
【請求項12】
ステータと前記ステータの外周を囲むモータフレームとを含むモータを備える水中電動ポンプの製造方法であって、
金型を用いて樹脂製の前記モータフレームを樹脂成形する工程と、
樹脂成形後の前記樹脂製のモータフレームに前記ステータを挿入する工程と、
前記樹脂製のモータフレームの収縮により前記樹脂製のモータフレームに前記ステータを固定する工程と、を備える、水中電動ポンプの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中回転機械の製造方法および水中電動ポンプの製造方法に関するものであり、特に、ステータとステータの外周を囲むモータフレームとを含むモータを備える水中回転機械の製造方法および水中電動ポンプの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステータとモータハウジングとを含むモータを備える水中回転機械が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1の水中回転機械としてのモータポンプは、主軸と、主軸とともに一体的に回転するロータと、ロータの外周側に設けられたステータと、金属製のモータフレームとを備える。また、特許文献1のモータポンプの製造方法では、金属製のモータフレームの内周面にステータが固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-206839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には明記されていないが、上記特許文献1のモータポンプを含む水中回転機械の分野では、主軸の回転中心軸線がずれて主軸に振動が生じないように、治具を用いてステータをモータフレームに対して精度よく位置決めして固定する必要がある。この場合、ステータのモータフレームに対する固定作業が煩雑になるため、水中回転機械の製造工程が煩雑になるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、寸法精度を確保しつつ、製造工程を簡素化することが可能な水中回転機械の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による水中回転機械の製造方法は、ステータとステータの外周を囲むモータフレームとを含むモータを備える水中回転機械の製造方法であって、金型を用いて樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程と、樹脂成形後の樹脂製のモータフレームにステータを挿入する工程と、樹脂製のモータフレームの収縮により樹脂製のモータフレームにステータを固定する工程と、を備える。
【0008】
この発明の第1の局面による水中回転機械の製造方法では、上記のように、金型を用いて樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程と、樹脂成形後の樹脂製のモータフレームにステータを挿入する工程と、樹脂製のモータフレームの収縮により樹脂製のモータフレームにステータを固定する工程と、を備える。これにより、モータフレームによりステータの外周面を囲んだ状態で、モータフレームを収縮させることができる。このため、ステータの周方向において、モータフレームからステータに対して略均等に収縮に伴う力を作用させることができるため、治具を用いなくとも樹脂の収縮性を利用してステータをモータフレームに固定することができる。したがって、治具を用いてステータをモータフレームに固定する工程が不要となる。さらに、治具を用いる圧入とは異なり、樹脂製のモータフレームに対する固定作業を簡素化することができるとともに、治具を用いることなくステータ(シャフト)の中心位置の精度を確保することができる。この結果、寸法精度を確保しつつ、製造工程を簡素化することができる。また、モータフレームの収縮を利用することにより、モータフレームにステータを挿入する場合と比べて、モータフレームにクラック(割れ)が生じることを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による水中回転機械の製造方法において、好ましくは、樹脂製のモータフレームにステータを挿入する工程は、樹脂成形された樹脂製のモータフレームの収縮が完了する前にステータを樹脂製のモータフレームに挿入する工程を含む。このように構成すれば、ステータの外径よりも樹脂製のモータフレームの内径が大きい樹脂成形直後の段階においてステータを樹脂製のモータフレームに挿入することができるため、樹脂製のモータフレームにステータを容易に挿入することができる。
【0010】
上記第1の局面による水中回転機械の製造方法において、好ましくは、樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、樹脂製のモータフレームの内面として、ステータを挿入する方向に直交する方向の大きさがステータを挿入するための挿入開口に向かって大きくなるようにステータの挿入方向に対して傾斜する勾配面と、ステータの挿入方向に延びる非勾配面とを形成する工程を含む。このように構成すれば、勾配面により、樹脂により成形された樹脂製のモータフレームを金型から容易に取り出すことができるとともに、非勾配面により、ステータの外周面と樹脂製のモータフレームの内周面とを面接触させた状態で確実に嵌合させることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、周方向において、勾配面と非勾配面とが交互に略等間隔で配置されるように樹脂製のモータフレームを形成する工程を含む。このように構成すれば、ステータに対して非勾配面と勾配面とを略均等に設けることができるため、モータフレームが収縮した際に、固定を確実にするとともに、樹脂製のモータフレームに対してステータが偏ることを抑制することができる。
【0012】
上記第1の局面による水中回転機械の製造方法において、好ましくは、樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、ステータを挿入する方向に沿って勾配面と非勾配面とが連続して形成されるように、樹脂製のモータフレームの内面として、周方向全体に亘って勾配面と、非勾配面とを形成する工程を含み、樹脂製のモータフレームにステータを挿入する工程は、周方向の全体に亘って形成された非勾配面とステータの外周面とが接触するようにステータを樹脂製のモータフレームに挿入する工程を含む。このように構成すれば、樹脂製のモータフレームとステータの接触面積を大きく確保することができるため、樹脂製モータフレームに対するステータの固定がより確実になるとともに、ステータから発生する熱を樹脂製のモータフレームに効率よく伝えることができる。
【0013】
上記第1の局面による水中回転機械の製造方法において、好ましくは、樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、樹脂製のモータフレームと、ロータの軸受け部を支持する樹脂製のモータブラケットとを一体成形する工程を含む。このように構成すれば、モータブラケットと樹脂製のモータフレームとの間の境界をなくすことができるため、モータブラケットと樹脂製のモータフレームとの間から浸水することを抑制することができる。また、モータブラケットと、樹脂製のモータフレームとを別々に樹脂成形する場合と比べて、モータブラケットと樹脂製のモータフレームとを個別に製造して組み付ける工程が不要となるため、水中回転機械の製造プロセスをより簡素化することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、樹脂製のモータフレームがステータの外周を囲むとともに樹脂製のモータブラケットがステータの底面側に位置する円筒形状を有するように、樹脂製のモータフレームと樹脂製のモータブラケットとを一体成形する工程を含む。このように構成すれば、モータブラケットと樹脂製のモータフレームとを個別に製造して組付ける場合と異なり、容易に円筒形状を有したモータフレームを製造することができる。
【0015】
上記第1の局面による水中回転機械の製造方法において、好ましくは、樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、熱伝導率が1.0W/mK以上である高熱伝導樹脂を用いて樹脂製のモータフレームを成形する工程を含む。このように構成すれば、高熱伝導樹脂を用いることにより、ステータから伝わった熱を樹脂製のモータフレームがより放熱しやすくなるため、モータの放熱性を向上させることができる。
【0016】
上記第1の局面による水中回転機械の製造方法において、好ましくは、樹脂製のモータフレームを成形する工程は、樹脂製のモータフレームの外周面にフィン部を一体成形する工程を含む。このように構成すれば、フィン部を設けることにより、樹脂製のモータフレームの放熱面積を大きく確保することができるため、モータの放熱性をさらに向上させることができる。また、フィン部を設けることにより、樹脂に高熱伝導フィラーが含まれる場合に、高熱伝導フィラーを厚み方向に配向させることができるため、放熱性をさらに向上させることができる。
【0017】
上記第1の局面による水中回転機械の製造方法において、好ましくは、樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程は、樹脂製のモータフレームの内周面に内側に突出するとともに、前記ステータを挿入するための挿入開口側の面がステータに接触する段差部を形成する工程を含み、樹脂製のモータフレームにステータを挿入する工程は、ステータを挿入する際に、ステータと樹脂製のモータフレームの段差部とを接触させて、樹脂製のモータフレームに対するステータの位置を位置決めする工程を含む。このように構成すれば、ステータを樹脂製のモータフレームの段差部に接触させるだけで、モータフレームの収縮前において、ステータを挿入する方向におけるモータフレームに対するステータの位置決めを行ってステータのモータフレームへの挿入を完了することができる。これにより、治具を用いて圧入する工程を行わなくともステータの深さ方向(軸方向)の位置決めが容易かつ確実に行える。
【0018】
この場合、好ましくは、ステータの挿入方向に見て、位置決めする工程における樹脂成形後の段差部に囲まれる部分の内径の大きさは、ステータの外径の大きさより小さい。このように構成すれば、ステータを段差部に確実に接触させることができるため、ステータを挿入する方向におけるモータフレームに対するステータの位置決めを容易に行うことができる。
【0019】
この発明の第2の局面による水中電動ポンプの製造方法は、ステータとステータの外周を囲むモータフレームとを含むモータを備える水中電動ポンプの製造方法であって、金型を用いて樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程と、樹脂成形後の樹脂製のモータフレームにステータを挿入する工程と、樹脂製のモータフレームの収縮により樹脂製のモータフレームにステータを固定する工程と、を備える。
【0020】
この発明の第2の局面による水中電動ポンプの製造方法では、上記のように、金型を用いて樹脂製のモータフレームを樹脂成形する工程と、樹脂成形後の樹脂製のモータフレームにステータを挿入する工程と、樹脂製のモータフレームの収縮により樹脂製のモータフレームにステータを固定する工程と、を備える。これにより、モータフレームによりステータの外周面を囲んだ状態で、モータフレームを収縮させることができる。このため、ステータの周方向において、モータフレームからステータに対して略均等に収縮に伴う力を作用させることができるため、治具を用いなくとも樹脂の収縮性を利用してステータをモータフレームに固定することができる。したがって、治具を用いてステータをモータフレームに固定する工程が不要となる。さらに、治具を用いる圧入とは異なり、樹脂製のモータフレームに対する固定作業を簡素化することができるとともに、治具を用いることなくステータ(シャフト)の中心位置の精度を確保することができる。この結果、寸法精度を確保しつつ、水中電動ポンプの製造工程を簡素化することができる。また、モータフレームの収縮を利用することにより、モータフレームにステータを挿入する場合と比べて、モータフレームにクラック(割れ)が生じることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、寸法精度を確保しつつ、製造工程を簡素化することが可能な水中回転機械の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】水中ポンプの全体構成を示した側面図である。
図2】樹脂製のモータフレームの斜視図である。
図3】樹脂製のモータフレームにステータが取り付けられた状態を示す底面図である。
図4】ステータを樹脂製のモータフレームに挿入する工程を説明するための図である。
図5】スタータを樹脂製のモータフレームに固定する工程を示す図である。
図6】第1変形例による樹脂製のモータフレームにステータが取り付けられた状態を示す底面図である。
図7】第2変形例によるモータフレームにフィンを設けた様子を示す側面図である。
図8】変形例によるモータフレームにステータが取り付けられた状態を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本実施形態を図1図5に基づいて説明する。
【0024】
[本実施形態]
(水中回転機械の構成)
図1を参照して、水中電動ポンプ100について説明する。なお、「水中電動ポンプ」は特許請求の範囲に記載した「水中回転機械」の一例である。
【0025】
水中電動ポンプ100は、モータ1と、ポンプ室2と、オイル室3とを備えている。
【0026】
モータ1は、モータフレーム11と、モータブラケット12と、ステータ13(固定子)と、ロータ14(回転子)と、軸受け部15と、シャフト(回転軸)16とを備える。シャフト16の一端側は、モータブラケット12に取り付けられた軸受け部15に回転支持されており、シャフト16の他端側に羽根車4が取り付けられる。そして、シャフト16は、上下方向に延びるように配置されている。本明細書では、シャフト16の延びる方向をZ方向とする。また、モータブラケット12が位置する側をZ1側とし、羽根車4が取り付けられる側をZ2側とする。
【0027】
図1および図2に示すように、モータフレーム11は、内部にステータ13と、ロータ14とが収容される。モータフレーム11は、円筒形状である。モータフレーム11は、樹脂製である。樹脂製のモータフレーム11は、熱伝導率が1.0W/mK以上である高熱伝導樹脂を用いて樹脂成形されることが好ましい。高熱伝導樹脂は、たとえば、汎用プラスチック、汎用プラスチックよりも強度または耐熱性を向上させたエンジニアリングプラスチック、または、エンジニアリングプラスチックよりも耐熱性を向上させたスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)である。
【0028】
汎用プラスチックの一例は、ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン)またはPP(ポリプロピレン)である。エンジニアリングプラスチックの一例は、PC(ポリカーボネート)、PA(ポリアミドまたはナイロン)、PBT(ポリブチレンテフタレート)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、m-PPE(変性ポリフェニレンエーテルまたはノリル)である。スーパーエンジニアリングプラスチックの一例は、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PSU(ポリスルホン)、PAI(ポリアミドイミド)、PEI(ポリエーテルイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、またはLCP(液晶ポリエステルまたは液晶ポリマー)である。
【0029】
樹脂製のモータフレーム11は、モータブラケット12と一体的に形成されている。樹脂製のモータフレーム11は、樹脂製のモータフレーム11がステータ13の外周を囲むとともにモータブラケット12がステータ13の底面側(Z1側)に位置する円筒形状を有している。なお、樹脂製のモータフレーム11は、ステータ13がZ2側からZ1側に向かって挿入される。樹脂製のモータフレーム11の厚みは特に限定されないが、放熱性と強度の観点から、たとえば、3.0mm以上、好ましくは、3.5mm以上5mm以下、さらに好ましくは、3.5mm以上4mm以下に設定してもよい。
【0030】
図2に示すように、樹脂製のモータフレーム11は、ステータ13を挿入するための挿入開口11aを有している。挿入開口11aは、モータブラケット12が設けられる側(Z1側)とは反対側(Z2側)に設けられている。挿入開口11aは、樹脂製のモータフレーム11にステータ13およびロータ14を含む部材が樹脂製のモータフレーム11内に取り付けられた後に、カバー部材17(図1参照)が取り付けられる。
【0031】
図2および図3に示すように、樹脂製のモータフレーム11は、樹脂製のモータフレーム11の内面として、ステータ13を挿入する方向(Z方向)に直交する方向(X方向またはY方向)の大きさがステータ13を挿入するための挿入開口11aに向かって大きくなるようにステータ13の挿入方向(Z方向)に対して傾斜する勾配面11bと、ステータ13の挿入方向に延びる非勾配面11cとが形成されている。勾配面11bの角度は、たとえば、2度に設定される。非勾配面11cは、樹脂製のモータフレーム11にステータ13が嵌合する際の嵌合面として機能する。非勾配面11cは、勾配が略0度の面である。本実施形態では、周方向(R方向)において、勾配面11bと非勾配面11cとが交互に略等間隔で配置される。本実施形態では、勾配面11bは、周方向において4カ所設けられている。
【0032】
図3および図4に示すように、樹脂製のモータフレーム11は、内周面に段差部11dが設けられている。ステータ13を挿入する方向に見て、段差部11dに囲まれる部分の内径D1の大きさは、ステータ13の外径D3の大きさよりも小さい。段差部11dは、樹脂製のモータフレーム11の内周面に沿って連続的に円形に形成されている。段差部11dは、樹脂製のモータフレーム11に対するステータ13の深さ方向(軸方向)の位置決めを行うために設けられる。
【0033】
図1に示すように、モータブラケット12は、ロータ14の軸受け部15を上方から支持するように構成されている。
【0034】
図3に示すように、モータブラケット12は、上面視で円形を有している。また、モータブラケット12は、軸受け部15が挿入される孔部12aが設けられている。
【0035】
図1に示すように、ステータ13は、磁界を発生させて、ロータ14を回転させるように構成されている。ステータ13は、樹脂製のモータフレーム11の非勾配面11cに勘合している(図3参照)。なお、非勾配面11cの略全面がステータ13の外周面13bに当接している。
【0036】
ロータ14には、シャフト16が取り付けられている。ロータ14は、電気を流すことにより電磁石として機能する。ステータ13により磁界を発生させることによって、ロータ14は、シャフト16とともに回転駆動するように構成されている。
【0037】
軸受け部15には、ロータ14のZ1側の一端が取り付けられる。軸受け部15は、モータブラケット12に取り付けられる。
【0038】
シャフト16は、概して上下方向(Z方向)に延びる円柱形状を有している。シャフト16は、Z2側に羽根車4が固定されている。モータ1は、シャフト16を介して羽根車4を回転駆動させるように構成されている。シャフト16の回動軸中心軸線αは、モータフレーム11に対して精度よく位置決めされている。
【0039】
図1に示すように、ポンプ室2には、羽根車4が配置されている。また、ポンプ室2は、吸込口21と吐出口22とを有している。水中電動ポンプ100は、排水領域(図示せず)に配置され、吸込口21からポンプ室2内へ水を吸水する。そして羽根車4が回転することでポンプ室2内へ吸水された水へ速度エネルギーを与え、ポンプ室2内にて水の速度エネルギーが圧力エネルギーに変換され、吐出口22から吐出するように構成されている。
【0040】
オイル室3は、モータ1およびポンプ室2の間に配置されており、オイル室3は、オイルが充填されている。また、オイル室3内には、メカニカルシール31が設けられている。
【0041】
(水中電動ポンプの製造方法)
図4および図5に基づいて、水中電動ポンプ100の製造方法について説明する。
【0042】
金型を用いて樹脂製のモータフレーム11を樹脂成形する。樹脂成形する方法は、たとえば、コアとキャビティとからなる金型を用意し、コアとキャビティとを勘合させた状態で、樹脂を流し込み樹脂成形する射出成形が用いられる。また、金型は、樹脂製のモータフレーム11の内周面として勾配面11bと、非勾配面11cとが形成されるように設計されている。
【0043】
金型は、樹脂成形直後の樹脂製のモータフレーム11の内径D2が、ステータ13の外径D3よりも大きくなるように設定される。樹脂製のモータフレーム11は、ステータ13を取り付けない場合に収縮が完了後した場合の内径D2が、ステータ13の外径D3よりも小さくなるように調整される。これにより、樹脂製のモータフレーム11は、ステータ13を挿入することにより所定の内径の大きさに収縮しきれていないため、収縮しようとする力がステータ13にかかり、ステータ13が樹脂製のモータフレーム11に対して強固に固定される。
【0044】
図4に示すように、樹脂成形された樹脂製のモータフレーム11を金型から取り出した後、樹脂製のモータフレーム11の収縮が完了する前にステータ13を樹脂製のモータフレーム11に挿入する。挿入する方向は、Z2方向からZ1方向である。この時、ステータ13の底面13aが、樹脂製のモータフレーム11の段差部11dに接触することにより樹脂製のモータフレーム11に対するステータ13の位置決めをする。樹脂製のモータフレーム11にステータ13を挿入するタイミングは、たとえば、射出成形工程においてモータフレーム11が成形される1サイクル内に設定される。1サイクルは、使用する樹脂の収縮率およびモータフレーム11の大きさなどの条件により適宜設定され、たとえば、金型から取り出した2分後から2分30秒の間を1サイクルとして設定される。
【0045】
ステータ13を挿入する方向に見て、ステータ13を取り付ける際の樹脂製のモータフレーム11の段差部11dが設けられていない部分の内径D2は、ステータ13の外径D3より大きい。ステータ13を挿入する方向に見て、ステータ13を取り付ける際の樹脂製のモータフレーム11の段差部11dに囲まれる部分の内径D1は、ステータ13の外径D3より小さい。なお、樹脂製のモータフレーム11を金型から取り出した後、ステータ13を挿入するまでの間に樹脂製のモータフレーム11の形を整えるための工程を含んでいてもよい。
【0046】
図5に示すように、ステータ13を樹脂製のモータフレーム11に挿入した状態で、樹脂製のモータフレーム11の収縮によりステータ13を樹脂製のモータフレーム11に固定する。具体的には、完全に収縮が完了した樹脂製のモータフレーム11の内径D2は、ステータ13の外径D3に対して若干小さくなるように設定されているが、ステータ13の外径D3の制約を受けることにより、樹脂製のモータフレーム11の内径D2とステータ13の外径D3とがほぼ同じ大きさになる。その結果、ステータ13の外周面13bと樹脂製のモータフレーム11の非勾配面11cとが嵌合し、ステータ13が樹脂製のモータフレーム11の内面に固定される。ステータ13が樹脂製のモータフレーム11に固定された後、ロータ14をステータ内に配置するとともにロータ14の軸受け部15をモータブラケット12に接触させる。その後、樹脂製のモータフレーム11の挿入開口11aにカバー部材17を取り付けてモータ1が完成する。
【0047】
完成したモータ1は、シャフト16に羽根車4が取り付けられる。その後、モータ1にオイル室3とポンプ室2とを取り付けることにより水中電動ポンプ100が製造される。
【0048】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0049】
本実施形態では、上記のように、金型を用いて樹脂製のモータフレーム11を樹脂成形する工程と、樹脂成形後の樹脂製のモータフレーム11にステータ13を挿入する工程と、樹脂製のモータフレーム11の収縮により樹脂製のモータフレーム11にステータ13を固定する工程と、を備える。これにより、モータフレーム11によりステータ13の外周面13bを囲んだ状態で、モータフレーム11を収縮させることができる。このため、ステータ13の周方向において、モータフレーム11からステータ13に対して略均等に収縮に伴う力を作用させることができるため、治具を用いなくとも樹脂の収縮性を利用してステータ13をモータフレーム11に固定することができる。したがって、治具を用いてステータ13をモータフレーム11に固定する工程が不要となる。さらに、治具を用いる圧入とは異なり、樹脂製のモータフレーム11に対する固定作業を簡素化することができるとともに、治具を用いることなくステータ13(シャフト16)の中心位置の精度を確保することができる。この結果、寸法精度を確保しつつ、製造工程を簡素化することができる。また、モータフレーム11の収縮を利用することにより、モータフレーム11にステータ13を挿入する場合と比べて、モータフレーム11にクラック(割れ)が生じることを抑制することができる。
【0050】
本実施形態では、上記のように、樹脂製のモータフレーム11にステータ13を挿入する工程は、樹脂成形された樹脂製のモータフレーム11の収縮が完了する前にステータ13を樹脂製のモータフレーム11に挿入する工程を含む。これにより、ステータ13の外径D3よりも樹脂製のモータフレーム11の内径D2が大きい樹脂成形直後の段階においてステータ13を樹脂製のモータフレーム11に挿入することができるため、樹脂製のモータフレーム11にステータ13を容易に挿入することができる。
【0051】
本実施形態では、上記のように、樹脂製のモータフレーム11を樹脂成形する工程は、樹脂製のモータフレーム11の内面として、ステータ13を挿入する方向に直交する方向の大きさがステータ13を挿入するための挿入開口11aに向かって大きくなるようにステータ13の挿入方向に対して傾斜する勾配面11bと、ステータ13の挿入方向に延びる非勾配面11cとを形成する工程を含む。これにより、勾配面11bにより、樹脂により成形された樹脂製のモータフレーム11を金型から容易に取り出すことができるとともに、非勾配面11cにより、ステータ13の外周面13bと樹脂製のモータフレーム11の内周面とを面接触させた状態で確実に嵌合させることができる。
【0052】
本実施形態では、上記のように、樹脂製のモータフレーム11を樹脂成形する工程は、周方向において、勾配面11bと非勾配面11cとが交互に略等間隔で配置されるように樹脂製のモータフレーム11を形成する工程を含む。これにより、ステータ13に対して非勾配面11cと勾配面11bとを略均等に設けることができるため、モータフレーム11が収縮した際に、固定を確実にするとともに、樹脂製のモータフレーム11に対してステータ13が偏ることを抑制することができる。
【0053】
本実施形態では、樹脂製のモータフレーム11を樹脂成形する工程は、樹脂製のモータフレーム11と、ロータ14の軸受け部15を支持する樹脂製のモータブラケット12とを一体成形する工程を含む。これにより、モータブラケット12と樹脂製のモータフレーム11との間の境界をなくすことができるため、モータブラケット12と樹脂製のモータフレーム11との間から浸水することを抑制することができる。また、モータブラケット12と、樹脂製のモータフレーム11とを別々に樹脂成形する場合と比べて、モータブラケット12と樹脂製のモータフレーム11とを個別にそれぞれ製造して組み付ける工程が不要となるため、水中電動ポンプ100の製造プロセスをより簡素化することができる。
【0054】
本実施形態では、樹脂製のモータフレーム11を樹脂成形する工程は、樹脂製のモータフレーム11がステータ13の外周を囲むとともに樹脂製のモータブラケット12がステータ13の底面側に位置する円筒形状を有するように、樹脂製のモータフレーム11と樹脂製のモータブラケット12とを一体成形する工程を含む。これにより、モータブラケット12と樹脂製のモータフレーム11とを個別に製造して組付ける場合と異なり、容易に円筒形状を有したモータフレーム11を製造することができる。
【0055】
本実施形態では、樹脂製のモータフレーム11を樹脂成形する工程は、熱伝導率が1.0W/mK以上である高熱伝導樹脂を用いて樹脂製のモータフレーム11を成形する工程を含む。これにより、高熱伝導樹脂を用いることにより、ステータ13から伝わった熱を樹脂製のモータフレーム11がより放熱しやすくなるため、モータ1の放熱性を向上させることができる。
【0056】
本実施形態では、樹脂製のモータフレーム11を樹脂成形する工程は、樹脂製のモータフレーム11の内周面に内側に突出するとともに、ステータ13を挿入するための挿入開口11a側の面がステータ13に接触する段差部11dを形成する工程を含み、樹脂製のモータフレーム11にステータ13を挿入する工程は、ステータ13を挿入する際に、ステータ13と樹脂製のモータフレーム11の段差部11dとを接触させて、樹脂製のモータフレーム11に対するステータ13の位置を位置決めする工程を含む。これにより、ステータ13を樹脂製のモータフレーム11の段差部11dに接触させるだけで、モータフレーム11の収縮前において、ステータ13を挿入する方向におけるモータフレーム11に対するステータ13の位置決めを行ってステータ13のモータフレーム11への挿入を完了することができる。これにより、治具を用いて圧入する工程を行わなくともステータ13の深さ方向(軸方向)の位置決めが容易かつ確実に行える。
【0057】
本実施形態では、ステータ13を挿入する方向に見て、位置決めする工程における樹脂成形後の段差部11dに囲まれる部分の内径D1の大きさは、ステータ13の外径D3の大きさより小さい。これにより、ステータ13を段差部11dに確実に接触させることができるため、ステータ13を挿入する方向におけるモータフレーム11に対するステータ13の位置決めを容易に行うことができる。
【0058】
[本実施形態の第1変形例]
次に、図6を参照して、本実施形態の第1変形例について説明する。この第1変形例では、樹脂製のモータフレーム211の内周面全体に亘って非勾配面11cが設けられている。なお、図中において、上記実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0059】
本実施形態の第1変形例では、樹脂製のモータフレーム211を樹脂成形する工程は、ステータ13を挿入する方向に沿って勾配面11bと非勾配面11cとが連続して形成されるように、樹脂製のモータフレーム211の内面として、周方向全体に亘って勾配面11bと、非勾配面11cとを形成する工程を含む。具体的には、樹脂製のモータフレーム211の挿入開口11a側に非勾配面11cが形成されるとともに、モータブラケット12側に勾配面11bが形成される。また、樹脂製のモータフレーム211にステータ13を挿入する工程は、周方向の全体に亘って形成された非勾配面11cとステータ13の外周面13bとが接触するようにステータ13を樹脂製のモータフレーム211に挿入する工程を含む。
【0060】
本実施形態の第1変形例では、樹脂製のモータフレーム211とステータ13との接触面積を大きく確保することができるため、ステータ13から発生する熱を樹脂製のモータフレーム211に効率よく伝えることができる。なお、本実施形態の第1変形例のその他の構成および効果は、上記実施形態と同様である。
【0061】
[本実施形態の第2変形例]
次に、図7を参照して、本実施形態の第2変形例について説明する。この第2変形例では、樹脂製のモータフレーム311の外周面13bにフィン部18が形成されている。なお、図中において、上記実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0062】
本実施形態の第2変形例では、樹脂製のモータフレーム311を成形する工程は、樹脂製のモータフレーム311の外周面13bにフィン部18を一体成形する工程を含む。なお、フィン部18の形状、配向(向き)および数は、特に限定されない。たとえば、フィン部18をZ方向に沿って延びるように配置してもよく、X方向またはY方向に沿って延びるように配置してもよい。
【0063】
本実施形態の第2変形例では、樹脂製のモータフレーム311の外周面13bにフィン部18を設けることにより、樹脂製のモータフレーム311の放熱面積を大きく確保することができるため、モータ1の放熱性をさらに向上させることができる。また、フィン部18を設けることにより、樹脂に高熱伝導フィラーが含まれる場合に、高熱伝導フィラーを厚み方向に配向させることができるため、放熱性をさらに向上させることができる。なお、本実施形態の第2変形例のその他の構成および効果は、上記実施形態と同様である。
【0064】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0065】
たとえば、上記実施形態では、水中回転機械は、水中電動ポンプである例を示したが本発明はこれに限らない。水中回転機械は、曝気装置、水中ミキサなど、水中に配置される装置であれば特に限定されない。
【0066】
また、上記実施形態では、勾配面が4つ設けられる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、勾配面の数は特に限定されず、1以上であれば、図8に示すように8つであってもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、段差部が連続的に設けられる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、段差部を断続的に設けてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 モータ
11、211、311 モータフレーム
11a 挿入開口
11b 勾配面
11c 非勾配面
11d 段差部
12 モータブラケット
13 ステータ
13a (ステータの)底面
13b (ステータの)外周面
14 ロータ
15 軸受け部
18 フィン部
100 水中電動ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8